JP2015220343A - 検出装置、リソグラフィ装置、および物品の製造方法 - Google Patents

検出装置、リソグラフィ装置、および物品の製造方法 Download PDF

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孝一 千徳
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敏彦 西田
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Abstract

【課題】計測精度の向上に有利な検出装置を提供する。
【解決手段】この検出装置は、周期構造を有するマーク2を検出するものであり、マーク2に光を照射する照明光学系と、照明光学系とマーク2との相対位置を計測方向に変化させているときにマーク2からの回折光を受光する受光光学系11と、受光光学系11からの回折光を検出する受光素子16とを有する。ここで、計測方向における受光光学系11の開口数は、マーク2が形成されている面内の非計測方向における受光光学系の開口数よりも大きい。
【選択図】図2

Description

本発明は、検出装置、リソグラフィ装置、および物品の製造方法に関する。
半導体デバイスや液晶表示デバイスなどの製造工程に含まれるリソグラフィ工程において、露光装置が用いられる。露光装置は、原版(レチクルなど)に形成されているパターンを、投影光学系などを介して基板(表面にレジスト層が形成されたウエハやガラスプレートなど)に転写する装置である。このような露光装置は、その内部に設置されているアライメント計測系(検出装置)を用いて、基板上に存在するパターン形成領域と原版に形成されているパターンの位置を位置合わせした後に露光を行う。例えば、半導体露光装置でのアライメント計測では、ウエハ上に形成されているマーク(アライメントマーク)に照明光を照射し、当該マークからの光を光電変換素子にて検出する方式が採用される。しかしながら、この計測方式では、検出されたマークの光学像の形状が歪んでいたり、または光電変換素子が出力した信号波形である計測信号(アライメント信号)のコントラストが低下したりしていると、高精度な計測ができない場合がある。そこで、特許文献1は、マークをドット状に配置して回折光を発生させ、ドットパターン形成領域で発生する計測光の光量を制御することにより、マークの光学像の結象性能を向上させる半導体装置を開示している。特許文献2は、TTL方式のアライメント計測系を採用し、特許文献1と同様にマークから発生した回折光を光路中に設置された光学フィルターの範囲外に光を通すことにより、マークの光学像の結象性能を向上させる投影露光装置を開示している。これに対して、特許文献3は、ウエハ上に露光された回路パターンとマークとのエッチングレートまたはCMPの研磨量を揃えるための条件を満たしつつ所望の計測精度を得るよう、マークをセグメント化している半導体装置を開示している。
特開2001−44105号公報 特許第3448673号公報 特開2011−9259号公報
ここで、特許文献1および2に開示されている技術を踏まえ、特許文献3で検討されているエッチングレートまたはCMPの研磨量を揃えることを考える。上記の技術でエッチングレート等を揃えようとすると、ウエハ上のマーク(パターン)が形成されている領域と形成されていない領域との段差が、CMPプロセス等を経ることにより低くなる。このように段差が低くなると、2つの領域から得られる計測光の光量差が小さくなるので、上記技術を採用したとしても、計測信号のコントラストの低下を招き得る。また、マークの段差量とそのマーク上に塗布されるレジストの厚さとの関係によっては、レジスト表面で発生する反射光とマークで発生する反射光との干渉により反射光の強度が低下する場合があるので、この場合にも計測信号のコントラストの低下を招き得る。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、例えば、計測精度の向上に有利な検出装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、周期構造を有するマークを検出する検出装置であって、マークに光を照射する照明光学系と、照明光学系とマークとの相対位置を計測方向に変化させているときにマークからの回折光を受光する受光光学系と、受光光学系からの回折光を検出する受光素子と、を有し、計測方向における受光光学系の開口数は、マークが形成されている面内の非計測方向における受光光学系の開口数よりも大きい、ことを特徴とする。
本発明によれば、例えば、計測精度の向上に有利な検出装置を提供することができる。
第1実施形態に係る検出装置を含む露光装置の構成を示す図である。 第1実施形態に係る検出装置の構成を示す図である。 ウエハアライメントマークの形状を示す図である。 図3(a)のアライメントマークの平面および断面の形状を示す図である。 第1実施形態における結像光学系内の開口絞りの形状を示す図である。 第1実施形態における結像光学系内での計測光の光路を示す図である。 アライメント計測信号の波形を示すグラフである。 レチクルアライメントマークの形状を示す図である。 第1実施形態に係る他の検出装置の構成を示す図である。 第3実施形態に係る検出装置の構成を示す図である。 第3実施形態における受光光学系内での計測光の光路を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態について図面などを参照して説明する。
(第1実施形態)
まず、本発明の第1実施形態に係る検出装置と、この検出装置を備える露光装置について説明する。図1は、本実施形態に係る露光装置100の構成を示す概略図である。露光装置100は、例えば、半導体デバイスの製造工程におけるリソグラフィ工程で使用されるものであり、ステップ・アンド・リピート方式にて、レチクルRに形成されているパターンの像をウエハW上(基板上)に露光(転写)する投影型露光装置である。なお、図1では、投影光学系111の光軸に平行にZ軸を取り、Z軸に垂直な同一平面内で露光時のウエハWの走査方向(レチクルRとウエハWとの相対的な移動方向)にX軸を取り、X軸に直交する非走査方向にY軸を取っている。露光装置100は、照明系101と、レチクルステージ110と、投影光学系111と、ウエハステージ104と、アライメント計測系105と、制御部102とを備える。
照明系101は、不図示の光源(レーザー光源)から出射された光を調整してレチクルRを照明する。レチクルRは、ウエハW上に転写されるべきパターン(例えば回路パターン)が形成された、例えば石英ガラス製の原版である。レチクルステージ110は、レチクルRを保持してX、Yの各軸方向に可動である。投影光学系111は、レチクルRを通過した光を所定の倍率(例えば1/2倍)でウエハW上に投影する。ウエハWは、表面上にレジスト(感光剤)が塗布された、例えば単結晶シリコンからなる基板である。ウエハステージ104は、ウエハチャック3を介してウエハWを保持し、X、Y、Z(それぞれの回転方向であるωx、ωy、ωzを含む場合もある)の各軸方向に可動である。
図2は、アライメント計測系105の構成を示す概略図である。アライメント計測系105は、本実施形態でいう検出装置であり、ウエハステージ104上に保持された状態のウエハW上(物体上)に形成されているマーク(ウエハアライメントマーク)2の位置を計測する。なお、マーク2の形状については、以下で詳説する。また、マーク2は、X軸方向計測用とY軸方向計測用との2種類が存在する。そして、アライメント計測系105も、X軸方向計測用のマーク2を計測(検出)する系とY軸方向計測用のマーク2を計測(検出)する系との2つの計測系(検出系)と、それぞれに対応する検出器16とを有する。なお、これら2つの計測系による計測原理は、基本的に同一である。そこで、説明の簡単化のために、以下、X軸方向計測用のマーク2とそれを計測する計測系とについて説明するものとする。
アライメント計測系105は、照明光学系5と、結像光学系(受光光学系)11と、検出器16とを有し、結像光学系11の一部は、照明光学系5も兼ねる。照明光学系5は、例えば、シリンドリカルレンズを含み、アライメント計測用の照明光として光源4から出射された光をPBS(偏光ビームスプリッタ)17およびλ/4板18を介してウエハW上のマーク2に照射(照明)する。結像光学系11は、対物レンズ7、λ/4板18、PBS17、リレーレンズ8、視野絞り12、エレクターレンズ9および開口絞り13を含む。そして、結像光学系11は、照明光学系5による照明光の照射により発生したマーク2の光学像(反射光、回折光または散乱光を含む計測光)を検出器16の検出面に所定の倍率(例えば100倍)で結像させる。ここで、検出器(受光素子)16は、CCDセンサまたはフォトダイオード等の光電変換素子(光電変換器)である。なお、開口絞り13の形状については、以下で詳説する。アライメント計測系105は、X軸方向計測用のマーク2との相対位置をX軸方向に変化させつつ(例えばアライメント計測系105に対してウエハステージ104を走査させつつ)、計測光を計測(検出器16が検出)する。検出器16は、得られた計測信号(アライメント信号)を信号処理部106に出力する。
制御部102は、主制御部107と、信号処理部106とを含む。主制御部107は、例えばコンピューターなどで構成され、露光装置100の各構成要素に回線を介して接続されて、プログラムなどに従って各構成要素の動作を統括し得る。信号処理部106は、アライメント計測系105の検出器16から得られた計測信号に基づいてマーク2の位置を求め、その結果を主制御部107に送信する。主制御部107は、信号処理部106から得られた位置結果をウエハステージ104の制御用データとし、露光時のウエハステージ104の動作を制御する。なお、制御部102は、露光装置100の他の部分と一体で(共通の筐体内に)構成してもよいし、露光装置100の他の部分とは別体で(別の筐体内に)構成してもよい。また、信号処理部106は、アライメント計測系105の構成要素として制御部102とは別体で構成されつつ、制御部102に回線を介して接続されるものであってもよい。
次に、マーク2の形状について説明する。以下、X軸方向計測用のマーク2について説明するが、Y軸方向計測用も同様である。図3は、マーク2の形状を示す斜視図である。このうち、図3(a)は、ライン・アンド・スペース状の複数(本実施形態では4本)のパターンで構成される、第1の例としての周期構造を有するマーク2の形状を示す図である。図中黒塗りで示されるパターンは、X軸方向にピッチP1で周期的にウエハW上の一部に並列に形成されている。照明光学系5を用いてマーク2上に照明される照明光の形状(照射領域)は、図3(a)に示す照明光20のように、X軸方向については短軸、Y軸方向については長軸となる楕円状となる。
図4は、図3(a)に示すマーク2の形状を平面と断面とで示す図である。図4(a)に示すように、1つのパターンの寸法は、例えば、計測方向であるX軸方向に幅a=4μmで、非計測方向であるY軸方向に長さb=30μmの矩形マークであり、4本のパターンは、X軸方向にピッチP1=20μmで並んでいる。また、パターンの断面形状は、図4(b)に示すように、それぞれエッチングで形成される凹形である。なお、実際には露光前にマーク2上にレジストが塗布されるが、不図示としている。
図3(b)は、図3(a)に示すような1本のパターンをさらにセグメント化した複数のパターンで構成される、第2の例としての周期構造を有するマーク2の形状を示す図である。図中黒塗りで示されるパターンは、X軸方向に第1のピッチP1で、かつY軸方向に第2のピッチ(セグメントピッチ)P2で周期的にウエハW上の一部に並列に形成されている。この場合、パターンを構成するY軸方向にセグメント化された1つの領域(黒塗り領域)におけるY軸方向の線幅は、X軸方向の最小線幅の3倍以下とすることが望ましい。そして、照明光学系5を用いてマーク2上に照明される照明光の形状は、図3(b)に示す照明光20のように楕円である。具体的には、照明光20のX軸方向の寸法は、照明光20を受光したときに、マーク2で回折光がXZ面を含むX軸方向には発生せず、反射光のみが発生するように、ピッチP1よりも小さく設定されている。一方、照明光20のY軸方向の寸法は、照明光20を受光したときに、マーク2でY軸方向に回折光が発生するように、複数の黒塗り領域を照射し得る大きさとする。以下、便宜上、図3(b)に示す第2の例を「セグメント化されたマーク2」と表現するのに対して、図3(a)に示す第1の例を「セグメント化されていないマーク2」と表現する。
次に、開口絞り13の形状について説明する。図5は、検出器16側から見た開口絞り13の平面形状を示す図である。また、図6は、図3(b)に示すセグメント化されたマーク2で発生する反射光と回折光との主光線を示した結像光学系11内での計測光の光路を示す概略図である。このうち、図6(a)は、結像光学系11を計測方向であるX軸方向から見た図であり、図6(b)は、結像光学系11を非計測方向であるY軸方向から見た図である。なお、マーク2のエッジ部で発生する散乱光は、微量のため無視している。
まず、図6(a)に示すように、対物レンズ7のNA(開口数)の範囲内で照明された照明光20を受けてマーク2で反射する計測光21は、同じく対物レンズ7のNAの範囲内で取り込まれ、結像光学系11を経て検出器16へと向かう。その上で、開口絞り13が有する開口の形状は、図5に示すように、XZ面方向にマーク2で発生した正反射光からなる第1計測光21が開口を通過して検出器16に向かい得るように規定される。
一方、図6(b)に示すように、照明光20を受けてYZ面を含むY軸方向にマーク2で発生する第2計測光は、2種類に分かれる。1つ目は、対物レンズ7のNAの範囲外に進む第2A計測光22である。2つ目は、対物レンズ7のNAの範囲内に入る第2B計測光23であるが、この第2B計測光23は、さらに、開口絞り13で遮蔽される第2B計測光24と、開口絞り13の開口を通過して検出器16に入射する第2B計測光25とに分かれる。本実施形態では、このようにマーク2のY軸方向に発生する計測光である第2B計測光の一部を遮蔽させるために、結像光学系11のNAは、Y軸方向の方がX軸方向の方よりも小さくなるように規定される。具体的には、開口絞り13が有する開口の形状を、図5に示すような楕円状とし、開口幅は、X軸方向よりもY軸方向の方(D2)が狭いものとする。
ここで、比較のために、図3(a)に示すようなセグメント化されていないマーク2を従来のアライメント計測系で計測する場合について説明する。図3(a)を参照すると、マーク2上に照明光20が照射されている状態でマーク2がX軸方向に走査すると、検出器16は、黒塗りの部分であるパターンからの計測光と、パターン以外の領域からの計測光とを交互に計測する。図7は、図4に示すマーク2の形状に対応した、マーク2の光学像を従来のアライメント計測系が計測して得られた計測信号の波形を示すグラフである。ここで、マーク2のパターンが上記のとおり凹部で構成され、かつウエハW上(マーク2上)にはレジストが塗布されているものとする。このとき、レジストの表面反射光とマーク2の表面反射光とが干渉し、レジストの厚さ、または凹部とパターン以外の領域との段差量によっては、凹部からの計測光の光量と、パターン以外の領域からの計測光の光量が同等となる。その結果、検出器が出力する計測信号のコントラスト(周期的に繰り返されるパターンとパターン以外の領域とからの信号強度間のコントラスト)が低下し、アライメント計測系は、計測信号を精度良く得ることができない場合がある。
そこで、本実施形態では、アライメント計測系105は、上記のような開口絞り13を有するものとする。さらに望ましくは、ウエハW上には、アライメント計測を実施する前に、予め図5に示すようなセグメント化されたマーク2が形成されているものとする。
次に、マーク2でX軸方向およびY軸方向に発生し得る複数の次数の回折光と、対物レンズ7のNAとの関係から、開口絞り13の形状とその作用について説明する。マーク2で発生し得る回折光の回折角をθ、回折次数(整数)をm、照明光20の波長をλ、マーク2のピッチをPとすると、式(1)が成り立つ。
sinθ=m×λ/P (1)
以下、対物レンズ7のNAが0.4、マーク2のピッチP2が1.59μm、マーク2のピッチP1が10.0μm、照明光20の波長λが0.632μmであると想定する。
まず、非計測方向であるY軸方向に発生し得る回折光の回折角θ1は、照明光20が垂直入射の場合、式(1)より、式(2)が成り立つ。
sinθ1=m×0.632/1.59 (2)
式(2)より、±1次の回折光においては、回折角が±23.4度となり、対物レンズ7には、正反射光および±1次の回折光のみが入射することになる。また、照明光20の中で、Full NAの角度(図6(b)で見ると、対物レンズ7の光出射面の左斜め上からの照明光)で照明された照明光に対して、正反射光および+1次の回折光は、対物レンズ7の計測NA内に入る。一方、−1次の回折光は、対物レンズ7の計測NAの範囲外に進み、検出器16には向かわない。なお、回折光の符号は、正反射光に対して反時計回りの方向に発生する回折光の次数をプラスとしている。
一方、計測方向であるX軸方向に発生する回折光の回折角θ2は、上記と同様に、照明光20が垂直入射の場合、式(1)より、式(3)が成り立つ。
sinθ2=m×0.632/10.0 (3)
式(3)より、対物レンズ7は、X軸方向に発生した±6次程度の回折光まで取り込むことができる。
ここで、上記のような寸法であるマーク2に対して、φD1の径を有する対物レンズ7の射出瞳14が、開口絞り13の位置に結像倍率βで結像されるものとする。この場合、開口絞り13の開口のY軸方向の幅D2(図5参照)を、式(4)に示す条件を満たすように設定すれば、開口絞り13は、Y軸方向に発生する計測光の一部を好適に遮蔽することができる。
D2<D1×β (4)
これにより、マーク2のパターン(凹部)で発生した後に検出器16に入射する計測光の光量は、パターン以外の領域で発生したものの計測光の光量よりも減少する。したがって、アライメント計測系105は、従来のアライメント計測系に比べてコントラスト値が高い計測信号を得るので、計測精度を向上させることができる。
なお、第2の例のマーク2の非計測方向についての光学像は、開口絞り13による計測NAの低下により、セグメントピッチに対する解像性能が解像限界以下となる。したがって、検出器16は、セグメント化されている個々のパターンを判別できず、通常、光量が一様な光学像としてマーク2を計測する。また、アライメント計測系105は、計測方向の計測NAの大きさは、上記のように、開口絞り13による回折光の遮蔽がないようにFull NAの状態に設定されている。したがって、検出器16は、マーク2の光学像における濃淡部分の境界においても、その強度分布の立ち上がりがシャープな光学像を得ることができる。
また、上記説明では、検出装置として、ウエハW上のマーク(ウエハアライメントマーク)2を計測するアライメント計測系105を例示した。しかしながら、本発明は、これに限定されず、例えば、EUV露光装置に採用され得る反射型レチクルに予め形成されているマーク(レチクルアライメントマーク)を計測するレチクルアライメント計測系にも適用し得る。ここで、EUV露光装置とは、波長5〜15nmの軟X線領域の光(EUV(Extreme Ultra Violet)光)を露光光として用いる露光装置であり、最小線幅を100nmとし得る。なお、ここでいうレチクルアライメント計測系の構成は、第1実施形態に係るアライメント計測系105と基本的に同一であるので、以下、同一構成には同一の符号を付す。
図8は、反射型レチクル上に形成されているマーク60の形状と、マーク60における入射光および回折光の進行方向とを示す斜視図である。このうち、図8(a)は、第1実施形態における図3(a)に示すマーク2と同一形状である、第1の例としてのセグメント化されていないマークを示している。一方、図8(b)は、第1実施形態における図3(b)に示すマーク2と同一形状である、第2の例としてのセグメント化されているマークを示している。マーク60において、図中黒塗りで示されるパターンは、例えば、Cr(クロム)で描画されたものである。また、図8では、マーク60の全体に一様に照明光が照射されており、説明の簡単化のために、Cr領域(パターン)と非Cr領域(パターン以外の領域)とに照射される光の代表的なものとしての入射光45を示している。
ここで、図8(a)に示す第1の例のマーク60では、計測光の波長に対するCr領域における反射率(入射光45に対する回折光46の光量比)が40%で、Cr領域以外における反射率(入射光45に対する回折光47の光量比)が50%であるとする。これに対して、図8(b)に示す第2の例のマーク60では、入射光45に対して発生する回折光は、ZX面上に発生する回折光48だけではなく、YZ面上にも発生する回折光49、50となる。回折光49、50は、その回折角が対物レンズ7の開口角よりも大きくなるようにY軸方向のピッチP2が設定されているため、検出器16に入射することはない。したがって、マーク60の形状を第2の例のようにすると、第1の例の場合に比べて、Cr領域で発生し、かつ検出器16に入射する回折光の総光量が減少するので、検出器16上でのCr領域と非Cr領域との信号コントラストがより向上する。
以上のように、本実施形態によれば、計測精度の向上に有利な検出装置を提供することができる。また、本実施形態に係る検出装置を用いた露光装置(リソグラフィ装置)によれば、アライメント計測をより高精度に行うことができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係る検出装置について説明する。第1実施形態に係る検出装置であるアライメント計測系105は、非計測方向のNAを計測方向の方よりも小さくするように、楕円形の開口を有する開口絞り13を用いて、マーク2で非計測方向に発生した回折光が検出器16に入射しないようにする。これに対して、本実施形態に係る検出装置であるアライメント計測系の特徴は、結像光学系を構成する光学素子(レンズ)の外形形状を変えることで、非計測方向の結像光学系のNAを計測方向の方よりも小さくする。
図9は、図3(b)に示すセグメント化されたマーク2で発生する反射光と回折光との主光線を示した、本実施形態に係る検出装置としてのアライメント計測系に含まれる結像光学系61の構成を示す概略図である。このうち、図9(a)は、結像光学系61を計測方向であるX軸方向から見た図であり、図9(b)は、結像光学系61を非計測方向であるY軸方向から見た図である。なお、結像光学系61の各構成要素について、第1実施形態に係るアライメント計測系105の結像光学系11の構成要素と同一のものには同一の符号を付し、説明を省略する。また、本実施形態に係るアライメント計測系の照明光学系は、不図示であるが、第1実施形態に係るアライメント計測系105の照明光学系5と同一であるものとする。
結像光学系61では、まず、第1実施形態における開口絞り13に対応する開口絞り62の開口形状は、円である。次に、開口絞り62の近傍に配置される第1実施形態におけるエレクターレンズ9に対応するエレクターレンズ63の前群レンズの形状は、非計測方向についての回折光が検出器16に入射しないよう、光軸を基準として両端をX軸方向に平行に切り欠いたものとする。アライメント計測系をこのような構成とした本実施形態によっても、第1実施形態と同様の効果を奏する。なお、非計測方向の結像光学系のNAを計測方向の方よりも小さくするための光学素子は、このような切り欠きを有するエレクターレンズ63に限らず、例えば、シリンドリカルレンズまたはトーリックレンズとして、NAを調整するものとしてもよい。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態に係る検出装置について説明する。第1実施形態に係る検出装置であるアライメント計測系105は、結像光学系11を含むことからも明らかなように、マーク2の光学像を検出器16が検出する構成を有する。これに対して、本実施形態に係るアライメント計測系の特徴は、結像光学系を含まず、マーク2からの光量のみを検出器44が検出する受光光学系を有するものとして、上記の各実施形態の技術を適用する点にある。
図10は、本実施形態に係る検出装置としてのアライメント計測系205の構成を示す概略図である。アライメント計測系205は、上記の各実施形態と同様に、例えば露光装置100に、アライメント計測系105に換えて設置され得る。なお、ウエハW(不図示)上に形成されているマーク2の形状は、第1実施形態における図3(b)に示すセグメント化されたものとし、第1実施形態と同様に、以下、X軸方向計測用のマーク2と、それを計測する計測系とについて説明するものとする。
アライメント計測系205は、互いに波長が異なる複数の光源(例えばLDまたはLED)28、29、30および光源28、29、30ごとに配置される複数のコリメーターレンズ31、32、33と、複数の光学素子と、検出器44とを備える。なお、複数の光源は、複数のLDまたはLEDからなる多波長光源ではなく、単一波長からなる1個のLDまたはLEDで構成されていてもよい。まず、すべての光源28、29、30を同時または1つもしくは2つの光源を選択して発光させることで出射した光は、各コリメーターレンズ31、32、33で平行光となる。ダイクロイックプリズム34は、各平行光を同一光軸上に揃え、コリメーターレンズ付きのファイバー35に入射させる。ファイバー35を出射した発散光は、コリメーターレンズ36、シリンドリカルレンズ37、PBS38、λ/4板39および開口絞り40を順に通過し、対物レンズ41で集光された後、マーク2に照射される。このとき、マーク2上に照射される照射光の形状は、第1実施形態において説明したのと同様に、X軸方向については短軸、Y軸方向については長軸となる楕円状となる。コリメーターレンズ36、シリンドリカルレンズ37および対物レンズ41の組み合わせにより、X軸方向には、ウエハWに対してクリティカル照明となって集光光が照射され、Y軸方向には、ウエハWに対してケーラー照明となって平行光が照射される。そして、マーク2で反射光および回折光は、計測光として、対物レンズ41、開口絞り40、λ/4板39、PBS38およびシリンドリカルレンズ43を順に通過して、検出器(光電変換素子)44で計測される。
次に、アライメント計測系205における開口絞り40の形状について具体的に説明する。図11は、図3(b)に示すセグメント化されたマーク2で発生する反射光と回折光との主光線を示した受光光学系内での計測光の光路を示す概略図である。このうち、図11(a)は、受光光学系を計測方向であるX軸方向から見た図であり、図11(b)は、受光光学系を非計測方向であるY軸方向から見た図である。
まず、図11(a)では、平行光がPBS38に入射した後、反射面で90度進行方向が変わり、対物レンズ41で集光されてマーク2にクリティカル照明されている状態を示している。集光後の照明光の寸法は、X軸方向に回折光が発生しないように、マーク2のピッチP1より小さくなるように設定される。そして、マーク2をX軸方向に走査させたときには、集光して照明した領域から得られる反射光のみが対物レンズ41の計測NAの範囲に入り、その計測光が再び、開口絞り40、λ/4板39、PBS38を透過し、検出器44へと向かう。
一方、図11(b)では、平行光で垂直落斜した光が、Y軸方向にセグメント化されているマーク2で反射光および回折光が発生している状態を示している。コリメーターレンズ36で平行光となった光は、ウエハWに対してケーラー照明となるように配置されたシリンドリカルレンズ37および対物レンズ41を通過し、Y軸方向にブロードとなる平行光がマーク2に照射される。ここで、マーク2にスポット光を照射せず、Y軸方向に広範囲なブロード光を照射して計測光を計測する理由は、以下のとおりである。すなわち、マーク2に局所的な欠陥があり、その部分から得られる計測光にWIS(Wafer Induced Shift)エラーが発生しているとしても、平均化効果によりWISエラーの影響が軽減されるからである。そして、特に本実施形態では、対物レンズ41とλ/4板39との間に開口絞り40が配置され、かつ、開口絞り40が有する開口の形状を楕円状とし、開口幅は、X軸方向よりもY軸方向の方が狭い。したがって、Y軸方向のプラス側とマイナス側とに発生する±1次の回折光は、開口絞り40にて遮蔽され、反射光のみが検出器44で計測される。
このように、マーク2のパターン(凹部)とパターン以外の領域とからそれぞれ得られる計測光の光量が同等の場合には、パターンで発生する計測光の一部は、回折光となる。そして、その回折光は、開口絞り40で遮蔽されるので、パターンで発生する計測光の光量は、パターン以外の領域で発生する計測光の光量よりも少なくなる。その結果、上記の各実施形態と同様に、計測光のコントラストが向上し、計測精度が向上に有利となる。
なお、上記各実施形態では、リソグラフィ装置として露光装置の例を説明したが、リソグラフィ装置は、それに限らず、他のリソグラフィ装置であってもよい。例えば、電子線のような荷電粒子線で基板(上の感光剤)に描画を行う描画装置であってもよく、または基板上のインプリント材を型(モールド)で成形(成型)して基板上にパターンを形成するインプリント装置等であってもよい。
(物品の製造方法)
一実施形態に係る物品の製造方法は、例えば、半導体デバイスなどのマイクロデバイスや微細構造を有する素子などの物品を製造するのに好適である。当該製造方法は、物体(例えば、感光剤を表面に有する基板)上に上記のリソグラフィ装置を用いてパターン(例えば潜像パターン)を形成する工程と、該工程でパターンを形成された物体を処理する工程(例えば、現像工程)とを含み得る。さらに、該製造方法は、他の周知の工程(酸化、成膜、蒸着、ドーピング、平坦化、エッチング、レジスト剥離、ダイシング、ボンディング、パッケージングなど)を含み得る。本実施形態の物品の製造方法は、従来の方法に比べて、物品の性能・品質・生産性・生産コストの少なくとも1つにおいて有利である。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、これらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形または変更が可能である。
5 照明光学系
11 結像光学系
16 検出器
105 アライメント計測系

Claims (8)

  1. 周期構造を有するマークを検出する検出装置であって、
    前記マークに光を照射する照明光学系と、
    前記照明光学系と前記マークとの相対位置を計測方向に変化させているときに前記マークからの回折光を受光する受光光学系と、
    前記受光光学系からの前記回折光を検出する受光素子と、を有し、
    前記計測方向における前記受光光学系の開口数は、前記マークが形成されている面内の非計測方向における前記受光光学系の開口数よりも大きい、
    ことを特徴とする検出装置。
  2. 前記受光光学系は、開口絞りを有し、
    前記開口絞りの開口の寸法は、前記非計測方向の方が前記計測方向の方よりも小さい、
    ことを特徴とする請求項1に記載の検出装置。
  3. 前記受光光学系は、光学素子を有し、
    前記光学素子の外形の寸法は、前記受光光学系の前記非計測方向の開口数が前記計測方向の開口数よりも小さくなるように、前記計測方向と前記非計測方向とで異なる、
    ことを特徴とする請求項1に記載の検出装置。
  4. 前記マークは、ライン・アンド・スペース状に形成されるパターンを含み、
    前記パターンは、前記計測方向に第1のピッチで並列し、かつ、前記非計測方向に第2のピッチでセグメント化されている、
    ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の検出装置。
  5. 前記パターンを構成する前記非計測方向にセグメント化された1つの領域における前記非計測方向の線幅は、前記計測方向の最小線幅の3倍以下であることを特徴とする請求項4に記載の検出装置。
  6. 前記マークに照射される前記光の前記計測方向における照射領域は、前記第1のピッチよりも小さく、かつ、
    前記マークに照射される前記光の前記非計測方向における照射領域は、前記マークで前記非計測方向に回折光が発生するように、複数の前記領域を照射する大きさである、
    ことを特徴とする請求項5に記載の検出装置。
  7. パターンを基板に形成するリソグラフィ装置であって、
    前記基板に形成された前記周期構造を有するマークを検出する請求項1ないし6のいずれか1項に記載の検出装置を有する、
    ことを特徴とするリソグラフィ装置。
  8. 請求項7に記載のリソグラフィ装置を用いてパターンを基板に形成する工程と、
    前記工程で前記パターンを形成された基板を処理する工程と、
    を含むことを特徴とする物品の製造方法。
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