JP2015223567A - 水処理システム及び水処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】電気分解や電気透析などの水への通電処理に伴って発生する水素ガスと酸素ガスを、気液分離することなく効率よく反応させて水に戻して回収する水処理システム及び水処理方法を提供する。【解決手段】原水を電気分解装置3で電気分解処理した後、電気分解装置3から流出する水素ガス及び酸素ガス含有水を、気液混合状態のまま、水素燃焼触媒が充填された触媒装置4に通水して、水素燃焼反応により水素ガスと酸素ガスを水に戻して回収する。【選択図】図1

Description

本発明は、電気分解装置や電気透析装置などの被処理水を電気的に処理する電気的処理装置を用いた水処理システム及び水処理方法に係り、特に電気的処理に伴って発生した水素ガスと酸素ガスを、水素燃焼触媒を用いて接触水素燃焼反応させて水に戻す装置又は工程を有する水処理システム及び水処理方法に関する。
有機物質、特に難分解性有機物質を含む排水の処理方法として、電気分解により処理する技術が知られている(特許文献1)。かかる電気分解処理では、水の電気分解で水素ガス及び酸素ガスが発生する。特許文献1には、水素防爆を図るために、電気分解装置からの流出水を気液分離装置で処理して水素ガスを排水から分離し、分離した水素ガスを酸化分解装置に導入して酸化燃焼させることが記載されている。
このように、水素ガスを気液分離して酸化燃焼させる水処理システムにあっては、気液分離装置が必要であり、設備コストが高くなる。また、閉鎖系空間のように水が貴重な場所では、酸化燃焼排ガス中の水蒸気を凝縮させて水を回収することが望まれるが、この場合には、凝縮装置も必要になり、設備コストがさらに高くなる。
なお、水素防爆を図るために、水素含有排ガスを窒素ガスなどの非酸化性ガスによって希釈することもあるが、この場合には、窒素ガス源が必要となる。また、閉鎖系空間での利用においては、多量のガス放出は、系内のガスバランスを崩し活動に悪影響を与える。
一方で、蓄電池などで発生した水素を酸化処理する手段として、特許文献2,3には撥水化処理した触媒を用いて水素を酸化処理するものが記載されている。
特許文献4には、トリチウム除去にも使用できる水素燃焼触媒として、触媒担体表面に有機シランを結合させて疎水化した水素燃焼触媒が記載されている。
特開2004−255226号公報 特公昭36−15014号公報 特開昭60−87857号公報 特開2011−139991号公報
本発明は、電気分解や電気透析などの水への通電処理に伴って発生する水素ガスと酸素ガスを気液分離することなく効率よく反応させて水に戻して回収することができる水処理システム及び水処理方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、水の電気的処理で発生した水素ガス及び酸素ガスを含む処理水を、気液分離することなく、気液混合流体の状態で水素燃焼触媒に接触させることにより、水素燃焼反応で水素ガスと酸素ガスを効率的に水に戻すことができ、これにより、気液分離装置が不要となると共に、希釈のためのガスも不要となることを見出した。
本発明はこのような知見に基づいて達成されたものであり、以下を要旨とする。
[1] 被処理水に通電して処理を行う電気的処理装置を有する水処理システムにおいて、該電気的処理装置から流出する水素ガス及び酸素ガス含有水が気液混合状態のまま導入される、水素燃焼触媒が充填された触媒装置を備えたことを特徴とする水処理システム。
[2] [1]において、前記水素燃焼触媒は、疎水性材料よりなる担体に白金族金属を担持させた触媒であることを特徴とする水処理システム。
[3] [1]又は[2]において、前記触媒装置の通水SVが1〜1000hr−1であることを特徴とする水処理システム。
[4] [1]ないし[3]のいずれかにおいて、前記電気的処理装置は、電気分解装置又は電気透析装置であることを特徴とする水処理システム。
[5] [1]ないし[4]のいずれかにおいて、閉鎖系空間で生じた人体排出水及び/又は生活排水を前記被処理水として処理し、処理水を生産水として回収することを特徴とする水処理システム。
[6] 被処理水に通電して処理を行う電気的処理工程を有する水処理方法において、該電気的処理工程で得られた水素ガス及び酸素ガス含有水を、気液混合状態のまま、水素燃焼触媒と接触させる水素燃焼反応工程を備えたことを特徴とする水処理方法。
[7] [6]において、前記水素燃焼触媒は、疎水性材料よりなる担体に白金族金属を担持させた触媒であることを特徴とする水処理方法。
[8] [6]又は[7]において、前記水素燃焼反応工程は、前記水素燃焼触媒が充填された触媒装置に、前記水素ガス及び酸素ガス含有水を通水する工程であり、該通水SVが1〜1000hr−1であることを特徴とする水処理方法。
[9] [6]ないし[8]のいずれかにおいて、前記電気的処理工程は、電気分解工程又は電気透析工程であることを特徴とする水処理方法。
[10] [6]ないし[9]のいずれかにおいて、閉鎖系空間で生じた人体排出水及び/又は生活排水を前記被処理水として処理し、処理水を生産水として回収することを特徴とする水処理方法。
本発明の水処理システム及び水処理方法では、水の電気的処理で発生する水素ガス及び酸素ガスを含む流体を気液分離することなく、水素燃焼反応により水に戻すため、水素/酸素混合ガスが溜まることによる爆発の危険が無い。このため、希釈のためのガスは不要である。また、気液分離器や凝縮装置を必要としないため装置構成を簡素化することができる。水素燃焼反応で生成した水はそのまま処理水に戻るため、高い水回収率を得ることができる。
本発明の水処理システムの実施の形態を示す系統図である。 実施例1〜3の結果を示すグラフである。
以下、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1は本発明の実施の形態に係る水処理システムの系統図である。
図1において、処理対象となる被処理水(原水)は、原水槽1からポンプ2により原水ライン11を経て電気分解装置3に導入され、電気分解装置3において、原水中の有機物等の被酸化性物質が電気分解される。この際、水の一部は水素と酸素に電気分解される。電気分解装置3において、水の電気分解で発生した酸素と水素は、気泡となって水中に残留する。この気泡を含んだ電気分解処理水は、電気分解装置3から気液混相流となって流出し、移送ライン12を経て水素燃焼触媒が充填された触媒装置4に導入される。触媒装置4では水素と酸素の気泡が触媒の疎水性表面に吸着し、互いに接触することで水素燃焼反応が起こり、水が生成する。生成した水は処理水とともに返送ライン13を経て原水槽1に返送される。
<原水>
原水としては、電気分解、電気透析等の電気的処理で処理し得る被処理物を含む水が挙げられる。ここで、被処理物は有機物であっても無機物であってもよく、有機物としては、アルカン、アルケン、アルキン等の脂肪族炭化水素及び芳香族炭化水素;アルコール;アルデヒド;ケトン;アミン;酢酸等のカルボン酸;エステル、アミド、酸無水物等のカルボン酸誘導体;ハロゲン化炭化水素;フェノール類;スルホキサイド、メルカプトン、チオール、ポリスルホン等の含硫黄有機化合物;等が挙げられる。
一方、無機物としては、アンモニア;硝酸イオン、亜硝酸イオン;シアン化ナトリウム等のシアン類;尿素等の無機窒素化合物;硫化水素等の硫黄化合物などが挙げられる。原水には、その他のイオン類、例えば無機又は有機酸イオンが含まれていてもよい。
原水は、これらの被処理物を含有する懸濁液、乳化液、水溶液のいずれの形態であってもよい。すなわち、被処理物は溶解していてもよく、分散していてもよい。
特に、本発明によれば、水の電気的処理で発生した水素ガスと酸素ガスを水素燃焼反応により再び水に戻して回収することができることから、本発明は、閉鎖系空間のように、水が貴重であり、高い水回収率が要求される場所で発生した排水を処理して水回収を図る場合に有効である。
ここで、閉鎖系空間とは、内外での物質やエネルギーのやりとりが制限された空間をさし、例えば、核シェルター、災害避難所、宇宙ステーション又は月・火星ミッションの有人宇宙船、月面基地などが挙げられる。本発明は、これらの閉鎖系空間で発生した人体排出水(尿、汗など)や生活排水(空調関係の凝縮水、厨房排水、洗濯排水、風呂・シャワー排水、清掃排水、動植物などの飼育栽培により発生する排水など)などの排水を原水として処理し、処理水を水回収するための水処理システム及び水処理方法として有効である。
これらの閉鎖系空間から排出される排水は、主として空調関係の凝縮水や人体から排出される汗や尿などであり、Mg、Ca等のスケール成分、たんぱく質や尿素等の有機物、Na、K、Cl、SO、PO、NH、NO等の無機イオンが含まれている。具体的な水質としては、例えば次のようなものが挙げられるが、以下の排水の混合排水を原水としてもよい。
(人体から排出される汗や尿を主体とする排水)
pH:6〜8
TOC:2000〜15000mg/L
無機イオン:5000〜20000mg/L
Na:1000〜5000mg/L
NH:100〜1500mg/L
K:500〜2500mg/L
Cl:2000〜10000mg/L
PO:500〜2500mg/L
(生活排水)
pH:5〜13
TOC:1〜200mg/L
無機イオン:0.01〜200mg/L
Na:0.01〜10mg/L
NH:0.01〜100mg/L
K:0.01〜10mg/L
Cl:0.01〜10mg/L
PO:0.01〜10mg/L
<電気分解装置>
電気分解装置に適用される反応容器としては、次のようなものが好ましい。
一端側に原水の入口、他端側に電気分解処理水の出口を設けた配管などの円筒形の容器(円筒状配管型容器)の内部に、陽極を、原水の流れと平行方向に、かつ容器と絶縁するように離隔して設置し、配管自体を陰極として、陽極、陰極間に直流電源を接続する。円筒形の容器は、角筒形等の他の形状の容器に比べて内圧に対して強度を保持しやすく、反応容器の肉厚を薄くすることができ、装置の小型化が可能となる。また、電極を原水の流れに対して平行に設置することで、発生した気泡を処理水とともに容器外へ押し出すことが可能となり、電極への気泡付着を抑制し、反応効率を高めることができる。
電気分解装置の陰極(即ち、反応容器の内壁)の構成材料としては、例えばハステロイ、インコロイ等のニッケル基合金;チタン基合金;炭素鋼、ステンレス鋼等の鋼材等を用いることができる。また、白金等の金属で被覆されたものであってもよい。
また、陰極は導電性ダイヤモンド電極からなるものであってもよく、導電性ダイヤモンド電極であれば、化学的安定性に優れ、電流効率が高く、電気分解効率の面で好ましい。この場合、ニオブ、タングステン、ステンレス、モリブデン、白金、イリジウム等の金属からなる基材に導電性ダイヤモンドの被覆層を形成したものとすることができる。
陽極は、陽極と陰極となる反応容器内壁との距離が均等となるように設けられることが好ましい。この距離にばらつきがある場合には、距離が短い部分に局部的に過大な電流が流れ、その部分の陽極の劣化が促進されることとなり好ましくない。本発明では、円筒状配管型容器内に、平板状、円柱形状又は円筒形状の陽極を、その中心軸が反応容器の内壁の中心軸と実質的に一致するように設けることが好ましい。
陽極は、1枚又は複数枚の平板状のものをそのまま設置してもよいし、メッシュ又は網を円筒形状に形成したものでもよいし、板を円筒形状に形成したものでもよいし、棒状体であってもよい。
陽極としては、少なくともその表面が、ルテニウム、イリジウム、白金、パラジウム、ロジウム、錫若しくはこれらの酸化物又はフェライトであるものが好ましい。陽極そのものがこれらの物質で構成されていてもよいし、陽極の基材の表面がこれらの物質で被覆されていてもよい。
陽極を構成するルテニウム、イリジウム、白金、パラジウム、ロジウム、錫は、金属元素そのものであってもよいし、酸化物であってもよい。また、これらの金属の合金も好適に用いられる。合金としては、例えば、白金−イリジウム、ルテニウム−錫、ルテニウム−チタンなどが挙げられる。上記した金属等は、耐食性に優れており、陽極として用いる場合に優れた不溶性を示す。
陽極もまた陰極と同様の理由から導電性ダイヤモンド電極からなるものであってもよく、この場合、陽極全体が導電性ダイヤモンドから構成されるものであってもよく、シリコン、ニオブ、タングステン、ステンレス、モリブデン、白金、イリジウム等の金属、或いは、炭化ケイ素、窒化ケイ素、炭化モリブデン、炭化タングステン等の非金属等からなる基材に導電性ダイヤモンドの被覆層を形成したものであってもよい。TOCの分解は特に陽極で起こるため、陽極に導電性ダイヤモンド電極を用いることにより、たんぱく質等のTOCを効率的に分解することができる。
電気分解装置における電気分解は、
(1)高温高圧下、即ち100℃以上であって、原水の臨界温度以下の温度において、該被処理水が液相を維持する圧力下
(2)上記(1)の高温高圧条件よりも低い温度及び圧力条件(以下、便宜上、「通常条件」という。)下
のいずれかで行われる。
通常条件下で電気分解を行う場合、温度は20〜90℃、特に50〜80℃で、圧力は常圧〜0.5MPa、特に常圧〜0.2MPaの範囲で行うことが好ましい。電気分解時の温度や圧力は、高い程電気分解効率が向上するが、高温高圧条件を採用する場合、電気分解装置の耐熱、耐圧構造のためのコストと加熱、加圧のためのコストが高くつくことになる。通常条件下での電気分解であれば、コスト面で有利である。
通常条件下での電気分解条件は、原水の水質や用いる電極の種類、反応容器のセルの大きさや構成等によっても異なるが、電流密度は通常0.1〜500A/dm、好ましくは1〜50A/dmであり、電気分解時間は通常0.3〜30hr、好ましくは5〜20hrである。従って、原水を円筒状配管型容器の一端側から他端側へ通液して電気分解を行う一過式通液型の反応容器にあっては、原水の反応容器内の滞在時間が上記の好適な電気分解時間となるように流速を調節することが好ましい。
なお、通常条件下での電気分解の場合、電気分解装置における線速を比較的高く、好ましくは1〜500m/hr、より好ましくは10〜200m/hrとして、電気分解で発生した気泡を水流で押し出して装置外に除去するようにすることが好ましい。
電気分解装置は、原水を一過式で通液しても循環式で通液してもよく、装置の設置場所や設置目的、要求特性に応じて、一過式通液型とするか、循環式通液型とするかを決定すればよい。
また、電気分解装置は、前述の円筒状配管型の反応容器を複数個直列に連結して設置したものであってもよく、また、反応容器を複数個直列に連結した反応容器群を複数列並列に設置したものであってもよく、このようにして反応容器を複数個設けることにより、電気分解装置の処理水量、有機物等の分解量を高めることができる。
なお、図1では、電気的処理装置として電気分解装置を設けた例を示したが、本発明において、電気的処理装置は電気分解装置に限らず、電気透析装置等の他の電気的処理装置であってもよく、電気分解装置と電気透析装置とを組み合わせたものであってもよい。
<触媒装置>
本発明で用いる触媒装置に充填される水素燃焼触媒は、以下の理由により、疎水性水素燃焼触媒、即ち、疎水性材料よりなる担体に白金族金属等の触媒活性成分を担持させたものなどの疎水性水素燃焼触媒であることが好ましい。
本発明においては、電気的処理装置からの水素ガス及び酸素ガス含有水を気液分離することなく、気液混合状態のまま触媒装置に導入して水素燃焼反応させる。このような場合において、水素燃焼触媒が親水性であると、水素燃焼触媒が気液混合流体中の水ないしは水蒸気により表面がぬれてしまい、ガスが触媒と接触せず反応効率が低下する。水素燃焼触媒が疎水性であれば、気液混合流体中のガス成分のみが触媒に吸着し、触媒上で水素ガスと酸素ガスが互いに接触することで水素燃焼反応が起こり、触媒を劣化させることなく、効率的に水を生成することができる。
疎水性水素燃焼触媒としては、アルミナ、シリカ、シリカ−アルミナ、ゼオライト、ジルコニアといった、従来から触媒担体として一般的に用いられている金属酸化物担体を、シランカップリング剤、シリコーン樹脂、テトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂、周知の撥水化剤であるシリコーンオイルやフッ化カーボン等の疎水性材料で被覆するなどして疎水性とした担体や、ポリジメチルシロキサンやテトラフルオロエチレン等のフッ素系高分子、スチレン−ジフェニルベンゼン、シリカ等のそれ自体疎水性材料で構成された担体に、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Pt等の白金族金属の1種又は2種を担持したものが好適に用いられる。例えば、特公昭36−15014号公報、特開昭48−16888号公報、特開昭60−87857号公報、特開2011−139991号公報等に記載された公知の疎水性水素燃焼触媒を用いることができる。
電気分解装置等の電気的処理装置からの水素ガス及び酸素ガスを含む処理水は、気液混合流体のまま、このような疎水性水素燃焼触媒が充填された触媒装置に通水されて、気液混合流体中の水素ガスと酸素ガスとが水素燃焼触媒上で水素燃焼反応することにより水が生成する。
ここで、触媒装置への通水速度は、水素燃焼反応の効率に影響し、通水速度が過度に高いと水素燃焼触媒と水素及び酸素ガスとの接触時間を十分に確保することができないために、水素燃焼反応の反応率が低いものとなる。ただし、触媒装置の通水速度が過度に低いと処理効率が悪く、また触媒装置が大型化し、好ましくない。
従って、触媒装置への通水速度は、通水SVで1〜1000hr−1、特に5〜400hr−1、とりわけ10〜200hr−1程度とすることが好ましい。
なお、触媒装置における処理温度は、20〜40℃程度でよく、反応に際して熱がでるが特に温度調節することなく、室温で処理することができる。
このような触媒装置は、電気分解装置等の電気的処理装置からの処理水流出側に設けられていればよく、電気的処理装置が循環式通液型の場合は、その循環ラインに設けられてもよい。
<その他の処理>
本発明の水処理システムは、電気的処理装置及び触媒装置以外の装置を備えていてもよく、本発明の水処理方法は、電気的処理工程及び水素燃焼反応工程以外の工程を備えていてもよい。
例えば、原水がスケール成分やSS等の懸濁物質を含む場合、電気的処理に先立ちこれらを除去するための軟化装置(軟化工程)や固液分離手段(固液分離工程)を備えてもよい。
また、電気的処理後の処理水の水質を更に高めるための逆浸透膜分離装置(逆浸透膜分離工程)、電気透析装置や電気再生式脱イオン装置(電気再生式脱イオン工程)を備えていてもよい。
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
[実施例1]
図1に示す水処理システムを用いて、2重量%NaSO水溶液の電気分解で生成した水素ガスと酸素ガスを水素燃焼反応により水に戻す実験を行った。
用いた電気分解装置及び触媒装置の仕様は以下の通りである。この実験では、電気分解による被処理物の酸化分解を目的としないため、電流値は、前述の電気分解に好適な電流値よりも低く設定した。
<電気分解装置>
反応容器:一端側に被処理水の流入口、他端側に処理水の流出口を有する円筒状配管型反応容器(内径12mm、長さ140mm)
陽極:反応容器の中心に、同軸状に設けられた幅10mm、長さ100mmの板状導電性ダイヤモンド電極
陰極:反応器内壁を兼ねる導電性チタン配管
温度:室温
圧力:大気圧
電流:0.38A
電流密度:1.9A/dm
通液線速:150m/hr
<触媒装置>
SIサイエンス株式会社製疎水性白金触媒「北光ビーズ」を用いた触媒装置
この疎水性白金触媒は、スチレン−ジフェニルベンゼン系重合体よりなる疎水性担体に白金を担持したものである。
温度:室温
通水SV:137hr−1
NaSO水溶液を電気分解装置と触媒装置に循環させる処理を行い、循環処理中に発生する触媒装置出口のガスを採取し、単位時間あたりのガス量G1を測定した。また、触媒装置を設けずに同様に行い、電気分解装置出口のガスを採取し、単位時間あたりのガス量G2を測定した。触媒装置を設置した場合と設置しない場合とのガス量G1,G2から、{(G2−G1)/G2}×100で反応率を求め、結果を表1と図2に示した。
[実施例2]
電気分解装置における電流値を0.76A(電流密度3.8A/dm)とし、触媒装置における通水SVを274hr−1としたこと以外は実施例1と同様に処理を行い、結果を表1及び図2に示した。
[実施例3]
電気分解装置における電流値を1.14A(電流密度5.7A/dm)とし、触媒装置における通水SVを411hr−1としたこと以外は実施例1と同様に処理を行い、結果を表1及び図2に示した。
[比較例1]
触媒装置を設けなかったこと以外は実施例1と同様に処理を行ったところ、電気分解で発生した水素ガスと酸素ガスが放出され、気液分離後、放散させるためには希釈を行う必要があった。
Figure 2015223567
上記の結果から、触媒装置を設けることにより、電気分解で発生した水素ガスと酸素ガスを水に戻すことができ、水回収率を高めることができることが分かる。
また、図2より、触媒装置の通水SVが低くなるほど水素燃焼反応の反応効率が上がり、SV=137hr−1でほぼ100%の効率で水素燃焼反応が進行していることが分かる。これは、通水SVが低い程触媒と水素及び酸素気泡との接触時間が長くなるため反応効率が上がったためと考えられる。
なお、触媒装置に、疎水性白金触媒の代りに、酸化チタン(TiO)と多孔質ガラスのそれぞれの担体に白金を担持した通常の白金触媒を充填したものを用いて実施例1と同様に処理を行ったところ、反応率はそれぞれ8%、14%であった。
1 原水槽
3 電気分解装置
4 触媒装置

Claims (10)

  1. 被処理水に通電して処理を行う電気的処理装置を有する水処理システムにおいて、
    該電気的処理装置から流出する水素ガス及び酸素ガス含有水が気液混合状態のまま導入される、水素燃焼触媒が充填された触媒装置を備えたことを特徴とする水処理システム。
  2. 請求項1において、前記水素燃焼触媒は、疎水性材料よりなる担体に白金族金属を担持させた触媒であることを特徴とする水処理システム。
  3. 請求項1又は2において、前記触媒装置の通水SVが1〜1000hr−1であることを特徴とする水処理システム。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項において、前記電気的処理装置は、電気分解装置又は電気透析装置であることを特徴とする水処理システム。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1項において、閉鎖系空間で生じた人体排出水及び/又は生活排水を前記被処理水として処理し、処理水を生産水として回収することを特徴とする水処理システム。
  6. 被処理水に通電して処理を行う電気的処理工程を有する水処理方法において、
    該電気的処理工程で得られた水素ガス及び酸素ガス含有水を、気液混合状態のまま、水素燃焼触媒と接触させる水素燃焼反応工程を備えたことを特徴とする水処理方法。
  7. 請求項6において、前記水素燃焼触媒は、疎水性材料よりなる担体に白金族金属を担持させた触媒であることを特徴とする水処理方法。
  8. 請求項6又は7において、前記水素燃焼反応工程は、前記水素燃焼触媒が充填された触媒装置に、前記水素ガス及び酸素ガス含有水を通水する工程であり、該通水SVが1〜1000hr−1であることを特徴とする水処理方法。
  9. 請求項6ないし8のいずれか1項において、前記電気的処理工程は、電気分解工程又は電気透析工程であることを特徴とする水処理方法。
  10. 請求項6ないし9のいずれか1項において、閉鎖系空間で生じた人体排出水及び/又は生活排水を前記被処理水として処理し、処理水を生産水として回収することを特徴とする水処理方法。
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