JPWO2019103063A1 - 接点モジュール、接点装置、電磁継電器モジュール、及び電気機器 - Google Patents
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Abstract
可動接点と固定接点との間の接続状態の安定化を図ることができる接点モジュール、接点装置、電磁継電器モジュール、及び電気機器を提供する。接点モジュール(91)は、一対の接点装置(1)を備える。一対の接点装置(1)の各々は、固定端子(31,32)と、可動接触子(8)と、を有する。可動接触子(8)は、可動接点が固定接点に接触する閉位置と可動接点が固定接点から離れる開位置との間で移動する。一方の可動接触子(8)は、通電時に他方の可動接触子(8)に対して開位置から閉位置へ向かう方向の力を作用させる磁界を発生させる。他方の可動接触子(8)は、通電時に一方の可動接触子(8)に対して開位置から閉位置へ向かう方向の力を作用させる磁界を発生させる。
Description
本開示は、一般に接点モジュール、接点装置、電磁継電器モジュール、及び電気機器に関し、より詳細には固定接点に可動接点の接触/離間を切替可能な接点モジュール、接点装置、電磁継電器モジュール、及び電気機器に関する。
特許文献1には、接点で電流を入り切りする接点装置が記載されている。
特許文献1に記載された接点装置では、電磁石装置の励磁コイル(励磁用巻線)に通電することで生じる電磁力によって、接点装置が有する可動接触子を移動させて、接点装置が有する固定端子の固定接点に可動接触子の可動接点を接触させる。これにより、固定端子と可動接触子とが接続される。
上述したような接点装置では、例えば、短絡電流等の異常電流が流れた場合、可動接触子には、可動接点を固定接点から離す向きのローレンツ力(電磁反発力)が作用し、可動接点と固定接点との間の接続状態が不安定になる可能性がある。
本開示は上記課題に鑑みてなされ、可動接点と固定接点との間の接続状態の安定化を図ることができる接点モジュール、接点装置、電磁継電器モジュール、及び電気機器を提供することを目的とする。
本開示の一態様に係る接点モジュールは、一対の接点装置を備える。前記一対の接点装置の各々は、固定端子と、可動接触子と、を有する。前記固定端子は、固定接点を保持する。前記可動接触子は、可動接点を保持し、前記可動接点が前記固定接点に接触する閉位置と前記可動接点が前記固定接点から離れる開位置との間で移動する。前記一対の接点装置は、一方の接点装置が有する一方の前記可動接触子が前記開位置から前記閉位置へ向かう方向と、他方の接点装置が有する他方の前記可動接触子が前記開位置から前記閉位置へ向かう方向と、が互いに反対方向となるように配置されている。前記一方の可動接触子は、通電時に、電流が流れている状態の前記他方の可動接触子に対して前記開位置から前記閉位置へ向かう方向の力を作用させる磁界を発生させる。前記他方の可動接触子は、通電時に、電流が流れている状態の前記一方の可動接触子に対して前記開位置から前記閉位置へ向かう方向の力を作用させる磁界を発生させる。
本開示の一態様に係る接点モジュールは、一対の接点装置と、磁性を有する磁気シールド部材と、を備える。前記一対の接点装置の各々は、固定端子と、可動接触子と、を有する。前記固定端子は、固定接点を保持する。前記可動接触子は、可動接点を保持し、前記可動接点が前記固定接点に接触する閉位置と前記可動接点が前記固定接点から離れる開位置との間で移動する。前記一対の接点装置は、一方の接点装置が有する一方の前記可動接触子が前記開位置から前記閉位置へ向かう方向と、他方の接点装置が有する他方の前記可動接触子が前記開位置から前記閉位置へ向かう方向と、が互いに反対方向となるように配置されている。前記一方の可動接触子は、通電時に、電流が流れている状態の前記他方の可動接触子に対して前記閉位置から前記開位置へ向かう方向の力を作用させる磁界を発生させる。前記他方の可動接触子は、通電時に、電流が流れている状態の前記一方の可動接触子に対して前記閉位置から前記開位置へ向かう方向の力を作用させる磁界を発生させる。前記磁気シールド部材は、前記一方の可動接触子と前記他方の可動接触子との間に配置されている。
本開示の一態様に係る接点装置は、前記接点モジュールが備えている。
本開示の一態様に係る電磁継電器モジュールは、前記接点モジュールと、一対の電磁石装置と、を備える。前記一対の電磁石装置のうち、一方の電磁石装置は、前記一方の可動接触子を移動させ、他方の電磁石装置は、前記他方の可動接触子を移動させる。
本開示の一態様に係る電気機器は、前記電磁継電器モジュールと、保持部材と、を備える。前記保持部材は、前記一方の可動接触子が前記開位置から前記閉位置へ向かう方向と、前記他方の可動接触子が前記開位置から前記閉位置へ向かう方向と、が互いに反対方向となるように、前記電磁継電器モジュールを保持する。
以下に説明する実施形態及び変形例は、本開示の一例に過ぎず、本開示は、実施形態及び変形例に限定されることなく、この実施形態及び変形例以外であっても、本開示に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。また、下記の実施形態及び変形例において、説明する各図は、模式的な図であり、図中の各構成要素の大きさや厚さそれぞれの比が必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。
(実施形態1)
本実施形態の接点モジュール91、及び電気機器900について、図1A〜図8を用いて説明する。
本実施形態の接点モジュール91、及び電気機器900について、図1A〜図8を用いて説明する。
(1)構成
(1.1)全体構成
本実施形態に係る電気機器900は、電磁継電器モジュール910と、電磁継電器モジュール910を保持する保持部材920とを備えている。電磁継電器モジュール910は、一対の接点装置1を有する接点モジュール91と、一対の電磁石装置10とを備えている。接点装置1は、電磁石装置10と共に電磁継電器100を構成している。言い換えれば、電磁継電器100は、接点装置1と、電磁石装置10とを備えている。一対の接点装置1を区別して説明する場合、一方を接点装置1A、他方を接点装置1Bとする。また、一対の電磁石装置10を区別して説明する場合、一方の電磁石装置10A、他方を電磁石装置10Bとする。また、一対の電磁継電器100を区別して説明する場合、一方を電磁継電器100A、他方を電磁継電器100Bとする。
(1.1)全体構成
本実施形態に係る電気機器900は、電磁継電器モジュール910と、電磁継電器モジュール910を保持する保持部材920とを備えている。電磁継電器モジュール910は、一対の接点装置1を有する接点モジュール91と、一対の電磁石装置10とを備えている。接点装置1は、電磁石装置10と共に電磁継電器100を構成している。言い換えれば、電磁継電器100は、接点装置1と、電磁石装置10とを備えている。一対の接点装置1を区別して説明する場合、一方を接点装置1A、他方を接点装置1Bとする。また、一対の電磁石装置10を区別して説明する場合、一方の電磁石装置10A、他方を電磁石装置10Bとする。また、一対の電磁継電器100を区別して説明する場合、一方を電磁継電器100A、他方を電磁継電器100Bとする。
接点装置1は、一対の固定端子31,32と、可動接触子8とを有する(図1B参照)。各固定端子31,32は、固定接点311,312を保持する。可動接触子8は、一対の可動接点81,82を保持する。
電磁石装置10は、可動子13及び励磁コイル14を有している(図1B参照)。電磁石装置10は、励磁コイル14への通電時に励磁コイル14で生じる磁界によって可動子13を吸引する。可動子13の吸引に伴って、可動接触子8が開位置から閉位置に移動する。本開示でいう「開位置」は、可動接点81,82が固定接点311,312から離れるときの可動接触子8の位置である。本開示でいう「閉位置」は、可動接点81,82が固定接点311,312に接触するときの可動接触子8の位置である。
また、本実施形態では、可動子13は、直線L上に配置され、直線Lに沿って直進往復移動するように構成されている。励磁コイル14は、直線Lの周りに巻かれた導線(電線)にて構成されている。つまり、直線Lは、励磁コイル14の中心軸に相当する。
本実施形態では、接点装置1が、図1Aに示すように電磁石装置10と共に電磁継電器100を構成する場合を例として説明する。ただし、接点装置1は、電磁継電器100に限らず、例えばブレーカ(遮断器)又はスイッチ等に用いられていてもよい。本実施形態においては、電磁継電器100が電気自動車(EV)に搭載される場合を例とする。図6に示すように、走行用のバッテリE1から負荷R1(例えば、インバータ)への直流電力の供給路おいて、高電位側の供給路上に、接点装置1Aの固定端子31,32と可動接触子8とが電気的に接続され、低電位側の供給路上に、接点装置1Bの固定端子31,32と可動接触子8とが電気的に接続される。
(1.2)接点装置
次に、接点装置1の構成について説明する。
次に、接点装置1の構成について説明する。
接点装置1は、図1A及び図1Bに示すように、一対の固定端子31,32、可動接触子8、筐体4、フランジ5、及び2つのバスバー21,22を備える。接点装置1は、更に、第1ヨーク6、第2ヨーク7、2つのカプセルヨーク23,24、2つの消弧用磁石(永久磁石)25,26、絶縁板41及びスペーサ45を備える。固定端子31は固定接点311を、固定端子32は固定接点321を、それぞれ保持している。可動接触子8は、導電性を有する金属材料からなる板状の部材である。可動接触子8は、一対の固定接点311,321に対向して配置された一対の可動接点81,82を保持している。
以下では、説明のために、接点装置1Aにおいて固定接点311,321と可動接点81,82との対向方向を上下方向と定義し、可動接点81,82から見て固定接点311,321側を上方と定義する。さらに、接点装置1Aにおいて一対の固定端子31,32(一対の固定接点311,321)の並んでいる方向を左右方向と定義し、固定端子31から見て固定端子32側を右方と定義する。つまり、以下では、図1Bの上下左右を上下左右として説明する。また、以下では、上下方向及び左右方向の両方に直交する方向(図1Bの紙面に直交する方向)を、前後方向として説明する。ただし、これらの方向は接点モジュール91、接点装置1、電磁継電器モジュール910、及び電気機器900の使用形態を限定する趣旨ではない。
接点装置1Aと接点装置1Bとは互いに同一構成であるが、接点装置1Bは、接点装置1Aに対して上下方向及び左右方向が反対となるように配置されている。以下の説明では、接点装置1Aについて説明し、接点装置1Bの構成は、接点装置1Aと上下方向が反対のみであるので、説明を省略する。
一方の(第1の)固定接点311は一方の(第1の)固定端子31の下端部(一端部)に保持されており、他方の(第2の)固定接点321は他方の(第2の)固定端子32の下端部(一端部)に保持されている。
一対の固定端子31,32は、左右方向に並ぶように配置されている(図1B参照)。一対の固定端子31,32の各々は、導電性の金属材料からなる。一対の固定端子31,32は、一対の固定接点311,321に外部回路(バッテリ及び負荷)を接続するための端子として機能する。本実施形態では、一例として銅(Cu)で形成された固定端子31,32を用いることとするが、固定端子31,32を銅製に限定する趣旨ではなく、固定端子31,32は銅以外の導電性材料で形成されていてもよい。
一対の固定端子31,32の各々は、上下方向に直交する平面内での断面形状が円形状となる円柱状に形成されている。ここでは、一対の固定端子31,32の各々は、上端部(他端部)側の径が下端部(一端部)側の径よりも大きく、正面視がT字状となるように構成されている。一対の固定端子31,32は、筐体4の上面から一部(他端部)が突出した状態で、筐体4に保持される。具体的には、一対の固定端子31,32の各々は、筐体4の上壁に形成されている開口孔を貫通した状態で、筐体4に固定されている。
可動接触子8は、上下方向に厚みを有し、かつ前後方向よりも左右方向に長い板状に形成されている。可動接触子8は、その長手方向(左右方向)の両端部を一対の固定接点311,312に対向させるように、一対の固定端子31,32の下方に配置されている(図1B参照)。可動接触子8のうち、一対の固定接点311,312に対向する部位には、一対の可動接点81,82が設けられている(図1B参照)。
可動接触子8は、筐体4に収納されている。可動接触子8は、筐体4の下方に配置された電磁石装置10によって上下方向に移動される。これにより、可動接触子8は、閉位置と開位置との間で移動することになる。図1Bは、可動接触子8が閉位置に位置する状態を示しており、この状態では、可動接触子8に保持されている一対の可動接点81,82が、それぞれ対応する固定接点311,321に接触する。一方、可動接触子8が開位置に位置する状態では、可動接触子8に保持されている一対の可動接点81,82が、それぞれ対応する固定接点311,321から離れる。
したがって、可動接触子8が閉位置にあるとき、一対の固定端子31,32間は可動接触子8を介して短絡する。すなわち、可動接触子8が閉位置にあれば、可動接点81,82が固定接点311,321に接触するので、固定端子31は、固定接点311、可動接点81、可動接触子8、可動接点82及び固定接点321を介して、固定端子32と電気的に接続される。本実施形態では、図6に示すように、接点装置1Aの固定端子31にバッテリE1の正極が電気的に接続され、接点装置1Aの固定端子32に負荷R1が電気的に接続されている。接点装置1Bの固定端子32にバッテリE1の負極が電気的に接続され、接点装置1Bの固定端子31に負荷R1が電気的に接続されている。したがって、接点装置1A,1Bそれぞれにおいて、可動接触子8が閉位置にあるときに、接点装置1A,1BはバッテリE1から負荷R1への直流電力の供給路を形成する。
ここで、可動接点81,82は、可動接触子8に保持されていればよい。そのため、可動接点81,82は、可動接触子8の一部が打ち出されるなどして可動接触子8と一体に構成されていてもよいし、可動接触子8とは別部材からなり、例えば溶接等により、可動接触子8に固定されていてもよい。同様に、固定接点311,321は、固定端子31,32に保持されていればよい。そのため、固定接点311,321は、固定端子31,32と一体に構成されていてもよいし、固定端子31,32とは別部材からなり、例えば溶接等により、固定端子31,32に固定されていてもよい。
可動接触子8は、中央部位に貫通孔83を有している。本実施形態では、貫通孔83は、可動接触子8における一対の可動接点81,82の中間に形成されている。貫通孔83は、可動接触子8を厚み方向(上下方向)に貫通している。貫通孔83は、後述するシャフト15を通すための孔である。
第1ヨーク6は、強磁性体であって、例えば、鉄等の金属材料で形成されている。第1ヨーク6は、シャフト15の先端部(上端部)に固定されている。シャフト15は、可動接触子8の貫通孔83を通して可動接触子8を貫通しており、シャフト15の先端部(上端部)は、可動接触子8の上面から上方に突出する。そのため、第1ヨーク6は、可動接触子8の上方に位置する(図1B参照)。具体的には、第1ヨーク6は、可動接触子8の移動方向において、可動接触子8に対して固定接点311,321が存在する側と同一側に位置している。
可動接触子8が閉位置に位置する場合に、可動接触子8と第1ヨーク6との間には、所定の隙間L1が生じる(図4参照)。つまり、可動接触子8の位置が閉位置である場合に、第1ヨーク6は、上下方向において隙間L1の分だけ可動接触子8から離れることになる。例えば、可動接触子8、シャフト15及び第1ヨーク6の間で少なくとも一部が電気的に絶縁されている場合には、可動接触子8と第1ヨーク6との間の電気的な絶縁性が確保される。
第2ヨーク7は、強磁性体であって、例えば、鉄等の金属材料で形成されている。第2ヨーク7は、可動接触子8の下面に固定されている(図1B参照)。これにより、第2ヨーク7は、可動接触子8の上下方向の移動に伴って上下方向に移動する。第2ヨーク7の上面(特に、可動接触子8と接触する部位)には、電気絶縁性を有する絶縁層90が形成されてもよい(図4参照)。これにより、可動接触子8と第2ヨーク7との間の電気的な絶縁性が確保される。図1B、図2、図8、図10、図11及び図12等においては、絶縁層90の図示を適宜省略する。
第2ヨーク7は、中央部位に貫通孔71を有している。本実施形態では、貫通孔71は、可動接触子8の貫通孔83に対応する位置に形成されている。貫通孔71は、第2ヨーク7を厚み方向(上下方向)に貫通している。貫通孔71は、シャフト15及び後述する接圧ばね17を通すための孔である。
第2ヨーク7は、前後方向の両端部に、上方に突出する一対の突出部72,73(図2参照)を有している。言い換えれば、第2ヨーク7の上面における前後方向の両端部には、可動接触子8が開位置から閉位置へと移動する向き(本実施形態では上方)と同じ向きに突出する突出部72,73が形成されている。つまり、第2ヨーク7は、可動接触子8の移動方向において、可動接触子8に対して固定接点311,321が存在する側とは反対側に少なくとも一部が位置している。
このような形状によれば、図3に示すように、一対の突出部72,73のうちの前方の突出部72の先端面(上端面)は、第1ヨーク6の前端部61に、後方の突出部73の先端面(上端面)は、第1ヨーク6の後端部62にそれぞれ突き合わされる。したがって、図3に例示する向きで、可動接触子8を電流Iが流れた場合には、第1ヨーク6及び第2ヨーク7で形成される磁路を通る磁束φ1が生じる。このとき、第1ヨーク6の前端部61及び突出部73の先端面がN極、第1ヨーク6の後端部62及び突出部72の先端面がS極となることで、第1ヨーク6と第2ヨーク7との間に吸引力が作用する。
カプセルヨーク23,24は、強磁性体であって、例えば、鉄等の金属材料で形成されている。カプセルヨーク23,24は、消弧用磁石25,26を保持する。カプセルヨーク23,24は、前後方向の両側から筐体4を囲むように、筐体4に対して前後方向の両側に配置されている(図5参照)。図5では、バスバー21,22の図示を省略している。
消弧用磁石25,26は、左右方向において互いに異極が対向するように配置されている。言い換えると、消弧用磁石25,26は、可動接触子8に流れる電流Iの方向の延長線上に配置されている。消弧用磁石25,26は、筐体4に対して左右方向の両側に配置されている。消弧用磁石25,26は、可動接触子8が閉位置から開位置へと移動する際に可動接点81,82と固定接点311,321との間で発生するアークを引き延ばす。カプセルヨーク23,24は、消弧用磁石25,26ごと筐体4を囲んでいる。言い換えれば、消弧用磁石25,26は、筐体4の左右方向の両端面とカプセルヨーク23,24との間に挟まれている。一方(左方)の消弧用磁石25は、左右方向における一面(左端面)がカプセルヨーク23,24の一端部と結合し、左右方向における他面(右端面)が筐体4と結合している。他方(右方)の消弧用磁石26は、左右方向における一面(右端面)がカプセルヨーク23,24の他端部と結合し、左右方向における他面(左端面)が筐体4と結合している。消弧用磁石25,26は、左右方向において互いに異極が対向するように配置されているが、同極が対向するように配置されてもよい。
本実施形態では、可動接触子8の位置が閉位置である場合において、消弧用磁石25と消弧用磁石26との間に、一対の固定接点311,321における一対の可動接点81,82との接触点が位置する(図1B参照)。つまり、消弧用磁石25と消弧用磁石26との間に生じる磁界内に、一対の固定接点311,321における一対の可動接点81,82との接触点が含まれることになる。
上述した構成によれば、図5に示すように、カプセルヨーク23は、一対の消弧用磁石25,26で発生する磁束φ2が通る磁気回路の一部を形成する。同様に、カプセルヨーク24は、一対の消弧用磁石25,26で発生する磁束φ2が通る磁気回路の一部を形成する。これらの磁束φ2は、可動接触子8の位置が閉位置である状態で、一対の固定接点311,321における一対の可動接点81,82との接触点に作用する。
図5の例では、筐体4の内部空間においては、左向きの磁束φ2が生じており、固定端子31には下向きの電流Iが流れ、固定端子32には上向きの電流Iが流れる場合を想定している。この状態で、可動接触子8が閉位置から開位置へと移動すると、固定接点311と可動接点81との間には、固定接点311から可動接点81に向けて下向きの放電電流(アーク)が生じる。したがって、磁束φ2によりアークには後向きのローレンツ力F2が作用する(図5参照)。つまり、固定接点311と可動接点81との間に発生するアークは、後方に引き延ばされて消弧する。一方、固定接点321と可動接点82との間には、可動接点82から固定接点321に向けて上向きの放電電流(アーク)が生じる。したがって、磁束φ2によりアークには前向きのローレンツ力F3が作用する(図5参照)。つまり、固定接点321と可動接点82との間に発生するアークは、前方に引き延ばされて消弧する。
筐体4は、例えば酸化アルミニウム(アルミナ)等のセラミック製である。筐体4は、前後方向よりも左右方向に長い中空の直方体状(図1B参照)に形成されている。筐体4の下面は開口している。筐体4は、一対の固定接点311,321と、可動接触子8と、第1ヨーク6と、第2ヨーク7と、を収容する。筐体4の上面には、一対の固定端子31,32を通すための一対の開口孔が形成されている。一対の開口孔は、それぞれ円形状に形成されており、筐体4の上壁を厚み方向(上下方向)に貫通している。一方の開口孔には固定端子31が通され、他方の開口孔には固定端子32が通されている。一対の固定端子31,32と筐体4とは、ろう付けによって結合される。
筐体4は、一対の固定接点311,321と、可動接触子8とを収容する箱状に形成されていればよく、本実施形態のような中空の直方体状に限らず、例えば中空の楕円筒状や、中空の多角柱状などであってもよい。つまり、ここでいう箱状は、内部に一対の固定接点311,321と、可動接触子8とを収容する空間を有する形状全般を意味しており、直方体状に限定する趣旨ではない。筐体4は、セラミック製に限らず、例えば、ガラス又は樹脂等の絶縁材料にて形成されていてもよいし、金属製であってもよい。筐体4は、磁気により磁性体とならない非磁性材料からなることが好ましい。
フランジ5は、非磁性の金属材料で形成されている。非磁性の金属材料は、例えば、SUS304等のオーステナイト系ステンレスである。フランジ5は、左右方向に長い中空の直方体状に形成されている。フランジ5の上面及び下面は開口している。フランジ5は、筐体4と電磁石装置10との間に配置される(図1B及び図2参照)。フランジ5は、筐体4、及び後述する電磁石装置10の継鉄上板11に対して気密接合されている。これにより、筐体4、フランジ5及び継鉄上板11で囲まれた接点装置1の内部空間を、気密空間とすることができる。フランジ5は、非磁性でなくともよく、例えば、42アロイ等の鉄を主成分とする合金であってもよい。
絶縁板41は、合成樹脂製であって電気絶縁性を有する。絶縁板41は、矩形板状に形成されている。絶縁板41は、可動接触子8の下方に位置し、可動接触子8と電磁石装置10との間を電気的に絶縁する。絶縁板41は、中央部位に貫通孔42を有している。本実施形態では、貫通孔42は、可動接触子8の貫通孔83に対応する位置に形成されている。貫通孔42は、絶縁板41を厚み方向(上下方向)に貫通している。貫通孔42は、シャフト15を通すための孔である。
スペーサ45は、円筒形状に形成されている。スペーサ45は、例えば合成樹脂製である。スペーサ45は、電磁石装置10と絶縁板41との間に配置されている。スペーサ45の上端部は絶縁板41の下面と結合し、スペーサ45の下端部が電磁石装置10と結合している。スペーサ45により絶縁板41は支持される。また、スペーサ45の孔にはシャフト15が通される。
バスバー21,22は、導電性を有する金属材料にて構成されている。バスバー21,22は、一例として銅又は銅合金にて構成されている。バスバー21,22は、帯板状に形成されている。本実施形態では、バスバー21,22は、金属板に折り曲げ加工を施すことで形成されている。バスバー21の一端部は、例えば接点装置1の固定端子31に電気的に接続される。バスバー22の端部は、例えば接点装置1の固定端子32に電気的に接続される。
バスバー21は、電路片211を含んでいる。電路片211は、固定端子31と機械的に接続される。具体的には、電路片211は、平面視において略正方形状であって、固定端子31のかしめ部35にて固定端子31とかしめ結合されている。
バスバー22は、電路片221を含んでいる。電路片221は、固定端子32と機械的に接続される。具体的には、電路片221は、平面視において略正方形状であって、固定端子32のかしめ部36にて固定端子32とかしめ結合されている。
(1.3)電磁石装置
次に、電磁石装置10の構成について説明する。
次に、電磁石装置10の構成について説明する。
接点装置1Aの下方、及び接点装置1Bの上方には、それぞれ電磁石装置10が設けられている(図7参照)。具体的には、接点装置1Aの下方には電磁石装置10Aが設けられ、接点装置1Bの上方には電磁石装置10Bが設けられている。電磁継電器100Aは、接点装置1Aと電磁石装置10Aとを備え、電磁継電器100Bは、接点装置1Bと電磁石装置10Bとを備える。電磁石装置10Aと電磁石装置10Bとは、互いに同一構成であり、上下方向及び左右方向が反対のみである。ここでは、電磁石装置10Aの構成についてのみ説明し、電磁石装置10Bの説明を省略する。
電磁石装置10Aは、図1A及び図1Bに示すように、固定子12と、可動子13と、励磁コイル14と、を有している。電磁石装置10Aは、励磁コイル14への通電時に励磁コイル14で生じる磁界によって固定子12に可動子13を吸引し、可動子13を上方に移動させる。
ここでは、電磁石装置10Aは、固定子12、可動子13及び励磁コイル14の他に、継鉄上板111を含む継鉄11と、シャフト15と、筒体16と、接圧ばね17と、復帰ばね18と、コイルボビン19と、を有している。
固定子12は、継鉄上板111の下面中央部から下方に突出する形の円筒状に形成された固定鉄芯である。固定子12の上端部は継鉄上板111に固定されている。
可動子13は、円柱状に形成された可動鉄芯である。可動子13は、固定子12の下方において、その上端面を固定子12の下端面に対向させるように配置されている。可動子13は、上下方向に移動可能に構成されている。可動子13は、その上端面が固定子12の下端面に接触した励磁位置(図1B及び図2参照)と、その上端面が固定子12の下端面から離れた非励磁位置との間で移動する。
励磁コイル14は、その中心軸方向を上下方向と一致させる向きで筐体4の下方に配置されている。励磁コイル14の内側に、固定子12と可動子13とが配置されている。
継鉄11は、励磁コイル14を囲むように配置されており、固定子12及び可動子13と共に、励磁コイル14の通電時に生じる磁束が通る磁気回路を形成する。そのため、継鉄11と固定子12と可動子13とはいずれも磁性材料(強磁性体)から形成されている。継鉄上板111は、この継鉄11の一部を構成している。言い換えると、継鉄11の少なくとも一部(継鉄上板111)は、励磁コイル14と可動接触子8との間に位置する。
接圧ばね17は、可動接触子8の下面と絶縁板41の上面との間に配置されている。接圧ばね17は、可動接触子8を上方へと付勢するコイルばねである(図1B参照)。
復帰ばね18は、少なくとも一部が固定子12の内側に配置されている。復帰ばね18は、可動子13を下方(非励磁位置)へ付勢するコイルばねである。復帰ばね18の一端は可動子13の上端面に接続され、復帰ばね18の他端は継鉄上板111に接続されている(図1B参照)。
シャフト15は、非磁性材料からなる。シャフト15は、上下方向に延びた丸棒状に形成されている。シャフト15は、電磁石装置10Aで発生した駆動力を、電磁石装置10Aの上方に設けられている接点装置1Aへ伝達する。シャフト15は、貫通孔83、貫通孔71、接圧ばね17の内側、貫通孔42、継鉄上板111の中央部に形成された貫通孔、固定子12の内側、及び復帰ばね18の内側を通って、その下端部が可動子13に固定されている。シャフト15の上端部には、第1ヨーク6が固定されている。
コイルボビン19は、合成樹脂製であって励磁コイル14が巻き付けられている。
筒体16は、上面が開口した有底円筒状に形成されている。筒体16の上端部(開口周部)は、継鉄上板111の下面に接合される。これにより、筒体16は、可動子13の移動方向を上下方向に制限し、かつ可動子13の非励磁位置を規定する。筒体16は、継鉄上板111の下面に気密接合されている。これにより、継鉄上板111に貫通孔が形成されていても、筐体4、フランジ5及び継鉄上板111で囲まれた接点装置1Aの内部空間の気密性を確保することができる。
この構成により、電磁石装置10で発生した駆動力で可動子13が上下方向に移動するのに伴い接点装置1Aの可動接触子8が上下方向に移動する。
(1.4)電気機器
次に、電気機器900の構成について説明する。
次に、電気機器900の構成について説明する。
電気機器900は、2つの電磁継電器100A,100Bと、2つの電磁継電器100A,100Bを保持する保持部材920と、を備えている(図7参照)。保持部材920は、例えば合成樹脂製であり、箱状に形成されている。保持部材920は、2つの電磁継電器100を、上下方向及び左右方向が互いに反対となるように収納している。つまり、保持部材920は、接点装置1Aが電磁石装置10Aに対して上側となり、接点装置1Bが電磁石装置10Bに対して下側となるように、電磁継電器100A,100Bを収納している。また、保持部材920は、電磁継電器100A,100Bを前後方向に並べて収納している。さらに保持部材920は、可動接触子8の移動方向(上下方向)において、閉位置にある接点装置1Aの可動接触子8の位置と、閉位置にある接点装置1Bの可動接触子8の位置とがずれるように、電磁継電器100A,100Bを保持している(図8参照)。具体的には、可動接触子8の移動方向(上下方向)において、閉位置にある接点装置1Aの可動接触子8が、電磁石装置10Bの継鉄上板111と、閉位置にある接点装置1Bの可動接触子8との間に配置されている。また、可動接触子8の移動方向(上下方向)において、閉位置にある接点装置1Bの可動接触子8が、電磁石装置10Aの継鉄上板111と、閉位置にある接点装置1Aの可動接触子8との間に配置されている。
なお、可動接触子8の移動方向(上下方向)において、閉位置にある接点装置1Aの可動接触子8が、電磁石装置10Bの継鉄上板111よりも下側に配置されていてもよい。可動接触子8の移動方向(上下方向)において、閉位置にある接点装置1Bの可動接触子8が、電磁石装置10Aの継鉄上板111よりも上側に配置されていてもよい。
本実施形態では、図6に示すように、接点装置1Aにおいて、電流I1が固定端子31に入力され、入力された電流I1が可動接触子8を介して固定端子32から出力されると想定する。一方、接点装置1Bにおいて、電流I2が固定端子32に入力され、入力された電流I2が可動接触子8を介して固定端子31から出力されると想定する。つまり、接点装置1Aと接点装置1Bとは、左右方向が反対となるように配置されているので、接点装置1Aの可動接触子8に流れる電流I1の向き(右方向)と、接点装置1Bの可動接触子8に流れる電流I2の向き(左方向)とが互いに反対となる。
上述したように、接点装置1A及び接点装置1Bは、バッテリE1から負荷R1への直流電力の共通の供給路に接続されている。電磁石装置10A,10Bは、接点装置1A,1Bの可動接触子8の移動が連動するように構成されている。つまり、接点装置1Aの可動接触子8が閉位置である場合、接点装置1Bの可動接触子8も閉位置となり、接点装置1Aの可動接触子8が開位置である場合、接点装置1Aの可動接触子8も開位置となる。したがって、接点装置1Aの可動接触子8に流れる電流I1と、接点装置1Bの可動接触子8に流れる電流I2の大きさが同じとなる。
(2)動作
次に、上述した構成の接点装置1A及び電磁石装置10Aを備えた電磁継電器100Aの動作について簡単に説明する。電磁継電器100Bの動作は、電磁継電器100Aと同様であるので説明を省略する。
次に、上述した構成の接点装置1A及び電磁石装置10Aを備えた電磁継電器100Aの動作について簡単に説明する。電磁継電器100Bの動作は、電磁継電器100Aと同様であるので説明を省略する。
励磁コイル14に通電されていないとき(非通電時)には、可動子13と固定子12との間に磁気吸引力が生じないため、可動子13は、復帰ばね18のばね力によって非励磁位置に位置する。このとき、シャフト15は、下方に引き下げられている。可動接触子8は、シャフト15にて上方への移動が規制される。これにより、可動接触子8は、その可動範囲における下端位置である開位置に位置する。そのため、一対の可動接点81,82は一対の固定接点311,321から離れることになり、接点装置1は開状態となる。この状態では、一対の固定端子31,32間は非導通である。
一方、励磁コイル14に通電されると、可動子13と固定子12との間に磁気吸引力が生じるため、可動子13は、復帰ばね18のばね力に抗して上方に引き寄せられ励磁位置に移動する。このとき、シャフト15が上方に押し上げられるため、可動接触子8は、シャフト15による上方への移動規制が解除される。そして、接圧ばね17が可動接触子8を上方に付勢することで、可動接触子8は、その可動範囲における上端位置である閉位置に移動する。そのため、一対の可動接点81,82が一対の固定接点311,321に接触することになり、接点装置1は閉状態となる。この状態では、接点装置1は閉状態にあるので、一対の固定端子31,32間は導通する。
このように、電磁石装置10は、励磁コイル14の通電状態の切り替えにより可動子13に作用する吸引力を制御し、可動子13を上下方向に移動させることにより、接点装置1の開状態と閉状態とを切り替えるための駆動力を発生する。
(3)利点
励磁コイル14に通電されると、上述したように、電磁石装置10において、可動子13が非励磁位置から励磁位置に移動する。このとき電磁石装置10で発生する駆動力により、可動接触子8が開位置から閉位置に移動する。これにより、可動接点81,82が固定接点311,321に接触し、接点装置1は閉状態となる。接点装置1が閉状態にあれば、接圧ばね17により可動接点81,82は固定接点311,321に押し付けられた状態にある。
励磁コイル14に通電されると、上述したように、電磁石装置10において、可動子13が非励磁位置から励磁位置に移動する。このとき電磁石装置10で発生する駆動力により、可動接触子8が開位置から閉位置に移動する。これにより、可動接点81,82が固定接点311,321に接触し、接点装置1は閉状態となる。接点装置1が閉状態にあれば、接圧ばね17により可動接点81,82は固定接点311,321に押し付けられた状態にある。
ところで、接点装置1が閉状態にあるときに、接点装置1(固定端子31,32間)を流れる電流に起因して、可動接点81,82を固定接点311,321から引き離す電磁反発力が生じることがある。すなわち、接点装置1に電流が流れると、ローレンツ(Lorentz)力により、可動接触子8には、可動接触子8を閉位置から開位置に移動させる向き(下方)の電磁反発力が作用することがある。電磁反発力は、通常時には接圧ばね17のばね力よりも小さいので、可動接触子8は、可動接点81,82を固定接点311,321に接触させた状態を維持する。ただし、接点装置1に、例えば短絡電流等の非常に大きな(一例として6kA程度の)電流(異常電流)が流れた場合、可動接触子8に作用する電磁反発力が接圧ばね17のばね力を上回る可能性がある。本実施形態では、このような電磁反発力への対策として、接点装置1A,1Bそれぞれの可動接触子8に流れる電流を利用する。
本実施形態の接点モジュール91では、接点装置1Aの可動接触子8に流れる電流I1の向きと、接点装置1Bの可動接触子8に流れる電流I2の向きとが反対となる。そのため、接点装置1A,1Bに、例えば短絡電流等の異常電流が流れた場合、接点装置1Aの可動接触子8と、接点装置1Bの可動接触子8との間に斥力F11,F12が発生する(図8参照)。本開示でいう「斥力F11,F12」は、接点装置1Aの可動接触子8と、接点装置1Bの可動接触子8との間で相互に作用する力のうち、互いに離れる向きの力である。このような斥力F11,F12は、ローレンツ力によって、接点装置1Aの可動接触子8に流れる電流I1、及び接点装置1Bの可動接触子8に流れる電流I2が受ける力である。
接点装置1A,1Bそれぞれの可動接触子8が閉位置にある場合、可動接触子8の移動方向において、接点装置1Aの可動接触子8は、接点装置1Aの固定端子31,32と接点装置1Bの可動接触子8との間に位置している。また、接点装置1A,1Bそれぞれの可動接触子8が閉位置にある場合、可動接触子8の移動方向において、接点装置1Bの可動接触子8は、接点装置1Bの固定端子31,32と接点装置1Aの可動接触子8との間に位置している。接点装置1A,1Bそれぞれの可動接触子8は、上下方向に移動可能である。接点装置1Aの可動接触子8と接点装置1Bの可動接触子8との間に発生する斥力により、接点装置1A,1Bそれぞれの可動接触子8には力F11,F12が作用する(図8参照)。接点装置1Aの可動接触子8には、力F11における上下方向の力成分F11xと前後方向の力成分F11yとのうち力成分F11xが加わる。接点装置1Bの可動接触子8には、力F12における上下方向の力成分F12xと前後方向の力成分F12yとのうち力成分F12xが加わる。
つまり、接点装置1Aの可動接触子8には、接点装置1Bの可動接触子8が発生させる磁界により、開位置から閉位置に向かう方向(上方向)の力が作用する。また、接点装置1Bの可動接触子8には、接点装置1Aの可動接触子8が発生させる磁界により、開位置から閉位置に向かう方向(下方向)の力が作用する。その結果、接点装置1A,1Bそれぞれにおいて、可動接触子8が固定接点311,321に押し付けられる力が増す。
したがって、接点装置1A,1Bそれぞれに例えば短絡電流等の異常電流が流れた場合でも、接点装置1A,1Bそれぞれの可動接点81,82と固定接点311,321との間の接続状態の安定化を図ることができる。
(4)変形例
本変形例の接点モジュール91aでは、接点装置1Aと接点装置1Bとの位置関係が上述した接点モジュール91と異なる。
本変形例の接点モジュール91aでは、接点装置1Aと接点装置1Bとの位置関係が上述した接点モジュール91と異なる。
本変形例では、接点装置1A,1Bが上下方向に並ぶように配置されている(図9参照)。接点装置1Bは、接点装置1Aの上方において、接点装置1Aと上下方向及び左右方向が反対となるように配置されている。したがって、接点装置1Aの可動接触子8と、接点装置1Bの可動接触子8とは、上下方向に対向している。
本変形例では、接点装置1Aにおいて、電流I1が固定端子31に入力され、入力された電流I1が可動接触子8を介して固定端子32から出力されると想定する。また、接点装置1Bにおいて、電流I2が固定端子32に入力され、入力された電流I2が可動接触子8を介して固定端子31から出力されると想定する。つまり、接点装置1Aの可動接触子8に流れる電流I1の向き(右方向)と、接点装置1Bの可動接触子8に流れる電流I2の向き(右方向)とが互いに同じとなる(図10参照)。
そのため、ローレンツ力によって、接点装置1Aの可動接触子8と、接点装置1Bの可動接触子8との間に吸引力が発生する。具体的には、接点装置1Aの可動接触子8には、接点装置1Bの可動接触子8が発生させる磁界により、開位置から閉位置に向かう方向(上方向)の力F21が作用する。また、接点装置1Bの可動接触子8には、接点装置1Aの可動接触子8が発生させる磁界により、開位置から閉位置に向かう方向(下方向)の力F22が作用する。その結果、接点装置1A,1Bそれぞれにおいて、可動接触子8が固定接点311,321に押し付けられる力が増す。したがって、接点装置1A,1Bそれぞれにおいて、固定端子31と固定端子32との間で大電流が流れた場合であっても電磁反発力によって一対の固定接点311,321と一対の可動接点81,82とが離れる可能性を低くすることができる。
(実施形態2)
本実施形態の接点モジュール91bは、接点装置1A及び接点装置1Bと、磁気シールド部材9とを備えている(図11参照)。
本実施形態の接点モジュール91bは、接点装置1A及び接点装置1Bと、磁気シールド部材9とを備えている(図11参照)。
実施形態1の接点モジュール91と同様に、接点装置1A,1Bが前後方向に並ぶように配置され、接点装置1Bは、接点装置1Aと上下方向及び左右方向が反対となっている。
磁気シールド部材9は、磁性体(例えば電磁鋼)で構成され、矩形板状に形成されている。磁気シールド部材9は、前後方向を厚さ方向とし、接点装置1Aと接点装置1Bとを隔てるように配置されている。
磁気シールド部材9は、接点装置1A,1Bそれぞれの可動接触子8に作用する、閉位置から開位置へ向かう方向の力を低減させる。ここでは、接点装置1Aにおいて、電流I1が固定端子31に入力され、入力された電流I1が可動接触子8を介して固定端子32から出力されると想定する。また、接点装置1Bにおいて、電流I2が固定端子32に入力され、入力された電流I2が可動接触子8を介して固定端子31から出力されると想定する。つまり、接点装置1Aの可動接触子8に流れる電流I1の向き(右方向)と、接点装置1Bの可動接触子8に流れる電流I2の向き(右方向)とが互いに同じとなる(図11参照)。
そのため、ローレンツ力によって、接点装置1Aの可動接触子8と、接点装置1Bの可動接触子8との間に吸引力が発生する。この吸引力により、接点装置1A,1Bそれぞれの可動接触子8には力F31,F32が作用する。接点装置1A,1Bそれぞれの可動接触子8は、上下方向に移動可能である。そのため、接点装置1Aの可動接触子8には、力F31における上下方向の力成分F31xと前後方向の力成分F31yとのうち力成分F31xが加わる。接点装置1Bの可動接触子8には、力F32における上下方向の力成分F32xと前後方向の力成分F32yとのうち力成分F32xが加わる。つまり、接点装置1Aの可動接触子8は、接点装置1Bの可動接触子8が発生させる磁界により、閉位置から開位置に向かう方向(下方向)の力が作用する。また、接点装置1Bの可動接触子8は、接点装置1Aの可動接触子8が発生させる磁界により、閉位置から開位置に向かう方向(上方向)の力が作用する。
磁気シールド部材9は、厚さ方向が可動接触子8の移動方向(上下方向)に直交する方向(前後方向)となり、前後方向の位置が接点装置1Aと接点装置1Bとの間となるように配置されている。具体的には、磁気シールド部材9は、接点装置1Aの可動接触子8と接点装置1Bの可動接触子8との間に配置されている。接点装置1Aの可動接触子8と接点装置1Bの可動接触子8との間とは、可動接触子8の移動方向(上下方向)において、閉位置にある接点装置1Aの可動接触子8の上端部と、閉位置にある接点装置1Bの可動接触子8の下端部との間の位置を少なくとも含む位置である。本実施形態では、磁気シールド部材9は、前後方向から見て、電磁継電器100A,100Bの全てが重なる(隠れる)ように配置されている。磁気シールド部材9は、例えば保持部材920(図7参照)に形成された溝に嵌められることにより位置が固定される。
磁気シールド部材9により、接点装置1Aの可動接触子8から接点装置1Bの可動接触子8に与えられる磁界、及び接点装置1Bの可動接触子8から接点装置1Aの可動接触子8に与えられる磁界が低減される。これにより、接点装置1A,1Bそれぞれの可動接触子8を通る磁束が低減する。したがって、接点装置1Aの可動接触子8が発生する磁界によって接点装置1Bの可動接触子8に作用する、閉位置から開位置へ向かう方向の力が低減する。また、接点装置1Bの可動接触子8が発生する磁界によって接点装置1Aの可動接触子8に作用する、閉位置から開位置へ向かう方向の力が低減する。その結果、接点装置1A,1Bそれぞれの可動接触子8が閉位置にある場合に、一対の可動接点81,82と一対の固定接点311,321との間の接続状態の安定化を図ることができる。
なお、磁気シールド部材9は、磁性を有していればよく、強磁性体のみで形成された構成に限らず、別部材を備えていてもよい。例えば、磁気シールド部材9は、強磁性体を合成樹脂等でコーティングした構成であってもよい。また、磁気シールド部材9は、平板に形成された構成に限らず、例えば網状に形成されていてもよい。
(変形例)
本変形例の接点モジュール91cでは、接点装置1Aと接点装置1Bとの位置関係が上述した接点モジュール91bと異なる(図12参照)。
本変形例の接点モジュール91cでは、接点装置1Aと接点装置1Bとの位置関係が上述した接点モジュール91bと異なる(図12参照)。
本変形例では、実施形態1の接点モジュール91aと同様に、接点装置1A,1Bが上下方向に並ぶように配置されている。接点装置1Bは、接点装置1Aの上方において、接点装置1Aと上下方向及び左右方向が反対となるように配置されている。したがって、接点装置1Aの可動接触子8と、接点装置1Bの可動接触子8とは、上下方向に対向している。
磁気シールド部材9は、上下方向を厚さ方向とし、接点装置1Aと接点装置1Bとを隔てるように、接点装置1Aの可動接触子8と、接点装置1Bの可動接触子8との間に配置されている。本変形例では、磁気シールド部材9は、上下方向から見て、電磁継電器100A,100Bの全てが重なる(隠れる)ように構成されている。
本変形例では、接点装置1Aにおいて、電流I1が固定端子31に入力され、入力された電流I1が可動接触子8を介して固定端子32から出力されると想定する。一方、接点装置1Bにおいて、電流I2が固定端子31に入力され、入力された電流I2が可動接触子8を介して固定端子32から出力されると想定する。つまり、接点装置1Aの可動接触子8に流れる電流I1の向き(右方向)と、接点装置1Bの可動接触子8に流れる電流I2の向き(左方向)とが互いに反対となる。
そのため、接点装置1Aの可動接触子8と、接点装置1Bの可動接触子8との間に斥力F41,F42が発生する。つまり、接点装置1Aの可動接触子8は、接点装置1Bの可動接触子8が発生させる磁界により、閉位置から開位置に向かう方向(下方向)の力F41が作用する。また、接点装置1Bの可動接触子8は、接点装置1Aの可動接触子8が発生させる磁界により、閉位置から開位置に向かう方向(上方向)の力F42が作用する。
接点装置1Aの可動接触子8と、接点装置1Bの可動接触子8との間には、磁気シールド部材9が配置されている。磁気シールド部材9により、接点装置1Aの可動接触子8から接点装置1Bの可動接触子8に与えられる磁界、及び接点装置1Bの可動接触子8から接点装置1Aの可動接触子8に与えられる磁界が低減される。これにより、接点装置1Aの可動接触子8が発生する磁界によって接点装置1Bの可動接触子8に作用する、閉位置から開位置へ向かう方向の力が低減する。また、接点装置1Bの可動接触子8が発生する磁界によって接点装置1Aの可動接触子8に作用する、閉位置から開位置へ向かう方向の力が低減する。その結果、接点装置1A,1Bそれぞれの可動接触子8が閉位置にある場合に、一対の可動接点81,82と一対の固定接点311,321との間の接続状態の安定化を図ることができる。
(その他の変形例)
以下に、その他の変形例について列記する。なお、以下に説明する変形例は、上記実施形態、変形例と適宜組み合わせて適用可能である。
以下に、その他の変形例について列記する。なお、以下に説明する変形例は、上記実施形態、変形例と適宜組み合わせて適用可能である。
上記の実施形態及び変形例において、接点装置1Aと接点装置1Bとが同一構成であったが、互いに異なる構成であってもよい。
上記の実施形態において、筐体4は、固定端子31,32の一部を露出した状態とする構成としたが、この構成に限定されない。筐体4は、固定端子31,32の全てを内部に収容してもよい。つまり、筐体4は、固定接点311,321と、可動接触子8とを少なくとも収容する構成であればよい。
上記の実施形態において、接点装置はカプセルヨークを備えていなくてもよい。カプセルヨークが設けられている場合、カプセルヨークによって、接点装置1Aの可動接触子8と接点装置1Bの可動接触子8との間の斥力/吸引力が弱まる可能性がある。そこで、カプセルヨークを省略することにより、カプセルヨークに起因した斥力/吸引力の低下を抑制し、結果的に、可動接触子8を固定接点311,321に押しつける力をより大きくすることができる。
上記の実施形態において、電磁継電器は、励磁コイル14に通電されていないときには、可動接触子8が開位置に位置する、いわゆるノーマリオフタイプの電磁継電器としたが、ノーマリオンタイプの電磁継電器であってもよい。
上記の実施形態において、可動接触子8に保持される可動接点の数は2つであるが、この構成に限定されない。可動接触子8に保持される可動接点の数は、1つでもよいし、3つ以上であってもよい。同様に、固定端子(及び固定接点)の数も2つに限らず、1つ又は3つ以上であってもよい。
上記の実施形態において電磁継電器は、ホルダ無タイプの電磁継電器であるが、この構成に限らず、ホルダ付タイプの電磁継電器であってもよい。ここで、ホルダは、例えば左右方向の両面が開口した矩形筒状であって、可動接触子8がホルダを左右方向に貫通するように、ホルダが可動接触子8と組み合わされる。ホルダの下壁と可動接触子8との間に接圧ばね17が配置される。つまり、可動接触子8の左右方向の中央部がホルダにて保持される。ホルダにはシャフト15の上端部が固定されている。励磁コイル14に通電されると、シャフト15が上方に押し上げられるため、ホルダが上方へ移動する。この移動に伴って、可動接触子8は、上方へ移動し、一対の可動接点81,82を一対の固定接点311,321に接触する閉位置に位置させる。
上記の実施形態において接点装置は、プランジャタイプの接点装置としたが、ヒンジタイプの接点装置であってもよい。
上記の実施形態においてバスバー21,22は、固定端子31,32にかしめ結合されることで固定端子31,32と機械的に接続されるとしたが、ねじ止めにより固定端子31,32と機械的に接続されてもよい。または、バスバーは、溶接、又はろう付け等により固定端子31,32と結合されてもよい。
上記の実施形態において消弧用磁石は、筐体4の外側(つまりカプセルヨークと筐体4との間)に配置される構成としたが、この構成に限定されない。消弧用磁石は、筐体4の内側に配置されてもよい。
なお、各実施形態の接点装置において、ヨーク、消弧用磁石及びカプセルヨークは必須の構成ではない。
(まとめ)
第1態様に係る接点モジュール(91,91a)は、一対の接点装置(1,1A,1B)を備える。一対の接点装置(1,1A,1B)の各々は、固定端子(31,32)と、可動接触子(8)と、を有する。固定端子(31,32)は、固定接点(311,321)を有する。可動接触子(8)は、可動接点(81,82)を有し、可動接点(81,82)が固定接点(311,321)に接触する閉位置と可動接点(81,82)が固定接点(311,321)から離れる開位置との間で移動する。一対の接点装置(1,1A,1B)は、一方の接点装置(1A)が有する一方の可動接触子(8)が開位置から閉位置へ向かう方向と、他方の接点装置(1B)が有する他方の可動接触子(8)が開位置から閉位置へ向かう方向と、が互いに反対方向となるように配置されている。一方の可動接触子(8)は、通電時に、電流が流れている状態の他方の可動接触子(8)に対して開位置から閉位置へ向かう方向の力を作用させる磁界を発生させる。他方の可動接触子(8)は、通電時に、電流が流れている状態の一方の可動接触子(8)に対して開位置から閉位置へ向かう方向の力を作用させる磁界を発生させる。
第1態様に係る接点モジュール(91,91a)は、一対の接点装置(1,1A,1B)を備える。一対の接点装置(1,1A,1B)の各々は、固定端子(31,32)と、可動接触子(8)と、を有する。固定端子(31,32)は、固定接点(311,321)を有する。可動接触子(8)は、可動接点(81,82)を有し、可動接点(81,82)が固定接点(311,321)に接触する閉位置と可動接点(81,82)が固定接点(311,321)から離れる開位置との間で移動する。一対の接点装置(1,1A,1B)は、一方の接点装置(1A)が有する一方の可動接触子(8)が開位置から閉位置へ向かう方向と、他方の接点装置(1B)が有する他方の可動接触子(8)が開位置から閉位置へ向かう方向と、が互いに反対方向となるように配置されている。一方の可動接触子(8)は、通電時に、電流が流れている状態の他方の可動接触子(8)に対して開位置から閉位置へ向かう方向の力を作用させる磁界を発生させる。他方の可動接触子(8)は、通電時に、電流が流れている状態の一方の可動接触子(8)に対して開位置から閉位置へ向かう方向の力を作用させる磁界を発生させる。
この態様によれば、一方の可動接触子(8)が発生した磁界により、他方の可動接触子(8)が固定接点(311,321)を押し付ける力が増し、他方の可動接触子(8)が発生した磁界により、一方の可動接触子(8)が固定接点(311,321)を押し付ける力が増す。したがって、一方の接点装置(1A)及び他方の接点装置(1B)それぞれにおいて可動接点(81,82)と固定接点(311,321)との間の接続状態の安定化を図ることができる。
第2態様に係る接点モジュール(91)では、第1態様において、一方の可動接触子(8)、及び他方の可動接触子(8)は、それぞれの移動方向において、一方の接点装置(1A)が有する一方の固定接点(311,321)と、他方の接点装置(1B)が有する他方の固定接点(311,321)との間に位置する。一方の可動接触子(8)、及び他方の可動接触子(8)は、それぞれの移動方向において、閉位置である場合の位置が互いに異なる。一方の可動接触子(8)に流れる電流の方向と、他方の可動接触子(8)に流れる電流の方向とは、互いに反対方向である。
この態様によれば、一方の可動接触子(8)と他方の可動接触子(8)との間の斥力により、一方の可動接触子(8)が固定接点(311,321)を押し付ける力が増し、他方の可動接触子(8)が固定接点(311,321)を押し付ける力が増す。したがって、一方の接点装置(1A)及び他方の接点装置(1B)それぞれにおいて可動接点(81,82)と固定接点(311,321)との間の接続状態の安定化を図ることができる。
第3態様に係る接点モジュール(91a)では、第1態様において、一方の可動接触子(8)、及び他方の可動接触子(8)は、それぞれの移動方向において、閉位置である場合の位置が互いに異なる。一方の接点装置(1A)が有する一方の固定接点(311,321)、及び他方の接点装置(1B)が有する他方の固定接点(311,321)は、一方の可動接触子(8)及び他方の可動接触子(8)それぞれの移動方向において、一方の可動接触子(8)と他方の可動接触子(8)との間に位置する。一方の可動接触子(8)に流れる電流の方向と、他方の可動接触子(8)に流れる電流の方向とは、互いに同じ方向である。
この態様によれば、一方の可動接触子(8)と他方の可動接触子(8)との間の吸引力により、一方の可動接触子(8)が固定接点(311,321)を押し付ける力が増し、他方の可動接触子(8)が固定接点(311,321)を押し付ける力が増す。したがって、一方の接点装置(1A)及び他方の接点装置(1B)それぞれにおいて可動接点(81,82)と固定接点(311,321)との間の接続状態の安定化を図ることができる。
第4態様に係る接点モジュール(91b,91c)は、一対の接点装置(1,1A,1B)と、磁性を有する磁気シールド部材(9)と、を備える。一対の接点装置(1,1A,1B)の各々は、固定端子(31,32)と、可動接触子(8)と、を有する。固定端子(31,32)は、固定接点(311,321)を有する。可動接触子(8)は、可動接点(81,82)を有し、可動接点(81,82)が固定接点(311,321)に接触する閉位置と可動接点(81,82)が固定接点(311,321)から離れる開位置との間で移動する。一対の接点装置(1,1A,1B)は、一方の接点装置(1A)が有する一方の可動接触子(8)が開位置から閉位置へ向かう方向と、他方の接点装置(1B)が有する他方の可動接触子(8)が開位置から閉位置へ向かう方向と、が互いに反対方向となるように配置されている。一方の可動接触子(8)は、通電時に、電流が流れている状態の他方の可動接触子(8)に対して閉位置から開位置へ向かう方向の力を作用させる磁界を発生させる。他方の可動接触子(8)は、通電時に、電流が流れている状態の一方の可動接触子(8)に対して閉位置から開位置へ向かう方向の力を作用させる磁界を発生させる。磁気シールド部材(9)は、一方の可動接触子(8)と他方の可動接触子(8)との間に配置されている。
この態様によれば、磁気シールド部材(9)により、一方の可動接触子(8)から他方の可動接触子(8)に与えられる磁界、及び他方の可動接触子(8)から一方の可動接触子(8)に与えられる磁界が低減される。これにより、一方の可動接触子(8)及び他方向の可動接触子(8)に作用する、閉位置から開位置へ向かう方向の力が低減する。したがって、一方の接点装置(1A)及び他方の接点装置(1B)それぞれにおいて可動接点(81,82)と固定接点(311,321)との間の接続状態の安定化を図ることができる。
第5態様に係る接点モジュール(91,91a,91b,91c)では、第1〜第4態様のいずれかにおいて、一対の接点装置(1,1A,1B)の各々において、固定端子(31,32)は、第1固定端子(31)及び第2固定端子(32)を有する。固定接点(311,321)は、第1固定端子(31)に設けられる第1固定接点(311)と、第2固定端子(32)に設けられる第2固定接点(321)と、を有する。可動接点(81,82)は、可動接触子(8)が閉位置に位置するときに、第1固定接点(311)及び第2固定接点(321)にそれぞれ接触する第1可動接点(81)及び第2可動接点(82)を有する。
この態様によれば、一方の接点装置(1A)及び他方の接点装置(1B)それぞれにおいて可動接点(81,82)と固定接点(311,321)との間の接続状態の安定化を図ることができる。
第6態様に係る接点装置(1,1A,1B)は、第1〜第5態様のいずれかの接点モジュール(91,91a,91b,91c)が備えている。
この態様によれば、接点装置(1,1A,1B)における可動接点(81,82)と固定接点(311,321)との間の接続状態の安定化を図ることができる。
第7態様に係る電磁継電器モジュール(910)は、第1〜第5態様のいずれかの接点モジュール(91,91a,91b,91c)と、一対の電磁石装置(10,10A,10B)と、を備える。一対の電磁石装置(10,10A,10B)のうち、一方の電磁石装置(10,10A,10B)は、一方の可動接触子(8)を移動させ、他方の電磁石装置(10,10A,10B)は、他方の可動接触子(8)を移動させる。
この態様によれば、一方の接点装置(1A)及び他方の接点装置(1B)それぞれにおいて可動接点(81,82)と固定接点(311,321)との間の接続状態の安定化を図ることができる。
第8態様に係る電気機器(900)は、第7態様に係る電磁継電器モジュール(910)と、保持部材(920)と、を備える。保持部材(920)は、一方の可動接触子(8)が開位置から閉位置へ向かう方向と、他方の可動接触子(8)が開位置から閉位置へ向かう方向と、が互いに反対方向となるように、電磁継電器モジュール(910)を保持する。
この態様によれば、一方の接点装置(1A)及び他方の接点装置(1B)それぞれにおいて可動接点(81,82)と固定接点(311,321)との間の接続状態の安定化を図ることができる。
第2、第3及び第5の態様に係る構成については、接点モジュール(91,91a,91b,91c)の必須の構成ではなく、適宜省略可能である。
1 接点装置
1A (一方の)接点装置
1B (他方の)接点装置
31 固定端子(第1固定端子)
311 固定接点(第1固定接点)
32 固定端子(第2固定端子)
321 固定接点(第2固定接点)
8 可動接触子
81 可動接点(第1可動接点)
82 可動接点(第2可動接点)
9 磁気シールド部材
91,91a,91b,91c 接点モジュール
910 電磁継電器モジュール
10,10A,10B 電磁石装置
900 電気機器
920 保持部材
1A (一方の)接点装置
1B (他方の)接点装置
31 固定端子(第1固定端子)
311 固定接点(第1固定接点)
32 固定端子(第2固定端子)
321 固定接点(第2固定接点)
8 可動接触子
81 可動接点(第1可動接点)
82 可動接点(第2可動接点)
9 磁気シールド部材
91,91a,91b,91c 接点モジュール
910 電磁継電器モジュール
10,10A,10B 電磁石装置
900 電気機器
920 保持部材
この構成により、電磁石装置10Aで発生した駆動力で可動子13が上下方向に移動するのに伴い接点装置1Aの可動接触子8が上下方向に移動する。
上述したように、接点装置1A及び接点装置1Bは、バッテリE1から負荷R1への直流電力の共通の供給路に接続されている。電磁石装置10A,10Bは、接点装置1A,1Bの可動接触子8の移動が連動するように構成されている。つまり、接点装置1Aの可動接触子8が閉位置である場合、接点装置1Bの可動接触子8も閉位置となり、接点装置1Aの可動接触子8が開位置である場合、接点装置1Bの可動接触子8も開位置となる。したがって、接点装置1Aの可動接触子8に流れる電流I1と、接点装置1Bの可動接触子8に流れる電流I2の大きさが同じとなる。
Claims (8)
- 一対の接点装置を備え、
前記一対の接点装置の各々は、
固定接点を有する固定端子と、
可動接点を有し、前記可動接点が前記固定接点に接触する閉位置と前記可動接点が前記固定接点から離れる開位置との間で移動する可動接触子と、を有し、
前記一対の接点装置は、一方の接点装置が有する一方の前記可動接触子が前記開位置から前記閉位置へ向かう方向と、他方の接点装置が有する他方の前記可動接触子が前記開位置から前記閉位置へ向かう方向と、が互いに反対方向となるように配置され、
前記一方の可動接触子は、通電時に、電流が流れている状態の前記他方の可動接触子に対して前記開位置から前記閉位置へ向かう方向の力を作用させる磁界を発生させ、
前記他方の可動接触子は、通電時に、電流が流れている状態の前記一方の可動接触子に対して前記開位置から前記閉位置へ向かう方向の力を作用させる磁界を発生させる
ことを特徴とする接点モジュール。 - 前記一方の可動接触子、及び前記他方の可動接触子は、それぞれの移動方向において、前記一方の接点装置が有する一方の前記固定接点と、前記他方の接点装置が有する他方の前記固定接点との間に位置し、かつ、前記閉位置である場合の位置が互いに異なり、
前記一方の可動接触子に流れる電流の方向と、前記他方の可動接触子に流れる電流の方向とは、互いに反対方向である
ことを特徴とする請求項1に記載の接点モジュール。 - 前記一方の可動接触子、及び前記他方の可動接触子は、それぞれの移動方向において、前記閉位置である場合の位置が互いに異なり、
前記一方の接点装置が有する一方の前記固定接点、及び前記他方の接点装置が有する他方の前記固定接点は、前記一方の可動接触子及び前記他方の可動接触子それぞれの移動方向において、前記一方の可動接触子と前記他方の可動接触子との間に位置し、
前記一方の可動接触子に流れる電流の方向と、前記他方の可動接触子に流れる電流の方向とは、互いに同じ方向である
ことを特徴とする請求項1に記載の接点モジュール。 - 一対の接点装置と、
磁性を有する磁気シールド部材と、を備え、
前記一対の接点装置の各々は、
固定接点を有する固定端子と、
可動接点を有し、前記可動接点が前記固定接点に接触する閉位置と前記可動接点が前記固定接点から離れる開位置との間で移動する可動接触子と、を有し、
前記一対の接点装置は、一方の接点装置が有する一方の前記可動接触子が前記開位置から前記閉位置へ向かう方向と、他方の接点装置が有する他方の前記可動接触子が前記開位置から前記閉位置へ向かう方向と、が互いに反対方向となるように配置され、
前記一方の可動接触子は、通電時に、電流が流れている状態の前記他方の可動接触子に対して前記閉位置から前記開位置へ向かう方向の力を作用させる磁界を発生させ、
前記他方の可動接触子は、通電時に、電流が流れている状態の前記一方の可動接触子に対して前記閉位置から前記開位置へ向かう方向の力を作用させる磁界を発生させ、
前記磁気シールド部材は、前記一方の可動接触子と前記他方の可動接触子との間に配置されている
ことを特徴とする接点モジュール。 - 前記一対の接点装置の各々において、
前記固定端子は、第1固定端子及び第2固定端子を有し、
前記固定接点は、前記第1固定端子に設けられる第1固定接点と、前記第2固定端子に設けられる第2固定接点と、を有し、
前記可動接点は、前記可動接触子が前記閉位置に位置するときに、前記第1固定接点及び前記第2固定接点にそれぞれ接触する第1可動接点及び第2可動接点を有する
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の接点モジュール。 - 請求項1〜5のいずれか1項に記載の接点モジュールが備える接点装置。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の接点モジュールと、
一対の電磁石装置と、を備え、
前記一対の電磁石装置のうち、一方の電磁石装置は、前記一方の可動接触子を移動させ、他方の電磁石装置は、前記他方の可動接触子を移動させる
ことを特徴とする電磁継電器モジュール。 - 請求項7に記載の電磁継電器モジュールと、
前記一方の可動接触子が前記開位置から前記閉位置へ向かう方向と、前記他方の可動接触子が前記開位置から前記閉位置へ向かう方向と、が互いに反対方向となるように、前記電磁継電器モジュールを保持する保持部材と、を備える
ことを特徴とする電気機器。
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2017227289 | 2017-11-27 | ||
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