JP7026269B2 - プリント配線板とその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電子部品からの発熱を、当該電子部品の直下に配置した金属片によって、当該電子部品実装側面との反対の面側に配置された放熱体へと伝熱させるプリント配線板とその製造方法に関するものである。
電子部品(例えば、「FET」や「MOSFET」などの、発熱量の多い表面実装型部品)からの発熱を効率よく外部に放熱させる手段として、プリント配線板に実装する電子部品の直下に、貫通めっきスルーホールからなるサーマルビアを複数設け、当該プリント配線板の裏面側に配置された放熱体(放熱パターンやヒートシンク)などを介して外部に放熱させるという手段が、従来、一般的に利用されてきた。
しかし、機器の高機能化、高性能化の進展により、電子部品からの発熱量が、従来の物とは比べ物にならないほど多くなってきたため、上記貫通めっきスルーホールからなるサーマルビアでは、処理しきれなくなってきた(即ち、電子部品を正常に動作させるだけの放熱処理ができなくなってきた)。
そこで近年では、上記サーマルビアに代えて、熱容量の大きい金属片(例えば「銅片」)を埋め込むという手段が検討報告されている(例えば、特許文献1参照)。
上記「金属片」を埋め込む構成のプリント配線板の一例を、図6に示したプリント回路基板Pcの概略断面図を用いて説明する。
なお、文中(本発明の構成を説明する文も含む)に、「プリント配線板」と「プリント回路基板」という用語が登場するが、説明の便宜上、電子部品と放熱体を実装及び配置する前のものを「プリント配線板」、これらを実装及び配置した後のものを「プリント回路基板」と使い分けて表記している。
また、金属片収容孔に金属片を収容する際の説明において、「電子部品実装面側開口端」、「放熱体配置面側開口端」という用語が登場するが、ここでいう「開口端」とは、「絶縁基板」に設けられた「金属片収容孔」の開口端部のみを意味するものではなく、「金属片収容孔開口端」の周囲を囲うように設けられる、例えば図5及び図6に示される「外層配線パターン3a,3b」や「ソルダーレジスト7」が、「電子部品や放熱体」と「金属片収容孔」の開口端部との間に存在する場合には、当該「外層配線パターン3a,3b」や「ソルダーレジスト7」によって形成された開口端部を意味する。尚、図5中、符号10は接着剤、8Aは電子部品実装面側開口端の位置、8Bは放熱体配置面側開口端の位置を示している。
図6において、プリント回路基板Pcは、少なくとも、絶縁基板1と、当該絶縁基板1の一方の面に実装された電子部品11と、当該絶縁基板1の他方の面に配置された放熱体(ヒートシンクなど)14と、当該絶縁基板1を貫通する金属片収容孔8と、当該金属片収容孔8内に配置され、且つ、電子部品接続側露出面99A側では半田13を介して電子部品11と接続されるとともに、放熱体接続側露出面99B側では熱伝導性接着剤(熱伝導性及び絶縁性のあるグリスやシートなど)15を介して放熱体14と接続される金属片99と、当該絶縁基板1における電子部品実装側面Aであって、当該金属片収容孔8を囲うように形成されたソルダーレジスト7とを備えた構成からなる。尚、図中に示した符号12は、電子部品11から引き出された端子であり、プリント配線板Pwに設けられた実装パッド3cに半田を介して接続されている。
当該金属片収容孔8内に配置されている金属片99としては、電子部品接続側露出面99A側に、半田付け工程時に半田が流出するのを抑制するための凹部99aを設けたものが用いられているとともに、当該凹部99aと反対側、即ち凸部99b側の面を、絶縁基板1の放熱体配置側面B(放熱体14を配置する側の面)と同一平面になるように配置されている。
ところで、この種のプリント回路基板に使用されるプリント配線板を製造する上で最も注意が必要となるのが、金属片収容孔内に配置される金属片のZ軸方向の飛び出しである。
例えば、図6に示すプリント配線板Pwにおいて、電子部品接続側露出面99Aが金属片収容孔8の周囲を囲うように形成されたソルダーレジスト7よりも突出してしまった場合には、当該電子部品11の実装不良が発生する懸念があり、また、放熱体接続側露出面99Bが絶縁基板1の下面(放熱体配置側面B)よりも突出してしまった場合には、金属片99と金属性の放熱体14との距離が狭まり、絶縁性を有する熱伝導性接着剤15が薄くなってしまうため、金属片99と放熱体14との間の絶縁信頼性を確保できなくなるという懸念があるからである。
然るところ、図6に示すプリント配線板Pwには、実際上以下のような問題があった。
即ち、金属片収容孔8内に配置する金属片99として、金属板を金型プレスで打ち抜いたものを用いているため(それ故に、金属片99が凹部99aと凸部99bを有する形状になる)、プレス金型の磨耗が進んだ場合に、寸法精度の高い金属片99が製造できなくなり、金属片収容孔8の開口端(電子部品実装面側開口端の位置8Aや放熱体配置面側開口端の位置8B)から金属片99が突出したり、あるいは寸足らずのものが配置されたりする危険性があった。
而して、金属片99が金属片収容孔8の開口端から突出した場合は、上記で説明したとおりの問題が発生し、他方、寸足らずのものが配置された場合には、電子部品11と金属片99を熱的に接続する半田13にボイドが発生したり、金属片99と放熱体14との距離が遠くなることによって、所望とする放熱効果が得られなくなるのが実状であった。
また、金属板を金型プレスで打ち抜く場合、絶縁基板1の板厚が変わるごとに、その厚さに合わせた金属板を用意しなければならないため、手間やコストがかかるのが実状であった。
この他、特許文献1に示されるプリント配線板Pwでは、金属片99の配置方法として、「圧入方式」を採用していることも懸念点として挙げられる。
即ち、「圧入方式」は、金属片収容孔8の孔径よりも小さい径で、且つ、当該金属片収容孔8のZ軸方向の寸法よりも長い金属片99を塑性変形(圧力による変形)させることで、金属片99を金属片収容孔8内に固定させる(即ち、金属片収容孔8の内壁をX-Y方向に押し広げる力で固定させる)ものなので、絶縁基板1にクラックを発生させる懸念があるからである。
更に、特許文献1に示されるプリント配線板では、「金属片99の凸部99b側の面と絶縁基板1の下面(放熱体配置側面B)が同一平面になるように配置する」としていることも懸念点として挙げられる。
その理由は、絶縁基板1(プリント配線板Pw)に大きな反りが発生していた場合(図7に示した「反り部」参照)、金属片99の放熱体接続側露出面99Bが、金属片収容孔8の放熱体配置面側開口端の位置8Bから突出してしまう可能性があり、上記で説明したような、放熱体14との間の絶縁信頼性が確保できなくなるという危険性があるからである。
特許第5885630号公報
本発明は、上記の如き従来の問題と実状に鑑みてなされたものであり、放熱手段として、金属片収容孔に金属片を配置した場合においても、当該金属片が金属片収容孔の開口端から突出したり、あるいは寸足らずになったりすることがなく、さらに、当該金属片の挿入により絶縁基板にクラックが発生していないプリント配線板と、このような絶縁信頼性及び放熱性に優れたプリント配線板を得るための製造方法を提供することを課題としている。
本発明者は、上記の課題を解決すべく種々研究を重ねた結果、寸法精度の高いヘッダー工法で製造された金属片を用い、且つ、当該金属片を接着剤で固定すれば極めて良い結果が得られることを見い出し、本発明を完成した。
即ち、本発明は、電子部品からの発熱を、当該電子部品の直下に配置した金属片によって、当該電子部品実装側面と反対の面側に配置された放熱体へと伝熱させるプリント配線板の製造方法であって、少なくとも、絶縁基板に金属片収容孔を形成する工程と、当該金属片収容孔内に配置した際に、金属片の電子部品接続側露出面が、金属片収容孔の電子部品実装面側開口端の位置以下の位置となるとともに、当該金属片の放熱体接続側露出面が、金属片収容孔の放熱体配置面側開口端の位置よりも凹んだ位置となる長さの金属片をヘッダー工法で形成する工程と、当該金属片を金属片収容孔内に配置した際に、当該金属片の放熱体接続側露出面を、金属片収容孔の放熱体配置面側開口端よりも凹んだ位置に配置できる高さの突起部を有する冶具を用意する工程と、当該絶縁基板における放熱体配置側面に、金属片収容孔と突起部との位置を合わせた状態で当該冶具を配置する工程と、当該冶具の突起部を介して当該金属片を金属片収容孔内に挿入する工程と、当該金属片収容孔と金属片との隙間に接着剤を供給して、当該金属片を金属片収容孔内に固定配置する工程とを有することを特徴とするプリント配線板の製造方法により上記課題を解決したものである。
本発明によれば、金属片収容孔に配置する金属片として、加工精度の高い(即ち、寸法精度の高い)ヘッダー工法で加工された金属片を用いているため、当該金属片収容孔に金属片を配置した場合においても、当該金属片が金属片収容孔から突出したり、あるいは寸足らずになったりするといった問題が生じない。
しかも、当該金属片の固定方法として、金属片収容孔の内壁と金属片との間にできる隙間に、接着剤を流し込むという方法を採用したため、圧入方式の際に問題となっていたクラックが発生することもない。
本発明プリント配線板を用いたプリント回路基板の概略断面図。 (a)~(c)は、本発明プリント配線板の製造例を示す概略断面工程図。 (d)~(f)は、図2に続く概略断面工程図。 本発明プリント配線板における金属片の固定状態を示す概略平面図。 本発明プリント配線板における金属片収容孔の開口端の位置を示す概略断面図。 従来のプリント回路基板の概略断面図。 従来のプリント配線板において、絶縁基板に反り部が発生した例を示す要部概略断面図。
以下本発明プリント配線板の実施の形態を、図1を用いて説明する。尚、説明の便宜上、金属片収容孔に金属片を収容する前の段階のものを「絶縁基板」、収容後のものを「プリント配線板」として説明を進めて行く。
図1において、PWはプリント配線板でその絶縁基板1は、3層のコア絶縁層100と、当該3層のコア絶縁層100の境界面及び表裏面に形成された内層配線パターン2と、当該3層のコア絶縁層100の各面に形成されている内層配線パターン2を上下方向で接続するベリードホール4とからなるコア基板1aと、当該コア基板1aの表裏面に1層ずつ積層された層間絶縁層101と当該層間絶縁層101のそれぞれの外層側に形成された外層配線パターン3a、3bや実装パッド3cとからなるビルドアップ層1bと、当該コア基板1aと当該コア基板1aの表裏に積層されているビルドアップ層1bとを貫通し、且つ、当該コア基板1aとビルドアップ層1bに形成さている内層配線パターン2及び外層配線パターン3a、3bを上下方向で接続する貫通めっきスルーホール5と、当該外層配線パターン3bと当該外層配線パターン3bに隣接する内層配線パターン2とを接続するブラインドバイアホール6と、3層のコア絶縁層100と当該3層のコア絶縁層100の表裏面に積層されている層間絶縁層101とを貫通し、且つ、電子部品11が実装される直下の位置に形成された金属片収容孔8と、当該外層配線パターン3a、3bを保護するソルダーレジスト7とから構成されている。
斯かる絶縁基板1において、9は金属片で、ヘッダー工法で形成されており、その電子部品接続側露出面9Aが、電子部品実装面側開口端の位置8A以下の位置、より具体的には電子部品実装側面Aの外層配線パターン3aの外側面と同一面かそれより下の位置にあるとともに、その放熱体接続側露出面9Bが、放熱体配置面側開口端の位置8Bより凹んだ位置、より具体的には放熱体配置側面Bの層間絶縁層101の外側面よりも電子部品実装面側開口端の位置8A側に凹んだ位置にある状態で、当該金属片9と金属片収容孔8の内壁との隙間16に供給された接着剤10を介して当該金属片収容孔8内に固定配置され、プリント配線板PWが構成されている。
当該プリント配線板PWの一方の面に電子部品11が半田13を介して実装されているとともに、他方の面に放熱体14が熱伝導性接着剤15を介して配置されてプリント回路基板PCが構成されている。尚、図1中、符号12は電子部品11から引き出された端子で、実装パッド3cに半田を介して接続されている。
続いて、上記プリント配線板PWの製造方法を図2及び図3を用いて説明する。
まず、周知の方法により、3層のコア絶縁層100の境界面及び表裏面に内層配線パターン2を形成するとともに、各面に形成された内層配線パターン2を上下方向で接続するベリードホール4を形成することによって、コア基板1aを得る。
次いで、当該コア基板1aの表裏面に、層間絶縁層101と金属箔102とからなるビルドアップ層1bを積層することによって、図2(a)に示した6層構造の中間基板を得る。
コア絶縁層100としては、材料的には一般的に用いられるガラスクロスなどの補強繊維にエポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂を含浸させたものが利用でき、中央に配置される両面板を最初に形成する関係上、ある程度の厚みが必要(製造ラインに流せるだけの強度が必要)となることから、中央に配置するコア絶縁層100aを500~700μm、この上下に配置するコア絶縁層100bを200~300μmのものを用いるようにする。
内層配線パターンを形成するための金属箔においても、一般的な銅箔を用いることができ、その厚みとしては、中央に配置されるコア絶縁層100aに50~100μm、この上下に配置されるコア絶縁層100bに18~35μmのものを用いる。
ベリードホール4の形成方法としては、ドリルなどの孔明け加工により、切径φ0.25~0.35mmの貫通孔を穿孔し、デスミア処理後、当該貫通孔に対して、めっき厚25μm設定のめっき処理(例えば「銅めっき処理」)を行うことによって、形成することができる。
層間絶縁層101及び金属箔102としては、コア基板1aに用いるものと同じものが使用でき、その厚さは、例えば、層間絶縁層101が60~100μm、金属箔102が9~18μmである。
次に、図2(b)に示したように、ブラインドバイアホール6の形成予定部にレーザー(例えば「炭酸ガスレーザー」)を照射して、トップ側の切径がφ0.15~0.25mmの非貫通孔6aを穿孔するとともに、貫通めっきスルーホール5の形成予定部にドリル加工を行うことによって、切径がφ0.25~0.35mmの貫通孔5aを穿孔する。
なお、ドリルで貫通孔5aを穿孔する際に、例えば、切径がφ3.5~4.5mmの金属片収容孔8も一緒に穿孔する。
次に、デスミア処理で貫通孔5a、非貫通孔6a、金属片収容孔8の各孔内をクリーニングした後、ビアフィリング用のめっき浴を用いた電解めっき処理、ハイスロー浴を用いた電解めっき処理を順次行うことによって、各孔内を含む中間基板全体にめっき103(例えば、厚さが25μmの「銅めっき」)を析出させ(図2(c)参照)、次いで、周知のフォトエッチングプロセスにより、外層配線パターン3a、3bや実装パッド3cを形成した後、当該外層配線パターン3a、3bを保護するソルダーレジスト7を適宜形成することによって、図3(d)に示した絶縁基板1を得る。
次に、金属片収容孔8内に「金属片9」を配置する工程であるが、本発明においては、以下に示す条件を満たす必要がある。
即ち、金属片収容孔8に配置した際に、金属片9の電子部品接続側露出面9Aが、電子部品実装面側開口端の位置8A以下の位置、より具体的には電子部品実装側面Aの外層配線パターン3aの外側面と同一面かそれより下の位置にあるとともに、当該金属片9の放熱体接続側露出面9Bが、放熱体配置面側開口端の位置8Bよりも凹んだ位置、より具体的には放熱体配置側面Bの層間絶縁層101の外側面よりも電子部品実装面側開口端の位置8A側に凹んだ位置にある、という条件である。
当該金属片9を金属片収容孔8内に配置した際の電子部品接続側露出面9Aの位置に関しては、流動性のある半田により補うことができるため、多少の寸法誤差があってもそれほど問題にはならないが、電子部品11との半田接続性に影響が出ない範囲の深さ、例えば、電子部品実装面側開口端の位置8Aから0~400μmの深さとするのが望ましい。また、放熱体接続側露出面9Bの位置に関しては、放熱体との間の絶縁性を確保できる範囲の深さ、例えば、放熱体配置面側開口端の位置8Bから最低でも電子部品実装面側開口端の位置8A側に100μm凹んだ位置とするのが望ましく、他方、放熱性の観点からすると、所望とする放熱性を確保できる範囲の深さ、例えば、放熱体配置面側開口端の位置8Bからの深さを200μm以下に抑えるのが望ましい。換言すれば当該深さとしては、放熱体配置面側開口端の位置8Bから100~200μmとするのが望ましい。
本発明では、このような厳しい条件(寸法精度)を満たした金属片を安定供給するために、ヘッダー工法で形成した金属片9を用いる必要がある。
因みに、ヘッダー工法は、銅などの金属棒を必要な体積に合わせてカットし、これを型に押し込むことによって、所望とする形状及び寸法のものを製造する、という工法であるため、金型プレスで金属板を打ち抜くといった打ち抜き工法と比較して、型の磨耗が殆ど発生せず、寸法精度の高い金属片9を安定して供給することができる。
斯かる金属片9を上記の位置に配置するために、当該金属片収容孔8の放熱体配置面側開口端の位置8Bよりも凹んだ位置に配置できる高さの突起部17aを有する冶具17を用意した後、金属片収容孔8と突起部17aとの位置を合わせた状態で、当該治具17を絶縁基板1の放熱体配置側面Bに配置し、次いで、当該金属片9(ヘッダー工法形成金属片)を、当該冶具17の突起部17aを介して金属片収容孔8内に挿入する(図3(d)参照)。因みに、金属片9の挿入手段としては、一般的なチップマウンターなどが利用できる。
そして最後に、金属片収容孔8の内壁と金属片9との間にできる隙間16(例えば、当該金属片9が金属片収容孔8の中央に配置されたと仮定した場合にできる寸法は、片側で50~80μm程度)に接着剤10を供給して、当該金属片9を金属片収容孔8内に固定配置し(図3(e)、図4参照)、絶縁基板1の放熱体配置側面Bに配置されている治具17を外すことによって、図3(f)に示した本発明のプリント配線板PWを得る。
本発明において最も注目すべき点は、金属片収容孔8内に配置する金属片9として、寸法精度の高いヘッダー工法で製造したものを配置するようにした点にある。
これにより、金属片9が電子部品実装面側開口端の位置8Aや放熱体配置面側開口端の位置8Bから突出したり、あるいは、金属片収容孔8内に寸足らずの金属片9が配置されたりすることによって発生する諸問題(電子部品の実装不良や放熱性、絶縁信頼性の低下等)を解消することができる。
さらに、金属片9の固定方法として、金属片収容孔8の内壁と金属片9との間にできる隙間16に、接着剤10を供給するという手段を採用したことも、本発明の特徴の一つとして上げられる。
これにより、圧入方式で見られた金属片収容孔の内壁にクラックが入るという問題を解消することができる。
本発明を説明するに当たって、金属片9を固定するための接着剤10を、隙間16の2箇所に供給する例(図4参照)を示したが、絶縁基板1の放熱体配置面B側に流出せずに固定できれば、これ以上の箇所(全周も含む)に接着剤を供給しても特に問題はない。
また、金属片収容孔8の例として、内壁にめっき103が形成されていない構成を用いて説明したが、当該めっき103を形成することも勿論可能である。
ただし、めっき103の厚みバラツキが大きい場合、当該金属片9がめっき103の突出部に引っ掛かり、挿入ミスなどが発生する可能性があるため、当該めっき103を形成しない構成とするのが望ましいといえる。
1:絶縁基板
1a:コア基板
1b:ビルドアップ層
2:内層配線パターン
3a、3b:外層配線パターン
3c:実装パッド
4:ベリードホール
5:貫通めっきスルーホール
5a:貫通孔
6:ブラインドバイアホール
6a:非貫通孔
7:ソルダーレジスト
8:金属片収容孔
8A:電子部品実装面側開口端の位置
8B:放熱体配置面側開口端の位置
9、99:金属片
9A、99A:電子部品接続側露出面
9B、99B:放熱体接続側露出面
99a:凹部
99b:凸部
10:接着剤
11:電子部品
12:端子
13:半田
14:放熱体
15:熱伝導性接着剤
16:隙間
100:コア絶縁層
101:層間絶縁層
102:金属箔
103:めっき
A:電子部品実装側面
B:放熱体配置側面
PW、Pw:プリント配線板
PC、Pc:プリント回路基板

Claims (2)

  1. 電子部品からの発熱を、当該電子部品の直下に配置した金属片によって、当該電子部品実装側面と反対の面側に配置された放熱体へと伝熱させるプリント配線板の製造方法であって、少なくとも、絶縁基板に金属片収容孔を形成する工程と、当該金属片収容孔内に配置した際に、金属片の電子部品接続側露出面が、金属片収容孔の電子部品実装面側開口端の位置以下の位置となるとともに、当該金属片の放熱体接続側露出面が、金属片収容孔の放熱体配置面側開口端の位置よりも凹んだ位置となる長さの金属片をヘッダー工法で形成する工程と、当該金属片を金属片収容孔内に配置した際に、当該金属片の放熱体接続側露出面を、金属片収容孔の放熱体配置面側開口端の位置よりも凹んだ位置に配置できる高さの突起部を有する冶具を用意する工程と、当該絶縁基板における放熱体配置側面に、金属片収容孔と突起部との位置を合わせた状態で当該冶具を配置する工程と、当該冶具の突起部を介して当該金属片を金属片収容孔内に挿入する工程と、当該金属片収容孔と金属片との隙間に接着剤を供給して、当該金属片を金属片収容孔内に固定配置する工程とを有することを特徴とするプリント配線板の製造方法。
  2. 当該金属片収容孔の電子部品実装面側開口端の位置以下の位置が、電子部品との半田接続性に影響が出ない範囲の深さであるとともに、当該金属片収容孔の放熱体配置面側開口端の位置よりも凹んだ位置が、放熱体との間の絶縁性及び所望とする放熱性を確保できる範囲の深さであることを特徴とする請求項1に記載のプリント配線板の製造方法。
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