JP2017196591A - 廃液処理システム - Google Patents

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Abstract

【課題】簡易かつ効率的に銅および過酸化水素を含有する廃液(被処理水)を処理して、銅を回収することの可能な廃液処理システムを提供する。【解決手段】少なくとも銅および過酸化水素を含有する被処理水について、過酸化水素を分解した後、銅を回収して当該被処理水を処理する廃液処理システム100である。廃液処理システム100は、被処理水の過酸化水素を分解する廃液処理装置20と、廃液処理装置20によって処理された処理水から電気分解により銅を回収する銅電解槽40とを有する。廃液処理装置20は、筐体21と、筐体21に設けられ、被処理水を筐体21の内部に導入する導入口22と、筐体21に設けられ、被処理水を処理して得られる処理水を排出する排出口23と、筐体21の内部に設けられ、表面に過酸化水素を分解可能な触媒が設けられた流路画定部材24と、を備え、流路画定部材24は、導入口22と排出口23との間で、少なくとも一つの位置で折れ曲がる、被処理水用の流路Pを画定する。【選択図】図1

Description

本発明は、廃液処理システムに関する。
プリント配線基板のような電子部品の製造工程では、銅、酸(硫酸など)、過酸化水素を含むよう処理液を使用している。この処理液を繰り返し使用していくと、シリカなどの不純物の蓄積や過酸化水素が分解されて、酸濃度が希釈され処理機能が低下するため断続的に処理液を更新する必要がある。したがって、残存過酸化水素を含む濃厚な酸の廃液が多量に発生する。この廃液量は産業廃棄物処理法規制に関わることにもなる。
このため、該廃液に残っている過酸化水素を安全かつ再利用の基準まで分解処理し、該廃液中の銅を回収した後、再利用や有価売却することを可能とする技術の開発が重要になってくる。
過酸化水素を分解処理する方法としては、例えば特許文献1に開示された技術が知られている。この技術によれば、銅を含む廃水を電気透析操作と電解析出操作を組み合わせるCu処理工程により処理し、銅濃度が低められた処理水を得るとともに、銅を回収する。より具体的にCu処理工程は、電気透析操作により廃水中のCuをCuSO濃縮水として分離濃縮する分離工程と、CuSO濃縮水を電解析出操作により電解析出装置の陰極上にCuを析出する回収工程と、回収工程の処理水から硫酸の回収を行う酸回収工程とを含む。
特公表2006−527067号公報
特許文献1に記載の方法では、装置の規模が大きなものとなり、スペースの確保やコストの面で負担が大きい。また、対象となる廃水のCu濃度は500〜3000ppm程度の範囲であり、H濃度1000〜2000mg/L程度の範囲であり、現実に発生する廃液に比べて低いCu濃度、H濃度の廃液を対象としている。よって、特許文献1の方法により、現実に電子部品工場で発生する廃液から銅を回収することは困難である。また、過酸化水素の除去に用いられている活性炭素などの部材は、実際の利用には耐食性が不十分といった課題もある。
したがって本発明は、上記のような問題を解決しつつ、簡易かつ効率的に銅および過酸化水素を含有する廃液(被処理水)を処理して、銅を回収することの可能な廃液処理システムを提供する。
本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
本発明の廃液処理システムは、少なくとも銅および過酸化水素を含有する被処理水について、過酸化水素を分解した後、銅を回収して当該被処理水を処理する廃液処理システムであって、当該廃液処理システムは、被処理水の過酸化水素を分解する廃液処理装置と、当該廃液処理装置によって処理された処理水から電気分解により銅を回収する銅電解槽とを有し、前記廃液処理装置は、筐体と、前記筐体に設けられ、被処理水を当該筐体の内部に導入する導入口と、前記筐体に設けられ、前記被処理水を処理して得られる処理水を排出する排出口と、前記筐体の内部に設けられ、表面に過酸化水素を分解可能な触媒が設けられた流路画定部材と、を備え、前記流路画定部材は、前記導入口と前記排出口との間で、少なくとも一つの位置で折れ曲がる、前記被処理水用の流路を画定する。
本発明の廃液処理システムの一態様として、例えば、前記流路画定部材が、前記筐体の底面および第1の側面に取り付けられる第1の流路画定部材と、前記筐体の前記底面および前記第1の側面に対向する第2の側面に取り付けられる第2の流路画定部材と、を含み、 前記第1の流路画定部材と前記第2の流路画定部材が、前記導入口と前記排出口との間で交互に配置され、前記被処理水が水平方向に異なる少なくとも二つの位置で折り返しながら流れるように、前記流路が画定される。
本発明の廃液処理システムの一態様として、例えば、前記流路画定部材が、前記筐体の底面に取り付けられる第1の流路画定部材と、前記筐体の前記底面から離れて設けられる第2の流路画定部材と、を含み、前記第1の流路画定部材と前記第2の流路画定部材が、前記導入口と前記排出口との間で交互に配置され、前記被処理水が垂直方向に異なる少なくとも二つの高さで折り返しながら流れるように、前記流路が画定される。
本発明の廃液処理システムの一態様として、例えば、前記流路画定部材には前記被処理水が通過可能な穴が設けられており、当該流路画定部材を通過する前記被処理水が乱流を起こすことにより、少なくとも一つの位置で疑似的に折れ曲がる前記流路が画定される。
本発明の廃液処理システムの一態様として、例えば、前記流路画定部材が、一枚の板、パンチングメタル、エキスパンドメタルの少なくともいずれかにより形成される。
本発明によれば、簡易かつ効率的に銅および過酸化水素を含有する廃液(被処理水)を処理して、銅を回収することの可能な廃液処理システムが提供される。
図1は、本発明の一実施形態の廃液処理システムの概要を示すシステム構成図である。 図2は、廃液処理システム中の廃液処理装置の一実施形態の内部構成図である。 図3は、廃液処理装置の他の実施形態の内部構成図である。 図4は、廃液処理装置の内部に設けられる流路画定部材の例を示し、(a)は流路画定部材がパンチングメタルにより形成された例であり、(b)は流路画定部材がエキスパンドメタルにより形成された例である。 図5は、廃液処理装置の他の実施形態の内部構成図を示し、(a)は、廃液処理装置の側面から見た内部構成図であり、(b)は、廃液処理装置の上方から見た内部構成図である。 図6は、過酸化水素の分解処理試験と同様の廃液を用いて、Cuの電解回収に与える過酸化水素濃度の影響評価を行った結果を示すグラフである。 図7は、過酸化水素濃度が12,000mg/L以下になった時点での陰極へのCuの析出を示す写真図である。 図8は、過酸化水素濃度が4,000mg/L以下になった時点での陰極へのCuの析出を示す写真図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態の廃液処理システムの概要を示すシステム構成図である。廃液処理システム100は、プリント配線基板のような電子部品の製造工場などにおいて発生した、主に銅(Cu)と硫酸(HSO)と過酸化水素(H)を含む廃液(被処理液)を処理するシステムである。廃液処理システム100は、第1の貯留槽10と、ポンプP1と、廃液処理装置20と、第2の貯留槽30と、ポンプP2と、銅電解槽40と、回収処理槽50と、を備える。
第1の貯留槽10は、工場の他のシステムから送られてきた被処理水(廃液)を一時的に貯留するもので、特にその構成は限定されない。ポンプP1は、第1の貯留槽10に貯留された被処理水を廃液処理装置20に送出する。廃液処理装置20は、第1の貯留槽10から送出された被処理水を受けて、主として触媒の作用により被処理水中の過酸化水素を分解処理し、処理水(第1の処理水)にする。第2の貯留槽30は、廃液処理装置20により処理された処理済みの処理水を一時的に貯留するもので、特にその構成は限定されない。
ポンプP2は、第2の貯留槽30に貯留された処理水(第1の処理水)を銅電解槽40に送出する。銅電解槽40は、電気分解の作用により処理水(第1の処理水)から銅を取り出して回収し、処理水(第2の処理水)を回収処理槽50に送出する。銅電解槽40は、陰極、陽極を有し電気分解が可能な一般的なものが利用可能である。回収処理槽50は、最終的に処理水(第2の処理水)を回収する。その後既存のラインで添加剤などを回収した後の処理水(第3の処理水)および回収した添加剤は、後の電子部品の製造に再利用される。以下、廃液処理システム100の各部分に存在する物質および生ずる反応の概略を示す。
第1の貯留槽10:HSO、H、CuSO、Cuイオン、添加剤
廃液処理装置20:HSO、H、CuSO、Cuイオン、添加剤
廃液処理槽20での反応:2H→2HO+O
銅電解槽40:HSO、CuSO、Cuイオン、添加剤
銅電解槽40の陰極での反応:Cu2++2e→Cu
回収処理槽50:HSO、添加剤
次に、廃液処理装置20の一実施形態を図2を用いて説明する。廃液処理装置20は、箱状の外観を呈し、筐体21と、被処理水の導入口22と、処理水の排出口23と、被処理水の流路を画定する複数の流路画定部材24とを含む。
筐体21は所定の樹脂などで構成された直方体形状を有しているが、特にその形状、材料などは限定されない。導入口22は筐体21の一つの側壁に形成され、第1の貯留槽10から送られた被処理水を導入する役割を果たし、その形状や配置場所などは特に限定されない。
筐体21の内部には、被処理水用の流路を画定する複数の流路画定部材24が設けられている。本実施形態においては、流路画定部材24が設けられている領域の外側に仕切り壁25が筐体21の底面21aから上方に延びるように設けられており、被処理水の高さ、すなわち液面Lの位置(高さ)を均一にする役割を果たす。仕切り壁25の領域内で被処理水が処理されるため、仕切り壁25の高さHは、被処理水が流路画定部材24に接触する液面Lの位置(高さ)に略等しくなる。
複数の流路画定部材24のうち、一部の流路画定部材(第1の流路画定部材)24aは筐体21の底面21aに設けられ、底面21aから上方に延びるように形成されている。その他の流路画定部材(第2の流路画定部材)24bは図示せぬ部材(例えば筐体21の両側面にわたるように設けられた梁など)によって、筐体21の内部の上方位置から底面21aに向かって下方に延びるように設けられているが、底面21aには達しておらず、底面21aから離れて設けられており、流路画定部材24bの先端と底面21aとの間に被処理水が通過可能なスリットS1が形成される。一方、流路画定部材24aの先端と被処理水の液面Lとの間にはスリットS2が形成される。そして、流路画定部材24aと流路画定部材24bは、導入口22と処理水の排出口23との間で交互に配置される。
本実施形態においては、流路画定部材24は所定の金属よりなる基材から構成された一枚の板の形状に構成されている。基材の材質は特に限定はされないが、好ましくは、硫酸に耐食性のあるZr、Nb、Ta等が使用される。Tiを使用する場合は、他の金属を被覆することが望ましい。
さらに流路画定部材24の基材の表面には、過酸化水素を分解するための触媒が塗布されている。触媒の種類も特に限定はされないが、例としてPt(白金)合金、W(タングステン)合金が使用され、基材にめっきの形式で塗布される。よって、図2に示す流路画定部材24の間隔W1は触媒と触媒の間隔に等しくなる。また、流路画定部材(第2の流路画定部材)24bの先端と底面21aとの間のスリットS1の幅が、流路幅W2として規定される。
流路画定部材24の間隔W1(触媒と触媒の間隔)は例えば5〜25mm、流路画定部材24の高さは例えば25〜50mm、流路幅W2は例えば10mm程度、にそれぞれ設定されるが、値は特に限定はされない。
本実施形態では、導入口22から筐体21の内部に流れ込んだ被処理水が、矢印Aで示す流れに沿って導入口22に隣接して設置された仕切り壁25aを乗り越え、破線矢印で示す流路Pに沿って流れる。流路Pは、スリットS1およびS2において、すなわち筐体21の内部の垂直方向に異なる二つの高さH1、H2で折り返すようにジグザクの形状に画定されており、流路Pにおける被処理水と流路画定部材24の触媒の接触面積として、所定量の接触面積が確保される。
流路画定部材24の触媒に接した被処理水中の過酸化水素は、2H→2HO+Oの反応式に従い、水と酸素に分解される。そして、生成された酸素(O)は、筐体21の天井から排出される。図2では筐体21の天井板は省略されているが、図1に示すように天井板を設けてもよい。
上述のプロセスにより被処理水を処理して得られる処理水は、矢印Bで示す流れに沿って排出口23に隣接して設けられた仕切り壁25bを乗り越え、排出口23から筐体21の外部へ排出され、第2の貯留槽30へ送られる。
図3は、廃液処理装置20の他の実施形態を示す。本実施形態では総ての流路画定部材24が筐体21の底面21aに設けられている。さらに流路画定部材24には被処理水が通過可能な穴などが形成されており、仕切り壁25aを乗り越えた被処理水は当該穴を通過して横方向(水平方向)に乱流を起こし、液が撹拌されながら矢印Cに沿って仕切り壁25bまで流れる。すなわち、本実施形態では、流路画定部材24の穴を通過する被処理水が乱流を起こすため、筐体21の内部の垂直方向に少なくとも一つの位置で疑似的に折れ曲がる流路が、画定される。矢印Cは、被処理水の導入口22から排出口23に向かう流れに加え、このような乱流の作用による疑似的な折れ曲がり(被処理水自身が作り出す折れ曲がり)の流れも含むものである。
図4は、図3の廃液処理装置20で使用され得る流路画定部材24の例を示し、図4(a)は、流路画定部材24がパンチングメタルにより形成された例であり、流路画定部材24に複数の穴24Aが形成され、被処理水が穴24Aを通過することができる。穴24Aの直径は例えば3〜5mmに設定されるが特に限定はされない。図4(b)は、流路画定部材24がエキスパンドメタルにより形成された例であり、流路画定部材24に多数の網目24Bが形成され、被処理水が網目24Bを通過することができる。
図5は、廃液処理装置20の他の実施形態を示す。図5(a)は、廃液処理装置20の側面から見た内部構成図を示し、図5(b)は、廃液処理装置20の上方から見た内部構成図を示す。本実施形態では総ての流路画定部材24が筐体21の底面21aに設けられている。さらに、一部の流路画定部材(第1の流路画定部材)24cが、筐体21の一の側面(第1の側面)21bにも取り付けられているとともに、他の流路画定部材(第2の流路画定部材)24dが、一の側面21bに対向する他の側面(第2の側面)21cにも取り付けられている。流路画定部材24cの先端と他の側面21cとの間に被処理水が通過可能なスリットS3が形成されるとともに、流路画定部材24dの先端と一の側面21bとの間に被処理水が通過可能なスリットS4が形成される。そして、流路画定部材24cと流路画定部材24dは、導入口22と処理水の排出口23との間で交互に配置される。
本実施形態でも、図2の実施形態と同様、流路画定部材24の間隔W1は触媒と触媒の間隔に等しくなる。また、スリットS3およびスリットS4の幅が、流路幅W2として規定される。
本実施形態では、導入口22から筐体21の内部に流れ込んだ被処理水が、図5(a)に示す矢印Aで示す流れに沿って導入口22に隣接して設置された仕切り壁25aを乗り越え、図5(b)に示す破線矢印で示す流路Pに沿って流れる。流路Pは、スリットS3およびS4において、すなわち筐体21の内部の水平方向に異なる二つの位置P1、P2で折り返すようにジグザクの形状に画定されており、流路Pにおける被処理水と流路画定部材24の触媒の接触面積として、所定量の接触面積が確保される。そして、被処理水を処理して得られる処理水は、図5(a)に示す矢印Bで示す流れに沿って排出口23に隣接して設けられた仕切り壁25bを乗り越え、排出口23から筐体21の外部へ排出され、第2の貯留槽30へ送られる。
上述したように、本発明の廃液処理装置では、表面に過酸化水素を分解可能な触媒が設けられた流路画定部材が筐体の内部に設けられる。ここで、流路画定部材は、種々の態様にて少なくとも一つの位置で折れ曲がる流路を画定し、被処理水がこの流路を流れる。流路が折れ曲がっているため、筐体の内部で所定量の流路の長さが確保され、所定量の被処理水と触媒との接触面積が確保される。図2や図5の例では、少なくとも一つの位置で折れ曲がる流路は、二つの流路画定部材の間の物理的に折れ曲がった空間により画定される。図3の例では、少なくとも一つの位置で折れ曲がる流路は、流路画定部材の穴を通過する被処理水自身の乱流作用により疑似的に折れ曲がった流れにより画定される。
廃液処理システム100において銅の回収効率を高めるためには、被処理水中の過酸化水素(H)の濃度を所定の値以下に下げることが重要である。したがって、廃液処理装置20、銅電解槽40は、Hの濃度を測定するモニタを有するのが望ましい。例えば廃液処理装置20においては、4,000mg/L以下までHの濃度を下げることが好ましい。以下、実施例について説明する。
<過酸化水素の分解処理試験>
硫酸16質量%、過酸化水素3.8質量%、銅54g/L、その他(Sn8mg/L、Fe4mg/L)の廃液(2L)を、図5の廃液処理装置20を用いて分解処理する試験を行った。試験結果は、表1の通りであり、先行技術では困難であった高濃度の過酸化水素を分解処理することを確認した。ここでの「面積」は、触媒の表面積(流路画定部材の表面に形成されている触媒領域の面積)を意味し、「接触面積」とは若干意義が異なるが、ほぼ等しい。本発明において、被処理水中の過酸化水素は、0.1質量%以上10質量%以下の濃度であることができる。高濃度の過酸化水素であっても、効率よく分解でき、効果が大きいという観点から、被処理水中の過酸化水素濃度が1質量%以上10質量%以下であることが好ましい。
被処理水中の硫酸濃度は、5質量%以上75質量%の硫酸濃度であることができる。高濃度の硫酸中であっても、過酸化水素を効率よく分解でき、効果が大きいという観点から、被処理水中の硫酸濃度が5質量%以上75質量%以下であることが好ましい。
このように、本発明の触媒によれば、被処理水中の硫酸濃度および過酸化水素濃度が高濃度の場合であっても、過酸化水素を効率よく分解することができる。銅、その他の不純物は過酸化水素の反応に寄与しないため、濃度は特に制限されるものではない。
触媒反応装置に供給する被処理水の温度は特に限定されるものではないが、水温が高いほど過酸化水素分解能が向上するが、加温する必要はなく水温を下げないように保温する構造になっている方が、過酸化水素分解能が向上する。通常は10℃以上50℃以下の範囲内が好ましい。
<Cu電解回収試験>
過酸化水素の分解処理試験と同様の廃液を用いて、Cuの電解回収に与える過酸化水素濃度の影響評価を行った。液量は250mL、陽極と陰極はPt/Ti板を使用し、定電流制御にて、電流値2.3Aで試験を行った。
試験結果は表2と図6に示す。過酸化水素濃度が高い状態では、電解により析出したCuが過酸化水素により、再溶解されるためCuの析出は確認できなかった。過酸化水素濃度が12,000mg/L以下になったところで、図6でわずかにCu濃度が低下しており、外観評価においても、図7のように陰極への微量のCuの析出が観察された。過酸化水素濃度が4,000mg/L以下になったところで、図6でCu濃度が低下し、外観評価においても、図8のようにCuの析出が観察された。
したがって、廃液処理装置20で過酸化水素を4,000mg/L以下まで処理することで、高濃度の過酸化水素とCuを含有する廃液においても効率的に回収できる手法を確立した。また、Cu回収後の処理水中は、添加剤を含有しているため、廃液の発生工程で再利用することができる。
本発明の廃液処理システムにおける廃液処理理装置では、筐体の内部に表面に触媒が設けられた流路画定部材を設け、流路画定部材が、導入口と排出口との間で、少なくとも一つの位置で折れ曲がる流路を画定する。このような簡易な構造により、所定量の被処理水と触媒の接触面積が確保され、効率的に被処理液を処理(過酸化水素の分解)することができる。装置の構造が簡易であるだけでなく、筐体内で折り返す流路を採用しているため、装置を小型にすることも可能であり、廃液処理システム全体を小型化することが可能である。よって、本発明の廃液処理システムによれば、装置の規模を小さくすることが可能であり、スペースの確保やコストの面での負担を減らすことが可能である。また、装置の取扱いが極めて容易である。例えば、筐体の上部より筐体の内部にアクセスして触媒や分解ガスの点検ができ、メンテナンスが容易となる。
また、本発明の廃液処理システムによれば、高濃度のCuおよびHを含有する廃液を処理することができ、電子部品工場における廃液処理及び銅回収の効率を高めることができる。
また、本発明の廃液処理システムによれば、被処理水を、余計な薬品を投入せず処理が可能なため、処理後に高濃度の硫酸として有効利用がしやすくなる。また、加熱など外部の余計なエネルギーを投入する必要もないため、低コストで処理が可能となる。被処理水を常温のままで処理することができ、短時間で処理することが可能となる。
また、流路画定部材の変更、追加、削除などにより触媒の交換も容易なため、被処理水の濃度や処理後の残存過酸化水素濃度の基準の変更に対しても、柔軟に対応することが可能である。
また、高機能・高耐食性の触媒を利用することにより、半永久的な使用が可能となり、活性炭素のように劣化しやすい素材に比べ、連続処理が容易に可能となる。
上述した各実施形態においては、被処理水の流路を画定する流路画定部材として、板状の流路画定部材24を使用したが、流路を画定する流路画定部材であれば特にその形状などは限定されない。また、流路画定部材を構成する基材の表面に触媒が塗布されているが、流路画定部材の表面に過酸化水素を分解可能な触媒が設けられていればよく、触媒の種類、触媒を基材に設ける方法などは特に限定はされない。
図2から図5で示した廃液処理装置20では、流路Pは垂直方向に異なる少なくとも二つの高さ、または、水平方向に異なる少なくとも二つの位置で折り返すように画定されている。しかしながら、折り返す高さ、位置の数は特には限定されない。
また、図2の仕切り壁25(25a、25b)と、図3、図5の仕切り壁25(25a、25b)では高さHが異なっている。仕切り壁25の高さを変えることにより、被処理液の液面Lの高さを変えることができる。装置に要求される仕様に応じて、仕切り壁25の高さHを任意に変えることができる。
尚、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数値、形態、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
10 第1の貯留槽
20 廃液処理装置
21 筐体
22 導入口
23 排出口
24 流路画定部材
25 仕切り壁
30 第2の貯留槽
100 廃液処理システム

Claims (5)

  1. 少なくとも銅および過酸化水素を含有する被処理水について、過酸化水素を分解した後、銅を回収して当該被処理水を処理する廃液処理システムであって、
    当該廃液処理システムは、被処理水の過酸化水素を分解する廃液処理装置と、当該廃液処理装置によって処理された処理水から電気分解により銅を回収する銅電解槽とを有し、
    前記廃液処理装置は、
    筐体と、
    前記筐体に設けられ、被処理水を当該筐体の内部に導入する導入口と、
    前記筐体に設けられ、前記被処理水を処理して得られる処理水を排出する排出口と、
    前記筐体の内部に設けられ、表面に過酸化水素を分解可能な触媒が設けられた流路画定部材と、を備え、
    前記流路画定部材は、前記導入口と前記排出口との間で、少なくとも一つの位置で折れ曲がる、前記被処理水用の流路を画定する、
    廃液処理システム。
  2. 請求項1に記載の廃液処理システムであって、
    前記流路画定部材が、
    前記筐体の底面および第1の側面に取り付けられる第1の流路画定部材と、
    前記筐体の前記底面および前記第1の側面に対向する第2の側面に取り付けられる第2の流路画定部材と、を含み、
    前記第1の流路画定部材と前記第2の流路画定部材が、前記導入口と前記排出口との間で交互に配置され、前記被処理水が水平方向に異なる少なくとも二つの位置で折り返しながら流れるように、前記流路が画定される、廃液処理システム。
  3. 請求項1に記載の廃液処理システムであって、
    前記流路画定部材が、
    前記筐体の底面に取り付けられる第1の流路画定部材と、
    前記筐体の前記底面から離れて設けられる第2の流路画定部材と、を含み、
    前記第1の流路画定部材と前記第2の流路画定部材が、前記導入口と前記排出口との間で交互に配置され、前記被処理水が垂直方向に異なる少なくとも二つの高さで折り返しながら流れるように、前記流路が画定される、廃液処理システム。
  4. 請求項1に記載の廃液処理システムであって、
    前記流路画定部材には前記被処理水が通過可能な穴が設けられており、当該流路画定部材を通過する前記被処理水が乱流を起こすことにより、少なくとも一つの位置で疑似的に折れ曲がる前記流路が画定される、廃液処理システム。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載の廃液処理システムであって、
    前記流路画定部材が、一枚の板、パンチングメタル、エキスパンドメタルの少なくともいずれかにより形成される、廃液処理システム。
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