JP2015220180A - 接点装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】アークを迅速に消弧することができる接点装置を提供する。【解決手段】接点装置1は、固定接点2と、可動接点3と、磁界を発生させる磁石5と、電気的な絶縁性を有する絶縁体を具備する消弧構造体4とを備える。可動接点3は、固定接点2に接触する閉位置と、固定接点2から離れる開位置との間の可動領域71内を移動する。また、可動領域71における磁界の方向(前方向)と可動接点3が移動する方向(上下方向)との両方向に交差する方向を作用方向(左右方向)とした場合、消弧構造体4は、可動領域71に対して作用方向(左右方向)のうち少なくとも一方側(右側)に設けられる。【選択図】図1
Description
本発明は、一般に接点装置、より詳細には固定接点と可動接点とを備える接点装置に関する。
従来、固定接点と、固定接点に接触する閉位置と固定接点から離れる開位置との間で移動する可動接点とを備える接点装置がある。この種の接点装置として、接点の開極時に発生するアークを消弧するために磁石を備えた接点装置が提供されている(例えば特許文献1参照)。磁石が発生する磁界によって、アークにローレンツ力が作用し、アークを引き伸ばすことでアークを消弧する。
しかし、アークを磁界によって引き伸ばすのみでは、アークの消弧に時間を要する可能性があった。
本発明は、上記事由に鑑みてなされており、その目的は、アークを迅速に消弧することができる接点装置を提供することにある。
本発明の接点装置は、固定接点と、前記固定接点に接触する閉位置と前記固定接点から離れる開位置との間の可動領域内を移動する可動接点と、磁界を発生させる磁石と、電気的な絶縁性を有する絶縁体を具備する消弧構造体とを備え、前記可動領域における前記磁界の方向と前記可動接点が移動する方向との両方向に交差する方向を作用方向とし、前記消弧構造体は、前記可動領域に対して前記作用方向のうち少なくとも一方側に設けられることを特徴とする。
この接点装置において、前記消弧構造体は、板状であることが好ましい。
この接点装置において、前記消弧構造体は、前記可動領域に対して前記作用方向のうち前記一方側の空間における前記磁界の方向を軸方向とする棒状であることが好ましい。
この接点装置において、前記可動領域と対向する面に開口を有し、前記可動領域に対して前記作用方向のうち前記一方側の空間を囲む消弧枠を備え、前記消弧構造体は、前記消弧枠の内部に設けられることが好ましい。
この接点装置において、前記消弧構造体と前記消弧枠とが一体であることが好ましい。
この接点装置において、前記消弧枠は、孔を有することが好ましい。
この接点装置において、前記消弧構造体を複数個備えることが好ましい。
この接点装置において、前記消弧構造体は、前記絶縁体のみで構成されることが好ましい。
この接点装置において、前記消弧構造体は、互いに異なる材料からなる複数の層が積層された積層体で構成されることが好ましい。
この接点装置において、前記消弧構造体における前記可動領域側の端部に設けられ、前記消弧構造体よりも耐熱性が高い耐熱部材を備えることが好ましい。
この接点装置において、隙間を空けて並ぶ複数の金属板を有するグリッドを備え、前記グリッドは、前記可動領域に対して前記作用方向のうち前記一方側において、前記消弧構造体の前記可動領域側の端部よりも前記一方側に設けられることが好ましい。
以上説明したように、本発明では、アークが消弧構造体を避けて迂回するように引き伸ばされるので、アークを迅速に消弧することができるという効果がある。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
(実施形態1)
本実施形態の接点装置1における外観斜視図を図2に示し、平面図を図3に示す。また、図3におけるA−A断面図を図1に示す。図1〜図3に示すように、本実施形態は、固定接点2と、固定接点2に接触する閉位置と固定接点2から離れる開位置との間の可動領域内を移動する可動接点3とを備える接点装置1である。さらに、本実施形態の接点装置1は、固定接点2から可動接点3が離れる開極時に発生するおそれがあるアークを迅速に消弧するために、磁石5と消弧構造体4とを備える。
本実施形態の接点装置1における外観斜視図を図2に示し、平面図を図3に示す。また、図3におけるA−A断面図を図1に示す。図1〜図3に示すように、本実施形態は、固定接点2と、固定接点2に接触する閉位置と固定接点2から離れる開位置との間の可動領域内を移動する可動接点3とを備える接点装置1である。さらに、本実施形態の接点装置1は、固定接点2から可動接点3が離れる開極時に発生するおそれがあるアークを迅速に消弧するために、磁石5と消弧構造体4とを備える。
以下に、本実施形態の接点装置1の構成について詳細に説明する。なお、図1における上下左右方向を、上下左右方向と規定して説明する。また、上下左右方向に直交する方向を、前後方向と規定、具体的には、図1における奥から手前に向かう方向を前方向、手前から奥に向かう方向を後方向と規定して説明する。
本実施形態の接点装置1は、図1に示すように、可動接点3を移動させる電磁石装置10と共に電磁継電器11を構成する場合を例として説明する。なお、接点装置1の用途は、電磁継電器11に限定せず、例えばスイッチ、ブレーカ(回路遮断器)等に用いられていてもよい。
本実施形態の接点装置1は、固定接点2と可動接点3と磁石5と消弧構造体4とが、直方体形状のケース6に収納されている。ケース6は、本体61と、本体61に取り付けられるカバー62とで構成されている。本体61は、底板611と側板612とでL字状に形成されており、ケース6の底部と左側壁とを構成する。カバー62は、下面と左面が開口した中空構造の直方体形状に形成されており、下面と左面の開口を本体61で覆うように本体61に取り付けられる。なお、接点装置1の構成をわかりやすく説明するために、図1〜図3を除く図ではカバー62の図示を省略する。
固定接点2は、接点保持部21と端子部22と屈曲部23とを有する矩形板状の固定接点板20に設けられている。固定接点板20は、左右方向を長手方向、上下方向を厚み方向とする金属板で構成されており、本体61の底板611に沿って設けられている。固定接点板20は、2つの屈曲部23によって右端側の接点保持部21が底板611から離れるように形成されている。そして、この接点保持部21に固定接点2がかしめられることで、接点保持部21の上面に固定接点2が固定される。また、固定接点板20は、側板612を貫通するように設けられており、側板612から左側に突出した端子部22が、例えば電源(図示なし)と電気的に接続される。なお、本実施形態では、固定接点板20と固定接点2とが別体に構成されているが、例えば固定接点板20の打ち出しによって固定接点2を形成するように、固定接点板20と固定接点2とが一体に構成されていてもよい。
可動接点3は、接点保持部31と端子部32と屈曲部33とを有する矩形板状の可動接点板30に設けられている。可動接点板30は、左右方向を長手方向、上下方向を厚み方向とする金属板で構成されており、下面が固定接点板20の上面と対向するように側板612に固定されている。可動接点板30は、2つの屈曲部33によって右端側の接点保持部31が底板611に近づくように形成されている。そして、接点保持部31に可動接点3がかしめられることで、接点保持部31の下面において、固定接点2と上下方向に対向する位置に可動接点3が固定される。また、可動接点板30は、側板612を貫通するように設けられており、側板612から左側に突出した端子部32が、例えば負荷(図示なし)と電気的に接続される。また、可動接点板30は、上下方向に弾性を有する板バネとしても用いられ、可動接点板30の弾性を利用して可動接点3と固定接点2とが接触する閉極、および可動接点3と固定接点2とが離れる開極を行う。なお、本実施形態では、可動接点板30と可動接点3とが別体に構成されているが、例えば可動接点板30の打ち出しによって可動接点3を形成するように、可動接点板30と可動接点3とが一体に構成されていてもよい。
可動接点板30は、丸棒状の可動軸63によって下方向に撓まされることで、接点保持部31および可動接点3が下方向に移動する。可動軸63は、ケース6の側板612から右側に突出するように設けられた保持部材613によって、上下方向に対して移動自在に保持されており、下端が可動接点板30の上面に接触している。
保持部材613は、直方体形状に形成されており、側板612における可動接点板30よりも上側の位置に設けられている。また、保持部材613は、上下方向に貫通する孔614が形成されており、この孔614に可動軸63が通されることで、可動軸63を上下方向に対して移動自在に保持する。また、カバー62の上面にも、上下方向に貫通する孔621が形成されており、可動軸63はカバー62の孔621も貫通するように設けられる。すなわち、可動軸63はケース6から突出した状態で保持される。
また、可動軸63は、上端に第1の鍔部631が形成されており、第1の鍔部631の下面がカバー62の上面に接触する位置が、可動軸63の下限位置となる。さらにまた、可動軸63は、保持部材613よりも下側の位置に第2の鍔部632が形成されており、第2の鍔部632の上面が保持部材613の下面に接触する位置が、可動軸63の上限位置となる。
そして、可動軸63は、電磁石装置10(図1参照)によって下方向に移動させられる。電磁石装置10は、例えば図示しない励磁コイルおよび可動鉄心を備える従来周知の構成であり、励磁コイルの通電時に生じる磁束によって下方向に移動する可動鉄心が、可動軸63に連結されている。そして、励磁コイルが通電されて可動鉄心が下方向に移動することによって、可動軸63に対して下方向の力が加えられ、可動軸63が下方向に移動する。なお、電磁石装置10の構成は、上記に限定しない。
図4〜6を用いて、可動接点3の移動について説明する。励磁コイルに通電されていない状態では、可動軸63に対して下方向の力がかからないので、可動接点3は、図4に示すように固定接点2から離れた位置となり、固定接点板20と可動接点板30とが電気的に遮断された状態となる。
そして、励磁コイルに通電され、可動軸63が下方向に移動することによって、可動接点板30が下方向に撓まされて接点保持部31および可動接点3が下方向に移動する。これにより、図5に示すように可動接点3が固定接点2に接触し、可動接点板30と固定接点板20とが導通される。なお、可動接点3と固定接点2とが接触しているときの可動接点3の位置を閉位置とする。
また、可動接点板30は、上下方向に弾性を有しており、撓まされた状態から元の状態に戻ろうとする復元力によって、可動接点3が固定接点2から離れようとする上向きの力が作用する。励磁コイルへの通電が停止され、可動軸63に対する下向きの力が解除されると、可動接点板30の復元力によって接点保持部21が上方向に移動して可動接点3が固定接点2から離れる。このとき、可動接点板30の復元力によって、可動接点3は、図6に示すように、開極時における定常位置(図4参照)よりも上側の位置まで一時的にオーバーシュートする。本実施形態では、可動接点3がオーバーシュートした位置を開位置とする。すなわち、可動接点3は、閉位置を下限、開位置を上限とする可動領域71内を上下方向に移動する。
磁石5は、前後方向を厚み方向とする板状に形成されており、可動接点3の可動領域71、およびケース6内における可動領域71に対して右側の空間(以降、消弧空間72という)を含む空間に磁界を発生させる。本実施形態では、磁石5は、可動領域71および消弧空間72に前向きの磁界を発生させるように配置されている。なお、図1、図6において、可動領域71、消弧空間72を概略的に図示している。
消弧構造体4は、左右方向を長手方向とし、上下方向を厚み方向とする板状に形成されており、消弧空間72に配置されている。本実施形態の消弧構造体4は、電気的な絶縁性を有する絶縁体(例えば、樹脂、セラミック等)のみで構成されている。
次に、図6を用いて、磁石5、消弧構造体4によるアーク73の消弧について説明する。なお、以下の説明では、固定接点2から可動接点3に向かって電流が流れるとする。
接点の開極時に固定接点2と可動接点3との間にアーク73が発生した場合、このアーク73には前向きの磁界によって右向きのローレンツ力が作用する。このローレンツ力により、アーク73は、右向きに引き伸ばされ消弧空間72に引き込まれる。
本実施形態では、電気的な絶縁性を有する消弧構造体4が消弧空間72に設けられているので、アーク73は、消弧構造体4を避けて迂回する。したがって、図6に示すように、アーク73は、消弧構造体4を避け、消弧構造体4の上側と下側との両側において右に向かう凸となるように引き伸ばされる。
このように、本実施形態の接点装置1は、固定接点2と、可動接点3と、磁界を発生させる磁石5と、電気的な絶縁性を有する絶縁体を具備する消弧構造体4とを備える。可動接点3は、固定接点2に接触する閉位置と、固定接点2から離れる開位置との間の可動領域71内を移動する。可動領域71における磁界の方向(前方向)と可動接点3が移動する方向(上下方向)との両方向に交差する方向を作用方向(左右方向)とした場合、消弧構造体4は、可動領域71に対して作用方向(左右方向)のうち少なくとも一方側(右側)に設けられる。
本実施形態の接点装置1は、上記構成を備えることによって、アーク73が消弧構造体4を避けて迂回するように引き伸ばされる。したがって、消弧構造体4を備えていない場合に比べて、アーク73は消弧構造体4を迂回する分長くなるので、アーク73を迅速に消弧することができる。アーク73を迅速に消弧することにより、接点の開極時における固定接点2と可動接点3との電気的な遮断が迅速になされ、接点装置1の遮断性能を向上させることができる。
なお、固定接点2と可動接点3との間に流れる電流の向き、および可動領域71、消弧空間72における磁界の向きは上記に限定しない。例えば、可動接点3から固定接点2に向かって電流を流す場合、可動領域71および消弧空間72に後ろ向きの磁界が発生するように磁石5を配置する。これにより、アーク73を消弧構造体4が設けられている方向に向かって引き伸ばすことができる。さらに、可動接点板30および固定接点板20から離れる方向にアーク73を引き伸ばすことができ、アーク73が可動接点板30および固定接点板20と接触することを防止することができる。
また、アーク73の長さをより長くするために、消弧構造体4の左端が、可動領域71に対してより近い位置に配置されることが好ましい。さらに、消弧構造体4の上下方向の位置が、可動領域71における上下方向の中央と同じ位置となるように配置されることが好ましい。このような位置に消弧構造体4を配置することによって、アーク73が消弧構造体4を避けて迂回する距離が長くなるので、アーク73をより迅速に消弧することができる。
また、本実施形態の消弧構造体4は、電気的な絶縁性を有する絶縁体のみで構成されているので、消弧構造体4には電流が流れない。したがって、アーク73は、確実に消弧構造体4を避けて迂回するように引き伸ばされるので、消弧構造体4による消弧性能が向上する。なお、本実施形態の消弧構造体4は絶縁体のみで構成されているが、絶縁体を具備する構成であればよく、例えば金属に絶縁体をドーピングした材料で構成されていてもよい。
さらにまた、消弧構造体4は、板状であるので、アーク73は、より確実に消弧構造体4を避けて迂回するように引き伸ばされ、消弧構造体4による消弧性能がより向上する。
また、本実施形態の接点装置1は、1つの磁石5を備えた構成であるが、複数の磁石5を備えた構成であってもよい。例えば、消弧構造体4の前側と後側との両側において、対向する極性が異極となるように2つの磁石5を配置する。これにより、可動領域71および消弧空間72における磁界が強くなり、アーク73がより長く引き伸ばされるので、アーク73をより迅速に消弧することができる。さらに、ヨーク(図示なし)を用いて磁界が強くなるように構成してもよい。例えば、可動領域71、消弧空間72を囲むようにU字状のヨークを配置することで、可動領域71、消弧空間72における磁界が強くなり、アーク73がより長く引き伸ばされるので、アーク73をより迅速に消弧することができる。
また、接点装置1は、消弧構造体4および磁石5が設けられる位置は上記に限定せず、さらに消弧構造体4を複数備える構成でもよい。図7、図8に、消弧構造体4を2つ備える接点装置1の変形例を示す。消弧構造体4は、可動領域71に対して前側(図8における左側)の空間(消弧空間72A)と、可動領域71に対して後側(図8における右側)の空間(消弧空間72B)とのそれぞれに設けられている。
また、磁石5は、可動領域71に対して右側に設けられており、左右方向を厚み方向とし、可動領域71および消弧空間72A,72Bに対して左向きの磁界を印加する。そして、可動接点3から固定接点2に向かって電流が流れる場合、アークは後方向に向かって引き伸ばされる。また、固定接点2から可動接点3に向かって電流が流れる場合、アークは前方向に向かって引き伸ばされる。すなわち、アークは前方向または後方向に向かって引き伸ばされる。
このように、本変形例では、アークは前方向または後方向に向かって引き伸ばされる。そして、可動領域71に対して前後方向(作用方向)における両側に消弧構造体4が設けられている。したがって、可動接点3と固定接点2との間を流れる電流の方向に関わらず、アークが消弧構造体4を避けて迂回するように引き伸ばされ、アークを迅速に消弧することができる。
さらに、アークは、固定接点板20および可動接点板30の長手方向(左右方向)と交差する前後方向に向かって引き伸ばされる。したがって、可動領域71に対して前後方向の両側に消弧構造体4が設けることができ、2つの消弧構造体4と、上下方向に移動する可動接点板30とが干渉することを防止することができる。
また、本実施形態の接点装置1は、固定接点2と可動接点3との組を1組備えているが、固定接点2と可動接点3との組を複数組備えた構成であってもよい。図9に、固定接点2、固定接点板20、可動接点3、可動接点板30、可動軸63、保持部材613それぞれを2つ備えた接点装置1の変形例を示す。本変形例の接点装置1は、固定接点2、固定接点板20、可動接点3、可動接点板30、可動軸63、保持部材613の組が前後方向に並べて設けられている。また、2組の固定接点2、可動接点3を同時に閉極または開極させるために、2つの可動軸63の上端同士が第1の鍔部631Aによって連結されている。
図9に示すように、複数組の固定接点2、可動接点3を備える場合であっても、消弧構造体4および磁石5を複数組の固定接点2、可動接点3で共用することができる。したがって、固定接点2、可動接点3を1組のみ備える接点装置1を、複数用いる場合に比べて、低コスト化と省スペース化を図ることができる。
また、固定接点板20の端子部22同士を短絡させ、さらに可動接点板30の端子部22同士を短絡させることで、固定接点2と可動接点3の組を並列接続することができる。このように構成した場合、1組の固定接点2と可動接点3を備える構成に比べて、閉極時において固定接点2と可動接点3との間に流れる電流が分割されるので、接点装置1の電流容量を向上させることができる。なお、固定接点板20同士の短絡、および可動接点板30同士の短絡は、例えば側板612にインサート成形された金属板でなされる構成であってもよい。
また、一方の組における固定接点板20の端子部22と、他方の組における可動接点板30の端子部22とを短絡させることで、固定接点2と可動接点3の組を直列接続することもできる。例えば、前側の固定接点板20の端子部22と、後側の可動接点板30の端子部22とを短絡させることで、固定接点2と可動接点3の組を直列接続することができる。このように構成した場合、1組の固定接点2と可動接点3を備える構成に比べて、開極時において固定接点2と可動接点3との間に印加される電圧が分割されるので、接点装置1の耐圧を向上させることができる。また、上記のように構成した場合、固定接点2と可動接点3との間に流れる電流の向きが互いの組で同一となるので、アーク73を同じ方向に引き伸ばすことができ、1つの消弧構造体4を用いてアーク73を迅速に消弧することができる。
さらに、固定接点2と可動接点3の組を、上記のように並列接続または直列接続した場合、互いの組で同じ方向に電流が流れるので、アーク73を同じ方向に引き延ばすことができる。
なお、固定接点板20の端子部22、および可動接点板30の端子部22を短絡させず、2組の固定接点2、可動接点3が、互いに異なる電力供給路に組み込まれるように接続されてもよい。
(実施形態2)
本実施形態の接点装置1は、実施形態1の接点装置1の差異点として、図10〜図12に示すように、消弧空間72を囲む消弧枠8を備える。なお、実施形態1と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。また、図10は、図12におけるB−B断面図である。
本実施形態の接点装置1は、実施形態1の接点装置1の差異点として、図10〜図12に示すように、消弧空間72を囲む消弧枠8を備える。なお、実施形態1と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。また、図10は、図12におけるB−B断面図である。
消弧枠8は、中空の直方体形状に形成されており、例えば樹脂やセラミック等の電気的な絶縁性を有する材料で構成されている。消弧枠8は、本体61の底板611の上側に配置されており、可動領域71と対向する左面に開口81を有しており、可動領域71に対して右側にある消弧空間72を囲む。そして、消弧構造体4は、消弧枠8の内部に設けられる。
また、磁石5は、消弧枠8の外側(後側)に設けられている。
本実施形態の接点装置1は、上記構成により、固定接点2と可動接点3との間にアークが発生した場合、アークは、磁石5が発生する磁界によって消弧枠8の内の消弧空間72まで引き伸ばされる。アークは、高温であり金属等を含むガスを発生させる場合がある。本実施形態では、アークは消弧枠8の内部に引き込まれるので、ガスに含まれる金属等が飛散して固定接点2、可動接点3等に付着することを防止することができる。さらに、消弧枠8によって、アークが磁石5やケース6等に接触することも防止することができる。
次に、接点装置1の変形例について説明する。なお、接点装置1における構成部材の変形例には、符号の末尾にA、B、C…を付して区別する。
消弧構造体4の形状は、板状に限定せず、例えば図13に示すように、棒状に形成された構成であってもよい。消弧構造体4Aは、消弧空間72における磁界の方向(前方向)を軸方向する丸棒状に形成されている。すなわち、消弧構造体4Aは、アークと交差するように配置されているので、アーク73は消弧構造体4Aを避けて迂回するように引き伸ばされる。したがって、板状に形成された消弧構造体4と同様に、アークは、消弧構造体4Aの上側と下側との両側において、右に向かって凸となるように引き伸ばされ、アークを迅速に消弧することができる。また、棒状に形成された消弧構造体4Aは、板状に形成された消弧構造体4に比べて、消弧構造体4Aを構成する材料が削減されるので、低コスト化を図ることができる。
また、消弧構造体4は、互いに異なる材料からなる複数の層が積層された積層体で構成された構成であってもよい。例えば、図14に示すように、消弧構造体4Bは、電気的な絶縁性を有する絶縁体(例えば、樹脂、セラミック等)からなる第1の層41と、金属材料からなる第2の層42とが上下方向に積層されて構成されている。金属材料からなる第2の層42は、絶縁体からなる第1の層41よりも強度が高い。したがって、消弧構造体4Bは、第1の層41と第2の層42が積層された積層体で構成されることによって、絶縁体のみで構成された消弧構造体4に比べて強度を向上させることができる。なお、消弧構造体4Bは、電気的な絶縁性を有する絶縁体を具備する構成であればよく、第1の層41の代わりに金属に絶縁体がドーピングされた材料からなる層を用いてもよい。また、消弧構造体4Bは、金属板の周囲を絶縁体である樹脂でコーティング、例えば樹脂に金属板をインサート成形した構成であってもよい。
また、消弧構造体4は、1乃至複数の孔が形成された構成であってもよい。例えば、図15に示すように、消弧構造体4Cは、上下方向に貫通する複数の孔43が形成されている。なお、図15では、消弧枠8の図示を省略している。消弧構造体4Cは、孔43を有することで、孔43の体積分だけ軽量化されるので、接点装置1の軽量化を図ることができる。さらに、消弧構造体4に比べて消弧構造体4Cを構成する材料も削減されるので、低コスト化を図ることができる。なお、消弧構造体4Cに形成される孔43の形状は限定しない。また、消弧構造体4は、メッシュ状に形成された構成であってもよい。また、さらなる消弧構造体4Cの変形例として、消弧構造体4の表面に、有底の穴が1乃至複数形成された構成であってもよく、孔43を備える場合と同様の効果を得ることができる。
また、消弧構造体4の個数は、1つに限定せず、複数個の消弧構造体4を備える構成であってもよい。図16に示す例では、接点装置1は、2つの消弧構造体4を備えている。2つの消弧構造体4は、所定の間隔を空けて上下方向に並べて設けられている。このように複数の消弧構造体4を備えることによって、アークは、複数の消弧構造体4それぞれを避けるように引き伸ばされる。したがって、1つの消弧構造体4を備える場合に比べてアークがより長く引き伸ばされるので、アークをより迅速に消弧することができる。なお、接点装置1は、3つ以上の消弧構造体4を備える構成であってもよい。
また、接点装置1は、耐熱部材90を備える構成であってもよい。図17に示すように、耐熱部材90は、消弧空間72内において、消弧構造体4の左端よりも可動領域71側、すなわち、耐熱部材90は、消弧構造体4の左端の左側に設けられている。耐熱部材90は、消弧構造体4よりも耐熱性が高く、例えば金属、セラミック、樹脂などで構成されている。この耐熱部材90を備えることによって、消弧構造体4へのアークの接触が防止されるので、消弧構造体4の消耗を抑制し長寿命化を図ることができる。なお、耐熱部材90を金属で構成した場合、アークが耐熱部材90に接触した際に、耐熱部材90に電流が流れてジュール熱が発生する。しかし、このジュール熱は、アークの熱よりも低いので、消弧構造体4にアークが接触する場合に比べて、消弧構造体4の消耗を抑制することができる。なお、消弧構造体4と耐熱部材90とが一体に構成されていてもよいし、消弧構造体4と耐熱部材90とが離れて設けられていてもよい。
また、消弧構造体4と消弧枠8とが一体に構成されていてもよい。図18に示すように、消弧構造体4Dと消弧枠8Aとが一体成形されている。これにより、消弧構造体4Dを消弧枠8Aに取り付ける作業が不要となるので、接点装置1の組み立てが容易となる。
また、消弧枠8は、右面にも開口82(孔)を有する構成であってもよい。図19に示すように、消弧枠8Bは、左面に開口81を有し、さらに右面に開口82を有している。アークは、高温であるので、消弧枠8Bの内部の空気がアークによって温められて膨張する。しかし、消弧枠8Bは、右面にも開口82を有するので、消弧枠8Bの内部において膨張した空気が開口82を介して排出され、消弧枠8Bの内部における気圧の上昇が抑制される。これにより、消弧枠8Bの内部の気圧上昇によってアークの引き伸ばしが阻害されることを防止することができる。したがって、アークをより引き伸ばしやすくなり、アークをより迅速に消弧することができる。また、消弧枠8Bを構成する面のうち、固定接点2、可動接点3から最も離れた右面に開口82が形成されている。したがって、アークによって発生したガスに含まれる金属等が固定接点2、可動接点3等に付着することが抑制される。なお、消弧枠8に設ける開口(孔)の位置は右面に限定せず、例えば、消弧枠8の上面、前面等に孔が形成された構成であってもよい。また、消弧枠8は、複数の孔が設けられた構成であってもよい。
さらにまた、図20に示すように、接点装置1は、グリッド91を備えた構成であってもよい。グリッド91は、上下方向を厚み方向とする複数の金属板911で構成されており、複数の金属板911は、所定の隙間を空けて上下方向に並べて設けられている。そして、グリッド91は、消弧枠8B内の消弧空間72において、消弧構造体4の可動領域71側の端部(左端)よりも右側に設けられている。本実施形態では、左右方向におけるグリッド91の右端と、消弧枠8Bの右端とが一致するように配置されている。また、本実施形態の接点装置1は、2つのグリッド91を備えており、一方のグリッド91は消弧構造体4の上側に配置され、他方のグリッド91は消弧構造体4の下側に配置されて。そして、消弧枠8B内まで引き伸ばされたアークがグリッド91に接触した際に、アーク電圧が上昇することによって、アークをより迅速に消弧することができる。
なお、上述した実施形態は本発明の一例である。このため、本発明は、上述の実施形態に限定されることはなく、この実施形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることはもちろんのことである。
1 接点装置
2 固定接点
3 可動接点
4 消弧構造体
5 磁石
71 可動領域
2 固定接点
3 可動接点
4 消弧構造体
5 磁石
71 可動領域
Claims (11)
- 固定接点と、
前記固定接点に接触する閉位置と前記固定接点から離れる開位置との間の可動領域内を移動する可動接点と、
磁界を発生させる磁石と、
電気的な絶縁性を有する絶縁体を具備する消弧構造体とを備え、
前記可動領域における前記磁界の方向と前記可動接点が移動する方向との両方向に交差する方向を作用方向とし、
前記消弧構造体は、前記可動領域に対して前記作用方向のうち少なくとも一方側に設けられる
ことを特徴とする接点装置。 - 前記消弧構造体は、板状である
ことを特徴とする請求項1記載の接点装置。 - 前記消弧構造体は、前記可動領域に対して前記作用方向のうち前記一方側の空間における前記磁界の方向を軸方向とする棒状である
ことを特徴とする請求項1記載の接点装置。 - 前記可動領域と対向する面に開口を有し、前記可動領域に対して前記作用方向のうち前記一方側の空間を囲む消弧枠を備え、
前記消弧構造体は、前記消弧枠の内部に設けられる
ことを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか1項に記載の接点装置。 - 前記消弧構造体と前記消弧枠とが一体である
ことを特徴とする請求項4記載の接点装置。 - 前記消弧枠は、孔を有する
ことを特徴とする請求項4または5に記載の接点装置。 - 前記消弧構造体を複数個備える
ことを特徴とする請求項1〜6のうちいずれか1項に記載の接点装置。 - 前記消弧構造体は、前記絶縁体のみで構成される
ことを特徴とする請求項1〜7のうちいずれか1項に記載の接点装置。 - 前記消弧構造体は、互いに異なる材料からなる複数の層が積層された積層体で構成される
ことを特徴とする請求項1〜7のうちいずれか1項に記載の接点装置。 - 前記消弧構造体における前記可動領域側の端部に設けられ、前記消弧構造体よりも耐熱性が高い耐熱部材を備える
ことを特徴とする請求項1〜9のうちいずれか1項に記載の接点装置。 - 隙間を空けて並ぶ複数の金属板を有するグリッドを備え、
前記グリッドは、前記可動領域に対して前記作用方向のうち前記一方側において、前記消弧構造体の前記可動領域側の端部よりも前記一方側に設けられる
ことを特徴とする請求項1〜10のうちいずれか1項に記載の接点装置。
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-
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