JP2015218297A - 表面保護フィルムの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】帯電防止性に非常に優れた表面保護フィルムの製造方法を提供することにある。また、そのような製造方法によって製造される表面保護フィルムを提供することにある。さらに、そのような表面保護フィルムが貼着された光学部材や電子部材を提供することにある。【解決手段】本発明の表面保護フィルムの製造方法は、基材層と粘着剤層とを有する表面保護フィルムの製造方法であって、基材層と粘着剤層とを含む積層体であって該粘着剤層が最外層である積層体を製造し、該粘着剤層の該基材層と反対側の表面に、イオン性液体、イオン伝導ポリマー、イオン伝導フィラー、電気伝導ポリマーから選ばれる少なくとも1種の化合物(A)を含むセパレーターを貼り合わせ、その後にセパレーターを剥離する。【選択図】図1

Description

本発明は、表面保護フィルムの製造方法に関する。また、本発明は、そのような製造方法によって製造される表面保護フィルムに関する。さらに、本発明は、そのような表面保護フィルムが貼着された光学部材および電子部材に関する。
LCD、有機EL、これらを用いたタッチパネル、カメラのレンズ部、電子機器などの光学部材や電子部材は、加工、組立、検査、輸送などの際の表面の傷付き防止のために、一般に、露出面側に表面保護フィルムが貼着される。
このような表面保護フィルムは、通常、基材層と粘着剤層を有し、粘着剤層の表面を保護するためにセパレーターが設けられている。このような表面保護フィルムは、セパレーターを剥離して粘着剤層を露出させた後に、光学部材や電子部材などの被着体に貼着され、その後、表面保護の必要がなくなった時点で、光学部材や電子部材などの被着体から剥離される(例えば、特許文献1、2)。
光学部材や電子部材に用いられる表面保護フィルムにおいては、液晶分子の配向の損失やパネルの欠損などを起こさせないために、静電気の発生などの帯電が十分に防止されなければならない。
しかしながら、粘着剤層の表面からセパレーターを剥離する際には、剥離帯電が生じ得る。また、表面保護フィルムの基材層や、光学部材や電子部材などの被着体は、一般に、プラスチック材料を構成材料として含むため、電気絶縁性が高く、摩擦や剥離の際に静電気を発生し得る。
特開2005−306996号公報 特開2005−309071号公報
本発明の課題は、帯電防止性に非常に優れた表面保護フィルムの製造方法を提供することにある。また、本発明の課題は、そのような製造方法によって製造される表面保護フィルムを提供することにある。さらに、本発明の課題は、そのような表面保護フィルムが貼着された光学部材や電子部材を提供することにある。
本発明の表面保護フィルムの製造方法は、
基材層と粘着剤層とを有する表面保護フィルムの製造方法であって、
基材層と粘着剤層とを含む積層体であって該粘着剤層が最外層である積層体を製造し、
該粘着剤層の該基材層と反対側の表面に、イオン性液体、イオン伝導ポリマー、イオン伝導フィラー、電気伝導ポリマーから選ばれる少なくとも1種の化合物(A)を含むセパレーターを貼り合わせ、
その後にセパレーターを剥離する。
好ましい実施形態においては、セパレーターを貼り合わせてから剥離するまでの時間が6時間〜2年である。
好ましい実施形態においては、上記イオン性液体が、フルオロ有機アニオンとオニウムカチオンから構成されるイオン性液体である。
好ましい実施形態においては、上記オニウムカチオンが、窒素含有オニウムカチオン、硫黄含有オニウムカチオン、リン含有オニウムカチオンから選ばれる少なくとも1種である。
好ましい実施形態においては、上記セパレーター中の上記化合物(A)の含有割合が0.001重量%〜2.0重量%である。
好ましい実施形態においては、上記粘着剤層が、アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ゴム系粘着剤から選ばれる少なくとも1種の粘着剤を含む。
本発明の表面保護フィルムは、本発明の製造方法によって製造される。
本発明の光学部材は、本発明の表面保護フィルムが貼着されたものである。
本発明の電子部材は、本発明の表面保護フィルムが貼着されたものである。
本発明によれば、帯電防止性に非常に優れた表面保護フィルムの製造方法を提供することができる。また、本発明によれば、そのような製造方法によって製造される表面保護フィルムを提供することができる。さらに、本発明によれば、そのような表面保護フィルムが貼着された光学部材や電子部材を提供することができる。
本発明の好ましい実施形態による製造方法で製造される表面保護フィルムの概略断面図である。 本発明の好ましい実施形態による製造方法の第2段階において得られる積層体の概略断面図である。
≪A.表面保護フィルムの製造方法≫
本発明の表面保護フィルムの製造方法は、基材層と粘着剤層とを有する表面保護フィルムの製造方法である。
図1は、本発明の好ましい実施形態による製造方法で製造される表面保護フィルムの概略断面図である。表面保護フィルム10は、基材層1と粘着剤層2をこの順に備える。本発明の表面保護フィルムは、必要に応じて、任意の適切な他の層をさらに有していてもよい(図示せず)。
基材層1の粘着剤層2を付設しない面に対しては、巻戻しが容易な巻回体の形成などを目的として、例えば、基材層に、脂肪酸アミド、ポリエチレンイミン、長鎖アルキル系添加剤等を添加して離型処理を行ったり、シリコーン系、長鎖アルキル系、フッ素系などの任意の適切な剥離剤からなるコート層を設けたりすることができる。
<A−1.第1段階>
本発明の表面保護フィルムの製造方法においては、まず、基材層と粘着剤層とを含む積層体であって該粘着剤層が最外層である積層体を製造する。
基材層と粘着剤層とを含む積層体であって該粘着剤層が最外層である積層体は、例えば、
(1)粘着剤層の形成材料(例えば、本発明のウレタン系粘着剤の原料である、ポリオール(A)と多官能イソシアネート化合物(B)を含有する組成物)の溶液や熱溶融液を基材層上に塗布する方法、
(2)それに準じ、セパレーター上に塗布、形成した粘着剤層を基材層上に移着する方法、
(3)粘着剤層の形成材料を基材層上に押出して形成塗布する方法、
(4)基材層と粘着剤層を二層または多層にて押出しする方法、
(5)基材層上に粘着剤層を単層ラミネートする方法またはラミネート層とともに粘着剤層を二層ラミネートする方法、
(6)粘着剤層とフィルムやラミネート層等の基材層形成材料とを二層または多層ラミネートする方法、
などの、任意の適切な方法によって準備することができる。
基材層は、単層からなるものであっても良いし、複数層からなるものであっても良い。基材層は、延伸されたものであっても良い。
基材層の厚みは、用途に応じて、任意の適切な厚みに設定し得る。本発明の効果を十分に発現するための観点から、好ましくは20μm〜150μmであり、より好ましくは25μm〜125μmであり、さらに好ましくは30μm〜100μmであり、特に好ましくは35μm〜75μmである。
基材層の材料としては、用途に応じて、任意の適切な材料を採用し得る。このような材料としては、例えば、プラスチック、紙、金属フィルム、不織布などが挙げられる。このような材料の中でも、好ましくは、プラスチックである。基材層は、1種の材料から構成されていても良いし、2種以上の材料から構成されていても良い。例えば、2種以上のプラスチックから構成されていても良い。
上記プラスチックとしては、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂などが挙げられる。ポリエステル系樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどが挙げられる。ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、オレフィンモノマーの単独重合体、オレフィンモノマーの共重合体などが挙げられる。ポリオレフィン系樹脂としては、具体的には、例えば、ホモポリプロピレン;エチレン成分を共重合成分とするブロック系、ランダム系、グラフト系等のプロピレン系共重合体;リアクターTPO;低密度、高密度、リニア低密度、超低密度等のエチレン系重合体;エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸メチル共重合体、エチレン・アクリル酸エチル共重合体、エチレン・アクリル酸ブチル共重合体、エチレン・メタクリル酸共重合体、エチレン・メタクリル酸メチル共重合体等のエチレン系共重合体;などが挙げられる。
基材層は、必要に応じて、任意の適切な添加剤を含有し得る。基材層に含有され得る添加剤としては、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤、充填剤、顔料などが挙げられる。基材層に含有され得る添加剤の種類、数、量は、目的に応じて適切に設定され得る。特に、基材層の材料がプラスチックの場合は、劣化防止等を目的として、上記の添加剤のいくつかを含有することが好ましい。耐候性向上等の観点から、添加剤として特に好ましくは、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、充填剤が挙げられる。
酸化防止剤としては、任意の適切な酸化防止剤を採用し得る。このような酸化防止剤としては、例えば、フェノール系酸化防止剤、リン系加工熱安定剤、ラクトン系加工熱安定剤、イオウ系耐熱安定剤、フェノール・リン系酸化防止剤などが挙げられる。酸化防止剤の含有割合は、基材層のベース樹脂(基材層がブレンド物の場合にはそのブレンド物がベース樹脂である)に対して、好ましくは1重量%以下であり、より好ましくは0.5重量%以下であり、さらに好ましくは0.01重量%〜0.2重量%である。
紫外線吸収剤としては、任意の適切な紫外線吸収剤を採用し得る。このような紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤などが挙げられる。紫外線吸収剤の含有割合は、基材層を形成するベース樹脂(基材層がブレンド物の場合にはそのブレンド物がベース樹脂である)に対して、好ましくは2重量%以下であり、より好ましくは1重量%以下であり、さらに好ましくは0.01重量%〜0.5重量%である。
光安定剤としては、任意の適切な光安定剤を採用し得る。このような光安定剤としては、例えば、ヒンダードアミン系光安定剤、ベンゾエート系光安定剤などが挙げられる。光安定剤の含有割合は、基材層を形成するベース樹脂(基材層がブレンド物の場合にはそのブレンド物がベース樹脂である)に対して、好ましくは2重量%以下であり、より好ましくは1重量%以下であり、さらに好ましくは0.01重量%〜0.5重量%である。
充填剤としては、任意の適切な充填剤を採用し得る。このような充填剤としては、例えば、無機系充填剤などが挙げられる。無機系充填剤としては、具体的には、例えば、カーボンブラック、酸化チタン、酸化亜鉛などが挙げられる。充填剤の含有割合は、基材層を形成するベース樹脂(基材層がブレンド物の場合にはそのブレンド物がベース樹脂である)に対して、好ましくは20重量%以下であり、より好ましくは10重量%以下であり、さらに好ましくは0.01重量%〜10重量%である。
さらに、添加剤としては、帯電防止性付与を目的として、界面活性剤、無機塩、多価アルコール、金属化合物、カーボン等の無機系、低分子量系および高分子量系帯電防止剤も好ましく挙げられる。特に、汚染、粘着性維持の観点から、高分子量系帯電防止剤やカーボンが好ましい。
粘着剤層は、単層からなるものであっても良いし、複数層からなるものであっても良い。
粘着剤層の厚みは、用途に応じて、任意の適切な厚みに設定し得る。本発明の効果を十分に発現するための観点から、好ましくは5μm〜50μmであり、より好ましくは6μm〜40μmであり、さらに好ましくは7μm〜30μmであり、特に好ましくは8μm〜20μmである。
粘着剤層としては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な粘着剤層を採用し得る。このような粘着剤層は、例えば、アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ゴム系粘着剤から選ばれる少なくとも1種の粘着剤を含む。
粘着剤層中の粘着剤(例えば、アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ゴム系粘着剤から選ばれる少なくとも1種の粘着剤)の含有割合は、好ましくは96重量%〜100重量%であり、より好ましくは97重量%100重量%であり、さらに好ましくは98重量%〜100重量%であり、特に好ましくは99重量%〜100重量%である。粘着剤層中の粘着剤の含有割合を上記範囲内に調整することにより、例えば、糊残り防止性やリワーク性に優れた粘着剤層とすることができる。
アクリル系粘着剤としては、本発明の効果を損なわない範囲で、例えば、特開2013−241606号方法などに記載の公知のアクリル系粘着剤など、任意の適切なアクリル系粘着剤を採用し得る。
シリコーン系粘着剤としては、本発明の効果を損なわない範囲で、例えば、特開2014−47280号方法などに記載の公知のシリコーン系粘着剤など、任意の適切なシリコーン系粘着剤を採用し得る。
ポリエステル系粘着剤としては、本発明の効果を損なわない範囲で、例えば、特開2013−216875号方法などに記載の公知のポリエステル系粘着剤など、任意の適切なポリエステル系粘着剤を採用し得る。
ゴム系粘着剤としては、本発明の効果を損なわない範囲で、例えば、特開2011−236358号公報などに記載の公知のゴム系粘着剤など、任意の適切なゴム系粘着剤を採用し得る。
ウレタン系粘着剤としては、本発明の効果を損なわない範囲で、公知のウレタン系粘着剤など、任意の適切なウレタン系粘着剤を採用し得る。
ウレタン系粘着剤としては、特に、ポリウレタン系樹脂を含むことが好ましい。
ウレタン系粘着剤中のポリウレタン系樹脂の含有割合は、下限値として、好ましくは40重量%以上であり、より好ましくは50重量%以上であり、さらに好ましくは55重量%以上であり、さらに好ましくは60重量%であり、特に好ましくは65重量%であり、最も好ましくは70重量%であり、上限値として、好ましくは99.999重量%以下であり、より好ましくは99.99重量%以下であり、さらに好ましくは99.9重量%以下であり、さらに好ましくは99重量%以下であり、特に好ましくは95重量%以下であり、最も好ましくは90重量%以下である。ウレタン系粘着剤中のポリウレタン系樹脂の含有割合を上記範囲内に調整することにより、例えば、帯電防止性に非常に優れ、糊残り防止性やリワーク性に優れたウレタン系粘着剤とすることができる。
ポリウレタン系樹脂は、ポリオール(A)と多官能イソシアネート化合物(B)を含有する組成物を硬化させて得られるポリウレタン系樹脂である。
ポリオール(A)としては、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
ポリオール(A)としては、OH基を2個以上有するポリオールであれば、任意の適切なポリオールを採用し得る。このようなポリオール(A)としては、例えば、OH基を2個有するポリオール(ジオール)、OH基を3個有するポリオール(トリオール)、OH基を4個有するポリオール(テトラオール)、OH基を5個有するポリオール(ペンタオール)、OH基を6個有するポリオール(ヘキサオール)などが挙げられる。
ポリオール(A)として、好ましくは、OH基を3個有するポリオール(トリオール)を必須成分として採用する。このようにポリオール(A)としてOH基を3個有するポリオール(トリオール)を必須成分として採用すると、例えば、帯電防止性により優れ、糊残り防止性やリワーク性にもより優れた、ウレタン系粘着剤を提供することができる。ポリオール(A)中の、OH基を3個有するポリオール(トリオール)の含有割合は、好ましくは50重量%〜100重量%であり、より好ましくは70重量%〜100重量%であり、さらに好ましくは80重量%〜100重量%であり、さらに好ましくは90重量%〜100重量%であり、特に好ましくは95重量%〜100重量%であり、最も好ましくは実質的に100重量%である。
ポリオール(A)としては、好ましくは、数平均分子量Mnが400〜20000のポリオールを含む。ポリオール(A)中の、数平均分子量Mnが400〜20000のポリオールの含有割合は、好ましくは50重量%〜100重量%であり、より好ましくは70重量%〜100重量%であり、さらに好ましくは90重量%〜100重量%であり、特に好ましくは95重量%〜100重量%であり、最も好ましくは実質的に100重量%である。ポリオール(A)中の、数平均分子量Mnが400〜20000のポリオールの含有割合を、上記範囲内に調整することにより、例えば、帯電防止性により優れ、糊残り防止性やリワーク性にもより優れた、ウレタン系粘着剤を提供することができる。
ポリオール(A)としてOH基を3個有するポリオール(トリオール)を必須成分として採用する場合、好ましくは、数平均分子量Mnが7000〜20000のトリオールと、数平均分子量Mnが2000〜6000のトリオールと、数平均分子量Mnが400〜1900のトリオールとを併用し、より好ましくは、数平均分子量Mnが8000〜15000のトリオールと、数平均分子量Mnが2000〜5000のトリオールと、数平均分子量Mnが500〜1800のトリオールとを併用し、さらに好ましくは、数平均分子量Mnが8000〜12000のトリオールと、数平均分子量Mnが2000〜4000のトリオールと、数平均分子量Mnが500〜1500のトリオールとを併用する。このような3種のトリオールを併用すると、例えば、帯電防止性により優れ、糊残り防止性やリワーク性にもより優れた、ウレタン系粘着剤を提供することができる。
ポリオール(A)としては、例えば、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリカーボネートポリオール、ひまし油系ポリオールなどが挙げられる。
ポリエステルポリオールとしては、例えば、ポリオール成分と酸成分とのエステル化反応によって得ることができる。
ポリオール成分としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,8−デカンジオール、オクタデカンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ヘキサントリオール、ポリプロピレングリコールなどが挙げられる。
酸成分としては、例えば、コハク酸、メチルコハク酸、アジピン酸、ピメリック酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,12−ドデカン二酸、1,14−テトラデカン二酸、ダイマー酸、2−メチル−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、2−エチル−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ビフェエルジカルボン酸、これらの酸無水物などが挙げられる。
ポリエーテルポリオールとしては、例えば、水、低分子ポリオール(プロピレングリコール、エチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなど)、ビスフェノール類(ビスフェノールAなど)、ジヒドロキシベンゼン(カテコール、レゾルシン、ハイドロキノンなど)などを開始剤として、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなどのアルキレンオキサイドを付加重合させることによって得られるポリエーテルポリオールが挙げられる。具体的には、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどが挙げられる。
ポリカプロラクトンポリオールとしては、例えば、ε−カプロラクトン、σ−バレーロラクトンなどの環状エステルモノマーの開環重合により得られるカプロラクトン系ポリエステルジオールなどが挙げられる。
ポリカーボネートポリオールとしては、例えば、上記ポリオール成分とホスゲンとを重縮合反応させて得られるポリカーボネートポリオール;上記ポリオール成分と、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸ジプロビル、炭酸ジイソプロピル、炭酸ジブチル、エチルブチル炭酸、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、炭酸ジフェニル、炭酸ジベンジル等の炭酸ジエステル類とをエステル交換縮合させて得られるポリカーボネートポリオール;上記ポリオール成分を2種以上併用して得られる共重合ポリカーボネートポリオール;上記各種ポリカーボネートポリオールとカルボキシル基含有化合物とをエステル化反応させて得られるポリカーボネートポリオール;上記各種ポリカーボネートポリオールとヒドロキシル基含有化合物とをエーテル化反応させて得られるポリカーボネートポリオール;上記各種ポリカーボネートポリオールとエステル化合物とをエステル交換反応させて得られるポリカーボネートポリオール;上記各種ポリカーボネートポリオールとヒドロキシル基含有化合物とをエステル交換反応させて得られるポリカーボネートポリオール;上記各種ポリカーボネートポリオールとジカルボン酸化合物とを重縮合反応させて得られるポリエステル系ポリカーボネートポリオール;上記各種ポリカーボネートポリオールとアルキレンオキサイドとを共重合させて得られる共重合ポリエーテル系ポリカーボネートポリオール;などが挙げられる。
ひまし油系ポリオールとしては、例えば、ひまし油脂肪酸と上記ポリオール成分とを反応させて得られるひまし油系ポリオールが挙げられる。具体的には、例えば、ひまし油脂肪酸とポリプロピレングリコールとを反応させて得られるひまし油系ポリオールが挙げられる。
多官能イソシアネート化合物(B)は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
多官能イソシアネート化合物(B)としては、ウレタン化反応に用い得る任意の適切な多官能イソシアネート化合物を採用し得る。このような多官能イソシアネート化合物(B)としては、例えば、多官能脂肪族系イソシアネート化合物、多官能脂環族系イソシアネート、多官能芳香族系イソシアネート化合物などが挙げられる。
多官能脂肪族系イソシアネート化合物としては、例えば、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートなどが挙げられる。
多官能脂環族系イソシアネート化合物としては、例えば、1,3−シクロペンテンジイソシアネート、1,3−シクロへキサンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加テトラメチルキシリレンジイソシアネートなどが挙げられる。
多官能芳香族系ジイソシアネート化合物としては、例えば、フェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソソアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、2,2’一ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−トルイジンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートなどが挙げられる。
多官能イソシアネート化合物(B)としては、上記のような各種多官能イソシアネート化合物のトリメチロールプロパンアダクト体、水と反応したビュウレット体、イソシアヌレート環を有する3量体なども挙げられる。また、これらを併用しても良い。
多官能イソシアネート化合物(B)の含有割合は、ポリオール(A)に対して、多官能イソシアネート化合物(B)が、好ましくは5重量%〜60重量%であり、より好ましくは8重量%〜60重量%であり、さらに好ましくは10重量%〜60重量%である。多官能イソシアネート化合物(B)の含有割合を上記範囲内に調整することにより、例えば、帯電防止性により優れ、糊残り防止性やリワーク性にもより優れた、ウレタン系粘着剤を提供することができる。
ポリオール(A)と多官能イソシアネート化合物(B)における、NCO基とOH基の当量比は、NCO基/OH基として、1.0を超えて5.0以下であり、好ましくは1.1〜5.0であり、より好ましくは1.2〜4.0であり、さらに好ましくは1.5〜3.5であり、特に好ましくは1.8〜3.0である。NCO基/OH基の当量比を上記範囲内に調整することにより、例えば、帯電防止性により優れ、糊残り防止性やリワーク性にもより優れた、ウレタン系粘着剤を提供することができる。
ポリウレタン系樹脂は、ポリオール(A)と多官能イソシアネート化合物(B)を含有する組成物を硬化させて得られる。このような組成物中には、本発明の効果を損なわない範囲で、ポリオール(A)および多官能イソシアネート化合物(B)以外の任意の適切なその他の成分を含み得る。このようなその他の成分としては、例えば、触媒、ポリウレタン系樹脂以外の他の樹脂成分、粘着付与剤、無機充填剤、有機充填剤、金属粉、顔料、箔状物、軟化剤、可塑剤、老化防止剤、導電剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、表面潤滑剤、レベリング剤、腐食防止剤、耐熱安定剤、重合禁止剤、滑剤、溶剤などが挙げられる。
ポリウレタン系樹脂は、好ましくは、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤といった劣化防止剤を含む。ポリウレタン系樹脂が劣化防止剤を含むことにより、被着体に貼着した後に加温状態で保存しても被着体に糊残りが生じにくいなど、糊残り防止性に優れるようになり得る。劣化防止剤は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。劣化防止剤として、特に好ましくは、酸化防止剤である。
劣化防止剤の含有割合は、ポリオール(A)に対して、好ましくは0.01重量%〜20重量%であり、より好ましくは0.02重量%〜15重量%であり、さらに好ましくは0.03重量%〜10重量%であり、さらに好ましくは0.05重量%〜7重量%であり、さらに好ましくは0.1重量%〜5重量%であり、特に好ましくは0.1重量%〜3重量%であり、最も好ましくは0.1重量%〜1重量%である。劣化防止剤の含有割合を上記範囲内に調整することによって、被着体に貼着した後に加温状態で保存しても被着体に糊残りがより生じにくいなど、糊残り防止性に一層優れるようになり得る。劣化防止剤の含有割合が少なすぎると、糊残り防止性が十分に発現できなくなるおそれがある。劣化防止剤の含有割合が多すぎると、コスト的に不利になる問題が生じたり、粘着特性が維持できないという問題が生じたり、被着体が汚染されたりするという問題が生じたりするおそれがある。
酸化防止剤としては、例えば、ラジカル連鎖禁止剤、過酸化物分解剤などが挙げられる。
ラジカル連鎖禁止剤としては、例えば、フェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤などが挙げられる。
過酸化物分解剤としては、例えば、硫黄系酸化防止剤、リン系酸化防止剤などが挙げられる。
フェノール系酸化防止剤としては、例えば、モノフェノール系酸化防止剤、ビスフェノール系酸化防止剤、高分子型フェノール系酸化防止剤などが挙げられる。
モノフェノール系酸化防止剤としては、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、ステアリン−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートなどが挙げられる。
ビスフェノール系酸化防止剤としては、例えば、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、3,9−ビス[1,1−ジメチル−2−[β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]エチル]2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカンなどが挙げられる。
高分子型フェノール系酸化防止剤としては、例えば、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ビス[3,3’−ビス−(4’−ヒドロキシ−3’−t−ブチルフェニル)ブチリックアシッド]グリコールエステル、1,3,5−トリス(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンジル)−S−トリアジン−2,4,6−(1H、3H、5H)トリオン、トコフェノールなどが挙げられる。
硫黄系酸化防止剤としては、例えば、ジラウリル3,3’−チオジプロピオネート、ジミリスチル3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル3,3’−チオジプロピオネートなどが挙げられる。
リン系酸化防止剤としては、例えば、トリフェニルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイトなどが挙げられる。
紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、サリチル酸系紫外線吸収剤、シュウ酸アニリド系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤などが挙げられる。
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、例えば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン、ビス(2−メトキシ−4−ヒドロキシ−5−ベンゾイルフェニル)メタンなどが挙げられる。
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、例えば、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4’−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3’−(3’’,4’’,5’’,6’’,−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5’−メチルフェニル]ベンゾトリアゾール、2,2’メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]、[2(2’−ヒドロキシ−5’−メタアクリロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールなどが挙げられる。
サリチル酸系紫外線吸収剤としては、例えば、フェニルサリシレート、p−tert−ブチルフェニルサリシレート、p−オクチルフェニルサリシレートなどが挙げられる。
シアノアクリレート系紫外線吸収剤としては、例えば、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレート、エチル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレートなどが挙げられる。
光安定剤としては、例えば、ヒンダードアミン系光安定剤、紫外線安定剤などが挙げられる。
ヒンダードアミン系光安定剤としては、例えば、[ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート]、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、メチル1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルセバケートなどを挙げることができる。
紫外線安定剤としては、例えば、ニッケルビス(オクチルフェニル)サルファイド、[2,2’−チオビス(4−tert−オクチルフェノラート)]−n−ブチルアミンニッケル、ニッケルコンプレックス−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル−リン酸モノエチレート、ニッケル−ジブチルジチオカーバメート、ベンゾエートタイプのクエンチャー、ニッケル−ジブチルジチオカーバメートなどが挙げられる。
劣化防止剤としては、好ましくは、ヒンダードフェノール構造を有する劣化防止剤である。劣化防止剤としてヒンダードフェノール構造を有する劣化防止剤を含む場合、その含有割合は、ポリオール(A)に対して、好ましくは0.01重量%〜10重量%であり、より好ましくは0.05重量%〜10重量%であり、さらに好ましくは0.1重量%〜10重量%である。ヒンダードフェノール構造を有する劣化防止剤の含有割合を上記範囲内に調整することによって、被着体に貼着した後に加温状態で保存しても被着体に糊残りがより一層生じにくいなど、糊残り防止性により一層優れるようになり得る。ヒンダードフェノール構造を有する劣化防止剤の含有割合が少なすぎると、糊残り防止性が十分に発現できなくなるおそれがある。ヒンダードフェノール構造を有する劣化防止剤の含有割合が多すぎると、コスト的に不利になる問題が生じたり、粘着特性が維持できないという問題が生じたり、被着体が汚染されたりするという問題が生じたりするおそれがある。
ヒンダードフェノール構造を有する劣化防止剤としては、例えば、フェノールのOH基が結合した芳香族環上炭素原子の隣接炭素原子の少なくとも一方に、ターシャリーブチル基などの立体障害の大きな基が結合したヒンダードフェノール構造を有する劣化防止剤であれば、任意の適切な劣化防止剤を採用し得る。このようなヒンダードフェノール構造を有する劣化防止剤という特定の劣化防止剤を用いることによって、従来に比べて、ポリオールの分子量低下を抑制する効果が非常に大きくなると考えられ、このために、糊残り防止性が従来に比べて格段に優れるという効果を発現し得る。
このようなヒンダードフェノール構造を有する劣化防止剤としては、具体的には、例えば、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT);商品名「IRGANOX1010」(BASF製)、商品名「IRGANOX1010FF」(BASF製)、商品名「IRGANOX1035」(BASF製)、商品名「IRGANOX1035FF」(BASF製)、商品名「IRGANOX1076」(BASF製)、商品名「IRGANOX1076FD」(BASF製)、商品名「IRGANOX1076DWJ」(BASF製)、商品名「IRGANOX1098」(BASF製)、商品名「IRGANOX1135」(BASF製)、商品名「IRGANOX1330」(BASF製)、商品名「IRGANOX1726」(BASF製)、商品名「IRGANOX1425WL」(BASF製)、商品名「IRGANOX1520L」(BASF製)、商品名「IRGANOX245」(BASF製)、商品名「IRGANOX245FF」(BASF製)、商品名「IRGANOX259」(BASF製)、商品名「IRGANOX3114」(BASF製)、商品名「IRGANOX565」(BASF製)、商品名「IRGANOX295」(BASF製)などのヒンダードフェノール系酸化防止剤;商品名「TINUVIN P」(BASF製)、商品名「TINUVIN P FL」(BASF製)、商品名「TINUVIN234」(BASF製)、商品名「TINUVIN326」(BASF製)、商品名「TINUVIN326FL」(BASF製)、商品名「TINUVIN328」(BASF製)、商品名「TINUVIN329」(BASF製)、商品名「TINUVIN329FL」(BASF製)などのベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤;商品名「TINUVIN213」(BASF製)、商品名「TINUVIN571」(BASF製)などの液状紫外線吸収剤;商品名「TINUVIN1577ED」(BASF製)などのトリアジン系紫外線吸収剤;商品名「TINUVIN120」(BASF製)などのベンゾエート系紫外線吸収剤;商品名「TINUVIN144」(BASF製)などのヒンダードアミン系光安定剤;などが挙げられる。
ポリウレタン系樹脂は、好ましくは、脂肪酸エステルを含む。ポリウレタン系樹脂が脂肪酸エステルを含むことにより、濡れ速度が向上し得る。脂肪酸エステルは、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
脂肪酸エステルの含有割合は、ポリオール(A)に対して、好ましくは5重量%〜50重量%であり、より好ましくは7重量%40重量%であり、さらに好ましくは8重量%〜35重量%であり、特に好ましくは9重量%〜30重量%であり、最も好ましくは10重量%〜20重量%である。脂肪酸エステルの含有割合を上記範囲内に調整することによって、濡れ速度が一層向上し得る。脂肪酸エステルの含有割合が少なすぎると、濡れ速度が十分に向上できないおそれがある。脂肪酸エステルの含有割合が多すぎると、コスト的に不利になる問題が生じたり、粘着特性が維持できないという問題が生じたり、被着体が汚染されたりするという問題が生じたりするおそれがある。
脂肪酸エステルの数平均分子量Mnは、好ましくは200〜400であり、より好ましくは210〜395であり、さらに好ましくは230〜380であり、特に好ましくは240〜360であり、最も好ましくは270〜340である。脂肪酸エステルの数平均分子量Mnを上記範囲内に調整することによって、濡れ速度がより一層向上し得る。脂肪酸エステルの数平均分子量Mnが小さすぎると、添加部数が多くても濡れ速度が向上しないおそれがある。脂肪酸エステルの数平均分子量Mnが大きすぎると、乾燥時の粘着剤の硬化性が悪化し、濡れ特性に留まらずその他粘着特性に悪影響を及ぼすおそれがある。
脂肪酸エステルとしては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な脂肪酸エステルを採用し得る。このような脂肪酸エステルとしては、例えば、ポリオキシエチレンビスフェノールAラウリン酸エステル、ステアリン酸ブチル、パルミチン酸2-エチルヘキシル、ステアリン酸2-エチルヘキシル、べへニン酸モノグリセライド、2−エチルヘキサン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、イソステアリン酸コレステリル、メタクリル酸ラウリル、ヤシ脂肪酸メチル、ラウリン酸メチル、オレイン酸メチル、ステアリン酸メチル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ペンタエリスリトールモノオレエート、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールテトラパルミテート、ステアリン酸ステアリル、ステアリン酸イソトリデシル、2−エチルヘキサン酸トリグリセライド、ラウリン酸ブチル、オレイン酸オクチルなどが挙げられる。
ポリウレタン系樹脂は、好ましくは、レベリング剤を含む。ポリウレタン系樹脂がレベリング剤を含むことにより、ゆず肌による外観ムラを防止し得る。レベリング剤は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
レベリング剤の含有割合は、ポリオール(A)に対して、好ましくは0.001重量%〜1重量%であり、より好ましくは0.002重量%〜0.5重量%であり、さらに好ましくは0.003重量%〜0.1重量%であり、特に好ましくは0.004重量%〜0.05重量%であり、最も好ましくは0.005重量%〜0.01重量%である。レベリング剤の含有割合を上記範囲内に調整することによって、ゆず肌による外観ムラを一層防止し得る。レベリング剤の含有割合が少なすぎると、ゆず肌による外観ムラを防止できないおそれがある。レベリング剤の含有割合が多すぎると、コスト的に不利になる問題が生じたり、粘着特性が維持できないという問題が生じたり、被着体が汚染されたりするという問題が生じたりするおそれがある。
レベリング剤としては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切なレベリング剤を採用し得る。このようなレベリング剤としては、例えば、アクリル系レベリング剤、フッ素系レベリング剤、シリコン系レベリング剤などが挙げられる。アクリル系レベリング剤としては、ポリフローNo.36、ポリフローNo.56、ポリフローNo.85HF、ポリフローNo.99C(いすれも共栄社化学社製)などが挙げられる。フッ素系レベリング剤としては、メガファックF470N、メガファックF556(いずれもDIC社製)などが挙げられる。シリコン系レベリング剤としては、グランディックPC4100(DIC社製)などが挙げられる。
ポリオール(A)と多官能イソシアネート化合物(B)を含有する組成物を硬化させてポリウレタン系樹脂を得る方法としては、塊状重合や溶液重合などを用いたウレタン化反応方法など、本発明の効果を損なわない範囲で任意の適切な方法を採用し得る。ただし、従来の、いわゆるウレタンプレポリマーを経由させて得られるポリウレタン系樹脂では、本発明の効果が発現し得ないおそれがあるため、ポリオール(A)と多官能イソシアネート化合物(B)を含有する組成物を硬化させてポリウレタン系樹脂を得る方法としては、好ましくは、ウレタンプレポリマーを経由させてポリウレタン系樹脂を得る方法以外の方法である。
ポリオール(A)と多官能イソシアネート化合物(B)を含有する組成物を硬化させるために、好ましくは触媒を用いる。このような触媒としては、例えば、有機金属系化合物、3級アミン化合物などが挙げられる。
有機金属系化合物としては、例えば、鉄系化合物、錫系化合物、チタン系化合物、ジルコニウム系化合物、鉛系化合物、コバルト系化合物、亜鉛系化合物などを挙げることができる。これらの中でも、反応速度と粘着剤層のポットライフの点で、鉄系化合物、錫系化合物が好ましい。
鉄系化合物としては、例えば、鉄アセチルアセトネート、2−エチルヘキサン酸鉄などが挙げられる。
錫系化合物としては、例えば、ジブチル錫ジクロライド、ジブチル錫オキシド、ジブチル錫ジブロマイド、ジブチル錫マレエート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫スルフィド、トリブチル錫メトキシド、トリブチル錫アセテート、トリエチル錫エトキシド、トリブチル錫エトキシド、ジオクチル錫オキシド、ジオクチル錫ジラウレート、トリブチル錫クロライド、トリブチル錫トリクロロアセテート、2−エチルヘキサン酸錫などが挙げられる。
チタン系化合物としては、例えば、ジブチルチタニウムジクロライド、テトラブチルチタネート、ブトキシチタニウムトリクロライドなどが挙げられる。
ジルコニウム系化合物としては、例えば、ナフテン酸ジルコニウム、ジルコニウムアセチルアセトネートなどが挙げられる。
鉛系化合物としては、例えば、オレイン酸鉛、2−エチルヘキサン酸鉛、安息香酸鉛、ナフテン酸鉛などが挙げられる。
コバルト系化合物としては、例えば、2−エチルヘキサン酸コバルト、安息香酸コバルトなどが挙げられる。
亜鉛系化合物としては、例えば、ナフテン酸亜鉛、2−エチルヘキサン酸亜鉛などが挙げられる。
3級アミン化合物としては、例えば、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、1,8−ジアザビシク口−(5,4,0)−ウンデセン−7などが挙げられる。
触媒は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。また、触媒と架橋遅延剤などを併用しても良い。触媒の量は、ポリオール(A)に対して、好ましくは0.02重量%〜0.10重量%であり、より好ましくは0.02重量%〜0.08重量%であり、さらに好ましくは0.02重量%〜0.06重量%であり、特に好ましくは0.02重量%〜0.05重量%である。触媒の量を上記範囲内に調整することにより、例えば、帯電防止性により優れ、糊残り防止性やリワーク性にもより優れた、ウレタン系粘着剤を提供することができる。
粘着剤層中、または、粘着剤層中の粘着剤中には、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切なその他の成分を含み得る。このようなその他の成分としては、例えば、他の樹脂成分、粘着付与剤、無機充填剤、有機充填剤、金属粉、顔料、箔状物、軟化剤、可塑剤、導電剤、表面潤滑剤、腐食防止剤、耐熱安定剤、重合禁止剤、滑剤、溶剤などが挙げられる。
粘着剤層中の粘着剤中には、例えば、前述したようなイオン性液体、イオン伝導ポリマー、イオン伝導フィラー、電気伝導ポリマーから選ばれる少なくとも1種の化合物(A)が含まれていても良い。粘着剤層中の粘着剤中に、前述したようなイオン性液体、イオン伝導ポリマー、イオン伝導フィラー、電気伝導ポリマーから選ばれる少なくとも1種の化合物(A)が含まれていることにより、粘着剤層の表面からセパレーターを剥離する際に生じ得る剥離帯電を効果的に防止し得るという効果をより発現し得るとともに、光学部材や電子部材などの被着体に粘着剤層が貼着された後の摩擦や剥離の際に生じ得る静電気の発生を効果的に防止し得る。
粘着剤層中の粘着剤中の化合物(A)の含有割合は、好ましくは0.0004重量%〜0.8重量%であり、より好ましくは0.001重量%〜0.6重量%であり、さらに好ましくは0.002重量%〜0.4重量%であり、特に好ましくは0.004重量%〜0.2重量%である。粘着剤層中の粘着剤中の化合物(A)の含有割合を上記範囲内に調整することにより、粘着剤層の表面からセパレーターを剥離する際に生じ得る剥離帯電を効果的に防止し得るという効果をより一層発現し得るとともに、光学部材や電子部材などの被着体に粘着剤層が貼着された後の摩擦や剥離の際に生じ得る静電気の発生をより効果的に防止し得る。
粘着剤層中の粘着剤中には、変性シリコーンオイルが含まれていても良い。粘着剤層中の粘着剤中に変性シリコーンオイルが含まれることにより、本発明の効果をより一層効果的に発現し得る。
粘着剤層中の粘着剤中に変性シリコーンオイルが含まれる場合、その含有割合は、粘着剤層中の粘着剤100重量部に対して、好ましくは0.001重量部〜50重量部であり、より好ましくは0.01重量部〜40重量部であり、さらに好ましくは0.01重量部〜30重量部であり、特に好ましくは0.01重量部〜20重量部であり、最も好ましくは0.01重量部〜10重量部である。変性シリコーンオイルの含有割合を上記範囲内に調整することにより、本発明の効果をより一層効果的に発現し得る。
変性シリコーンオイルとしては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な変性シリコーンオイルを採用し得る。このような変性シリコーンオイルとしては、例えば、信越化学工業(株)から入手可能な変性シリコーンオイルが挙げられる。
変性シリコーンオイルとしては、好ましくは、ポリエーテル変性シリコーンオイルである。ポリエーテル変性シリコーンオイルを採用することにより、本発明の効果をより一層効果的に発現し得る。
ポリエーテル変性シリコーンオイルとしては、側鎖型のポリエーテル変性シリコーンオイル、両末端型のポリエーテル変性シリコーンオイルなどが挙げられる。これらの中でも、本発明の効果を十分に一層効果的に発現し得る点で、両末端型のポリエーテル変性シリコーンオイルが好ましい。
粘着剤層は、任意の適切な製造方法によって製造し得る。このような製造方法としては、例えば、粘着剤層の形成材料である組成物を基材層上に塗布し、基材層上において粘着剤層を形成する方法が挙げられる。このような塗布の方法としては、例えば、ロールコート、グラビアコート、リバースコート、ロールブラッシュ、スプレーコート、エアーナイフコート法、ダイコーターなどによる押出しコートなどが挙げられる。
粘着剤層は、透明性が高いことが好ましい。粘着剤層の透明性が高いことにより、光学部材や電子部材の表面に貼着した状態で正確に検査などを行うことが可能となる。粘着剤層は、ヘイズが、好ましくは5%以下であり、より好ましくは4%以下であり、さらに好ましくは3%以下であり、特に好ましくは2%以下であり、最も好ましくは1%以下である。
なお、上記ヘイズの測定は、ヘイズメーターHM−150(株式会社村上色彩技術研究所製)を使用し、JIS−K−7136に準拠し、ヘイズ(%)=(Td/Tt)×100(Td:拡散透過率、Tt:全光線透過率)により算出できる。
<A−2.第2段階>
本発明の表面保護フィルムの製造方法においては、次に、粘着剤層の基材層と反対側の表面に、イオン性液体、イオン伝導ポリマー、イオン伝導フィラー、電気伝導ポリマーから選ばれる少なくとも1種の化合物(A)を含むセパレーターを貼り合わせる。
セパレーターを貼り合わせる方法としては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な貼り合わせ方法を採用し得る。
セパレーターは、単層からなるものであっても良いし、複数層からなるものであっても良い。
セパレーターの厚みは、用途に応じて、任意の適切な厚みに設定し得る。本発明の効果を十分に発現するための観点から、好ましくは20μm〜100μmであり、より好ましくは25μm〜90μmであり、さらに好ましくは30μm〜80μmであり、特に好ましくは35μm〜70μmである。
セパレーターの材料としては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な材料を採用し得る。このような材料としては、例えば、プラスチック、紙、金属フィルム、不織布などが挙げられる。このような材料の中でも、好ましくは、プラスチックである。セパレータ―は、1種の材料から構成されていても良いし、2種以上の材料から構成されていても良い。例えば、2種以上のプラスチックから構成されていても良い。
図2は、第2段階において得られる積層体の概略断面図である。積層体100は、基材層1と粘着剤層2とセパレーター3をこの順に備える。第2段階において得られる積層体は、必要に応じて、任意の適切な他の層をさらに有していてもよい(図示せず)。
本発明の表面保護フィルムの製造方法においては、セパレーターが、イオン性液体、イオン伝導ポリマー、イオン伝導フィラー、電気伝導ポリマーから選ばれる少なくとも1種の化合物(A)を含む。
セパレーターが、イオン性液体、イオン伝導ポリマー、イオン伝導フィラー、電気伝導ポリマーから選ばれる少なくとも1種の化合物(A)を含むことにより、該化合物(A)によりもたらされる効果がセパレーターにおいて発現されるのみならず、該セパレーターに隣接する粘着剤層においても発現され、これにより、粘着剤層の表面からセパレーターを剥離する際に生じ得る剥離帯電を効果的に防止し得るという効果を発現し得る。さらに、上述のように、化合物(A)によりもたらされる効果が粘着剤層においても発現されるので、光学部材や電子部材などの被着体に粘着剤層が貼着された後の摩擦や剥離の際に生じ得る静電気の発生を効果的に防止し得る。
セパレーター中の化合物(A)の含有割合は、好ましくは0.001重量%〜2.0重量%であり、より好ましくは0.0025重量%〜1.5重量%であり、さらに好ましくは0.005重量%〜1.0重量%であり、特に好ましくは0.01重量%〜0.5重量%である。セパレーター中の化合物(A)の含有割合を上記範囲内に調整することにより、帯電防止性に非常により優れた表面保護フィルムを提供することができる。セパレーター中の化合物(A)の含有割合が0.001重量%未満の場合、得られる表面保護フィルムの帯電防止性が劣るおそれがある。セパレーター中の化合物(A)の含有割合が2.0重量%を超えると、粘着剤が貼りつけられる被着体面が極度に汚染されるおそれがある。
イオン性液体としては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切なイオン性液体を採用し得る。ここで、本発明において、イオン性液体とは、25℃で液状を呈する溶融塩(イオン性化合物)を意味する。イオン性液体は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
このようなイオン性液体としては、好ましくは、フルオロ有機アニオンとオニウムカチオンから構成されるイオン性液体である。イオン性液体として、フルオロ有機アニオンとオニウムカチオンから構成されるイオン性液体を採用することにより、帯電防止性に極めて優れた表面保護フィルムを製造することができる。
イオン性液体を構成し得るオニウムカチオンとしては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切なオニウムカチオンを採用し得る。このようなオニウムカチオンとしては、好ましくは、窒素含有オニウムカチオン、硫黄含有オニウムカチオン、リン含有オニウムカチオンから選ばれる少なくとも1種である。これらのオニウムカチオンを選択することにより、帯電防止性に極めて優れた表面保護フィルムを製造することができる。
イオン性液体を構成し得るオニウムカチオンとしては、好ましくは、一般式(1)〜(5)で表される構造を有するカチオンから選ばれる少なくとも1種である。
Figure 2015218297
一般式(1)において、Raは、炭素数4から20の炭化水素基を表し、ヘテロ原子を含んでいても良く、RbおよびRcは、同一または異なって、水素または炭素数1から16の炭化水素基を表し、ヘテロ原子を含んでいても良い。ただし、窒素原子が2重結合を含む場合、Rcはない。
一般式(2)において、Rdは、炭素数2から20の炭化水素基を表し、ヘテロ原子を含んでいても良く、Re、Rf、およびRgは、同一または異なって、水素または炭素数1から16の炭化水素基を表し、ヘテロ原子を含んでいても良い。
一般式(3)において、Rhは、炭素数2から20の炭化水素基を表し、ヘテロ原子を含んでいても良く、Ri、Rj、およびRkは、同一または異なって、水素または炭素数1から16の炭化水素基を表し、ヘテロ原子を含んでいても良い。
一般式(4)において、Zは、窒素原子、硫黄原子、またはリン原子を表し、Rl、Rm、Rn、およびRoは、同一または異なって、炭素数1から20の炭化水素基を表し、ヘテロ原子を含んでいても良い。ただしZが硫黄原子の場合、Roはない。
一般式(5)において、Xは、Li原子、Na原子、またはK原子を表す。
一般式(1)で表されるカチオンとしては、例えば、ピリジニウムカチオン、ピロリジニウムカチオン、ピペリジニウムカチオン、ピロリン骨格を有するカチオン、ピロール骨格を有するカチオンなどが挙げられる。
一般式(1)で表されるカチオンの具体例としては、例えば、1−エチルピリジニウムカチオン、1−ブチルピリジニウムカチオン、1−へキシルピリジニウムカチオン、1−エチル−3−メチルピリジニウムカチオン、1−ブチル−3−メチルピリジニウムカチオン、1−へキシル−3−メチルピリジニウムカチオン、1−ブチル−4−メチルピリジニウムカチオン、1−オクチル−4−メチルピリジニウムカチオン、1−ブチル−3,4−ジメチルピリジニウムカチオン、1,1−ジメチルピロリジニウムカチオン等のピリジニウムカチオン;1−エチル−1−メチルピロリジニウムカチオン、1−メチル−1−プロピルピロリジニウムカチオン、1−メチル−1−ブチルピロリジニウムカチオン、1−メチル−1−ペンチルピロリジニウムカチオン、1−メチル−1−へキシルピロリジニウムカチオン、1−メチル−1−ヘプチルピロリジニウムカチオン、1−エチル−1−プロピルピロリジニウムカチオン、1−エチル−1−ブチルピロリジニウムカチオン、1−エチル−1−ペンチルピロリジニウムカチオン、1−エチル−1−へキシルピロリジニウムカチオン、1−エチル−1−へプチルピロリジニウムカチオン、1,1−ジプロピルピロリジニウムカチオン、1−プロピル−1−ブチルピロリジニウムカチオン、1,1−ジブチルピロリジニウムカチオン等のピロリジニウムカチオン;1−プロピルピペリジニウムカチオン、1−ペンチルピペリジニウムカチオン、1−メチル−1−エチルピペリジニウムカチオン、1−メチル−1−プロピルピペリジニウムカチオン、1−メチル−1−ブチルピペリジニウムカチオン、1−メチル−1−ペンチルピペリジニウムカチオン、1−メチル−1−ヘキシルピペリジニウムカチオン、1−メチル−1−へプチルピペリジニウムカチオン、1−エチル−1−プロピルピペリジニウムカチオン、1−エチル−1−ブチルピペリジニウムカチオン、1−エチル−1−ペンチルピペリジニウムカチオン、1−エチル−1−ヘキシルピペリジニウムカチオン、1−エチル−1−へプチルピペリジニウムカチオン、1−プロピル−1−ブチルピペリジニウムカチオン、1,1−ジメチルピペリジニウムカチオン、1,1−ジプロピルピペリジニウムカチオン、1,1−ジブチルピペリジニウムカチオン等のピペリジニウムカチオン;2−メチル−1−ピロリンカチオン;1−エチル−2−フェニルインドールカチオン;1,2−ジメチルインドールカチオン;1−エチルカルバゾールカチオン;などが挙げられる。
これらの中でも、本発明の効果がより一層発現し得る点で、好ましくは、1−エチルピリジニウムカチオン、1−ブチルピリジニウムカチオン、1−へキシルピリジニウムカチオン、1−エチル−3−メチルピリジニウムカチオン、1−ブチル−3−メチルピリジニウムカチオン、1−へキシル−3−メチルピリジニウムカチオン、1−ブチル−4−メチルピリジニウムカチオン、1−オクチル−4−メチルピリジニウムカチオン等のピリジニウムカチオン;1−エチル−1−メチルピロリジニウムカチオン、1−メチル−1−プロピルピロリジニウムカチオン、1−メチル−1−ブチルピロリジニウムカチオン、1−メチル−1−ペンチルピロリジニウムカチオン、1−メチル−1−へキシルピロリジニウムカチオン、1−メチル−1−ヘプチルピロリジニウムカチオン、1−エチル−1−プロピルピロリジニウムカチオン、1−エチル−1−ブチルピロリジニウムカチオン、1−エチル−1−ペンチルピロリジニウムカチオン、1−エチル−1−へキシルピロリジニウムカチオン、1−エチル−1−へプチルピロリジニウムカチオン等のピロリジニウムカチオン;1−メチル−1−エチルピペリジニウムカチオン、1−メチル−1−プロピルピペリジニウムカチオン、1−メチル−1−ブチルピペリジニウムカチオン、1−メチル−1−ペンチルピペリジニウムカチオン、1−メチル−1−ヘキシルピペリジニウムカチオン、1−メチル−1−へプチルピペリジニウムカチオン、1−エチル−1−プロピルピペリジニウムカチオン、1−エチル−1−ブチルピペリジニウムカチオン、1−エチル−1−ペンチルピペリジニウムカチオン、1−エチル−1−ヘキシルピペリジニウムカチオン、1−エチル−1−へプチルピペリジニウムカチオン、1−プロピル−1−ブチルピペリジニウムカチオン等のピペリジニウムカチオン;などが挙げられ、より好ましくは、1−へキシルピリジニウムカチオン、1−エチル−3−メチルピリジニウムカチオン、1−ブチル−3−メチルピリジニウムカチオン、1−オクチル−4−メチルピリジニウムカチオン、1−メチル−1−プロピルピロリジニウムカチオン、1−メチル−1−プロピルピペリジニウムカチオンである。
一般式(2)で表されるカチオンとしては、例えば、イミダゾリウムカチオン、テトラヒドロピリミジニウムカチオン、ジヒドロピリミジニウムカチオンなどが挙げられる。
一般式(2)で表されるカチオンの具体例としては、例えば、1,3−ジメチルイミダゾリウムカチオン、1,3−ジエチルイミダゾリウムカチオン、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−へキシル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−オクチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−デシル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−ドデシル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−テトラデシル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1,2−ジメチル−3−プロピルイミダゾリウムカチオン、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムカチオン、1−ブチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムカチオン、1−へキシル−2,3−ジメチルイミダゾリウムカチオン等のイミダゾリウムカチオン;1,3−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウムカチオン、1,2,3−トリメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウムカチオン、1,2,3,4−テトラメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウムカチオン、1,2,3,5−テトラメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウムカチオン等のテトラヒドロピリミジニウムカチオン;1,3−ジメチル−1,4−ジヒドロピリミジニウムカチオン、1,3−ジメチル−1,6−ジヒドロピリミジニウムカチオン、1,2,3−トリメチル−1,4−ジヒドロピリミジニウムカチオン、1,2,3−トリメチル−1,6−ジヒドロピリミジニウムカチオン、1,2,3,4−テトラメチル−1,4−ジヒドロピリミジニウムカチオン、1,2,3,4−テトラメチル−1,6−ジヒドロピリミジニウムカチオンなどのジヒドロピリミジニウムカチオン;などが挙げられる。
これらの中でも、本発明の効果がより一層発現し得る点で、好ましくは、1,3−ジメチルイミダゾリウムカチオン、1,3−ジエチルイミダゾリウムカチオン、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−へキシル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−オクチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−デシル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−ドデシル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−テトラデシル−3−メチルイミダゾリウムカチオン等のイミダゾリウムカチオンであり、より好ましくは、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−へキシル−3−メチルイミダゾリウムカチオンである。
一般式(3)で表されるカチオンとしては、例えば、ピラゾリウムカチオン、ピラゾリニウムカチオンなどが挙げられる。
一般式(3)で表されるカチオンの具体例としては、例えば、1−メチルピラゾリウムカチオン、3−メチルピラゾリウムカチオン、1−エチル−2−メチルピラゾリニウムカチオン、1−エチル−2,3,5−トリメチルピラゾリウムカチオン、1−プロピル−2,3,5−トリメチルピラゾリウムカチオン、1−ブチル−2,3,5−トリメチルピラゾリウムカチオン等のピラゾリウムカチオン;1−エチル−2,3,5−トリメチルピラゾリニウムカチオン、1−プロピル−2,3,5−トリメチルピラゾリニウムカチオン、1−ブチル−2,3,5−トリメチルピラゾリニウムカチオン等のピラゾリニウムカチオン;などが挙げられる。
一般式(4)で表されるカチオンとしては、例えば、テトラアルキルアンモニウムカチオン、トリアルキルスルホニウムカチオン、テトラアルキルホスホニウムカチオンや、上記アルキル基の一部がアルケニル基やアルコキシル基、さらにはエポキシ基に置換されたものなどが挙げられる。
一般式(4)で表されるカチオンの具体例としては、例えば、テトラメチルアンモニウムカチオン、テトラエチルアンモニウムカチオン、テトラブチルアンモニウムカチオン、テトラペンチルアンモニウムカチオン、テトラヘキシルアンモニウムカチオン、テトラヘプチルアンモニウムカチオン、トリエチルメチルアンモニウムカチオン、トリブチルエチルアンモニウムカチオン、トリメチルプロピルアンモニウムカチオン、トリメチルデシルアンモニウムカチオン、N,N−ジエチル−N−メチル−N−(2−メトキシエチル)アンモニウムカチオン、グリシジルトリメチルアンモニウムカチオン、トリメチルスルホニウムカチオン、トリエチルスルホニウムカチオン、トリブチルスルホニウムカチオン、トリヘキシルスルホニウムカチオン、ジエチルメチルスルホニウムカチオン、ジブチルエチルスルホニウムカチオン、ジメチルデシルスルホニウムカチオン、テトラメチルホスホニウムカチオン、テトラエチルホスホニウムカチオン、テトラブチルホスホニウムカチオン、テトラヘキシルホスホニウムカチオン、テトラオクチルホスホニウムカチオン、トリエチルメチルホスホニウムカチオン、トリブチルエチルホスホニウムカチオン、トリメチルデシルホスホニウムカチオン、ジアリルジメチルアンモニウムカチオンなどが挙げられる。
これらの中でも、本発明の効果がより一層発現し得る点で、好ましくは、トリエチルメチルアンモニウムカチオン、トリブチルエチルアンモニウムカチオン、トリメチルデシルアンモニウムカチオン、ジエチルメチルスルホニウムカチオン、ジブチルエチルスルホニウムカチオン、ジメチルデシルスルホニウムカチオン、トリエチルメチルホスホニウムカチオン、トリブチルエチルホスホニウムカチオン、トリメチルデシルホスホニウムカチオンなどの非対称のテトラアルキルアンモニウムカチオン、トリアルキルスルホニウムカチオン、テトラアルキルホスホニウムカチオンや、N,N−ジエチル−N−メチル−N−(2−メトキシエチル)アンモニウムカチオン、グリシジルトリメチルアンモニウムカチオン、ジアリルジメチルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N−エチル−N−プロピルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N−エチル−N−ブチルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N−エチル−N−ペンチルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N−エチル−N−ヘキシルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N−エチル−N−ヘプチルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N−エチル−N−ノニルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N,N−ジプロピルアンモニウムカチオン、N,N−ジエチル−N−プロピル−N−ブチルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N−プロピル−N−ペンチルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N−プロピル−N−ヘキシルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N−プロピル−N−ヘプチルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N−ブチル−N−ヘキシルアンモニウムカチオン、N,N−ジエチル−N−ブチル−N−ヘプチルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N−ペンチル−N−ヘキシルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N,N−ジヘキシルアンモニウムカチオン、トリメチルヘプチルアンモニウムカチオン、N,N−ジエチル−N−メチル−N−プロピルアンモニウムカチオン、N,N−ジエチル−N−メチル−N−ペンチルアンモニウムカチオン、N,N−ジエチル−N−メチル−N−ヘプチルアンモニウムカチオン、N,N−ジエチル−N−プロピル−N−ペンチルアンモニウムカチオン、トリエチルプロピルアンモニウムカチオン、トリエチルペンチルアンモニウムカチオン、トリエチルヘプチルアンモニウムカチオン、N,N−ジプロピル−N−メチル−N−エチルアンモニウムカチオン、N,N−ジプロピル−N−メチル−N−ペンチルアンモニウムカチオン、N,N−ジプロピル−N−ブチル−N−ヘキシルアンモニウムカチオン、N,N−ジプロピル−N,N−ジヘキシルアンモニウムカチオン、N,N−ジブチル−N−メチル−N−ペンチルアンモニウムカチオン、N,N−ジブチル−N−メチル−N−ヘキシルアンモニウムカチオン、トリオクチルメチルアンモニウムカチオン、N−メチル−N−エチル−N−プロピル−N−ペンチルアンモニウムカチオンなどが挙げられ、より好ましくは、トリメチルプロピルアンモニウムカチオンである。
イオン性液体を構成し得るフルオロ有機アニオンとしては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切なフルオロ有機アニオンを採用し得る。このようなフルオロ有機アニオンは、完全にフッ素化(パーフルオロ化)されていても良いし、部分的にフッ素化されていても良い。
このようなフルオロ有機アニオンとしては、例えば、フッ素化されたアリールスルホネート、パーフルオロアルカンスルホネート、ビス(フルオロスルホニル)イミド、ビス(パーフルオロアルカンスルホニル)イミド、シアノパーフルオロアルカンスルホニルアミド、ビス(シアノ)パーフルオロアルカンスルホニルメチド、シアノ−ビス−(パーフルオロアルカンスルホニル)メチド、トリス(パーフルオロアルカンスルホニル)メチド、トリフルオロアセテート、パーフルオロアルキレート、トリス(パーフルオロアルカンスルホニル)メチド、(パーフルオロアルカンスルホニル)トリフルオロアセトアミドなどが挙げられる。
これらのフルオロ有機アニオンの中でも、より好ましくは、パーフルオロアルキルスルホネート、ビス(フルオロスルホニル)イミド、ビス(パーフルオロアルカンスルホニル)イミドであり、より具体的には、例えば、トリフルオロメタンスルホネート、ペンタフルオロエタンスルホネート、ヘプタフルオロプロパンスルホネート、ノナフルオロブタンスルホネート、ビス(フルオロスルホニル)イミド、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドである。
イオン性液体の具体例としては、上記カチオン成分と上記アニオン成分の組み合わせから適宜選択して用いられ得る。このようなイオン性液体の具体例としては、例えば、1−ヘキシルピリジニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、1−エチル−3−メチルピリジニウムトリフルオロメタンスルホネート、1−エチル−3−メチルピリジニウムペンタフルオロエタンスルホネート、1−エチル−3−メチルピリジニウムヘプタフルオロプロパンスルホネート、1−エチル−3−メチルピリジニウムノナフルオロブタンスルホネート、1−ブチル−3−メチルピリジニウムトリフルオロメタンスルホネート、1−ブチル−3−メチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−ブチル−3−メチルピリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−オクチル−4−メチルピリジニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、1,1−ジメチルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−エチルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−プロピルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−プロピルピロリジニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、1−メチル−1−ブチルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−ペンチルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−へキシルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−へプチルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−プロピルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−ブチルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−ペンチルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−へキシルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−へプチルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1,1−ジプロピルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−プロピル−1−ブチルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1,1−ジブチルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−プロピルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−ペンチルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1,1−ジメチルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−エチルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−プロピルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−プロピルピペリジニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、1−メチル−1−ブチルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−ペンチルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−へキシルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−へプチルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−プロピルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−ブチルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−ペンチルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−へキシルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−へプチルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1,1−ジプロピルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−プロピル−1−ブチルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1,1−ジブチルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1,1−ジメチルピロリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド,1−メチル−1−エチルピロリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−プロピルピロリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−ブチルピロリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−ペンチルピロリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−へキシルピロリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−へプチルピロリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−プロピルピロリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−ブチルピロリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−ペンチルピロリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−へキシルピロリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−へプチルピロリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1,1−ジプロピルピロリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−プロピル−1−ブチルピロリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1,1−ジブチルピロリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−プロピルピペリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−ペンチルピペリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1,1−ジメチルピペリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−エチルピペリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−プロピルピペリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−ブチルピペリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−ペンチルピペリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−へキシルピペリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−へプチルピペリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−プロピルピペリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−ブチルピペリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−ペンチルピペリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−へキシルピペリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−へプチルピペリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1,1−ジプロピルピペリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド,1−プロピル−1−ブチルピペリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1,1−ジブチルピペリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムトリフルオロアセテート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムヘプタフルオロブチレート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホネート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムヘプタフルオロプロパンスルホネート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムノナフルオロブタンスルホネート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(フルオロスルホニル)イミド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムトリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチド、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムトリフルオロアセテート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヘプタフルオロブチレート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホネート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムパーフルオロブタンスルホネート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−へキシル−3−メチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホネート、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムビス(フルオロスルホニル)イミド、1,2−ジメチル−3−プロピルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−エチル−2,3,5−トリメチルピラゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−プロピル−2,3,5−トリメチルピラゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−ブチル−2,3,5−トリメチルピラゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−エチル−2,3,5−トリメチルピラゾリウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−プロピル−2,3,5−トリメチルピラゾリウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−ブチル−2,3,5−トリメチルピラゾリウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−エチル−2,3,5−トリメチルピラゾリウム(トリフルオロメタンスルホニル)トリフルオロアセトアミド、1−プロピル−2,3,5−トリメチルピラゾリウム(トリフルオロメタンスルホニル)トリフルオロアセトアミド、1−ブチル−2,3,5−トリメチルピラゾリウム(トリフルオロメタンスルホニル)トリフルオロアセトアミド、トリメチルプロピルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−エチル−N−プロピルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−エチル−N−ブチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−エチル−N−ペンチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−エチル−N−ヘキシルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−エチル−N−ヘプチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−エチル−N−ノニルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N,N−ジプロピルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−プロピル−N−ブチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−プロピル−N−ペンチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−プロピル−N−ヘキシルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−プロピル−N−ヘプチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−ブチル−N−ヘキシルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−ブチル−N−ヘプチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−ペンチル−N−ヘキシルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N,N−ジヘキシルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、トリメチルヘプチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジエチル−N−メチル−N−プロピルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジエチル−N−メチル−N−ペンチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジエチル−N−メチル−N,N−ヘプチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジエチル−N−プロピル−N−ペンチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、トリエチルプロピルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、トリエチル
ペンチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、トリエチルヘプチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジプロピル−N−メチル−N−エチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジプロピル−N−メチル−N−ペンチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジプロピル−N−ブチル−N−ヘキシルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジプロピルーN,N−ジヘキシルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジブチル−N−メチル−N−ペンチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジブチル−N−メチル−N−へキシルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、トリオクチルメチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N−メチル−N−エチル−N−プロピル−N−ペンチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−ブチルピリジニウム(トリフルオロメタンスルホニル)トリフルオロアセトアミド、1−ブチル−3−メチルピリジニウム(トリフルオロメタンスルホニル)トリフルオロアセトアミド,1−エチル−3−メチルイミダゾリウム(トリフルオロメタンスルホニル)トリフルオロアセトアミド、テトラヘキシルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、ジアリルジメチルアンモニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジアリルジメチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、ジアリルジメチルアンモニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、N,N−ジエチル−N−メチル−N−(2−メトキシエチル)アンモニウムトリフルオロメタンスルホネート、N,N−ジエチル−N−メチル−N−(2−メトキシエチル)アンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジエチル−N−メチル−N−(2−メトキシエチル)アンモニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、グリシジルトリメチルアンモニウムトリフルオロメタンスルホネート、グリシジルトリメチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、グリシジルトリメチルアンモニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、ジアリルジメチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、ジアリルジメチルビス(ペンタフルオロエタンタンスルホニル)イミド、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミドなどが挙げられる。
これらのイオン性液体の中でも、より好ましくは、1−ヘキシルピリジニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、1−エチル−3−メチルピリジニウムトリフルオロメタンスルホネート、1−エチル−3−メチルピリジニウムペンタフルオロエタンスルホネート、1−エチル−3−メチルピリジニウムヘプタフルオロプロパンスルホネート、1−エチル−3−メチルピリジニウムノナフルオロブタンスルホネート、1−ブチル−3−メチルピリジニウムトリフルオロメタンスルホネート、1−ブチル−3−メチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−オクチル−4−メチルピリジニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、1−メチル−1−プロピルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−プロピルピロリジニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、1−メチル−1−プロピルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−プロピルピペリジニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホネート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムヘプタフルオロプロパンスルホネート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(フルオロスルホニル)イミド、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムビス(フルオロスルホニル)イミド、トリメチルプロピルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミドである。
イオン性液体は、市販のものを使用してもよいが、下記のようにして合成することも可能である。イオン性液体の合成方法としては、目的とするイオン性液体が得られれば特に限定されないが、一般的には、文献「イオン性液体−開発の最前線と未来−」((株)シーエムシー出版発行)に記載されているような、ハロゲン化物法、水酸化物法、酸エステル法、錯形成法、および中和法などが用いられる。
下記にハロゲン化物法、水酸化物法、酸エステル法、錯形成法、および中和法について、窒素含有オニウム塩を例にその合成方法について示すが、その他の硫黄含有オニウム塩、リン含有オニウム塩など、その他のイオン性液体についても同様の手法により得ることができる。
ハロゲン化物法は、反応式(1)〜(3)に示すような反応によって行われる方法である。まず3級アミンとハロゲン化アルキルと反応させてハロゲン化物を得る(反応式(1)、ハロゲンとしては塩素、臭素、ヨウ素が用いられる)。
得られたハロゲン化物を目的とするイオン性液体のアニオン構造(A)を有する酸(HA)あるいは塩(MA、Mはアンモニウム、リチウム、ナトリウム、カリウムなど目的とするアニオンと塩を形成するカチオン)と反応させて目的とするイオン性液体(RNA)が得られる。
Figure 2015218297
水酸化物法は、反応式(4)〜(8)に示すような反応によって行われる方法である。まずハロゲン化物(RNX)をイオン交換膜法電解(反応式(4))、OH型イオン交換樹脂法(反応式(5))または酸化銀(AgO)との反応(反応式(6))で水酸化物(RNOH)を得る(ハロゲンとしては塩素、臭素、ヨウ素が用いられる)。
得られた水酸化物について上記ハロゲン化法と同様に反応式(7)〜(8)の反応を用いることにより、目的とするイオン性液体(RNA)が得られる。
Figure 2015218297
酸エステル法は、反応式(9)〜(11)に示すような反応によって行われる方法である。まず3級アミン(RN)を酸エステルと反応させて酸エステル物を得る(反応式(9)、酸エステルとしては、硫酸、亜硫酸、リン酸、亜リン酸、炭酸などの無機酸のエステルやメタンスルホン酸、メチルホスホン酸、ギ酸などの有機酸のエステルなどが用いられる)。
得られた酸エステル物について上記ハロゲン化法と同様に反応式(10)〜(11)の反応を用いることにより、目的とするイオン性液体(RNA)が得られる。また、酸エステルとしてメチルトリフルオロメタンスルホネート、メチルトリフルオロアセテートなどを用いることにより、直接イオン性液体を得ることもできる。
Figure 2015218297
中和法は、反応式(12)に示すような反応によって行われる方法である。3級アミンとCFCOOH,CFSOH,(CFSONH、(CFSOCH、(CSONHなどの有機酸とを反応させることにより得ることができる。
Figure 2015218297
上記の反応式(1)〜(12)に記載のRは、水素または炭素数1から20の炭化水素基を表し、ヘテロ原子を含んでいても良い。
イオン伝導ポリマーとしては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切なイオン伝導ポリマーを採用し得る。このようなイオン伝導ポリマーとしては、例えば、4級アンモニウム塩基)を有するモノマーを重合もしくは共重合して得られたイオン導電性重合体;ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリピロール、ポリエチレンイミン、アリルアミン系重合体等の導電性ポリマー;などが挙げられる。イオン伝導ポリマーは、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
イオン伝導フィラーとしては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切なイオン伝導フィラーを採用し得る。このようなイオン伝導フィラーとしては、例えば、酸化錫、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化カドミウム、酸化チタン、酸化亜鉛、インジウム、錫、アンチモン、金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル、クロム、チタン、鉄、コバルト、ヨウ化銅、ITO(酸化インジウム/酸化錫)、ATO(酸化アンチモン/酸化錫)などが挙げられる。イオン伝導フィラーは、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
電気伝導ポリマーとしては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な電気伝導ポリマーを採用し得る。このような電気伝導ポリマーとしては、例えば、(3,4−エチレンジオキシチオフェン)−ポリ(スチレンスルホン酸)などが挙げられる。
セパレーターは、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な添加剤を含有していても良い。
<A−3.第3段階>
本発明の表面保護フィルムの製造方法においては、続いて、セパレーターを剥離する。
本発明の表面保護フィルムの製造方法においては、粘着剤層の基材層と反対側の表面にセパレーターを貼り合わせてから剥離するまでの時間が、好ましくは6時間〜2年であり、より好ましくは12時間〜1年であり、さらに好ましくは1日〜6か月であり、特に好ましくは2日〜1か月であり、最も好ましくは3日〜2週間である。粘着剤層の基材層と反対側の表面にセパレーターを貼り合わせてから剥離するまでの時間が上記範囲内に調整されることにより、化合物(A)によりもたらされる効果がセパレーターにおいて発現されるのみならず、該セパレーターに隣接する粘着剤層においても発現され、これにより、粘着剤層の表面からセパレーターを剥離する際に生じ得る剥離帯電を効果的に防止し得るという効果を発現し得る。さらに、上述のように、化合物(A)によりもたらされる効果が粘着剤層においても発現されるので、光学部材や電子部材などの被着体に粘着剤層が貼着された後の摩擦や剥離の際に生じ得る静電気の発生を効果的に防止し得る。
セパレーターを剥離することによって、基材層と粘着剤層をこの順に備える表面保護フィルムであって、帯電防止性に非常に優れた表面保護フィルムが得られる。
≪B.表面保護フィルム≫
本発明の表面保護フィルムは、本発明の製造方法によって製造される。
図1は、本発明の好ましい実施形態による表面保護フィルムの概略断面図である。表面保護フィルム10は、基材層1と粘着剤層2をこの順に備える。本発明の表面保護フィルムは、必要に応じて、任意の適切な他の層をさらに有していてもよい(図示せず)。
基材層1の粘着剤層2を付設しない面に対しては、巻戻しが容易な巻回体の形成などを目的として、例えば、基材層に、脂肪酸アミド、ポリエチレンイミン、長鎖アルキル系添加剤等を添加して離型処理を行ったり、シリコーン系、長鎖アルキル系、フッ素系などの任意の適切な剥離剤からなるコート層を設けたりすることができる。
本発明の表面保護フィルムの厚みは、用途に応じて、任意の適切な厚みに設定し得る。本発明の効果を十分に発現するための観点から、好ましくは60μm〜200μmであり、より好ましくは70μm〜160μmであり、さらに好ましくは80μm〜140μmであり、特に好ましくは90μm〜120μmである。
本発明の表面保護フィルムは、透明性が高いことが好ましい。本発明の表面保護フィルムの透明性が高いことにより、光学部材や電子部材の表面に貼着した状態で正確に検査などを行うことが可能となる。本発明の表面保護フィルムは、ヘイズが、好ましくは5%以下であり、より好ましくは4%以下であり、さらに好ましくは3%以下であり、特に好ましくは2%以下であり、最も好ましくは1%以下である。
なお、上記ヘイズの測定は、ヘイズメーターHM−150(株式会社村上色彩技術研究所製)を使用し、JIS−K−7136に準拠し、ヘイズ(%)=(Td/Tt)×100(Td:拡散透過率、Tt:全光線透過率)により算出できる。
≪C.用途≫
本発明の表面保護フィルムは、帯電防止性に非常に優れるので、光学部材や電子部材の表面保護に好適に用いることができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例になんら限定されるものではない。なお、実施例等における、試験および評価方法は以下のとおりである。なお、「部」と記載されている場合は、特記事項がない限り「重量部」を意味し、「%」と記載されている場合は、特記事項がない限り「重量%」を意味する。
<剥離帯電圧の測定>
幅70mm、長さ130mmの表面保護フィルムを、予め除電しておいた未処理ガラス(松浪硝子製、1.35mm×10cm×10cm)に対して2kgローラーで1往復圧着した。このとき、表面保護フィルムは、ガラスから30mm分はみだした状態になっていた。23℃×50%RHの環境下で1日放置した後、ガラスから30mmはみだした片方の端部を自動巻き取り機に固定し、剥離角度150度、剥離速度10m/minとなるようにして剥離した。そして、表面保護フィルムから3cm離れた位置に固定した電位測定機(春日電機社製、KSD−0103)にて、剥離帯電圧を測定した。この測定は、23℃×50%RHの環境下にて行った。
〔実施例1〕
<アクリル系粘着剤の調製>
攪拌羽根、温度計、窒素ガス導入管、冷却器を備えた四つ口フラスコに、2−エチルヘキシルアクリレート(日本触媒社製):200重量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート(東亜合成社製):8重量部、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(和光純薬工業社製):0.4重量部、酢酸エチル:312重量部を仕込み、緩やかに攪拌しながら窒素ガスを導入し、フラスコ内の液温を65℃付近に保って6時間重合反応を行い、アクリル系ポリマー(A)溶液(40重量%)を調製した。
得られたアクリル系ポリマー(A)溶液(40重量%)を酢酸エチルで20重量%に希釈し、この溶液100重量部に、架橋剤としてトリメチロ−ルプロパン/トリレンジイソシアネ−ト(日本ポリウレタン工業社製、コロネートL、75重量%):0.8重量部、架橋触媒としてジラウリン酸ジブチルスズ(東京ファインケミカル社製、1重量%酢酸エチル溶液):0.4重量部を加えて混合攪拌を行い、アクリル系粘着剤(1)の溶液を調製した。
<表面保護フィルムの製造>
ポリエステル樹脂からなる基材「ルミラーS10」(厚み38μm、東レ社製)に、ファウンテンロールで乾燥後の厚みが12μmとなるよう、上記で得られたアクリル系粘着剤(1)の溶液を塗布し、乾燥温度130℃、乾燥時間2分の条件でキュアーして乾燥した。このようにして、基材上に粘着剤層を作製した。
次いで、粘着剤層の表面に、一方の面にシリコーン処理が施された厚さ25μmのポリエステル樹脂からなるセパレーター(1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドを0.05重量%含む)のシリコーン処理面を貼合せて、セパレーター付表面保護フィルム(1)を得た。
得られたセパレーター付表面保護フィルム(1)を、1日放置した後、幅70mm、長さ130mmにカットし、セパレーターを剥離し、表面保護フィルム(1)を得た。
結果を表1に示した。
〔実施例2〕
<アクリル系粘着剤の調製>
攪拌羽根、温度計、窒素ガス導入管、冷却器を備えた四つ口フラスコに、2−エチルヘキシルアクリレート(日本触媒社製):200重量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート(東亜合成社製):8重量部、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(和光純薬工業社製):0.4重量部、酢酸エチル:312重量部を仕込み、緩やかに攪拌しながら窒素ガスを導入し、フラスコ内の液温を65℃付近に保って6時間重合反応を行い、アクリル系ポリマー(A)溶液(40重量%)を調製した。
得られたアクリル系ポリマー(A)溶液(40重量%)を酢酸エチルで20重量%に希釈し、この溶液100重量部に、架橋剤としてトリメチロ−ルプロパン/トリレンジイソシアネ−ト(日本ポリウレタン工業社製、コロネートL、75重量%):0.8重量部、架橋触媒としてジラウリン酸ジブチルスズ(東京ファインケミカル社製、1重量%酢酸エチル溶液):0.4重量部、および1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(フルオロメタンスルホニル)イミド(第一工業製薬社製、AS110):0.01重量部を加えて混合攪拌を行い、アクリル系粘着剤(2)の溶液を調製した。
<表面保護フィルムの製造>
ポリエステル樹脂からなる基材「ルミラーS10」(厚み38μm、東レ社製)に、ファウンテンロールで乾燥後の厚みが12μmとなるよう、上記で得られたアクリル系粘着剤(2)の溶液を塗布し、乾燥温度130℃、乾燥時間2分の条件でキュアーして乾燥した。このようにして、基材上に粘着剤層を作製した。
次いで、粘着剤層の表面に、一方の面にシリコーン処理が施された厚さ25μmのポリエステル樹脂からなるセパレーター(1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドを0.05重量%含む)のシリコーン処理面を貼合せて、セパレーター付表面保護フィルム(2)を得た。
得られたセパレーター付表面保護フィルム(2)を、1日放置した後、幅70mm、長さ130mmにカットし、セパレーターを剥離し、表面保護フィルム(2)を得た。
結果を表1に示した。
〔実施例3〕
<ウレタン系粘着剤の調製>
ポリオール(A)として、OH基を3個有するポリオールであるプレミノールS3011(旭硝子株式会社製、Mn=10000):85重量部、OH基を3個有するポリオールであるサンニックスGP−3000(三洋化成株式会社製、Mn=3000):13重量部、OH基を3個有するポリオールであるサンニックスGP−1000(三洋化成株式会社製、Mn=1000):2重量部を用い、多官能イソシアネート化合物(B)として多官能脂環族系イソシアネート化合物であるコロネートHX(日本ポリウレタン工業株式会社):18重量部、触媒(日本化学産業株式会社製、商品名:ナーセム第2鉄):0.04重量部、劣化防止剤としてIrganox1010(BASF製):0.50重量部、脂肪酸エステル(パルミチン酸イソプロピル、花王製、商品名:エキセパールIPP、Mn=299):30重量部、希釈溶剤として酢酸エチル:241重量部を配合し、ディスパーで撹拌し、ウレタン系粘着剤(3)の溶液を調製した。
<表面保護フィルムの製造>
ポリエステル樹脂からなる基材「ルミラーS10」(厚み38μm、東レ社製)に、ファウンテンロールで乾燥後の厚みが12μmとなるよう、上記で得られたウレタン系粘着剤(3)の溶液を塗布し、乾燥温度130℃、乾燥時間2分の条件でキュアーして乾燥した。このようにして、基材上に粘着剤層を作製した。
次いで、粘着剤層の表面に、一方の面にシリコーン処理が施された厚さ25μmのポリエステル樹脂からなるセパレーター(1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドを0.05重量%含む)のシリコーン処理面を貼合せて、セパレーター付表面保護フィルム(3)を得た。
得られたセパレーター付表面保護フィルム(3)を、1日放置した後、幅70mm、長さ130mmにカットし、セパレーターを剥離し、表面保護フィルム(3)を得た。
結果を表1に示した。
〔実施例4〕
<ウレタン系粘着剤の調製>
ポリオール(A)として、OH基を3個有するポリオールであるプレミノールS3011(旭硝子株式会社製、Mn=10000):85重量部、OH基を3個有するポリオールであるサンニックスGP−3000(三洋化成株式会社製、Mn=3000):13重量部、OH基を3個有するポリオールであるサンニックスGP−1000(三洋化成株式会社製、Mn=1000):2重量部を用い、多官能イソシアネート化合物(B)として多官能脂環族系イソシアネート化合物であるコロネートHX(日本ポリウレタン工業株式会社):18重量部、触媒(日本化学産業株式会社製、商品名:ナーセム第2鉄):0.04重量部、劣化防止剤としてIrganox1010(BASF製):0.50重量部、脂肪酸エステル(パルミチン酸イソプロピル、花王製、商品名:エキセパールIPP、Mn=299):30重量部、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(フルオロメタンスルホニル)イミド(第一工業製薬社製、AS110):1.00重量部、希釈溶剤として酢酸エチル:241重量部を配合し、ディスパーで撹拌し、ウレタン系粘着剤(4)の溶液を調製した。
<表面保護フィルムの製造>
ポリエステル樹脂からなる基材「ルミラーS10」(厚み38μm、東レ社製)に、ファウンテンロールで乾燥後の厚みが12μmとなるよう、上記で得られたウレタン系粘着剤(4)の溶液を塗布し、乾燥温度130℃、乾燥時間2分の条件でキュアーして乾燥した。このようにして、基材上に粘着剤層を作製した。
次いで、粘着剤層の表面に、一方の面にシリコーン処理が施された厚さ25μmのポリエステル樹脂からなるセパレーター(1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドを0.05重量%含む)のシリコーン処理面を貼合せて、セパレーター付表面保護フィルム(4)を得た。
得られたセパレーター付表面保護フィルム(4)を、1日放置した後、幅70mm、長さ130mmにカットし、セパレーターを剥離し、表面保護フィルム(4)を得た。
結果を表1に示した。
〔実施例5〕
<シリコーン系粘着剤の調製>
付加反応型シリコーン系粘着剤(商品名「X−40−3306」、信越化学工業株式会社製):100重量部、および、白金系触媒(商品名「CAT−PL−50T」、信越化学工業株式会社製):0.2重量部を混合して、シリコーン系粘着剤(5)を調製した。
<表面保護フィルムの製造>
ポリエステル樹脂からなる基材「ルミラーS10」(厚み38μm、東レ社製)に、ファウンテンロールで乾燥後の厚みが12μmとなるよう、上記で得られたシリコーン系粘着剤(5)を塗布し、乾燥温度130℃、乾燥時間2分の条件でキュアーして乾燥した。このようにして、基材上に粘着剤層を作製した。
次いで、粘着剤層の表面に、一方の面にシリコーン処理が施された厚さ25μmのポリエステル樹脂からなるセパレーター(1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドを0.05重量%含む)のシリコーン処理面を貼合せて、セパレーター付表面保護フィルム(5)を得た。
得られたセパレーター付表面保護フィルム(5)を、1日放置した後、幅70mm、長さ130mmにカットし、セパレーターを剥離し、表面保護フィルム(5)を得た。
結果を表1に示した。
〔実施例6〕
<シリコーン系粘着剤の調製>
付加反応型シリコーン系粘着剤(商品名「X−40−3306」、信越化学工業株式会社製):100重量部、白金系触媒(商品名「CAT−PL−50T」、信越化学工業株式会社製):0.2重量部、および、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(フルオロメタンスルホニル)イミド(第一工業製薬社製、AS110):1.00重量部を混合して、シリコーン系粘着剤(6)を調製した。
<表面保護フィルムの製造>
ポリエステル樹脂からなる基材「ルミラーS10」(厚み38μm、東レ社製)に、ファウンテンロールで乾燥後の厚みが12μmとなるよう、上記で得られたシリコーン系粘着剤(6)を塗布し、乾燥温度130℃、乾燥時間2分の条件でキュアーして乾燥した。このようにして、基材上に粘着剤層を作製した。
次いで、粘着剤層の表面に、一方の面にシリコーン処理が施された厚さ25μmのポリエステル樹脂からなるセパレーター(1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドを0.05重量%含む)のシリコーン処理面を貼合せて、セパレーター付表面保護フィルム(6)を得た。
得られたセパレーター付表面保護フィルム(6)を、1日放置した後、幅70mm、長さ130mmにカットし、セパレーターを剥離し、表面保護フィルム(6)を得た。
結果を表1に示した。
〔実施例7〕
<ポリエステル系粘着剤の調製>
三つ口セパラブルフラスコに、攪拌機、温度計、および冷却管を付し、これにジカルボン酸であるダイマー酸と、ジオールであるダイマージオールのモル比が、1:1.05になるように、ダイマー酸(商品名「プリポール1009」、クローダ社製、重量平均分子量:567):100.9重量部、ダイマージオール(商品名「プリポール2033」、クローダ社製、重量平均分子量:537):100重量部、触媒としてチタンテトライソプロポキシド(キシダ化学社製):0.1重量部を仕込み、減圧雰囲気下(0.002MPa)で撹拌しながら、200℃まで昇温し、この温度を保持した。約5時間反応を続け、ポリエステル(A)を得た。
得られたポリエステル(A):100重量部に対し、架橋剤として、イソシアヌレート型ポリヘキサメチレンジイソシアネート(商品名「デスモジュールN3600」、住化バイエル社製):25重量部を配合し、溶剤としてトルエン:150重量部を加えて、塗工加工しやすい粘度(10Pa・s程度)に調整し、ポリエステル系粘着剤(7)を得た。
<表面保護フィルムの製造>
ポリエステル樹脂からなる基材「ルミラーS10」(厚み38μm、東レ社製)に、ファウンテンロールで乾燥後の厚みが12μmとなるよう、上記で得られたポリエステル系粘着剤(7)を塗布し、乾燥温度130℃、乾燥時間2分の条件でキュアーして乾燥した。このようにして、基材上に粘着剤層を作製した。
次いで、粘着剤層の表面に、一方の面にシリコーン処理が施された厚さ25μmのポリエステル樹脂からなるセパレーター(1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドを0.05重量%含む)のシリコーン処理面を貼合せて、セパレーター付表面保護フィルム(7)を得た。
得られたセパレーター付表面保護フィルム(7)を、1日放置した後、幅70mm、長さ130mmにカットし、セパレーターを剥離し、表面保護フィルム(7)を得た。
結果を表1に示した。
〔実施例8〕
<ポリエステル系粘着剤の調製>
三つ口セパラブルフラスコに、攪拌機、温度計、および冷却管を付し、これにジカルボン酸であるダイマー酸と、ジオールであるダイマージオールのモル比が、1:1.05になるように、ダイマー酸(商品名「プリポール1009」、クローダ社製、重量平均分子量:567):100.9重量部、ダイマージオール(商品名「プリポール2033」、クローダ社製、重量平均分子量:537):100重量部、触媒としてチタンテトライソプロポキシド(キシダ化学社製):0.1重量部を仕込み、減圧雰囲気下(0.002MPa)で撹拌しながら、200℃まで昇温し、この温度を保持した。約5時間反応を続け、ポリエステル(A)を得た。
得られたポリエステル(A):100重量部に対し、架橋剤として、イソシアヌレート型ポリヘキサメチレンジイソシアネート(商品名「デスモジュールN3600」、住化バイエル社製):25重量部、および、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(フルオロメタンスルホニル)イミド(第一工業製薬社製、AS110):1.00重量部を配合し、溶剤としてトルエン:150重量部を加えて、塗工加工しやすい粘度(10Pa・s程度)に調整し、ポリエステル系粘着剤(8)を得た。
<表面保護フィルムの製造>
ポリエステル樹脂からなる基材「ルミラーS10」(厚み38μm、東レ社製)に、ファウンテンロールで乾燥後の厚みが12μmとなるよう、上記で得られたポリエステル系粘着剤(8)を塗布し、乾燥温度130℃、乾燥時間2分の条件でキュアーして乾燥した。このようにして、基材上に粘着剤層を作製した。
次いで、粘着剤層の表面に、一方の面にシリコーン処理が施された厚さ25μmのポリエステル樹脂からなるセパレーター(1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドを0.05重量%含む)のシリコーン処理面を貼合せて、セパレーター付表面保護フィルム(8)を得た。
得られたセパレーター付表面保護フィルム(8)を、1日放置した後、幅70mm、長さ130mmにカットし、セパレーターを剥離し、表面保護フィルム(8)を得た。
結果を表1に示した。
〔比較例1〕
セパレーターとして、一方の面にシリコーン処理が施された厚さ25μmのポリエステル樹脂からなるセパレーター(化合物(A)を含まない)を用いた以外は、実施例1と同様に行い、表面保護フィルム(C1)を得た。
結果を表1に示した。
〔比較例2〕
セパレーターとして、一方の面にシリコーン処理が施された厚さ25μmのポリエステル樹脂からなるセパレーター(化合物(A)を含まない)を用いた以外は、実施例1と同様に行い、表面保護フィルム(C1)を得た。
結果を表1に示した。
〔比較例3〕
セパレーターとして、一方の面にシリコーン処理が施された厚さ25μmのポリエステル樹脂からなるセパレーター(化合物(A)を含まない)を用いた以外は、実施例1と同様に行い、表面保護フィルム(C1)を得た。
結果を表1に示した。
〔比較例4〕
セパレーターとして、一方の面にシリコーン処理が施された厚さ25μmのポリエステル樹脂からなるセパレーター(化合物(A)を含まない)を用いた以外は、実施例1と同様に行い、表面保護フィルム(C1)を得た。
結果を表1に示した。
〔比較例5〕
セパレーターとして、一方の面にシリコーン処理が施された厚さ25μmのポリエステル樹脂からなるセパレーター(化合物(A)を含まない)を用いた以外は、実施例1と同様に行い、表面保護フィルム(C1)を得た。
結果を表1に示した。
〔比較例6〕
セパレーターとして、一方の面にシリコーン処理が施された厚さ25μmのポリエステル樹脂からなるセパレーター(化合物(A)を含まない)を用いた以外は、実施例1と同様に行い、表面保護フィルム(C1)を得た。
結果を表1に示した。
〔比較例7〕
セパレーターとして、一方の面にシリコーン処理が施された厚さ25μmのポリエステル樹脂からなるセパレーター(化合物(A)を含まない)を用いた以外は、実施例1と同様に行い、表面保護フィルム(C1)を得た。
結果を表1に示した。
〔比較例8〕
セパレーターとして、一方の面にシリコーン処理が施された厚さ25μmのポリエステル樹脂からなるセパレーター(化合物(A)を含まない)を用いた以外は、実施例1と同様に行い、表面保護フィルム(C1)を得た。
結果を表1に示した。
Figure 2015218297
〔実施例9〕
実施例1で得られた表面保護フィルム(1)を、光学部材である偏光板(日東電工株式会社製、商品名「TEG1465DUHC」)に貼着し、表面保護フィルムが貼着された光学部材を得た。
〔実施例10〕
実施例2で得られた表面保護フィルム(2)を、光学部材である偏光板(日東電工株式会社製、商品名「TEG1465DUHC」)に貼着し、表面保護フィルムが貼着された光学部材を得た。
〔実施例11〕
実施例3で得られた表面保護フィルム(3)を、光学部材である偏光板(日東電工株式会社製、商品名「TEG1465DUHC」)に貼着し、表面保護フィルムが貼着された光学部材を得た。
〔実施例12〕
実施例4で得られた表面保護フィルム(4)を、光学部材である偏光板(日東電工株式会社製、商品名「TEG1465DUHC」)に貼着し、表面保護フィルムが貼着された光学部材を得た。
〔実施例13〕
実施例5で得られた表面保護フィルム(5)を、光学部材である偏光板(日東電工株式会社製、商品名「TEG1465DUHC」)に貼着し、表面保護フィルムが貼着された光学部材を得た。
〔実施例14〕
実施例6で得られた表面保護フィルム(6)を、光学部材である偏光板(日東電工株式会社製、商品名「TEG1465DUHC」)に貼着し、表面保護フィルムが貼着された光学部材を得た。
〔実施例15〕
実施例7で得られた表面保護フィルム(7)を、光学部材である偏光板(日東電工株式会社製、商品名「TEG1465DUHC」)に貼着し、表面保護フィルムが貼着された光学部材を得た。
〔実施例16〕
実施例8で得られた表面保護フィルム(8)を、光学部材である偏光板(日東電工株式会社製、商品名「TEG1465DUHC」)に貼着し、表面保護フィルムが貼着された光学部材を得た。
〔実施例17〕
実施例1で得られた表面保護フィルム(1)を、電子部材である導電性フィルム(日東電工株式会社製、商品名「エレクリスタV270L−TFMP」)に貼着し、表面保護フィルムが貼着された電子部材を得た。
〔実施例18〕
実施例2で得られた表面保護フィルム(2)を、電子部材である導電性フィルム(日東電工株式会社製、商品名「エレクリスタV270L−TFMP」)に貼着し、表面保護フィルムが貼着された電子部材を得た。
〔実施例19〕
実施例3で得られた表面保護フィルム(3)を、電子部材である導電性フィルム(日東電工株式会社製、商品名「エレクリスタV270L−TFMP」)に貼着し、表面保護フィルムが貼着された電子部材を得た。
〔実施例20〕
実施例4で得られた表面保護フィルム(4)を、電子部材である導電性フィルム(日東電工株式会社製、商品名「エレクリスタV270L−TFMP」)に貼着し、表面保護フィルムが貼着された電子部材を得た。
〔実施例21〕
実施例5で得られた表面保護フィルム(5)を、電子部材である導電性フィルム(日東電工株式会社製、商品名「エレクリスタV270L−TFMP」)に貼着し、表面保護フィルムが貼着された電子部材を得た。
〔実施例22〕
実施例6で得られた表面保護フィルム(6)を、電子部材である導電性フィルム(日東電工株式会社製、商品名「エレクリスタV270L−TFMP」)に貼着し、表面保護フィルムが貼着された電子部材を得た。
〔実施例23〕
実施例7で得られた表面保護フィルム(7)を、電子部材である導電性フィルム(日東電工株式会社製、商品名「エレクリスタV270L−TFMP」)に貼着し、表面保護フィルムが貼着された電子部材を得た。
〔実施例24〕
実施例8で得られた表面保護フィルム(8)を、電子部材である導電性フィルム(日東電工株式会社製、商品名「エレクリスタV270L−TFMP」)に貼着し、表面保護フィルムが貼着された電子部材を得た。
〔実施例140〕
実施例36で得られた表面保護フィルム(36)を、電子部材である導電性フィルム(日東電工株式会社製、商品名「エレクリスタV270L−TFMP」)に貼着し、表面保護フィルムが貼着された電子部材を得た。
本発明の表面保護フィルムは、光学部材や電子部材の表面保護に好適に用いることができる。
1 基材層
2 粘着剤層
3 セパレーター
10 表面保護フィルム
100 積層体

Claims (9)

  1. 基材層と粘着剤層とを有する表面保護フィルムの製造方法であって、
    基材層と粘着剤層とを含む積層体であって該粘着剤層が最外層である積層体を製造し、
    該粘着剤層の該基材層と反対側の表面に、イオン性液体、イオン伝導ポリマー、イオン伝導フィラー、電気伝導ポリマーから選ばれる少なくとも1種の化合物(A)を含むセパレーターを貼り合わせ、
    その後にセパレーターを剥離する、
    表面保護フィルムの製造方法。
  2. セパレーターを貼り合わせてから剥離するまでの時間が6時間〜2年である、請求項1に記載の表面保護フィルムの製造方法。
  3. 前記イオン性液体が、フルオロ有機アニオンとオニウムカチオンから構成されるイオン性液体である、請求項1または2に記載の表面保護フィルムの製造方法。
  4. 前記オニウムカチオンが、窒素含有オニウムカチオン、硫黄含有オニウムカチオン、リン含有オニウムカチオンから選ばれる少なくとも1種である、請求項3に記載の表面保護フィルムの製造方法。
  5. 前記セパレーター中の前記化合物(A)の含有割合が0.001重量%〜2.0重量%である、請求項1から4までのいずれかに記載の表面保護フィルムの製造方法。
  6. 前記粘着剤層が、アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ゴム系粘着剤から選ばれる少なくとも1種の粘着剤を含む、請求項1から5までのいずれかに記載の表面保護フィルムの製造方法。
  7. 請求項1から6までのいずれかに記載の表面保護フィルムの製造方法によって製造される、表面保護フィルム。
  8. 請求項7に記載の表面保護フィルムが貼着された光学部材。
  9. 請求項7に記載の表面保護フィルムが貼着された電子部材。
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