JP2015220431A - 発光装置の製造方法及び発光装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】明るさ、配光性を一層向上させることができる信頼性の高い発光装置及びこの装置を確実、簡便に、高精度に製造可能な製造方法を提供することを目的とする。【解決手段】上面視において長辺と短辺とを有し、かつ、一対の電極を備える第1主面と、前記第1主面と反対側の第2主面とを有し、前記第1主面及び前記第2主面に隣接し、前記長辺を含む側面及び短辺を含む側面を有する発光素子12を準備し、発光素子12を、一対の接続端子15、16と母材11aとを備える基体11に載置し、発光素子12の長辺又は短辺を含む側面を透光性樹脂18aで被覆し、透光性樹脂18aを加工して、発光素子12の第1主面から反対側の第2主面にかけて傾斜する面を有する透光性部材18を形成し、発光素子12の短辺又は長辺を含む側面及び透光性部材18の傾斜する面を、光反射性部材13で被覆する工程を含む発光装置の製造方法。【選択図】図1

Description

本開示は、発光装置の製造方法及び発光装置に関する。
従来から、電子機器において種々の光源が使用されている。例えば、電子機器の表示パネルのバックライト光源等として、サイドビュー型の発光装置が使用されている。
このような発光装置は、発光素子を備えており、その発光素子の周囲を光反射性の部材で被覆している。これによって、発光素子の側方への発光を上方に反射させ、上方向への発光効率の向上を図っている。その一方、発光素子の周囲を取り囲む光反射性の部材が反射光の乱光を招き、上方に取り出された光に迷光が含まれ、集光特性の劣化を招くことがある。
その一対策として、発光素子の側面と光反射性の部材との間に透明樹脂を逆テーパーの円弧状に配置することにより、横方向への出射光を円弧状の透明樹脂で上方に反射させ、上方への光取り出し効率を高める発光装置が提案されている(例えば、特許文献1)。
特開2013−12545号公報
より小型化及び薄型化が要求されている発光装置、特にサイドビュー型の発光装置では、さらなる明るさ及び/又は配光性の向上が求められている。
本発明は、小型かつ薄型の発光装置において、さらなる明るさ及び/又は配光性を向上させることができる信頼性の高い発光装置及びこのような発光装置を確実かつ簡便に、高精度に製造することができる発光装置の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は以下の実施形態を含む。
(1)上面視において長辺と短辺とを有し、かつ、一対の電極を備える第1主面と、前記第1主面と反対側の第2主面とを有し、前記第1主面及び前記第2主面に隣接し、前記長辺を含む側面及び短辺を含む側面を有する発光素子を準備する工程、
前記発光素子を、一対の接続端子と母材とを備える基体に載置する工程、
前記発光素子の長辺又は短辺を含む側面を、前記発光素子の第1主面から第2主面にかけて傾斜する面を有する透光性部材で被覆する工程及び
前記発光素子の短辺又は長辺を含む側面及び前記透光性部材の傾斜する面を、光反射性部材で被覆する工程を含む発光装置の製造方法。
(2)一対の接続端子及び母材を備える基体と、
前記接続端子と接続され、上面視において長辺と短辺を有する発光素子と、
前記発光素子の長辺又は短辺を含む側面を被覆する透光性部材と、
前記発光素子の短辺又は長辺を含む側面を被覆する光反射性部材とを備える発光装置。
このような発光装置の製造方法によれば、小型かつ薄型の発光装置において、さらなる明るさ及び/又は配光性を向上させることができる信頼性の高い発光装置を、確実かつ簡便、高精度に製造することができる。
本発明の一実施形態の発光装置の製造方法を示す概略断面工程図である。 図1の方法で製造された発光装置を示す概略断面図である。 図2Aの発光装置のA部の拡大図である。 図2Aの発光装置の概略平面透視図である。 図2Aの発光装置が実装部材に実装された状態を示す概略斜視図である。 本発明の発光装置の製造方法の変形例を説明するための発光装置の概略平面透視図である。 本発明の発光装置の製造方法の別の変形例を説明するための発光装置の概略平面透視図である。 本発明の発光装置の製造方法のさらに別の変形例を説明するための発光装置の概略平面透視図である。 本発明の発光装置の製造方法のさらに別の変形例を説明するための発光装置の概略平面透視図である。 図4DのB部の拡大図断面図である。 本発明の発光装置の製造方法の他の実施形態を説明するための基体の概略平面図である。 図5AのB−B’線断面図である。 本発明のさらに別の実施形態の発光装置の製造方法を説明するための発光装置の概略断面図である。 図6Aの発光装置の概略平面透視図である。 本発明のさらに別の実施形態の発光装置の製造方法を説明するための発光装置の概略断面図である。 図7Aの発光装置の概略平面透視図である。 本発明のさらに別の実施形態の発光装置の製造方法を説明するための概略断面工程図である。
以下、発明の実施形態について適宜図面を参照して説明する。ただし、以下に説明する発光装置は、本発明の技術思想を具体化するためのものであって、特定的な記載がない限り、本発明を以下のものに限定しない。また、一の実施形態、実施例において説明する内容は、他の実施形態、実施例にも適用可能である。
各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため、誇張していることがある。
本発明の実施形態の発光装置は、光取り出し面に隣接する面を実装面とする、いわゆるサイドビュー型と称される発光装置であるが、光取り出し面に対向する面を実装面とするトップビュー型と称される発光装置にも適用することができる。
この発光装置は、少なくとも、一対の接続端子及び母材を備える基体と、発光素子と、透光性部材と、光反射性部材とを備える。
本明細書においては、発光装置の光取り出し面を上面、光取り出し面に隣接又は交差する面を側面と称し、側面のうちの1つを発光装置の実装面と称する。これに伴って、発光装置を構成する各要素又は各部材の面のうち、発光装置の光取り出し面に対応する面を第1主面又は正面(つまり、上面)と、第1主面の反対側の面を第2主面(つまり、下面)と、第1主面及び第2主面に隣接又は交差する面(つまり、発光装置の側面に対応する面)を側面と称することがある。
〔発光装置の製造方法〕
本発明の実施形態の発光装置の製造方法は、
(a)発光素子を準備する工程、
(b)発光素子を基体に載置する工程、
(c)発光素子を透光性部材で被覆する工程、
(d)発光素子と透光性部材とを、光反射性部材で被覆する工程を任意の順序で含む。例えば、工程(a)から(d)をこの順に行ってもよいし、(a)、(c)、(b)、(d)をこの順に行ってもよい。
このような発光装置の製造方法は、任意に、
発光素子の側面を透光性樹脂で被覆する工程、
透光性樹脂を加工して、発光素子の第1主面から第2主面にかけて傾斜する面を有する透光性部材を形成する工程、
発光素子の上に蛍光体層を形成する工程、
透光性部材の上に蛍光体層を形成する工程、
光反射性部材の上に蛍光体層を形成する工程、
発光素子の短辺を含む側面とともに長辺を含む側面を透光性樹脂で被覆し、長辺を含む側面に被覆された透光性樹脂を除去する工程などの1以上を任意の順序で含んでいてもよい。
〔発光素子の準備〕
まず、発光素子を準備する。発光素子は1つでもよいし、複数でもよい。
発光素子は、通常、半導体積層体、好ましくは、窒化物半導体積層体と、一対の電極とを備える。
発光素子は、上面視において長辺と短辺とを有する。
発光素子において、一対の電極を備える面を第1主面とし、この第1主面と反対側の第2主面とし、これら第1主面と第2主面との双方に隣接する面を側面とする。以下、発光素子の長辺を含む側面を長側面、短辺を含む側面を短側面と称することがある。
(半導体積層体)
半導体積層体は、第1半導体層(例えば、n型半導体層)、発光層、第2半導体層(例えば、p型半導体層)がこの順に積層されており、発光に寄与する積層体である。半導体積層体の厚みは、30μm程度以下が好ましく、15μm程度以下、10μm程度以下がより好ましい。
第1半導体層、発光層及び第2半導体層の種類、材料は特に限定されるものではなく、例えば、III−V族化合物半導体、II−VI族化合物半導体等、種々の半導体が挙げられる。具体的には、InAlGa1−X−YN(0≦X、0≦Y、X+Y≦1)等の窒化物系の半導体材料が挙げられ、InN、AlN、GaN、InGaN、AlGaN、InGaAlN等を用いることができる。各層の膜厚及び層構造は、当該分野で公知のものを利用することができる。
半導体積層体は、通常、半導体層の成長用の基板上に積層される。
半導体層の成長用の基板としては、半導体層をエピタキシャル成長させることができるものが挙げられる。このような基板の材料としては、サファイア(Al)、スピネル(MgA1)のような絶縁性基板、上述した窒化物系の半導体基板等が挙げられる。基板の厚みは、例えば、190μm程度以下が好ましく、180μm程度以下、150μm程度以下がより好ましい。
基板は、表面に複数の凸部又は凹凸を有するものであってもよい。また、これに伴って、窒化物半導体積層体の基板側の表面(窒化物半導体積層体の前記電極が配置された面の反対面)に複数の凸部又は凹凸があってもよい。
基板は、C面、A面等の所定の結晶面に対して0〜10°程度のオフ角を有するものであってもよい。
基板は、第1半導体層との間に、中間層、バッファ層、下地層等の半導体層又は絶縁層等を有していてもよい。
サファイア基板のような透光性を有する基板は、半導体積層体から除去せずに、発光装置に用いることができる。半導体層の厚みが薄い場合であっても、成長用の基板があることで、発光素子の側面を透光性部材で被覆しやすく、また、透光性部材と発光素子との密着性を向上させることができる。
一方、半導体層の成長用の基板は、最終的に、半導体積層体から除去してもよい。
このような基板の除去は、レーザリフトオフ法等を利用して行うことができる。具体的には、基板側から半導体層に、基板を透過するレーザ光(例えば、KrFエキシマレーザ)を照射し、半導体層と基板との界面で分解反応を生じさせ、基板を半導体層から分離する。ただし、成長用の基板は、半導体層から完全に除去されたものに加えて、半導体層の端部又は隅部に若干の基板が残存していてもよい。成長用の基板は、発光素子が基体に実装された前後のいずれかで除去することができる。
半導体積層体は、半導体層の成長用の基板が除去されたものである場合、より薄型化、小型化を実現する発光装置を得ることができる。また、発光に直接寄与しない層を除去することにより、これに起因する発光層から出射される光の吸収を阻止することができる。さらに、基板に起因する光散乱を阻止することができる。よって、より発光効率を向上させることができる。その結果、発光輝度を高めることが可能となる。
また、成長用の基板を除去した後に、除去された成長用の基板と同程度の厚みを有する透光性部材を形成してもよい。
発光素子は、いわゆるバーティカルダイス又は貼り合わせダイスなどとして公知の積層構造、例えば、特開2008−300719号公報、特開2009−10280号公報等に記載されたような積層構造を有していてもよい。
発光素子の上面視における形状は、上述したように、長辺と短辺とを有するものが好ましい。具体的には、四角形又はこれに近似する形状が挙げられる。発光素子の大きさは、発光装置の大きさによって、その上限を適宜調整することができる。例えば、発光素子の一辺の長さが、百μmから2mm程度、1400×200μm程度、1100×200μm程度、900×200μm程度等が好ましい。
(第1電極及び第2電極)
半導体積層体の同一面側(例えば、第2半導体層側の面、第1主面)に、第1半導体層に電気的に接続される第1電極(正又は負)と、第2半導体層に電気的に接続される第2電極(負又は正)との双方を有することが好ましい。これにより、基体の正負の接続端子と発光素子の第1電極と第2電極を対向させて接合するフリップチップ実装を行うことができる。
第1電極及び第2電極は、通常、オーミック電極、金属膜、外部接続用電極等を含んで構成される。
第1電極及び第2電極は、例えば、Au、Pt、Pd、Rh、Ni、W、Mo、Cr、Ti等又はこれらの合金の単層膜又は積層膜によって形成することができる。具体的には、半導体層側からTi/Rh/Au、W/Pt/Au、Rh/Pt/Au、W/Pt/Au、Ni/Pt/Au、Ti/Rh等のように積層された積層膜が挙げられる。膜厚は、当該分野で用いられる膜の膜厚のいずれでもよい。
第1電極及び第2電極の上面には、それぞれ、後述する基体の接続端子と接続される部分に突起部を形成してもよい。これにより、発光素子と基体との間に光反射性部材を形成する際、光反射性部材を発光素子と端子基板との間に充填しやすくなる。これによって、発光素子からの発光が端子基板側へ透過することを低減できる。また、発光素子と端子基板とを強固に支持することができ、発光装置の信頼性を高めることができる。
発光素子の厚みは、半導体成長用の基板の有無にかかわらず、電極を含む厚みとして、200μm以下であることが好ましく、180μm以下、150μm以下であることがより好ましい。また、基板が除去された窒化物半導体積層体のみによって、20μm以下であることが好ましく、15μm以下、10μm以下であることがより好ましい。
このような発光素子は、当該分野で公知の方法によって製造することができる。
〔発光素子の基体への載置〕
発光素子は、基体にフリップチップ実装されることが好ましい。
発光素子は、そのまま基体に実装してもよいし、後述するように、あらかじめ、発光素子を透光性部材で被覆した後、透光性部材で被覆された発光素子を基体に実装してもよい。
(基体)
基体は、一対の接続端子と母材とを備える。
基体において、発光素子に面する面を第1主面とし、この第1主面と反対側の第2主面とし、これら第1主面と第2主面との双方に隣接する面を側面とする。基体の形状は特に限定されず、後述する母材の形状に相当する形状となる。例えば、少なくとも第1主面が、長辺と短辺とを有することが好ましい。なお、長辺を含む側面を長側面、短辺を含む側面を短側面と称することがある。
基体の厚みは、後述する母材の厚みによって調整することができる。例えば、最も厚い部位の厚みは、500μm程度以下が好ましく、300μm程度以下がより好ましく、200μm程度以下がさらに好ましい。また、40μm程度以上が好ましい。
基体の強度は、後述する母材の材料、接続端子の材料等によって調整することができる。例えば、上述した厚みの範囲において、曲げ強度が300MPa以上であることが好ましく、400MPa以上であることがより好ましく、600MPa以上であることがさらに好ましい。これにより、発光装置の強度を確保することができる。ここでの曲げ強度は、市販の強度測定機、例えば、インストロンによる3点曲げ試験によって測定した値を意味する。
このように、基体が薄く、かつ適当な強度を備えることにより、小型/薄型及び高性能/高信頼性の発光装置を製造することができる。
また、基体の第1主面の最表面は、白色レジスト、DBR、高反射性フィラー層等を用いて反射層を設けることが好ましい。これにより、透光性樹脂と基体とが接する場合に、基体の光吸収に起因する光のロスを最小限とすることができる。
(母材)
母材は、例えば、線膨張係数が発光素子の線膨張係数の±10ppm/℃以内の範囲であるものが好ましく、±9ppm/℃以内、±8ppm/℃以内がより好ましい。これによって、発光素子を基体に実装する場合に、発光素子と基体との線膨張係数の差異に起因する、発光素子の基体(接続端子)からの剥がれ又は発光素子への不要な応力負荷を効果的に防止することができる。その結果、フリップチップ実装によって、発光素子の電極を基体の接続端子に直接接続することができ、より小型/薄型の発光装置を提供することが可能となる。
本明細書では、線膨張係数は、TMA法で測定した値を意味する。α1及びα2のいずれかがこの値を満たしていればよいが、両方で満たすことがより好ましい。
母材は、例えば、金属、セラミック、樹脂、誘電体、パルプ、ガラス、紙又はこれらの複合材料(例えば、複合樹脂)、あるいはこれら材料と導電材料(例えば、金属、カーボン等)との複合材料等が挙げられる。金属としては、銅、鉄、ニッケル、クロム、アルミニウム、銀、金、チタン又はこれらの合金を含むものが挙げられる。セラミックとしては、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化ジルコニウム、窒化ジルコニウム、酸化チタン、窒化チタン又はこれらの混合物を含むものが挙げられる。複合樹脂としては、ガラスエポキシ樹脂等が挙げられる。
特に、母材は樹脂を含有するものが好ましい。
樹脂は、当該分野で使用されているものであればどのようなものを利用してもよい。例えば、線膨張係数を発光素子の線膨張係数の±10ppm/℃とするために、線膨張係数の小さいものを利用することが好ましい。
具体的には、エポキシ樹脂、ビスマレイミドトリアジン(BT)樹脂、ポリイミド樹脂、シアネート樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、フェノキシ樹脂、アクリル樹脂、アルキッド樹脂、ウレタン樹脂等が挙げられる。また、例えば、特開2013−35960号、WO2011/132674A1、WO2012/121224A1、WO2012/165423A1等に記載されている樹脂、ナフタレン系のエポキシ樹脂が含有されたBT樹脂及びそれらの組成物、特開2010−114427号等に記載されている液晶ポリマー及びそれらの組成物を利用してもよい。なお、これらには、当該分野で公知の添加剤、モノマー、オリゴマー、プレポリマー等が含有されていてもよい。なかでも、BT樹脂又はその組成物が好ましい。
樹脂の種類にかかわらず、線膨張係数を調整するために、あるいは熱放射率を増大させるために、樹脂には、充填材、例えば、無機材料による充填材を含有させることが好ましい。このような充填材の種類及び量等を適宜組み合わせることによって、母材の線膨張係数を調整することができる。
充填材及び無機材料としては、例えば、六方晶窒化ホウ素で被覆されたホウ酸塩粒子、アルミナ、シリカ類(天然シリカ、溶融シリカ等)、金属水和物(水酸化アルミニウム、ベーマイト、水酸化マグネシウム等)、モリブデン化合物(酸化モリブデン等)、ホウ酸亜鉛、錫酸亜鉛、酸化アルミニウム、クレー、カオリン、酸化マグネシウム、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、タルク、焼成クレー、焼成カオリン、焼成タルク、マイカ、ガラス短繊維(Eガラス、Dガラスなどのガラス微粉末類、ガラスクロス等)、中空ガラス、リン酸ジルコニウム等の熱収縮フィラー、ゴムパウダー及びコアシェル型のゴムパウダー(スチレン系、ブタジエン系、アクリル系、シリコーン等)等が挙げられる。
特に、熱伝導率の高い充填材又は無機材料を大量に含有させることにより、熱放射率を調整することができる。例えば、ガラスクロスを用いる場合には、ガラスクロス中の無機材料を50重量%以上、70重量%以上、90重量%以上含有させることができる。
サイドビュー型の発光装置において、光取り出し面(図3のQ)に隣接する面である実装面(図3のR)とそれに対向する面(図3のS)において、母材を黒色とすることが好ましい。これによって、発光装置から出射した光又はその反射光による迷光を吸収することができる。さらに、母材又は基体の迷光の吸収によって、例えば、バックライト用途において、光の色及び/又は明るさのバラツキなど品質を向上させることができる。また、迷光の吸収によって、周辺部材の光劣化を抑制することができる。
母材の色を調整するために、樹脂には顔料を含有させてもよい。顔料としては、黒色のカーボンブラック、白色の酸化チタン等が挙げられる。
サイズの小さい発光装置では、発光素子自体が発光装置に対して相対的に大きくなるため、発光素子からの発熱、蛍光体によるストークス発熱などによって、発光装置が過度に発熱することが懸念される。このような熱は、バックライトの導光板を劣化、変形させるなどの悪影響を招くことがある。そこで、熱放射係数の大きいカーボンブラックなどの黒色の材料を母材(樹脂)に含有させることにより、発光素子及び蛍光体からの熱を、放熱することができる。
母材の線膨張係数は、用いる発光素子の種類及び構造等にもよるが、例えば、20ppm/℃程度以下が好ましく、10ppm/℃程度以下がより好ましく、8ppm/℃程度以下がより好ましい。このような線膨張係数とすることにより、基体自体の線膨張係数を制御することができる。これにより、発光素子をフリップチップ実装した場合でも、製造過程等の温度変化にかかわらず、発光素子を基体に強固に接続させることができ、発光素子の接続不良などの不具合を回避することができる。その結果、発光装置の製造歩留まりを向上させることができる。
1つの発光装置における母材の形状、大きさ、厚み等は適宜設定することができる。
母材の厚みは、用いる材料、載置する発光素子の種類及び構造等にもよるが、例えば、470μm程度以下が好ましく、370μm程度以下、320μm程度以下、270μm、200μm、150μm、100μm程度以下がより好ましい。また、強度等を考慮すると、20μm程度以上が好ましい。
母材の曲げ強度は、基体全体の強度を確保するために、上述した基体の強度と同等、例えば、300MPa程度以上であることが好ましく、400MPa程度以上、600MPa程度以上がより好ましい。
母材の平面形状は、例えば、円形、四角形等の多角形又はこれらに近い形状が挙げられる。なかでも長辺及び短辺を有する形状、例えば、長方形が好ましい。大きさは、発光素子よりも大きい平面積であることが好ましい。1つの発光装置に発光素子が1つ搭載される場合は、発光装置の長手方向が発光素子の一辺の1.5〜5倍程度の長さを有することが好ましい。発光装置の短手方向は、発光素子の一辺の1.0〜2.0倍程度の長さを有することが好ましい。1つの発光装置に発光素子が複数搭載される場合は、その数によって適宜調整することができる。例えば、長手方向に2個又は3個搭載される場合は、長手方向が発光素子の一辺の2.4〜6.0倍程度又は3.5〜7.0倍程度が好ましい。
母材の第2主面の上には、絶縁体、金属等によって補強、放熱、アライメント用等のマーク等の機能を有する層を1以上設けてもよい。
(接続端子)
一対の接続端子は、基体の少なくとも第1主面上に形成されていればよい。この場合、接続端子の縁部の少なくとも一部は、基体の第1主面の縁部の一部に一致するように形成することが好ましい。言い換えると、接続端子の端面の一部と基体の実装面の一部とが同一面となるように形成されていることが好ましい。これにより、発光装置を実装基板に実装する際に、実装基板と接続端子の端面とを接触(又は限りなく近接)させることができる。その結果、発光装置の実装性を向上させることができる。ここで同一面とは、段差がない又はほとんどないことを意味し、数μmから十数μm程度の凹凸は許容されることを意味する。本願明細書において、同一面については以下同じ意味である。
接続端子は、第1主面において、発光素子の電極と接続される素子接続部と、発光装置の外部と接続される外部接続部とを有する。外部接続部は、基体の第1主面に加えて、さらに基体の第2主面上にも設けられていることがより好ましい。
例えば、接続端子は、(i)第1主面から、第1主面と第2主面との間に存在する面の上に延長して設けられているか、(ii) 母材を貫通するように設けられたビア又はスルーホール等により第1主面から第2主面上まで延長して設けられているか、(iii)第1主面から、第1主面と第2主面との間に存在する面の上を通って、さらに、第2主面上に延長して(例えば、断面視、U字状に)設けられていることが好ましい。ここで第1主面と第2主面との間に存在する面とは、第1主面と第2主面との間に存在する1つの端面の一部又は全部を指してもよいし、第1主面と第2主面との間に存在する2つ以上の端面の一部又は全部であってもよい。
通常、素子接続部は第1主面上に配置され、外部接続部は、(i)第1主面上か、(ii)第1主面及び端面上か、(iii)第1主面、端面及び第2主面上か、(iv)第1主面及び第2主面上に配置される。
接続端子は、基体の第1主面上、端面上及び/又は第2主面上にわたって、必ずしも同じ幅(例えば、基体の短手方向の長さ)でなくてもよく、一部のみ幅狭又は幅広に形成されていてもよい。あるいは、基体の第1主面及び/又は第2主面において、幅狭となるように、接続端子の一部が絶縁材料(例えば、母材等)により被覆されていてもよい。このような幅狭となる部位は、基体の少なくとも第1主面上に配置されることが好ましく、第1主面及び第2主面上の双方に配置されていてもよい。特に、幅狭となる部位は、基体の第1主面上では、後述する封止部材の近傍において配置されることがより好ましい。
このような幅狭となる部位を配置することにより、接続端子に接続される、後述するような接合部材等又はこれらに含まれるフラックスなどが、端子表面に沿って、後述する封止部材の下、さらに発光素子の下にまで浸入することを抑制することができる。
また、素子接続部を、基体の長手方向に沿った端面から離間させることによって、発光素子の実装時に、上記と同様に、フラックスの浸入を抑制することができる。
幅狭となる部位は、素子接続部よりも幅狭であることが好ましい。幅狭となる部位は、なだらかに幅狭になることが好ましい。
基体は、発光素子に電気的に接続される接続端子の他に、さらに、放熱用の端子、ヒートシンク、補強部材等を有していてもよい。これらは、第1主面、第2主面、端面のいずれに配置されていてもよく、特に、発光素子及び/又は封止部材の下方に配置されていることが好ましい。これにより、発光装置の強度及び信頼性を高めることができる。基体の強度を高めることにより、封止部材が金型を用いて成形される場合には、基体のゆがみが低減され、封止部材の成形性を向上させることができる。
放熱用の端子又は補強端子が導電性であって、一対の接続端子の間に設けられる場合、放熱用の端子又は補強端子は絶縁性の膜で被覆されていることが好ましい。これにより、接続端子と放熱用の端子又は補強端子との接合部材のブリッジを防止することができる。
さらに、1つの発光装置に発光素子が複数配置される場合、複数の発光素子を電気的に接続するさらなる接続端子を1以上備えていてもよい。1つの基体に実装される発光素子の数、その配列、接続形態(並列及び直列)等によって、接続端子の形状及び位置等を適宜設定することができる。
接続端子は、例えば、Au、Pt、Pd、Rh、Ni、W、Mo、Cr、Ti、Fe、Cu、Al、Ag等又はこれらの合金の単層膜又は積層膜によって形成することができる。なかでも、導電性及び実装性に優れているものが好ましく、実装側の接合部材との接合性及び濡れ性の良い材料がより好ましい。特に、放熱性の観点から、銅又は銅合金が好ましい。接続端子の表面には、銀、プラチナ、錫、金、銅、ロジウム又はこれらの合金の単層膜又は積層膜等、光反射性の高い被膜が形成されていてもよい。接続端子は、具体的には、W/Ni/Au、W/Ni/Pd/Au、W/NiCo/Pd/Au、Cu/Ni/Cu/Ni/Pd/Au、Cu/Ni/Pd/Au、Cu/Ni/Au、Cu/Ni/Ag、Cu/Ni/Au/Agなどの積層構造が挙げられる。また、部分的に厚み又は積層数が異なっていてもよい。
接続端子は、それぞれ、発光素子と接続される面、つまり、第1主面上において、略平坦であってもよいし凹凸を有していてもよい。例えば、接続端子は、後述する発光素子の電極にそれぞれ対向する位置において、突出パターンを有していてもよい。突出パターンは、発光素子の電極と同等の大きさであることが好ましい。また、接続端子及び突出パターンは、発光素子が基体に搭載された場合に、発光面を水平に配置することができるように、基体の表面(発光素子と接続される面側)に対して水平であることが好ましい。突出パターンは、例えば、アディティブ法、セミアディティブ法、サブトラクティブ法などのフォトリソグラフィーを利用したエッチング法などで形成することができる。
接続端子は、配線、リードフレーム等を利用してもよいが、基体表面において略平坦に又は基体と同一面を形成するために、メッキ等によって上述した材料の膜を形成することが好ましい。接続端子の厚みは、数μmから数十μmが挙げられる。特に、突出パターンは、メッキを積層して形成することが好ましい。突出パターンの厚みは、他の部位の接続端子表面から、数μmから数十μmが挙げられる。
基体は、上述した母材の線膨張係数を大幅に損なわない限り、それ自体がコンデンサ、バリスタ、ツェナーダイオード、ブリッジダイオード等の保護素子を構成するものであってもよいし、これら素子の機能を果たす構造をその一部に、例えば、多層構造又は積層構造の形態で備えるものでもよい。このような素子機能を果たすものを利用することにより、別途部品を搭載することなく、発光装置として機能させることができる。その結果、静電耐圧等を向上させた高性能の発光装置を、より小型化することが可能となる。
発光素子の基体への載置は、通常、基体の第1主面上の接続端子に、発光素子の第1電極及び第2電極を接合することにより行う。
接合方法は、当該分野で公知の接合部材を用いて、公知の方法によって行うことができる。接合部材としては、導電性の接合部材が挙げられる。具体的には、例えば、錫-ビスマス系、錫-銅系、錫-銀系、金-錫系などの半田(具体的には、AgとCuとSnとを主成分とする合金、CuとSnとを主成分とする合金、BiとSnとを主成分とする合金等)、共晶合金(AuとSnとを主成分とする合金、AuとSiとを主成分とする合金、AuとGeとを主成分とする合金等)銀、金、パラジウムなどの導電性ペースト、バンプ、異方性導電材、低融点金属などのろう材等が挙げられる。なかでも、半田を用いることにより、上述した接続端子の形状、突出パターンの位置及び大きさと相まって、高精度のセルフアライメント効果を発揮させることができる。よって、発光素子を適所に実装することが容易となり、量産性を向上させ、より小型の発光装置を製造することができる。成長用基板を除去する場合、異方性導電ペースト又は異方性導電フィルムを用いることが好ましい。接合部材は、発光素子を接続端子に固定した場合に、窒化物半導体積層体の厚みの1/4〜3倍程度の厚みとなるように設定されていることが好ましく、同等〜3倍程度がより好ましい。これによって、より高精度のセルフアライメント効果を発揮させることができ、より小型化/薄型化が可能となる。例えば、接合部材は、2〜50μm程度の厚みが好ましく、5〜30μm程度がより好ましい。
発光素子の基体への載置は、1つの基体への1つの発光素子の載置、1つの基体への複数の発光素子の載置、複数の基体への複数の発光素子の載置のいずれでもよい。複数の発光素子を用いる場合、その配置は不規則でもよく、行列など規則的又は周期的に配置されてもよい。複数の発光素子は、直列、並列、直並列又は並直列のいずれの接続形態でもよい。
〔発光素子の透光性部材での被覆〕
一実施形態では、基体に載置された発光素子の側面を透光性部材で被覆する。この被覆は、発光素子の長辺又は短辺を含む側面を透光性樹脂で被覆した後、この透光性樹脂を加工して、発光素子の第1主面から第2主面にかけて傾斜する面を有する透光性部材を形成することによって行うことができる。
また、別の実施形態では、発光素子をシート上に配列し、上記と同様に、発光素子の長辺又は短辺を含む側面を透光性樹脂で被覆した後、この透光性樹脂を加工して、発光素子の第1主面から第2主面にかけて傾斜する面を有する透光性部材を形成した後、透光性部材が形成された発光素子をシートから剥離し、基体に実装してもよい。
〔透光性部材〕
透光性部材は、発光層から出射される光の60%以上を透過するもの、さらに、70%、80%又は90%以上を透過するものが好ましい。このような部材としては、例えば、フッ素系樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン変性樹脂、エポキシ樹脂、エポキシ変性樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、TPX樹脂、ポリノルボルネン樹脂、又はこれらの樹脂を1種以上含むハイブリッド樹脂等の透光性樹脂等が挙げられる。なかでもフッ素系樹脂、シリコーン樹脂又はエポキシ樹脂が好ましく、特に耐光性、耐熱性に優れるシリコーン樹脂がより好ましい。なかでも、1.3以上、2.4以下の屈折率を有するものが好ましい。1.3以上、1.8以下がさらに好ましく、1.4以上、1.6以下がより好ましい。これによって、光取り出し効率を向上することができる。
また、透光性部材には無機物も用いることができる。その際は、発光素子側面に無機物を接着させる形態となる。発光素子側面に無機物を接着させた後、レーザ加工を施すか、あらかじめ加工した無機物を発光素子に接着させる。
透光性樹脂は、充填材(例えば、拡散剤、後述する光反射材、光散乱材又は着色材等)を含んでいてもよい。例えば、シリカ、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、ガラス等が挙げられる。
充填材は、例えば、透光性部材の全重量に対して0〜50重量%程度が好ましい。
〔透光性樹脂での被覆〕
発光素子の透光性樹脂での被覆は、例えば、スクリーン印刷、ポッティング、トランスファーモールド、コンプレッションモールド等を利用して行うことができる。この際、粘度又は流動性を調整するために、シリカ(アエロジル)などを添加してもよい。
発光素子を透光性樹脂で被覆する場合、発光素子の側面及び上面の全部を被覆してもよいし、そのうちの一部のみを被覆してもよい。つまり、発光素子の長側面のみを透光性樹脂で被覆してもよいし、発光素子の短側面のみを透光性樹脂で被覆してもよい。短側面及び/又は長側面が複数存在する場合には、少なくとも1面が被覆されていればよい。また、発光素子の短側面と長側面とを透光性樹脂で被覆してもよいし、発光素子の上面を透光性樹脂で被覆してもよい。その後、任意に、短側面における透光性樹脂を選択的に除去してもよいし、長側面における透光性樹脂を選択的に除去してもよい。発光素子の上面に透光性樹脂を被覆した場合には、発光素子の上面の透光性樹脂を除去することが好ましい。
なかでも、最終的に、短側面又は長側面のいずれか一方が全面において透光性樹脂で被覆され、他方が全面において透光性樹脂で被覆されない形態とすることが好ましい。
透光性樹脂を除去する方法は、レーザアブレーション、研削、マスクを利用した又は利用しないブラスト法等が挙げられる。このような方法を利用することにより、透光性樹脂を選択的に除去することができる。
〔透光性樹脂の加工〕
透光性樹脂を、発光素子の第1主面(光取り出し面)から第2主面(基体側の面)にかけて傾斜する面を有するように加工して透光性部材を形成する。ここでの傾斜する面は、1つの発光素子において1面でもよいし、1つの発光素子の1側面において1面でもよいし(図4Aの28参照)、1つの発光素子又は1つの発光素子の1側面において2面以上でもよい(図2Cの18参照)。また、規則的又は不規則的で連続的な傾斜が好ましいが、規則的又は不規則的で段階的な傾斜でもよく、いずれの形態であっても、平面状、曲面状、これらの組み合わせのいずれの面であってもよい。さらに、1つの発光素子の1側面の厚み方向の全部が傾斜していてもよいし、一部が傾斜し、他の一部が垂直面(図4D、図4Eの28b参照)又は若干逆方向に傾斜していてもよい。透光性樹脂の傾斜する面は、発光素子の第2主面に向かって広がる傾斜となるように行うことが好ましい。傾斜は、例えば、発光素子の第1主面に対して10〜80度、より好ましくは30〜80度程度が挙げられる(図2Bのα参照)。このような形状により、発光素子から出射される光の多重反射を防止して、乱光の発生を回避し、より光取り出し効率を向上させることができる。また、配光を制御することができる。
加工は、樹脂の成形/加工の方法として公知の方法のいずれを利用してもよい。例えば、レーザアブレーション、マスクを利用したブラスト法等が挙げられる。また、メディア又はルーターによる切削工法、刃物によるスライシングなどの機械加工、フォトリソ又はマスクによるエッチングなどの化学研磨加工を単独又は組み合わせで用いてもよい。さらに、樹脂の高エネルギーでの瞬自の気化、発生気体の膨張等を利用して、樹脂を加工することもできる。硬い樹脂の場合は、内部クラック及びクラックの伝搬を利用することもできる。
このような方法を利用することにより、透光性樹脂を選択的に任意の形状に容易に加工することができる。なかでもレーザアブレーションが好ましく、特に、短パルスレーザを発光素子の第1面に対して傾斜した方向から照射する方法が好ましい。例えば、透光性部材の傾斜面の傾斜角度に応じてミラー等でレーザ光を制御することにより、所望の傾斜角度とすることができる。
透光性樹脂で発光素子を被覆する際に、透光性樹脂のメニスカスを利用して、被覆と同時に、傾斜する面への加工を行ってもよい。
透光性樹脂を加工するレーザは、COレーザ、固体レーザ、エキシマレーザ、半導体レーザなどを用いることができる。これらのレーザを短パルス、高エネルギーで駆動させ、透光性樹脂中のC−C、C−O、C−H、Si−C、Si−O結合を破壊することで樹脂を加工する。吸収されないレーザは周りに損傷を与えるため、焦点及びレーザ光の反射、吸収を考慮し、部材構成及び加工方法を選択する。
レーザ光は焦点のビーム径が小さい方が好ましく、高エネルギーの短パルスである程加工面の精度がよいため好ましい。そのためビーム径を絞ることができる短波長であることが好ましい。また、レーザを絞らずマスクにより加工領域を限定してもよい。
このような加工による傾斜する面を有する透光性部材は、発光装置、発光素子の大きさ等によるが、傾斜する面を有する透光性部材が存在する発光素子の側面において、最小厚みが0μmより大であり、最大厚みが500μm以下、好ましくは300μm以下、より好ましくは150μm以下とすることが好ましい。透光性樹脂の傾斜面の最下部は、発光素子の半導体積層体の最下部よりも下に配置されることが好ましく、発光素子自体の最下部よりも下に配置されることがより好ましい。上述した加工により、発光素子、特に半導体積層体にダメージを与えることを防止するためである。
このような厚み範囲とすることにより、より小型化を実現しながら、光取り出し効率、配光性等を向上させることができる。また、発光装置の用途に応じて、複数の発光素子を配列する場合において、発光素子間のピッチを最小限に止めて、明るさを確保することができる。
透光性部材の傾斜する面は、20μm以下、好ましくは5μm以下、より好ましくは1μm以下の表面粗さRaを有する。ここで、表面粗さRaは表面粗さ計、原子間力顕微鏡(AFM)によって測定した値を意味する。このような表面粗さとすることにより、多重反射による迷光の発生を防止することができる。Raが小さいほど、光取り出しは良くなるが、光反射部材との密着性により選択される。
なお、透光性部材の上面は、発光素子の上面と同一面を形成することが好ましい。
〔光反射性部材での被覆〕
基体に実装された発光素子の長辺を含む側面及び透光性部材の傾斜する面を、光反射性部材で被覆する。
〔光反射性部材〕
光反射性部材は、少なくとも発光素子の一部を封止(被覆)又は発光素子を基体に固定する機能を有する部材である。その材料は、例えば、セラミック、樹脂、誘電体、パルプ、ガラス又はこれらの複合材料等が挙げられる。なかでも、任意の形状に容易に成形することができるという観点から、樹脂が好ましい。
樹脂としては、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、これらの変性樹脂又はこれらの樹脂を1種以上含むハイブリッド樹脂等などが挙げられる。具体的には、エポキシ樹脂組成物、変性エポキシ樹脂組成物(シリコーン変性エポキシ樹脂等)、シリコーン樹脂組成物、変性シリコーン樹脂組成物(エポキシ変性シリコーン樹脂等)、ハイブリッドシリコーン樹脂、ポリイミド樹脂組成物、変性ポリイミド樹脂組成物、ポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリシクロヘキサンテレフタレート樹脂、ポリフタルアミド(PPA)、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、液晶ポリマー(LCP)、ABS樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、PBT樹脂、ユリア樹脂、BTレジン、ポリウレタン樹脂等の樹脂が挙げられる。
光反射性部材で用いる樹脂の線膨張係数及びガラス転移温度等は、例えば、100ppm/℃程度以下の線膨張係数が好ましく、80ppm/℃程度以下、60ppm/℃程度以下がより好まく、100℃以下のガラス転移温度が好ましく、75℃以下、50℃以下がより好ましい。
光反射性部材は、発光素子からの光に対する反射率が60%以上、70%以上、80%以上、90%以上の遮光性材料であるものがより好ましい。
そのために、上述した材料、例えば、樹脂に、二酸化チタン、二酸化ケイ素、二酸化ジルコニウム、チタン酸カリウム、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、ムライト、酸化ニオブ、酸化亜鉛、硫酸バリウム、各種希土類酸化物(例えば、酸化イットリウム、酸化ガドリニウム)などの光反射材、光散乱材又はカーボンブラック等の着色材等を含有させることが好ましい。
光反射性部材は、ガラスファイバー、ワラストナイトなどの繊維状フィラー、カーボン等の無機フィラーを含有させてもよい。また、放熱性の高い材料(例えば、窒化アルミニウム等)を含有させてもよい。さらに、光反射性部材には、後述する蛍光体を含有させてもよい。
これらの添加物は、例えば、光反射性部材の全重量に対して、10〜95重量%程度、20〜80重量%程度、30〜60重量%程度含有させることが好ましい。
光反射材を含有させることにより、発光素子からの光を効率よく反射させることができる。特に、基体よりも光反射率の高い材料を用いる(例えば、基体に窒化アルミニウムを用いた場合に、光反射性部材として二酸化チタンを含有させたシリコーン樹脂を用いる)ことにより、ハンドリング性を保ちつつ、基体の大きさを小さくして、発光装置の光取出し効率を高めることができる。光反射材として二酸化チタンのみ含有させる場合は、光反射性部材の全重量に対して、20〜60重量%程度含有させることが好ましく、30〜50重量%程度含有させることがより好ましい。
また、光反射性部材を有することで、半導体層の成長基板又は支持体などを除去、剥離するなどプロセス中の光反射性部材の強度を向上させることができる。さらに発光装置全体の強度を確保することができる。
光反射性部材を放熱性の高い材料で形成することによって、発光装置の小型化を維持したまま、放熱性を向上させることができる。
光反射性部材の外形は、例えば、円柱、四角形柱等の多角形柱又はこれらに近い形状、円錐台、四角錐台等の多角錐台、一部がレンズ状等であってもよい。なかでも発光素子及び/又は基体と同様に、上面視において長辺と短辺とを有する形状であることが好ましい。
光反射性部材は、発光素子の少なくとも1つの側面の一部又は全部に接触して、発光素子の側面を被覆するように配置されていることが好ましい。この場合、光反射性部材は、発光素子の長側面(図2C中、10a)上において薄く、短側面(図2C中、10b)上の最も基体側において厚く設けられることが好ましい。これにより、発光装置の薄型化を図ることができる。特に、短側面において透光性部材が配置している場合には、この透光性部材の傾斜する面を含む短側面の全部が光反射性部材によって被覆されていることが好ましい。これにより、配光性をより制御することができる。
光反射性部材は、実装された発光素子と基体との間を充填するよう設けられることが好ましい。これにより、発光装置の強度を高めることができる。発光素子と基体との間に配置される光反射性部材は、発光素子の側面を被覆する材料と異なる材料であってもよい。これによって、発光素子の側面に配置される光反射性部材と、発光素子と基体との間に配置される部材との間で、それぞれ適切な機能を付与することができる。
例えば、発光素子の側面に配置される光反射性部材は反射率が高い材料、発光素子と基体との間に配置される部材は両者の密着性を強固とする材料とすることができる。
特に、発光素子と基体との間に配置される光反射性部材は、接続端子の線膨張係数と同等±20%の線膨張係数を有する樹脂によって構成されていることが好ましい。別の観点から、30ppm/℃程度以下の線膨張係数を有する樹脂によって構成されていることが好ましく、25ppm/℃程度以下がより好ましい。さらに別の観点から、50℃以下のガラス転移温度が好ましく、0℃以下がより好ましい。これによって、光反射性部材と基体との剥がれを防止することができる。
光反射性部材の平面視(光取り出し面側から見た平面視)における縁部は、基体の縁部よりも内側又は外側のいずれに配置してもよい。光反射性部材が長手方向に細長い形状である場合、その長手方向に沿う1つの縁部は、基体の長手方向に沿う縁部と一致していることが好ましい。つまり、光反射性部材の長手方向に沿った側面の少なくとも一方は、基体の長手方向に沿った側面の一方と同一面を形成することが好ましく、双方が同一面を形成することがより好ましい。これにより、発光装置の厚みを大きくすることなく、光取出し面の面積を大きくすることができ、光取出し効率を高めることができる。光反射性部材の短手方向に沿った縁部は、基体の短手方向に沿う縁部よりも、通常、内側に配置されている。ここで同一面とは、厳密な意味のみならず、光反射性部材が若干のアール形状を有する場合には、そのアール形状の一部が基体の側面と一致しているものも含む。
光反射性部材の大きさは、光取り出し面側から見た場合、発光素子よりも大きい平面積であることが好ましい。特に、その最外形の長手方向の長さは、発光素子の一辺の1.01〜4.0倍程度の一辺長さを有することが好ましい。具体的には、300〜2000μm程度が好ましく、1000〜1500μm程度がより好ましい。
光反射性部材の厚み(光取り出し面側から見た場合の発光素子の側面から光反射性部材の最外形までの幅又は発光素子の側面における光反射性部材の最小幅ともいう)は、例えば、1〜1000μm程度が挙げられ、50〜500μm程度、100〜200μm程度が好ましい。
発光素子を基体上に搭載した場合、光反射性部材の上面が、発光素子の上面と同一面を形成することが好ましい。
光反射性部材は、スクリーン印刷、ポッティング、トランスファーモールド、コンプレッションモールド等により形成することができる。成形機を用いる場合は離型フィルムを用いてもよい。
光反射性部材は、通常、発光素子の側面の全面、発光素子の基体と対向する面等を直接又は間接的に封止(被覆)するために、発光素子が基体に実装された後及び/又は透光性樹脂を被覆/加工した後に形成することが好ましい。透光性樹脂の加工後に形成する場合は加工による汚れを除去してから被覆することが好ましい。
〔蛍光体層の形成〕
発光装置は、その光取り出し面に、蛍光体層を形成することが好ましい。
この場合、少なくとも発光素子の第2主面の全体に、任意に、さらに透光性部材の上及び/又は光反射性部材の上に蛍光体層を形成することが好ましい。これにより、発光素子から出射される光の全てを蛍光体層に導入することができる。
蛍光体層は、発光素子からの光に励起される蛍光体のみからなる層であってもよいが、バインダーとして上述した透光性部材を構成する樹脂等をさらに含んでいてもよい。蛍光体層は、発光層から出射される光の60%以上を透過するもの、さらに、70%、80%又は90%以上を透過するものが好ましい。
蛍光体は、当該分野で公知のものを使用することができる。例えば、セリウムで賦活されたイットリウム・アルミニウム・ガーネット(YAG)系蛍光体、セリウムで賦活されたルテチウム・アルミニウム・ガーネット(LAG)、ユウロピウム及び/又はクロムで賦活された窒素含有アルミノ珪酸カルシウム(CaO−Al−SiO)系蛍光体、ユウロピウムで賦活されたシリケート((Sr,Ba)SiO)系蛍光体、βサイアロン蛍光体、CASN系又はSCASN系蛍光体等の窒化物系蛍光体、KSF系蛍光体(KSiF:Mn)、硫化物系蛍光体などが挙げられる。これにより、可視波長の一次光及び二次光の混色光(例えば、白色系)を出射する発光装置、紫外光の一次光に励起されて可視波長の二次光を出射する発光装置とすることができる。発光装置が液晶ディスプレイのバックライト等に用いられる場合、青色光によって励起され、赤色発光する蛍光体(例えば、KSF系蛍光体)と、緑色発光する蛍光体(例えば、βサイアロン蛍光体)を用いることが好ましい。これにより、発光装置を用いたディスプレイの色再現範囲を広げることができる。KSF系蛍光体は励起光の吸収率が悪い傾向があるため、その他の赤色蛍光体と併用して用いることが好ましい。例えば、CASN系、SCASN系蛍光体等の窒化物系蛍光体とブレンドして用いることにより、KSF系蛍光体のみを用いる場合よりも蛍光体量を少なくしてより薄い蛍光体層とすることができる。これにより、色再現範囲を広げながらも光取り出し効率も高く維持することができる。また、照明等に用いられる場合、青緑色に発光する素子と赤色蛍光体とを組み合わせて用いることができる。
蛍光体は、例えば、中心粒径が50μm以下、30μm以下、10μm以下であるものが好ましい。中心粒径は、市販の粒子測定器又は粒度分布測定器等によって測定及び算出することができる。なお、上記の粒径は、F.S.S.S.No(Fisher Sub Sieve Sizer’s No)における空気透過法で得られる粒径を指す。特に、蛍光体としてYAG等を用いる場合には、これらの超微粒子を均一に分散して焼結されたバルク体(例えば、板状体)であることが好ましい。このような形態によって、単結晶構造及び/又は多結晶構造として、ボイド、不純物層を低減し、高い透明性を確保することができる。
蛍光体は、例えば、いわゆるナノクリスタル、量子ドットと称される発光物質でもよい。これらの材料としては、半導体材料、例えば、II−VI族、III−V族、IV−VI族半導体、具体的には、CdSe、コアシェル型のCdSSe1−x/ZnS、GaP等のナノサイズの高分散粒子が挙げられる。このような蛍光体は、例えば、粒径1〜20nm程度(原子10〜50個)程度が挙げられる。このような蛍光体を用いることにより、内部散乱を抑制することができ、光の透過率をより一層向上させることができる。内部散乱を抑制することにより、上面に対して垂直な方向への光の配光成分を増加させることができ、同時に、発光装置の側面又は下面に向かう光を抑制することができ、よって、光取り出し効率をより向上させることができる。例えば、バックライトに適用する場合に、バックライトへの入光効率をさらに増加させることができる。
量子ドット蛍光体は、不安定であるため、PMMA(ポリメタクリル酸メチル)などの樹脂で表面修飾又は安定化してもよい。これらは透明樹脂(例えば、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂等)に混合されて成形されたバルク体(例えば、板状体)であってもよいし、ガラス板の間に透明樹脂とともに封止された板状体であってもよい。
蛍光体層は、粒子状の蛍光体を含む粒子層が複数積層された層状部材であるか、透明の多結晶の蛍光体板部材であるか、透明の単結晶の蛍光体板部材が好ましい。これによって、蛍光体層において、散乱をより一層低減させることができ、光の取り出し効率等をより一層向上させることができる。
蛍光体は、上記の部材中に含有されることに限られず、発光装置の種々の位置又は部材中に設けてもよい。例えば、蛍光体を含有しない透光性層の上に塗布、接着等された蛍光体層として設けられてもよい。
蛍光体層は、充填材(例えば、拡散剤、着色剤等)を含んでいてもよい。例えば、シリカ、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、ガラス、蛍光体の結晶又は焼結体、蛍光体と無機物の結合材との焼結体等が挙げられる。任意に、蛍光体層の屈折率を調整してもよい。屈折率を1.5〜2.0に調整してもよい。
充填剤の粒子の形状は、破砕状、球状、中空及び多孔質等のいずれでもよい。粒子の平均粒径(メジアン径)は、高い効率で光散乱効果を得られる、0.08〜10μm程度が好ましい。
蛍光体及び/又は充填材は、例えば、透光性部材の全重量に対して10〜80重量%程度が好ましい。
蛍光体層を形成する方法は、蛍光体層をシート状に成形して、ホットメルト方式で又は接着剤により接着する方法、電気泳動堆積法で蛍光体を付着させた後で樹脂を含浸させる方法、蛍光体含有樹脂材料のポッティング、圧縮成形、スプレー法、静電塗布法、印刷法等が挙げられる。この際、粘度又は流動性を調整するために、シリカ(アエロジル)などを添加してもよい。なかでも、樹脂に蛍光体を含有させる場合には、スプレー法、特に、パルス状、すなわち間欠的にスプレーを噴射するパルススプレー方式が好ましい。間欠的にスプレー噴射することにより、単位時間当たりの透光性部材の噴射量を少なくすることができる。このため、スプレー噴射のノズルを、少ない噴射量でスプレー噴射させながら低速で移動させることにより、凹凸形状を有する塗布面に均一に蛍光体を塗布することができる。また、パルススプレー方式では、連続スプレー方式に比べて、ノズルからのスラリーの噴出速度を低減することなく、エアの風速を低減することができる。このため、塗布面に良好にスラリーを供給することができ、かつ、塗布されたスラリーがエア流によって乱されない。その結果、蛍光体の粒子と発光素子の表面との密着性が高い塗布膜を形成することができる。また、粒子状の蛍光体を含む薄膜の粒子層を複数の積層数で形成することができる。このように、積層数を制御することによって、その厚みの精度を向上させることができる。また、蛍光体の分布の偏りを抑制することができ、均一に波長変換した光を出射させることができ、発光素子の色むら等の発生を回避することができる。
パルススプレー法は、例えば、特開昭61−161175号公報、特開2003−300000号公報及びWO2013/038953A1に記載された公知の方法であり、適宜、その使用材料、条件等を調整することができる。例えば、塗布されるスラリーは、溶剤と、熱硬化性樹脂と、粒子状の蛍光体とが含有される。熱硬化性樹脂としては、例えば、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ユリア樹脂などを用いることができる。溶剤としては、n−ヘキサン、n−ヘプタン、トルエン、アセトン、イソプロピルアルコールなどの有機溶剤を用いることができる。蛍光体は、例えば、10〜80重量%で使用することが好ましい。スラリーは、0.01〜1000mPa・s程度に調整することが好ましく、0.1〜100mPa・s程度がより好ましい。
具体的には、スラリーとして、第2蛍光体:シリコーン樹脂:n−ヘプタンとを質量比で、2〜40:5〜20:10〜200で混合したものを用いることができる。このような比で混合することにより、スプレーしやすく、発光素子に蛍光体を均一に付着させることができる。なお、パルススプレー法以外のスプレー法においても、このような混合比を好適に適用できる。
蛍光体層は、単層であってもよいし、2層以上の積層体であってもよい。この場合、1種のみの蛍光体を含むものであってもよいし、2種以上の蛍光体を同じ層に含むものであってもよいし、異なる蛍光体を各層にそれぞれ含むものであってもよいし、同じ蛍光体を各層にそれぞれ含むものであってもよい。蛍光体層を積層する場合、同一又は異なる厚みであってもよいし、同一又は異なる形成方法を用いて形成した層であってもよい。
蛍光体層の厚みは特に限定されるものではなく、例えば、1〜300μm程度が挙げられ、1〜100μm程度が好ましく、2〜60μm程度、5〜40μm程度がより好ましい。
なかでも、スプレー法によって積層する場合には、蛍光体層は、半導体積層体の全厚みの20倍以下の厚みであることが好ましく、10倍以下がより好ましく、6倍以下、4倍以下、3倍以下がさらに好ましい。このような厚みとすることにより、光の波長変換を十分に行いながら、より小型で薄膜の発光装置を提供することができる。
別の観点から、蛍光体層は、発光素子の側面における光反射性部材の厚みの2倍以下の厚みを有することが好ましく、最小幅の2倍以下とすることがより好ましく、同等以下がさらに好ましい。このような比較的薄い厚みとすることにより、後述するように、光反射性部材での被覆の有無にかかわらず、発光素子から出射される光を、蛍光体層の側面(側面)から出射させることなく、光取り出し面の1方向にのみ、光を取り出すことができる。よって、光取り出し効率を向上させることができる。
特に、バックライト用途においては、このような比較的薄い厚みの蛍光体層は、発光素子の発光効率及びバックライトの発光効率をより高めることができる。例えば、上述したように、正面光に対する側面光の割合を減らすことができ、バックライトの導光板への入光効率を高めることができる。また、樹脂量を少なくすることができるので、熱放射率の比較的低い透明樹脂の割合を低減することができ、蓄熱を減らすことができる。同時に発光素子と蛍光体又は蛍光体同士の接触面積を増やすことができるため、伝熱経路を確保できる。よって、放熱性を改善して、発光効率を改善することができる。さらに、発光素子表面から導光板入光までの距離を最小にすることができるため、より高輝度でバックライトの導光板に入光させることができ、バックライトでの発光効率を高めることができる。
蛍光体層の上面(光取り出し面)は平面であってもよく、配光を制御するために、その上面(光取り出し面)及び/又は発光素子と接する面を凸面、凹面等の凹凸面にしてもよい。上述したように、粒子状の蛍光体を含む複数の粒子層が積層されている場合には、蛍光体の粒径に対応した凹凸が、蛍光体層の表面に引き継がれることとなる。これにより、蛍光体を含有する、薄い蛍光体層を積層することで蛍光体の凝集を防止し、その脱落を防止しながら、樹脂を減らして適度な凹凸形状を得ることができる。その結果、光取出しに有効となる。つまり、蛍光体層の変色又は寿命、放熱性を考慮すると、樹脂含有層は、接着強度等が維持できる限り薄い方が好ましい。その一方で蛍光体層からの蛍光体の脱落の懸念があった。しかし、樹脂を減らして適度な凹凸形状を得ることにより、これらの問題を解消することができる。
なお、蛍光体層の側面は、光反射性部材で被覆されていてもよいが、被覆されていないことが好ましい。この場合、蛍光体層の側面は、光反射性部材の側面と一致することが好ましい。
蛍光体層は、発光素子が基体に実装される前に発光素子の上面に接着して、発光装置に設けられてもよい。特に、発光素子が、半導体層の成長用の基板が除去された半導体積層体によって構成される場合には、例えば、ガラス、セラミック等の硬質な蛍光体層に接着又は固定されることによって発光素子の強度が高まり、ハンドリング性、発光素子の実装の信頼性等を高めることができる。
蛍光体層の上、積層構造の場合は間又は上に、蛍光体を含まない、上述した透光性部材を構成する樹脂又はガラス等の透光性の材料層が配置されていてもよい。これによって、光反射性部材による蛍光体層の汚染等を防止することができる。
〔発光装置〕
本発明の一実施形態の発光装置は、上述したように、基体と、発光素子と、透光性部材と、光反射性部材とを備える。任意に、蛍光体層を有していてもよい。
基体は、一対の接続端子及び母材を備える。
発光素子は、基体の接続端子と接続され、上面視において長辺と短辺を有する。
透光性部材は、発光素子の短辺を含む側面を被覆し、傾斜面を有する。
光反射性部材は、発光素子の長辺を含む側面及び透光性部材の傾斜面を被覆する。
蛍光体層は、少なくとも発光素子の全上面を被覆することが好ましく、任意に、透光性部材及び/又は光反射性部材の上面を被覆する。
以下に本発明の発光装置の製造方法及び発光装置の実施形態を、図面に基づいて具体的に説明する。
実施形態1:発光装置の製造方法
〔発光素子の準備〕
まず、発光素子12を準備する。
発光素子12は、サファイアからなる基板7上に積層されたn型半導体層、発光層及びp型半導体層からなる半導体積層体17とn型半導体層に接続された第1電極、p型半導体層に接続された第2電極とを備える。半導体積層体17の平面形状は、長方形である。図示しないが、第1電極の一部は、絶縁膜(例えば、SiO)を介して第2半導体層上にも及んでいる。第1電極19及び第2電極20は、基体11の接続端子と接合する面が、略同一の平面積を有しており、略面一である。
発光素子は、当該分野で公知の方法によって製造されたものである。
〔発光素子の基体への載置〕
次いで、図1Aに示すように、基体11を準備する。
基体11は、略直方体の酸化亜鉛セラミックスからなる母材11aと、母材の一面及び側面を通って他面に及ぶ一対の接続端子15、16を備える。基体11は、平面形状が長方形であり、その大きさは、1.8×0.3mm、厚みは0.2mmである。
続いて、図1Bに示すように、基体11の一対の接続端子15、16上に共晶半田(Au−Sn)からなる接合部材22を配置する。基体11は、平面視において、発光素子12よりもサイズが大きく、基体の外周よりも内側に発光素子が配置される。
図1Cに示すように、発光素子12の第1電極19及び第2電極20を、基体11の一対の接続端子15、16上に載置し、発光素子12の光取出し面と基体の裏面とが略平行になるように接合する。接合は、当該分野で公知の条件によって行う。
〔発光素子の透光性樹脂での被覆〕
図1Dに示すように、基体11に載置された発光素子12の2つの短側面を透光性樹脂18aで、例えば、トランスファーモールド法又は圧縮成形により被覆する。発光素子12の2つの長側面は、透光性樹脂18aで被覆されていない。さらに、発光素子12の上面は、透光性樹脂18aで被覆されていない。
透光性樹脂18aは、シリコーン樹脂からなる。
〔透光性樹脂の加工〕
図1Eに示すように、発光素子の2つの短側面を被覆した透光性樹脂18aを、発光素子12の第1主面(光取り出し面)に対して斜め方向から短パルスレーザを照射することにより加工し、透光性部材18を形成する。この斜め方向からのパルスレーザの照射は、さらに、1つの短側面に対して、2方向からの斜め短パルスレーザによって行う。
この加工により、透光性樹脂18aは、発光素子12の第1主面に対して50度の角度(図2Bのα参照)を有する傾斜する面を有する透光性部材18とすることができる。また、この傾斜する面は、発光素子12の短側面に対して40度の角度(図2Cのβ参照)を有する。
透光性部材18の傾斜する面は、20μm以下、好ましくは10μm以下、さらに好ましくは5μm以下の表面粗さRaを有する。表面粗さRaは表面粗さ測定器、原子間力顕微鏡(AFM)、レーザーマイクロスコープによって測定することができる。
ここで加工した透光性部材18は、平面視では、図2Cに示すように、発光素子の短辺を含んで三角形状である。
〔光反射性部材での被覆〕
続いて、図1Fに示すように、透光性部材18が形成された発光素子12の全側面を直接又は間接的に被覆するように、例えば、トランスファー成形法や圧縮成形法により、光反射性部材13を形成する。特に、透光性部材と発光素子との密着が弱い場合には、トランスファー成形よりも圧縮成形のほうが好ましい。光反射性部材13aは、発光素子12と基体11との間にも配置する。
光反射性部材13、13aは、シリコーン樹脂(SMC)と、フィラーである二酸化珪素(30重量%)及び反射材(拡散材)である二酸化チタン(30重量%)とからなる。
ここで、光反射性部材13は、透光性部材18の傾斜する面の全部を被覆し、透光性部材18の上面、発光素子12の上面と面一である。
図1Gに示すように、蛍光体層2を形成する。蛍光体層2は、YAG蛍光体を40重量%含有するシリコーン樹脂からなるスラリーを用いて、パルススプレー法によって3層積層して形成する。蛍光体層2の総厚みは50μmである。
蛍光体層2は、発光素子12の上面の全面、透光性部材18の上面及び光反射性部材13の上面を被覆している。蛍光体層2の平面形状は、図2Cに示すように、光反射性部材13の平面形状と一致している。
これによって、発光装置10を製造することができる。
このような発光装置の製造方法では、選択的に適所に、透光性部材を、任意の形状で、精度よく配置することができる。
これによって、発光素子から出射される光の多重反射を防止することができるため、光の減衰、迷光の発生等を抑制した信頼性の高い発光装置を簡便かつ確実に製造することができる。
得られた発光装置10は、図3に示すように、基体11の長手方向に沿った一対の側面と、光反射性部材13の長手方向に沿った一対の側面とが、それぞれ同一面を形成するように配置されている。これらの同一面を形成する一方の端面を、発光装置10の実装面として、表面に配線パターン52を有する実装基板51上において、サイドビュー型で実装される。
実装は、発光装置10の一対の接続端子15、16が、それぞれ、実装基板51の正極及び負極に対応する配線パターン52上に載置され、半田53により接続される。半田53は、U字状に屈曲した接続端子15、16において、基体11の第1主面のみならず、側面及び第2主面にわたって、接触面積を広げて接続されている。これによって、発光装置の側面にフィレットを形成することができ、発光装置の放熱性及び実装安定性を向上させることができる。
実施形態1の変形例1
この実施形態の発光装置の製造方法では、図4Aに示す発光装置23を得るために、以下に示す工程以外は、実質的に実施形態1と同様の製造方法によって製造することができる。
上述した発光素子を透光性樹脂で被覆する場合、基体11に載置された発光素子12の短側面及び長側面の全てを透光性樹脂18aで被覆し、その後、ブラスト法又はウエットエッチング法により、長側面の上、任意に発光素子12の上面に配置する透光性樹脂18aを除去する。
その後、発光素子の2つの短側面を被覆した透光性樹脂18aを、発光素子12の第1主面(光取り出し面)に対して斜め方向から短パルスレーザを照射することにより加工し、透光性部材18を形成する。この斜め方向からのパルスレーザの照射は、1つの短側面に対して、1方向からの斜め短パルスレーザによって行う。
この加工により、透光性樹脂18aは、発光素子12の第1主面に対して50度の角度(図2Bのα参照)を有する傾斜する面を有する透光性部材18とすることができる。
ここで加工した透光性部材18は、平面視では、図4Aに示すように、発光素子の短辺を含んで四角形である。
上述した以外の発光装置の構造は実施形態1と同様である。
実施形態1の変形例2
この実施形態の発光装置の製造方法では、図4Bに示す発光装置30を得るために、以下に示す工程以外は、実質的に実施形態1と同様の製造方法によって製造することができる。
上述した発光素子を透光性樹脂で被覆する場合、基体11に載置された発光素子12の短側面及び長側面の全てを透光性樹脂で被覆し、その後、ブラスト法又はウエットエッチング法により、短側面の上、任意に発光素子12の上面に配置する透光性樹脂を除去する。
その後、発光素子の2つの長側面を被覆した透光性樹脂を、発光素子12の第1主面(光取り出し面)に対して斜め方向から短パルスレーザを照射することにより加工し、透光性部材38を形成する。この斜め方向からのパルスレーザの照射は、1つの短側面に対して、1方向からの斜め短パルスレーザによって行う。
この加工により、透光性樹脂は、発光素子12の第1主面に対して50度の角度(図2Bのα参照)を有する傾斜する面を有する透光性部材38とすることができる。
ここで加工した透光性部材38は、平面視では、図4Bに示すように、発光素子12の長辺を含んで四角形である。
上述した以外の発光装置の構造は実施形態1と同様である。
得られた発光装置は、例えば、発光素子を大きく見せることができ、照明用に好適に利用することができる。
実施形態1の変形例3
この実施形態の発光装置の製造方法では、図4Cに示す発光装置40を得るために、以下に示す工程以外は、実質的に実施形態1と同様の製造方法によって製造することができる。
上述した発光素子を透光性樹脂で被覆する場合、基体11に載置された発光素子12の短側面及び長側面の全てを透光性樹脂で被覆し、その後、ブラスト法又はウエットエッチング法により、短側面の上、任意に発光素子12の上面に配置する透光性樹脂を除去する。
その後、発光素子の2つの長側面を被覆した透光性樹脂を、発光素子12の第1主面(光取り出し面)に対して斜め方向から短パルスレーザを円弧状に移動させながら照射することにより加工し、透光性部材48を形成する。
この加工により、透光性樹脂は、発光素子12の第1主面に対して約40度の角度(図2Bのα参照)を有する傾斜する面を有する透光性部材18とすることができる。
ここで加工した透光性部材48は、平面視では、図4Cに示すように、発光素子の長辺を含んで半円形である。
上述した以外の発光装置の構造は実施形態1と同様である。
得られた発光装置は、例えば、発光素子を大きく見せることができ、照明用に好適に利用することができる。
実施形態2:発光装置の製造方法
この実施形態の発光装置の製造方法では、図5A及び図5Bに示すように、母材21aに複合接続端子25が形成された複合基体21を用いて、複数の発光装置を製造することができる。この複合基体21は、個片化工程後の各発光装置の基体が、複数個連なって構成されている。
この複合基体21は、母材21aにおいて、上面から裏面に及ぶスリット26を有している。複合接続端子25は、このスリット26の内壁を通って、複合基体21の母材21aの上面から下面に連続して設けられている。複合接続端子25の上面には、それぞれ、発光素子12の電極に対応した部位に突出パターンを有している。これによって、セルフアライメント効果を通して、容易に適所に発光素子12を搭載することができる。
図5Aでは、18個の発光装置を得る複合基体21を表しているが、生産効率を考慮して、より多数(数百〜数千個)の発光装置を得る複合基体21とすることができる。
このような複合基体21上に、発光素子12を接続し、発光素子12の短側面を被覆するよう、透光性樹脂を被覆する。
その後、透光性樹脂に、斜め方向からの短パルスレーザを照射することにより、実施形態1の変形例1と同様に透光性部材を形成する。
続いて、これらの複数の発光素子に対して、光反射性部材13を一括でトランスファー成形又は圧縮成形により成形し、成形体を取り出す。
その後、露出した発光素子12の上面に、上述したようなパルススプレー法によって、蛍光体層を形成する。
続いて、複合基体21と光反射性部材13とを分割予定線Lに沿って一方向に切断する。これによって、スリット26の配置により、スリットの延長方向にも分離され、比較的少ない工数で個片化した発光装置を得ることができる。
切断には、ダイサー、レーザなどを用いることができる。
このような製造方法においても、実施形態1と実質的に同様の効果を得ることができる。
実施形態3
この実施形態の発光装置の製造方法では、図6A及び図6Bに示す発光装置50を得るために、以下に示す工程以外は、実質的に実施形態1及びその変形例1と同様の製造方法によって製造することができる。
まず、2つの発光素子を1つの基体11に搭載する。この基体は、一対の接続端子15が共有される二対の接続端子15、16を備える。
次いで、基体11に載置された発光素子12の短側面及び長側面の全てを透光性樹脂で被覆し、その後、マスクを用いたブラスト法により、発光素子12の上面に配置する透光性樹脂を除去する。これにより、透光性樹脂の上面と発光素子12の上面を面一にする。
その後、透光性樹脂の上面及び発光素子12の上面を被覆する蛍光体層2をパルススプレー法によって形成する。
続いて、発光素子12上及びその近傍以外の蛍光体層をダイシング等で除去する。その後、各発光素子12の2つの短側面を被覆し、その上面の一部にのみ蛍光体層2が形成された透光性樹脂を、発光素子12の第1主面(光取り出し面)に対して斜め方向から短パルスレーザを照射することにより加工し、透光性部材58を形成する。この斜め方向からのパルスレーザの照射は、1つの短側面に対して、1方向からの斜め短パルスレーザによって行う。
この加工により、透光性部材28は、発光素子12の第1主面に対して50度の角度(図2Bのα参照)を有する傾斜する面を有する透光性部材28とすることができる。
その後、蛍光体層2が形成された透光性部材28及び発光素子12の全側面を直接又は間接的に被覆するように、例えば、モールド法により、光反射性部材63を形成する。光反射性部材63は、発光素子12と基体11との間にも配置され、蛍光体層2の側面を被覆するように配置される。
これによって、発光装置50を製造することができる。
このような発光装置の製造方法では、選択的に適所に、透光性部材を、任意の形状で、精度よく配置することができる。
これによって、発光素子から出射される光の多重反射を防止することができるため、光の減衰、迷光の発生等を抑制した信頼性の高い発光装置を簡便かつ確実に製造することができる。
蛍光体層の側面を斜めにすることにより、複数の発光素子を狭ピッチで配列することができ、より一層の小型化と明るさとを両立することができ、特に、車載用途(ヘッドライト用途等)に好適に利用することができる。
実施形態3の変形例
この実施形態の発光装置50Aの製造方法では、図7A及び図7Bに示す発光装置50Aを得るために、以下に示す工程以外は、実質的に実施形態1及び3と同様の製造方法によって製造することができる。
つまり、基体11に載置された発光素子12の短側面及び長側面の全てを透光性樹脂で被覆し、その後、マスクを用いたブラスト法により、発光素子12の上面に配置する透光性樹脂を除去する。
続いて、発光素子12の短側面の間に配置された透光性樹脂は加工せず、透光性部材28aとしたまま、発光素子12の1つの短側面(外側)を被覆する透光性樹脂を、発光素子12の第1主面(光取り出し面)に対して斜め方向から短パルスレーザを照射することにより加工し、透光性部材28を形成する。
その後、蛍光体層2を形成することにより、発光装置50Aを製造することができる。
このような製造方法においても、実施形態1と実質的に同様の効果を得ることができる。
実施形態4
この実施形態の発光装置の製造方法では、図2Aに示す発光装置10を得るために、まず、発光素子12の1つ又は複数をシート54上に配列する。
次いで、図8Aに示すように、各発光素子12の少なくとも2つの短側面を透光性樹脂18aで被覆する。
図8Bに示すように、発光素子の2つの短側面を被覆した透光性樹脂18aを、発光素子12の第1主面(光取り出し面)に対して斜め方向から短パルスレーザを照射することにより加工し、透光性部材18を形成する。ここでの加工は、レーザ光照射、ブラスト法、メニスカス等のいずれを利用してもよい。
続いて、図8Cに示すように、透光性部材18で短側面が被覆された発光素子12を、基体11に実装する。
その後、図8Dに示すように、透光性部材18が形成された発光素子12の全側面を被覆するように、光反射性部材13を形成する。
続いて、実施形態1と同様に蛍光体層を形成することによって、発光装置10を製造することができる。
このような発光装置の製造方法によっても、実施形態1と同様の効果を得ることができる。
本発明の発光装置は、液晶ディスプレイのバックライト光源、各種照明器具、大型ディスプレイ、広告、行き先案内等の各種表示装置、さらには、デジタルビデオカメラ、ファクシミリ、コピー機、スキャナ等における画像読取装置、プロジェクタ装置などに利用することができる。
2 蛍光体層
7 基板
10、23、23A、30、40、50、50A 発光装置
11 基体
11a、21a 母材
12 発光素子
13、13a、63 光反射性部材
15、16 接続端子
17 半導体積層体
18、28、28a、38、48、58 透光性部材
18a 透光性樹脂
19 第1電極
20 第2電極
21 複合基体
22 接合部材
25 複合接続端子
26 スリット
28b 垂直面
51 実装基板
52 配線パターン
53 半田
54 シート

Claims (16)

  1. 上面視において長辺と短辺とを有し、かつ、一対の電極を備える第1主面と、前記第1主面と反対側の第2主面とを有し、前記第1主面及び前記第2主面に隣接し、前記長辺を含む側面及び短辺を含む側面を有する発光素子を準備する工程、
    前記発光素子を、一対の接続端子と母材とを備える基体に載置する工程、
    前記発光素子の長辺又は短辺を含む側面を、前記発光素子の第1主面から第2主面にかけて傾斜する面を有する透光性部材で被覆する工程及び
    前記発光素子の短辺又は長辺を含む側面及び前記透光性部材の傾斜する面を、光反射性部材で被覆する工程を含む発光装置の製造方法。
  2. 前記傾斜する面を有する透光性部材を、レーザアブレーションによって形成する請求項1に記載の発光装置の製造方法。
  3. 前記傾斜する面を有する透光性部材を、マスクを利用したブラストによって形成する請求項1に記載の発光装置の製造方法。
  4. 前記傾斜する面を有する透光性部材を、前記発光素子の第2主面に向かって広がる傾斜となるように形成する請求項1から3のいずれか1つに記載の発光装置の製造方法。
  5. さらに、前記発光素子の第2主面上に蛍光体層を形成する請求項1から4のいずれか1つに記載の発光装置の製造方法。
  6. さらに、前記透光性部材の上又は前記光反射性部材の上に蛍光体層を形成する請求項1から5のいずれか1つに記載の発光装置の製造方法。
  7. 前記発光素子の側面の前記透光性部材での被覆を、
    前記発光素子の長辺又は短辺を含む側面を透光性樹脂で被覆し、
    前記透光性樹脂を加工して、前記発光素子の第1主面から第2主面にかけて傾斜する面を有する透光性部材を形成することによって行う請求項1から6のいずれか1つに記載の発光装置の製造方法。
  8. 前記発光素子の長辺又は短辺を含む側面の前記透光性樹脂での被覆を、
    前記発光素子の短辺を含む側面とともに長辺を含む側面を前記透光性樹脂で被覆し、
    前記長辺又は短辺を含む側面に被覆された前記透光性樹脂を除去することによって行う請求項7に記載の発光装置の製造方法。
  9. 一対の接続端子及び母材を備える基体と、
    前記接続端子と接続され、上面視において長辺と短辺を有する発光素子と、
    前記発光素子の長辺又は短辺を含む側面を被覆する透光性部材と、
    前記発光素子の短辺又は長辺を含む側面を被覆する光反射性部材とを備える発光装置。
  10. 前記発光素子は、一対の電極を備える第1主面と、該第1主面と反対側の第2主面とを有し、
    前記透光性部材は、前記発光素子の第2主面に向かって広がる傾斜となる傾斜面を有する請求項9に記載の発光装置。
  11. 前記透光性部材は、前記発光素子の長辺又は短辺を含む側面に、前記発光素子の第2主面に向かって広がる傾斜となる2つの傾斜面を有する請求項10に記載の発光装置。
  12. 前記発光素子の第2主面に配置された蛍光体層をさらに有する請求項10又は11に記載の発光装置。
  13. 前記蛍光体層は、前記透光性部材の上面を被覆する請求項12に記載の発光装置。
  14. 前記蛍光体層は、前記光反射性部材の上面を被覆する請求項12又は13に記載の発光装置。
  15. 前記透光性部材は、1.3以上2.0以下の屈折率を有する請求項9から14のいずれか1つに記載の発光装置。
  16. 前記透光性部材の傾斜面は、20μm以下の表面粗さRaを有する請求項9から15のいずれか1つに記載の発光装置。

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