JP2016059901A - 触媒カートリッジ及びそれを備える過酸化物含有水溶液処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】発生する酸素ガスをより効率よく排出することができ、結果として、処理時間の短縮ないし時間当たりの処理量が増大し得る触媒カートリッジの提供。【解決手段】被処理水に含まれる過酸化物を分解するための触媒カートリッジであって、被処理水の導入口11と処理後の被処理水の排出口12とを有する筒状容器10;及び、板状担体と前記担体に担持されてなる金属触媒とを有する触媒ユニット20;を備え、触媒ユニット20は筒状容器10に収容され、上記導入口11から排出口12への向きと板状担体の厚み方向とのなす角が45〜90°である、触媒カートリッジ。【選択図】図1

Description

本発明は被処理水に含まれる過酸化物を分解するための触媒カートリッジ及びそれを備える過酸化物含有水溶液処理装置に関する。
過酢酸や過酸化水素等の過酸化物は強い酸化力を持つことが知られている。これらの水溶液はペットボトルのような容器の殺菌、洗浄、紙パルプや繊維の漂白、半導体洗浄などを目的として広く使用されている。このような使用に係る工場からは、使用済の高濃度の過酢酸及び/又は過酸化水素等の過酸化物を含有する排水が排出される。これらは、(1)殺菌作用があるため、そのまま排水処理設備に流すと排水処理・活性汚泥の微生物を殺してしまう可能性がある、(2)過酸化水素は水質汚濁防止法の指定物質である、などの理由から、河川・下水への放流や排水処理設備に流す前に、過酸化水素を分解する必要がある。
過酸化物は、金属触媒を用いて酸素と(過酸化物ではない)酸化物とに分解することができる。特許文献1によれば、カラム等の容器に粒状の触媒担持物質を詰めて、そこに過酸化水素を含む被処理水を接触させることが開示されている。特許文献2には、板の表面に貴金属を担持させた触媒が記載されている。触媒の形状は、ハニカム構造あるいはメッシュ構造とすることができるとのことである。これらの技術では、過酸化水素の分解に伴って発生する酸素ガスを処理系からどのように除去するかが問題となる。特許文献3には、ガス抜き整流棒を備えた過酸化水素分解装置が開示されており、触媒材は粒状に限らず、網状であってよいとのことである。ガス抜き整流棒を用いることで酸素ガスをそれ以前の技術より速やかに排出できることが記載されている。
特開平10−337576号公報 特開2011−200771号公報 特開2012−250172号公報
しかしながら、当該処理系においては酸素ガスが大量に発生するため、特許文献3の技術のようにガス抜き整流棒を用いても効率よく酸素ガスを排出することは困難である。発生する酸素ガスの排出が不十分であると、触媒と被処理水(排水)との接触が妨げられ、処理に時間がかかってしまう。この問題に鑑みて、本発明は、発生する酸素ガスをより効率よく排出することができ、結果として、処理時間の短縮ないし時間当たりの処理量が増大し得る触媒カートリッジ及びそれを備えた過酸化物含有水溶液処理装置の提供を課題とする。
本発明者らが鋭意検討した結果、以下の内容の本発明を完成した。
[1]被処理水に含まれる過酸化物を分解するための触媒カートリッジであって、被処理水の導入口と処理後の被処理水の排出口とを有する筒状容器;及び、板状担体と前記担体に担持されてなる金属触媒とを有する触媒ユニット;を備え、触媒ユニットは筒状容器に収容され、上記導入口から排出口への向きと板状担体の厚み方向とのなす角が45〜90°である、触媒カートリッジ。
[2]触媒ユニットが筒状容器に着脱可能に収容されてなる[1]の触媒カートリッジ。
[3]上記金属触媒が白金族の金属を含有する[1]又は[2]の触媒カートリッジ。
[4]上記板状担体が、エキスパンドメタル又はパンチングメタルである[1]〜[3]の触媒カートリッジ。
[5]当該触媒カートリッジは複数枚の触媒ユニットを有し、各触媒ユニットは、短冊状の板状担体を有し、筒状容器の中心軸から前記容器の壁面近傍に向けて、上記複数枚の触媒ユニットが放射状の断面を呈するように収容されてなる[1]〜[4]の触媒カートリッジ。
[6]当該触媒カートリッジは複数枚の触媒ユニットを有し、筒状容器は四角柱形であり、各触媒ユニットは、短冊状の板状担体を有し、前記筒状容器の一側面に平行となるように順々に収容されてなる[1]〜[4]の触媒カートリッジ。
[7]触媒ユニットが折られ、及び/又は、曲げられて筒状容器に収容されてなる[1]〜[4]の触媒カートリッジ。
[8]触媒ユニットが渦巻き状に曲げられて筒状容器に収容されてなる[7]の触媒カートリッジ。
[9]当該触媒カートリッジは複数枚の触媒ユニットを有し、各触媒ユニットは半径の異なる円筒状に曲げられており、断面が同心円になるように、筒状容器に収容されてなる[7]の触媒カートリッジ。
[10][1]〜[9]の触媒カートリッジを備えてなる過酸化物含有水溶液処理装置。
本発明の触媒カートリッジ及びそれを備えた過酸化物含有水溶液処理装置(以下、「本発明の装置」と略記することもある。)によれば、被処理水が流れる方向と板状担体の板面の法線(厚み方向)とのなす角が大きく、これは、被処理水が触媒ユニットの表面をなぞるように流れることを意味しており、金属触媒近傍において発生する酸素ガスを効率よく取り除くことができる。その結果、金属触媒と被処理水との接触を妨げる要素が少なくなり、短時間で過酸化水素・過酢酸等の過酸化物を処理することができる。
本発明の触媒カートリッジの模式図である。 本発明の触媒カートリッジの模式図である。 本発明の触媒カートリッジの模式図である。 本発明の触媒カートリッジの模式図である。 比較例の触媒カートリッジの模式図である。
以下、図面を参照しながら本発明を詳しく説明する。図面は説明の便宜のためのものにすぎず、本発明は図示された態様に限定されるわけでない。また、図面においては発明の特徴的な部分を強調して表現することがあるので、図面各部における縮尺の正確性は必ずしも担保されていない。
本発明の触媒カートリッジは被処理水に含まれる過酸化物を分解するものであり、本発明の装置は、前記カートリッジを備えた装置である。ここで、処理の対象である水溶液を被処理水と呼ぶ。過酸化物としては、過酸化水素、過カルボン酸(過酢酸等)、過酸化エステル、ケトンパーオキサイド、過酸化ジアルキル、過酸化ジアシル等が挙げられる。本発明のカートリッジでは、過酢酸及び過酸化水素を含む水溶液の分解に特に適している。被処理水において過酸化物は水に好ましくは溶解している。通常、工場等から排出される過酸化物を含有した排水は、過酢酸や過酸化水素等の過酸化物の他に、酢酸等の酸性物質を含有しており、pHは3以下である。本発明のカートリッジは、被処理水のpH調整は特に必要とせず、また、金属触媒が劣化し難いため長期に渡り処理することが可能である。本発明のカートリッジで処理する際には、過酸化物を金属触媒に接触させればよく、固定床方式、流動方式、懸濁触媒方式等の任意の方法で実施することができる。本発明のカートリッジにおける処理温度は、低温から高温の幅広い範囲で十分な分解速度が得られる、望ましくは5〜80℃、より好ましくは20〜80℃が挙げられる。過酸化物は金属触媒との接触により、酸素を発生して分解する。過酸化物の例として過酢酸および過酸化水素を挙げ、それらの分解に係る化学反応式を以下に示す。
2CHCOOOH→2CHCOOH+O
2H→2HO+O
過酢酸等の過酸化物を分解すると酢酸等の有機成分が生成しBOD、COD源となるが、活性汚泥処理装置、接触酸化処理装置等の排水処理装置を利用してBOD、COD成分を除去することができる。酸成分を除去した後、排水として川に流すことも可能であるが、工場用水や生活用水に再利用することも可能である。
図1は本発明の触媒カートリッジの模式図である。本発明の触媒カートリッジは、筒状容器10とそこに収容される触媒ユニット20とを主たる構成として有する。筒状容器10は典型的には一方向に長軸を有する閉塞容器である。筒状容器10の形状としては、円筒状であってもよいし、四角柱状であってもよい。既存のカラムのための容器を転用してもよい。筒状容器10は、被処理水の導入口11及び排出口12を有する。好ましくは、導入口11及び排出口12は、それぞれ、筒状容器10の長軸の一端及び他端、あるいはそれらの近傍に設けられる。
触媒ユニット20は板状担体と前記担体に担持されてなる金属触媒とを有する。よって、板状担体の形状に起因して、触媒ユニット20自体もまた板状を呈している。金属触媒は、金属、及び/又は、金属化合物を含有する、過酸化物を分解し得る触媒である。前記金属化合物としては金属酸化物が挙げられる。金属触媒については、上述の先行技術文献などに開示されている公知の触媒を適宜用いることができる。好適には、金属触媒は白金族の金属を含有する。白金族の金属としては、白金、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウムが挙げられる。これらの中でも特に、過酸化物の分解性能に優れる点より白金が好ましく挙げられる。
触媒ユニット20には金属酸化物が共存していてもよく、好適には、白金族の金属の酸化物が共存している。白金族の金属酸化物としては、酸化ルテニウム、酸化ロジウム、酸化パラジウム、酸化オスミウム、酸化イリジウムが挙げられる。これらの中でも特に、耐久性に優れる点より、酸化ルテニウムと酸化イリジウムが好ましく挙げられる。
特に好ましい金属触媒として、白金族の金属と白金族の金属の酸化物とが共存する触媒が挙げられ、その中でも、白金と酸化イリジウム、白金と酸化ルテニウム、白金と酸化イリジウムと酸化ルテニウムからなる群より選ばれる1つが好ましく挙げられ、特に長期間に渡り過酸化物を分解できる点から、白金と酸化イリジウムと酸化ルテニウムとを固体担体上に担持させた触媒を用いることが好ましく挙げられる。
触媒ユニット20における板状担体は、厚み方向を見出すことができる板状を呈していればよく、材質としては、チタン、ジルコニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、鉄、アルミニウム及びそれらの金属を含む合金からなる群より選ばれる一種の金属、及び/又は、その酸化物、活性炭、シリカ、アルミナ、シリカアルミナ、炭化珪素、ゼオライト、ボーキサイト、ケイソウ土等が非限定的に挙げられる。前記合金としては、アルミ合金、チタン合金、ステンレス等が挙げられ、これらの中でも、酸条件下における耐久性に優れる点より、チタン、ジルコニウム、ニオブ、鉄、タンタル、バナジウムからなる群より選ばれる少なくとも一種の金属又はそれらの金属を主成分とする合金からなる金属を用いることが好ましく挙げられ、特に、耐久性・加工性・経済性を考慮した場合、チタンの使用が好ましく挙げられる。
過酸化物の分解反応は、金属触媒との接触により生ずる反応であって、反応促進の点から金属触媒の表面積が大きい方が望ましい。よって、板状担体は、エキスパンドメタル、網、パンチングメタル、ハニカム構造、繊維、不織布等から形成してもよい。これらから得られる板状担体は、微細孔や繊維間の隙間などが存在しており、厳密な幾何学的な意味では「板」であるとは言い難いかもしれないが、板状担体の全体をみてその厚み方向を定義できる程度の「板状」を呈しているのであれば、本発明における板状担体として用いることができる。なお、板状担体の表面は好ましくは粗面化処理されてなる。板状担体の厚さは特に限定なく、形状の維持要する強度の確保や、筒状容器10の容積の有効活用の観点から、好ましくは、0.1〜50mmである。
金属触媒は板状担体に担持されてなる。担持の態様および担持させる方法については、特に限定は無く、従来技術等を適宜参照することができる。例えば、塗布及び焼成による熱分解法、含浸法、共沈法、沈着法、混練法、イオン交換法、溶融法等による担持を行ってもよい。これらの中でも、熱分解法が簡単に製造でき、且つ、金属触媒を板状担体に密着性よく強固に担持できる点で好ましい。担持方法の一例として、塗布法を用いた熱分解法を説明する。アルコール溶媒等の中に金属塩を溶解させてなる塗布液を作製する。この塗布液を板状担体に塗布した後、電気炉にて200〜600℃にて熱処理する。これによって、金属触媒が板状担体に担持される。上記アルコール溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、シクロヘキサノール等が挙げられる。上記塗布の方法としては、スプレー塗布、刷毛塗り、ディップ、噴霧、カーテンフローコート、ドクターブレード等が挙げられる。金属触媒は、好ましくは0.001〜10μm、より好ましくは0.01〜5.0μm、特に好ましくは0.01〜1.0μmの厚みの層状に形成される。
本発明のカートリッジでは、触媒ユニット20を筒状容器10に収容する向きに大きな特徴がある。筒状容器10内を流れる被処理水が触媒ユニット20の表面を沿うような方向となるように、触媒ユニット20が収容される。そのような方向性を以下の様式で数値化する。まず、被処理水が流れる方向については、筒状容器10における導入口11から排出口12へと向かうベクトルの向きを想定する。触媒ユニット20を収容する「向き」については、触媒ユニット20における板状担体の厚み方向に着目する。板状担体の厚み方向は、触媒ユニット20の法線ベクトルの向きとほぼ等しい。被処理水が流れる方向と板状担体の厚さ方向とが等しい、つまり両者の「なす角」がゼロであるということは、本願添付の図5あるいは特許文献3の図1に記載されるように、被処理水が板状担体に正面からぶつかるということであって、上述した酸素ガス排出困難という問題を招来する。他方、被処理水が流れる方向と板状担体の厚さ方向との「なす角」が90°であるということは、被処理水が触媒ユニット20(板状担体)の板面に完全に沿って流れるということである。このように、筒状容器10における導入口11から排出口12へと向かう方向と、板状担体の厚さ方向との「なす角」を定義することにより、被処理水が触媒ユニット20に対してどのような向きで流れるかを考察することができる。前記「なす角」を、以下、「角度R」とも呼ぶ。なお、本発明では、導入口12から排出口12への向きと板状担体の厚み方向とのなす角(角度R)は、0〜90°の範囲で考慮される。
本発明では、角度Rが90°に近いほど好ましい。角度Rについては、被処理水の水流によって金属触媒近傍にて発生する酸素ガスを効率よく流し出す観点から45°以上が必須であり、好ましくは60°以上であり、特に好ましくは80°以上である。触媒カラムの中心又はその近傍に流れを邪魔する棒を設置してもよい。そのように棒を設置することで被処理水の流れを速くすることができるため、処理効率を向上させることが可能となる。
図1の形態では、触媒ユニット20は渦巻き状に曲げられて、筒状容器10に収容されている。渦巻き状に曲げられることを具体的に記載すると、触媒ユニット20における板状担体の厚さ方向と平行な断面が渦巻き状を呈するということである。好適には、前記渦巻き状の中心は筒状容器10の中心軸と一致するかその近傍にある。筒状容器10は好ましくは円筒容器である。導入口11及び排出口12は筒状容器10の底面及び上面にそれぞれ設けられている。よって、導入口11及び排出口12への向きは紙面上方向である。この形態では、触媒ユニット20における板状担体のすべての点において、上述の角度Rは約90°である。
図2〜4は本発明の触媒カートリッジの種々の形態の模式図である。図2に記載されるカートリッジは、複数枚の触媒ユニット20が筒状容器10に収容されている。筒状容器10は好ましくは円筒形である。各触媒ユニット20は、短冊状の板状担体を有し、筒状容器10の断面(円形)の中心点から円筒状の壁面近傍に向けて、複数の触媒ユニット20が放射状の断面を呈するように収容されている。ここで、「断面」は、板状担体の厚さ方向と平行な断面のことを意味する(以下、同じ。)。図3に記載される装置は、複数枚の触媒ユニット20が円筒形の筒状容器10に収容されている。各触媒ユニット20は、半径の異なる円筒状に曲げられており、断面が同心円になるように、筒状容器10に収容されている。このように、板状担体が折られ、及び/又は、曲げられて立体的形状を呈していてもよい。図4に記載される装置は、複数枚の触媒ユニット20が四角柱形の筒状容器10に収容されている。各触媒ユニット20は、短冊状の板状担体を有し、筒状容器10の一側面に平行となるように順々に収容されている。いずれの形態においても、導入口11は筒状容器10の長軸の一端(紙面下側)に設けられ、排出口12は筒状容器10の長軸の他端(紙面上側)に設けられており、触媒ユニット20のどの点においても上述の角度Rはいずれも90°に近い。
上記参照した図面に描写される触媒ユニット20は、平板状であるか曲げられているものである。それら図示された形状に限られ、例えば、触媒ユニット20は、折られていてもよいし、折り曲げられていてもよい。どのような場合であっても、触媒ユニット20の半数以上の領域(面積割合)において、上述の角度Rが上述した範囲内であることが好ましい。
好適には、触媒ユニット20は着脱可能な態様で筒状容器10に収容される。着脱可能な態様については、特に限定は無く、例えば、筒状容器10にガイドの溝が形成されてその溝に嵌め合わせられるように触媒ユニット20が構成されていてもよい。
本発明の触媒カートリッジの使用に際しては、導入口11から被処理水を導入し、排出口12から排出する。被処理水における過酸化物の濃度によっては、本発明の触媒カートリッジへの導入を複数回繰り返してもよい。好適には、導入口11から排出口12への向きが鉛直上向きに近くなるように、例えば、導入口11から排出口12への向きが鉛直上向きから0〜30°の角度になるように、本発明のカートリッジを設置して使用される。これにより、発生する酸素ガスをより効率よく排出させることができる。被処理水の流速、処理温度、等については汚染水処理や過酸化物分解における従来技術を適宜参照することができる。
本発明の触媒カートリッジは単独で使用してもよいし、タンクやポンプ等と組み合わせた処理装置の一部として用いてもよい。
処理装置としては、触媒カートリッジと、必要に応じて、タンク、ポンプ、気液分離塔などと繋げたものなどが非限定的に挙げられる。
タンクは過酸化物含有水溶液を収容し得るものである。ポンプは過酸化物含有水溶液を流し、触媒カートリッジを循環させるのに用いることができる。タンクを用いる場合は、タンクから触媒カートリッジに流し再びタンクに戻す流れとなる。気液分離塔とは、被処理水の過酸化物が還元して発生する酸素ガスを分けて効率よく排出させる塔である。
以下に実施例を挙げて本発明について更に詳細を加えるが、本発明がこれら実施例に限定されるわけではない。
[触媒ユニット]
ブタノール250mlにヘキサクロロ白金(IV)酸六水和物28.2gを溶解させた塗布液を作製した。
板状担体として、厚さ0.8mmのエキスパンドチタン基体(JIS 2種)の表面を粗面化したものを用いた。該エキスパンドチタン基体の表面粗さを表面粗さ計((株)ミツトヨ製、サーフテスト、SJ−410)を用いて測定し、Ra(算術平均粗さ)が5.0μmであることを確認した。この基体に上記塗布液を刷毛にて塗布後、580℃に保持した電気炉内で10分焼成を行い、過酸化物分解用の触媒ユニット(白金担持)を得た。この触媒ユニットについて、断面観察にて触媒層の厚さを調べたところ、0.356μmであった。
[被処理水]
以下を含む水溶液を被処理水として用いた。
過酢酸 2000ppm
過酸化水素 10000ppm
酢酸 1.5%
処理前のpH 2.9
[筒状容器]
実施例1、2、3及び比較例1では、直径50mm、高さ25mmの円筒状の容器を用いた。被処理水の導入口と排出口は、高さ方向の上下端にそれぞれ設けた。
実施例4では、縦25mm、横45mm、高さ25mmの四角柱状の容器を用いた。被処理水の導入口と排出口は、高さ方向の上下端にそれぞれ設けた。
どちらの容器も、導入口を鉛直下向きに、排出口を鉛直上向きにして処理を行った。
[触媒ユニットの収容]
各実施例、比較例ごとに種々の態様で触媒ユニットを筒状容器に収容した。このとき、すべての実施例、比較例を通じて、収容する触媒ユニットの表面積が同一になるようにした。
実施例1では、300mm×25mmの触媒ユニット(1枚)を図1に記載されるように、断面が渦巻き状になるように曲げて収容した。
実施例2では、25mm×25mmの板状の触媒ユニット(12枚)を図2に記載されるように、筒状容器の断面の中心部から周縁部に向けて収容し、12枚の触媒ユニットが全体として放射状の断面を呈するように配置した。
実施例3では、3枚の触媒ユニットを、それぞれ直径20mm、30mm、40mm(それぞれ長さは25mm)の円筒状に曲げて、断面が図3に示すような同心円を呈するように収容した。
実施例4では、25mm×25mmの板状の触媒ユニット(12枚)を図4に記載されるように、等間隔で平行に筒状容器に収容した。
実施例1〜4では、被処理水の導入口を筒状容器の高さ方向の下端に、排出口を上端にそれぞれ設けており、それ故、導入口から排出口への向きと、板状担体の厚み方向とのなす角はほぼ90°である。
比較例1では、直径50mmの円板状の触媒ユニット(12枚)を図5に記載されるように、筒状容器の高さ方向に等間隔で平行に収容した。このとき、円板状の触媒ユニットの厚み方向と筒状容器の高さ方向とが同一になるようにした。被処理水の導入口11と排出口12を筒状容器10の高さ方向の下端及び上端にそれぞれ形成した。よって、導入口から排出口への向きと、板状担体の厚み方向とのなす角はほぼ0°である。
[被処理水の導入]
被処理水の総量:300リットル
被処理水の流速:3cm/s
処理温度:25℃
[結果]
上記処理により、過酢酸30ppm以下、かつ、過酸化水素100ppm以下が達せられるまでの時間を測定した。結果は以下のとおりであり、本発明の各実施例では処理時間の短縮効果確認された。
実施例1・・・13時間、 実施例2・・・14時間
実施例3・・・14時間、 実施例4・・・15時間
比較例1・・・20時間
10 筒状容器 11 導入口 12 排出口
20 触媒ユニット

Claims (10)

  1. 被処理水に含まれる過酸化物を分解するための触媒カートリッジであって、
    被処理水の導入口と処理後の被処理水の排出口とを有する筒状容器;及び、
    板状担体と前記担体に担持されてなる金属触媒とを有する触媒ユニット;を備え、
    触媒ユニットは筒状容器に収容され、上記導入口から排出口への向きと板状担体の厚み方向とのなす角が45〜90°である、
    触媒カートリッジ。
  2. 触媒ユニットが筒状容器に着脱可能に収容されてなる請求項1記載の触媒カートリッジ。
  3. 上記金属触媒が白金族の金属を含有する請求項1又は2記載の触媒カートリッジ。
  4. 上記板状担体が、エキスパンドメタル又はパンチングメタルである請求項1〜3のいずれか1項記載の触媒カートリッジ。
  5. 当該触媒カートリッジは複数枚の触媒ユニットを有し、各触媒ユニットは、短冊状の板状担体を有し、筒状容器の中心軸から前記容器の壁面近傍に向けて、上記複数枚の触媒ユニットが放射状の断面を呈するように収容されてなる請求項1〜4のいずれか1項記載の触媒カートリッジ。
  6. 当該触媒カートリッジは複数枚の触媒ユニットを有し、筒状容器は四角柱形であり、各触媒ユニットは、短冊状の板状担体を有し、前記筒状容器の一側面に平行となるように順々に収容されてなる請求項1〜4のいずれか1項記載の触媒カートリッジ。
  7. 触媒ユニットが折られ、及び/又は、曲げられて筒状容器に収容されてなる請求項1〜4のいずれか1項に記載の触媒カートリッジ。
  8. 触媒ユニットが渦巻き状に曲げられて筒状容器に収容されてなる請求項7記載の触媒カートリッジ。
  9. 当該触媒カートリッジは複数枚の触媒ユニットを有し、各触媒ユニットは半径の異なる円筒状に曲げられており、断面が同心円になるように、筒状容器に収容されてなる請求項7記載の触媒カートリッジ。
  10. 請求項1〜9のいずれか一項に記載の触媒カートリッジを備えてなる過酸化物含有水溶液処理装置。
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