JP2015218886A - 自動変速機及び自動変速機の製造方法 - Google Patents

自動変速機及び自動変速機の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ピストン7の組付作業を簡単にするとともに、特にピストン7とシリンダ9の内周側側壁部9a及び外周側側壁部9bとの間のシール部材61,62が破損したりシール不良が生じたりするのを抑制する。【解決手段】ピストン7が、互いに別部材で構成されかつシリンダ9に対して一体的に摺動する内周側構成部7a及び外周側構成部7bを有し、内周側構成部7a及び外周側構成部7bに、動力伝達軸(入力軸2)の軸方向から見て互いに重なる重複部7c,7dがそれぞれ設けられ、内周側構成部7aと内周側側壁部9aとの間をシールする内周シール部材61と、外周側構成部7bと外周側側壁部9bとの間をシールする外周シール部材62と、上記軸方向における内周側構成部7a及び外周側構成部7bの重複部7c,7d間をシールする重複部間シール部材63とを設ける。【選択図】図1

Description

本発明は、シリンダとピストンとを有する摩擦締結要素を備えた自動変速機及び該自動変速機の製造方法に関する技術分野に属する。
一般に、自動変速機の摩擦締結要素は、動力伝達軸(入力軸)上に配設されていて、該動力伝達軸の軸方向に並んで配設された複数の摩擦板と、上記摩擦締結要素を締結するべく上記複数の摩擦板を上記軸方向に押圧するピストンとを備えている(例えば、特許文献1参照)。このピストンは、シリンダ内に上記軸方向に摺動可能に嵌装されている。そのシリンダは、上記動力伝達軸の周囲を囲むように配設された内周側側壁部及び外周側側壁部と、該内周側側壁部及び外周側側壁部における上記軸方向の一側端部同士を接続する端壁部とで構成され、上記軸方向の他側が開放されている。
上記シリンダ及び上記ピストンは、該シリンダ内に、上記摩擦締結要素を締結するための締結油圧が供給される締結油圧室を画成する。シリンダ又はピストンには、シリンダの内周側側壁部とピストンの内周側端部との間、及び、シリンダの外周側側壁部とピストンの外周側端部との間をシールするシール部材がそれぞれ設けられている。
特開2010−71408号公報
ところで、上記摩擦締結要素において、ピストンをシリンダに組み付ける際、予め、シリンダ又はピストンに、シリンダの内周側側壁部とピストンの内周側端部との間、及び、シリンダの外周側側壁部とピストンの外周側端部との間をシールするシール部材を取り付けておく。そして、ピストンをシリンダの開放側から挿入して、ピストンの内周側及び外周側の両シール部材を径方向に圧縮しながら、該ピストンを動力伝達軸の軸方向に摺動させることでシリンダに組み付ける。
しかし、上記のようにしてピストンをシリンダに組み付ける場合、両シール部材を同時に径方向に圧縮しながら、ピストンを動力伝達軸の軸方向に組み付ける必要があるため、ピストンの組付作業が困難になるとともに、組み付けができたとしても、シール部材が破損したりシール不良が生じたりする可能性が高く、特にシール部材がリップシールで構成されている場合には、シール部材の破損やシール不良の可能性がより一層高くなる。シール部材の破損やシール不良を抑制するためには、作業者がピストンを丁寧に組み付けるしかなく、このため、ピストンの組付時間が長くなるという問題がある。
これに対して、ピストンを複数に分割することにより、上述の両シール部材を同時に径方向に圧縮しながらシリンダに組み付けるのを防ぐようにすることが考えられる。しかしながら、その分割されたピストン間に新たにシール部材が必要となるため、ピストンを複数に分割した場合であっても、上述のピストンの組付性やシール不良の問題が残る。
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ピストン及びシール部材の構成に工夫を凝らすことによって、ピストンの組付作業を簡単にするとともに、シール部材が破損したりシール不良が生じたりするのを抑制することにある。
上記の目的を達成するために、本発明では、動力伝達軸の周囲を囲むように配設された内周側側壁部及び外周側側壁部、並びに、該内周側側壁部及び外周側側壁部における上記動力伝達軸の軸方向の一側端部同士を接続する端壁部で構成され、上記軸方向の他側が開放されたシリンダと、互いに別部材で構成されかつ上記シリンダに対して上記軸方向に一体的に摺動するように構成された内周側構成部及び外周側構成部を有するピストンと、を有する摩擦締結要素を備えた自動変速機を対象として、上記内周側構成部及び外周側構成部に、上記軸方向から見て互いに重なる重複部がそれぞれ設けられ、上記摩擦締結要素は、上記ピストンの内周側構成部又は外周側構成部に取り付けられかつ上記軸方向における該内周側構成部及び外周側構成部の重複部間において上記軸方向に挟まれることで、該内周側構成部及び外周側構成部間のシールを行う重複部間シール部材を更に有している、という構成とした。
すなわち、ピストンの内周側構成部と外周側構成部との間をシールするために、該両構成部の径方向間にシール部材が配設されている場合には、ピストンの組付時に、上記両構成部の径方向間に配設されたシール部材を径方向に圧縮しながら組み付けることになるため、ピストンの組付性やシール不良が問題となる。
これに対し、上記の構成では、重複部間シール部材が、内周側構成部及び外周側構成部の重複部間において動力伝達軸の軸方向に挟まれることによりシールされるため、ピストンの組付時に、シール部材を径方向に圧縮せずに組み付けることができるため、ピストンの組付性が良好になる(組付作業が簡単になる)とともに、重複部間シール部材が破損したりシール不良が生じたりするのを抑制することができる。
また、内周側構成部及び外周側構成部をそれぞれ別々にシリンダに組み付けることができるので、ピストンの内周側構成部とシリンダの内周側側壁部との間をシールする内周シール部材、及び、ピストンの外周側構成部とシリンダの外周側側壁部との間をシールする外周シール部材を設けた場合に、これら両シール部材を同時に径方向に圧縮しながら、ピストンを動力伝達軸の軸方向に組み付けるという組付方法を実施する必要はない。このことからも、ピストンの組付性が良好になるとともに、内周シール部材及び外周シール部材が破損したりシール不良が生じたりするのを抑制することができる。
上記自動変速機の一実施形態では、上記ピストンの内周側構成部及び外周側構成部のうち上記重複部が上記軸方向の上記一側に位置する構成部には、該構成部の上記一側への移動を規制する移動規制部が設けられ、上記摩擦締結要素は、上記ピストンの内周側構成部及び外周側構成部のうち上記重複部が上記軸方向の上記他側に位置する構成部を上記一側に付勢するリターンスプリングを更に有している。
このことにより、ピストンの進出時及び後退時には、シリンダ内に供給されている作動油とリターンスプリングとにより、両構成部の重複部を介して重複部間シール部材が押圧されるので、両構成部の重複部間に隙間が生じることはない。また、ピストンが完全に後退したときには、内周側構成部及び外周側構成部のうち上記重複部が上記軸方向の上記一側に位置する構成部の上記一側への移動が規制された状態で、リターンスプリングが、上記重複部が上記軸方向の上記他側に位置する構成部を上記一側に付勢するので、両構成部の重複部間に隙間が生じることはない。よって、内周側構成部及び外周側構成部の重複部間から作動油が漏れるのを防止することができる。
上記自動変速機の別の実施形態では、上記摩擦締結要素は、上記ピストンの内周側構成部又は上記シリンダの内周側側壁部に取り付けられ、上記ピストンの内周側構成部と上記シリンダの内周側側壁部との間をシールする内周シール部材と、上記ピストンの外周側構成部又は上記シリンダの外周側側壁部に取り付けられ、上記ピストンの外周側構成部と上記シリンダの外周側側壁部との間をシールする外周シール部材とを更に有し、上記内周シール部材及び上記外周シール部材の少なくとも一方が、リップシールで構成されている。
すなわち、内周側構成部及び外周側構成部が互いに別部材で構成されていない場合、ピストンをシリンダに組み付ける際、内周シール部材及び外周シール部材を同時に径方向に圧縮しながら、ピストンを動力伝達軸の軸方向に摺動させる必要があり、このため、特にリップシールでは、そのリップ部が破損したりリップ部でのシール不良が生じたりする可能性が高くなる。しかし、本発明では、そのような組付方法を実施する必要はなく、リップシールであっても、破損したりシール不良が生じたりするのを良好に抑制することができる。
本発明の別の態様は、動力伝達軸の周囲を囲むように配設された内周側側壁部及び外周側側壁部、並びに、該内周側側壁部及び外周側側壁部における上記動力伝達軸の軸方向の一側端部同士を接続する端壁部で構成され、上記軸方向の他側が開放されたシリンダと、互いに別部材で構成されかつ上記シリンダに対して上記軸方向に一体的に摺動するように構成された内周側構成部及び外周側構成部を有し、該内周側構成部及び外周側構成部に、上記軸方向から見て互いに重なる重複部がそれぞれ設けられたピストンと、上記ピストンの内周側構成部又は外周側構成部に取り付けられかつ上記軸方向における該内周側構成部及び外周側構成部の重複部間において上記軸方向に挟まれることで、該内周側構成部及び外周側構成部間のシールを行う重複部間シール部材と、を有する摩擦締結要素を備えた自動変速機の製造方法の発明である。そして、この発明では、上記内周側構成部の重複部が上記外周側構成部の重複部に対して上記軸方向の上記一側に位置しており、上記内周側構成部を、上記シリンダに対して上記軸方向の上記他側から組み付ける第1組付工程と、上記第1組付工程の後、上記ピストンの内周側構成部又は外周側構成部に上記重複部間シール部材が取り付けられた状態で、上記外周側構成部を、上記シリンダに対して上記軸方向の上記他側から組み付けるとともに、該外周側構成部の重複部と、上記第1組付工程で組み付けられた内周側構成部の重複部とで、上記重複部間シール部材を上記軸方向に挟む第2組付工程と、を含む。
更に別の自動変速機の製造方法の発明として、動力伝達軸の周囲を囲むように配設された内周側側壁部及び外周側側壁部、並びに、該内周側側壁部及び外周側側壁部における上記動力伝達軸の軸方向の一側端部同士を接続する端壁部で構成され、上記軸方向の他側が開放されたシリンダと、互いに別部材で構成されかつ上記シリンダに対して上記軸方向に一体的に摺動するように構成された内周側構成部及び外周側構成部を有し、該内周側構成部及び外周側構成部に、上記軸方向から見て互いに重なる重複部がそれぞれ設けられたピストンと、上記ピストンの内周側構成部又は外周側構成部に取り付けられかつ上記軸方向における該内周側構成部及び外周側構成部の重複部間において上記軸方向に挟まれることで、該内周側構成部及び外周側構成部間のシールを行う重複部間シール部材と、を有する摩擦締結要素を備えた自動変速機の製造方法を対象として、上記外周側構成部の重複部が上記内周側構成部の重複部に対して上記軸方向の上記一側に位置しており、上記外周側構成部を、上記シリンダに対して上記軸方向の上記他側から組み付ける第1組付工程と、上記第1組付工程の後、上記ピストンの内周側構成部又は外周側構成部に上記重複部間シール部材が取り付けられた状態で、上記内周側構成部を、上記シリンダに対して上記軸方向の上記他側から組み付けるとともに、該内周側構成部の重複部と、上記第1組付工程で組み付けられた外周側構成部の重複部とで、上記重複部間シール部材を上記軸方向に挟む第2組付工程と、を含む。
これらの自動変速機の製造方法の発明により、内周側構成部及び外周側構成部のうち最初に組み付けた構成部の重複部に対して、後から組み付ける構成部の重複部を上記軸方向に押し付けることで、これら両重複部間に重複部間シール部材を挟むことができ、これにより、重複部間シール部材のシール性を容易に確保することができる。
また、後から組み付ける構成部の組付方向と同じ方向(上記軸方向)に重複部間シール部材を挟むので、重複部間シール部材が破損したりシール不良が生じたりし難くなる。これにより、ピストンの組付作業が簡単になるとともに、重複部間シール部材が破損したりシール不良が生じたりするのを抑制することができる。
以上説明したように、本発明によると、ピストンの組付作業が簡単になるとともに、シール部材が破損したりシール不良が生じたりするのを抑制することができる。
本発明の実施形態1に係る自動変速機の要部を示す断面図である。 クラッチの摩擦板を除く部分の製造方法を説明するための断面図である。 本発明の実施形態2に係る自動変速機の要部(図1とは異なる部分)を示す断面図である。 本発明の実施形態3を示す図3相当図である。 本発明の実施形態4を示す図3相当図である。 本発明の実施形態5を示す図3相当図である。 本発明の実施形態6を示す図3相当図である。 本発明の実施形態7を示す図3相当図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係る自動変速機1の要部を示す。この自動変速機1は、例えば前進8速及び後退1速を達成するものであって、車両(本実施形態では、FF車)の前部に、中心軸線Lを中心に回転可能な入力軸2(動力伝達軸に相当)が該車両の車幅方向に水平に延びるように搭載される。上記入力軸2は、図1の右側で、内燃機関や電動モータ等の駆動源(図示せず)と連結されて、その駆動源からの動力が伝達される。入力軸2は、動力源に直接連結されてもよく、例えばトルクコンバータや断接クラッチ等を介して間接的に連結されてもよい。上記入力軸2が延びる方向(図1の左右方向)が、動力伝達軸の軸方向であって、自動変速機1の軸方向であり、以下、この方向を単に軸方向という。自動変速機1の軸方向の上記駆動源側(図1の右側)が、自動変速機1の前側であり、反駆動源側(図1の左側)が、自動変速機1の後側である。図1は、自動変速機1の前側端部の近傍であって入力軸2の中心軸線Lに対して上半分のみを示すことになる。以下、自動変速機1についての前及び後を、単に前及び後という。
自動変速機1は、詳細な図示は省略するが、変速機ケース91(図1では、変速機ケース91の前側端壁部91aのみを示す)内に、上記駆動源からの動力が伝達される上記入力軸2と、入力軸2と同軸上に配設された複数のプラネタリギヤセット(図示せず)と、入力軸2と同軸上に配設された複数の摩擦締結要素(図1には、そのうちの1つの摩擦締結要素であるクラッチ5のみが示されている)と、上記複数のプラネタリギヤセットのうちの1つのプラネタリギヤセットに連結され、上記動力源からの動力が、上記複数の摩擦締結要素の締結及び締結解除に応じて上記複数のプラネタリギヤセットにより形成される動力伝達経路を介して伝達される出力部(例えば出力ギヤ)とを備えている。
上記入力軸2は、変速機ケース91の前側端壁部91aから後側に環状に突出した突出部91bの内周面で、回転可能に支持されている。入力軸2には、その中心部にて上記軸方向に延びるように形成された軸方向油路2a(入力軸2の前端面から突出部91bの後部に対応する位置まで延びている)と、軸方向油路2aから径方向外側に延びる径方向油路2bとが設けられている。径方向油路2bは、入力軸2において上記突出部91bの内周面により支持される部分等に開口しており、軸方向油路2a及び径方向油路2bを介して、該部分等に潤滑油が供給されるようになっている。
自動変速機1は、入力軸2上に、クラッチ5を備えている。このクラッチ5は、本実施形態では、上記複数のプラネタリギヤセットのうち該クラッチ5の直ぐ後側に隣接する第1プラネタリギヤセットのリングギヤとサンギヤとの間を断接するクラッチである。クラッチ5は、複数の摩擦板6と、後側に進出して該摩擦板6を後側に押圧するピストン7と、該ピストン7を前側に後退させる皿バネ式のリターンスプリング8とを有している。
複数の摩擦板6は、該摩擦板6の径方向外側に配設されたドラム10の内周面に、スプライン嵌合により上記軸方向に移動可能に取り付けられたドラム側摩擦板6aと、摩擦板6の径方向内側に配設されたハブ11の外周面に、スプライン嵌合により上記軸方向に移動可能に取り付けられたハブ側摩擦板6bとからなり、これらが上記軸方向に交互に並んでいる。尚、ハブ側摩擦板6bにおける上記軸方向の両側の面には、摩擦部材がそれぞれ装着されている。
ドラム10の後側端部は、上記リングギヤから延びる連結部材51と連結されている。この連結部材51は、ドラム10の内周面に、スプライン嵌合により取り付けられているが、連結部材51の前後両側においてドラム10に固定された連結部材移動規制部材52により上記軸方向に移動不能となっている。また、ドラム10における摩擦板6の直ぐ後側には、摩擦板6の後側への移動を規制する摩擦板移動規制部材18が固定されている。一方、ハブ11の後側端部は、上記サンギヤから延びる連結部材53と連結されている。したがって、ピストン7により摩擦板6が後側に押圧されると、摩擦板6同士が係合してクラッチ5が締結状態となり、これにより、上記リングギヤと上記サンギヤとが連結された状態となる。
ドラム10の前側端部は、径方向内側に延びて、第1シリンダ形成部材12に固定されている。第1シリンダ形成部材12は、その内周側に位置する第2シリンダ形成部材13に固定され、これら第1及び第2シリンダ形成部材12,13により、摩擦板6よりも径方向内側の位置において、上記軸方向の後側が開放されたシリンダ9が形成されている。第2シリンダ形成部材13は、上記突出部91bの外周面に対してベアリング93を介して回転可能に支持された内周部13aと、シリンダ9を形成する外周部13bと、これら内周部13aと外周部13bとを接続するように径方向に延びる接続部13cとを有している。互いに一体化されたドラム10、第1シリンダ形成部材12及び第2シリンダ形成部材13が、上記ベアリング93によって、突出部91bに対して回転支持されることになる。尚、第2シリンダ形成部材13と前側端壁部91aとの間には、スラストベアリング94が設けられている。
上記シリンダ9は、入力軸2の周囲を囲むように配設された内周側側壁部9a及び外周側側壁部9bと、該内周側側壁部9a及び外周側側壁部9bにおける前側の端部(上記軸方向の一側端部)同士を接続する端壁部9cとで構成されている。外周側側壁部9b及び端壁部9cは、第1シリンダ形成部材12で構成され、内周側側壁部9aは、第2シリンダ形成部材13の外周部13bで構成されている。
ピストン7は、シリンダ9に対して上記軸方向に摺動可能に設けられている。本実施形態では、ピストン7は、互いに別部材で構成されかつシリンダ9に対して一体的に摺動するように構成された内周側構成部7a及び外周側構成部7bを有している。これら内周側構成部7a及び外周側構成部7bには、上記軸方向から見て互いに重なる重複部7c,7dがそれぞれ設けられている。本実施形態では、内周側構成部7aの重複部7cが、外周側構成部7bの重複部7dに対して後側(端壁部9c側)に位置する。
内周側構成部7aには、重複部7cの径方向内側(中心軸線Lに近い側)に位置して内周側側壁部9aの径方向外側(中心軸線Lから遠い側)の面(シリンダ内側の面)に対して摺動する内周側摺動部7eと、重複部7cの前側の面から前側に突出し、内周側構成部7aの前側への移動を規制する移動規制部7fとが設けられている。移動規制部7fは、ピストン7が完全に後退したときに、移動規制部7fの前側端面が端壁部9cに当接して、それ以上内周側構成部7aが後退するのを規制する。
外周側構成部7bには、重複部7dの径方向外側(中心軸線Lから遠い側)の端部から前側に延びかつ外周側側壁部9bの径方向外側(中心軸線Lから遠い側)の面(シリンダ外側の面)に対して摺動する外周側摺動部7gと、この外周側摺動部7gの前側端部から径方向外側に延びて摩擦板6と対向し、クラッチ5を締結するべく複数の摩擦板6を後側(上記軸方向の他側)に押圧する押圧部7hとが設けられている。
ピストン7の内周側構成部7a及び外周側構成部7bは、シリンダ9の後側の開放部を覆うように配設され、シリンダ9の内周側側壁部9a、外周側側壁部9b及び端壁部9cと共に、シリンダ9内に、締結油圧が供給される締結油圧室14を画成する。
上記内周側摺動部7eには、ピストン7の内周側構成部7a(内周側摺動部7e)とシリンダ9の内周側側壁部9aとの間をシールする、リップシールで構成された内周シール部材61が取り付けられている。また、上記外周側側壁部9bには、ピストン7の外周側構成部7b(外周側摺動部7g)とシリンダ9の外周側側壁部9bとの間をシールする、リップシールで構成された外周シール部材62が取り付けられている。さらに、内周側構成部7aの重複部7cの径方向外側の端部には、上記軸方向における内周側構成部7aの重複部7c及び外周側構成部7bの重複部7d間をシールする重複部間シール部材63が取り付けられている。
内周シール部材61は、内周側摺動部7eと内周側側壁部9aとにより径方向に圧縮されるようになされ、外周シール部材62は、外周側摺動部7gと外周側側壁部9bとにより径方向に圧縮されるようになされている。また、重複部間シール部材63は、後述の如く、上記軸方向に圧縮されるようになされている。これら内周シール部材61、外周シール部材62及び重複部間シール部材63により、締結油圧室14が油密状とされて、締結油圧室14に供給される作動油がそれぞれの間から漏れるのが防止される。
リターンスプリング8は、外周側構成部7bの重複部7dを、その前側から後側に付勢する。これにより、ピストン7の進出時及び後退時には、シリンダ9内の作動油とリターンスプリング8とにより、内周側構成部7aの重複部7c及び外周側構成部7bの重複部7dを介して、重複部間シール部材63が上記軸方向に圧縮され、この結果、両重複部7c,7d間に隙間が生じることはない。また、ピストン7が完全に後退したときには、移動規制部7fにより内周側構成部7aの前側への移動が規制された状態で、リターンスプリング8が、外周側構成部7bを前側に付勢するので、同様に、重複部間シール部材63が上記軸方向に圧縮されて、両重複部7c,7d間に隙間が生じることはない。
締結油圧室14に締結油圧が供給されると、ピストン7の内周側構成部7a及び外周側構成部7bが、シリンダ9に対して一体的に後側に摺動し、こうしてピストン7が後側に進出する。これにより、外周側構成部7bの押圧部7hが摩擦板6を後側に押圧することで、摩擦板6同士が係合してクラッチ5が締結状態となる。締結油圧室14への締結油圧の供給が停止されると、リターンスプリング8によって、内周側構成部7a及び外周側構成部7bが、シリンダ9に対して一体的に前側に後退し、やがて内周側構成部7aの移動規制部7fの前側端面が端壁部9cに当接して、ピストン7の後退が完了する。
ピストン7の後側(及びリターンスプリング8の後側)には、第2シリンダ形成部材13の内周部13aの外周面に嵌められた略リング状の遠心バランス室形成部材16が設けられている。この遠心バランス室形成部材16は、その後側に位置して内周部13aの外周面に固定された規制部材17と、遠心バランス室形成部材16の前側に位置するリターンスプリング8の皿バネの内周縁部とによって挟まれており、その皿バネの内周縁部が遠心バランス室形成部材16を規制部材17に対して押し付けることで、遠心バランス室形成部材16は、第2シリンダ形成部材13の内周部13aに固定された状態になっている。リターンスプリング8の皿バネの内周縁部が遠心バランス室形成部材16からの反力を受けることにより、該皿バネの外周縁部が外周側構成部7bの重複部7dを前側に押圧することになる。
遠心バランス室形成部材16、第2シリンダ形成部材13及びピストン7により、ピストン7の後側に、遠心バランス室15が画成されている。クラッチ5の非締結時に、締結油圧室14内の作動油が遠心力により入力軸2から遠い側に移動することにより、ピストン7を後側へ移動させようとするが、この移動を、リターンスプリング8と共に阻止するために遠心バランス室15にバランス油圧が供給される。
遠心バランス室形成部材16の径方向外側の端部は、外周側構成部7bにおける重複部7dと外周側摺動部7gとの角部の径方向外側を覆うように折れ曲がっており、その角部には、遠心バランス室形成部材16と外周側構成部7bとの間をシールする遠心バランス室用シール部材64が取り付けられている。この遠心バランス室用シール部材64は、遠心バランス室形成部材16の径方向外側の端部と上記角部とにより、径方向に圧縮されるようになされている。こうして、遠心バランス室15も油密状とされている。
上記突出部91bには、締結油圧室14に締結油圧を供給するための締結油圧供給路81が設けられているとともに、締結油圧供給路81とは周方向で異なる位置に、遠心バランス室15にバランス油圧を供給するためのバランス油圧供給路(図示せず)が設けられている。これら締結油圧供給路81及びバランス油圧供給路は、上記前側端壁部91aにおいて径方向に延びる別々の油圧供給路(図1では、締結油圧供給路81と接続された油圧供給路80のみを示す)とそれぞれ接続されている。また、突出部91bには、締結油圧供給路81に連通しかつ該突出部91bの外周面に開口する第1連通孔82が設けられているとともに、上記バランス油圧供給路に連通しかつ該突出部91bの外周面に開口する第2連通孔(図示せず)が設けられている。第1連通孔82は、第2シリンダ形成部材13の内周部13a、接続部13c及び外周部13bを連続して貫通するように形成された第1油路13dに連通し、この第1油路13dは、締結油圧室14に連通している。尚、第1連通孔82と第1油路13dとの間には、シール部材83が設けられている。
また、上記第2連通孔は、第2シリンダ形成部材13の内周部13aを貫通するように形成された第2油路13eに連通し、この第2油路13eは、遠心バランス室15に連通している。したがって、締結油圧供給路81、第1連通孔82及び第1油路13dを介して、締結油圧室14に作動油(締結油圧)が供給され、上記バランス油圧供給路、上記第2連通孔及び第2油路13eを介して、遠心バランス室15に作動油(バランス油圧)が供給されることになる。
ここで、上記クラッチ5の摩擦板6を除く部分の製造方法(特にシリンダ9へのピストン7の組付方法)について、図2(a)〜(d)を参照しながら説明する。尚、図2(a)〜(d)では、クラッチ5の中心軸C(入力軸2上に組み付けたとき、入力軸2の中心軸線Lと一致する)に対して上半分のみを示す。また、以下の説明では、クラッチ5(製造途中の状態を含む)は、その中心軸方向が自動変速機1の軸方向と一致しかつクラッチ5についての前及び後が自動変速機1についての前及び後とそれぞれ一致している状態にあるとする。
最初に、図2(a)に示すように、互いに固定されたドラム10、第1シリンダ形成部材12及び第2シリンダ形成部材13を用意する。この段階で、第1及び第2シリンダ形成部材12,13により、後側が開放されたシリンダ9が形成されている。ここで、第1シリンダ形成部材12には、ドラム10及び第2シリンダ形成部材13と固定する前に、外周シール部材62とベアリング93とを取り付けておく。外周シール部材62は、外周側側壁部9bの後側端部に固着して取り付ける。
また、別途、ピストン7の内周側構成部7aの内周側摺動部7e及び重複部7cの径方向外側の端部に、内周シール部材61及び重複部間シール部材63をそれぞれ固着して取り付けておくとともに、外周側構成部7bにおける重複部7dと外周側摺動部7gとの角部に、遠心バランス室用シール部材64を固着して取り付けておく。
尚、内周シール部材61、外周シール部材62及び重複部間シール部材63の取付けのタイミングは、ピストン7の内周側構成部7a及び外周側構成部7bをシリンダ9に対して組み付ける前に限られるものではない。例えば、外周シール部材62及び重複部間シール部材63の取付けは、外周側構成部7bをシリンダ9に対して組み付ける直前であってもよい。但し、内周シール部材61、外周シール部材62及び重複部間シール部材63の取付けのタイミングは、取付け易さの観点から、ピストン7の内周側構成部7a及び外周側構成部7bをシリンダ9に対して組み付ける前が好ましい。
続いて、図2(b)に示すように、予め内周シール部材61及び重複部間シール部材63を取り付けておいた内周側構成部7aを、シリンダ9に対してその開放側(後側)から組み付ける。すなわち、内周側構成部7aの内周側摺動部7eに内周シール部材61が取り付けられた状態で、内周側構成部7aの内周側摺動部7eを、シリンダ9の内周側側壁部9a(第2シリンダ形成部材13の外周部13b)の径方向外側(中心軸線Lから遠い側)の面に嵌める。このとき、内周シール部材61を径方向に圧縮しながら、内周側構成部7aを内周側側壁部9aに対して前側に押すことで組み付ける。そして、内周側構成部7aの移動規制部7fの前側端面を端壁部9cに当接させる。
次いで、図2(c)に示すように、外周側構成部7bを、シリンダ9に対してその開放側(後側)から組み付ける。すなわち、外周側側壁部9b(第1シリンダ形成部材12)に外周シール部材62が取り付けられかつ内周側構成部7aに重複部間シール部材63が取り付けられた状態で、外周側構成部7bの外周側摺動部7gを、外周側側壁部9bの径方向外側(中心軸線Lから遠い側)の面に嵌める。このとき、その外周シール部材62を径方向に圧縮しながら、外周側構成部7bを外周側側壁部9bに対して前側に押すことで組み付ける。そして、外周側構成部7bの重複部7dと、先に組み付けられた内周側構成部7aの重複部7cとで、重複部間シール部材63を上記軸方向に挟む。
次に、図2(d)に示すように、第2シリンダ形成部材13の内周部13aに、リターンスプリング8と遠心バランス室形成部材16とを嵌め、規制部材17を内周部13aに固定することで、遠心バランス室形成部材16を内周部13aに固定する。
こうして完成した組立体における第2シリンダ形成部材13の内周部13aを、突出部91bの外周面に嵌め、その後に、突出部91bの内周面に入力軸2を嵌める。そして、入力軸2に、上記第1プラネタリギヤセットのサンギヤをセットする。このサンギヤには、予め連結部材53及びハブ11が連結されており、そのサンギヤをセットしたときに、ハブ11がドラム10の径方向内側に対向する。
続いて、ドラム10及びハブ11間に摩擦板6をセットし、その後に、ドラム10の内周面に摩擦板移動規制部材18を固定する。こうしてクラッチ5が完成する。
次いで、上記第1プラネタリギヤセットの組み立てを行い、その際、第1プラネタリギヤセットのリングギヤに連結された連結部材51を、2つの連結部材移動規制部材52によってドラム10の内周面に固定する。
したがって、本実施形態では、ピストン7が、互いに別部材で構成された内周側構成部7a及び外周側構成部7bを有しているので、内周側構成部7a及び外周側構成部7bをそれぞれ別々にシリンダ9に組み付けることができる。これにより、内周側構成部7aをシリンダ9に組み付ける際には、内周シール部材61のみを径方向に圧縮しながら内周側構成部7aを上記軸方向に組み付けることができ、外周側構成部7bをシリンダ9に組み付ける際には、外周シール部材62のみを径方向に圧縮しながら外周側構成部7bを上記軸方向に組み付けることができる。この結果、内周シール部材61及び外周シール部材62の両方を径方向に圧縮しながら、ピストン7を上記軸方向に組み付けるという組付方法を実施する必要はなくなるため、ピストン7の組付作業が簡単になるとともに、内周シール部材61及び外周シール部材62が破損したりシール不良が生じたりするのを抑制することができる。また、最初に組み付けた内周側構成部7aの重複部7cに対して、後から組み付ける外周側構成部7bの重複部7dを上記軸方向に押し付けることで、その間に位置する重複部間シール部材63を挟むことができ、これにより、重複部間シール部材63のシール性を容易に確保することができる。また、後から組み付ける外周側構成部7bの組付方向と同じ方向(上記軸方向)に重複部間シール部材63を挟むので、重複部間シール部材63が破損したりシール不良が生じたりするのを抑制することができる。
(実施形態2)
図3は、本発明の実施形態2を示し、自動変速機1における複数の摩擦締結要素のうちクラッチ5とは別のクラッチ21に、本発明を適用したものである。尚、図3においても、図1と同様に、右側が前側であり、左側が後側である。
上記クラッチ21は、自動変速機1において上記軸方向の中間部に位置し、クラッチ21の直ぐ前側には、変速機ケース91の中間壁部91cが径方向に延びている。上記軸方向における中間壁部91cと上記第1プラネタリギヤセットとの間には、図示を省略する第2プラネタリギヤセットが配設されており、この第2プラネタリギヤセットのキャリアから連結部材55が、入力軸2に沿って後側に延びて、後述の如く、クラッチ21のハブ27に連結されている。尚、入力軸2と連結部材55との径方向の間には、別の2つの連結部材が入力軸2に沿って延びているが、これら連結部材は省略している。また、入力軸2の中心部には、入力軸2の後端面から前側延びる軸方向油路2cが形成されている。
また、クラッチ21の直ぐ後側には、図示を省略する第3プラネタリギヤセットが配設されており、この第3プラネタリギヤセットのリングギヤから連結部材56が径方向外側に延びて、クラッチ21のドラム26に連結されている。したがって、クラッチ21は、上記第2プラネタリギヤセットのキャリアと上記第3プラネタリギヤセットのリングギヤとの間を断接するクラッチである。
クラッチ21は、クラッチ5と同様に、複数の摩擦板22と、後側に進出して該摩擦板22を後側に押圧するピストン23と、該ピストン23を前側に後退させる皿バネ式のリターンスプリング24とを有している。
複数の摩擦板22は、摩擦板6と同様に、摩擦板22の径方向外側に配設されたドラム26の内周面に、スプライン嵌合により上記軸方向に移動可能に取り付けられたドラム側摩擦板22a、摩擦板22の径方向内側に配設されたハブ27の外周面に、スプライン嵌合により上記軸方向に移動可能に取り付けられたハブ側摩擦板22bとからなり、これらが上記軸方向に交互に並んでいる。尚、ドラム側摩擦板22aにおける上記軸方向の両側の面には、摩擦部材がそれぞれ装着されている。
摩擦板22は、ハブ27に固定された摩擦板移動規制部材34によって、後側への移動が規制される。したがって、ピストン23により摩擦板22が後側に押圧されると、摩擦板22同士が係合してクラッチ21が締結状態となり、これにより、上記第2プラネタリギヤセットのキャリアと上記第3プラネタリギヤセットのリングギヤとが連結された状態となる。
ハブ27の前側端部は、径方向内側に曲げられて、第1シリンダ形成部材28に固定されている。第1シリンダ形成部材28は、その内周側に位置する第2シリンダ形成部材29に固定され、これら第1及び第2シリンダ形成部材28,29により、摩擦板22よりも径方向内側の位置において、上記軸方向の後側が開放されたシリンダ25が形成されている。第2シリンダ形成部材29は、中間壁部91cから後側に突出した突出部91dの外周面を囲み、その後側端部は、突出部91dの後側において径方向内側に延びて、上記連結部材55と連結されている。連結部材55と突出部91dの径方向内側の面との間には、ベアリング97が設けられており、互いに一体化された連結部材55、第1シリンダ形成部材28、第2シリンダ形成部材29及びハブ27が、該ベアリング97によって、突出部91dに対して回転支持されることになる。尚、第2シリンダ形成部材29と中間壁部91cとの間には、スラストベアリング98が設けられている。
上記シリンダ25は、シリンダ9と同様に、入力軸2の周囲を囲むように配設された内周側側壁部25a及び外周側側壁部25bと、該内周側側壁部25a及び外周側側壁部25bにおける前側の端部(上記軸方向の一側端部)同士を接続する端壁部25cとで構成されている。外周側側壁部25b及び端壁部9cの一部は、第1シリンダ形成部材28で構成され、内周側側壁部25a及び端壁部9cの残りは、第2シリンダ形成部材29で構成されている。
ピストン23は、シリンダ25に対して上記軸方向に摺動可能に設けられている。ピストン23は、ピストン7と同様に、互いに別部材で構成されかつシリンダ25に対して一体的に摺動するように構成された内周側構成部23a及び外周側構成部23bを有している。これら内周側構成部23a及び外周側構成部23bには、上記軸方向から見て互いに重なる重複部23c,23dがそれぞれ設けられている。本実施形態においても、内周側構成部23aの重複部23cが、外周側構成部23bの重複部23dに対して前側(端壁部25c側)に位置する。
内周側構成部23aには、内周側構成部7aの内周側摺動部7e及び移動規制部7fとそれぞれ同様の機能を有する内周側摺動部23e及び移動規制部23fが設けられている。尚、移動規制部23fの形状は、移動規制部7fとは異なり、重複部23cから内周側摺動部23eにかけて前側に湾曲した形状をなしている。
また、外周側構成部23bには、外周側摺動部7g及び押圧部7hとそれぞれ同様の機能を有する外周側摺動部23g及び押圧部23hが設けられている。尚、ハブ27の前側端部を除く部分は櫛歯状をなし、押圧部23hの径方向内側部分には、ハブ27の上記櫛歯状の部分が貫通する貫通孔が形成されている。
ピストン23の内周側構成部23a及び外周側構成部23bは、シリンダ25の後側の開放部を覆うように配設され、シリンダ25の内周側側壁部25a、外周側側壁部25b及び端壁部25cと共に、シリンダ25内に、締結油圧が供給される締結油圧室30を画成する。
上記内周側摺動部23eには、内周シール部材61と同様の、リップシールで構成された内周シール部材66が取り付けられ、外周側側壁部25bには、外周シール部材62と同様の、リップシールで構成された外周シール部材67が取り付けられ、内周側構成部23aの重複部23cの径方向外側(中心軸線Lから遠い側)の端部には、重複部間シール部材63と同様の重複部間シール部材68が取り付けられている。
内周シール部材66は、内周側摺動部23eと内周側側壁部25aとにより径方向に圧縮されるようになされ、外周シール部材67は、外周側摺動部23gと外周側側壁部25bとにより径方向に圧縮されるようになされている。また、重複部間シール部材68は、重複部間シール部材63と同様に、上記軸方向に圧縮されるようになされている。これら内周シール部材66、外周シール部材67及び重複部間シール部材68により、締結油圧室30が油密状とされて、締結油圧室30に供給される作動油がそれぞれの間から漏れるのが防止される。
リターンスプリング24は、リターンスプリング8と同様に、外周側構成部23bの重複部23dを、その前側から後側に付勢し、これにより、ピストン7の進出時及び後退時並びにピストン23が完全に後退したときにおいて、重複部間シール部材68が上記軸方向に圧縮された状態にあり、両重複部23c,23d間に隙間が生じない。
ピストン23の後側(及びリターンスプリング24の後側)には、第2シリンダ形成部材29に嵌められた略リング状の遠心バランス室形成部材32が設けられている。この遠心バランス室形成部材32は、遠心バランス室形成部材16と同様に、リターンスプリング24によって、第2シリンダ形成部材29に固定された規制部材33に対して押し付けることで、第2シリンダ形成部材29に固定された状態になっている。また、リターンスプリング24の皿バネの内周縁部が遠心バランス室形成部材29からの反力を受けることにより、該皿バネの外周縁部が外周側構成部23bの重複部23dを前側に押圧することになる。
遠心バランス室形成部材32、第2シリンダ形成部材29及びピストン23により、ピストン23の後側に、遠心バランス室31が画成され、この遠心バランス室31に、バランス油圧が供給される。
外周側構成部23bにおける重複部23dと外周側摺動部23gとの角部には、遠心バランス室用シール部材64と同様の遠心バランス室用シール部材69が取り付けられており、この遠心バランス室用シール部材69により、遠心バランス室31も油密状とされている。
中間壁部91cの突出部91dには、締結油圧室30に締結油圧を供給するための締結油圧供給路87が設けられているとともに、締結油圧供給路87とは周方向で異なる位置に、遠心バランス室31にバランス油圧を供給するためのバランス油圧供給路(図示せず)が設けられている。これら締結油圧供給路87及びバランス油圧供給路は、中間壁部91cにおいて径方向に延びる別々の油圧供給路(図3では、締結油圧供給路87と接続された油圧供給路86のみを示す)とそれぞれ接続されている。締結油圧供給路87は、第2シリンダ形成部材29に形成された第1油路29aに連通し、この第1油路29aは、締結油圧室30に連通している。尚、締結油圧供給路87と第1油路29aとの間には、シール部材88が設けられている。
また、上記バランス油圧供給路は、第2シリンダ形成部材29に形成された第2油路29bに連通し、この第2油路29bは、遠心バランス室31に連通している。したがって、締結油圧供給路87及び第1油路29aを介して、締結油圧室30に作動油(締結油圧)が供給され、上記バランス油圧供給路及び第2油路29bを介して、遠心バランス室31に作動油(バランス油圧)が供給されることになる。
上記クラッチ21の作動は、クラッチ5の作動と同様であり、また、クラッチ21の摩擦板22を除く部分の製造方法は、図2(a)〜(d)で示した、クラッチ5の摩擦板6を除く部分の製造方法と同様である。
したがって、本実施形態においても、上記実施形態1と同様に、ピストン23の組付作業が簡単になるとともに、内周シール部材66、外周シール部材67及び重複部間シール部材68が破損したりシール不良が生じたりするのを抑制することができる。
(実施形態3)
図4は、本発明の実施形態3を示し、上記実施形態2のクラッチ21において、外周シール部材67及び遠心バランス室用シール部材69の構成を変更したものである。尚、以下の各実施形態では、図3と同じ部分については同じ符号を付して、その詳細な説明は省略し、異なる部分について説明する。
すなわち、本実施形態では、外周シール部材67及び遠心バランス室用シール部材69は、Oリングで構成されている。外周シール部材67は、外周側側壁部25bの径方向外側の面に全周に亘って延びるように設けられた凹溝25d内に嵌め込まれることで、外周側側壁部25bの径方向外側の面に取り付けられている。また、遠心バランス室用シール部材69は、外周側構成部23bの外周側摺動部23gの径方向外側の面に全周に亘って延びるように設けられた凹溝23i内に嵌め込まれることで、外周側構成部23bに取り付けられている。その他の構成は、上記実施形態2と同様である。
本実施形態では、ピストン23の内周側構成部23a及び外周側構成部23bをシリンダ25に対して組み付ける前に、外周シール部材67を凹溝25d内に嵌め込んで取り付けておくとともに、遠心バランス室用シール部材69を凹溝23i内に嵌め込んで取り付けておく。その他の、クラッチ21の摩擦板22を除く部分の製造方法は、上記実施形態1及び2と同様である。
したがって、本実施形態においても、ピストン23の組付作業が簡単になるとともに、内周シール部材66、外周シール部材67及び重複部間シール部材68が破損したりシール不良が生じたりするのを抑制することができる。
(実施形態4)
図5は、本発明の実施形態4を示し、上記実施形態2のクラッチ21において、外周シール部材67及び遠心バランス室用シール部材69(共にリップシールで構成)の取付位置を変更したものである。
すなわち、本実施形態では、外周シール部材67は、外周側構成部23bの外周側摺動部23gの径方向内側の面に取り付けられ、遠心バランス室用シール部材69は、遠心バランス室形成部材32に取り付けられている。また、外周シール部材67は、ゴム部材を金属板で補強してなるものであり、これにより、外周シール部材67の意図しない変形を防止している。その他の構成は、上記実施形態2と同様である。
本実施形態では、ピストン23の内周側構成部23a及び外周側構成部23bをシリンダ25に対して組み付ける前に、外周シール部材67を外周側構成部23bの外周側摺動部23gの径方向内側の面に固着して取り付けておくとともに、第2シリンダ形成部材29にリターンスプリング24と遠心バランス室形成部材29とを嵌める前に、遠心バランス室形成部材32に遠心バランス室用シール部材69を固着して取り付けておく。その他の、クラッチ21の摩擦板22を除く部分の製造方法は、上記実施形態1及び2と同様である。
したがって、本実施形態においても、ピストン23の組付作業が簡単になるとともに、内周シール部材66、外周シール部材67及び重複部間シール部材68が破損したりシール不良が生じたりするのを抑制することができる。
(実施形態5)
図6は、本発明の実施形態5を示し、上記実施形態3のクラッチ21において、Oリングで構成された外周シール部材67を、外周側構成部23bの外周側摺動部23gの径方向内側の面に取り付けたものである。
すなわち、本実施形態では、外周側構成部23bの外周側摺動部23gの径方向外側及び内側の面に、全周に亘って延びる凹溝23i,23jがそれぞれ設けられ、凹溝23jに外周シール部材67が嵌め込まれ、凹溝23iに、上記実施形態3と同様に、遠心バランス室用シール部材69が嵌め込まれている。その他の構成は、上記実施形態3と同様である。
本実施形態では、ピストン23の内周側構成部23a及び外周側構成部23bをシリンダ25に対して組み付ける前に、外周シール部材67を凹溝23j内に嵌め込んで取り付けておくとともに、遠心バランス室用シール部材69を凹溝23i内に嵌め込んで取り付けておく。その他の、クラッチ21の摩擦板22を除く部分の製造方法は、上記実施形態3と同様である。
したがって、本実施形態においても、ピストン23の組付作業が簡単になるとともに、内周シール部材66、外周シール部材67及び重複部間シール部材68が破損したりシール不良が生じたりするのを抑制することができる。
(実施形態6)
図7は、本発明の実施形態6を示し、上記実施形態5のクラッチ21において、リップシールで構成された内周シール部材61を、第2シリンダ形成部材29(内周側側壁部25a)に取り付けるようにしたものである。
すなわち、本実施形態では、内周側側壁部25aの径方向外側(中心軸線Lから遠い側)の面(シリンダ内側の面)においてピストン23の内周側構成部23aの内周側摺動部23eが摺動する部分に、リップシールで構成された内周シール部材66が固着されて取り付けられている。その他の構成は、上記実施形態5と同様である。
本実施形態では、ピストン23の内周側構成部23a及び外周側構成部23bをシリンダ25に対して組み付ける前に、内周側側壁部25aに内周シール部材66を固着して取り付けておく。その他の、クラッチ21の摩擦板22を除く部分の製造方法は、上記実施形態5と同様である。
したがって、本実施形態においても、ピストン23の組付作業が簡単になるとともに、内周シール部材66、外周シール部材67及び重複部間シール部材68が破損したりシール不良が生じたりするのを抑制することができる。
(実施形態7)
図8は、本発明の実施形態7を示し、上記実施形態6のクラッチ21において、内周シール部材66を、Oリングで構成したものである。
すなわち、本実施形態では、内周側側壁部25aの径方向外側(中心軸線Lから遠い側)の面(シリンダ内側の面)においてピストン23の内周側構成部23aの内周側摺動部23eが摺動する部分に設けられた凹溝23k内に、Oリングで構成された内周シール部材66が嵌め込んで取り付けられている。その他の構成は、上記実施形態6と同様である。
本実施形態では、ピストン23の内周側構成部23a及び外周側構成部23bをシリンダ25に対して組み付ける前に、内周側側壁部25aの凹溝23kに内周シール部材66を嵌め込んで取り付けておく。その他の、クラッチ21の摩擦板22を除く部分の製造方法は、上記実施形態6と同様である。
したがって、本実施形態においても、ピストン23の組付作業が簡単になるとともに、内周シール部材66、外周シール部材67及び重複部間シール部材68が破損したりシール不良が生じたりするのを抑制することができる。
本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、請求の範囲の主旨を逸脱しない範囲で代用が可能である。
例えば、上記各実施形態では、内周側構成部7a(23a)の重複部7c(23c)が外周側構成部7b(23b)の重複部7d(23d)に対して前側(シリンダ開放側とは反対側)に位置するようにしたが、これとは逆に、外周側構成部7b(23b)の重複部7d(23d)が内周側構成部7a(23a)の重複部7c(23c)に対して前側に位置するようにしてもよい。この場合、外周側構成部7b(23b)に移動規制部7f(23f)を設け、リターンスプリング8(24)が、内周側構成部7a(23a)の重複部7c(23c)を前側に付勢するようにすればよい。押圧部7h(23h)は、内周側構成部7a(23a)及び外周側構成部7b(23b)のいずれに設けてもよいが、上記各実施形態のように、摩擦板6(22)が、シリンダ9(25)に対して径方向外側に位置する場合には、押圧部7h(23h)は、外周側構成部7b(23b)に設けることが好ましい。そして、シリンダ9(25)に対して外周側構成部7b(23b)を先に組み付け、その後に、内周側構成部7a(23a)を組み付けるようにすればよい。すなわち、ピストン7(23)の外周側構成部7b(25b)又はシリンダ9(25)の外周側側壁部9b(25b)に外周シール部材62(67)が取り付けられた状態で、外周側構成部7b(25b)を、シリンダ9(25)に対して後側(シリンダ開放側)から組み付け、その後、ピストン7(23)の内周側構成部7a(23a)又はシリンダ9(25)の内周側側壁部9a(25a)に内周シール部材61(66)が取り付けられかつピストン7(23)の内周側構成部7a(23a)又は外周側構成部7b(23b)に重複部間シール部材63(68)が取り付けられた状態で、内周側構成部7a(23a)を、シリンダ9(25)に対して後側(シリンダ開放側)から組み付けるとともに、内周側構成部7a(23a)の重複部7c(23c)と、先に組み付けられた外周側構成部7b(23b)の重複部7d(23d)とで、重複部間シール部材63(68)を上記軸方向に挟むようにする。
また、上記各実施形態では、外周側構成部7b(23b)の外周側摺動部7g(23g)が、シリンダ9(25)の外周側側壁部9b(25b)のシリンダ外側に位置するが、外周側側壁部9b(25b)のシリンダ内側に位置させるようにしてもよい。この構成において、外周シール部材62(67)を、外周側構成部7b(23b)に取り付ける場合、外周側摺動部7g(23g)の径方向外側の面に取り付ければよい。さらに、内周側構成部7a(23a)の内周側摺動部7e(23e)を、シリンダ9(25)の内周側側壁部9a(25a)のシリンダ外側に位置させるようにすることも可能である。
また、上記実施形態では、前進8速及び後退1速を達成する自動変速機1に、本発明を適用したが、摩擦締結要素(ブレーキであってもよく、クラッチであってもよい)を備えた自動変速機であれば、どのような自動変速機であっても本発明を適用することができる。
上述の実施形態は単なる例示に過ぎず、本発明の範囲を限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は請求の範囲によって定義され、請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
本発明は、シリンダとピストンとを有する摩擦締結要素を備えた自動変速機及び該自動変速機の製造方法に有用である。
1 自動変速機
2 入力軸(動力伝達軸)
5、21 クラッチ(摩擦締結要素)
6、22 摩擦板
7、23 ピストン
7a、23a 内周側構成部
7b、23b 外周側構成部
7c、23c 内周側構成部の重複部
7d、23d 外周側構成部の重複部
7f、23f 移動規制部
7h、23h 押圧部
8、24 リターンスプリング
9、25 シリンダ
9a、25a 内周側側壁部
9b、25b 外周側側壁部
9c、25c 端壁部
61、66 内周シール部材
62、67 外周シール部材
63、68 重複部間シール部材

Claims (5)

  1. 動力伝達軸の周囲を囲むように配設された内周側側壁部及び外周側側壁部、並びに、該内周側側壁部及び外周側側壁部における上記動力伝達軸の軸方向の一側端部同士を接続する端壁部で構成され、上記軸方向の他側が開放されたシリンダと、
    互いに別部材で構成されかつ上記シリンダに対して上記軸方向に一体的に摺動するように構成された内周側構成部及び外周側構成部を有するピストンと、
    を有する摩擦締結要素
    を備えた自動変速機であって、
    上記内周側構成部及び外周側構成部に、上記軸方向から見て互いに重なる重複部がそれぞれ設けられ、
    上記摩擦締結要素は、上記ピストンの内周側構成部又は外周側構成部に取り付けられかつ上記軸方向における該内周側構成部及び外周側構成部の重複部間において上記軸方向に挟まれることで、該内周側構成部及び外周側構成部間のシールを行う重複部間シール部材を更に有していることを特徴とする自動変速機。
  2. 請求項1記載の自動変速機において、
    上記ピストンの内周側構成部及び外周側構成部のうち上記重複部が上記軸方向の上記一側に位置する構成部には、該構成部の上記一側への移動を規制する移動規制部が設けられ、
    上記摩擦締結要素は、上記ピストンの内周側構成部及び外周側構成部のうち上記重複部が上記軸方向の上記他側に位置する構成部を上記一側に付勢するリターンスプリングを更に有していることを特徴とする自動変速機。
  3. 請求項1又は2記載の自動変速機において、
    上記摩擦締結要素は、
    上記ピストンの内周側構成部又は上記シリンダの内周側側壁部に取り付けられ、上記ピストンの内周側構成部と上記シリンダの内周側側壁部との間をシールする内周シール部材と、
    上記ピストンの外周側構成部又は上記シリンダの外周側側壁部に取り付けられ、上記ピストンの外周側構成部と上記シリンダの外周側側壁部との間をシールする外周シール部材と
    を更に有し、
    上記内周シール部材及び上記外周シール部材の少なくとも一方が、リップシールで構成されていることを特徴とする自動変速機。
  4. 動力伝達軸の周囲を囲むように配設された内周側側壁部及び外周側側壁部、並びに、該内周側側壁部及び外周側側壁部における上記動力伝達軸の軸方向の一側端部同士を接続する端壁部で構成され、上記軸方向の他側が開放されたシリンダと、
    互いに別部材で構成されかつ上記シリンダに対して上記軸方向に一体的に摺動するように構成された内周側構成部及び外周側構成部を有し、該内周側構成部及び外周側構成部に、上記軸方向から見て互いに重なる重複部がそれぞれ設けられたピストンと、
    上記ピストンの内周側構成部又は外周側構成部に取り付けられかつ上記軸方向における該内周側構成部及び外周側構成部の重複部間において上記軸方向に挟まれることで、該内周側構成部及び外周側構成部間のシールを行う重複部間シール部材と、
    を有する摩擦締結要素
    を備えた自動変速機の製造方法であって、
    上記内周側構成部の重複部が上記外周側構成部の重複部に対して上記軸方向の上記一側に位置しており、
    上記内周側構成部を、上記シリンダに対して上記軸方向の上記他側から組み付ける第1組付工程と、
    上記第1組付工程の後、上記ピストンの内周側構成部又は外周側構成部に上記重複部間シール部材が取り付けられた状態で、上記外周側構成部を、上記シリンダに対して上記軸方向の上記他側から組み付けるとともに、該外周側構成部の重複部と、上記第1組付工程で組み付けられた内周側構成部の重複部とで、上記重複部間シール部材を上記軸方向に挟む第2組付工程と、
    を含むことを特徴とする自動変速機の製造方法。
  5. 動力伝達軸の周囲を囲むように配設された内周側側壁部及び外周側側壁部、並びに、該内周側側壁部及び外周側側壁部における上記動力伝達軸の軸方向の一側端部同士を接続する端壁部で構成され、上記軸方向の他側が開放されたシリンダと、
    互いに別部材で構成されかつ上記シリンダに対して上記軸方向に一体的に摺動するように構成された内周側構成部及び外周側構成部を有し、該内周側構成部及び外周側構成部に、上記軸方向から見て互いに重なる重複部がそれぞれ設けられたピストンと、
    上記ピストンの内周側構成部又は外周側構成部に取り付けられかつ上記軸方向における該内周側構成部及び外周側構成部の重複部間において上記軸方向に挟まれることで、該内周側構成部及び外周側構成部間のシールを行う重複部間シール部材と、
    を有する摩擦締結要素
    を備えた自動変速機の製造方法であって、
    上記外周側構成部の重複部が上記内周側構成部の重複部に対して上記軸方向の上記一側に位置しており、
    上記外周側構成部を、上記シリンダに対して上記軸方向の上記他側から組み付ける第1組付工程と、
    上記第1組付工程の後、上記ピストンの内周側構成部又は外周側構成部に上記重複部間シール部材が取り付けられた状態で、上記内周側構成部を、上記シリンダに対して上記軸方向の上記他側から組み付けるとともに、該内周側構成部の重複部と、上記第1組付工程で組み付けられた外周側構成部の重複部とで、上記重複部間シール部材を上記軸方向に挟む第2組付工程と、
    を含むことを特徴とする自動変速機の製造方法。
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