JP2015223943A - 作業車輌の原動部構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】エンジン(E)の上部における機体内側の部位に、エンジン(E)から排出される排気ガス中の未燃燃料を酸化する酸化触媒装置(11)を前後方向に沿って配置し、エンジン(E)とエンジン(E)を循環する冷却水を冷やすラジエータ(50)の間に、駆動状態と停止状態に切換可能な外気吸入用のラジエータファン(20)と駆動状態と停止状態に切換可能な排気用の排塵ファン(30)を配置し、側面視において操縦席(6)における機体内側に配置されたサイドパネル(6A)と酸化触媒装置(11)の間に、遮熱カバー(95)を設けることにより解決される。
【選択図】図15
Description
また、排ガス浄化装置の排気ガスを外部に導くテールパイルを脱穀装置の下側に延設させているので、排気ガスの予熱を有効活用せずに外部に排出するという問題が指摘されていた。
また、伝動ベルトを備えるテンション操作体を回転させることにより、ファンを正転方向と逆転方向への切換えを行なっているために、伝動ベルトの劣化が著しく保守・点検作業の頻度が多いという問題があった。
そこで、本発明の主たる課題は、かかる問題点を解消することにある。
請求項1に係る発明は、操縦席(6)と該操縦席(6)の下側にエンジン(E)を配置し、該エンジン(E)の上部における機体内側の部位に、エンジン(E)から排出される排気ガス中の未燃燃料を酸化する酸化触媒装置(11)を前後方向に沿って配置し、前記エンジン(E)とエンジン(E)を循環する冷却水を冷やすラジエータ(50)の間に、駆動状態と停止状態に切換可能な外気吸入用のラジエータファン(20)と駆動状態と停止状態に切換可能な排気用の排塵ファン(30)を配置し、側面視において前記操縦席(6)における機体内側に配置されたサイドパネル(6A)と酸化触媒装置(11)の間に、遮熱カバー(95)を設けた作業車輌の原動部構造である。
また、図11〜14に示すように、エンジンEの上部左側には、エンジンEから排出された排気ガス中の未燃燃料を酸化するDOC等の酸化触媒装置11が設けられている。これにより、酸化触媒装置11により加熱された内気を効率的に脱穀装置3に向かって送風し、脱穀装置3内の脱穀穀粒の乾燥を促進させることができる。
なお、クランクシャフト60に替えてエンジンEのクランクシャフト60の上側に位置するウオータポンプシャフト60Aや、クランクシャフト60の左上側に位置するオルタネータシャフト60Dや、エンジンEから左側に向かって延出するフライホイールシャフト60Bに伝動された回転動力をプーリ、ベルト等を介して後部伝動軸110に伝動させることもできる。また、クランクシャフト60と、ウオータポンプシャフト60Aと、オルタネータシャフト60Dに軸支されたプーリには、ベルト60Eが巻回されており、クランクシャフト60の回転動力は、ベルト60Eを介して、ウオータポンプシャフト60Aと、オルタネータシャフト60Dに伝動される。
また、エンジンEのクランクシャフト60と中間伝動部150のプーリ63を接近して設けることができ、ベルト62に起因する回転動力の伝動ロスを少なくすることができる。
さらに、中間伝動部150の保守・点検作業も容易に行なうことができ、中間伝動部150を小型・軽量に製作することが可能となる。
図6等に示すように、駆動状態切換手段45は、エンジンルーム8の左後側に位置する左後側フレーム1Dの後側に設けられている。より詳細には、駆動状態切換手段45は、左後側フレーム1Dから後側に向かって延出するエンジンEやラジエータ50を循環する冷却水の一部を一時的に貯留するリザーバタンク92を支持するするステー90の上部にボルト等の締結手段によって着脱自在に連結されたブラケット91に取付けられている。これにより、駆動状態切換手段45の保守・点検作業を容易に行うことができ、また、駆動状態切換手段45がラジエータファン20や排塵ファン30の送風を妨げることを防止できる。
図7,8に示すように、一側の連繋手段80のアウターケーブル80Aの前端部は、後述するブラケット140の後アーム部142の後側上部に設けられたステー81に支持され、ステー81は、回転軸24の軸心方向視においてラジエータファン24と排塵ファン30の外周よりも外側に設けられている。これにより、連繋手段80とステー81が、ラジエータファン20と排塵ファン30の送風の障害にならずラジエータファン20と排塵ファン30の送風効率を向上させることができる。
なお、ベルトストッパ26Cは、回転軸24の軸心方向視において略く字形状に形成され、ベルト122に接触する先端側のベルト接触部と、テンションアーム26Bに固着される接続部とを備えている。また、接続部の中間部には、弾性部材82を介してインナーケーブル80Bの前端部が接続されている。
図8に示すように、駆動状態切換手段45によりプレート45Eを回転させて、連繋手段80のインナーケーブル80Bを引込みテンションローラ26のベルトストッパ26Cが時計方向に回転した場合には、テンションローラ26のローラ26Aは、ベルト122を押圧し、テンションローラ26のベルトストッパ26Cは、ベルト122から離間して非制動状態となり、プーリ121に伝動されたエンジンEの回転動力をプーリ23に伝動する。
図7,8に示すように、ブラケット140は、ブラケット140の中心部に回転軸24を内嵌し、筒状回転軸34を外嵌する支持部25が固着され、図3に示すように、ブラケット140における支持部25は、ラジエータ50の上下方向の中心部よりも上側に偏倚した位置に設けられている。これにより、ラジエータファン20により吸入された外気がエンジンEの上側に送風され、エンジンEや、エンジンEの上側に設けられた酸化触媒装置11を効率良く冷却することができる。
これにより、ラジエータファン20と排塵ファン30の送風の障害にならずラジエータファン20と排塵ファン30の送風効率を向上させることができる。また、ブラケット140の剛性が高まり、回転軸24、筒状回転軸34を安定して支持することができ、ラジエータファン20、排塵ファン30を安定して回転させることができる。さらに、前アーム部141と下アーム部143の先端側は、右側(機体外側)に向かい傾斜しているので、ブラケット140の前側、下側において間隔部Bを広く形成できるので、ラジエータファン20、排塵ファン30、エンジンE等の保守・点検作業が容易に行なうことができる。
図9に示すように、エンジンEの回転動力が伝動されるプーリ63は、後部伝動軸110にキー64により固定されている。後部伝動軸110の外周面にキー溝111が形成されている。キー溝111内に挿入されたキー64が、プーリ63と後部伝動軸110の間に介在することで、プーリ63が、後部伝動軸110に相対回転不能な状態で固定される。なお、キー溝111は、後部伝動軸110の軸心方向に間隔をおいて、後部伝動軸110の外周面の2箇所に形成されている。
また、後部伝動軸110の外周面には、カラー112,113が外嵌されている。カラー112,113は、プーリ63が後部伝動軸110の軸心方向に移動することを規制する部材である。なお、図9におけるカラー113の左右方向の長さは、カラー112の左右方向の長さよりも大きく形成されている。
図9(a)は、プーリ63が後部伝動軸110の軸心方向の左側部に取付けられた状態を示し、図9(b)は、プーリ63が後部伝動軸110の軸心方向の右側部に取付けられた状態を示している。プーリ63の取付け位置を変更する場合には、キー64の挿入位置を変更し、プーリ63の左右側に配置されるカラー112,113を左右入替えて後部伝動軸110に外嵌する。また、プーリ63の位置変更に伴って、プーリ61とプーリ63に巻回されたベルト62を押圧するテンションローラ115A,115Bの位置を変更する。
図15,16に示すように、酸化触媒装置11と操縦席6の主変速レバー等が設けられているサイドパネル6Aの間には、遮熱カバー95が設けられている。なお、遮熱カバー95を設けることにより、排藁等の粉塵の酸化触媒装置11への堆積が防止できると共に、排藁等の粉塵の発火を防止でき、酸化触媒装置11の周辺に設けられる電装部品の温度上昇を防止することができる。
図17に示すように、遮熱カバー95の前側板95Aは、酸化触媒装置11の前部よりも所定の間隔を隔てて設けられた左前側フレーム1Cに沿って設けられ、前側板95Aの下部は、酸化触媒装置11の前部の下部よりも下側に延在している。また、遮熱カバー95の水平板95Bは、酸化触媒装置11の上部よりも所定の間隔を隔てて設けられた左側フレーム1Hに沿って設けられている。さらに、遮熱カバー95の後側板95Dは、酸化触媒装置11の後部よりも所定の間隔を隔てて設けられた左後側フレーム1Dに沿って設けられ、後側板95Dの下部は、酸化触媒装置11の後部の下部よりも下側に延在している。これにより、ラジエータファン20によって吸引された外気を右側から左側に向かって効率良く送風でき酸化触媒装置11を冷却すると共に、酸化触媒装置11によって加熱された内気を酸化触媒装置11の左側に設けられた脱穀装置3に効率良く送風して脱穀装置3内の脱穀穀粒を乾燥させることができる。
なお、酸化触媒装置11によって加熱された内気を酸化触媒装置11の左側に設けられた脱穀装置3により効率良く送風するために、酸化触媒装置11を支持するステー11Bに開口部11Cを設けるのが好適である。
図15,16に示すように、テールパイプ15は、酸化触媒装置11の排気口12に前部が接続される第1パイプ16と、第1パイプ16の後部に前部が接続される第2パイプ17と、第2パイプ17の後部に前部が接続される第3パイプ18とを備えて形成されている。
また、第2パイプ17の前部の内径は、第1パイプ16の後部の外径よりも大径に形成され、第2パイプ17の前部は、第1パイプ16の後部の外周部に対して所定の間隔を隔てて外嵌されている。これにより、第1パイプ16から第2パイプ17に排出された排気ガスにより第2パイプ17の前部の内部が負圧になり第1パイプ16の後部と第2パイプ17の前部の隙間から外気を第2パイプ17の前部に吸引して第2パイプ17に排出された排気ガスの温度を下げることができる。
また、第3パイプ18は、第3パイプ18は、第2パイプ16の後部に接続された前部から下後側に向かって直線状に延在している。なお、圃場上の排藁に第3パイプ18が直接接触して排藁の発火を防止するために、第3パイプ18の外周部は断面が略八角形のカバーで覆われている。
6A サイドパネル
11 酸化触媒装置
11D 温度センサ
20 ラジエータファン
23 プーリ(第3プーリ)
24 回転軸
30 排塵ファン
33 プーリ(第4プーリ)
34 筒状回転軸
45 駆動状態切換手段
50 ラジエータ
50A ラジエータホース
95 遮熱カバー
95A 前側板
95D 後側板
110 後部伝動軸
121 プーリ(第1プーリ)
122 ベルト(第1ベルト)
131 プーリ(第2プーリ)
132 ベルト(第2ベルト)
E エンジン
Claims (8)
- 操縦席(6)と該操縦席(6)の下側にエンジン(E)を配置し、
該エンジン(E)の上部における機体内側の部位に、エンジン(E)から排出される排気ガス中の未燃燃料を酸化する酸化触媒装置(11)を前後方向に沿って配置し、
前記エンジン(E)とエンジン(E)を循環する冷却水を冷やすラジエータ(50)の間に、駆動状態と停止状態に切換可能な外気吸入用のラジエータファン(20)と駆動状態と停止状態に切換可能な排気用の排塵ファン(30)を配置し、
側面視において前記操縦席(6)における機体内側に配置されたサイドパネル(6A)と酸化触媒装置(11)の間に、遮熱カバー(95)を設けた作業車輌の原動部構造。 - 前記遮熱カバー(95)を酸化触媒装置(11)に対して所定の間隔を隔てて設け、
前記遮熱カバー(95)の下部を、前記酸化触媒装置(11)の機体前側及び機体後側において、それぞれ酸化触媒装置(11)の下部よりも下側に延出させた請求項1記載の作業車輌の原動部構造。 - 前記酸化触媒装置(11)の内部温度を計測する温度センサ(11D)を、前記酸化触媒装置(11)におけるラジエータファン(20)側の外周部位に設けた請求項1又は2記載の作業車輌の原動部構造。
- 前記ラジエータファン(20)と排塵ファン(30)を同一軸心上に設け、
前記ラジエータファン(20)と排塵ファン(30)とを一方が駆動状態となり他方が非駆動状態となるように互いに背反的に切換える駆動状態切換手段(45)を設け、
前記エンジン(E)から排出される排気ガス中の未燃燃料を酸化する酸化触媒装置(11)をエンジン(E)の上側に配置し、
前記排塵ファン(30)を支持する筒状回転軸(34)内を貫通してラジエータファン(20)を支持する回転軸(24)を設け、
前記回転軸(24)をラジエータ(50)の上下方向の中心よりも上側に配置した請求項1〜3のいずれか1項に記載の作業車輌の原動部構造。 - 前記回転軸(24)の軸心方向視において前記酸化触媒装置(11)をラジエータファン(20)と排塵ファン(30)の外周部よりも外側に配置した請求項4記載の作業車輌の原動部構造。
- 前記回転軸(24)の軸心方向視において前記駆動状態切換手段(45)をラジエータファン(20)と排塵ファン(30)の外周部よりも外側に配置し、且つ、前記駆動状態切換手段(45)を酸化触媒装置(11)よりも機体後側に配置した請求項4又は5記載の作業車輌の原動部構造。
- 前記エンジン(E)とラジエータ(50)を接続するラジエータホース(50A)を、前記ラジエータファン(20)と排塵ファン(30)の外周部よりも上側に配置した請求項4〜6のいずれか1項に記載の作業車輌の原動部構造。
- 前記エンジン(E)の回転が伝動される後部伝動軸(110)をエンジン(E)の機体後側に設け、
該後部伝動軸(110)に第1プーリ(121)と第2プーリ(131)を設け、前記回転軸(24)に第3プーリ(23)を設け、前記筒状回転軸(34)に第4プーリ(33)を設け、
前記第1プーリ(121)と第3プーリ(23)に第1ベルト(122)を巻回し、前記第2プーリ(131)と第4プーリ(33)に第2ベルト(132)を巻回し、前記第1ベルト(122)を第2ベルト(132)よりもエンジン(E)側に配置した請求項4〜7のいずれか1項に記載の作業車輌の原動部構造。
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