JP2015220390A - 回路基板の製造方法、回路基板および電子部品実装基板 - Google Patents

回路基板の製造方法、回路基板および電子部品実装基板 Download PDF

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Abstract

【課題】大電流の通電が可能でかつ小型化された回路基板を生産性良く製造することが可能な回路基板の製造方法を提供すること。
【解決手段】本発明の回路基板の製造方法は、第1の端子と、前記第1の端子よりも大きな電流が流れる第2の端子と、絶縁部とを備えた回路層を有する回路基板を製造する方法であって、前記絶縁部の一部としての第1の部位と、前記第1の端子とを有し、孔部が設けられたプリント基板を用意する工程と、前記プリント基板の前記孔部に、前記第2の端子となるべき金属片を挿入する工程と、前記孔部内の前記金属片の周りに第1の高絶縁性組成物を付与する工程と、前記第1の高絶縁性組成物を硬化させ、前記絶縁部の一部としての第2の部位を形成し、回路層を得る工程とを有し、前記第2の部位は、前記第1の部位よりも絶縁性の高い領域であることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、回路基板の製造方法、回路基板および電子部品実装基板に関するものである。
プリント基板の回路厚さを厚くすることにより、大電流への対応を可能とした基板(いわゆる、大電流基板)が知られている。
このような大電流基板では、大電流(例えば、20A以上の電流)を通電することを想定しているため、リークを確実に防止するために、従来においては、大電流の通電部(端子)間の間隔を十分に大きくする必要があった(例えば、10mm以上の間隔)。
また、上記のような大電流を通電するプリント基板においても、一般に、マイコン等の耐電圧性の低い電子部品が接続され、小さな電流しか通電しない通電部(端子)も有している。
このようなことから、従来においては、大電流基板では小型画が困難であるという問題があった。
また、このような大電流基板を製造する方法としては、例えば、特許文献1に示された方法が挙げられる。
しかしながら、このような方法では、ノンフロー樹脂板、硬化済みの樹脂板、プリプレグ等を多数積層し、所定の隙間に金属片を配置した上で加熱加圧して製造する必要があったため、操作が煩雑で、大電流基板(回路基板)の生産性が低いという問題があった。
特開2010−218797号公報
本発明の目的は、大電流の通電が可能でかつ小型化された回路基板を生産性良く製造することが可能な回路基板の製造方法を提供すること、また、大電流の通電が可能でかつ小型化された回路基板・電子部品実装基板を提供することにある。
このような目的は、下記(1)〜(16)の本発明により達成される。
(1) 第1の端子と、前記第1の端子よりも大きな電流が流れる第2の端子と、絶縁部とを備えた回路層を有する回路基板を製造する方法であって、
前記絶縁部の一部としての第1の部位と、前記第1の端子とを有し、孔部が設けられた基板を用意する基板用意工程と、
前記基板の前記孔部に、前記第2の端子となるべき金属片を挿入する金属片挿入工程と、
前記孔部内の前記金属片の周りに第1の高絶縁性組成物を付与する第1の高絶縁性組成物付与工程と、
前記第1の高絶縁性組成物を硬化させ、前記絶縁部の一部としての第2の部位を形成し、回路層を得る第1の硬化工程とを有し、
前記第2の部位は、前記第1の部位よりも絶縁性の高い領域であることを特徴とする回路基板の製造方法。
(2) 前記第1の硬化工程の後に、
第2の高絶縁性組成物を介して、支持基板と前記回路層とを接触させる第2の高絶縁性組成物付与工程と、
前記第2の高絶縁性組成物を硬化させ、高絶縁性材料層を形成する第2の硬化工程とを有する上記(1)に記載の回路基板の製造方法。
(3) 前記支持基板は、金属材料で構成されたものである上記(1)または(2)に記載の回路基板の製造方法。
(4) 前記金属片挿入工程は、仮固定部材に仮固定された状態の前記金属片を前記孔部に挿入し、前記仮固定部材と前記基板とを接触させることにより行う上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の回路基板の製造方法。
(5) 前記金属片挿入工程において、前記基板の一方の面の全体を、前記仮固定部材と密着させる上記(4)に記載の回路基板の製造方法。
(6) 前記仮固定部材は、前記金属片と接触する側の表面が粘着性を有する材料で構成されたものである上記(4)または(5)に記載の回路基板の製造方法。
(7) 前記粘着性を有する材料は、硬化反応により、被着体との接合強度が低下する材料である上記(6)に記載の回路基板の製造方法。
(8) 前記仮固定部材は、シート状をなすものである上記(1)ないし(7)のいずれかに記載の回路基板の製造方法。
(9) 前記金属片挿入工程は、前記金属片が前記第1の部位に接触しないように、前記金属片を固定することにより行う上記(1)ないし(8)のいずれかに記載の回路基板の製造方法。
(10) 前記第1の端子は、マイコンが接続されるものである上記(1)ないし(9)のいずれかに記載の回路基板の製造方法。
(11) 前記第2の端子は、絶縁ゲートバイポーラトランジスタおよび/または電界効果トランジスタが接続されるものである上記(1)ないし(10)のいずれかに記載の回路基板の製造方法。
(12) 前記第1の高絶縁性組成物は、フェノール樹脂と、
エポキシ樹脂と、
平均粒子径が2μm以上300μm以下の無機充填剤と、
平均粒子径が0.1μm以上9.0μm以下の無機充填剤とを含むものである上記(1)ないし(11)のいずれかに記載の回路基板の製造方法。
(13) 隣り合う前記第1の端子と前記第2の端子との間隔が、0.05mm以上5.0mm以下でである上記(1)ないし(12)のいずれかに記載の回路基板の製造方法。
(14) 前記回路基板を平面視した際の前記第2の部位の幅は、10μm以上5mm未満である上記(1)ないし(13)のいずれかに記載の回路基板の製造方法。
(15) 上記(1)ないし(14)のいずれかに記載の方法を用いて製造されたことを特徴とする回路基板。
(16) 上記(15)に記載の回路基板が有する前記第1の端子および前記第2の端子に、それぞれ、電子部品が実装されたことを特徴とする電子部品実装基板。
本発明によれば、大電流の通電が可能でかつ小型化された回路基板を生産性良く製造することが可能な回路基板の製造方法を提供することができる。また、大電流の通電が可能でかつ小型化された回路基板・電子部品実装基板を提供することができる。
本発明の回路基板の製造方法の好適な実施形態を模式的に示す断面図である。 本発明の回路基板の製造方法の好適な実施形態を模式的に示す断面図である。 本発明の電子部品実装基板の好適な実施形態を模式的に示す断面図である。
以下、本発明の回路基板の製造方法、回路基板および電子部品実装基板を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
≪回路基板の製造方法≫
まず、本発明の回路基板の製造方法について説明する。
図1、図2は、本発明の回路基板の製造方法の好適な実施形態を模式的に示す断面図である。
なお、本明細書で参照する図面は、構成の一部を誇張して示したものであり、実際の寸法比率等を正確に反映したものではない。
図1、図2に示すように、本実施形態の製造方法は、絶縁部としての第1の部位231と第1の端子21とを有し、孔部5が設けられた基板(プリント基板)10’を用意する基板用意工程(プリント基板用意工程)(1a)と、プリント基板10’の孔部5に金属片22’を挿入する金属片挿入工程(1b)と、孔部5内の金属片22’の周囲に高絶縁性組成物(第1の高絶縁性組成物)232’を付与する第1の高絶縁性組成物付与工程(1c)と、高絶縁性組成物232’を硬化させ、第2の部位232を形成し、回路層2を得る第1の硬化工程(1d)と、高絶縁性組成物(第2の高絶縁性組成物)3’を介して、支持基板1と回路層2とを接触させる第2の高絶縁性組成物付与工程(1e)と、高絶縁性組成物(第2の高絶縁性組成物)3’を硬化させ、高絶縁性材料層3を形成する第2の硬化工程(1f)とを有している。
これにより、第1の端子21と、第1の端子21よりも大きな電流が流れる第2の端子22と、絶縁部としての第1の部位と、第2の端子22の周りに設けられ、第1の部位231よりも絶縁性の高い第2の部位232とを有している回路基板10を効率よく得ることができる。このような構成の回路基板10は、大電流が通電する端子を備えながらも、端子間の距離を短くした場合であっても、リーク等の問題の発生を確実に防止することができる。このため、大電流の通電が可能でかつ小型化された回路基板を提供することができる。また、回路基板に通常用いられている絶縁材料よりも高い絶縁性を有する特殊な絶縁性材料を用いて絶縁部を形成した場合、一般に、回路基板の製造コストが上昇するが、本発明では、第2の端子の周りに選択的に高絶縁性領域(第2の部位)を設け、他の部位(第1の部位)を当該高絶縁性領域よりも絶縁性の低い材料で構成されたものとするため、回路基板全体の製造コストの上昇を抑制しつつ、前記のような効果を得ることができる。
<基板用意工程(プリント基板用意工程)>
まず、絶縁部としての第1の部位231と第1の端子21とを有し、孔部5が設けられたプリント基板10’を用意する(1a)。
プリント基板10’は、いかなる方法で製造されたものであってもよく、例えば、公知の方法で製造されたものを用いることができる。
第1の部位231は、絶縁部であり、少なくともプリント基板10’の内部に存在する第1の端子21の外周を取り囲むように設けられている。
そして、第1の部位231は、後に詳述する第2の部位232よりも絶縁性の低い部位である。
このような第1の部位231を有することにより、リーク等の問題の発生を確実に防止しつつ、回路基板10の製造コストの上昇を効果的に抑制することができる。
第1の部位231の25℃における体積抵抗率は、1×10Ω・cm以上1×1014Ω・cm以下であるのが好ましく、1×10Ω・cm以上1×1012Ω・cm以下であるのがより好ましい。
これにより、リーク等の問題の発生を十分に防止しつつ、回路基板10の製造コストのさらなる低減を図ることができる。また、端子間の距離をさらに短くすることができ、回路基板10のさらなる小型化を図る上で有利である。
なお、体積抵抗率は、二重リング電極法(JIS K6911)に準じた測定により求めることができる。
第1の部位231は、第2の部位232との間で、特定の絶縁性の大小関係を満足するものであればよく、その構成材料は、特に限定されないが、例えば、FR4やFR5などのガラス繊維を含む硬化物が挙げられる。UL/ANSIタイプFR4は、主となる樹脂としてエポキシ樹脂を使用し、ガラス繊維、無機フィラーを含む硬化物である。無機フィラーを除き、エポキシ樹脂は硬化物全体の50質量%以上含有し、無機フィラーを使用する場合は、無機フィラーの層含有量は硬化物全体の45質量%となっている。また、FR4以外に、エポキシ樹脂を主成分として、フェノール樹脂、酸無水物、アミン系硬化物のいずれかを含む樹脂成分と、ガラスクロスと、平均粒子径が2μm以上300μm以下の無機充填剤と、平均粒子径が0.1μm以上9.0μm以下の無機充填剤とを含む材料で構成されたものであるのが好ましい。
これにより、回路基板全体の機械的強度を高くすることができる。
第1の端子21は、半田等のろう材によって第1の電子部品4Aが接続(ろう接)される端子である。
第1の端子21は、第2の端子22よりも小さな電流が流れるものである。
電子部品実装基板100とした状態における、第1の端子21を流れる電流の最大値は、例えば、1mA以上10A以下である。
このように、第1の端子21は比較的小さい電流が流れるものであり、多層化等の観点から、第1の端子21の厚さは、比較的薄いものであるのが好ましい。
より具体的には、第1の端子21の厚さは、特に限定されないが、10μm以上100μm以下であるのが好ましく、18μm以上80μm以下であるのがより好ましい。
これにより、前述したような効果がより顕著に発揮される。
第1の端子21の構成材料としては、例えば、Cu、Ag、Alやこれらから選択される少なくとも1種を含む合金等が挙げられる。
孔部5は、後の工程で、金属片22’が挿入され、高絶縁性組成物(第1の高絶縁性組成物)232’が付与され、第2の端子22、第2の部位232が形成されるべき部位である。
プリント基板10’の厚さは、特に限定されないが、0.5mm以上5mm以下であるのが好ましく、1mm以上3mm以下であるのがより好ましい。
<金属片挿入工程>
次に、プリント基板10’の孔部5に、第2の端子22となるべき金属片22’を挿入する(1b)。
金属片22’の構成材料としては、例えば、Cu、Ag、Alやこれらから選択される少なくとも1種を含む合金等が挙げられる。
金属片22’は、単独で、孔部5に挿入してもよいが、図示の構成では、仮固定部材6に仮固定された状態の金属片22’を孔部5に挿入し、仮固定部材6とプリント基板10’とが接触するようにしている。
これにより、金属片22’の位置合わせが容易となり、回路基板10の生産性を特に優れたものとすることができる。特に、複数個の金属片22’を用いる場合に、このような効果は、より顕著に発揮される。
特に、図示の構成では、プリント基板10’の一方の面の全体が、仮固定部材6と密着するように仮固定している。
これにより、不本意な位置ずれが発生することをより効果的に防止することができ、回路基板10の歩留まり向上、製造される回路基板10の信頼性向上の観点等から有利である。
仮固定部材6としては、例えば、金属片22’と接触する側の表面が粘着性を有する材料で構成されたものを好適に用いることができる。
これにより、本工程においては、金属片22’の挿入、位置合わせを好適に行うことができるとともに、後の工程で容易に仮固定部材6を除去することができる。
前記粘着性を有する材料としては、各種粘着剤を用いることができるが、硬化反応により、被着体との接合強度が低下する材料(例えば、粘着性を失う材料)を好適に用いることができる。
これにより、回路基板10の生産性をさらに優れたものとすることができる。
また、仮固定部材6としては、後に詳述する高絶縁性組成物3’と同様の組成物を用いることができる。
これにより、前述したような仮固定部材6としての機能を十分に発揮することができるとともに、仮固定部材6を除去する工程を省略することができる。したがって、回路基板・電子部品実装基板の生産性を特に優れたものとすることができる。
また、図示の構成では、仮固定部材6は、シート状をなすものである。
これにより、仮固定部材6の取り扱い性(取扱いのし易さ)が向上し、回路基板10の生産性をさらに優れたものとすることができる。
図示の構成では、金属片22’が第1の部位231に接触しないように、孔部5に金属片22’を固定することにより、本工程を行っている。
これにより、第2の端子22の外周(全周)を取り囲むように設けられたものとして、第2の部位232を好適に形成することができる。その結果、リーク等の問題の発生をより確実に防止することができる。また、端子間の距離をさらに短くすることができるため、回路基板10のさらなる小型化を図る上で有利である。また、第2の端子22に通電する電流のさらなる大電流化を図ることができる。
<第1の高絶縁性組成物付与工程>
次に、孔部5内の金属片22’の周囲に、第1の高絶縁性組成物232’を付与する(1c)。
第1の高絶縁性組成物232’の付与方法は、特に限定されず、例えば、スクリーン印刷法やインクジェット法等の各種印刷方法を用いることができる。
第1の高絶縁性組成物232’としては、例えば、硬化性樹脂を含むものを用いることができる。
硬化性樹脂としては、いかなるものを用いてもよいが、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等を好適に用いることができる。
第1の高絶縁性組成物232’がエポキシ樹脂を含むものである場合、当該エポキシ樹脂は、芳香環構造および脂環構造(脂環式の炭素環構造)の少なくともいずれか一方を有するものであることが好ましい。
このようなエポキシ樹脂を使用することで、第2の部位232の耐熱性、信頼性を特に優れたものとすることができる。
芳香環あるいは脂肪環構造を有するエポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールE型エポキシ樹脂、ビスフェノールM型エポキシ樹脂、ビスフェノールP型エポキシ樹脂、ビスフェノールZ型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、テトラフェノール基エタン型ノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビフェニレン骨格を有するフェノールアラルキル型エポキシ樹脂等のアリールアルキレン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂等が挙げられる。これらの中の1種類を単独で用いることもできるし、2種類以上を併用したりすることもできる。
また、耐熱性のさらなる向上、絶縁破壊電圧の向上等の観点から、エポキシ樹脂としては、ナフタレン型エポキシ樹脂が特に好ましい。ここで、ナフタレン型エポキシ樹脂とは、ナフタレン環骨格を有し、かつ、グリシジル基を2つ以上有するものをいう。
ナフタレン型エポキシ樹脂としては、例えば、以下の下記式(5)で表されるもの、下記式(6)で表されるもの、下記式(7)で表されるもの、下記式(8)で表されるもの等を用いることができる。なお、下記式(6)において、m、nはナフタレン環上の置換基の個数を示し、それぞれ独立して1以上7以下の整数を示している。また、下記式(7)においては、Meはメチル基を示し、l、m、nは1以上の整数である。ただし、l、m、nは10以下であることが好ましい。
Figure 2015220390
Figure 2015220390
Figure 2015220390
なお、上記式(6)の化合物の中でも、特に、下記式(6−1)、下記式(6−2)、下記式(6−3)で表されるものが好ましい。
Figure 2015220390
また、ナフタレン型エポキシ樹脂としては、以下の下記式(8)で表されるナフチレンエーテル型エポキシ樹脂も使用できる。
Figure 2015220390
(上記式(8)式において、nは1以上20以下の整数であり、lは1以上2以下の整数であり、Rはそれぞれ独立に水素原子、ベンジル基、アルキル基または下記式(9)で表される構造であり、Rはそれぞれ独立に水素原子またはメチル基である。)
Figure 2015220390
(上記式(9)式において、Arはそれぞれ独立にフェニレン基またはナフチレン基であり、Rはそれぞれ独立に水素原子またはメチル基であり、mは1または2の整数である。)
上記式(8)で表されるナフチレンエーテル型エポキシ樹脂の中でも特に好ましいものとしては、例えば、下記式(10)で表されるものが挙げられる。
Figure 2015220390
(上記式(10)式において、nは1以上20以下の整数であり、好ましくは1以上10以下の整数であり、より好ましくは1以上3以下の整数である。Rはそれぞれ独立に水素原子または下記式(11)で表される構造であり、好ましくは水素原子である。)
Figure 2015220390
(上記式(11)式において、mは1または2の整数である。)
上記式(10)で表されるナフチレンエーテル型エポキシ樹脂の中でも特に好ましいものとしては、例えば、下記式(12)、下記式(13)、下記式(14)、下記式(15)、下記式(16)で表されるものが挙げられる。
Figure 2015220390
Figure 2015220390
Figure 2015220390
Figure 2015220390
Figure 2015220390
第1の高絶縁性組成物232’中におけるエポキシ樹脂のエポキシ数に対する、フェノール樹脂、酸無水物またはアミン系硬化剤の官能基数の当量比は、特に限定されないが、0.3以上1.5以下であるのが好ましく、0.5以上1.2以下であるのがより好ましい。
これにより、得られる高絶縁材料がより緻密な架橋構造を有するものとなり、高絶縁材料の耐熱性、耐湿性が特に優れたものとなる。
また、フェノール樹脂としては、ノボラック型、レゾール型のもの等を用いることができるが、ノボラック樹脂が好ましい。
これにより、得られる高絶縁材料の耐熱性が特に優れたものとなり、硬化時の体積収縮率がより小さく、製造安定性が特に優れたものとなる。
また、フェノール樹脂の融点は、80℃以上100℃以下であるのが好ましく、85℃以上95℃以下であるのがより好ましい。
また、第1の高絶縁性組成物232’は、硬化剤を含むものであってもよい。
これにより、後に詳述する硬化工程(第1の硬化工程)において、硬化反応をより速やかに進行させることができ、回路基板10の生産性を特に優れたものとすることができる。また、硬化反応を好適に進行させることができるため、回路基板10の耐熱性、機械的強度等をより確実に優れたものとすることができる。
硬化剤(硬化触媒)としては、例えば、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、オクチル酸スズ、オクチル酸コバルト、ビスアセチルアセトナートコバルト(II)、トリスアセチルアセトナートコバルト(III)等の有機金属塩;ジシアンジアミド、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、メタキシリレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジエチルジフェニルメタン、メタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルスルホン、イソフォロンジアミン、ノルボルネンジアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン等のアミン系硬化剤;2−フェニル−イミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−エチル−4−エチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシイミダゾール等のイミダゾール系硬化剤;トリフェニルホスフィン、トリ−p−トリルホスフィン、テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート、トリフェニルホスフィン・トリフェニルボラン、1,2−ビス−(ジフェニルホスフィノ)エタン等の有機リン化合物;フェノール、ビスフェノールA、ノニルフェノール等のフェノール化合物;酢酸、安息香酸、サリチル酸、パラトルエンスルホン酸等の有機酸や、これらの誘導体等(酸無水物等)が挙げられる。硬化剤として、これらの中のから選択される1種類を単独で用いることもできるし、これらの中から2種類以上を併用したりすることもできる。
これらの中でも、接着性に優れ、かつ比較的低温で反応し、耐熱性が優れた硬化物が得られる点で、アミン系硬化剤、イミダゾール系硬化剤が好ましい。
第1の高絶縁性組成物232’中における硬化触媒の含有量は、特に限定されないが、第1の高絶縁性組成物232’の全固形分100質量部に対し、例えば、0.05質量部以上3.0質量部以下であるのが好ましい。
また、第1の高絶縁性組成物232’は、前述したようなフェノール樹脂、エポキシ樹脂に加え、平均粒子径が2μm以上300μm以下の無機充填剤(第1の無機充填剤)と、平均粒子径が0.1μm以上9.0μm以下の無機充填剤(第2の無機充填剤)とを含むものであるのが好ましい。
これにより、回路基板10の生産コストの上昇をより効果的に抑制しつつ、第2の部位232の絶縁性を特に高いものとすることができる。
ここで無機充填剤としては、例えば、タルク、焼成クレー、未焼成クレー、マイカ、ガラス等のケイ酸塩;酸化チタン、アルミナ、シリカ、溶融シリカ等の酸化物;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ハイドロタルサイト等の炭酸塩;水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等の水酸化物、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、亜硫酸カルシウム等の硫酸塩または亜硫酸塩;ホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、ホウ酸カルシウム、ホウ酸ナトリウム等のホウ酸塩、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、窒化炭素等の窒化物;チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム等のチタン酸塩等の無機充填剤等が挙げられる。第2の電子部品4Bから発生した熱が他の電子部品に悪影響を及ぼすことをより確実に防止するため、シリカのような熱伝導率が低い無機充填剤を好適に用いることができる。
本発明において、平均粒子径とは、特に断りのない限り、体積基準の平均粒子径のことを指す。
また、粒子径は、例えば、レーザー回折式粒度分布測定装置SALD−7000を用いて、水中にアルミナを1分間超音波処理することにより分散させ、測定することができる。
第1の無機充填剤の平均粒子径は、2μm以上300μm以下であるのが好ましいが、3μm以上100μm以下であるのがより好ましく、20μm以上50μm以下であるのがさらに好ましい。
これにより、前述したような効果がより顕著に発揮される。
第2の無機充填剤の平均粒子径は、0.1μm以上9.0μm以下であるのが好ましいが、1μm以上8.0μm以下であるのがより好ましく、3.0μm以上5μm以下であるのがさらに好ましい。
これにより、前述したような効果がより顕著に発揮される。
第1の高絶縁性組成物232’中における第1の無機充填剤の含有率は、特に限定されないが、10質量%以上90質量%以下であるのが好ましく、30質量%以上85質量%以下であるのがより好ましい。
これにより、第1の部位231を低線膨張化することができ、第2の部位232の線膨張率の差異により発生する応力をより効果的に緩和することができる。
第1の高絶縁性組成物232’中における第2の無機充填剤の含有率は、特に限定されないが、5質量%以上90質量%以下であるのが好ましく、30質量%以上85質量%以下であるのがより好ましい。
これにより、第1の部位231を低線膨張化することができ、第2の部位232の線膨張率の差異により発生する応力をより効果的に緩和することができる。また、回路基板の製造における、孔部5へ付与が容易となる。
さらに、第1の高絶縁性組成物232’は、カップリング剤を含んでもよい。
カップリング剤を含むことより、例えば、第1の高絶縁性組成物232’がエポキシ樹脂とシリカ(第1のシリカおよび第2のシリカ)とを含むものである場合にシリカに対するエポキシ樹脂の濡れ性を向上させることができ、第1の高絶縁性組成物232’を用いて形成される第2の部位232の機械的強度等を特に優れたものとすることができる。
カップリング剤としては、例えば、カップリング剤として知られている各種材料を用いることができるが、具体的には、エポキシシランカップリング剤、カチオニックシランカップリング剤、アミノシランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、シリコーンオイル型カップリング剤の中から選ばれる1種以上のカップリング剤を使用することが好ましい。
カップリング剤の添加量は、特に限定されないが、シリカ:100質量部に対して、0.05質量部以上3質量部以下であるのが好ましく、0.1質量部以上2質量部以下であるのがより好ましい。これにより、前述したような効果がより顕著に発揮される。
また、第1の高絶縁性組成物232’は、酸化防止剤、レベリング剤等の各種添加剤を含むものであってもよい。
また、第1の高絶縁性組成物232’は、揮発成分(溶媒成分)を含むものであってもよいが、揮発成分を含むものである場合、第1の高絶縁性組成物232’中における揮発成分の含有率は、1.0質量%以下であるのが好ましく、0.5質量%以下であるのがより好ましい。
これにより、後の工程で、揮発成分を除去する処理を省略または簡略化することができ、回路基板10の生産性を特に優れたものとすることができる。
第1の高絶縁性組成物232’は、25℃における粘度(動的粘弾性測定装置を用いた測定により求められる粘度)が、0.1Pa・s以上1000Pa・s以下であるのが好ましく、10Pa・s以上500Pa・s以下であるのがより好ましい。
これにより、第1の高絶縁性組成物232’の取り扱い性(取扱いのし易さ)を特に優れたものとし、回路基板10の生産性を特に優れたものとすることができる。また、第2の部位232(第1の高絶縁性組成物232’)中や、第2の端子22と第2の部位232との界面付近、第1の部位231と第2の部位232との界面付近等に、不本意な気泡が混入することを効果的に防止することができ、回路基板10の信頼性を特に優れたものとすることができる。
<第1の硬化工程>
次に、高絶縁性組成物232’を硬化させ、第2の部位(高絶縁性領域)232を形成する(1d)。
これにより、第1の端子21と、金属片22’による第2の端子22と、第1の部位231および第2の部位232を有する絶縁部23とを備えた回路層2が得られる。
本工程で形成される第2の部位232は、第1の部位231よりも絶縁性の高いものである。
第2の部位232の25℃における体積抵抗率は、1×10Ω・cm以上1×1016であるのが好ましく、1×10Ω・cm以上1×1015であるのがより好ましい。
これにより、回路基板10の製造コストの上昇をより効果的に抑制しつつ、リーク等の問題の発生をより確実に防止することができる。また、第2の部位232の体積が小さい場合であっても、十分な絶縁性を確保することができるため、端子間の距離をさらに短くすることができ、回路基板10のさらなる小型化を図る上で有利である。また、第2の端子22に通電する電流のさらなる大電流化を図ることができる。
第2の部位232の幅(回路基板10を平面視した際の幅)は、10μm以上5mmμm以下であるのが好ましく、100μm以上500μm以下であるのがより好ましい。
これにより、回路基板10の製造コストの上昇をより効果的に抑制しつつ、リーク等の問題の発生をより確実に防止することができる。また、回路基板10のさらなる小型化を図る上で有利である。また、第2の端子22に通電する電流のさらなる大電流化を図ることができる。
また、25℃における第2の部位232の構成材料の線膨張係数(線膨張率)は、30ppm以下であるのが好ましく、20ppm以下であるのがより好ましい。
第2の部位232は、大電流が通電する第2の端子22の周りに設けられるものであるため、高温になりやすく、温度変化も大きい部位であるが、このように、第2の部位232の構成材料の線膨張係数(線膨張率)が十分に小さいものであると、回路基板10(例えば、第2の端子22と第2の部位232との界面等)における剥離、クラック等の発生や、電子部品実装基板100(例えば、電子部品と端子との接合部)における剥離、クラック等の発生をより効果的に防止することができ、回路基板10、電子部品実装基板100の耐久性、信頼性を特に優れたものとすることができる。
また、第2の部位232を構成する樹脂材料のガラス転移温度(Tg)は、120℃以上であるのが好ましく、140℃以上であるのがより好ましい。
これにより、回路基板10、電子部品実装基板100の耐熱性を特に優れたものとすることができる。
本発明において、回路基板は、第2の部位を少なくとも1か所有するものであればよいが、図示の構成では、回路基板10は、複数の第2の部位232を有している。
このような場合、これら複数の第2の部位232は、同一の条件のものであってもよいし、互いに条件の異なるものであってもよい。
本工程における硬化方法は、第1の高絶縁性組成物232’の構成材料により異なるが、第1の高絶縁性組成物232’が熱硬化性樹脂を含むものである場合、通常、加熱により行う。
本工程における加熱温度は、第1の高絶縁性組成物232’の組成等により異なるが、60℃以上200℃以下であるのが好ましく、80℃以上180℃以下であるのがより好ましい。
これにより、第1の高絶縁性組成物232’の硬化反応をより速やかに進行させることができ、回路基板10の生産性を特に優れたものとすることができる。また、硬化反応を好適に進行させることができるため、回路基板10の耐熱性、機械的強度等をより確実に優れたものとすることができる。
本工程における加熱時間は、第1の高絶縁性組成物232’の組成等により異なるが、3秒以上3時間以下であるのが好ましく、10秒以上1時間以下であるのがより好ましい。
これにより、回路基板10の生産性を十分に優れたものとしつつ、硬化反応をより好適に進行させることができ、回路基板10の耐熱性、機械的強度等をより確実に優れたものとすることができる。
第2の端子22は、半田等のろう材によって第2の電子部品4Bが接続(ろう接)される端子である。
第2の端子22は、第1の端子21よりも大きな電流が流れるものである。
電子部品実装基板100とした状態における、第2の端子22を流れる電流の最大値は、例えば、20A以上150A以下である。
回路層2において、隣り合う第1の端子21と第2の端子との間隔(図中、Xで示す間隔)は、0.05mm以上5mm以下であるのが好ましく、0.1mm以上2.5mm以下であるのがより好ましい。
これにより、リーク等の問題の発生を確実に防止しつつ、回路基板のさらなる小型化を図ることができる。
<第2の高絶縁性組成物付与工程>
次に、仮固定部材6を除去した状態で、高絶縁性組成物(第2の高絶縁性組成物)3’を介して、支持基板1と回路層2とを接触させる(1e)。
支持基板1は、回路層2を支持する機能を有している。
このような支持基板1を用いることにより、回路基板10の形状の安定性、機械的強度を優れたものとすることができる。
支持基板1としては、例えば、金属基板を好適に用いることができる。
これにより、前述したような回路層2を支持する機能をより効果的に発揮することができるだけでなく、回路基板10全体としての放熱性を特に優れたものとすることができ、耐熱性、信頼性を特に優れたものとすることができる。
支持基板(金属基板)1の構成材料としては、例えば、Cu、Au、Alや、これらを含む合金等が挙げられる。
支持基板1の厚さは、特に限定されないが、0.5mm以上5mm以下であるのが好ましく、1mm以上3mm以下であるのがより好ましい。
これにより、回路基板10の厚みが大きくなりすぎるのを効果的に防止しつつ、前述したような効果がより顕著に発揮される。
本工程においては、支持基板1、回路層2のうち一方の表面に第2の高絶縁性組成物3’を付与した後、これらを接近させ、第2の高絶縁性組成物3’を介して支持基板1と回路層2とを接触させてもよいし、支持基板1および回路層2の表面(対向する表面)に、それぞれ、第2の高絶縁性組成物3’を付与した後、これらを接近させ、第2の高絶縁性組成物3’を介して支持基板1と回路層2とを接触させてもよい。
また、支持基板1および回路層2の所定の距離の間隙を設けた状態で、当該間隙に第2の高絶縁性組成物3’を注入することにより、第2の高絶縁性組成物3’を介して支持基板1と回路層2とを接触させてもよい。
第2の高絶縁性組成物3’の付与方法は、特に限定されず、例えば、各種印刷方法を用いることができる。
第2の高絶縁性組成物3’としては、例えば、第1の高絶縁性組成物232’として説明したものと同様のものを用いることができる。これにより、前述したのと同様の効果が得られる。
<第2の硬化工程>
次に、高絶縁性組成物3’を硬化させる(1f)。
これにより、高絶縁性材料層3が形成されるとともに、高絶縁性材料層3を介して、支持基板1と回路層2とが接合され、回路基板10が得られる。
支持基板1と回路層2との間に高絶縁性材料層3を設けることにより、第1の端子および第2の端子の表面から電流のリーク等の問題の発生をより確実に防止することができる。
高絶縁性材料層3の25℃における体積抵抗率は、1×10Ω・cm以上1×1015Ω・cm以下であるのが好ましく、1×10Ω・cm以上1×1014Ω・cm以下であるのがより好ましい。
これにより、回路基板10の製造コストの上昇をより効果的に抑制しつつ、リーク等の問題の発生をより確実に防止することができる。また、高絶縁性材料層3の厚さが小さい場合であっても、十分な絶縁性を確保することができるため、回路基板10の薄型化を図る上で有利である。
高絶縁性材料層3の厚さは、特に限定されないが、40μm以上300μm以下であるのが好ましく、80μm以上200μm以下であるのがより好ましい。
これにより、支持基板1が金属基板である場合に、短絡等の問題の発生を確実に防止しつつ、回路基板10全体としての放熱性を優れたものとすることができる。
図示の構成では、高絶縁性材料層3は、支持基板1の全面に設けられているが、支持基板1の一部のみに設けられたものとしてもよい。例えば、高絶縁性材料層3は、回路層2の下面側(図中の下側の面)に導電部が設けられた部位に選択的に設けてもよい。このような構成とするためには、例えば、前記工程において、支持基板1として、高絶縁性材料層3を形成すべき部位に対応する部位に凹部を有するものを用い、支持基板1の当該凹部以外の部位が前記回路層2と密着するようにして、前述した第2の高絶縁性組成物付与工程を行えばよい。
本工程における硬化方法は、高絶縁性組成物3’の構成材料により異なるが、高絶縁性組成物3’が熱硬化性樹脂を含むものである場合、通常、加熱により行う。
本工程における加熱温度は、第2の高絶縁性組成物3’の組成等により異なるが、60℃以上200℃以下であるのが好ましく、80℃以上180℃以下であるのがより好ましい。
これにより、第2の高絶縁性組成物3’の硬化反応をより速やかに進行させることができ、回路基板10の生産性を特に優れたものとすることができる。また、硬化反応を好適に進行させることができるため、回路基板10の耐熱性、機械的強度等をより確実に優れたものとすることができる。
本工程における加熱時間は、第2の高絶縁性組成物3’の組成等により異なるが、3秒以上3時間以下であるのが好ましく、10秒以上1時間以下であるのがより好ましい。
これにより、回路基板10の生産性を十分に優れたものとしつつ、硬化反応をより好適に進行させることができ、回路基板10の耐熱性、機械的強度等をより確実に優れたものとすることができる。
前述したような方法を用いることにより、生産性良く、大電流の通電が可能でかつ小型化された回路基板を製造することができる。
≪回路基板≫
次に、本発明の回路基板について説明する。
本発明の回路基板は、前述したような方法を用いて製造されたものである。
このような回路基板は、大電流が通電する端子を備えながらも、端子間の距離を短くした場合であっても、リーク等の問題の発生を確実に防止することができる。このため、大電流の通電が可能でかつ小型化された回路基板を提供することができる。また、回路基板に通常用いられている絶縁材料よりも高い絶縁性を有する特殊な絶縁性材料を用いて絶縁部を形成した場合、一般に、回路基板の製造コストが上昇するが、本発明では、第2の端子の周りに選択的に高絶縁性領域(第2の部位)を設け、他の部位を当該高絶縁性領域よりも絶縁性の低い材料で構成されたもの(第1の部位)とするため、回路基板全体の製造コストの上昇を抑制しつつ、前記のような効果を得ることができる。
これに対し、前記の条件を満足しない場合には、前記のような優れた効果は得られない。
例えば、第2の部位(高絶縁性領域)を有さず、絶縁部全体が第1の部位で構成されたものである場合、リーク等の問題の発生を確実に防止することが困難となる。また、端子間の距離を大きくすることにより、リーク等の問題の発生を防止することも考えられるが、このような場合、回路基板の大型化を招く。
また、第1の部位を有さず、絶縁部全体が第2の部位(高絶縁性領域)で構成されたものである場合、回路基板の製造コストが著しく上昇する。
また、第1の部位と第2の部位との位置関係が逆である場合、すなわち、第1の端子の周りに設けられた部位が、絶縁部の他の部位よりも絶縁性が低い場合には、リーク等の問題の発生を確実に防止することが困難となる。また、端子間の距離を大きくすることにより、リーク等の問題の発生を防止することも考えられるが、このような場合、回路基板の大型化を招く。
≪電子部品実装基板≫
次に、本発明の電子部品実装基板について説明する。
図3は、本発明の電子部品実装基板の好適な実施形態を模式的に示す断面図である。
図3に示すように、電子部品実装基板100は、前述したような回路基板10に、電子部品4(第1の電子部品4A、第2の電子部品4B)が実装されてなるものである。
すなわち、電子部品実装基板100において、第1の電子部品4Aは、第1の端子21に接続されており、第2の電子部品4Bは、第2の端子22に接続されている。
これにより、大電流の通電が可能でかつ小型化された電子部品実装基板100を提供することができる。
電子部品4の接合は、例えば、ろう材を用いたろう接により行われている。
ろう材としては、例えば、半田、鉛フリー半田等を用いることができる。なお、鉛フリー半田とは、実質的に鉛を含まないか、または、鉛を含む場合でも、その含有量が極めて少ない半田(例えば、鉛の含有率が0.1質量%以下)のことを言う。
<第1の電子部品>
第1の電子部品4Aは、第1の端子21に接続されるものである。
第1の電子部品4Aは、第2の電子部品4Bに比べて小さい電流が流れる電子部品である。
第1の電子部品4Aの具体例としては、例えば、マイコン等のICチップ、セラミックコンデンサ、チップ抵抗器等が挙げられるが、電子部品実装基板100は、第1の電子部品4Aとして、マイコンを備えるものであるのが好ましい。
これにより、小さい電流が流れる第1の電子部品4Aと大きな電流が流れる第2の電子部品4Bとを同一基板内に実装することが可能となるので、配線の長さが短くすることができ、さらに小型化することができる。また、配線の長さが短くなることにより、電気信号の応答性の向上およびノイズを低減することが可能となる。
図示の構成では、電子部品実装基板100は、複数個の第1の電子部品4Aを備えているが、これらは同一の種類のものであってもよいし、異なる種類のものであってもよい。
<第2の電子部品>
第2の電子部品4Bは、第2の端子22に接続されるものである。
第2の電子部品4Bは、第1の電子部品4Aに比べて大きな電流が流れる電子部品である。
第2の電子部品4Bの具体例としては、例えば、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ、電界効果トランジスタ、トランス等のいわゆる発熱部品(第1の電子部品4Aよりも発熱量の大きい電子部品)が挙げられるが、電子部品実装基板100は、第2の電子部品4Bとして、絶縁ゲートバイポーラトランジスタおよび/または電界効果トランジスタを備えるものであるのが好ましい。
これにより、発熱部品から発生した熱を基板下の方向(厚み方向)へ効率良く伝熱することができる。
図示の構成では、電子部品実装基板100は、複数個の第2の電子部品4Bを備えているが、これらは同一の種類のものであってもよいし、異なる種類のものであってもよい。
電子部品実装基板100の用途は、いかなるものであってもよいが、例えば、パワー半導体装置、LED照明、インバーター装置等の電子装置に適用されるもの等が挙げられる。
ここでインバーター装置とは、直流電力から交流電力を電気的に生成する(逆変換する機能を持つ)ものである。またパワー半導体装置とは、通常の半導体素子に比べて高耐圧化、大電流化、高速・高周波化されている特徴を有し、一般的にはパワーデバイスと呼ばれ、整流ダイオード、パワートランジスタ、パワーMOSFET、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)、サイリスタ、ゲートターンオフサイリスタ(GTO)、トライアック等が挙げられる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、これらに限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、前述した実施形態では、回路基板が、第1の端子、第2の端子を、それぞれ複数個有するものとして説明したが、本発明では、第1の端子および第2の端子を、それぞれ少なくとも1つ有していればよく、複数個有していなくてもよい。
また、前述した実施形態では、第1の部位と第2の部位との間に明確な境界が存在している場合について代表的に説明したが、本発明において、第1の部位と第2の部位との境界は不明確なものであってもよい。また、第1の部位の構成材料と第2の部位の構成材料とが一部混合した領域(混合領域)を有していていもよい。
また、前述した実施形態では、仮固定部材6がシート状をなすものである場合について説明したが、仮固定部材の形状は、これに限定されず、いかなる形状であってもよい。
また、本発明の回路基板の製造方法は、基板用意工程と、金属片挿入工程と、第1の高絶縁性組成物付与工程と、第1の硬化工程とを有していればよく、前述したような第2の高絶縁性組成物付与工程、第2の硬化工程を有していなくてもよい。例えば、第1の高絶縁性組成物付与工程において、基板(プリント基板)の孔部内の金属片の周りだけでなく、プリント基板と予め用意した支持基板との間にも、第1の高絶縁性組成物を付与し、第1の硬化工程において、金属片の周りに第2の部位を形成するとともに、支持基板とプリント基板との間に高絶縁性材料層を形成するものであってもよい。
また、本発明の製造方法は、前述した工程に加えて、他の工程(前処理工程、後処理工程、中間処理工程等)を有していてもよい。
また、本発明に係る回路基板は、支持基板、高絶縁性材料層を有していないものであってもよい。
100 :電子部品実装基板
10 :回路基板
10’ :プリント基板(基板)
1 :支持基板
2 :回路層
21 :第1の端子
22 :第2の端子
22’ :金属片
23 :絶縁部
231 :第1の部位
232 :高絶縁性領域(第2の部位)
232’ :高絶縁性組成物(第1の高絶縁性組成物)
3 :高絶縁性材料層
3’ :高絶縁性組成物(第2の高絶縁性組成物)
4 :電子部品
4A :第1の電子部品
4B :第2の電子部品
5 :孔部
6 :仮固定部材

Claims (16)

  1. 第1の端子と、前記第1の端子よりも大きな電流が流れる第2の端子と、絶縁部とを備えた回路層を有する回路基板を製造する方法であって、
    前記絶縁部の一部としての第1の部位と、前記第1の端子とを有し、孔部が設けられた基板を用意する基板用意工程と、
    前記基板の前記孔部に、前記第2の端子となるべき金属片を挿入する金属片挿入工程と、
    前記孔部内の前記金属片の周りに第1の高絶縁性組成物を付与する第1の高絶縁性組成物付与工程と、
    前記第1の高絶縁性組成物を硬化させ、前記絶縁部の一部としての第2の部位を形成し、回路層を得る第1の硬化工程とを有し、
    前記第2の部位は、前記第1の部位よりも絶縁性の高い領域であることを特徴とする回路基板の製造方法。
  2. 前記第1の硬化工程の後に、
    第2の高絶縁性組成物を介して、支持基板と前記回路層とを接触させる第2の高絶縁性組成物付与工程と、
    前記第2の高絶縁性組成物を硬化させ、高絶縁性材料層を形成する第2の硬化工程とを有する請求項1に記載の回路基板の製造方法。
  3. 前記支持基板は、金属材料で構成されたものである請求項1または2に記載の回路基板の製造方法。
  4. 前記金属片挿入工程は、仮固定部材に仮固定された状態の前記金属片を前記孔部に挿入し、前記仮固定部材と前記基板とを接触させることにより行う請求項1ないし3のいずれか1項に記載の回路基板の製造方法。
  5. 前記金属片挿入工程において、前記基板の一方の面の全体を、前記仮固定部材と密着させる請求項4に記載の回路基板の製造方法。
  6. 前記仮固定部材は、前記金属片と接触する側の表面が粘着性を有する材料で構成されたものである請求項4または5に記載の回路基板の製造方法。
  7. 前記粘着性を有する材料は、硬化反応により、被着体との接合強度が低下する材料である請求項6に記載の回路基板の製造方法。
  8. 前記仮固定部材は、シート状をなすものである請求項1ないし7のいずれか1項に記載の回路基板の製造方法。
  9. 前記金属片挿入工程は、前記金属片が前記第1の部位に接触しないように、前記金属片を固定することにより行う請求項1ないし8のいずれか1項に記載の回路基板の製造方法。
  10. 前記第1の端子は、マイコンが接続されるものである請求項1ないし9のいずれか1項に記載の回路基板の製造方法。
  11. 前記第2の端子は、絶縁ゲートバイポーラトランジスタおよび/または電界効果トランジスタが接続されるものである請求項1ないし10のいずれか1項に記載の回路基板の製造方法。
  12. 前記第1の高絶縁性組成物は、フェノール樹脂と、
    エポキシ樹脂と、
    平均粒子径が2μm以上300μm以下の無機充填剤と、
    平均粒子径が0.1μm以上9.0μm以下の無機充填剤とを含むものである請求項1ないし11のいずれか1項に記載の回路基板の製造方法。
  13. 隣り合う前記第1の端子と前記第2の端子との間隔が、0.05mm以上5.0mm以下である請求項1ないし12のいずれか1項に記載の回路基板の製造方法。
  14. 前記回路基板を平面視した際の前記第2の部位の幅は、10μm以上5mm未満である請求項1ないし13のいずれか1項に記載の回路基板の製造方法。
  15. 請求項1ないし14のいずれか1項に記載の方法を用いて製造されたことを特徴とする回路基板。
  16. 請求項15に記載の回路基板が有する前記第1の端子および前記第2の端子に、それぞれ、電子部品が実装されたことを特徴とする電子部品実装基板。
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