以下、本発明に係る実施形態及び実施例を、図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施形態及び実施例は、本発明の技術思想を具体化するための、発光装置の実装構造、バックライト装置及び実装基板を例示するものであって、本発明は、発光装置の実装構造、バックライト装置及び実装基板を以下のものに特定しない。なお、各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。さらに以下の説明において、同一の名称、符号については同一もしくは同質の部材を示しており、詳細説明を適宜省略する。さらに、本発明を構成する各要素は、複数の要素を同一の部材で構成して一の部材で複数の要素を兼用する態様としてもよいし、逆に一の部材の機能を複数の部材で分担して実現することもできる。また、一部の実施例、実施形態において説明された内容は、他の実施例、実施形態等に利用可能なものもある。
本発明の一実施の形態に係る半導体装置の実装構造によれば、金属領域が、前記外部接続端子の端縁で構成された線状の領域を含み、該線状領域でもって前記装置側実装絶縁領域を規定するように構成できる。
また前記線状領域は、略平行な矩形状に折曲された形状に形成できる。
さらに前記半導体装置は、さらに一方向に延長された絶縁性の基体を備えることができる。
さらにまた前記外部接続端子は、前記実装面と交差する基体の側面において、矩形状の面状の金属領域を露出させることができる。
さらにまた、前記ランド側絶縁領域に、前記装置側実装絶縁領域を一致させた状態で、該ランドパターンと前記外部接続端子を接続する接合部材が、前記線状領域の周囲から前記面状金属領域に這い上がって接合させることもできる。上記構成により、実装時に接合部材が線状領域から側面の面状金属領域まで這い上がることで、半導体装置の底面側から側面にかけて連続した接合部材でもって半導体装置を実装基板上に強固に固定できる。
さらにまた、前記金属領域は、コ字状に連続した三辺を有する形状を備え、該三辺で囲まれた領域を装置側実装絶縁領域とできる。上記構成により、金属領域でもってランドパターンとのセルフアライメント効果を発揮し、位置決めしつつも強固な接続が実現される。
さらにまた、前記ランドパターンは全体を略矩形状とし、その一辺の略中央に凹状のランド側絶縁領域を形成することができる。
さらにまた前記ランドパターンは、離間された一対の略矩形状の、対向する辺にそれぞれ前記ランド側絶縁領域を形成することができる。
さらにまた前記ランド側絶縁領域の開口幅を、前記装置側実装絶縁領域の幅よりも狭くしてもよい。
さらにまた、前記ランド側絶縁領域の開口幅は0.2mm以下とできる。
さらにまた、前記半導体装置の高さを、0.5mm以下としてもよい。
さらにまた、前記半導体装置を、半導体発光装置とすることができる。特に前記半導体装置を、バックライト用光源とできる。
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1に係る半導体発光装置1の斜視図を図1に、そのII−II線における水平断面図を図2に、それぞれ示す。これらの図に示す半導体発光装置1は、一方向に延長された基体4と、基体4から突出された封止部材7とを備える。封止部材7を基体4のほぼ中央から突出させることで、半導体発光装置1はその外形を略凸状としている。基体4は、長手方向の両端に外部接続端子3をそれぞれ配置している。これらの外部接続端子3は、半導体発光装置1の表面に露出されて、図3Aに示すように半導体発光装置1を後述する実装基板51に実装する際の電気的な接続端子となる。
さらに図2の断面図に示すように、一対の外部接続端子3は、それぞれが基体4の端部を覆うように、一方を開口した矩形状であるコ字状に形成されている。また基体4の上面側では、互いに対向するように延長された一対の外部接続端子3の間に、発光素子5が跨ぐように実装されている。この発光素子5は、発光面と反対側の面を実装面として、実装面側に正負の電極が形成されており、フリップチップ実装により一対の外部接続端子3の間にバンプや共晶接合により実装されている。
さらに発光素子5の発光面(上面)を除く周囲を被覆するように、封止部材7が設けられる。さらに発光素子5の発光面の上面には、透光性部材10が設けられる。透光性部材10は、発光素子5の発光面と光学的に結合されている。透光性部材10は、少なくとも発光面の上面に形成されていればよく、発光面から封止部材7の上にわたって形成されていてもよい。
(外部接続端子3)
外部接続端子3は、基体4の長手方向の両端部においてそれぞれ露出(表出)されている。このような外部接続端子3は、基体4の表面にめっき等により金属層を形成することで構成することができる。また、金属板を折曲して構成してもよい。また実装面における電気的、機械的な金属領域は、略平行な二辺を有する形状(線状)に形成されている。なお金属領域は、必ずしも電気的な接続を要さず、機械的な接続のみを実現することもできる。この場合は、半導体発光装置は他の電気的な接続部材を用いて、実装基板と電気的に接続される。
ここでは外部接続端子3は、平面視においてコ字状に形成されており、線状の領域32と面状の金属領域31を有している。面状金属領域31は、実装面と交差する基体4の側面側において、矩形状に表出されている。ここでは、基体4の側面側、図1において前面と端面と背面の三面を連続して被覆するように、コ字状に設けられる。
また線状領域32は、面状金属領域31の端縁であり、実装面において、矩形状に形成されたコ字状とされている。すなわち線状領域32の線幅は、外部接続端子3を構成する金属層の厚さとなる。
(装置側実装絶縁領域34)
さらに、線状領域32で囲まれた基体4の端縁は、図3Bの斜視図に示すように装置側実装絶縁領域34となる。このため基体4は絶縁性の部材で構成される。よって線状領域32は、装置側実装絶縁領域34を囲むように、いわば縁取りするように形成される。また、ここで装置側実装絶縁領域34とは、絶縁性の基体4のすべてを指すのでなく、線状領域32で覆われた領域のみを指すものとする。
この半導体発光装置1は、図3A〜図9に示すように、実装基板51上に形成されたランドパターン52上に実装される。半導体発光装置1の基体4の両端に設けられた外部接続端子3とそれぞれ接続されるよう、一対のランドパターン52が、一対の外部接続端子3の間隔と対応させて、予め実装基板51上に形成される。各ランドパターン52は全体を略矩形状とし、その一辺の略中央に凹状のランド側絶縁領域54が形成されている。またランド側絶縁領域54は、離間された一対の略矩形状の、対向する辺にそれぞれ形成されている。また各ランドパターン52は、半導体発光装置1の線状領域32に沿った形状に形成される。ここでは、コ字状の線状領域32のパターンに沿った形状に、ランド側絶縁領域54が形成される。
(実装基板51)
実装基板51は、半導体発光装置1を実装する実装面を備える基板であり、ガラスエポキシ基板やプリント基板、セラミック基板、フレキシブルプリント基板等が利用できる。実装基板51に設けられたランドパターン52に、半田等の接合部材53を介して半導体発光装置1を実装することで、半導体発光装置1は機械的に接続される。またランドパターン52は配線パターンと接続されており、これによって半導体発光装置1を、実装基板51上に形成された電子回路と電気的に接続する。
(ランドパターン52)
ランドパターン52は、半導体発光装置1の外部接続端子3と電気的に接続するための領域である。図3A等の例では、半導体発光装置1を実装すべき位置であって、かつ半導体発光装置1の長手方向の両端に設けられた一対の外部接続端子3の位置及び大きさと対応させるように、一対のランドパターン52を実装基板51上に形成している。
半導体発光装置1の各外部接続端子3は上述の通り、線状領域32の矩形状の内側に装置側実装絶縁領域34を形成している。各ランドパターン52はこれに従い、全体を半導体発光装置1の端縁よりも一回り大きくした矩形状としつつ、その一部に、線状領域32の矩形状と対応した矩形状の凹部を形成している。ここで、対応したとは、両者の形状が略相似形状であって、全体的に他方の形状に沿って存在する形状をいう。
このような半導体発光装置1側の装置側実装絶縁領域34及びその周囲を囲む線状領域32、並びにランドパターン52側でのこれに対応した形状との組み合わせによって、実装時のセルフアライメント効果を発揮できる。すなわち従来であれば、図19に示すように外部接続端子3自体が面状であったため、実装時の接触面積を広く稼ぐことができ、安定的に実装でき、かつ実装時の位置決めも図ることができた。しかしながら、外部接続端子3の端面でもってランドパターン52側と接触させるような態様では、実装面における接触面積が狭くなり、このためセルフアライメント効果が十分に発現されず、実装位置が意図したところからずれてしまう結果、実装不良となる問題があった。これに対し本実施の形態では、ランドパターン52の形状を、半導体発光装置1の線状領域32で囲まれた装置側実装絶縁領域34に沿った形状に形成したことで、装置側実装絶縁領域34でもって位置決め効果を発現することができ、半導体発光装置1の実装時にセルフアライメント効果を発揮できる。いいかえると、導電部分である線状領域32のプロファイルを、ランドパターン52の凹状に形成された領域のプロファイルと沿わせるようにしたことで、半導体発光装置の実装時にセルフアライメント効果を発揮させている。
なお、ランド側絶縁領域54は、装置側実装絶縁領域34に沿った形状としているが、完全に一致させた形状及び大きさとする必要はない。例えば図4A及び図5の平面図に示す例では、ランド側絶縁領域54の開口幅T2を、装置側実装絶縁領域34の厚さT1よりも若干狭くしている。この場合は図6の拡大断面図に示すように、確実に線状領域をランドパターン52上に配置して基体4を支持できる。
また、図4Bの平面図に示す変形例に係る半導体発光装置のように、ランドパターン52Bのランド側絶縁領域54Bの開口幅T2を、基体4Bの装置側実装絶縁領域の厚さT1よりも若干大きくしてもよい。半田を少なくとも装置側線状領域にかかるように接合部材53を配置しておけば、図7Aの拡大断面図に示すように、半田等の溶融時に線状領域に半田が濡れて、接合部材53の側面からランドパターン52の上面にかけてフィレットFTを形成することができる。さらにこの場合は、ランドパターン52の端面から装置側線状領域の下端を結ぶ第二フィレットFT2を形成することができる。これにより、半田接続の信頼性をより向上させることができる。T2とT1の差は100μm以下が好ましく、例えば75μmとすることができる。
なお、図6、図7Aいずれの場合も、実装基板51と基体4との間には、レジスト55を配置することができる。また図7Bに示すように、レジストを有しない構成の半導体発光装置とすることもできる。例えば図4Bの平面図に示す変形例に係る半導体発光装置のように、基体4Bの装置側実装絶縁領域の厚さT1を、ランド側絶縁領域54Bの開口幅T2よりも若干狭くした構成において、ランド側絶縁領域54Bの開口と装置側実装絶縁領域との間に若干隙間があっても、図7Bの断面図に示すように実装基板51Bへの実装時に、溶融された半田が接合部材53Bの側面からランドパターン52の上面にかけてフィレットFTを形成すると共に、濡れた半田が線状領域の下面及びランドパターン52Bの側面に入り込み、隙間が充填され、電気接続が維持され、またセルフアライメント効果が発揮される。
さらにランドパターンは、以上の例では実装基板51の平面上に設けているが、この構成に限られるものでない。例えば図8の拡大断面図に示すように、実装基板51’上に凹部を形成して、凹部上にランドパターン52’をパターニングし、このランドパターン52’と接合部材53’とをフィレットFTを介して接合することもできる。
また実装時に接合部材53が、半導体発光装置1の基体4の側面に這い上がるように延長されることで、一層強固な固定と電気的接続を発揮できる。このため外部接続端子3は、上述の通り実装面と交差する基体4の側面において、矩形状の面状金属領域31を有している。これによって、面状金属領域31の端面に形成された線状領域32でもってランド側絶縁領域54を囲むランドパターン52と接合部材53で固定(例えば半田付け)されると共に、線状領域32から交差して連続する面状金属領域31に接合部材53が伝わり、図9に示すように接合部材53が濡れ広がって、広い面積で外部接続端子3とランドパターン52とを接続できる。
ランド側絶縁領域54の開口幅は、任意に設定できるが、例えば小型、薄型のバックライト用途では0.2mm以下に設定できる。ただ、余り狭くするとランド側絶縁領域54の形成が困難となり、またランド側絶縁領域54が実装時に接合部材53で埋まりやすくなり位置決め効果が損なわれるため、0.1mm以上は残すことが好ましい。
なお線状領域32とは、面状金属領域31に対する用語であり、実質的に線状であれば足り、部分的に面状の領域を有する態様も含む意味で使用する。例えば図10の斜め下方から見た斜視図に示す変形例に係る半導体発光装置1においては、線状領域32を、基体4の端縁の三辺を囲むと共に、これに加えて基体4の端縁側の辺から突出させた突出片36Aを設けている。突出片36Aは、他の線状領域32と同じ幅、すなわち外部接続端子3を構成する金属層の厚さと同じとしてもよいし、これよりも太くしてもよい。すなわち、線状を太くした、ある程度の面積を持たせた形状とすることができる。
このような突出片36Aを設けることで、線状領域32の面積を増やし、接合部材53との接続面積の拡大、及び接続部分の形状を複雑化させることによる強度向上に加え、線状領域32をコ字状パターンよりも複雑な形状としたことで、発光装置の実装時のセルフアライメント効果が増強され、一層の位置決め精度向上が図られる効果も得られる。
また、ランド側絶縁領域54は、半田溶融の際に発生するガスを逃がすルートとして機能させることができ、その結果半田ボイドを低減させることができる。
さらにこの例に限らず、突出片を複数設けてもよい。例えば図11の底面図に示すように、突出片36Bを基体4の端縁側の辺に2つ設けることもできる。またこれに応じて、ランド側金属領域にも突出片と対応したパターンを設けることができる。これより線状領域32をさらに稼ぎ、また線状領域32のパターンを複雑化して、セルフアライメント効果も一層発現させることができる。あるいは突出片を設ける位置も、端縁側に限られず、例えば図12の底面図に示す突出片36Cのように、前面側や背面側に設けてもよい。このような態様でも、同様の効果が得られる。さらに図13に示すように、コ字状の開口側に、開口端を狭くするように(C字状に)突出片36Dを設けてもよい。このような突出片36Dを設けることで、装置側実装絶縁領域34が一層明確に画成され、位置決め効果の精度を高めることが期待できる。
(実施の形態2)
なお、以上の例では外部接続端子の線状領域を、一方を開口した矩形状であるコ字状に形成した例を示したが、本発明は必ずしもこの形態に限られない。例えば、線状領域を連続した3辺で構成する他、平行な2辺で構成することもできる。このような例を実施の形態2として図14Aの平面図に示す。この例では、半導体発光装置1Bの側面の内、正面側と背面側に外部接続端子3Bをそれぞれ設けている。これら一対の外部接続端子3Bは、基体4に形成された貫通孔(ビア、スルーホール)等によって電気的に接続される。このような離間した複数の辺で形成された線状領域32Bであっても、このような線状領域32Bで囲まれた装置側実装絶縁領域34を、ランドパターン52に形成されたランド側絶縁領域54と対応させるように実装することで、同様にセルフアライメント効果を発現できる。
さらにランドバターンも、上述した一方を開口した矩形状であるコ字状に形成した例に限られず、例えば図14Bに示すように、平面視においてL字状に形成されたランドパターン52Lを鏡像状に配置した構成とすることもできる。あるいは、ランドパターンに細いスリットや溝を形成することもできる。例えば図14Cの平面図に示す例では、ランドパターン52Cに形成されたコ字状の開口部分の底辺に垂直な方向(図14Cにおいて水平方向)に延長されたスリットSLCを複数条形成している。あるいは図14Dの平面図に示すように、ランドパターン52Dに形成されたコ字状の開口部分の底辺に平行な方向
(図14Dにおいて垂直方向)に延長されたスリットSLDを複数条形成してもよい。あるいはまた図14Eの平面図に示すように、ランドパターン52Eに形成されたコ字状の開口部分の底辺の両端で斜めにスリットSLEを設けてもよい。各スリットの幅は、スリットで分離されたランドパターンを半田が繋ぐように、スリットを跨いで半田が拡散できる程度とすることが好ましい。さらにスリットの本数は複数本とする他、1本でもよい。
さらにまた、以上の例ではランドパターンとして、半導体発光装置の両端をコ字状に囲む形態を示したが、本発明はランドパターンをこれのみに限定するものでなく、さらに別のランドパターンを付加してもよい。例えば図14Fに示す変形例に係る実装基板では、第一ランドパターン52Fに加えて、さらに第二ランドパターン56を設けている。第二ランドパターン56は、平面視コ字状に形成された一対の第一ランドパターン52Fのランド側絶縁領域54Fで規定される、凹状の開口端同士を結ぶ線分状に沿って配置される。具体的には、一対の第一ランドパターン52Fの開口端同士を結ぶ線分の中間に、第二ランドパターン56が設けられる。
また図14Gの斜視図に示すように、半導体発光装置1F側にも、実装基板上に実装された状態で第二ランドパターン56と対応する位置に補助電極57を設けている。補助電極57を第二ランドパターン56と半田などの接合部材で接合し、半導体発光装置1Fの両端に設けた外部接続端子3Fのみならず、中間部分でも接合部分を設けることで、半導体発光装置1Fの実装基板上への実装に際しての機械的な強度が向上される。補助電極57は、好ましくは半導体発光装置1Fの背面側、すなわち光取り出し面の反対側に設ける。これによって、出力光の出射を補助電極で遮ることなく、固着強度を向上できる。より好ましくは、補助電極57を半導体発光装置1Fの長手方向の中央近傍に設ける。これによって、セルフアライメントの位置決め効果や機械的強度の向上を、最も効率よく発揮できる。
(バックライト装置)
このような半導体発光装置は、液晶ディスプレイ等のバックライト用光源に好適に利用できる。一例として図15の平面図、図16の側面図に示すバックライト装置は、エッジライト型の液晶バックライト装置を示している。このバックライト装置は、導光板の端面から光を投入するための部材であり、実装基板51と、この実装基板51上において、導光板の端面に発光面を対向させるように実装される半導体発光装置1とを備える。特に、半導体発光装置1の高さが0.5mm以下となるような薄型のパネルにおいては、図19に示したようなサイドビュー型のパッケージが採用し辛くなり、図1に示すように面状金属領域31を実装面に面させることができない場合が生じる。このような場合でも、上述したランド側絶縁領域54を設けた特有のランドパターン52を採用することで、半導体発光装置1の実装時のセルフアライメント効果を生じさせて、歩留まりを改善できる。なお本明細書において半導体装置の高さとは、図1に示すように、側面発光(サイドビュー)型の半導体発光装置においては、実装時の姿勢において、鉛直方向の高さを示している。
以下、各部材の詳細について後述する。半導体発光装置1は、側面発光型であり、いわゆるサイドビュー型と称される発光装置である。サイドビュー型の半導体発光装置1は、光取り出し面に隣接する面を実装面とする。この発光装置は、一対の外部接続端子3を有する基体4と、発光素子5と、封止部材7とを備える。
[基体4]
基体4の形状は特に限定されない。例えば、少なくとも第1主面が、長手方向と、長手方向に交差する又は直交する短手方向を備えることが好ましい。基体4の厚みは、例えば、最も厚い部位の厚みが、500μm程度以下が好ましく、300μm程度以下がより好ましく、200μm程度以下がさらに好ましい。また、40μm程度以上が好ましい。
基体4の強度は、後述する母材の材料、外部接続端子3の材料等によって調整することができる。例えば、上述した厚みの範囲において、曲げ強度が300MPa以上であることが好ましく、400MPa以上であることがより好ましく、600MPa以上であることがさらに好ましい。これにより、発光装置の強度を確保することができる。ここでの曲げ強度は、例えば、市販の強度測定機、例えば、インストロンによる3点曲げ試験によって測定した値を意味する。
このように、基体4が薄く、かつ適当な強度を備えることにより、小型/薄膜及び高性能/高信頼性の発光装置が得られる。
基体4を構成する母材は、線膨張係数が、後述する発光素子5の線膨張係数の±10ppm/℃以内の範囲であれば、どのような材料によって形成されていてもよい。好ましくは、±9ppm/℃以内、±8ppm/℃以内、±7ppm/℃以内、±5ppm/℃以内である。これによって、発光素子5を基体4に実装する場合に、これまで問題となっていた、発光素子5と基体4との線膨張係数の差異に起因する、発光素子5の基体4(外部接続端子3)からの剥がれ又は発光素子5への不要な応力負荷を効果的に防止することができる。これにより、フリップチップ実装によって、発光素子5の電極を基体4の外部接続端子3に直接接続することができ、より小型/薄型の発光装置を提供することが可能となる。なお、本発明では、線膨張係数は、TMA法で測定した値を意味する。α1及びα2のいずれかがこの値を満たしていればよいが、両方で満たすことがより好ましい。
母材は、例えば、金属、セラミック、樹脂、誘電体、パルプ、ガラス、紙又はこれらの複合材料(例えば、複合樹脂)、あるいはこれら材料と導電材料(例えば、金属、カーボン等)との複合材料等が挙げられる。金属としては、銅、鉄、ニッケル、クロム、アルミニウム、銀、金、チタン又はこれらの合金を含むものが挙げられる。セラミックとしては、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化ジルコニウム、窒化ジルコニウム、酸化チタン、窒化チタン又はこれらの混合物を含むものが挙げられる。複合樹脂としては、ガラスエポキシ樹脂等が挙げられる。
特に、母材は樹脂を含有するものが好ましい。樹脂は、当該分野で使用されているものであればどのようなものを利用してもよい。特に、線膨張係数を発光素子5の線膨張係数の±10ppm/℃とするために、線膨張係数の小さいものを利用することが好ましい。具体的には、エポキシ樹脂、ビスマレイミドトリアジン(BT)樹脂、ポリイミド樹脂、シアネート樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、フェノキシ樹脂、アクリル樹脂、アルキッド樹脂、ウレタン樹脂等が挙げられる。また、例えば、特開2013−35960号、WO2011/132674、WO2012/121224、WO2012/165423等に記載されている樹脂、ナフタレン系のエポキシ樹脂が含有されたBT樹脂及びそれらの組成物、市販品(例えば、三菱瓦斯化学社製:Hl832NS、HL832NSFtypeLCA、日立化成社製:MCL−E−700G、MCL−E−705G等)、特開2010−114427号等に記載されている液晶ポリマー及びそれらの組成物を利用してもよい。なお、これらには、当該分野で公知の添加剤、モノマー、オリゴマー、プレポリマー等が含有されていてもよい。なかでも、BT樹脂又はその組成物が好ましい。
樹脂は、その種類にかかわらず、例えば、ガラス転移温度が、250℃程度以上であることが好ましく、270℃程度以上、280℃程度以上、300℃程度以上、320℃程度以上がより好ましい。別の観点から、ガラス転移温度は、後述するように、発光素子5を外部接続端子3に接続するために使用する接合部材である半田の溶融温度と同等以上であることが好ましい。ここでの同等とは、5℃程度の変動を許容することを意味する。これによって、発光素子5の実装の際の温度変化に影響されず、発光素子5の接続不良等の不具合を回避することができる。その結果、発光装置の製造歩留まりを向上させることができる。なお、ガラス転移温度は、例えば、試料の温度をゆっくりと上昇または下降させながら力学的物性の変化、吸熱又は発熱を測定する方法(TMA、DSC、DTA等)、動的粘弾性測定試料に加える周期的な力の周波数を変えながらその応答を測定する方法のいずれでもよい。
また樹脂は、熱放射率が0.5以上であることが好ましく、0.6以上であることがより好ましい。このような熱放射率を有することにより、発光素子5に起因する熱を効率的に逃がすことができ、発光装置の寿命を向上させることができる。なお、熱放射率は放射率測定器(例えば、ジャパンセンサー株式会社製:TSS−5X)によって測定した値を意味する。
樹脂の種類にかかわらず、線膨張係数を発光素子5の線膨張係数の±10ppm/℃とするために、あるいは熱放射率を増大させるために、樹脂には、充填材、例えば、無機材料による充填材を含有させることが好ましい。このような充填材の種類及び量等を適宜組み合わせることによって、母材の線膨張係数を調整することができる。
充填材及び無機材料としては、例えば、六方晶窒化ホウ素で被覆されたホウ酸塩粒子、アルミナ、シリカ類(天然シリカ、溶融シリカ等)、金属水和物(水酸化アルミニウム、ベーマイト、水酸化マグネシウム等)、モリブデン化合物(酸化モリブデン等)、ホウ酸亜鉛、錫酸亜鉛、酸化アルミニウム、クレー、カオリン、酸化マグネシウム、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、タルク、焼成クレー、焼成カオリン、焼成タルク、マイカ、ガラス短繊維(Eガラス、Dガラス等のガラス微粉末類、ガラスクロス等)、中空ガラス、リン酸ジルコニウム等の熱収縮フィラー、スチレン系、ブタジエン系、アクリル系、シリコーン等のゴムパウダー及びコアシェル型のゴムパウダー(スチレン系、ブタジエン系、アクリル系、シリコーン等)等が挙げられる。特に、熱伝導率の高い充填材又は無機材料を、大量に含有させることにより、熱放射率を調整することができる。例えば、ガラスクロスを用いる場合には、ガラスクロス中の無機材料を50wt%以上、70wt%以上、90wt%以上含有させることができる。
また、顔料を含有してもよい。顔料としては、カーボンブラック、酸化チタン等が挙げられる。特に、上述したように、サイドビュー型の発光装置において、光取り出し面に隣接する面である実装面とそれに対向する面において、母材を黒色とすることが好ましい。これによって、発光装置から出射した光又はその反射光による迷光を吸収することができる。さらに、母材又は基体4の迷光の吸収によって、例えば、バックライト用途において、光の色及び/又は明るさのバラツキ等品質を向上させることができる。また、迷光の吸収によって、周辺部材の光劣化を抑制することができる。特に、本願発明のように、サイズの小さい発光装置においては、発光素子5自体が発光装置に対して相対的に大きくなるため、発光素子5からの発熱、蛍光体によるストークス発熱等によって、発光装置が過度に発熱することが懸念される。このような加熱は、バックライト装置の導光板を劣化、変形させる等の悪影響を招くことがある。そこで、熱放射係数の大きいカーボンブラック等の黒色フィラーを母材(樹脂)に含有させることにより、発光素子及び蛍光体からの熱を放熱することができる。
母材の線膨張係数は、用いる発光素子5の種類及び構造等にもよるが、例えば、20ppm/℃程度以下が好ましく、10ppm/℃程度以下がより好ましく、8ppm/℃程度以下、7ppm/℃程度以下、6ppm/℃程度以下がより好ましい。このような線膨張係数とすることにより、基体4自体の線膨張係数を制御することができる。これにより、後述するように、発光素子5をフリップチップ実装した場合でも、製造過程等の温度変化にかかわらず、発光素子5を基体4に強固に接続させることができ、発光素子5の接続不良等の不具合を回避することができる。その結果、発光装置の製造歩留まりを向上させることができる。
1つの発光装置における母材の形状、大きさ、厚み等は特に限定されるものではなく、適宜設定することができる。母材の厚みは、用いる材料、載置する発光素子5の種類及び構造等にもよるが、例えば、470μm程度以下が好ましく、370μm程度以下、320μm程度以下、270μm、200μm、150μm、100μm程度以下がより好ましい。また、強度等を考慮すると、20μm程度以上が好ましい。母材の曲げ強度は、基体4全体の強度を確保するために、上述した基体4の強度と同等、例えば、300MPa程度以上であることが好ましく、400MPa程度以上、600MPa程度以上がより好ましい。
母材の平面形状は、例えば、円形、四角形等の多角形又はこれらに近い形状が挙げられる。なかでも長方形、つまり、長手方向に細長い形状が好ましい。大きさは、後述する発光素子5よりも大きい平面積であることが好ましい。1つの発光装置に発光素子5が1つ搭載される場合は、発光装置の長手方向が発光素子5の一辺の1.5〜5倍程度の長さを有することが好ましく、1.5〜3倍程度の長さがより好ましい。また発光装置の短手方向は、発光素子5の一辺の1.0〜2.0倍程度の長さを有することが好ましく、1.1〜1.5倍程度の長さがより好ましい。1つの発光装置に発光素子5が複数搭載される場合は、その数によって適宜調整することができる。例えば、長手方向に2個又は3個搭載される場合は、長手方向が発光素子5の一辺の2.4〜6.0倍程度又は3.5〜7.0倍程度が好ましい。
母材の第2主面の上には、絶縁体、金属等によって補強、放熱、アライメント用等のマーク等の機能を有する層を1以上設けてもよい。
(外部接続端子3)
一対の外部接続端子3は、基体4の少なくとも第1主面及び第2主面上に形成されていればよい。この場合、外部接続端子3の縁部の少なくとも一部は、基体4の第1主面の縁部の一部に一致するように形成することが好ましい。言い換えると、外部接続端子3の端面の一部と基体4の実装面の一部とが同一面となるように形成されていることが好ましい。これにより、発光装置を実装基板51に実装する際に、実装基板51と外部接続端子3の端面とを接触(または限りなく近接)させることができるため、発光装置の実装性を向上させることができる。ここで同一面とは、段差がない又はほとんどないことを意味し、数μmから十数μm程度の凹凸は許容されることを意味する。本願明細書において、同一面については以下同じ意味である。
外部接続端子3は、第1主面において、発光素子5の電極と接続される素子接続部と、発光装置の外部と接続される外部接続部とを有する。外部接続部は、基体4の第1主面に加えて、さらに基体4の第2主面上にも設けられていることがより好ましい。例えば、外部接続端子3は、(i)第1主面から、第1主面と第2主面との間に存在する面の上に延長して設けられているか、(ii)母材を貫通するように設けられたビアまたはスルーホール等により第1主面上から第2主面上に延長して設けられているか、(iii)第1主面から、第1主面と第2主面との間に存在する面の上を通って、さらに、第2主面上に延長して(例えば、断面視、U字状に)設けられていることが好ましい。ここで第1主面と第2主面との間に存在する面とは、第1主面と第2主面との間に存在する2つ以上の端面の一部又は全部であってもよい。
通常、素子接続部は第1主面上に配置され、外部接続部は、(i)第1主面上か、(ii)第1主面及び端面上か、(iii)第1主面、端面及び第2主面上か、(iv)第1主面及び第2主面上に配置される。
外部接続端子3は、基体4の第1主面上、端面上及び/又は第2主面上にわたって、必ずしも同じ幅(例えば、基体4の短手方向の長さ)でなくてもよく、一部のみ幅狭又は幅広に形成されていてもよい。あるいは、基体4の第1主面及び/又は第2主面において、幅狭となるように、外部接続端子3の一部が絶縁材料(例えば、母材等)により被覆されていてもよい。このような幅狭となる部位は、基体4の少なくとも第1主面上に配置されることが好ましく、第1主面及び第2主面上の双方に配置されていてもよい。特に、幅狭となる部位は、基体4の第1主面上では、後述する封止部材7の近傍において配置されることがより好ましい。
このような幅狭となる部位を配置することにより、外部接続端子3に接続される半田等又はこれらに含まれるフラックス等が、端子表面に沿って、後述する封止部材7の下、さらに発光素子5の下にまで浸入することを抑制することができる。また、素子接続部を、基体4の長手方向に沿った端面から離間させることによって、発光素子5の実装時に半田等又はこれらに含まれるフラックス等が、端子表面に沿って、封止部材7下、さらに発光素子5下にまで浸入することを抑制することができる。
幅狭となる部位は、素子接続部よりも幅狭であることが好ましい。また、幅狭となる部位は、なだらかに幅狭になることが好ましい。
基体は、発光素子5に電気的に接続される外部接続端子3の他に、さらに、放熱用の端子、ヒートシンク、補強部材等を有していてもよい。これらは、第1主面、第2主面、端面のいずれに配置されていてもよく、特に、発光素子5及び/又は封止部材7の下方に配置されていることが好ましい。これにより、発光装置の強度や信頼性を高めることができる。また、基体の強度を高めることにより、封止部材7が金型を用いて成形される場合には、基体4のゆがみが低減され、封止部材7の成形性を向上させることができる。放熱用の端子又は補強端子が導電性であって、一対の外部接続端子3の間に設けられる場合、放熱用の端子又は補強端子は絶縁性の膜で被覆されていることが好ましい。これにより、外部接続端子3と放熱用の端子または補強端子との半田のブリッジを防止することができる。
さらに、1つの発光装置に発光素子5が複数配置される場合、複数の発光素子5を電気的に接続するさらなる外部接続端子を1以上備えていてもよい。1つの基体4に実装される発光素子5の数、その配列、接続形態(並列及び直列)等によって、外部接続端子の形状及び位置等を適宜設定することができる。
外部接続端子3は、例えば、Au、Pt、Pd、Rh、Ni、W、Mo、Cr、Ti、Fe、Cu、Al、Ag等の金属又はこれらの合金の単層膜又は積層膜によって形成することができる。なかでも、導電性及び実装性に優れているものが好ましく、実装側の半田との接合性及び濡れ性の良い材料がより好ましい。特に、放熱性の観点においては銅又は銅合金が好ましい。外部接続端子3の表面には、銀、プラチナ、錫、金、銅、ロジウム、又はこれらの合金等の光反射性の高い被膜が形成されていてもよい。外部接続端子3は、具体的には、W/Ni/Au、W/Ni/Pd/Au、W/NiCo/Pd/Au、Cu/Ni/Cu/Ni/Pd/Au、Cu/Ni/Pd/Au、Cu/Ni/Au、Cu/Ni/Ag、Cu/Ni/Au/Ag等の積層構造が挙げられる。また、部分的に厚み又は積層数が異なっていてもよい。
外部接続端子3は、それぞれ、発光素子5と接続される面、つまり、第1主面上において、略平坦であってもよいし、凹凸を有していてもよい。例えば、外部接続端子3は、後述する発光素子5の電極にそれぞれ対向する位置において、突出パターンを有していてもよい。突出パターンは、発光素子5の電極と同等の大きさであることが好ましい。また、外部接続端子3及び突出パターンは、発光素子5が基体4に搭載された場合に、発光面を水平に配置することができるように、基体4の表面(発光素子5と接続される面側)に対して水平であることが好ましい。突出パターンは、例えば、アディティブ法、セミアディティブ法、サブトラクティブ法等のフォトリソグラフィーを利用したエッチング法等で作成することができる。
外部接続端子3は、配線、リードフレーム等を利用してもよいが、基体4表面において略平坦に又は基体4と同一面を形成するために、メッキ等によって上述した材料の膜を形成することが好ましい。この場合の外部接続端子3の厚みは、数μmから数十μmが挙げられる。特に、突出パターンは、メッキを積層して形成することが好ましい。突出パターンの厚みは、他の部位の外部接続端子3表面から、数μmから数十μmが挙げられる。
基体4は、上述した母材の線膨張係数を大幅に損なわない限り、それ自体がコンデンサ、バリスタ、ツェナーダイオード、ブリッジダイオード等の保護素子を構成するものであってもよいし、これら素子の機能を果たす構造をその一部に、例えば、多層構造又は積層構造の形態で備えるものでもよい。このような素子機能を果たすものを利用することにより、別途部品を搭載することなく、発光装置として機能させることができる。その結果、静電耐圧等を向上させた高性能の発光装置を、より小型化することが可能となる。
[発光素子5]
発光素子5は、基体4上に搭載されており、基体4の第1主面において、第1主面上の外部接続端子3と接続されている。1つの発光装置に搭載される発光素子5は1つでもよいし、複数でもよい。発光素子5の大きさ、形状、発光波長は適宜選択することができる。複数の発光素子5が搭載される場合、その配置は不規則でもよく、行列等規則的又は周期的に配置されてもよい。複数の発光素子5は、直列、並列、直並列又は並直列のいずれの接続形態でもよい。
発光素子5は、少なくとも窒化物半導体積層体を備えることが好ましい。窒化物半導体積層体は、第1半導体層(例えば、n型半導体層)、発光層、第2半導体層(例えば、p型半導体層)がこの順に積層されており、発光に寄与する積層体である。窒化物半導体積層体の厚みは、30μm程度以下が好ましく、15μm程度以下、10μm程度以下がより好ましい。また、窒化物半導体積層体の同一面側(例えば、第2半導体層側の面)に、第1半導体層に電気的に接続される第1電極(正又は負)と、第2半導体層に電気的に接続される第2電極(負又は正)との双方を有することが好ましい。第1電極及び第2電極を構成するものとして、オーミック電極、金属膜、外部接続用電極等を含むものとする。
第1半導体層、発光層及び第2半導体層の種類、材料は特に限定されるものではなく、例えば、III−V族化合物半導体、II−VI族化合物半導体等、種々の半導体が挙げられる。具体的には、InxAlYGa1-X-YN(0≦X、0≦Y、X+Y≦1)等の窒化物系の半導体材料が挙げられ、InN、AlN、GaN、InGaN、AlGaN、InGaAlN等を用いることができる。各層の膜厚及び層構造は、当該分野で公知のものを利用することができる。
窒化物半導体積層体は、通常、半導体層の成長用の基板上に積層される。半導体層の成長用の基板としては、半導体層をエピタキシャル成長させることができるものが挙げられる。このような基板の材料としては、サファイア(Al2O3)、スピネル(MgAl2O4)のような絶縁性基板、上述した窒化物系の半導体基板等が挙げられる。基板の厚みは、例えば、190μm程度以下が好ましく、180μm程度以下、150μm程度以下がより好ましい。
基板は、表面に複数の凸部又は凹凸を有するものであってもよい。また、これに伴って、窒化物半導体積層体の基板側の表面(窒化物半導体積層体の前記電極が配置された面の反対面)に複数の凸部又は凹凸があってもよい。この凹凸は、基板形状に起因するものであり、例えば、その高さが0.5〜2.0μm程度、ピッチが10〜25μm程度の表面粗さを有していてもよい。基板は、C面、A面等の所定の結晶面に対して0〜10°程度のオフ角を有するものであってもよい。基板は、第1半導体層との間に、中間層、バッファ層、下地層等の半導体層又は絶縁層等を有していてもよい。
半導体層の成長用の基板は、サファイア基板のような透光性を有する基板を用いることにより、半導体積層体から除去せず発光装置に用いることができる。あるいは、このような基板を半導体積層体から除去してもよい。この成長用の基板の除去は、レーザーリフトオフ法等を利用して行うことができる。具体的には、基板側から半導体層に、基板を透過するレーザ光(例えば、KrFエキシマレーザ)を照射し、半導体層と基板との界面で分解反応を生じさせ、基板を半導体層から分離する。ただし、成長用の基板は、半導体層から完全に除去されたものに加えて、半導体層の端部又は隅部に若干の基板が残存していてもよい。成長用の基板は、発光素子5が基体4に実装された前後のいずれかで除去することができる。
窒化物半導体積層体は、半導体層の成長用の基板が除去されたものである場合、より薄型化、小型化を実現する発光装置を得ることができる。また、発光に直接寄与しない層を除去することにより、これに起因する発光層から出射される光の吸収を阻止することができる。さらに、基板に起因する光散乱を阻止することができる。よって、より発光効率を向上させることができる。その結果、発光輝度を高めることが可能となる。
また、発光素子5は、いわゆるバーティカルダイス又は貼り合わせダイス等として公知の積層構造、例えば、特開2008−300719号公報、特開2009−10280号公報等に記載されたような積層構造を有していてもよい。
発光素子の平面視における形状は特に限定されるものではなく、四角形又はこれに近似する形状が好ましい。発光素子の大きさは、発光装置の大きさによって、その上限を適宜調整することができる。例えば、発光素子の一辺の長さが、百μmから2mm程度が挙げられ、具体的には、1400×200μm程度、1100×200μm程度、900×200μm程度等が好ましい。
発光素子5は、その側面及び上面にうねり及びギザギザがなく、直線性が良好であるものが好ましい。これにより、これらのうねり及びギザギザに起因する、微小な外力等による発光素子のクラックを低減することができる。例えば、発光素子5の上面の表面粗さRaが15nm以下であることが好ましく、10〜15nm程度が例示される。発光素子5の側面の表面粗さRaが2μm以下であることが好ましく、1.0μm以下、0.5μm以下がさらに好ましい。特に発光素子5の側面の表面粗さRaが0.3μm以下が好ましく、0.2μm以下がさらに好ましい。表面粗さRaは、例えば、JIS B060、’01/ISO4287等に準拠した測定法による値を示す。
(第1電極及び第2電極)
第1電極及び第2電極は、半導体積層体の同一面側(基板が存在する場合にはその反対側の面)に形成されていることが好ましい。これにより、基体4の正負の外部接続端子3と発光素子5の第1電極と第2電極を対向させて接合するフリップチップ実装を行うことができる。
第1電極及び第2電極は、例えば、Au、Pt、Pd、Rh、Ni、W、Mo、Cr、Ti等の金属又はこれらの合金の単層膜又は積層膜によって形成することができる。具体的には、半導体層側からTi/Rh/Au、W/Pt/Au、Rh/Pt/Au、W/Pt/Au、Ni/Pt/Au、Ti/Rh等のように積層された積層膜が挙げられる。膜厚は、当該分野で用いられる膜の膜厚のいずれでもよい。
また、第1電極及び第2電極は、それぞれ第1半導体層及び第2半導体層に近い側に、発光層から出射される光に対する反射率が電極のその他の材料より高い材料層が、これら電極の一部として配置されることが好ましい。反射率が高い材料としては、銀又は銀合金やアルミニウムを有する層が挙げられる。銀合金としては、当該分野で公知の材料のいずれを用いてもよい。この材料層の厚みは、特に限定されるものではなく、発光素子5から出射される光を効果的に反射することができる厚み、例えば、20nm〜1μm程度が挙げられる。この反射率の高い材料層の第1半導体層又は第2半導体層との接触面積は大きいほど好ましい。
なお、銀又は銀合金を用いる場合には、銀のマイグレーションを防止するために、その表面(好ましくは、上面及び端面)を被覆する被覆層を形成することが好ましい。
このような被覆層としては、通常、導電材料として用いられている金属及び合金によって形成されるものであればよく、例えば、アルミニウム、銅、ニッケル等の金属を含有する単層又は積層層が挙げられる。なかでも、AlCuを用いることが好ましい。被覆層の厚みは、効果的に銀のマイグレーションを防止するために、数百nm〜数μm程度が挙げられる。
第1電極及び第2電極は、それぞれ第1半導体層及び第2半導体層に電気的に接続されている限り、電極の全面が半導体層に接触されていなくてもよいし、第1電極の一部が第1半導体層の上に及び/又は第2電極の一部が第2半導体層の上に位置していなくてもよい。つまり、例えば、絶縁膜等を介して、第1電極が第2半導体層上に配置されていてもよいし、第2電極が第1半導体層上に配置されていてもよい。これにより、素子接続部との接続部における第1電極又は第2電極の形状を容易に変更することができるため、一対の外部接続端子3に容易に実装することができる。
ここでの絶縁膜としては、特に限定されるものではなく、当該分野で使用されるものの単層膜及び積層膜のいずれでもよい。絶縁膜等を用いることにより、第1電極及び第2電極は、第1半導体層及び/又は第2半導体層の平面積にかかわらず、任意の大きさ及び位置に設定することができる。
第1電極及び第2電極の形状は、半導体積層体の形状、基体4の外部接続端子3(より具体的には素子接続部)の形状等によって設定することができる。第1電極、第2電極及び素子接続部は、それぞれが平面視四角形又はこれに近い形状とすることが好ましい。第1電極及び第2電極の形状と、これらに対応する素子接続部の形状を略同一形状とすることにより、セルフアライメント効果を利用して、半導体積層体と基体4との接合及び位置合わせを容易に行うことができる。この場合、少なくとも、基体4と接続される半導体積層体の最表面において、第1電極及び第2電極の平面形状が略同じであることが好ましい。また、半導体積層体の中央部分を挟んで、第1電極及び第2電極がそれぞれ配置されていることが好ましい。
第1電極及び第2電極の第1主面(半導体層とは反対側の面)は、段差を有していてもよいが、略平坦であることが好ましい。ここでの平坦とは、半導体積層体の第2主面(第1主面と反対側の面)から第1電極の第1主面までの高さと、半導体積層体の第2主面から第2電極の第1主面までの高さとが略同じであることを意味する。ここでの略同じとは、半導体積層体の高さの±10%程度の変動は許容される。
このように、第1電極及び第2電極の第1主面を略平坦、つまり、実質的に両者を同一面に配置することにより、発光素子5を基体4に水平に実装することが容易となる。このような第1電極及び第2電極を形成するためには、例えば、メッキ等で金属膜を設け、その後、平坦となるよう研磨や切削を行うことで実現することができる。
第1電極及び第2電極と第1半導体層及び第2半導体層とのそれぞれの間に、両者の電気的な接続を阻害しない範囲で、DBR(分布ブラッグ反射器)層等を配置してもよい。DBRは、例えば、任意に酸化膜等からなる下地層の上に、低屈折率層と高屈折率層とを積層させた多層構造であり、所定の波長光を選択的に反射する。具体的には屈折率の異なる膜を1/4波長の厚みで交互に積層することにより、所定の波長を高効率に反射させることができる。材料として、Si、Ti、Zr、Nb、Ta、Alからなる群より選択された少なくとも一種の酸化物または窒化物を含んで形成することができる。
発光素子5の厚みは、半導体成長用の基板の有無にかかわらず、電極を含む厚みとして、200μm以下であることが好ましく、180μm以下、150μm以下であることがより好ましい。また、基板が除去された窒化物半導体積層体のみによって、20μm以下であることが好ましく、15μm以下、10μm以下であることがより好ましい。
発光素子5は、窒化物半導体積層体の正負電極の配置面側に、補強層が配置されていてもよい。ここでの補強層とは、窒化物半導体積層体に対して、その強度を補強し得る層であれば、絶縁体、半導体及び導電体のいずれの材料から形成されていてもよい。補強層は、全体として単層又は積層層、複数個所に配置される単層又は積層層等のいずれでもよい。また、補強層は、その一部が発光素子5の機能に必須となる絶縁性及び導電性等を確保する層であってもよい。特に、発光素子5を構成するために用いる膜の一部を厚膜化してもよい。具体的には、電極等として機能する導電性の層をメッキ、スパッタ法等の公知の方法で厚膜化してもよい。また、これらの間に配置される層間絶縁膜、表面保護膜等を厚膜化してもよい。これにより、適度な強度を確保しながら、不要な層を配置せずに、発光装置の大型化を招くことを防止できる。
例えば、一観点から、発光素子5を構成する窒化物半導体積層体及び正負電極、これらの間で、電気的な絶縁、保護等の目的のために任意に形成された絶縁層以外であって、正負電極よりも基体4側の層を、補強層として機能させることができる。また、別の観点から、発光素子5として機能するために最小限必要な層を厚膜化することにより補強層として機能させることができる。さらに、このような層に付加的に設けた層を補強層として機能させることができる。これらを補強層として機能させるために、半導体層の成長用の基板を除く、窒化物半導体積層体、電極、絶縁性の保護膜、電極間を埋める樹脂層等の全体積に対して、金属材料からなる層の全体積が、5〜95%程度となるように調節することが好ましく、10〜70%程度、15〜50%程度とすることがより好ましい。さらに、別の観点から、発光素子5の電極と接続されない導電層からなる補強層、このような導電層を電極から絶縁するための絶縁層、保護するための保護層、これらの導電層、絶縁層、保護層等を補強層として機能させることができる。これらの補強層は、その最も薄い部位において、総厚みが1μm程度以上であることが好ましく、3μm程度以上、5μm以上、10μm以上であることがより好ましい。適度な厚みを有する補強層を備えることにより、発光装置の強度を確保しつつ、同時に、素子の大型化/厚膜化を最小限に止めることができる。
発光素子5は、基体4にフリップチップ実装されていることが好ましい。この場合、通常、第1電極及び第2電極が、接合部材によって、上述した基体4の外部接続端子3と接合されている。このような接合部材は、当該分野で公知の材料のいずれをも用いることができ、導電性の半田が挙げられる。具体的には、例えば、錫−ビスマス系、錫−銅系、錫−銀系、金−錫系等の半田(具体的には、AgとCuとSnとを主成分とする合金、CuとSnとを主成分とする合金、BiとSnとを主成分とする合金等)、共晶合金(AuとSnとを主成分とする合金、AuとSiとを主成分とする合金、AuとGeとを主成分とする合金等)銀、金、パラジウム等の導電性ペースト、バンプ、異方性導電材、低融点金属等のろう材等が挙げられる。なかでも、半田を用いることにより、上述した外部接続端子3の形状、突出パターンの位置及び大きさと相まって、高精度のセルフアライメント効果を発揮させることができる。よって、発光素子5を適所に実装することが容易となり、量産性を向上させ、より小型の発光装置を製造することができる。また、成長用基板を除去する場合は異方性導電ペーストもしくは異方性導電フィルムを用いることが好ましい。また、半田は、発光素子5を外部接続端子3に固定した場合に、窒化物半導体積層体の厚みと同等〜3倍程度の厚みをとなるように設定されていることが好ましい。これによって、より高精度のセルフアライメント効果を発揮させることができる。よって、発光素子を適所に実装することが容易となり、量産性を向上させ、より小型の発光装置を製造することができる。成長用基板を除去する場合、異方性導電ペースト又は異方性導電フィルムを用いることが好ましい。半田は、発光素子5を外部接続端子3に固定した場合に、窒化物半導体積層体の厚みの1/4〜3倍程度の厚みとなるように設定されていることが好ましく、同等〜3倍程度がより好ましい。これによって、より高精度のセルフアライメント効果を発揮させることができ、より小型化/薄膜化が可能となる。例えば、半田は、2〜50μm程度の厚みが好ましく、5〜30μm程度がより好ましい。
[封止部材7]
封止部材7は、少なくとも発光素子5の一部を封止(被覆)又は発光素子を基体に固定する機能を有する部材である。その材料は特に限定されるものではなく、セラミック、樹脂、誘電体、パルプ、ガラス又はこれらの複合材料等が挙げられる。なかでも、任意の形状に容易に成形することができるという観点から、樹脂が好ましい。
樹脂としては、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、これらの変性樹脂又はこれらの樹脂を1種以上含むハイブリッド樹脂等が挙げられる。具体的には、エポキシ樹脂組成物、変性エポキシ樹脂組成物(シリコーン変性エポキシ樹脂等)シリコーン樹脂組成物、変性シリコーン樹脂組成物(エポキシ変性シリコーン樹脂等)、ハイブリッドシリコーン樹脂、ポリイミド樹脂組成物、変性ポリイミド樹脂組成物、ポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリシクロヘキサンテレフタレート樹脂、ポリフタルアミド(PPA)、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、液晶ポリマー(LCP)、ABS樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、PBT樹脂、ユリア樹脂、BTレジン、ポリウレタン樹脂等の樹脂が挙げられる。
封止部材7で用いる樹脂の線膨張係数及びガラス転移温度等は特に限定されず、例えば、100ppm/℃程度以下の線膨張係数が好ましく、80ppm/℃程度以下、60ppm/℃程度以下がより好まく、100℃以下のガラス転移温度が好ましく、75℃以下、50℃以下がより好ましい。
封止部材7は、透光性であってもよいが、発光素子5からの光に対する反射率が60%以上、70%以上、80%以上、90%以上の遮光性材料であるものがより好ましい。
そのために、上述した材料、例えば、樹脂に、二酸化チタン、二酸化ケイ素、二酸化ジルコニウム、チタン酸カリウム、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、ムライト、酸化ニオブ、酸化亜鉛、硫酸バリウム、カーボンブラック、各種希土類酸化物(例えば、酸化イットリウム、酸化ガドリニウム)等の光反射材、光散乱材又は着色材、熱放射性部材等を含有させることが好ましい。
封止部材7は、ガラスファイバー、ワラストナイト等の繊維状フィラー、カーボン等の無機フィラーを含有させてもよい。また、放熱性の高い材料(例えば、窒化アルミニウム等)を含有させてもよい。さらに、封止部材7には、後述する蛍光体を含有させてもよい。これらの添加物は、例えば、封止部材7の全重量に対して、10〜95重量%程度、20〜80重量%程度、30〜60重量%程度含有させることが好ましい。
光反射材を含有させることにより、発光素子5からの光を効率よく反射させることができる。特に、基体4よりも光反射率の高い材料を用いる(例えば、基体4に窒化アルミニウムを用いた場合に、封止部材7として二酸化チタンを含有させたシリコーン樹脂を用いる)ことにより、ハンドリング性を保ちつつ、基体4の大きさを小さくして、発光装置の光取出し効率を高めることができる。光反射材として二酸化チタンのみ含有させる場合は、封止部材7の全重量に対して、20〜60重量%程度含有させることが好ましく、30〜50重量%程度含有させることがより好ましい。
また、封止部材を有することで、半導体層の成長基板又は支持体等を除去、剥離する等プロセス中の封止部材7の強度を向上させることができる。さらに発光装置全体の強度を確保することができる。封止部材を放熱性の高い材料で形成することによって、発光装置の小型化を維持したまま、放熱性を向上させることができる。
封止部材7の外形は特に限定されるものではなく、例えば、円柱、四角形柱等の多角形柱又はこれらに近い形状、円錐台、四角錐台等の多角錐台、一部がレンズ状等であってもよい。なかでも基体4の長手方向に細長い形状を有していることが好ましい。また、基体4の短手方向に沿った面を有することが好ましい。
封止部材7は、発光素子5の少なくとも1つの側面の一部又は全部に接触して、発光素子5の側面を被覆するように配置されていることが好ましく、発光素子5の全周囲を取り囲むように、発光素子5に接触して配置されていることが好ましい。この場合、封止部材7は、発光装置の長手方向側の側面において厚く、短手方向側の側面において薄く設けられることが好ましい。これにより、発光装置の薄型化を図ることができる。また、封止部材は、実装された発光素子5と基体4との間を充填するよう設けられることが好ましい。これにより、発光装置の強度を高めることができる。発光素子5と基体4との間に配置される封止部材7は、発光素子5の側面を被覆する材料と異なる材料であってもよい。これによって、発光素子5の側面に配置される封止部材7と、発光素子5と基体4との間に配置される部材との間で、それぞれ適切な機能を付与することができる。例えば、発光素子5の側面に配置される封止部材7は反射率が高い材料、発光素子5と基体4との間に配置される部材は両者の密着性を強固とする材料とすることができる。
特に、発光素子5と基体4との間に配置される封止部材7は、外部接続端子3の線膨張係数と同等±20%の線膨張係数を有する樹脂によって構成されていることが好ましい。また、別の観点から、30ppm/℃程度以下の線膨張係数を有する樹脂によって構成されていることが好ましく、25ppm/℃程度以下がより好ましい。さらに別の観点から、50℃以下のガラス転移温度が好ましく、0℃以下がより好ましい。これによって、封止部材7と基体4との剥がれを防止することができる。
封止部材7の平面視(光取り出し面側から見た平面視)における縁部は、基体4の縁部よりも内側又は外側に配置してもよい。封止部材7が長手方向に細長い形状である場合、その長手方向に沿う1つの縁部は、基体4の長手方向に沿う縁部と一致していることが好ましい。つまり、封止部材7の長手方向に沿った端面の少なくとも一方は、基体4の長手方向に沿った端面の一方と同一面を形成することが好ましく、双方が同一面を形成することがより好ましい。これにより、発光装置の厚みを大きくすることなく、光取出し面の面積を大きくすることができ、光取出し効率を高めることができる。封止部材7の短手方向に沿った縁部は、基体4の短手方向に沿う縁部よりも通常、内側に配置されている。ここで同一面とは、厳密な意味のみならず、封止部材7が若干のアール形状を有する場合には、そのアール形状の一部が基体4の端面と一致しているものも含む。
封止部材7の大きさは、光取り出し面側から見た場合、発光素子5よりも大きい平面積であることが好ましい。特に、その最外形の長手方向の長さは、発光素子5の一辺の1.01〜4.0倍程度の一辺長さを有することが好ましい。具体的には、300〜2000μm程度が好ましく、1000〜1500μm程度がより好ましい。封止部材7の厚み(光取り出し面側から見た場合の発光素子5の端面から封止部材7の最外形までの幅又は発光素子5の側面における封止部材7の最小幅ともいう)は、例えば、1〜1000μm程度が挙げられ、50〜500μm程度、100〜200μm程度が好ましい。封止部材7は、発光素子5を基体4上に搭載した場合において、封止部材7の上面が、発光素子5の上面と同一面を形成する高さとすることが好ましい。封止部材7は、スクリーン印刷、ポッティング、トランスファーモールド、コンプレッションモールド等により形成することができる。成形機を用いる場合は離型フィルムを用いてもよい。
封止部材7は、通常、発光素子5の側面の全面、発光素子5の基体4と対向する面等を封止(被覆)するために、発光素子5が基体4に実装された後に形成されるが、発光素子5が基体4に実装される前に、発光素子5の上面又は側面を被覆するように設けてもよい。
[透光性部材10]
発光素子5はその上面に、つまり、発光装置の光取り出し面には、透光性部材10が設けられていることが好ましい。発光素子5の側面が遮光性の封止部材7で被覆されており、発光素子の上面が封止部材で被覆されていない場合には、透光性部材10は、封止部材7の上面を被覆していることが好ましい。透光性部材10は、その端面が封止部材で被覆されていても被覆されていなくてもよい。
透光性部材10は、発光層から出射される光の60%以上を透過するもの、さらに、70%、80%又は90%以上を透過するものが好ましい。このような部材としては、封止部材7と同様の部材であってもよいが、異なる部材であってもよい。例えば、シリコーン樹脂、シリコーン変性樹脂、シリコーン変成樹脂、エポキシ樹脂、エポキシ変性樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、TPX樹脂、ポリノルボルネン樹脂、又はこれらの樹脂を1種以上含むハイブリッド樹脂等の樹脂、ガラス等が挙げられる。なかでもシリコーン樹脂又はエポキシ樹脂が好ましく、特に耐光性、耐熱性に優れるシリコーン樹脂がより好ましい。
透光性部材10には、発光素子5からの光に励起される蛍光体を含有するものが好ましい。蛍光体は、当該分野で公知のものを使用することができる。例えば、セリウムで賦活されたイットリウム・アルミニウム・ガーネット(YAG)系蛍光体、セリウムで賦活されたルテチウム・アルミニウム・ガーネット(LAG)、ユウロピウム及び/又はクロムで賦活された窒素含有アルミノ珪酸カルシウム(CaO−Al2O3−SiO2)系蛍光体、ユウロピウムで賦活されたシリケート((Sr,Ba)2SiO4)系蛍光体、βサイアロン蛍光体、CASN系又はSCASN系蛍光体等の窒化物系蛍光体、KSF系蛍光体(K2SiF6:Mn)、硫化物系蛍光体等が挙げられる。これにより、可視波長の一次光及び二次光の混色光(例えば、白色系)を出射する発光装置、紫外光の一次光に励起されて可視波長の二次光を出射する発光装置とすることができる。発光装置が液晶ディスプレイのバックライト等に用いられる場合、青色光によって励起され、赤色発光する蛍光体(例えば、KSF系蛍光体)と、緑色発光する蛍光体(例えば、βサイアロン蛍光体)を用いることが好ましい。これにより、発光装置を用いたディスプレイの色再現範囲を広げることができる。照明等に用いられる場合、青緑色に発光する素子と赤色蛍光体とを組み合わせて用いることができる。
蛍光体は、例えば、中心粒径が50μm以下、30μm以下、10μm以下であるものが好ましい。中心粒径は、市販の粒子測定器又は粒度分布測定器等によって測定及び算出することができる。なお、上記の粒径は、F.S.S.S.No(Fisher Sub Sieve Sizer’s No)における空気透過法で得られる粒径を指す。特に、蛍光体としてYAG等を用いる場合には、これらの超微粒子を均一に分散して焼結されたバルク体(例えば、板状体)であることが好ましい。このような形態によって、単結晶構造及び/又は多結晶構造として、ボイド、不純物層を低減して高い透明性を確保することができる。
蛍光体は、例えば、いわゆるナノクリスタル、量子ドットと称される発光物質でもよい。これらの材料としては、半導体材料、例えば、II−VI族、III−V族、IV−VI族半導体、具体的には、CdSe、コアシェル型のCdSXSe1-X/ZnS、GaP等のナノサイズの高分散粒子が挙げられる。このような蛍光体は、例えば、粒径1〜20nm程度(原子10〜50個)程度が挙げられる。このような蛍光体を用いることにより、内部散乱を抑制することができ、光の透過率をより一層向上させることができる。内部散乱を抑制することにより、上面に対して垂直な方向への光の配光成分を増加させることができ、同時に、発光装置の側面又は下面に向かう光を抑制することができ、よって、光取り出し効率をより向上させることができる。例えば、バックライトに適用する場合に、バックライトへの入光効率をさらに増加させることができる。量子ドット蛍光体は、不安定であるため、PMMA(ポリメタクリル酸メチル)等の樹脂で表面修飾又は安定化してもよい。これらは透明樹脂(例えば、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂等)に混合されて成形されたバルク体(例えば、板状体)であってもよいし、ガラス板の間に透明樹脂とともに封止された板状体であってもよい。
透光性部材10は、粒子状の蛍光体を含む粒子層が複数積層された層状、多結晶透明の蛍光体板及び単結晶透明の蛍光体板から選択されるいずれかの部材によって構成されたものが好ましい。これによって、透光性部材10において、散乱をより一層低減させることができ、光の取り出し効率等をより一層向上させることができる。
蛍光体は、上記の部材中に含有されることに限られず、発光装置の種々の位置又は部材中に設けてもよい。例えば、蛍光体を含有しない透光性部材の上に塗布、接着等された蛍光体層として設けられてもよい。
透光性部材10は、充填材(例えば、拡散剤、着色剤等)を含んでいてもよい。例えば、シリカ、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、ガラス、蛍光体の結晶又は焼結体、蛍光体と無機物の結合材との焼結体等が挙げられる。任意に、充填材の屈折率を調整してもよい。例えば、1.8以上が挙げられる。
充填剤の粒子の形状は、破砕状、球状、中空及び多孔質等のいずれでもよい。粒子の平均粒径(メジアン径)は、高い効率で光散乱効果を得られる、0.08〜10μm程度が好ましい。蛍光体及び/又は充填材は、例えば、透光性部材10の全重量に対して10〜80重量%程度が好ましい。
透光性部材10を形成する方法は、透光性部材をシート状に成形して、ホットメルト方式で又は接着剤により接着する方法、電気泳動堆積法で蛍光体を付着させた後で透光性樹脂を含浸させる方法、ポッティング、圧縮成型、スプレー法、静電塗布法、印刷法等が挙げられる。この際、粘度又は流動性を調整するために、シリカ(アエロジル)等を添加してもよい。なかでも、透光性部材に蛍光体を含有させる場合には、スプレー法、特に、パルス状、すなわち間欠的にスプレーを噴射するパルススプレー方式が好ましい。間欠的にスプレー噴射することにより、単位時間当たりの透光性部材の噴射量を少なくすることができる。このため、スプレー噴射のノズルを、少ない噴射量でスプレー噴射させながら低速で移動させることにより、凹凸形状を有する塗布面に均一に蛍光体を塗布することができる。また、パルススプレー方式では、連続スプレー方式に比べて、ノズルからのスラリーの噴出速度を低減することなく、エアの風速を低減することができる。このため、塗布面に良好にスラリーを供給することができ、かつ、塗布されたスラリーがエア流によって乱されない。その結果、蛍光体の粒子と発光素子5の表面との密着性が高い塗布膜を形成することができる。また、粒子状の蛍光体を含む薄膜の粒子層を複数の積層数で形成することができる。このように、積層数を制御することによって、その厚みの精度を向上させることができる。また、蛍光体の分布の偏りを抑制することができ、均一に波長変換した光を出射させることができ、発光素子5の色むら等の発生を回避することができる。
パルススプレー法は、例えば、特開昭61−161175号公報、特開2003−300000号公報及びWO2013/038953号公報に記載された公知の方法であり、適宜、その使用材料、条件等を調整することができる。例えば、塗布されるスラリーは、溶剤と、熱硬化性樹脂と、粒子状の蛍光体とが含有される。熱硬化性樹脂としては、例えば、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ユリア樹脂等を用いることができる。溶剤としては、n−ヘキサン、n−ヘプタン、トルエン、アセトン、イソプロピルアルコール等の有機溶剤を用いることができる。蛍光体は、例えば、10〜80重量%で使用することが好ましい。スラリーは、0.01〜1000mPa・s程度に調整することが好ましく、0.1〜100mPa・s程度がより好ましい。
透光性部材10の厚みは特に限定されるものではなく、例えば、1〜300μm程度が挙げられ、1〜100μm程度が好ましく、2〜60μm程度、5〜40μm程度がより好ましい。なかでも、スプレー法によって積層する場合には、透光性部材は、窒化物半導体積層体の全厚みの20倍以下の厚みであることが好ましく、10倍以下がより好ましく6倍以下、4倍以下、3倍以下がさらに好ましい。このような厚みとすることにより、光の波長変換を十分に行いながら、より小型で薄膜の発光装置を提供することができる。別の観点から、透光性部材は、発光素子5の側面における封止部材7の厚みの2倍以下の厚みを有することが好ましく、最小幅の2倍以下とすることがより好ましく、同等以下がさらに好ましい。このような比較的薄い厚みとすることにより、後述するように、封止部材7での被覆の有無にかかわらず、発光素子5から出射される光を、透光性部材の端面(側面)から出射させることなく、光取り出し面の1方向にのみ、光を取り出すことができる。よって、光取り出し効率を向上させることができる。
特に、バックライト用途においては、このような比較的薄い厚みの透光性部材は、発光素子5の発光効率及びバックライト装置の発光効率をより高めることができる。例えば、上述したように、正面光に対する側面光の割合を減らすことができ、バックライトの導光板への入光効率を高めることができる。また、樹脂量を少なくすることができるので、熱放射率の比較的低い透明樹脂の割合を低減することができ、蓄熱を減らすことができる。同時に発光素子5と蛍光体又は蛍光体同士の接触面積を増やすことができるため、伝熱経路を確保できる。よって、放熱性を改善して、発光効率を改善することができる。さらに、発光素子5表面から導光板入光までの距離を最小にすることができるため、より高輝度でバックライト装置の導光板に入光させることができ、バックライト装置での発光効率を高めることができる。
透光性部材10の上面(光取り出し面)は平面であってもよく、配光を制御するために、その上面(光取り出し面)及び/又は発光素子と接する面を凸面、凹面等の凹凸面にしてもよい。上述したように、粒子状の蛍光体を含む複数の粒子層が積層されている場合には、蛍光体の粒径に対応した凹凸が、透光性部材10の表面に引き継がれることとなる。これにより、蛍光体を含有する、薄い透光性部材を積層することで蛍光体の凝集を防止し、その脱落を防止しながら、樹脂を減らして適度な凹凸形状を得ることができる。その結果、光取出しに有効となる。つまり、透光性部材10の変色又は寿命、放熱性を考慮すると、透光性部材10のような樹脂含有部材は、接着強度等が維持できる限り薄い方が好ましい。その一方で透光性部材の脱落の懸念があった。しかし、樹脂を減らして適度な凹凸形状を得ることにより、これらの問題を解消することができる。
透光性部材10は、発光素子5が基体4に実装される前に発光素子5の上面に接着して、発光装置に設けられてもよい。特に、発光素子5が、半導体層の成長用の基板が除去された半導体積層体によって構成される場合には、例えば、ガラス、セラミック等の硬質な透光性部材10に接着又は固定されることによって発光素子5の強度が高まり、ハンドリング性、発光素子5の実装の信頼性等を高めることができる。
[絶縁部材]
本発明の実施形態に係る発光装置は、基体4上で、外部接続端子3の少なくとも一部を被覆するように、絶縁部材が配置されていることが好ましい。絶縁部材は、封止部材7と接していることがより好ましい。さらに、絶縁部材は、外部接続端子3の素子接続部と外部接続部との間に配置されていることが好ましく、素子接続部と外部接続部との間の表面領域を完全に分離するよう配置されていることがより好ましい。これにより、後述するように、発光装置を実装基板51に実装する場合に、半田が、外部接続端子3表面に沿って浸入して、発光装置の信頼性を低下させることを回避することができる。
絶縁部材は、封止部材7の縁部が、絶縁部材上に配置されるように外部接続端子3の上に配置されていることが好ましい。これにより、封止部材7と基体4との密着性を高め、封止部材7が剥離するおそれを低減することができる。特に、上述したように、封止部材7が、長手方向に長い形状を有する場合、封止部材7の長手方向における縁部が、絶縁部材上に配置されるように外部接続端子3の上に配置されていることがより好ましい。これにより、基体4が反る又は捩じれる場合にも、封止部材7の剥離するおそれを低減することができる。絶縁部材は、一対の外部接続端子3のそれぞれを被覆するよう一対設けられてもよいし、一対の外部接続端子3を連続して被覆してもよい。
絶縁部材は、絶縁性を有する限り、どのような材料で形成されていてもよい。例えば、上述した封止部材7、後述する透光性部材で例示した材料を用いることができる。なかでも、白色材料を含有する、耐熱性が高いシリコーン樹脂を用いることが好ましい。
絶縁部材の形状は、特に限定されるものではなく、素子接続部の隣接部位から、封止部材7の外側、つまり外部接続部にまで連続した帯状であることが好ましい。具体的には、長手方向における絶縁部材の長さは、封止部材7の1/10〜1/5程度の長さが挙げられる。絶縁部材の幅は、基体4及び/又は封止部材7の幅と同じであるか、それ以下であることが好ましい。このような幅とすることにより、基体4及び/又は封止部材7の一端面と同一面を形成でき、さらに、基体4及び封止部材7の対向する端面の双方と同一面を形成することができる。特に、外部接続端子3に幅狭となる部位が存在する場合には、その幅狭となる部位を完全に被覆することが好ましい。これによって、後述するように、発光装置を実装基板51に実装する場合に、半田が、外部接続端子3表面に沿って浸入して、発光装置の信頼性を低下させることを回避することができる。
絶縁部材は、上述した材料をシート状に成形して貼着する方法、印刷法、電気泳動堆積法、ポッティング、圧縮成型、スプレー、静電塗布法等によって形成することができる。絶縁部材の厚みは、特に限定されるものではなく、例えば、10〜300μm程度が挙げられる。封止部材7が金型を用いて成形される場合には、絶縁部材は封止部材7の下方から外部接続部側に連続して形成されることが好ましい。これにより、封止部材7を成形する金型と外部接続端子3が接触し、外部接続端子3の損傷を防止することができる。
(実施例)
以下に本発明の発光装置の実施例を、図面に基づいて具体的に説明する。本実施例の発光装置1は、図1〜図2に示すように、第1主面上に一対の外部接続端子3を有する母材2を備える基体4と、発光素子5と、封止部材7とを含んで構成されている。基体4は、母材2の表面、つまり、第1主面である上面2a、短手方向に延びる端面2b及び第2主面である下面2cに、母材2側からCu/Ni/Au(合計厚み:20μm、線膨張係数:20ppm/℃程度)が積層されて構成された一対の外部接続端子3が形成されて構成される。基体4は、長手方向の長さが1.8mm、短手方向の幅が0.3mm、厚さが0.45mmであり、配線基板として機能する。その強度は、引っ張り試験機によって測定される値が300MPa以上である。
母材2は、市販のガラスクロスを含有するナフタレン系のエポキシ樹脂が含有されたBT樹脂組成物からなる(三菱瓦斯化学社製:HL832NSF typeLCA)。この母材2は、ガラス繊維、球状シリカ、球状シリコーン、カーボンを含有し、直方体形状を有する。母材2(外部接続端子なしの状態)の線膨張係数は3ppm/℃程度であり、それを構成する樹脂のガラス転移温度は280℃程度である。
一対の外部接続端子3は、母材2の上面2a側の中央部において、互いに接近して、素子接続部として突出パターン3aを有する。突出パターン3aは、銅からなる層(突出厚み20μm)によって、マスクを利用したメッキによって形成することができる。この突出パターン3aは、後述する発光素子5に形成されている一対の電極と対向する位置において、それらの大きさと同等の大きさである。
一対の外部接続端子3は、それぞれ、素子接続部である突出パターン3aから長手方向に延びて、母材2の上面2aから端面2bを経て下面2cに連続して形成されている。外部接続端子3では、素子接続部である突出パターン3aから延長して母材2の下面2cに連続する部位(断面視U字状の部位)が外部接続部3bとなる(図2参照)。外部接続端子3の長手方向に沿った縁部は、基体4の長手方向に沿った縁部に一致しており、外部接続端子3の長手方向に沿った端面は、基体4の長手方向に沿った端面と同一面を形成している。
外部接続端子3は、突出パターン3aと外部接続部3bとの間において、幅狭となる部位を有する(図17参照)。また、図示しないが、基体4の第2主面上の外部接続部3bの一部が幅狭となる部位を有する。
外部接続端子3の突出パターン3aには、1つの発光素子5が、フリップチップ実装されている。発光素子5は、サファイア基板(厚み:150μm程度)上に窒化物半導体の積層体(厚み:8〜12μm程度)が形成され、積層体のサファイア基板と反対側の表面に正負一対の電極を有する。発光素子5は、その正負一対の電極が、基体4の一対の外部接続端子3の突出パターン3aに、それぞれ、Au−Sn共晶半田である溶融性の半田(厚み:20μm)によって接続されている。なお、サファイア基板表面には凹凸(高さ:0.5μm、ピッチ:10μm)を有しているため、窒化物半導体積層体の対応する面にも、これに起因する凹凸を有する。このような外部接続端子3の突出パターン3aを利用することによって、発光素子の実装時において、その形状及び位置と相まって、溶融性の半田の量的なコントロールを行うことにより、意図しない領域への接合部材の侵入を防止することができる。その結果、意図する部位に発光素子を高精度にアライメントさせ、発光素子を適所に固定することができる。
発光素子5は、長手方向の長さが0.9mm、短手方向の幅が0.2mm、厚さが0.15mmの直方体状の青色発光(発光ピーク波長455nm)のLEDチップである。発光素子5は、その側面の表面粗さRaが1.0μm以下である。
封止部材7は、長手方向の長さ(全長)が1.2mm、短手方向の幅(全長)が0.3mm、厚さが0.15mmの略直方体状に成形されている。つまり、封止部材7の長手方向に沿った縁部は、それぞれ、基体4の長手方向に沿った縁部と一致している。封止部材7は、発光素子5に接し、その側面の全周に接触して被覆するように、基体4の第1主面に設けられている。また、封止部材7は、発光素子5の基体4と対向する面側にも設けられている。つまり、封止部材7は、発光素子5と、突出パターン3aを略完全に被覆した溶融性の半田との間に配置され、溶融性の半田の表面を略完全に被覆している。さらに、発光素子5と基体4の間に設けられていてもよい。これによって、発光素子5から上面に、効率良く光を取り出すことができる。また、封止部材7が、発光素子5の基体4と対向する面側にも設けられていることによって、より強固に発光素子5を基体4に接続させることができる。封止部材7の上面は、発光素子5の上面と略一致している。
封止部材7は、平均粒径14μmのシリカと、無機粒子として、平均粒径0.25〜0.3μmの酸化チタンとを、それぞれ、封止部材7の全重量に対して、2〜2.5wt%及び40〜50wt%で含有したシリコーン樹脂によって形成されている。シリコーン樹脂のガラス転移温度は40℃であり、線膨張係数は50ppm/℃程度である。封止部材7の長手方向に沿った縁部は、基体4の長手方向に沿った縁部に一致しており、封止部材7の長手方向に沿った端面は、基体4の長手方向に沿った端面と同一面を形成している。
発光素子5上、つまり、正負一対の電極と反対側の表面に、透光性部材10(厚さ:20μm)が配置されている。この透光性部材10は、中心粒径が8μm程度のYAG:Ceの蛍光体を含有するシリコーン樹脂が、パルススプレー法によって、3層積層されて形成されたものである。透光性部材10は、封止部材7の上面を被覆している。透光性部材10の端面は、封止部材7の端面と一致している。
このような発光装置は、発光素子を搭載する基体が、極めて線膨張係数が低いために、製造工程中及び後に負荷される熱による発光素子と基体との間の線膨張の差異を極めて低く抑えることができる。これによって、両者の線膨張差に起因する両者間の剥がれ又は発光素子への不要な応力負荷を防止することができ、電気的接続を確保することができる。その結果、寿命が長く、優れた特性を有する発光装置を得ることができる。
上述したように、基体を構成する母材が、250℃以上の高いガラス転移温度を有し、線膨張係数の小さい樹脂を用い、これに、SiO2、Al2O3、ガラスクロス等の無機フィラーを、任意に、放熱性を有するカーボンブラック、弾性率を付与するシリコーンフィラー等を、高い割合で含有させている。これにより、発光素子の駆動で発生した熱を効率よく放熱することができる。特に、カーボンブラック等で黒色に着色した母材に用いる場合には、遠赤外線などの放射率が高いため、熱放射により、効率的に放熱することができる。また、基体の封止部材と接する面側を熱吸収率の高い材料、可視域の電磁波の吸収率が低い材料、遠赤外線等の長波長の電磁波を吸収する材料、熱伝導率の高い材料で塗装する場合には、より放熱性を高めることができる。これによって、小型の発光装置の放熱性を改善し、蛍光体による光の波長変換効率を改善することができるとともに、発光素子の発光効率を改善することができる。
この半導体発光装置1は、図18に示すように、基体4の長手方向に沿った一対の端面と、封止部材7の長手方向に沿った一対の端面とが、それぞれ同一面を形成するように配置されている。これらの同一面を形成する一方の端面を、半導体発光装置1の実装面として、表面にランドパターン52を有する実装基板51上において、サイドビュー型で実装される。
実装は、半導体発光装置1の一対の外部接続部3bが、それぞれ、実装基板51の正極及び負極に対応するランドパターン52上に載置され、半田53により接続される。半田53は、U字状に屈曲した外部接続部3bにおいて、基体4の第1主面のみならず、端面及び第2主面にわたって、小型の外部接続端子3との接触面積を広げて、接続されている。これによって、発光装置の側面にフィレットを形成することができ、発光装置の放熱性及び実装安定性を向上させることができる。
さらに、封止部材の長手方向に沿った端面及び基体4の長手方向に沿った端面の双方が実装基板51の表面に接している。
以上の実施例では、LEDやLD等の半導体発光装置の実装構造について説明したが、本発明は半導体発光装置に限定されず、他の半導体装置、例えば受光素子や増幅素子等の実装においても適用できる。特に、小型の半導体装置の実装に際して、姿勢の位置決め制御が重要となる用途において本発明は好適に利用できる。