JP2015221096A - 食器洗浄のためのシステムおよび方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ホテルや旅館などの宿泊施設、あるいは学校や会社などの複数の施設で使われた食器を効率よくかつ衛生的に洗浄することができ、しかも、洗浄後の食器を洗浄後の清浄な状態を保ったままこれらの施設に戻すことができる食器洗浄のためのシステムを提供すること。
【解決手段】食器収容体60に収容された複数の食器を洗浄する食器洗浄のためのシステム100において、食器収容体60を自動搬送する搬送ライン101〜103と、搬送ラインに設置され、複数の食器を食器収容体に収容したままで洗浄する洗浄部20と、搬送ラインに設置され、洗浄された複数の食器を食器収容体に収容したままで乾燥する乾燥部30と、搬送ラインに設置され、乾燥された複数の食器を食器収容体に収容したままで包装する包装部40とを含む。
【選択図】図2

Description

本発明は、食器洗浄のためのシステムおよび方法に関し、特に、複数の食器を食器収容体に収容したままで洗浄し乾燥し包装する食器洗浄のためのシステムおよび方法に関する。
従来から、ホテルや旅館などの宿泊施設のレストラン、あるいは学校や会社などの多くの人が活動する施設の食堂などでは、日々大量の食器洗浄作業が発生することから自動食器洗浄装置が用いられており、例えば、特許文献1には、大量の食器を洗浄する自動食器洗浄装置として、食器を食器篭に収容したままで洗浄する自動洗浄機が開示されている。
また、ホテルや旅館などの宿泊施設には、飲食サービスを提供する従業員が食器洗浄作業まで行うとコスト高になることから、食器洗浄のために外部の業者に来てもらっているところもあるが、食器の洗浄を専門業者に任せても、洗浄場所や洗浄設備はそれぞれの宿泊施設で必要となる。
そこで、複数の施設で利用した食器を一つの場所に集めて一挙に洗浄した後に再びそれぞれの施設に戻すことで、それら食器の洗浄を効率よくかつ衛生的に行う方法が考えられており、このような洗浄方法では、洗浄後の食器の殺菌も含め全自動食器洗浄システムが用いられている(例えば、特許文献2)。
特開平5−269073号公報 特開平8−256965号公報
しかしながら、上記いずれの特許文献にも、自動洗浄機あるいは全自動食器洗浄システムから食器が搬出された後に、食器を清浄に保つことは考慮されていない。したがって、これらの特許文献に開示の技術では、食器を清浄な状態に保ったまま施設に届けることができないという問題がある。
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、ホテルや旅館などの宿泊施設、あるいは学校や会社などの施設で使われた食器を効率よくかつ衛生的に洗浄することができ、しかも、洗浄後の食器を洗浄後の清浄な状態を保ったままこれらの施設に戻すことができる食器洗浄のためのシステムおよび方法を得ることを目的とする。
本発明に係る食器洗浄のためのシステムは、食器収容体に収容された複数の食器を洗浄し乾燥し包装する食器洗浄のためのシステムであって、該食器収容体を搬送する1以上の搬送ラインと、該搬送ラインに設置され、該複数の食器を該食器収容体に収容したままで洗浄する洗浄部と、該搬送ラインに設置され、洗浄された該複数の食器を該食器収容体に収容したままで乾燥する乾燥部と、該搬送ラインに設置され、乾燥された該複数の食器を該食器収容体に収容したままで包装する包装部とを含むものであり、そのことにより上記目的が達成される。
本発明は、上記食器洗浄のためのシステムにおいて、前記1以上の搬送ラインは、複数の搬送ラインであり、前記複数の食器は、前記システムの外部の複数の施設のいずれかから前記食器収容体に収容したままで該システムに搬入され、該システムは、該複数の食器の搬入元である施設を示す施設識別情報に基づいて、該複数の搬送ラインのうちから、該食器収容体の搬送に用いる搬送ラインを選択するライン選択部を有することが好ましい。
本発明は、上記食器洗浄のためのシステムにおいて、前記食器収容体に収容される複数の食器は同じ形状を有し、該食器収容体は、収容される食器の形状に応じた同じ形状の複数の食器収容スペースを有し、該同じ形状の複数の食器の各々が該複数の食器収容スペースの各々に収納されるように構成されていることが好ましい。
本発明は、上記食器洗浄のためのシステムにおいて、前記洗浄部は、前記複数の食器の材質の種類別に設けられた複数の種類の洗浄機を含み、それぞれの洗浄機は、それぞれの食器に対して該食器の材質に適した洗浄処理を施すことが好ましい。
本発明は、上記食器洗浄のためのシステムにおいて、前記システムは、前記複数の食器の材質を示す材質識別情報に基づいて、前記複数の種類の洗浄機のうちから、該食器の洗浄に用いる洗浄機を選択する洗浄機選択部を有することが好ましい。
本発明は、上記食器洗浄のためのシステムにおいて、前記システムは、前記搬送ラインに設置され、乾燥された前記複数の食器の破損の有無を検査する第1の検査部を備えていることが好ましい。
本発明は、上記食器洗浄のためのシステムにおいて、前記システムは、前記洗浄部の前段に設けられ、前記複数の食器の破損の有無を検査する第2の検査部を備えていることが好ましい。
本発明は、上記食器洗浄のためのシステムにおいて、前記食器には、無線タグを構成するICチップが取り付けられており、前記システムは、該ICチップに含まれるメモリのデータを読み取るデータ読取手段と、該データ読取手段により読み取ったデータに基づいて、該システムの外部から該システムに搬入された食器を個別に管理する管理装置とを有することが好ましい。
本発明に係る方法は、食器収容体に収容された複数の食器を食器洗浄のためのシステムにより洗浄し乾燥し包装する方法であって、該システムは、該食器収容体を搬送する1以上の搬送ラインを有し、該方法は、該搬送ライン内で、該複数の食器を該食器収容体に収容したままで洗浄する工程と、該搬送ライン内で、洗浄された該複数の食器を該食器収容体に収容したままで乾燥する工程と、該搬送ライン内で、乾燥された該複数の食器を該食器収容体に収容したままで包装する工程とを含むものであり、そのことにより上記目的が達成される。
以上のように、本発明によれば、ホテルや旅館などの宿泊施設、あるいは学校や会社などの施設で使われた食器を効率よくかつ衛生的に洗浄することができ、しかも、洗浄後の食器を洗浄後の清浄な状態を保ったままこれらの施設に戻すことができるシステムおよび方法を実現することができる。
図1は、本発明の実施形態1による食器洗浄のためのシステムを説明する図であり、図1(a)はこのシステムの利用形態を概念的に示し、図1(b)はこのシステムで扱う食器の一例を示し、図1(c)は、図1(b)に示す食器を収容した食器収容体の一例を示している。 図2は、図1に示すシステムの全体構成を示す平面図である。 図3は、図2に示すシステムにおける1つの搬送ラインの搬入部および洗浄部の具体的な構成を示す平面図である。 図4は、図2に示すシステムにおける1つの搬送ラインの乾燥部、包装部および搬出部の具体的な構成を示す図である。 図5は、皿などの平らな食器を収容する食器収容体を説明する斜視図であり、図5(a)は、この食器収容体の具体的構造を示し、図5(b)は、この食器収容体に平らな食器を収容した状態を示している。 図6は、コップなどの嵩高な食器を収容する食器収容体を説明する斜視図であり、図6(a)は、この食器収容体の具体的構造を示し、図6(b)は、この食器収容体に嵩高な食器を収容した状態を示している。 図7は、食器洗浄のためのシステムが設置されている処理センターにホテルからの食器を集配係が搬入する様子を示す斜視図である。 図8は、本発明の実施形態2による食器洗浄のためのシステムを説明する図であり、図8(a)は、システムの利用形態を概念的に示し、図8(b)は、食器収容体の集配に用いる搬送ラックを示し、図8(c)は、搬送ラックの積降用搬送装置を備えた集配車を示し、図8(d)は、食器の底に取り付けられたICチップを示している。 図9は、図8(a)に示す実施形態2のシステムの全体構成を模式的に示す図であり、特にシステム内で食器を搬送する搬送系統を示している。 図10は、図9に示す実施形態2のシステムの搬入側に集配車を止めた状態を示す図である。 図11は、図9に示す実施形態2のシステムで集配車から搬送ラックを降ろした状態を示す図である。 図12は、図8(a)に示す実施形態2のシステムで、集配車から降ろした搬送ラックからシステムの搬入部まで食器収容体を自動搬送する様子を示す図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1による食器洗浄のためのシステムを説明する図であり、図1(a)はこのシステムの利用形態を概念的に示し、図1(b)はこのシステムで扱う食器の一例を示し、図1(c)は、図1(b)に示す食器を収容した食器収容体の一例を示している。
図1(a)に示すシステム100は、食器洗浄サービスを提供する処理センター1000に設置された食器洗浄のためのシステムである。ここで、食器洗浄サービスは、ホテルや旅館などの宿泊施設、あるいは学校や会社などの複数の施設で使用された食器を洗浄して元の施設に戻すサービスであり、集配車1による各施設からの食器の引き取り、システム100での食器洗浄などの処理、集配車1による各施設への食器の返却といったサービスが含まれる。
この食器洗浄サービスでは、各施設での食器の受け渡し、および処理センター1000への食器の搬入出は、食器6を食器収容体60に収容したままで行われ、システム100での食器の洗浄などの処理も、食器6を食器収容体60に収容したままで行われる。このシステム100には、システム100への食器の搬入出を食器収容体毎に管理する管理装置110が設けられている。
(システム100)
以下、このシステム100を図2〜図4を用いて具体的に説明する。なお、説明を簡単にするため、食器洗浄サービスを受ける施設は、図1(a)に示すように、Aホテル51、Bホテル52、Cホテル53とする。ただし、食器洗浄サービスの対象はこれらホテルに限定されない。
図2は、システム100の構成を模式的に示す平面図である。
システム100は、管理装置110に加えて、複数の搬送ラインL1〜L3と、ライン選択部10aとを有する。
(ライン選択部10a)
ライン選択部10aは、システム100に搬入された同じホテルの食器6が同じ搬送ラインで処理されるように食器収容体60を搬送ラインL1〜L3のいずれかに振り分ける。具体的には、各食器収容体60には、食器の搬入元である施設(ホテル)を識別するための施設識別情報を持つバーコードが設けられており、ライン選択部10aは食器収容体のバーコードを読み込んで、食器収容体の搬入元施設に応じた搬送ラインに食器収容体を送り込む。
(搬送ラインL1〜L3)
複数の搬送ラインL1〜L3はそれぞれ、食器収容体60を搬送する搬送装置(例えばベルトコンベア)101〜103を有する。各搬送ラインL1〜L3では、食器収容体60が搬送装置101〜103により移動している状態で、食器収容体60に収容されている複数の食器6に対して洗浄、乾燥などの処理が行われ、処理された食器6は食器収容体60に収容したままで包装される。
すなわち、搬送ラインL1〜L3はそれぞれ、基本的な構成として、食器6を食器収容体毎に順次搬送ラインへ搬入するための搬入部10、搬入された食器6を洗浄する洗浄部20、洗浄された食器6を乾燥させる乾燥部30、乾燥させた食器6を包装する包装部40、および包装した食器6を各搬送ラインL1〜L3から食器収容体毎に順次搬出するための搬出部50を有している。
なお、処理センター1000内は、搬入部および搬出部の設置領域を除いて他を空気清浄雰囲気に置く構成にすることも周知技術で可能であるが、図2に示すように、洗浄部20、乾燥部30、包装部40の設置領域R0内を、例えば加圧状態にし、清浄空気を送りこみ続けることで、この設置領域R0を格別により高い清浄化状態にすることも可能である。さらに、搬入部の設置領域あるいは搬出部の設置領域を、洗浄部20、乾燥部30、包装部40の設置領域R0と同様に高い清浄化状態としてもよく、あるいは搬入部の設置領域および搬出部の設置領域の両方を、洗浄部20、乾燥部30、包装部40の設置領域R0と同様に高い清浄化状態としてもよい。
以下、搬送ラインの具体的構成を説明する。ただし、各搬送ラインL1〜L3の構成は実質的に同一であるので、ここでは搬送ラインL1を具体的に説明する。実際に食器洗浄サービスを行う場合、ホテルから預かった食器のうちすでに破損していたものがいくつあったかを検査しておくこと、さらに、食器汚れの程度を洗浄前に把握しておくことは望ましい。また、洗浄後の食器破損や汚れ残りを検査することは、食器洗浄サービスの品質を評価する上で重要である。以下、搬送ラインL1の構成として、搬入部10と洗浄部20との間に食器破損の有無や汚れの程度を検査する前検査装置が設けられ、かつ乾燥部30と包装部40との間に食器の破損や汚れの有無を検査する後検査装置が設けられているものを説明する。
図3は、搬送ラインL1の搬入部10から洗浄部20までの具体的な構成を示す。
(搬入部10)
搬入部10は、ライン選択部10aから送られてくる食器を食器収容体毎に一時的に格納する洗浄前格納部11を有し、ライン選択部10aから任意のタイミングで送られてくる食器収容体を洗浄前格納部11に一旦格納し、搬送ラインL1で食器が処理されるタイミングに合わせて洗浄前格納部11から食器収容体を取り出して搬送装置101上に送り込む。さらに、搬出部10は、搬入された食器収容体のバーコードから施設識別情報を読み取って管理装置110に提供する。
搬入部10と洗浄部20との間に設けられた前検査装置12は、搬送装置101上を搬入部10から搬送されてくる食器収容体のバーコードから施設識別情報を読み込むとともに、食器収容体内の食器をCCDカメラなどにより撮影する。前検査装置12は、食器の撮影で得られた画像データを解析し、解析結果と施設識別情報とに基づいて、洗浄前の食器の破損の有無や汚れの程度をホテル別に自動で検査し、この検査結果を管理装置110(図2)に送る。例えば、洗浄部20の洗浄能力が変更可能である場合、この検査結果から分かる汚れの酷い食器に対して洗浄部20の洗浄能力を高めることが望ましい。洗浄能力は洗浄条件(例えば、洗浄時間、洗浄液の量など)を調節することにより変更可能である。ただし、前検査装置12は、必ずしも必要ではなく、システム100は前検査装置12を有していないものでもよい。
(洗浄部20)
洗浄部20は、食器の材質の種類別に設けられた複数種類の洗浄機21〜25と、複数種類の洗浄機21〜25から食器の材質に応じた洗浄機を選択する洗浄機選択部26とを有し、洗浄機選択部26は、選択した洗浄機に食器収容体を送り込む。具体的には、各食器収容体60に設けられているバーコードには、食器の材質を示す材質識別情報が含まれており、洗浄機選択部26は、食器収容体60のバーコードを読み込んで、食器の材質に適した洗浄機に食器収容体60を送り込む。
それぞれの洗浄機21〜25は、それぞれの食器に対して食器の材質に適した洗浄処理を施すものである。例えば、洗浄機21は、シルバー類の食器に適した洗浄処理を食器に施す。洗浄機22は、グラス類の食器に適した洗浄処理を食器に施す。洗浄機23〜25は、陶器類の食器に適した洗浄処理を食器に施す。ここで、洗浄機21〜25は、例えば、搬送装置101上を搬送されてくる食器収容体60に対して洗浄液を複数のシャワーノズルから吹き付けるものである。あるいは、洗浄機21〜25は、搬送装置101上から食器収容体60を吊り上げて洗浄液の浴槽(図示せず)内に一定時間浸漬し、その後洗浄液の浴槽から食器収容体60を引き上げて再度搬送装置101上に載るものであってもよい。
なお、上記説明では、洗浄部20は、食器の材質の種類別に設けられた複数種類の洗浄機21〜25を有するものとしているが、これには限定されない。洗浄部20は、複数の食器をその材質に関係なく洗浄可能な1種類以上の洗浄機を有するものでもよい。
図4は、搬送ラインL1の乾燥部30から搬出部50までの具体的な構成を示している。
(乾燥部30)
乾燥部30は、洗浄された複数の食器を食器収容体に収容した状態で食器の乾燥を行うための複数の乾燥室31〜33を有する。これらの乾燥室31〜33は、搬送装置101による食器の搬送方向に沿って配列されている。それぞれの乾燥室31〜33では内部の温度は個別に管理できる。例えば、中央の乾燥室32の温度が最も高く、下流側の乾燥室33の温度が最も低く、上流側の乾燥室31の温度はこれらの中間の温度となるようにしてもよいが、これに限定されない。
ここでは、乾燥部30は複数の乾燥室を有するものとしているが、これに限定されない。例えば、乾燥部30は1つの乾燥室を有するものでもよく、それ以上の乾燥室を有するものでもよい。
また、乾燥部30と包装部40との間に設けられた後検査装置34は、搬送装置101上を乾燥部30から搬送されてくる食器収容体60のバーコードから施設識別情報を読み込むとともに、食器収容体60内の食器6をCCDカメラなどにより撮影する。後検査装置34は、食器の撮影で得られた画像データを解析し、解析結果と施設識別情報とに基づいて食器6の破損の有無や汚れ残りをホテル別に自動で検査し、この検査結果を管路装置110(図2)に送る。なお、汚れ残りが検出された食器6は、もう一度洗浄部20で洗浄されるように洗浄部20に手動あるいは自動で戻されることが望ましい。
(包装部40)
包装部40は、乾燥部30から後検査装置33を経て搬送されてくる複数の食器を包装する複数の包装機41を有する。包装機41は、食器は食器収容体に収容したままで人手を要することなく自動で包装体(例えば、食品包装用のラップフィルムなど)により包装される。それにより洗浄後の清浄な食器に人の手が触れたり、空気中の埃や有害物質が付着したりするのが回避される。包装部40は複数の包装機を有するものに限定されず、包装部40の包装機は1つでもよい。
(搬出部50)
搬出部50は、搬送装置101により自動で送られてくる食器収容体を一旦格納する洗浄後格納部50aを備え、洗浄後格納部50aから集配車1への食器収容体の積み込みを任意の作業ペースで行うことができるようになっている。また、搬出部50は、搬出される食器収容体のバーコードから施設識別情報を読み取って管理装置110に提供する。
(管理装置110)
管理装置110は、前検査装置12での検査結果および後検査装置34での検査結果を集計し、各ホテルからシステム100への食器の搬入時に何個の食器が破損していたか、システム100から各ホテルの食器を搬出する時に何個の食器が破損していたかを示す検査情報を作成し記録部(図示せず)に保存する。
この検査情報は、管理装置110が洗浄後の食器の納品書を発行するときに納品書とともに検査レポートとして発行される。あるいは、検査レポートは納品書の一部として発行されてもよい。あるいは、検査レポートを発行する代わりに、食器収容体60を包装する包装体(例えば、食品包装用のラップフィルム)に検査情報が直接印字により印刷されるようにしてもよい。また、管理装置110は、搬入部10からの施設識別情報と、搬出部50からの施設識別情報とに基づいて、各ホテルからの食器6を食器収容体60毎に管理する。
(食器収容体60)
次に図5を参照して食器収容体60の構造について詳しく説明する。
図5(a)は、食器収容体の具体的な構造を示している図5(b)は食器収容体に食器を収容した状態を示している。なお、図5(a)では、食器収容体の構造をわかりやすく示すため、食器収容体の外周面(前面部と右側面部)は密なドット模様で、食器収容体の内部は粗いドット模様で示し、図5(b)では、食器収容体での平らな食器の収容状態をわかりやすくするため、食器は実線で、食器収容体は二点鎖線で示している。
食器収容体60は、皿などの平らな形状の食器6を収容する食器収容体である。この食器収容体60は、長方形の底面部61と、底面部61の長辺の一方(図5の紙面手前側の長辺)から立ち上がる前面部62と、底面部61の長辺の他方(図5の紙面奥手側の長辺)から前面部62に対向するように立ち上がる背面部64と、底面部61の左右の側辺から立ち上がる左右の側面部63とを有している。底面部61上の前面部62、背面部64、および左右の側面部63に囲まれた領域には、底面部61の長辺に平行な1つの横仕切り65が設けられ、さらにこの横仕切り65と交差するように底面部61の短辺と平行な6個の縦仕切り66が設けられている。これらの縦仕切り66および横仕切り65により、左右の側面部63、前面部62、および背面部64により囲まれた領域が、平らな食器6を収容する個々の食器収容スペース67に区分されている。
ここで、食器収容スペース67の横仕切り65に沿った方向の寸法は、この食器収容スペース67に平らな食器6を収容したときに、平らな食器6が倒れないで立てた状態に保持される。また、食器収容スペース67の縦仕切り66に沿った方向の寸法は、この収容スペース67に平らな食器6を立て掛けて収容したときに、平らな食器6が実質的に移動しない。
また、この食器収容体60の底面部61、左右の側面部63、前面部62、背面部64、横仕切り65、および縦仕切り66は、金属(例えば、ステンレス)製の網状部材、あるいはペット樹脂などのプラスチック製の網状部材から構成されており、食器収容体60に平らな食器6を収容したままで、食器収容体60の外部から洗浄液を食器6に供給することで食器6の洗浄が可能になっている。また、システム100では、食器6の乾燥などの処理も、食器収容体60に食器6を収容したままで行われるが、食器収容体60の壁は網状構造となっているので、空気流の吹付や紫外線照射などを、空気流や紫外線が食器収容体60の壁に遮られないようにして効果的に行うことができる。
なお、食器収容体の構造は、収容する食器の形状によって異なり、例えば、皿などに比べて嵩の高いコップなどの嵩高な食器を収容する食器収容体の構造は、平らな食器を収容する食器収容体の構造とは異なる。
(食器収容体80)
図6を参照して食器収容体80の構造について説明する。
図6(a)は、嵩高な食器を収容する食器収容体の構造を示している。図(b)は、食器収容体に嵩高な食器を収容した状態を示している。なお、図6(a)でも図5(a)と同様に、食器収容体の外周面(前面部と右側面部)は密なドット模様で、食器収容体の内部は粗いドット模様で示し、図6(b)でも図5(b)と同様に、食器は実線で、食器収容体は二点鎖線で示している。
嵩高な食器8を収容する食器収容体80は、平らな食器を収容する食器収容体60と同様に、長方形の底面部81、前面部82、背面部84、左右の側面部83、横仕切り85、および縦仕切り86を有し、縦仕切り86および横仕切り85により、前面部82、左右の側面部83、および背面部84により囲まれた部分が、嵩高な食器8を収容する個々の食器収容スペース87に区分されている。食器収容体80は、食器収容体60とは異なり、前面部82、背面部84、左右の側面部83、横仕切り85、および縦仕切り86の高さがコップの形状に合わせて食器収容体60のものより低くなっている。食器収容スペース87の横仕切り85に沿った方向の寸法、および食器収容スペース87の縦仕切り86に沿った方向の寸法はいずれも、食器収容スペース87に嵩高な食器8を収容したときに、嵩高な食器8が実質的に移動しない程度としている。食器収容体80におけるその他の構成は、食器収容体60と同一である。
なお、食器の種類は、平らな食器6、嵩高な食器8に限定されない。それに応じて食器収容体60、80以外の食器収容体もあり得る。
例えば、食器の形状に応じた食器収容スペースを有する食器収容体は、非対称な形の食器をガタツキなく収容するために、あるいは形状の異なる複数の食器を収容するために、縦仕切りや横仕切りの位置および角度の少なくとも一方を変更自在な構造としたものでもよい。あるいは、食器収容体は縦仕切りや横仕切りの位置が食器収容体内の場所によって異なった構造としたものでもよい。
ここで、縦仕切りや横仕切りの位置および角度の少なくとも一方を変更自在とする構造は、これらの仕切りの位置あるいは角度を段階的に変更自在の構造であっても、あるいは無段階に変更自在な構造であってもよい。例えば、食器収容体の対向する側壁内面に溝を位置および角度の少なくとも一方を変えて複数形成しておき、これらの溝に縦仕切りや横仕切りを差し替えることで、仕切りの位置および角度の少なくとも一方を段階的に変更することができる。あるいは、食器収容体の対向する一対の側壁にそれぞれ長穴を対向するように形成しておき、縦仕切りや横仕切りに取り付けた回転軸をこれらの長穴にねじ部材で固定自在に構成することにより、仕切りの位置および角度の両方を無段階で変更することが可能となる。
また、食器を適度に傾斜させて食器収容体内に配置しておくことにより、食器の洗浄、乾燥が効果的に行われることとなる。
さらに、平らな食器6を収容するための食器収容体60には、図5(b)に示すように、平らな食器6が立てかけて収容されているため、CCDカメラにより食器収容体60の上方から食器6を撮影した場合、平らな食器6の表面(飲食物に触れる面)をすべて撮影できないおそれがある。このような状態で食器収容体60に収容されている食器の表面を撮影するには、例えば、鉛直方向に移動自在に支持された複数の細い棒状体と、複数の棒状体の先端に取り付けられたCCDカメラとを有する撮影装置を用いる。
具体的には、この撮影装置では、複数の棒状体を移動させてCCDカメラを食器収容体60と食器6との隙間に挿入することにより、食器収容体60内に収容されている平らな食器6の表面全体がCCDカメラにより撮影可能となる。
次に、複数のホテル51〜53で使用された食器を一括して処理センター1000で洗浄して元のホテルに返却する作業を説明する。なお、ここでは、説明の都合上、食器収容体としては、平らな食器6を収容した食器収容体60を挙げているが、これに限定されない。システム100で用いられる複数の食器収容体は、嵩高な食器8を収容する食器収容体80であってもよいし、あるいは食器収容体60および食器収容体80が混在したものでもよし、食器収容体60および食器収容体80とそれら以外の食器収容体とが混在したものでもよい。
各ホテルでは、使用した食器6はその形状に応じた食器収容体60に収容して集配係2が引き取り可能な状態で置いてある。例えば、集配係2はそれぞれのホテル51〜53まで集配車1で食器の引き取りに行き、平らな食器6をそれぞれ食器収容体60に収容したままで集配車1に積み込み、その後、それぞれのホテル51〜53から処理センター1000に戻る(図1参照)。
集配係2は、処理センター1000に戻ると、各ホテルから引き取ってきた食器6を食器収容体60に収容したまま処理センター1000内の食器洗浄のためのシステム100に搬入する(図2参照)。
具体的には、集配係2が、集配車1から降ろした食器収容体60を図7に示すように台車70などを用いて処理センター1000の搬入口111からシステム100のライン選択部10aに搬入すると、ライン選択部10aは、食器収容体60に設けられているバーコードから施設識別情報を読み込んで、同じホテルの食器が同じ搬送ラインに送り込まれるように、搬入された食器収容体60をシステム100における複数の搬送ラインL1〜L3に振り分ける(図2参照)。このようにして各搬送ラインに振り分けられた食器収容体60はそれぞれの搬送ラインL1〜L3の搬入部10の洗浄前格納部11に自動で格納される。なお、各搬送ラインに振り分けられた食器収容体60は人手によってそれぞれの搬入部10の洗浄前格納部11に格納してもよい。
各搬送ラインL1〜L3では、図3、図4を用いて説明したとおり、食器の搬入、前検査、洗浄、後検査、包装、搬出などの処理が行われる。施設の係員あるいは集配係が、洗浄した食器を集配車1に積み込む作業を終えると、集配係は、洗浄した食器を納品書や検査レポートとともに配送先の施設に納品する。
このような構成の実施形態1のシステムでは、ホテルや旅館などの宿泊施設、あるいは学校や会社などの施設で使われた食器を効率よくかつ衛生的に洗浄することができ、しかも、洗浄後の食器を洗浄後の清浄な状態を保ったままこれらの施設に戻すことができる。
なお、通常の食器洗浄では、乾燥時の温度を80〜90度程度に設定することにより、殺菌効果が得られるため、乾燥部とは別に殺菌部を設ける必要はない。ただし、老人や乳幼児あるいは病人など抵抗力のない人が洗浄後の食器を利用する場合には、洗浄後に殺菌を行っておくことが望ましい場合もある。この場合各搬送ラインの乾燥部30と包装部40との間に食器を殺菌する殺菌装置を設けてもよい。この殺菌装置は、例えば、搬送装置101上を搬送されてくる食器収容体内の食器を赤外線ランプなどで加熱するもの、あるいは、殺菌装置は、食器収容体内の食器に対して紫外線を照射するものである。
また、上記実施形態1では、食器収容体を集配車から食器洗浄のためのシステムに搬入する作業は集配係が行っているが、この作業も人手によらずに自動で行うようにしてもよい。以下の実施形態2では、集配車からシステムへの食器の搬入、システム内での食器に対する各種の処理、システムからの集配車への食器の積込をすべて自動で行う例を説明する。
(実施形態2)
図8は、本発明の実施形態2による食器洗浄のためのシステムを説明する図であり、図8(a)は、システムの利用形態を概念的に示し、図8(b)は、食器収容体の集配に用いる搬送ラックを示し、図8(c)は、搬送ラックの積降用搬送機構を備えた集配車を示し、図8(d)は、ICチップが取り付けられた食器を示している。
この実施形態2のシステム100aは、以下の3つの点で実施形態1のシステム100と基本的に異なる。
第1の点は、実施形態2では、個々の食器6に無線タグを構成するICチップ6aを取付けてシステム100aでの食器の管理を食器単位で行う点である。実施形態1では食器の管理を食器収容体単位で行っている。これに対し、実施形態2では、食器洗浄の管理を食器単位で行う。
第2の点は、実施形態2では、食器6の集配に食器収容体60を格納する搬送ラック120を用いる点である。実施形態1では搬送ラックは用いていない。
第3の点は、実施形態2では、集配車1aからシステム100aへの食器6の搬入出を含めてシステム100aでの食器洗浄などの処理を全自動で行う点である。実施形態1では、集配車1からシステム100への食器の搬入出は集配係が行っている。
以下詳しく説明する。
(ICチップ6a)
実施形態2のシステム100aで扱う食器6は無線タグを構成するICチップ6aを有する。ICチップ6aは、図8(d)に示すように、食器6の底面に取り付けられている。例えば、ICチップ6aは、食器6の底面に形成された凹部などに収容されて耐熱性樹脂などにより気密状態に封止されていてもよい。あるいは、ICチップ6aは、食器6の底面などの外表面に貼り付けられたものでもよい。ICチップ6aのメモリには、食器6の個別管理データ(例えば、食器6がどの施設(ホテル)から預かったものであるかを示すデータ(施設データ)、食器6の形状を示すデータ(形状データ)、食器6の材質を示すデータ(材質データ)など)が記録されている。このように食器6にICチップ6aを取り付けておくことにより、食器6の個別管理が可能となる。実施形態2では、各ホテルから引きとった食器をそれぞれのホテルに向けてすべて送り出したかを、実施形態1のように食器収容体の単位で管理するのではなく、食器単位で管理することができる。さらに、食器の洗浄を行う処理センター1000が食器を所有してホテルなどの宿泊施設に食器を貸し出すようなサービス形態では、システムの管理装置110aがICチップのメモリに記録したデータに基づいて処理センター1000内での食器の在庫管理を行うことも可能となる。
図9は、図8(a)に示す実施形態2のシステムの全体構成を説明する図であり、特にシステム1000内で食器6を搬送する搬送系統を模式的に示している。
実施形態2のシステム100aは、各搬送ラインL1〜L3の上流側端に設けられた搬入側読取器101a〜103aと、各搬送ラインL1〜L3の下流側端に設けられた搬出側読取器101b〜103bとを有する。ここで、搬入側読取器101a〜103aおよび搬出側読取器101b〜103bは、それぞれの読取器から所定距離以内に位置するICチップ6aを無線給電により起動し、ICチップ6aのメモリに格納されているデータの無線送信をICチップ6aに行わせ、ICチップ6aから送信されたデータを受信する構成となっている。特に、搬入側読取器101a〜103aは、システム100aに食器6が搬入されたときに食器6のICチップ6aから、食器の個別管理データ(施設データ、形状データ、材質データなど)を読み取り、これらのデータを搬入時管理データDaとして管理装置110aへ出力する。搬出側読取器101b〜103bは、システム100aから食器6が搬出されるときに食器6のICチップ6aから個別管理データを読み取り、これらのデータを搬出時管理データDbとして管理装置110bへ出力する。
(搬送ラック120)
実施形態2では、例えば、食器6を食器収容体60に収容した状態で食器を集配するのに、食器収容体60を格納する搬送ラック120を用いる。搬送ラック120は、図8(b)に示すように、ラック筐体121と、ラック棚部122と、移動用車輪123とを有する。ラック筐体121内にはラック棚部122が複数段(例えば4段)設けられており、それぞれのラック棚部122には複数(例えば4つ)の食器収容体60が載置されるようになっている。ラック筐体121の底面には移動用車輪123が取付られている。図8(b)では、1種類の食器収容体60のみが搬送ラック120に格納されている状態を示しているが、搬送ラック120に格納される食器収容体は、平らな食器6を収容する食器収容体60の一種類に限定されるものではなく、搬送ラック120には、図6に示す嵩高な食器8を収容する食器収容体80、あるいは他の形状の食器を収容するためのその他の食器収容体が格納されていてもよい。
(集配車1a)
実施形態2では、実施形態1の集配車1に代わる集配車1aが用いられる。この集配車1aは、図8(b)に示すように、搬送ラック120の積降用搬送装置1bを有し、積降用搬送装置1bにより、集配車1aに搬送ラック120を順次積み込んだり、あるいは順次降ろしたりすることができるようになっている。
(システム100a)
実施形態2のシステム100aは、図9に示すように、実施形態1のシステム100におけるライン選択部10aに代わる自動搬入装置210を有する。
自動搬入装置210は、集配車1aから送り出された搬送ラック120を載置して搬送するためのラック搬送台210aと、ラック搬送台210aの移動経路に設けられたガイドレール214とを有する。ガイドレール214は、集配車1aから搬送ラック120を降ろすラック降ろし位置P1から、搬送ラック120から食器収容体を取り出す取出位置P2を経由して、搬送ラック120を回収するラック回収位置P3まで延びている。ラック搬送台210aは、ガイドレール214上を自走により移動自在に構成されており、かつ搬送ラック120を載置する載置面の高さを自動で調整自在に構成されている。
自動搬入装置210は、食器収容体の取出位置P2にガイドレール214に隣接するように配置され、搬送ラック120から食器収容体を押し出す押出機構210bと、押出機構210bにより搬送ラック120から押し出された食器収容体を受け取って搬送する収容体搬送コンベア210dとを有する。収容体搬送コンベア210dの側部には、食器収容体のバーコードを読み取るバーコードリーダ211dが設けられている。
自動搬入装置210は、収容体搬送コンベア210dの下流端近傍に配置された収容体振分機構210eを有する。収容体振分機構210eは、バーコードリーダ211dにより読み取られた施設識別情報Dfに基づいて、食器収容体を複数の搬送ラインL1〜L3のいずれかに振り分ける。
実施形態2のシステム100aでは、各搬送ラインL1〜L3は、実施形態1のシステム100と同様に、搬入部10a、洗浄部20a、乾燥部30a、包装部40a、および搬出部50aを基本構成として有する。さらに各搬送ラインには、実施形態1と同様に、前検査装置(図示せず)が搬入部10aと洗浄部20aとの間に設けられ、後検査装置(図示せず)が乾燥部30aと包装部40aとの間に設けられている。
搬入部10aは、以下の2点で実施形態1の搬入部10とは異なる。
1つは、自動搬入装置210から送り込まれた食器収容体に対する一連の処理(洗浄前格納部への食器収容体の格納、および洗浄前格納部からの食器収容体の取り出し)が全自動で行われるように構成されている点である。
もう1つは、搬入部10aでは、搬送ラインL1〜L3の上流側端にそれぞれ上述した搬出側読取器101a〜103aが設けられており、これらの搬出側読取器101a〜103aが、搬入部10aに搬入された食器6のICチップ6aから食器の個別管理データ(例えば施設データ、形状データ、材質データなど)を読み取り、これらのデータを搬入時管理データDaとして管理装置110aへ出力する点である。
この実施形態2の前検査装置(図示せず)は、ICチップからデータを読み出して前検査の結果を食器単位で管理装置110aに通知する点以外は実施形態1の前検査装置12(図3)と同一である。
洗浄部20aおよび乾燥部30aはそれぞれ、実施形態1の洗浄部20および乾燥装置30と同じ構成を有する。
この実施形態2の後検査装置(図示せず)は、包装前の検査(後検査)の際にICチップからデータを読み出して後検査の結果を食器単位で管理装置110aに通知する点以外は実施形態1の後検査装置34(図4)と同一である。
搬出部50aは、実施形態1の搬出部50と同様に洗浄後格納部を有するが、以下の2点で実施形態1の搬出部50とは異なる。
1つは、搬出部50aは、洗浄後格納部に格納された食器収容体を自動で搬送ラック120に格納し、さらに、食器収容体を格納した搬送ラック120を自動で集配車1aに積み込む点である。
もう1つは、搬出部50aでは、搬送ラインL1〜L3の下流側端にそれぞれ上述した搬出側読取器101b〜103bが設けられており、これらの搬出側読取器101b〜103bが、搬出部50aから搬出される食器6のICチップ6aから食器の個別管理データ(例えば施設データ、形状データ、材質データなど)を読み取り、これらのデータを搬出時管理データDbとして管理装置110aへ出力する点である。
管理装置110aは、搬入時管理データDaに基づく集計結果および搬出時管理データDbに基づく集計結果からシステム100aに搬入された食器が搬入元施設に向けて搬出されているかを食器単位で管理する。
次に、実施形態2のシステム100aを用いた食器洗浄サービスを図8〜図12を用いて説明する。
図8に示すように、各ホテルでは、集配係が使用済の食器6を収容した複数の食器収容体60をまとめて引き取り可能となるように、複数の食器収容体60が搬送ラック120に格納された状態で置いてある。集配係2は各ホテル51〜53で食器収容体が格納されている搬送ラック120を集配車1aに積み込み、処理センター1000に戻る。
図10に示すように、集配係は、処理センター1000のラック降ろし位置P1に集配車1aを止めて、積降用搬送装置1bを駆動すると、図11に示すように、搬送ラック120が集配車1aの荷台からラック搬送台210a上に送り出される。次に、図12に示すように、ラック搬送台210aは自走によりガイドレール214上を取出位置P2まで移動して停止する。この状態で、押出機構210bの押出ロッド211bが搬送ラック120内に入り込んで搬送ラック120内部の食器収容体60を収容体搬送コンベア210d上に押し出す。
収容体搬送コンベア210d上に押し出された食器収容体60は、図12に示すようにバーコードリーダ211dの近傍を通過して収容体振分機構210eまで搬送される。
バーコードリーダ211dは、その近傍を通過した食器収容体60のバーコードから施設識別情報Dfを読み取る。収容体振分機構210eは、バーコードリーダ211dからの施設識別情報Dfに基づいて、収容体搬送コンベア210dから送られてくる食器収容体60を複数の搬送ラインL1〜L3のうちの所定の搬送ライン(それぞれのホテルに対応した搬送ライン)に振り分ける。
それぞれの搬送ラインに振り分けられた食器収容体は、基本的に実施形態1のシステムと同様に、搬入、前検査、洗浄、後検査、包装、搬出などの処理が施されて各搬送ラインから搬出される。
ただし、この実施形態2では、システム内での食器は、実施形態1のように食器収容体のバーコードの情報で管理されるのではなく、食器に設けられているICチップのデータを用いて管理される。
具体的には、食器収容体60が各搬送ラインL1〜L3の搬入部10に搬入されたとき、搬入側読取器101a〜103aがその上を通過する食器収容体60に収容されている個々の食器6のICチップから個別管理データを読み取って搬入時管理データDaとして管理装置110aに出力する。さらに、食器収容体が各搬送ラインL1〜L3の搬出部50aから搬出される際搬出側読取器101b〜103b(図9参照)はそれぞれ、これらの搬出側読取器101b〜103b上を通過する食器収容体60に収容されている個々の食器6のICチップから個別管理データを読み取って搬出時管理データDbとして管理装置110aに出力する。
管理装置110aは、搬入時管理データDaおよび搬出時管理データDbに基づいて、各ホテルから引き取った食器がすべて元のホテルに向けて搬出されているかを食器単位で管理する。さらに、管理装置110aは、前検査部および後検査部からの検査結果を受けて、搬入時にどの形状の、どの材質の食器がいくつ破損していたか、さらに、システム100a内での処理中にどの形状の、どの材質の食器がいくつ破損したかを示す検査情報を検査レポートとしてそれぞれ搬入元施設(ホテル)に発行する。このような検査レポートは、納品書とともに、あるいは検査レポートは納品書の一部として発行されてもよい。あるいは、検査レポートを発行する代わりに、検査情報が、食器収容体60を包装する包装体(例えば、食品包装用のラップフィルム)に直接印字により印刷されるようにしてもよい。
なお、押出機構210bによりすべての食器収容体60が搬送ラック120から収容体搬送コンベア210dへ押し出されて空になった搬送ラック120は、ラック搬送台210aの自走により搬送ラック120のラック回収位置P3までさらに移動し、ラック回収機構210cにより回収される。回収された空の搬送ラック120は、例えば、空ラック搬送機構(図示せず)により、食器収容体が送り込まれた搬送ラインの搬出部に送られる。搬出部では、食器の洗浄が行われて包装された食器収容体が自動で空の搬送ラック120に格納され、食器収容体が格納された搬送ラックが積込機構(図示せず)により自動で集配車1aに積み込まれる。搬送ラックの集配車1aへの積込には、例えば、自動搬入装置210におけるラック搬送台210aと同様なラック搬送台、および集配車1aの積降用搬送装置1bなどが用いられる。
このような構成の実施形態2のシステムでは、ホテルや旅館などの宿泊施設、あるいは学校や会社などの施設で使われた食器を効率よくかつ衛生的に洗浄することができ、しかも、洗浄後の食器を洗浄後の清浄な状態を保ったままこれらの施設に戻すことができる効果に加えて、集配車1aからシステム100aへの食器収容体の搬入、およびシステムから集配係1aへの食器収容体の積み込みを、システムでの食器の洗浄、乾燥、包装などの処理とともにすべて自動で行うことができ、食器洗浄のためのシステムを備えた処理センターでの人件費を大きく削減することができる。
なお、実施形態2で示した、食器収容体のシステムへの食器収容体の搬入を自動で行うための構成は、一例にすぎず、実施形態2のものに限定されるものではない。
例えば、集配車を、押出機構210bと同様に食器収容体を搬送ラック120から押し出す機構を備えたものとすることにより、処理センターでは、集配車から搬送ラックを降ろさずに、搬送ラックに格納されている食器収容体を集配車1a内の搬送ラック120から収容体搬送コンベア210dに直接搬入することが可能となる。
また、上記実施形態2では、食器に取り付けたICチップのメモリには、食器の個別管理データとして、食器の搬入元施設を示すデータ、食器の形状を示すデータ、食器の材質を示すデータを記録する場合を示したが、食器に取り付けたICチップのメモリには、これらのデータに代えて、あるいはこれらのデータに加えて、個々の食器を識別する識別情報(食器ID)を記録するようにしてもよい。
この場合、システム100aの管理装置110aでは、搬入元施設から預かった食器の個体管理を行うことが可能となる。例えば、同じホテルからの同じ形状でかつ同じ材質の食器であっても、それぞれの食器を個体ごとに区別して管理することができ、例えばそれぞれの食器の使用年月、使用頻度(言い換えると洗浄処理が施された回数)などを管理することができる。
以上のように、本発明の好ましい実施形態を用いて本発明を例示してきたが、本発明は、この実施形態に限定して解釈されるべきものではない。本発明は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。当業者は、本発明の具体的な好ましい実施形態の記載から、本発明の記載および技術常識に基づいて等価な範囲を実施することができることが理解される。
本発明は、食器洗浄のためのシステムおよび方法の分野において、ホテルや旅館などの宿泊施設、あるいは学校や会社などの複数の施設で使われた食器を効率よくかつ衛生的に洗浄することができ、しかも、洗浄後の食器を洗浄後の清浄な状態を保ったままこれらの施設に戻すことができる食器洗浄のためのシステムおよび方法を提供するものとして有用である。
1、1a 集配車
1b 積降用搬送装置
2 集配係
6 食器(皿などの平らな食器)
6a ICチップ
8 食器(コップなどの嵩高な食器)
10、10a 搬入部
11 洗浄前格納部
12 前検査部
20、20a 洗浄部
21〜25 洗浄機
26 洗浄機選択部
30、30a 乾燥部
31 乾燥装置
32 殺菌装置
40、40a 包装部
41 後検査部
42 包装機
50,50a 搬出部
50a 洗浄後格納部
51 Aホテル
52 Bホテル
53 Cホテル
60、80 食器収容体
61、81 底面部
62、82 前面部
63、83 側面部
64、84 背面部
65、85 横仕切り
66、86 縦仕切り
67、87 食器収容スペース
70 台車
100、100a システム
101〜103 搬送装置
101a〜103a 搬入側読取器
101b〜103b 搬出側読取器
111 搬入口
110,110a 管理装置
120 搬送ラック
121 ラック筐体
122 ラック棚部
123 移動用車輪
210 自動搬入装置
210a ラック搬送台
210b 押出機構
210c ラック回収機構
210d 収容体搬送台
210e 収容体振分機構
211b 押出ロッド
211d 情報読取器
1000 処理センター
Da 搬入時管理データ
Db 搬出時管理データ
Df 施設識別情報
L1〜L3 搬送ライン
R1〜R3 非汚染領域

Claims (9)

  1. 食器収容体に収容された複数の食器を洗浄し乾燥し包装する食器洗浄のためのシステムであって、
    該食器収容体を搬送する1以上の搬送ラインと、
    該搬送ラインに設置され、該複数の食器を該食器収容体に収容したままで洗浄する洗浄部と、
    該搬送ラインに設置され、洗浄された該複数の食器を該食器収容体に収容したままで乾燥する乾燥部と、
    該搬送ラインに設置され、乾燥された該複数の食器を該食器収容体に収容したままで包装する包装部と
    を含む、食器洗浄のためのシステム。
  2. 前記1以上の搬送ラインは、複数の搬送ラインであり、
    前記複数の食器は、前記システムの外部の複数の施設のいずれかから前記食器収容体に収容したままで該システムに搬入され、
    該システムは、該複数の食器の搬入元である施設を示す施設識別情報に基づいて、該複数の搬送ラインのうちから、該食器収容体の搬送に用いる搬送ラインを選択するライン選択部を有する、請求項1に記載の食器洗浄のためのシステム。
  3. 前記食器収容体に収容される複数の食器は同じ形状を有し、
    該食器収容体は、収容される食器の形状に応じた同じ形状の複数の食器収容スペースを有し、該同じ形状の複数の食器の各々が該複数の食器収容スペースの各々に収納されるように構成されている、請求項1または請求項2に記載の食器洗浄のためのシステム。
  4. 前記洗浄部は、前記複数の食器の材質の種類別に設けられた複数の種類の洗浄機を含み、それぞれの洗浄機は、それぞれの食器に対して該食器の材質に適した洗浄処理を施す、請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の食器洗浄のためのシステム。
  5. 前記システムは、前記複数の食器の材質を示す材質識別情報に基づいて、前記複数の種類の洗浄機のうちから、該食器の洗浄に用いる洗浄機を選択する洗浄機選択部を有する、請求項4に記載の食器洗浄のためのシステム。
  6. 前記システムは、
    前記搬送ラインに設置され、乾燥された前記複数の食器の破損の有無を検査する第1の検査部を備えている、請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の食器洗浄のためのシステム。
  7. 前記システムは、
    前記洗浄部の前段に設けられ、前記複数の食器の破損の有無を検査する第2の検査部を備えている、請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載の食器洗浄のためのシステム。
  8. 前記食器には、無線タグを構成するICチップが取り付けられており、
    前記システムは、該ICチップに含まれるメモリのデータを読み取るデータ読取手段と、該データ読取手段により読み取ったデータに基づいて、該システムの外部から該システムに搬入された食器を個別に管理する管理装置とを有する、請求項1から請求項7のいずれか一項に記載に食器洗浄のためのシステム。
  9. 食器収容体に収容された複数の食器を食器洗浄のためのシステムにより洗浄し乾燥し包装する方法であって、
    該システムは、該食器収容体を搬送する1以上の搬送ラインを有し、
    該方法は、
    該搬送ライン内で、該複数の食器を該食器収容体に収容したままで洗浄する工程と、
    該搬送ライン内で、洗浄された該複数の食器を該食器収容体に収容したままで乾燥する工程と、
    該搬送ライン内で、乾燥された該複数の食器を該食器収容体に収容したままで包装する工程と
    を含む、方法。
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