JP2015218983A - 採熱システムの施工方法 - Google Patents

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Noriyoshi Yamaji
知徳 山路
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Abstract

【課題】複数の長尺の採熱管が既設管の内側底部に沿うように管軸方向に延設される採熱システムの施工方法において、採熱システムを構築する際の作業効率を向上させる。
【解決手段】既設管2の内側底部2aに沿うように管軸方向に延設される複数の長尺の採熱管10を備え、既設管2内を流れる下水3と採熱管10内を流れる熱交換媒体とを熱交換させる採熱システム1の施工方法である。採熱管群80を既設管2外から既設管2内へ引き込む工程と、採熱管群80を既設管2内に個々に固定する工程と、複数の採熱管10と往側および復側ヘッダー20,21とを接続する工程と、を含んでいる。
【選択図】図8

Description

本発明は、既設管の内側底部に沿うように管軸方向に延設される複数の長尺の採熱管を備える採熱システムの施工方法に関するものである。
例えば下水道用管路や工業用水用管路といった既設管の内部を流れる液体の温度は四季を通じて変動が小さいのに対し、外気温度は季節変動が大きいことに着目し、これらの既設管内を流れる液体と外気温度との温度差を利用して熱交換を行うようにした採熱システムが従来から知られている。
例えば特許文献1には、既設管の内部に熱可塑性樹脂からなるスリーブを延設するとともに、当該スリーブの底部に長手方向に延びる通路を複数形成し、これらの通路を流れる熱交換媒体と、当該スリーブの内側底部を流れる水とが熱交換を行うようにした管路構造が開示されている。
しかしながら、採熱システムにおいては、熱の回収が主たる目的であるのに、既設管が老朽化しておらず既設管の修復が必要ではない場合にも、上記特許文献1のもののように常に既設管の内部にスリーブを延設すると、採熱システムのコストが増大するという問題がある。
そこで、例えば特許文献2には、マンホールから出発し折り返されて再び当該マンホールに戻るように連続する複数本の採熱管を、既設管または新設管の管底部内周面の長手方向にそれぞれ平行に敷設することで、熱交換媒体と下水とを熱交換させる下水熱等の採熱構造が開示されている。この特許文献2の採熱構造を既設管に適用すれば、採熱システムのコストが増大するのを抑えることができる。
特開2013−40469号公報 特開2013−242107号公報
ところで、上記のような採熱システムに用いられる採熱管は、例えば50mを超えるような長尺物であることから、運搬時の利便性等を考慮して、通常、採熱管が1本ずつ例えばドラム等に巻かれた状態で施工現場に搬入される。そうして、上記特許文献2では、採熱管を既設管内に引き込む手順等については詳述されていないが、採熱システムを構築する際には、採熱管を1本ずつドラムから巻き出しながら人孔を介して既設管内に引き込むことが多い。
しかしながら、採熱管が多数本あるような場合に、長尺の採熱管を1本ずつ既設管内に引き込み、1本ずつ既設管に沿って敷設するという作業を、採熱管の本数と同じ回数だけ繰り返したのでは、作業効率が大幅に低下するという問題がある。その一方で、地上で巻き出された複数の採熱管を無造作に人孔に投入すると、長尺の採熱管同士が絡まり合うため、採熱管を引き揃えるのに多大な時間を要し、作業効率が大幅に低下するという問題がある。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、複数の長尺の採熱管が既設管の内側底部に沿うように管軸方向に延設される採熱システムの施工方法において、採熱システムを構築する際の作業効率を向上させる技術を提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明は、既設管の内側底部に沿うように管軸方向に延設される複数の長尺の採熱管を備え、当該既設管内を流れる液体と、当該採熱管内を流れる熱交換媒体とを熱交換させる採熱システムの施工方法を対象としている。
そして、上記施工方法は、上記複数の採熱管の束を上記既設管外から上記既設管内へ引き込む引込工程と、上記複数の採熱管の束を分けて上記既設管内に個々に固定する固定工程と、上記複数の採熱管と、複数の採熱管を集合させるためのヘッダーとを接続する接続工程と、を含むことを特徴としている。
この構成によれば、既設管内へ引き込まれた複数の採熱管を、既設管内に固定するとともに、ヘッダーと接続することから、例えば、熱利用施設から流れてきた熱交換媒体を、往側のヘッダー、採熱管、復側のヘッダーの順に流して、再び熱利用施設へと送り返す採熱システムを構築することができる。
そうして、引込工程では、複数の採熱管の束を既設管外から既設管内へ引き込むことから、採熱管を1本ずつ引き込む場合に比して、作業時間が大幅に短縮するので、採熱システムを構築する際の作業効率を向上させることができる。しかも、複数の採熱管を無造作に引き込むのではなく、結束バンド等により採熱管を仮固定した束として引き込むことから、巻癖がついた長尺の採熱管の引き揃えを円滑に行うことができる。
なお、この施工方法は、引込工程と固定工程と接続工程とを含んでいればよく、例えば接続工程を引込工程や固定工程よりも先行させてもよい。すなわち、例えば、ヘッダーと接続された複数の採熱管の束を既設管外から既設管内へ引き込んでもよいし、束として引き込まれた採熱管を既設管に固定するのに先立ち、ヘッダーと接続してもよい。
また、上記引込工程では、複数の採熱管が横並び状態でドラムに巻き付けられた採熱管の束を、上記既設管外で上記ドラムから巻き出しながら、上記既設管内へ引き込むとともに、上記既設管の内側底部に沿うように引き揃えることが好ましい。
この構成によれば、複数の採熱管の束がドラムに巻き付けられていることから、採熱管を1本ずつドラムから巻き出すのではなく、複数の採熱管を一度にドラムから巻き出しながら既設管内へ引き込めるので、作業時間が大幅に短縮することができる。また、複数の採熱管が横並び状態でドラムに巻き付けられていることから、ドラムから巻き出しながら複数の採熱管を既設管の内側底部に沿うように引き揃える作業を容易に行うことができる。
ところで、一の人孔の近傍に設けたヘッダーから分流した熱交換媒体を、既設管の管軸方向に延設された採熱管内を流した後、他の人孔の近傍に設けたヘッダーに集合させるのではなく、再び一の人孔の近傍に設けた別のヘッダーに集合させる場合には、採熱管に折返し部を設ける必要がある。
そこで、上記ドラムに巻き付けられた複数の採熱管は、コ字形状またはU字形状に折り返された折返し部を有していることが好ましい。
この構成によれば、例えば作業環境が良好な工場作業において、コ字形状またはU字形状の折返し部が形成された複数の採熱管を横並び状態でドラムに巻き付け、かかる採熱管を巻き出しながら既設管内へ引き込んで、既設管の内側底部に沿うように引き揃えることで、既設管内を往復する循環経路を容易に施工することができる。
上述の如く、本発明の施工方法では、採熱管を1本ずつではなく、束で既設管内に引き込むことによって、作業効率を向上させるようにしているが、採熱管が多数の場合に一度に採熱管の束を既設管内に引き込もうとすると、採熱管の束の重量次第では、逆に作業効率を低下させるおそれがある。
そこで、上記複数の採熱管の束は、所定本数の採熱管を横並び状態で束ねた採熱管群を複数群有しており、上記引込工程では、上記複数の採熱管群を数群に分割して上記既設管内へ引き込むことが好ましい。
この構成によれば、引き込みおよび引き揃えの支障にならない程度の重量を有する(例えば1〜3群の)採熱管群を一度に既設管内に引き込むことから、採熱管を1本ずつ引き込む場合に比して作業時間が大幅に短縮することができる。また、採熱管の全本数を一度に引き込むのではなく、複数の採熱管群を数群に分割して既設管内に引き込むことから、採熱管の重量に起因する作業効率の低下を抑えることができる。
ところで、上述の如く、採熱管はドラム等に巻かれた状態で施工現場に搬入されることから、施工現場に搬入された長尺の採熱管には巻癖がついていることが多い。かかる巻癖がついた長尺の採熱管を敷設する際には、巻癖を取りながら採熱管を真っ直ぐに延ばして敷設するが、一度ついた巻癖を完全に取り去ることは困難である。このため、長尺の採熱管を既設管の内側底部に管軸方向に延びるように敷設しても、巻癖に起因して、採熱管が波打ったり、相隣り合う採熱管に段差が生じたりするおそれがある。このように、採熱管が波打ったり、相隣り合う採熱管に段差が生じたりすると、既設管内を流れる異物等が採熱管に引っかかったり、堆積したりすることで、既設管内を流れる液体の流れを阻害するという問題がある。
そこで、上記施工方法では、短冊状の基板と、当該基板から上方に突出し且つ当該基板の長手方向に延びる複数条のリブと、当該基板の一方の側縁部に設けられた係合部と、当該基板の他方の側縁部に設けられた被係合部と、を有する拘束部材を用意し、上記採熱管は、間隔をあけて設けられた結束部材によって束ねられており、上記固定工程では、上記既設管内における上記液体の液面よりも上方で、上記係合部と上記被係合部とを係合させて管周方向に相隣接する上記拘束部材の側縁部同士を連結するとともに、上記複数条のリブの間に、拘束部材近傍にある上記結束部材を外す、または、ずらすことで個別に上記採熱管を挟み込んだ後、当該拘束部材を上記液体中に沈める作業を繰り返すことにより、当該拘束部材を上記既設管の内側底部に沿って管軸方向に複数連なるように設置することが好ましい。
この構成によれば、管軸方向に複数連なるように設置された拘束部材のリブの間に採熱管を挟み込むことによって、採熱管が直線状に維持されるので、長尺の採熱管に波打ちや段差が生じるのを抑制することができる。
また、係合部と被係合部とを係合させるとともにリブの間に採熱管を挟み込むという簡単な作業で、側縁部同士が連結された拘束部材によって多数の採熱管を拘束することが可能となることから、作業環境が良好とはいえない管内作業においても、採熱管を既設管に対して容易に固定することができる。
ところで、拘束部材の側縁部同士を連結するとともに、リブの間に採熱管を挟み込んだ後、拘束部材を液体中に沈める作業を、管軸方向の片側(例えば折返し部がある側)から順次行う場合、採熱管における今回リブの間に挟み込もうとしている部位の近傍が、既に拘束部材によって拘束されていると、当該部位が撓み難いことから、リブの間に採熱管を挟み込む作業が煩雑になるおそれがある。
そこで、上記固定工程では、先行して設置された上記拘束部材から管軸方向に離れた地点で、上記拘束部材の側縁部同士の連結および上記採熱管の挟み込みを行うとともに、液体中に沈めた当該拘束部材を上記採熱管に沿って滑らせて、先行して設置された上記拘束部材に突き当てることで、上記拘束部材を順次連ねることが好ましい。
この構成によれば、先行して設置された拘束部材から管軸方向に離れた地点で、換言すると、採熱管を撓ませ易い状況で、採熱管を液体の液面よりも上方に持ち上げたり、リブの間に採熱管を挟み込む作業を行ったりすることから、リブの間に採熱管を挟み込む作業が煩雑になるのを抑えることができる。また、採熱管が挟み込まれた拘束部材を当該地点から採熱管に沿って滑らせて、先行して設置された拘束部材に突き当てることで、容易に拘束部材を管軸方向に複数連ねることができる。
また、上記施工方法では、短冊状の基板と、当該基板から上方に突出し且つ当該基板の長手方向に延びる複数条のリブと、当該基板の長手方向の一方の側縁部に設けられた係合部と、当該基板の長手方向の他方の側縁部に設けられた被係合部と、を有していて、上記既設管の内側底部に沿って管軸方向に複数連なるように設置される拘束部材を用意し、上記固定工程では、上記既設管外で、上記係合部と上記被係合部とを係合させることで相隣接する上記拘束部材の側縁部同士を連結するとともに、当該拘束部材を連結方向に撓ませた状態で上記既設管外から上記既設管内へ導入することが好ましい。
なお、この構成において「連結方向に撓ませた状態」とは、側縁部同士が連結された拘束部材を、主として係合部と被係合部との連結部を基点として(拘束部材自体の撓みも含む)、例えば円形状や波型状に撓ませた状態を意味する。
この構成によれば、側縁部同士が連結された拘束部材を連結方向に撓ませることで、例えば人孔の孔径が小さい場合にも、連結された拘束部材を既設管内へ導入することができる。また、既設管外で、拘束部材の側縁部同士を連結することで、作業環境が良好とはいえない管内における作業工数を減少させることができる。
以上、説明したように本発明に係る採熱システムの施工方法によれば、複数の採熱管の束を既設管外から既設管内へ引き込むことで、採熱システムを構築する際の作業効率を向上させることができる。
本発明の実施形態に係る施工方法が適用される採熱システムを模式的に示す縦断図である。 採熱システムにおける既設管の下半分に対応する部分を管周方向に展開した模式図である。 図1のIII−III線の横断図である。 採熱管の折返し部の形状を模式的に示す図であり、同図(a)は機械的な嵌め合せ機構による折返し部を示し、同図(b)は生曲げ加工による折返し部を示し、同図(c)は融着等による折返し部を示す。 フレームを模式的に示す図であり、同図(a)は斜視図であり、同図(b)は端面図である。 折返し部に形成された摺り付け部を模式的に示す図であり、同図(a)は平面図であり、同図(b)は側面図である。 採熱管とヘッダーとの連結部に形成された摺り付け部を模式的に示す図であり、同図(a)は平面図であり、同図(b)は側面図である。 採熱システムの施工手順の一例を模式的に説明する図である。 採熱管が巻き付けられたドラム装置を模式的に示す斜視図である。 フレームの設置手順の一例を模式的に説明する図である。 フレームを連結方向に撓ませた状態を模式的に示す図である。
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の実施形態に係る施工方法が適用される採熱システム1を模式的に示す縦断図であり、図2は採熱システム1における既設管2の下半分に対応する部分を管周方向に展開した模式図であり、図3は図1のIII−III線の横断図である。この採熱システム1は、例えば下水道用管路や工業用水用管路や農業用水用管路といった既設管2の内部に設けられるものであり、複数の採熱管10と、複数の採熱管10を集合させる往側ヘッダー20および復側ヘッダー21と、複数の採熱管10を拘束するフレーム30と、複数の採熱管10を既設管2に対して固定する固定バンド40と、採熱システム1における管軸方向両端部の段差を緩和するための摺り付け部50,51と、を備えている。なお、図2では、図を見易くするために、摺り付け部50,51を2点鎖線で示している。
以下では、この採熱システム1を第1人孔70と第2人孔71との間に設けられた下水道用の既設管2に適用した場合について説明する。なお、この既設管2では図1の右側から左側へ下水(液体)3が流れている(図1の白抜き矢印参照)。以下の説明では、説明の便宜上、上流側を先端側ともいい、下流側を基端側ともいう。
採熱管10は、熱可塑性樹脂からなる円筒状の管であり、既設管2内を流れる下水3と熱交換を行う熱交換媒体が内部を流れている。なお、採熱管10の材質は、他の樹脂やゴム等を排除するものではないが、搬送時や既設管2内への引き込み時における利便性の点から柔軟性を備え、且つ、下水3や工業用水に対する耐薬品性を備えているとともに、熱融着や溶接による接続や補修が可能であることが望ましいことから、オレフィン系熱可塑性樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン等)であることが好ましい。また、本実施形態では、下水3との接触面積を大きくするために、採熱管10として、円筒状の管を採用しているが、例えば角筒状(正方形筒状、矩形筒状、台形筒状、三角形筒状等)といった他の断面形状を有する管を排除するものではない。
各採熱管10は、図2に示すように、往側採熱管11と、復側採熱管12と、折返し管13と、を有している。往側採熱管11および復側採熱管12は、図3に示すように、既設管2の内側底部2aに沿うように管軸方向に延設されている。各採熱管10において、往側採熱管11および復側採熱管12の先端側の端部は、図2および図4(a)に示すように、それぞれ90°エルボ型の管継手16を介して、既設管2の内周面に沿うように内側底部2aに配置された折返し管13と接続されている。これにより、各採熱管10は、その先端部にコ字形状の折返し部15を有している。すなわち、本実施形態では、往側採熱管11および復側採熱管12の先端側の端部と、管継手16と、折返し管13とが、本発明でいうところの「コ字形状に折り返された折返し部」に相当する。
なお、折返し部15は、コ字形状に折り返されたものだけではなく、U字形状に折り返されたものでもよい。そうして、U字形状に折り返された折返し部15は、例えば、図4(b)に示すように、採熱管10に熱を加えて柔らかくし、型(図示せず)に沿わせて曲げていく生曲げ加工によって形成してもよいし、図4(c)に示すように、直線状の採熱管(往側採熱管11および復側採熱管12)と曲り形状の採熱管(折返し管13)とを、融着や溶接や接着(接着剤)により接続することで形成してもよい。
一方、往側採熱管11および復側採熱管12の基端側の端部(折返し部15とは反対側の端部)は、図2に示すように、それぞれ90°エルボ型の管継手17を介して接続管14と接続されている。各接続管14は、既設管2の内周面に沿って上方に延びている。往側採熱管11と接続された接続管14は、複数の採熱管10を集合させるための往側ヘッダー20と接続されている一方、復側採熱管12と接続された接続管14は復側ヘッダー21とそれぞれ接続されている。これらの往側ヘッダー20および復側ヘッダー21は、既設管2の円周方向に略180°の間隔で、既設管2の内周面における水平な直径方向で対向する2箇所に取り付けられている。つまり、往側ヘッダー20および復側ヘッダー21は、通常、下水3に浸からないような位置に配置されている。
以上のように構成された採熱システム1では、熱利用施設60と接続された往側熱輸送管61を流れる熱交換媒体は、往側ヘッダー20、接続管14を順に経由して往側採熱管11に至り、下水3と熱交換を行いながら複数の往側採熱管11内を流れる。そうして、複数の往側採熱管11内を流れた熱交換媒体は、折返し部15で折り返して、再び下水3と熱交換を行いながら複数の復側採熱管12内を流れた後、接続管14、復側ヘッダー21を順に経由して、復側熱輸送管62を通って熱利用施設60へと戻る。
このように、本実施形態の採熱システム1では、複数(8本)の往側採熱管11と複数(8本)の復側採熱管12とを折返し管13でそれぞれ接続し、1組の往側採熱管11および復側採熱管12を流れる熱交換媒体の移動距離を既設管2の1往復分に抑えていることから、例えば、1本の採熱管10を8回往復させる場合に比して、圧力損失の増大を抑えることができる。また、本実施形態の採熱システム1では、折返し管13および接続管14を既設管2の内周面に沿うように配置していることから、例えば、採熱管10を介して接続される折返し用ヘッダー(図示せず)や集合ヘッダー(図示せず)を既設管2の内側底部2aに直接設置するような構造に比して、流路阻害を抑えることができる。
ところで、施工現場に搬入された長尺の採熱管10には巻癖がついていることが多いところ、かかる巻癖がついた長尺の採熱管10をそのまま敷設すると、採熱管10が波打ったり、相隣り合う採熱管10に段差が生じたりすることで、例えば既設管2内を流れる異物等が採熱管10に引っ掛かって、下水3の流れを阻害するおそれがある。このため、本実施形態の採熱システム1では、採熱管10よりも高い剛性を有し、且つ、採熱管10を露出させた状態で直線状に拘束可能なフレーム(拘束部材)30を、既設管2の内側底部2aに沿って管軸方向に連なるように複数設置し、かかるフレーム30によって採熱管10を拘束するようにしている。
図5は、フレーム30を模式的に示す図であり、同図(a)は斜視図であり、同図(b)は端面図である。このフレーム30は、図5に示すように、短冊状(長方形状)の基板31と、当該基板31から上方に突出し且つ当該基板31の長手方向に延びる4条のリブ32と、当該基板31の長手方向の一方側(図5(b)の左側)の側縁部に設けられた係合部33と、当該基板31の長手方向の他方側(図5(b)の右側)の側縁部に設けられた被係合部34と、を有している。なお、フレーム30は、巻癖がついた採熱管10を直線状に拘束することから、採熱管10よりも高い剛性を有する必要がある。それ故、例えばポリエチレンからなる採熱管10を用いる場合には、例えばポリ塩化ビニルまたは防錆性の高い金属(例えば、亜鉛メッキ鋼板、ステンレス、チタン等)からなるフレーム30を用いるのが好ましい。
4条のリブ32は、基板31の長手直角方向に、採熱管10の外径と略等しい間隔をあけて、基板31の長手方向の全長に亘って形成されている。各リブ32の上端部には、基板31の長手直角方向両側に突出する突条部32aが形成されており、これにより、各リブ32は断面T字状をなしている。基板31の長手方向の一方側の側縁部に設けられたリブ32の上端部には、基板31の長手直角方向一方側に延びる連結部35が基板31の長手方向の全長に亘って形成されている。係合部33は、この連結部35の下面から下方に延びていて、基板31の長手方向の全長に亘って形成されている。係合部33の下端部33aは断面略円形に形成されている。基板31の長手方向の他方側の側縁部に設けられた被係合部34は、断面略円形の溝部34aを形成するように、上方に開口する断面略C字状を呈していて、基板31の長手方向の全長に亘って形成されている。
このように構成されたフレーム30は、採熱管10よりも高い剛性を有することと、リブ32により剛性が高められていることとが相俟って、図5(b)に示すように、リブ32の間に採熱管10を挟み込むことにより、採熱管10の略上半分を露出させた状態で、巻癖がついた採熱管10を直線状に拘束することが可能となっている。なお、各リブ32の上端部には突条部32aが形成されているので、リブ32の間に挟み込まれた採熱管10は簡単には抜けないようになっている。
また、フレーム30は、一のフレーム30の係合部33と、他のフレーム30の被係合部34とを係合させることで、より詳しくは、一のフレーム30の係合部33における断面略円形の下端部33aを、他のフレーム30の被係合部34における、断面略円形の溝部34aに嵌めることで、相隣接するフレーム30の側縁部同士が連結可能になっている。それ故、図3に示すように、複数(4つ)のフレーム30を既設管2の管周方向に連結することで、複数(16本)の採熱管10を拘束することが可能になっている。なお、管周方向に連結されたフレーム30同士は、係合部33の下端部33aを上方に開口する溝部34aに嵌めることで連結されていることから、係合部33の下端部33aが溝部34a内を管軸方向に滑ることで、管軸方向には相対移動可能となっている。
そうして、側縁部同士が連結され、且つ、リブ32の間に採熱管10が挟み込まれたフレーム30を、図1に示すように、既設管2の内側底部2aに沿って管軸方向に連なるように複数設置することで、採熱管10はその全長に亘ってほぼ間断なく拘束される。これにより、巻癖に起因して、採熱管10が波打ったり、相隣り合う採熱管10に段差が生じたりするのを抑えることができる。また、例えば管内作業中に作業者が誤って採熱管10を踏みつけようとしても、リブ32の上端が先に作業者の足底に当たり、採熱管10よりも高い剛性を有しているフレーム30が踏みつけ荷重を受けるので、採熱管10が破損したり、座屈したりするのを抑えることができる。さらに、フレーム30は採熱管10の略上半分を露出させた状態で採熱管10を拘束していることから、採熱管10が局所的に破損した場合にも、採熱管10の修復を容易に行うことができるとともに、採熱管10の露出した部位と下水3とが直接接触するので熱交換効率を高めることができる。
もっとも、フレーム30を単に設置しただけでは、フレーム30が浮力で浮き上がったり、フレーム30および採熱管10が下水3によって流されたりするおそれがあることから、本実施形態の採熱システム1では、既設管2の管径方向に拡径可能な固定バンド40を用いて、フレーム30を既設管2の内周面に押し付けることで、複数の採熱管10を既設管2に対して固定するようにしている。
より詳しくは、固定バンド40は、既設管2の内径と略等しい外径を有する断面半円状の上側バンド41と、既設管2の内径と略等しい外径を有する断面半円状のバンドの底部を径方向内側に窪ませた下側バンド42と、これら上側バンド41および下側バンド42を既設管2の内周面に押し付け固定する拡径手段43とを有している。なお、固定バンド40は、防錆性等を考慮して、ステンレス製であることが好ましい。
上側バンド41と下側バンド42とは、上下に分割可能であり、既設管2内で組み立てられることから、容易に既設管2内に導入することができる。また、下側バンド42の底部の窪み42bは、既設管2の管周方向に連結された4つのフレーム30がすっぽりと嵌るような大きさに形成されている。拡径手段43は、図3に示すように、上側バンド41の両端部から管径方向内側にそれぞれ延びる座部41aと、下側バンド42の両端部から管径方向内側にそれぞれ延び、座部41aと上下方向に対向する座部42aと、これらの座部41a,42aを上下に貫通するボルト44と、当該ボルト44と螺合するナット45と、を有していて、ボルト44およびナット45の締め具合を調整することで、固定バンド40を容易に拡径できるように構成されている。
このように構成された固定バンド40は、図1および図2に示すように、既設管2の管軸方向に相隣接するフレーム30同士の突合せ部を覆うように、管軸方向に間隔をあけて設けられている。そうして、拡径手段43によって固定バンド40を拡径すると、図3に示すように、窪み42bに嵌ったフレーム30の管軸方向の端部が、既設管2の内周面に押し付けられるとともに、フレーム30を介して採熱管10が既設管2に固定される。これにより、フレーム30が浮力で浮き上がったり、管軸方向へ移動したり、フレーム30および採熱管10が下水3によって流されたりするのを抑制することができる。また、固定バンド40は、管軸方向に間隔をあけて設けられているので、フレーム30の上面は部分的にしか覆われていない(全面的に覆われているのではない)ことから、採熱管10が露出した状態を維持することができる。
ところで、先端側に形成された折返し部15は、下水3に対する抵抗となり易い。このため、採熱システム1の先端側の端部には、図6(a)および(b)に示すように、当該折返し部15を覆うとともに、最も先端側に配設されたフレーム30の先端側の端部と第2人孔71の底部とを滑らかに繋ぐ摺り付け部50が形成されている。同様に、採熱システム1の基端側の端部には、図7(a)および(b)に示すように、往側採熱管11および復側採熱管12と接続管14との接続部を覆うとともに、最も基端側に配設されたフレーム30の基端側の端部と既設管2の管底とを滑らかに繋ぐ摺り付け部51が形成されている。なお、摺り付け部50,51は、例えば、急結セメントを用いたモルタルや、急結セメントと普通ポルトランドセメントとを混ぜたモルタルを用いることで、下水3中でも形成することができる。
次に、採熱システム1の施工方法について説明する。
上述した採熱システム1を既設管2内に構築するには、(A)複数(本実施形態では16本)の採熱管10を既設管2外から第1人孔70を介して既設管2内へ引き込む工程と、(B)複数のフレーム30を既設管2外から第1人孔70を介して既設管2内へ導入する工程と、(C)フレーム30の側縁部同士を連結する工程と、(D)リブ32の間に採熱管10を挟み込む工程と、(E)固定バンド40を用いて複数の採熱管10を既設管2内に固定する工程と、(F)折返し部15を形成する工程と、(G)複数の採熱管10と往側ヘッダー20および復側ヘッダー21とを接続する工程と、(H)摺り付け部50,51を形成する工程と、が必要となる。
これらの8つの工程のうち(H)工程は必然的に最終工程となるが、その他の(A)〜(G)工程については様々な順序が考えられる。そこで、先ず、(A)工程→(B)工程→(C)工程→(D)工程→(E)工程→(F)工程→(G)工程→(H)工程という施工手順1について説明する。
先ず、(A)工程では、図8(a)に示すように、巻かれた状態で施工現場に搬入された複数の採熱管10の束を人力によって既設管2外から第1人孔70を介して既設管2内へ引き込む。具体的には、本実施形態の施工方法では、例えばインシュロック(登録商標)等の結束バンド(結束部材)93を用いて、所定数(4本)の採熱管10を横並び状態で束ねた採熱管群80を4群用意し、これら4群の採熱管群80を2群ずつに分割して既設管2内へ引き込むようにしている。
より詳しくは、図9に示すように、一対の回転ドラム91,92を有するドラム装置90を用意し、各回転ドラム91,92に採熱管群80を1群ずつ巻き付ける。そうして、回転ドラム91,92に巻き付けられた2群の採熱管群80を、既設管2外から巻き出しながら既設管2内へ引き込むとともに、2群の採熱管群80を引き込みながら既設管2の内側底部2aに沿うように引き揃える。なお、採熱管群80を引き揃える過程で採熱管10が絡まったり、捩れたりしないように、結束バンド93は例えば数メートル間隔で採熱管群80を結束していることが好ましい。
ところで、採熱管群80を全く同じ巻き付け径で2つの回転ドラム91,92にそれぞれ巻き付けることは困難であることから、2群の採熱管群80を同時に巻き出しても、2群の採熱管群80を既設管2の内側底部2aに沿うように敷設する過程で、両者の長さが揃わなくなるおそれがある。そこで、ドラム装置90は、一対の回転ドラム91,92が相対回転することが可能に構成されている。これにより、採熱管群80が異なる巻き付け径で2つの回転ドラム91,92にそれぞれ巻き付けられていても、2群の採熱管群80を容易に引き揃えることができる。
以上のように、2群の採熱管群80(8本の採熱管10)を既設管2内に引き込み、2群の採熱管群80を第2人孔71まで引っ張って敷設するという作業を、2回繰り返すだけで、16本の採熱管10の敷設が完了するので、作業効率を大幅に向上させることができる。なお、引き込みおよび引き揃えの支障にならない程度の重量に収まるのであれば、16本の採熱管10の束を一度に既設管2内へ引き込むようにしてもよい。すなわち、例えば、ドラム装置90を2台用意し、4群の採熱管群80を一度に既設管2内へ引き込むようにしてもよい。また、例えば、1つの採熱管群80を構成する採熱管10の本数を8本として、8本の採熱管10を横並び状態で回転ドラム91,92にそれぞれ巻き付けるようにしてもよい。
施工手順1では、以上のような(A)工程が、本発明でいうところの「複数の採熱管の束を既設管外から既設管内へ引き込む引込工程」に相当する。
次に、(B)工程では、図8(b)に示すように、複数のフレーム30を人力によって既設管2外から第1人孔70を介して既設管2内へ導入する。そうして、例えば先端側からフレーム30を敷設していく場合には、第1人孔70から導入されたフレーム30を人力によって第2人孔71側へ運ぶ。なお、図8(b)では、図を見易くするために、採熱管10を図示省略している。
次に、(C)工程では、既設管2内における下水3の液面よりも上方で、一のフレーム30の係合部33と他のフレーム30の被係合部34とを係合させることで管周方向に相隣接する4つのフレーム30の側縁部同士を連結する。続いて(D)工程では、既設管2内における下水3の液面よりも上方で、近傍の結束バンド93を外し、または、ずらした後、4つのフレーム30のリブ32の間に16本の採熱管10を挟み込み(嵌め込み)、その後、フレーム30を既設管2の内側底部2aに沿うように下水3中に沈める。そうして、例えば先端側からフレーム30を敷設していく場合には、第2人孔71側から(C)工程および(D)工程を繰り返し行うことで、フレーム30を既設管2の管軸方向に複数連なるように設置する。
もっとも、先行して設置されたフレーム30の近傍で、採熱管10の嵌め込みを行う場合には、採熱管10における嵌め込もうとする部位の近傍が、先行して設置されたフレーム30によって拘束されているため、採熱管10を下水3の液面よりも上方に持ち上げたり、リブ32の間に採熱管10を嵌め込んだりする作業が煩雑になるおそれがある。
そこで、(C)工程および(D)工程においては、先行して設置されたフレーム30から管軸方向に離れた地点で、フレーム30の側縁部同士の連結および採熱管10の挟み込みを行うとともに、下水3中に沈めた当該フレーム30を採熱管10に沿って滑らせて、先行して設置されたフレーム30に突き当てることで、フレーム30を順次連ねていくことが好ましい。
より詳しくは、図10(a)に示すように、既設管2の内側底部2aに先行してフレーム30が設置されている場合には、図10(b)に示すように、先行して設置されたフレーム30から管軸方向に離れた地点で、採熱管10を下水3の液面よりも上方に持ち上げて、複数条のリブ32の間に採熱管10を嵌め込む。このようにすれば、採熱管10における嵌め込もうとする部位の近傍が、先行して設置されたフレーム30によって拘束されていないため、採熱管10の挟み込みを容易に行うことができる。そうして、フレーム30の側縁部同士の連結および採熱管10の挟み込みが完了すると、図10(c)に示すように、フレーム30を下水3中に沈める。次いで、図10(d)に示すように、下水3中に沈めた当該フレーム30を採熱管10に沿って滑らせて、先行して設置されたフレーム30に突き当てれば、容易にフレーム30を順次連ねていくことができる。
次に、(E)工程では、上下に分割された状態で上側バンド41および下側バンド42を既設管2内に導入し、既設管2内で組み立てた固定バンド40を、既設管2の管軸方向に相隣接するフレーム30同士の突合せ部を覆うように配置する。そうして、拡径手段43によって固定バンド40を拡径して、フレーム30を既設管2の内周面に押し付け固定する。なお、施工時における下水3の流れが速いような場合には、フレーム30が下水3によって流されるのを抑制するために、例えば、フレーム30を設置する毎に固定バンド40で固定するようにしてもよいし、施工時に下水3がほとんど流れていないような場合には、作業効率を考慮して、例えば、フレーム30の設置が完了した後に、フレーム30を固定バンド40で固定するようにしてもよい。
施工手順1では、以上のような(C)工程、(D)工程および(E)工程が、本発明でいうところの「複数の採熱管の束を分けて既設管内に個々に固定する固定工程」に相当する。
次に、(F)工程では、90°エルボ型の管継手16を用いて、往側採熱管11および復側採熱管12の先端側の端部と折返し管13とを接続してコ字形状の折返し部15を形成する。なお、上記図4(c)に示すように、往側採熱管11および復側採熱管12と曲り形状の折返し管13とを、融着や溶接や接着により接続する構成を採用した場合には、融着や溶接や接着による接合作業を下水3の水面よりも上方で行う。
また、上記図4(b)に示すように、工場施工で生曲げ加工によって折返し部15を形成する場合や、工場施工で往側採熱管11および復側採熱管12と折返し管13とを接続する場合には、当然(F)工程を省略することができる。この場合には、上記(A)工程において、コ字形状またはU字形状に折り返された折返し部15を有する往側採熱管11および復側採熱管12を1ペアとし、複数のペアで1群の採熱管群80を構成することになる。
次に、(G)工程では、往側採熱管11および復側採熱管12の基端側の端部を、それぞれ90°エルボ型の管継手17を介して接続管14と接続するとともに、かかる接続管14を、管継手(図示せず)を介して往側ヘッダー20および復側ヘッダー21と連結する。
施工手順1では、このような(G)工程が、本発明でいうところの「複数の採熱管とヘッダーとを接続する接続工程」に相当する。
最後に、(H)工程では、急結セメント(および普通ポルトランドセメント)を用いたモルタルを練り上げ、折返し部15を覆うとともに、最も先端側に配設されたフレーム30の先端側の端部と第2人孔71の底部とを滑らかに繋ぐ摺り付け部50を、練り上げたモルタルによって形成する。同様に、往側採熱管11および復側採熱管12と接続管14との接続部を覆うとともに、最も基端側に配設されたフレーム30の基端側の端部と既設管2の管底とを滑らかに繋ぐ摺り付け部51を、練り上げたモルタルによって形成する。
−その他の施工手順−
上述の如く、(A)〜(G)工程については様々な順序が考えられる。
例えば、(A)工程→(F)工程→(G)工程→(B)工程→(C)工程→(D)工程→(E)工程→(H)工程という施工手順2を採用してもよい。この施工手順2は、(A)工程で複数の採熱管10の束を既設管2外から既設管2内へ引き込んだ後、(B)工程におけるフレーム30の導入よりも先行させて、折返し部15を形成する((F)工程)とともに、往側採熱管11および復側採熱管12と往側ヘッダー20および復側ヘッダー21とを連結する((G)工程)ものである。
また、例えば、(A)工程→(C)工程→(B)工程→(D)工程→(E)工程→(F)工程→(G)工程→(H)工程という施工手順3を採用してもよい。この施工手順3は、(C)工程におけるフレーム30の側縁部同士の連結を、(B)工程におけるフレーム30の既設管2内への導入よりも先行させて行うものである。すなわち、施工手順3では、地上(既設管2外)で、一のフレーム30の係合部33と他のフレーム30の被係合部34とを係合させて4つのフレーム30の側縁部同士を連結した後、かかる連結されたフレーム30を、第1人孔70を介して既設管2内へ導入する。もっとも、4つのフレーム30が長手直角方向に広がった状態では取り扱い難いので、例えば、図11に示すように、側縁部同士を連結した4つのフレーム30を円形状に撓ませた状態(連結方向に撓ませた状態)で、既設管2内へ導入するのが好ましい。この施工手順3によれば、(C)工程を地上で行うことにより、作業環境が良好とはいえない管内作業を減らすことができる。
(その他の実施形態)
本発明は、実施形態に限定されず、その精神又は主要な特徴から逸脱することなく他の色々な形で実施することができる。
上記実施形態では、16本の採熱管10からなる採熱システム1について説明したが、これに限らず、1つの採熱システム1を構成する採熱管10の数は何本でもよい。
また、上記実施形態では、本発明の採熱システム1を横断面円形状の既設管2に適用したが、これに限らず、例えば、横断面矩形状の既設管(ボックスカルバート)に適用してもよい。
さらに、上記実施形態では、フレーム30と固定バンド40とを用いて採熱管10を拘束および固定したが、複数の採熱管10の束を既設管2内へ引き込むのであれば、これに限らず、他の拘束および固定構造を採用してもよい。
また、上記実施形態では、施工手順として施工手順1〜3を例示したが、これに限らず、他の施工手順を採用してもよいし、また、(A)〜(H)工程のうち或る工程を省略してもよいし、逆に(A)〜(H)工程に他の工程を付け加えてもよい。
このように、上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
本発明によると、採熱システムを構築する際の作業効率を向上させることができるので、既設管の内側底部に沿うように管軸方向に延設される複数の長尺の採熱管を備える採熱システムの施工方法に適用して極めて有益である。
1 採熱システム
2 既設管
2a 内側底部
3 下水(液体)
10 採熱管
15 折返し部
20 往側ヘッダー
21 復側ヘッダー
30 フレーム(拘束部材)
31 基板
32 リブ
33 係合部
34 被係合部
80 採熱管群
91 回転ドラム
92 回転ドラム
93 結束バンド(結束部材)

Claims (7)

  1. 既設管の内側底部に沿うように管軸方向に延設される複数の長尺の採熱管を備え、当該既設管内を流れる液体と、当該採熱管内を流れる熱交換媒体とを熱交換させる採熱システムの施工方法であって、
    上記複数の採熱管の束を上記既設管外から上記既設管内へ引き込む引込工程と、
    上記複数の採熱管の束を分けて上記既設管内に個々に固定する固定工程と、
    上記複数の採熱管と、複数の採熱管を集合させるためのヘッダーとを接続する接続工程と、
    を含むことを特徴とする採熱システムの施工方法。
  2. 上記請求項1に記載の採熱システムの施工方法において、
    上記引込工程では、複数の採熱管が横並び状態でドラムに巻き付けられた採熱管の束を、上記既設管外で上記ドラムから巻き出しながら、上記既設管内へ引き込むとともに、上記既設管の内側底部に沿うように引き揃えることを特徴とする採熱システムの施工方法。
  3. 上記請求項2に記載の採熱システムの施工方法において、
    上記ドラムに巻き付けられた複数の採熱管は、コ字形状またはU字形状に折り返された折返し部を有していることを特徴とする採熱システムの施工方法。
  4. 上記請求項1〜3のいずれか1つに記載の採熱システムの施工方法において、
    上記複数の採熱管の束は、所定本数の採熱管を横並び状態で束ねた採熱管群を複数群有しており、
    上記引込工程では、上記複数の採熱管群を数群に分割して上記既設管内へ引き込むことを特徴とする採熱システムの施工方法。
  5. 上記請求項1〜4のいずれか1つに記載の採熱システムの施工方法において、
    短冊状の基板と、当該基板から上方に突出し且つ当該基板の長手方向に延びる複数条のリブと、当該基板の一方の側縁部に設けられた係合部と、当該基板の他方の側縁部に設けられた被係合部と、を有する拘束部材を用意し、
    上記採熱管は、間隔をあけて設けられた結束部材によって束ねられており、
    上記固定工程では、上記既設管内における上記液体の液面よりも上方で、上記係合部と上記被係合部とを係合させて管周方向に相隣接する上記拘束部材の側縁部同士を連結するとともに、上記複数条のリブの間に、拘束部材近傍にある上記結束部材を外す、または、ずらすことで個別に上記採熱管を挟み込んだ後、当該拘束部材を上記液体中に沈める作業を繰り返すことにより、当該拘束部材を上記既設管の内側底部に沿って管軸方向に複数連なるように設置することを特徴とする採熱システムの施工方法。
  6. 上記請求項5に記載の採熱システムの施工方法において、
    上記固定工程では、先行して設置された上記拘束部材から管軸方向に離れた地点で、上記拘束部材の側縁部同士の連結および上記採熱管の挟み込みを行うとともに、液体中に沈めた当該拘束部材を上記採熱管に沿って滑らせて、先行して設置された上記拘束部材に突き当てることで、上記拘束部材を順次連ねることを特徴とする採熱システムの施工方法。
  7. 上記請求項1〜4のいずれか1つに記載の採熱システムの施工方法において、
    短冊状の基板と、当該基板から上方に突出し且つ当該基板の長手方向に延びる複数条のリブと、当該基板の長手方向の一方の側縁部に設けられた係合部と、当該基板の長手方向の他方の側縁部に設けられた被係合部と、を有していて、上記既設管の内側底部に沿って管軸方向に複数連なるように設置される拘束部材を用意し、
    上記固定工程では、上記既設管外で、上記係合部と上記被係合部とを係合させることで相隣接する上記拘束部材の側縁部同士を連結するとともに、当該拘束部材を連結方向に撓ませた状態で上記既設管外から上記既設管内へ導入することを特徴とする採熱システムの施工方法。
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