JP2015217609A - 印刷装置及び記録媒体搬送装置 - Google Patents

印刷装置及び記録媒体搬送装置 Download PDF

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Abstract

【課題】描画部に隣接する乾燥部の影響による描画部の温度上昇を効果的に抑制することができる印刷装置及び記録媒体搬送装置を提供する。
【解決手段】描画部(18)に隣接する乾燥部(16)は、ヒータ(94)とファン(96)との組み合わせにより構成される熱風ユニット(50)を有する。熱風ユニット(50)に対向して乾燥部(16)における記録媒体の搬送路に沿ってガイド部材(48)が設置される。ガイド部材(48)は、熱風ユニット(50)から出された熱風をガイド面よりも重力方向下側の下部領域へと逃がす開口部又は開閉機構を有する。ガイド部材(48)の下部領域に、熱風を機外へ排出する排気機構(51)が設けられる。制御部は、ヒータによる加熱を停止させ、かつ、ヒータの非加熱状態でファンによる送風を実施することにより、描画部を冷やす冷却制御を行う。
【選択図】図2

Description

本発明は印刷装置及び記録媒体搬送装置に係り、特にインクジェットその他の印刷方式によって記録媒体に画像を形成する印刷装置、並びに、記録媒体を搬送するための記録媒体搬送装置に関する。
特許文献1には、インクジェットヘッドによる画像形成後の記録媒体に熱風を吹き付けて記録媒体を乾燥させる熱風乾燥手段を備えたインクジェット記録装置が開示されている。特許文献1では、カックルを確実に抑制するために液滴吐出後の記録媒体に対する乾燥を早め、かつ、描画胴の温度上昇を抑制するという課題を解決するための記録媒体搬送装置及び画像形成装置の発明を提供している。
特許文献1に記載の発明では、描画胴から画像形成後の記録媒体が受け渡される渡し胴に熱風乾燥手段としての乾燥ユニットが設けられており、液滴吐出後の記録媒体に対して早期に乾燥を実施する構成となっている。さらに、特許文献1の乾燥ユニットは、渡し胴の回転軸回りに回転可能に取り付けられたシャフトに固定されており、描画胴の上に記録媒体がないとき、乾燥ユニットの熱風が描画胴の上へ行かないようにシャフトを回転させて熱風を吹き出す向きを変える制御が行われる。このような熱風の吹き出し向きの制御により、描画胴の昇温を抑制する構成となっている。
特開2012−131065号公報
特許文献1の段落0012で言及しているように、描画胴の温度が高温になると、画像形成に際して問題が発生する。例えば、描画胴の温度がある温度を超えて高温になると、描画胴に対向するインクジェットヘッドの吐出面が結露し、その結露によってインクの吐出口がランダムに塞がれてしまい、画像欠陥につながる。
特許文献1に記載の発明では、描画胴上に記録媒体がないときに、乾燥ユニットの熱風の吹き出し向きを変えて、熱風が描画胴上に行かないように工夫されている。特許文献1に記載の発明によれば、乾燥ユニットから吹き出される熱風が直接的に描画胴を加熱することは回避されるものの、乾燥ユニットから出た加熱空気は、乾燥ユニットを保持する渡し胴の内側及びその周辺にこもり、高温の空気が機内に停留するため、描画胴の昇温を抑制する効果が必ずしも十分ではない。
また、画像形成後のインク乾燥を行う乾燥ユニットによる熱の影響に限らず、例えば、インクジェットヘッドによってインクを打滴する前の記録媒体に対してプレコート液としての処理液を付与する処理液付与部と、処理液付与後の記録媒体を描画胴に渡す前に処理液を乾燥させるプレコート乾燥部とを備える装置構成の場合、プレコート乾燥部の熱の影響によって描画胴の温度が上昇するという問題もある。
上記の課題は、インクジェット方式の印刷装置に限らず、画像形成を行う描画部の前段若しくは後段、又はその両方に、熱源を含んだ乾燥部を具備する各種の記録方式による印刷装置に共通する課題である。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、描画部に隣接する乾燥部の影響による描画部の温度上昇を効果的に抑制することができる印刷装置及び記録媒体搬送装置を提供することを目的とする。
課題を解決するため、次の発明態様を提供する。
第1態様に係る印刷装置は、記録媒体に画像を形成する描画部と、描画部に隣接する乾燥部であって、ヒータとファンとの組み合わせにより構成される熱風ユニットを有する乾燥部と、ヒータ及びファンを制御する制御部と、熱風ユニットに対向して乾燥部における記録媒体の搬送路に沿って設置され、搬送中の記録媒体をガイドするガイド部材と、を備え、ガイド部材は、熱風ユニットから出された熱風をガイド部材のガイド面よりも重力方向下側の下部領域へと逃がす開口部又は開閉機構を有し、ガイド部材の下部領域に、開口部又は開閉機構を通じて下部領域に流れた熱風を機外へ排出する排気機構が設けられ、制御部は、ヒータによる加熱を停止させ、かつ、ヒータの非加熱状態でファンによる送風を実施することにより、描画部を冷やす冷却制御を行う、印刷装置である。
「ヒータ」という用語は、熱を発する装置の総称として用いる。「ヒータ」と同義の用語として、例えば、加熱器、加熱装置、発熱装置、熱源などを挙げることができる。
「ファン」という用語は、気流を発生させる装置の総称として用いる。「ファン」と同義の用語として、例えば、送風機、送風器、送風装置、ブロア、気流発生装置など挙げることができる。
「熱風」という用語は、加熱された気体の流れの総称として用いる。「熱風」は、温風を包含する概念の用語として用いる。「熱風」という記載は、加熱の温度や気体の種類について解釈上の限定を含むものではない。気体としては、一般的には空気が想定される。本明細書では、空気環境の下で印刷装置が用いられることを想定した説明を行う。ただし、空気以外の特殊な気体環境の下で印刷装置を使用することも考えられる。「空気」という記載によって、他の気体の種類を排除するものではなく、気体環境に応じて「空気」という用語は、適宜その気体環境における周囲気体などに置き換えて理解することができるものである。
「開閉機構」は、開状態と閉状態とを選択的に得ることができる機械的構造である。開閉機構が開状態にある場合に、気体はその開放開口部を通ってガイド部材の重力方向下側の下部領域へと移動することができる。開閉機構の一例として、熱風ユニットから吹き出される風の力によって可動部が押されて開状態となり、可動部に風の力が作用しなくなった場合に可動部が閉状態の位置に復帰する構成とすることができる。
「機外」とは、印刷装置の外部を意味している。一般的には、印刷装置の外装パネルが機内と機外を分ける境界となり、外装パネルの外側が機外に相当する。
「排気機構」は、排気を促す構造物や構造そのものをいう。例えば、排気用の気体の通路となるダクト、熱風を集める回収構造体、チャンバー、若しくはこれらの組み合わせなどは「排気機構」に該当する。
「印刷装置」は、無版式、有版式を問わない。印刷装置という用語は、プリンタ、画像記録装置、画像形成装置、描画装置、印刷機、画像出力装置などの用語を包括する意味で用いる。
第1態様によれば、熱風ユニットから吹き出された熱風は、ガイド部材の開口部又は開閉機構を通じて、ガイド部材の下部領域へと移動し、排気機構を通じて機外に排出される。このように排気性能を強化した構成を採用したことで、乾燥部の付近に熱がこもらず、描画部の温度上昇そのものを効果的に抑制できる。また、この態様によれば、熱風ユニットのヒータとファンを別々に駆動制御することができ、ヒータを停止させた状態でファンを駆動し、非加熱の送風を行うことができる。このような非加熱の気流は空冷効果があり、排気強化の構成とが相まって、描画部の冷却効果を高めることができる。
第2態様として、第1態様の印刷装置において、ガイド部材における開口部又は開閉機構は、熱風ユニットのファンと排気機構の間に配置される構成とすることができる。
熱風ユニットのファンと、ガイド部材の開口部又は開閉機構と、排気機構との三者が概ね直線上に並ぶ配置形態とすることにより、乾燥部内にこもる加熱空気をガイド部材の外側に排出しやすいものとなる。
第3態様として、第1態様又は第2態様の印刷装置において、ガイド部材は、熱風ユニットの送風口と対面する対向位置に、開口部又は開閉機構を有している構成とすることができる。
第3態様によれば、熱風ユニットの送風口から吹き出される温風を効果的にガイド部材の下部領域へと逃がすことができる。これにより、乾燥部内に加熱空気がこもらず、効果的に抑制することが可能である。
第4態様として、第1態様から第3態様のいずれか1態様の印刷装置において、乾燥部には、機外から機内に気体を取り入れる吸気部及び吸気ファンを備える構成とすることができる。
第4態様によれば、相対的に低温低湿の気体を機外から乾燥部に導き入れることができる。第4態様は、排気強化の構成と相まって、描画部の温度上昇の抑制効果をより一層高めることができ、冷却制御の際の描画部の冷却効果も向上させることができる。
第5態様として、第4態様の印刷装置において、吸気ファンが取り付けられた吸気部と排気機構との間に、熱風ユニットのファンが配置される構成とすることができる。
吸気部と、熱風ユニットのファンと、排気機構との三者が概ね直線上に並ぶ配置形態とすることにより、乾燥部内にこもる加熱空気をガイド部材の外側に排出しやすいものとなる。
第6態様として、第1態様から第5態様のいずれか1態様の印刷装置において、制御部は、描画部による画像の形成を実施していない非印刷中に冷却制御を行う構成とすることができる。
第6態様は、印刷中の描画部や乾燥部の温度の条件を含む画像形成条件の急激な変動を回避して安定した印刷品質を確保することができる。
第7態様として、第6態様の印刷装置において、制御部は、印刷ジョブの終了後、次の印刷ジョブを開始するまでの非印刷中である印刷ジョブ間に冷却制御を行う構成とすることができる。
第7態様によれば、ジョブ内での印刷品質の安定化を達成でき、かつ、描画部の温度上昇による悪影響を防止することができる。
第8態様として、第1態様から第6態様のいずれか1態様の印刷装置において、描画部において記録媒体を搬送する第1搬送部と、第1搬送部の温度を検出する温度検出部と、を備え、制御部は、温度検出部から得られる温度の検出結果を基に冷却制御を行う構成とすることができる。
第8態様によれば、描画部の温度を監視して、適応的に冷却制御を実施することができる。特に、冷却制御による冷却処理を非印刷中に限って実施する構成の場合に、生産性と品質安定性を両立させることができる。
第9態様として、第8態様の印刷装置において、温度検出部により検出された温度が閾値を超えた場合に冷却制御が行われる構成とすることができる。
第10態様として、第8態様又は第9態様の印刷装置において、乾燥部は、第1搬送部との間で記録媒体の受け渡しを行う第2搬送部を有し、第2搬送部の内側に熱風ユニットが配置されている構成とすることができる。
第11態様として、第10態様の印刷装置において、第1搬送部は、記録媒体を保持して回転する描画胴であり、第2搬送部は、記録媒体を把持するグリッパを具備した渡し胴である構成とすることができる。
第12態様として、第8態様から第11態様のいずれか1態様の印刷装置において、温度検出部により検出された温度が閾値を超えた場合に警告を提示する警告提示部を備える構成とすることができる。
第13態様として、第1態様から第12態様のいずれか1態様の印刷装置において、描画部に、インクジェットヘッドを備える構成とすることができる。
第14態様として、第1態様から第12態様のいずれか1態様の印刷装置において、排気機構を通じて熱風を機外に排出するための排気ファンを具備した排気装置を備える構成とすることができる。
排気装置は印刷装置と別体の装置として構成することができる。印刷装置と別体に構成された排気装置は、印刷装置に対して、排気用の管路などを介して着脱可能に接続される形態とすることができる。排気装置は、印刷装置に専用の付属装置として提供されてもよいし、他の排気用途に共用される兼用の装置であってもよい。
なお、印刷装置と別体の排気装置に代えて、又はこれと組み合わせて、印刷装置に排気ファンを搭載する形態も可能である。
第15態様として、第1態様から第14態様のいずれか1態様の印刷装置において、描画部による画像の形成を行う前の記録媒体に対して処理液を付与する処理液付与部を有し、乾燥部は、描画部に対して、記録媒体の搬送方向の上流側に隣接しており、処理液付与部によって記録媒体に付与された処理液を乾燥させる構成とすることができる。
描画部の前段に処理液の乾燥部を具備する構成は、処理液を乾燥させた際に発生する湿気が描画部に結露を生じさせる要因の一つとなるが、第15態様によれば、処理液を乾燥させた際に発生する湿気を機外に排出することができる。このため、結露の発生を抑制する効果がある。
第16態様の記録媒体搬送装置は、記録媒体に画像を形成する描画部に隣接する乾燥部であって、ヒータとファンとの組み合わせにより構成される熱風ユニットを有する乾燥部と、ヒータ及びファンを制御する制御部と、熱風ユニットに対向して乾燥部における記録媒体の搬送路に沿って設置され、搬送中の記録媒体をガイドするガイド部材と、を備え、ガイド部材は、熱風ユニットから出された熱風をガイド部材の重力方向下側の下部領域へと逃がす開口部又は開閉機構を有し、ガイド部材の下部領域に、開口部又は開閉機構を通じて下部領域に流れた熱風を機外へ排出する排気機構が設けられ、制御部は、ヒータによる加熱を停止させ、かつ、ヒータの非加熱状態でファンによる送風を実施することにより、描画部を冷やす冷却制御を行う、記録媒体搬送装置である。
第16態様の記録媒体搬送装置について、第2態様から第15態様で特定した事項を適宜組み合わせることができる。
本発明によれば、熱風を出す乾燥部の影響による描画部の温度上昇を効果的に抑制することができる。このため、描画部の温度上昇に起因する画像不良等の発生を抑制することができる。
図1は第1実施形態に係る印刷装置の一例としてのインクジェット記録装置の全体構成を示した概略構成図である。 図2は処理液乾燥部の部分を拡大して示した断面図である。 図3は熱風ユニットの外観を示す斜視図である。 図4は図3における側面板の一部を取り外した図である。 図5はガイド部材の構成例を示す斜視図である。 図6はガイド部材のガイド面の平面展開図である。 図7(A)(B)はガイド部材に設ける開閉機構の模式図であり、図7(A)は開状態を示し、図7(B)は閉状態を示す図である。 図8は排気ダクトの例を示す斜視図である。 図9は温度センサの設置場所に関する他の例を示した要部構成図である。 図10はインクジェット記録装置の制御系の概略構成を示すブロック図である。 図11はインクジェット記録装置における描画部の温度上昇を抑制する制御に関する要部ブロック図である。 図12は熱風ユニットのヒータとファン並びに排気ファンと吸気ファンの各要素について、印刷状態と、冷却処理中の状態と、印刷可能状態である印刷待機状態とのそれぞれの状態で制御されるON/OFFの状況をまとめた図表である。 図13は描画部の温度上昇を抑制する制御の例を示したフローチャートである。 図14は冷却処理の内容を示したフローチャートである。 図15は第2実施形態に係るインクジェット記録装置の要部構成図である。
以下、添付図面に従って本発明の好ましい実施の形態について詳説する。
<インクジェット記録装置の構成例>
図1は第1実施形態に係る印刷装置の一例としてのインクジェット記録装置の全体構成を示した概略構成図である。本例のインクジェット記録装置10は、記録媒体としての枚葉紙(以下「用紙P」という。)にインクジェット方式でカラー画像を形成する印刷装置である。インクジェット記録装置10は、給紙部12と、処理液付与部14と、処理液乾燥部16と、描画部18と、後処理部20と、排紙部22とを備える。
〈給紙部〉
給紙部12は、給紙台30と、給紙装置32と、給紙ローラ対34と、フィーダボード36と、前当て38と、給紙胴40とを備えて構成される。給紙台30は、用紙Pを載せる台である。用紙Pは多数枚が積層された束(用紙束)の状態で給紙台30に載置される。給紙台30は、図示せぬ給紙台昇降装置を備えている。給紙台昇降装置は、給紙台30に置かれた用紙Pの増減に連動して給紙台30を昇降させる装置であり、給紙台30に載置された用紙束の最上位に位置する用紙Pを常に一定の高さの位置に位置させるための装置である。
給紙装置32は、給紙台30に積載されている用紙Pを上から順に、1枚ずつ吸着保持して取り上げて、給紙ローラ対34に給紙する。
給紙ローラ対34は、給紙装置32から給紙された用紙Pをフィーダボード36に向けて送り出す。フィーダボード36は、給紙ローラ対34から送り出された用紙Pを受け、給紙胴40に向けて搬送する。前当て38は、フィーダボード36の終端位置に備えられ、フィーダボード36によって搬送されてくる用紙Pの姿勢を矯正する。
給紙胴40は、前当て38によって姿勢が矯正された用紙Pをフィーダボード36から受け取り、処理液付与部14へと搬送する。給紙胴40は、グリッパ40Aを備え、このグリッパ40Aによって用紙Pの先端部を把持して回転することにより、用紙Pを処理液付与部14へと搬送する。こうして、用紙Pは給紙部12によって1枚ずつ処理液付与部14に供給される。
〈処理液付与部〉
処理液付与部14は、用紙Pに処理液を塗布する。本例の処理液は、インク中の色材成分を凝集させる機能を有する液体である。処理液は、描画部18で付与されるインク組成物中の成分を凝集させる凝集剤を含む。処理液とインクとが接触することによりインクと凝集反応を起こし、インクは色材と溶媒との分離が促進され、インク着弾後の滲みや着弾干渉、或いは混色が抑制され、高品位画像の形成が可能となる。処理液は「凝集処理液」、「前処理液」、「プレコート液」という用語で呼ばれる場合がある。インク組成物とともに処理液を用いることで、インクジェット記録を高速化でき、高速記録しても濃度、解像度の高い描画性(例えば、細線や微細部分の再現性)に優れた画像が得られる。
処理液付与部14は、処理液付与胴42と、処理液塗布装置44とを備える。処理液付与胴42は、給紙胴40から用紙Pを受け取り、用紙Pを搬送する。処理液付与胴42はグリッパ42Aを備え、このグリッパ42Aによって用紙Pの先端部を把持して回転する。用紙Pは、グリッパ42Aによって先端部が把持された状態で処理液付与胴42の周面に巻き掛けられて保持され、処理液付与胴42の回転によって搬送される。
処理液付与胴42に保持された状態の用紙Pにおける処理液付与胴42の径方向外側に面して露出する用紙面が記録面となる。説明の便宜上、用紙Pの記録面側を「おもて面」といい、記録面と反対側の面を「裏面」という。本例の場合、処理液付与胴42に保持された状態の用紙Pにおける処理液付与胴42の径方向内側に面して処理液付与胴42に接触する用紙面が「裏面」である。
処理液塗布装置44は、処理液付与胴42によって搬送される用紙Pに処理液を塗布する手段である。処理液塗布装置44は、処理液付与胴42の外側において、処理液付与胴42の周面に対向して設けられる。本例の処理液塗布装置44は、ローラ塗布方式による塗布装置であり、容器44A内に貯留された処理液に供給ローラ44Bの一部が浸漬され、供給ローラ44Bで計量した処理液をゴムローラなどの塗布ローラ44Cによって処理液付与胴42上の用紙Pに転移する構成となっている。処理液付与胴42の回転に伴って用紙Pが搬送される過程で、用紙Pの記録面に塗布ローラ44Cが押圧当接され、用紙Pに処理液が塗布される。
用紙Pに処理液を付与する手段は、ローラ塗布方式に限らず、スプレー方式、インクジェット方式などの各種方式を適用することが可能である。処理液付与部14により処理液が付与された用紙Pは、処理液付与胴42から処理液乾燥胴46へと受け渡される。
〈処理液乾燥部〉
処理液乾燥部16は、処理液付与部14によって処理液が塗布された用紙Pを搬送し、かつ、当該用紙Pの処理液を乾燥させる処理を行う。処理液乾燥部16は、用紙搬送手段としての処理液乾燥胴46と、搬送中の用紙Pをガイドするガイド部材48と、熱風ユニット50と、排気ダクト51と、を備えて構成される。
処理液乾燥胴46は、処理液付与胴42から用紙Pを受け取り、当該用紙Pを描画胴52へと用紙Pを受け渡す中間搬送部の役割を果たす「渡し胴」として機能する。なお、処理液乾燥部16は、「渡し胴乾燥部」という用語や、「プレコート乾燥部」という用語で表すことができる。また、処理液乾燥胴46のことを「プレコート乾燥胴」という用語で表すことができる。
処理液乾燥胴46は、グリッパ46Aを備え、このグリッパ46Aによって用紙Pの先端部を把持して回転することにより、用紙Pを搬送する。処理液乾燥胴46は図1において時計回りに回転する。
ガイド部材48は、処理液乾燥胴46による用紙搬送を補助する用紙搬送ガイドとして機能する。ガイド部材48は、処理液乾燥胴46の下方に設置される。ガイド部材48の処理液乾燥胴46に対面する側の面が「ガイド面」に相当する。ガイド部材48の構成について詳細は後述するが、ガイド部材48は、熱風ユニット50から吹き出される風をガイド面と反対側の下部領域へと通過させる通気用の貫通孔を有する。
熱風ユニット50は、処理液乾燥胴46の内側に設置され、ガイド部材48に向かって熱風又は非加熱風を選択的に吹き出すことができる装置である。本例の処理液乾燥胴46は、2台の熱風ユニット50を備えている。熱風ユニット50の台数はこの例に限定されず、少なくとも1台備えていればよい。熱風ユニット50の構成について詳細は後述する。
印刷中は処理液乾燥胴46により搬送される用紙Pの記録面に向けて熱風ユニット50から熱風が吹き出される。処理液乾燥胴46によって用紙Pが搬送される過程で、熱風ユニット50から吹き出される熱風が用紙Pの記録面に当り、処理液の乾燥処理が行われる。この乾燥処理により、用紙Pの記録面にインク凝集作用を持つインク凝集層が形成される。
排気ダクト51は、ガイド部材48のガイド面と反対側の重力方向下側の下部領域に設置される。排気ダクト51は、ガイド部材48の下部領域に移動した加熱空気を回収し、加熱空気を機外に排出する排気機構である。排気ダクト51は、図1に示されていない排気装置に接続されている。
インクジェット記録装置10は、機外から新鮮な空気を機内へ取り込むための吸気部47を備え、吸気部47には吸気ファン49が設置されている。吸気ファン49を駆動することにより、吸気部47を通じて機外から新鮮風が機内へと導入される。吸気部47を通じて機外から機内へ取り込まれる空気は、機外から機内へ取り込まれる「気体」の一形態である。
〈描画部〉
描画部18は、描画胴52と、用紙押さえローラ54と、インクジェットヘッド56M、56K、56C、56Yと、画像読取部60とを備える。描画胴52は、処理液乾燥胴46から用紙Pを受け取り、用紙Pを搬送する。描画胴52は、グリッパ52Aを備え、このグリッパ52Aによって用紙Pの先端を把持して回転することにより、用紙Pを周面に巻き掛けて用紙Pを搬送する。描画胴52は図1において反時計回り方向に回転する。描画胴52は、周面に複数の吸着孔(不図示)を有し、吸着孔から用紙Pを吸引して、周面に用紙Pを吸着保持する。
用紙押さえローラ54は、処理液乾燥胴46から描画胴52に受け渡された用紙Pの表面を押圧して、用紙Pを描画胴52の周面に押し付ける。これにより、用紙Pが描画胴52の周面に密着する。用紙押さえローラ54と負圧を利用した吸着保持によって用紙Pを描画胴52の周面に密着させることができる。
インクジェットヘッド56Mは、マゼンタ(M)のインクを吐出する記録ヘッドである。インクジェットヘッド56Kは、ブラック(K)のインクを吐出する記録ヘッドである。インクジェットヘッド56Cは、シアン(C)のインクを吐出する記録ヘッドであり、インクジェットヘッド56Yは、イエロー(Y)のインクを吐出する記録ヘッドである。
インクジェットヘッド56M、56K、56C、56Yは、用紙Pの幅に相当するライン型のヘッド(ラインヘッド)で構成される。各インクジェットヘッド56M、56K、56C、56Yのインク吐出面には、画像形成領域の全幅にわたってインク吐出用の複数ノズルが配列されている。各インクジェットヘッド56M、56K、56C、56Yは、用紙Pの搬送経路に沿って一定の間隔で配置され、それぞれ用紙Pの搬送方向に対して直交して配置される。
なお、本実施形態のインクジェット記録装置10では、用紙Pが描画胴52によって回転搬送されるため、各インクジェットヘッド56M、56K、56C、56Yは、描画胴52の周囲に傾斜して配置される。このため、各インクジェットヘッド56M、56K、56C、56Yは、それぞれのインク吐出面が水平面に対して傾斜した状態で配置される。
インクジェットヘッド56M、56K、56C、56Yの詳細な構造は図示しないが、それぞれのヘッドは、各ノズルに対応してインク吐出に必要な吐出エネルギーを発生させる吐出エネルギー発生素子(例えば、圧電素子や発熱素子)を備えている。
各ヘッドにおけるノズル数やノズル密度、ノズルの配列形態は特に限定されず、様々な形態があり得る。例えば、用紙Pの搬送方向と直交する用紙幅方向である主走査方向について所定の記録解像度を実現できるように、多数のノズルがインク吐出面(ノズル面)に二次元的に配列された構成とすることができる。
用紙Pは、描画胴52によって搬送される過程でインクジェットヘッド56C、56M、56Y、56Kからインクが打滴されて、用紙P上に画像が記録される。描画胴52の回転によって用紙Pを一定の速度で搬送し、この搬送方向について、用紙Pと各インクジェットヘッド56M、56K、56C、56Yを相対的に移動させる動作を1回行うだけで、すなわち1回の副走査で、用紙Pの画像形成領域に画像を記録することができる。
本例では、CMYKの4色のインクを用いるインクジェット記録装置10を例示しているが、インク色や色数の組み合わせについては本実施形態に限定されず、必要に応じて淡インク、濃インク、特別色インクを追加してもよい。例えば、ライトシアン、ライトマゼンタなどのライト系インクを吐出するインクジェットヘッドを追加する構成も可能であり、各色ヘッドの配置順序も特に限定はない。
画像読取部60は、インクジェットヘッド56M、56K、56C、56Yによって用紙Pに記録された画像を読み取る。「用紙Pに記録された画像」としては、印刷ジョブで指定される印刷画像の他、濃度測定用テストチャートや不良ノズル検出用テストチャート、不吐出補正用テストチャートその他の各種テストチャートなども含まれる。
画像読取部60は、描画部18によって記録が行われた用紙Pを搬送する過程で用紙P上の画像を読み取ることができるインラインセンサである。画像読取部60には、CCDラインセンサなどの撮像素子が用いられる。画像読取部60によって読み取られた読取画像に基づいて、不吐出や吐出方向不良などの吐出不良が検出される。インクジェットヘッド56M、56K、56C、56Yの吐出状態は、画像読取部60で読み取った読取画像に基づいて検出される。
〈後処理部〉
後処理部20は、画像が記録された用紙Pのインク乾燥処理を行う。後処理部20は、用紙Pを搬送するチェーングリッパ64と、インク乾燥部21とを備えて構成される。
チェーングリッパ64は、無端状のチェーン64Aと、グリッパ64Bとを有し、描画部18から用紙Pを受け取り、所定の搬送経路に沿って用紙Pを排紙部22へと搬送する。チェーン64Aは、第1スプロケット64Cと第2スプロケット64Dに巻き掛られている。第1スプロケット64Cと第2スプロケット64Dの間には、チェーン64Aの走行をガイドする複数のチェーンガイド(不図示)が設けられている。
チェーン64A、第1スプロケット64C、第2スプロケット64D、及びチェーンガイド(不図示)は、それぞれ一対で構成され、用紙Pの搬送経路の両側、すなわち、用紙搬送方向に直交する用紙幅方向における用紙Pの両側に配設される。
グリッパ64Bは、一対のチェーン64Aの間に掛け渡されたバー(不図示)に取り付けられている。グリッパ64Bを備えたバーは、チェーン64Aの送り方向に一定の間隔でチェーン64Aの複数箇所に取り付けられている。
グリッパ64Bは、描画胴52のグリッパ52Aから用紙Pが受け渡される位置で用紙Pの先端部を把持する。第1スプロケット64Cに連結されたモータ(不図示)を駆動することによってチェーン64Aが走行し、グリッパ64Bに把持された用紙Pが搬送される。
チェーングリッパ64による用紙Pの搬送経路は、描画胴52から排紙部22へと向かう用紙搬送方向の上流側から、平坦な第1区間と、登り勾配を有する第2区間と、平坦な第3区間と、を含んでいる。描画胴52から受け渡された用紙Pは、チェーングリッパ64の第1区間、第2区間、第3区間を通って、排紙部22へと搬送される。
第1区間及び第2区間には、用紙Pの搬送をガイドするガイドプレート72が配設される。ガイドプレート72は、用紙Pの裏面に接するガイド面に多数の吸着孔(不図示)を有し、吸着孔から用紙Pを吸引する。これにより、チェーングリッパ64によってガイドプレート72上を搬送される用紙Pに張力(バックテンション)が付与される。
インク乾燥部21は、チェーングリッパ64の第1区間に設置される。インク乾燥部21は、描画部18による画像形成後の用紙Pを加熱して乾燥させ、用紙Pの表面に残存する液体成分を除去する。インク乾燥部21は、熱風を吹き出す加熱乾燥ユニット68を備える。加熱乾燥ユニット68の詳細な構成は図示しないが、加熱乾燥ユニット68は、ヒータとファンを組み合わせて構成することができる。加熱乾燥ユニット68は、ファンの送風断面内にヒータを設置した構成であってもよいし、用紙搬送方向に沿ってヒータとファンを交互に並べるなど、用紙搬送方向のヒータ位置と用紙搬送方向のファン位置とが異なる構成であってもよい。
加熱乾燥ユニット68は、チェーングリッパ64による用紙搬送部の内側に設置され、第1区間を搬送される用紙Pに熱風を供給し、乾燥を促進する。なお、第1区間のインク乾燥部21に加えて、第2区間にインク乾燥部(不図示)を設置する形態も可能である。また、紫外線硬化型のインクを使用する装置構成の場合、加熱乾燥ユニット68に代えて、又は、これと組み合わせて、紫外線照射ユニットを備える形態も可能である。
〈排紙部〉
排紙部22は、画像が形成された用紙Pを回収する。排紙部22は、用紙Pを積み重ねて回収する排紙台76を備える。グリッパ64Bは、排紙台76の上で用紙Pの把持を解除し、排紙台76の上に用紙Pをスタックさせる。排紙台76には、グリッパ64Bから解放された用紙Pが整然と積み重ねられるように、用紙Pの積み重ね位置を規制するための用紙当て(不図示)が備えられる。用紙当てには、前用紙当て、後用紙当て、横用紙当てのうち少なくとも一つが含まれる。また、排紙台76には、図示しない排紙台昇降装置が備えられ、最上位に位置する用紙Pが常に一定の高さに位置するように高さ調整される。
<外装パネルについて>
インクジェット記録装置10の外観は、概ね全体的に外装パネル80で覆われている。図1で説明した装置構成要素のうち、少なくとも、処理液付与部14、処理液乾燥部16、描画部18、後処理部20の周囲は、外装パネル80で覆われる構成が好ましい。給紙台30や排紙台76など一部の要素に関しては、用紙Pの出し入れの作業性などの観点から、外装パネルを省略する形態が可能である。
外装パネル80は、複数のパーツに分割された構成とすることができる。外装パネル80の分割形態や分割数について特に制限はなく、様々な設計が可能である。外装パネル80によって囲われている装置の内側の空間が「機内」、外装パネル80の外側の空間が「機外」に相当する。
<処理液乾燥部の詳細>
図2は処理液乾燥部16の部分を拡大して示した断面図である。図2は処理液乾燥胴46の回転軸46Cに垂直な面で切断した切断面を示す。
処理液乾燥胴46は、回転軸46Cを挟んで180度対向する位置にグリッパ46Aを具備する。グリッパ46Aは、用紙P(図2中不図示)の先端を掴んで、図2の時計回りに回転する。グリッパ46Aに把持された用紙P(図2中不図示)は、ガイド部材48と処理液乾燥胴46との隙間に形成される用紙搬送路を通って描画胴52へと搬送される。描画胴52が「第1搬送部」の一形態に相当し、処理液乾燥胴46が「第2搬送部」の一形態に相当する。
処理液乾燥胴46は外周面が開口しており、処理液乾燥胴46の内側に、2台の熱風ユニット50が配置されている。2台の熱風ユニット50は、ユニットフレーム92に固定されている。ユニットフレーム92は、処理液乾燥胴46の回転に対して非追従の構造で支持されており、処理液乾燥胴46が回転してもユニットフレーム92は回転せずに、熱風ユニット50を固定位置で保持することができる。
熱風ユニット50は、ヒータ94とファン96とが組み合わされた構成となっている。ヒータ94はファン96から見て送風方向下流側で、かつファン96の送風軸に直交する気流断面と重なる位置に設置されている。熱風ユニット50は、ヒータ94をONした状態でファン96を駆動することにより、送風口98から熱風を吹き出すことができる。熱風の温度と風量は、ヒータ94の温度設定と、ファン96の駆動デューティとの組み合わせによって制御される。ヒータ94の加熱温度は、ヒータ94に供給する電圧と電流によって調整することができる。また、熱風ユニット50は、ヒータ94をOFFした状態でファン96を駆動することにより、送風口98から非加熱風を吹き出すことができる。なお、ヒータ94をONした状態がヒータ94の加熱状態であり、ヒータ94をOFFした状態がヒータ94の非加熱状態である。
熱風ユニット50の送風口98は、ガイド部材48と対面する方向に開口しており、処理液乾燥胴46の回転軸46Cから真下の重力方向に向かう鉛直線に対して斜め方向の下方に向かって熱風又は非加熱風を吹き出す。
2台の熱風ユニット50のうち、処理液付与胴42に近い側に設置されている熱風ユニット50を「上流側の熱風ユニット50」と呼び、描画胴52に近い側に設置されている熱風ユニット50を「下流側の熱風ユニット50」と呼ぶことにする。上流側の熱風ユニット50の送風口98は、図2において概ね「4時」の方向に向いている。下流側の熱風ユニット50の送風口98は、図2において概ね「8時」の方向に向いている。ただし、各熱風ユニット50の送風方向については、この例に限定されない。
ユニットフレーム92には、熱風ユニット50の他に、温度センサ100とファン102が取り付けられている。温度センサ100は、描画胴52の温度を検出する手段であり、「温度検出部」の一形態である。温度センサ100として、放射温度計を用いることができる。温度センサ100によって描画部52の温度が測定される。温度センサ100は描画胴52の温度を検出するという目的を達成できる範囲で他の場所に設置することができる。ファン102は、ユニットフレーム92の外側から、ユニットフレーム92の内側に向かって空気を取り込む気流を発生させる。
また、処理液乾燥部16の上部を覆う天面外装パネル81の一部に、吸気部47が設けられている。吸気部47には吸気ファン49が取り付けられている。吸気ファン49は、機外から機内に向かって空気を取り込む気流を発生させる。吸気ファン49を具備した吸気部47と、ガイド部材48の裏側に設置される排気ダクト51との間に、熱風ユニット50のファン96が配置される構成とし、吸気部47と、ファン96と、排気ダクト51との三者が概ね直線上に並ぶ配置形態とすることが好ましい。
このような構成により、処理液乾燥部16内の加熱空気をガイド部材48の外側に排出しやすいものとなる。
<熱風ユニット50の構成例>
図3は熱風ユニット50の外観を示す斜視図であり、図4は図3における側面板の一部を取り外した図である。これらの図面に示されているように、熱風ユニット50は、ファン96と、ヒータ94と、側面板110、112とを備えている。ファン96は軸流ファンである。熱風ユニット50は、図2で説明した処理液乾燥胴46の回転軸46Cの方向に沿って複数個のファン96が並んで配置されている。図3及び図4では9個のファン96を一列に並べた構成を例示しているが、ファン96の個数や配列形態についてはこの例に限定されない。
ヒータ94には、抵抗線ヒータを用いることができる。ヒータ94は円柱形状を有し(図4参照)、ファン96の並び方向である長手方向と平行に設置される。
側面板110、112は、熱風ユニット50の長手方向に沿った側面を覆う部材である。二枚の側面板110、112が囲われる空間の内側にヒータ94が収容される。側面板110、112の下端部に送風口98となる矩形スリット状の送風ノズル開口が形成される。
<ガイド部材48の構成例>
図5はガイド部材48の構成例を示す斜視図である。図5では、図2で説明した下流側の熱風ユニット50に対面するガイド部材48の一部を示した。
ガイド部材48は、用紙P(図5中不図示)の搬送を補助するガイド面120を有する。ガイド部材48には、通気用の開口部122と、通気孔124が形成されている。開口部122と通気孔124は、熱風ユニット50(図5中不図示)から吹き出される風を、ガイド部材48のガイド面120よりも重力方向下側の下部領域へと逃がすための貫通孔となっている。
開口部122は、熱風ユニット50(図5中不図示)の送風口98と対面する対向位置に形成されている。すなわち、開口部122は、図2で説明した熱風ユニット50のファン96と排気ダクト51の間に配置される。また、図5に示したように、通気孔124は、ガイド部材48のガイド面120に複数個形成される。複数個の通気孔124は、規則的な配列パターンで配列されている。複数の通気孔124の一部又は全部について、回転体部材126が設けられている。回転体部材126は、用紙搬送方向に直交する用紙幅方向と平行な軸を回転軸として回転する。回転体部材126の一部は通気孔124からガイド面120よりも上方に出ている。
図2で説明した熱風ユニット50の送風口98から吹き付けられる風によって用紙Pがガイド部材48に押し付けられた場合でも、回転体部材126が用紙Pの搬送に伴って回転することにより、用紙Pが円滑に搬送され、用紙Pの裏面の損傷を防止することができる。なお、回転体部材126として、球形のベアリング等を用いることもできる。
ガイド部材48のガイド面120の反対側、すなわち、ガイド部材48の下方には、排気ダクト51と、排気ダクト51の周囲を囲う回収ダクト130とが設置される。回収ダクト130は、開口部122及び通気孔124を通してガイド面120の裏側へと移動した空気を収容する空間となる回収空気室を形成する。
排気ダクト51は回収ダクト130に連結されている。ガイド部材48の開口部122又は通気孔124を介して回収ダクト130の内部に流入した空気は、排気ダクト51を介して機外へ排気される。排気ダクト51は「排気機構」の一形態に相当する。
図6はガイド部材48のガイド面120の平面展開図である。図6では図5で説明した回転体部材126の記載を省略した。図6の縦方向が用紙搬送方向であり、横方向が用紙幅方向である。用紙搬送方向をY方向、用紙幅方向をX方向として図示した。X方向が主走査方向に相当し、Y方向が副走査方向に相当する。
図6において破線で示した矩形領域は、図2から図4で説明した熱風ユニット50の送風口98を投影した領域である。ガイド部材48における開口部122は、熱風ユニット50の送風口98と対向する位置に形成される。開口部122のY方向幅L1は、送風口98のY方向幅L2以上であり、かつ、印刷可能な最小用紙サイズ未満であることが好ましい。また、開口部122のX方向の全幅W1は、送風口98のX方向幅W2以上であることが好ましい。図6の例では、複数の開口部122がX方向に並んで配置され、隣り合う開口部122の間に非開口領域123を有しているが、非開口領域123を省略して、単一の開口部を形成することも可能である。
図6のように、X方向に沿って複数の開口部122を有する場合のW1は、複数の開口部122の集合による領域についてのX方向の一方の端から他方の端までの寸法を意味する。
開口部122の上に用紙Pが存在する場合には、送風口98から吹き出された熱風が用紙Pの記録面に当たる。開口部122の上に用紙Pが存在しない場合には、送風口98から吹き出された熱風が開口部122を通ってガイド面120の裏側の下部領域へと逃げる。
通気孔124についても同様であり、通気孔124の上に用紙Pが存在しない場合に、熱風は通気孔124を通ってガイド面120の裏側の下部領域へと逃げる。ガイド面120における開口部122や通気孔124の開口率を高める構成とすることにより、排気効率を一層高めることができる。
<開口部122の代替構造について>
ガイド部材48に常時開口した開口部122を設ける形態に代えて、開閉機構を採用する形態も可能である。図7(A)(B)はガイド部材48に設ける開閉機構140の模式図である。図7(A)は開閉機構140における開状態を示し、図7(B)は開閉機構140における閉状態を示している。図5及び図6で説明した開口部122の部分に図7(A)(B)に示す開閉機構140を採用することができる。
開閉機構140は、ガイド部材48におけるガイド面120の一部に形成された通気用開口部142を閉ざす可動部144を有する。可動部144は、回転軸146を中心に回転可能に支持されている。可動部144は、図2で説明した熱風ユニット50から吹き出される風の力によって、図7(A)に示すように、押し下げられ、通気用開口部142が開状態となる。
可動部144は、図示せぬ弾性部材によって、通気用開口部142を閉ざす方向に付勢されている。このため、通気用開口部142の上に用紙Pが存在して、熱風ユニット50からの風の力が可動部144に作用しない状態になると、弾性部材(不図示)の付勢力によって、図7(B)に示したように、閉状態となる。
このように熱風ユニット50からの風の力で押し開けられる開閉機構140を備える形態とすることができる。
<排気ダクト51について>
図8は排気ダクト51の例を示す斜視図である。図8に例示した排気ダクト51は、周面の上部に複数の吸気口152を有する。吸気口152は、図2で説明した処理液乾燥胴46に向かって開口している。図8に示すように、これらの吸気口152を通じて排気ダクト51の内部に空気が取り込まれる。排気ダクト51は、図5で説明した回収ダクト130の内側に設置される。なお、回収ダクト130を省略して、排気ダクト51の吸気口152から直接、排気ダクト51内に空気を回収する形態とすることも可能である。
排気ダクト51の形態については、様々な設計が可能である。図8で例示した形態に代えて、単純な筒形状のものでもよい。
図5から図8で説明した排気用の構造と同様の構造を、上流側の熱風ユニット50に対する排気用の構造として採用することが可能である。
<温度センサ100の設置場所に関する他の例>
図9は温度センサ100の設置場所に関する他の例を示した要部構成図である。図9において、図1及び図2で説明した構成と同一又は類似の要素には同一の部材を付し、その説明は省略する。
図9に示す例では、描画胴52の温度を測定するための温度センサ100が描画胴52の下方に設置されている。処理液乾燥部16からの熱の影響による描画胴52の温度変化を早期に把握するために、描画胴52における処理液乾燥胴46に近い側の温度を測定する構成が好ましい。
<制御系の説明>
図10はインクジェット記録装置10の制御系の概略構成を示すブロック図である。同図に示すように、インクジェット記録装置10は、システムコントローラ200、通信部202、画像メモリ204、給紙制御部210、搬送制御部212、処理液付与制御部214、処理液乾燥制御部216、画像形成制御部218、インク乾燥制御部220、排紙制御部224、操作部230、表示部232、パラメータ記憶部234、プログラム格納部236を備える。
システムコントローラ200は、インクジェット記録装置10の各部を統括制御する制御手段として機能し、かつ、各種演算処理を行う演算手段として機能する。システムコントローラ200は、CPU(Central Processing Unit)200A及び、ROM(Read Only Memory)200B、RAM(Random Access Memory)200Cを内蔵している。なお、ROM200B、RAM200C等のメモリは、システムコントローラ200の外部に設けられていてもよい。
通信部202は、所要の通信プロトコルに対応した通信インターフェースを備える。インクジェット記録装置10は、通信部202を通じて接続されたホストコンピュータ300との間でデータの送受信を行うことができる。通信部202による通信方法は、有線、無線を問わない。
画像メモリ204は、画像データを含む各種データの一時記憶手段として機能し、システムコントローラ200を通じてデータの読み書きが行われる。通信部202を介してホストコンピュータ300から取り込まれた画像データは、一旦画像メモリ204に格納される。
給紙制御部210は、システムコントローラ200からの指令に応じて、給紙部12の各部の動作を制御する。「給紙部12の各部の動作」には、図1で説明した給紙装置32の動作、給紙ローラ対34の駆動、フィーダボード36の駆動等が含まれる。
図10の搬送制御部212は、インクジェット記録装置10における用紙Pの搬送系240の動作を制御する。搬送系240には、図1で説明した給紙胴40、処理液付与胴42、処理液乾燥胴46、描画胴52、チェーングリッパ64が含まれ、これらを駆動するための動力源となるモータが含まれる。
図10の処理液付与制御部214は、システムコントローラ200からの指令に応じて、処理液付与部14における処理液の付与動作を制御する。処理液の付与動作の制御には、図1で説明した処理液塗布装置44による処理液の付与量や付与タイミング等の制御が含まれる。
図10の処理液乾燥制御部216は、システムコントローラ200からの指令に応じて、処理液乾燥部16の各部の動作を制御する。すなわち、処理液乾燥制御部216は、図2−6で説明した熱風ユニット50のヒータ94とファン96の駆動を制御し、乾燥温度、送風気体の送風量、送風のタイミングなど、処理液乾燥部16の動作を制御する。
図10の画像形成制御部218は、システムコントローラ200からの指令に応じて、各インクジェットヘッド56M,56K,56C,56Yのインク吐出動作を制御し、用紙P上への画像形成の動作を制御する。
画像形成制御部218は、画像処理部252と、波形生成部254と、ヘッド駆動回路256とを含んで構成される。画像処理部252は、入力画像データから印刷用のドットデータを生成する。画像処理部252は、印刷画像の内容を規定した連続調画像のデータに対して、色変換処理、階調変換処理、ムラ補正等の補正処理、ハーフトーン処理などの各種処理を行う処理部が含まれる。
波形生成部254は、インクジェットヘッド56M,56K,56C,56Yの吐出エネルギー発生素子を動作させるための駆動電圧の波形を生成する。波形生成部254には、駆動波形のデータを記録する波形記憶部(不図示)が含まれる。
ヘッド駆動回路256は、各インクジェットヘッド56M,56K,56C,56Yに対して、吐出駆動用の駆動電圧と、ドットデータに応じた吐出制御信号とを生成する。
画像処理部252による処理を経て生成されたドットデータに基づいて、各画素位置の打滴タイミングやインク打滴量が決められ、各画素位置の打滴タイミングを示す吐出制御信号と、インク打滴量に応じた駆動電圧が決定される。
ヘッド駆動回路256によって生成される駆動電圧と吐出制御信号がインクジェットヘッド56M,56K,56C,56Yへ供給され、インクジェットヘッド56M,56K,56C,56Yの吐出液滴量(打滴量)や、吐出タイミングの制御が行われる。
インクジェットヘッド56M,56K,56C,56Yから打滴されたインク液滴によって用紙P上にドットが形成される。
インク乾燥制御部220は、システムコントローラ200からの指令に応じて、インク乾燥部21の動作を制御する。インク乾燥制御部220は、図1で説明した加熱乾燥ユニット68の動作を制御し、乾燥温度、乾燥風の風量、乾燥気体の噴射タイミングなど、を制御する。
図10の排紙制御部224は、システムコントローラ200からの指令に応じて、排紙台76(図1参照)に用紙Pがスタックされるように、排紙部22の動作を制御する。
操作部230と表示部232はユーザインターフェース(UI)として機能する。操作部230に、キーボード、マウス、タッチパネル、トラックボール、操作ボタンなど、各種の手段を採用することができ、これらの適宜の組み合わせであってもよい。
操作部230から入力された情報はシステムコントローラ200に送られる。システムコントローラ200は、操作部230からの情報に応じて各種処理を実行する。
表示部232は、液晶表示パネル等の表示装置を備える。表示部232はシステムコントローラ200からの指令に応じて、装置の各種設定情報、異常情報などの情報を表示する。操作者(オペレータ)であるユーザは、表示部232の画面に表示される内容を見ながら操作部230を使って印刷条件の入力、画質モードの選択、付属情報の入力や編集、情報の検索など各種情報の入力を行うことができる。また、ユーザは、表示部232の表示を通じて、入力内容その他の各種情報を確認することができ、システムの状態や動作状況などを把握することが可能である。
パラメータ記憶部234は、インクジェット記録装置10に使用される各種パラメータが記憶される手段である。パラメータ記憶部234に記憶されるパラメータには、制御に必要な設定値や閾値のデータが含まれる。パラメータ記憶部234に記憶されている各種パラメータは、システムコントローラ200を介して読み出され、装置各部に設定される。
プログラム格納部236は、インクジェット記録装置10の各部に使用されるプログラムが格納される手段である。プログラム格納部236に格納されている各種プログラムは、システムコントローラ200を介して読み出され、装置各部において実行される。なお、後述する冷却処理を含む制御プログラムは、プログラム格納部236に格納されるプログラムの一つである。
図11はインクジェット記録装置10における描画部18の温度上昇を抑制する制御に関する要部ブロック図である。図11に示した制御部260は、図10で説明したシステムコントローラ200と処理液乾燥制御部216とを組み合わせたブロックである。
処理液乾燥制御部216は、ヒータドライバ262、ファンドライバ264、吸気ファンドライバ266を含む。ヒータドライバ262はシステムコントローラ200からの指令に従い、熱風ユニット50のヒータ94を駆動する。ヒータドライバ262からヒータ94に供給されるヒータ駆動信号によってヒータ94のオン/オフの切り換えや、加熱温度の調整が行われる。
ファンドライバ264はシステムコントローラ200からの指令に従い、熱風ユニット50のファン96を駆動する。ファンドライバ264からファン96に供給されるファン駆動信号によってファン96のオン/オフの切り換えや、風量の調整が行われる。風量の調整はファン96の回転速度を制御することにより調整することができる。
吸気ファンドライバ266はシステムコントローラ200からの指令に従い、吸気ファン49を駆動する。吸気ファンドライバ266から吸気ファン49に供給されるファン駆動信号によって吸気ファン49のオン/オフの切り換えや、風量の調整が行われる。
制御部260は、温度センサ100から得られる温度検出信号や操作部230から入力される入力信号に基づき、ヒータ94、ファン96、並びに、吸気ファン49の駆動を制御する。
また、インクジェット記録装置10には、排気装置280が接続されている。排気装置280は、排気制御部282と、排気ファンドライバ284と、排気ファン286とを備える。排気装置280は、図2で説明した排気ダクト51に接続され、排気ダクト51内の空気を強制的に機外へ排出する排気方向の気流を発生される装置である。排気装置280は、インクジェット記録装置10とは別体の装置として構成されており、図示せぬ管路を介して、排気ダクト51に接続される。
排気制御部282は排気ファン286の駆動を制御する。排気ファンドライバ284は、排気制御部282からの指令に従い、排気ファン286を駆動する。
排気制御部282はシステムコントローラ200と連携して、排気ファン286の駆動を制御してもよいし、システムコントローラ200から独立して排気ファン286を制御する構成でもよい。
なお、排気装置280の構成をインクジェット記録装置10に搭載する形態も可能である。その場合、システムコントローラ200と排気制御部282とを統合した制御部を構成することも可能である。
<制御方法の例>
次に、インクジェット記録装置10における描画部18の温度上昇を抑制する制御の具体例を説明する。図12では、図11で説明した熱風ユニット50のヒータ94と、熱風ユニット50のファン96と、排気装置280の排気ファン286と、吸気ファン49の各要素について、印刷状態と、冷却処理中の状態と、印刷可能状態である印刷待機状態とのそれぞれの状態で制御されるON/OFFの状況を図表にまとめたものである。
印刷ジョブの実行によって目的の印刷画像を印刷している印刷状態では、ヒータ94、ファン96、排気ファン286、吸気ファン49の全ての要素がONとなる。すなわち、印刷状態では、ヒータ94による加熱が行われ、かつファン96による送風が行われて熱風ユニット50から熱風が吹き出される。また、印刷状態では、排気ファン286によって機内から機外へ強制的な排気が行われ、かつ、吸気ファン49の駆動によって機外から機内に空気が取り込まれる。
描画胴52の温度が上昇した場合には、冷却処理に移行する。冷却処理は、描画胴52を積極的に冷やして描画胴52の温度を下げるための空冷処理である。冷却処理の際には、熱風ユニット50のヒータ94を停止させ、ヒータ94の非加熱状態で、かつファン96による送風が行われる。この非加熱風は冷却用の気流として機能する。
また、冷却処理の際には、排気ファン286によって機内から機外へ強制的な排気が行われ、かつ、吸気ファン49の駆動によって機外から新鮮な空気が機内に取り込まれる。冷却処理を実施する制御が「冷却制御」の一形態に相当する。
描画部18の温度が許容範囲内となった印刷可能な待機状態の場合には、熱風ユニット50のヒータ94とファン96、並びに吸気ファン49をすべてOFFとし、排気ファン286のみをONとする。なお、排気ファン286は、印刷状態、冷却処理状態、印刷可能な待機状態を通じて、常時ONの状態となっている。
熱風ユニット50のヒータ94とファン96はともに、印刷の開始/終了に連動して、ON/OFFの切り換えが行われる。
図13はインクジェット記録装置10における描画部18の温度上昇を抑制する制御の例を示したフローチャートである。
図13の制御の処理がスタートすると、描画胴52の温度の監視が行われる(ステップS12)。すなわち、温度センサ100によって描画胴52の温度が測定される。ステップS12で測定された描画胴52の温度と予め定められている閾値との比較が行われ、描画胴52の温度が閾値以上に上昇したか否かが判断される(ステップS14)。閾値は、描画胴52の温度の許容上限を規定する値として設定されている。
描画胴52の温度が閾値未満である場合には、現状が維持される(ステップS16)。「現状が維持される」とは、印刷状態、冷却処理中の状態、印刷待機状態のそれぞれの状態において図12で説明した制御内容が維持されることを意味する。
ステップS14において、描画胴52の温度が閾値以上である場合は、ステップS18に進み、印刷中であるか否かの判断がなされる。印刷の実行中である場合にはステップS18でYes判定となり、ステップS20へ進む。ステップS20では、描画胴52の温度が閾値以上に上昇した旨をユーザに提示する警告表示が行われる。警告表示は、図10及び図11で説明した表示部232に表示される。表示部232は「警告提示部」の一形態に相当する。表示部232による警告表示に代えて、又は、これと組み合わせて、音声による警告提示やランプ点灯/点滅などによる警告提示の手段を採用してもよい。
ステップS20の警告表示に加え、ユーザからの印刷停止の指示を受け付ける(ステップS22)。ユーザは操作部230(図10及び図11参照)から印刷停止の指示を入力することができる。
次いで、印刷を継続するか否かの判断が行われる(ステップS24)。ユーザから印刷停止の指示が入力されていない場合はステップS24にてYes判定となり、印刷状態が維持される(ステップS26)。その一方、ユーザから印刷停止の指示が入力された場合はステップS24にてNo判定となり、印刷を停止して(ステップS28)、冷却処理(ステップS30)に移行する。
また、ステップS18においてNo判定の場合、つまり、ステップS18において印刷中ではない場合においても、ステップS30の冷却処理に移行する。
ステップS26の後、又はステップS30の後はステップS32に進み、処理を終了するか否かの判断を行う。
印刷ジョブが未完了の場合や連続印刷の継続中などの場合はステップS32でNo判定となり、ステップS12に戻る。その一方、ステップS32において、印刷ジョブが完了した場合や、ユーザが印刷終了の指示を入力した場合などは、ステップS32でYes判定となり、制御処理を終了する。
図14は、冷却処理(図13のステップS30)の内容を示したフローチャートである。冷却処理に移行すると、熱風ユニット50のヒータ94をOFFにする(ステップS62)。また、熱風ユニット50のファン96はON(ステップS64)、排気ファン286はON(ステップS66)、吸気ファン49はON(ステップS68)の状態とする。なお、ステップS64からステップS68は印刷状態からそのまま引き継ぐことができる。図14では便宜上、ステップS62からステップS68の順番で示しているが、図12で説明した各要素のON/OFFの組み合わせが実現できればよい。
次いで、描画胴52の温度が閾値を下回ったか否かの判断が行われる(ステップS70)。ステップS70で用いる閾値は、図13のステップS14で説明した閾値と同じ値とすることができる。また、ステップS70で用いる閾値は、図13のステップS14で説明した閾値よりも小さい値とすることもできる。温度センサ100によって描画胴52の温度が測定され、描画胴52の温度が閾値未満になったか否が判断される。
描画胴52の温度が閾値以上である場合は、ステップS70でNo判定となり、現状の冷却処理の状態が継続される。描画胴52の温度が閾値未満に低下したことが確認されると、ステップS70でYes判定となり、印刷可能状態へ移行する(ステップS80)。印刷可能状態は、図12の「印刷可能(待機)状態」として記載した状態である。
すなわち図14のステップS80で印刷可能状態へ移行すると、熱風ユニット50のヒータ94はOFFの状態とし(ステップS82)、ファン96もOFFにする(ステップS84)。排気ファンはONの状態とし(ステップS86)、吸気ファン49をOFFにする(ステップS88)。
なお、ステップS82とステップS86は、それぞれステップS62とステップS66の状態からそのまま、それぞれの状態を引き継ぐことができる。図14では便宜上、ステップS82からステップS88の順番で示しているが、図12で説明した各要素のON/OFFの組み合わせが実現できればよい。
図14のステップS88の後は、図13のフローチャートに復帰する。
図13及び図14で説明したフローチャートによれば、印刷ジョブと印刷ジョブとの間や、ユーザによる印刷停止の指示に基づく印刷停止中など、印刷を実行していない非印刷期間に冷却処理を行うことができる。図13のステップS22に対して、ユーザが印刷停止の指示を入力しない場合には、開始中の印刷ジョブはそのまま継続され、当該印刷ジョブの終了後、次の印刷ジョブを開始するまでの非印刷中である印刷ジョブ間に冷却処理に移行することになる。
仮に、印刷ジョブの実行中に冷却処理を実施すると、印刷中に乾燥条件が変化して、乾燥ムラが発生することが懸念されるが、非印刷期間に冷却処理を行うことで、そのような乾燥ムラを回避することができる。
<インクについて>
本実施形態に用いるインクは、溶媒不溶性材料として、色材(着色剤)である顔料やポリマー微粒子などを含有する水性顔料インクが用いることができる。
色材は、顔料或いは染料と顔料とを混合して用いることができる。処理液との接触時における凝集性の観点から、インク中で分散状態にある顔料の方がより効果的に凝集するため好ましい。また、インクには、処理液と反応する成分として、着色剤を含まないポリマー微粒子を添加することが好ましい。ポリマー微粒子は、処理液との反応によりインクの増粘作用、凝集作用を強め、画像品位の向上させることができる。また、ポリマー微粒子の種類によっては、ポリマー微粒子が記録媒体で皮膜を形成し、画像の耐擦性、耐水性をも向上させる効果を有する。
<処理液について>
本発明の実施に際して用いる処理液(凝集処理液)として、インクのpHを変化させることにより、インクに含有される顔料およびポリマー微粒子を凝集させ、凝集物を生じさせるような処理液が好ましい。
処理液の成分として、ポリアクリル酸、酢酸、グリコール酸、マロン酸、リンゴ酸、マレイン酸、アスコルビン酸、コハク酸、グルタル酸、フマル酸、クエン酸、酒石酸、乳酸、スルホン酸、オルトリン酸、ピロリドンカルボン酸、ピロンカルボン酸、ピロールカルボン酸、フランカルボン酸、ビリジンカルボン酸、クマリン酸、チオフェンカルボン酸、ニコチン酸、若しくはこれらの化合物の誘導体、又はこれらの塩等の中から選ばれることが好ましい。
また、処理液の好ましい例として、多価金属塩あるいはポリアリルアミンを添加した処理液を挙げることができる。これらの化合物は、1種類で使用されてもよく、2種類以上併用されてもよい。その他必要に応じ、界面活性剤、pH緩衝剤、酸化防止剤、防カビ剤、粘度調整剤、導電剤、紫外線吸収剤等も添加することができる。
<実施形態による利点>
本例のインクジェット記録装置10によれば、次のような利点がある。
(1)描画部18に隣接する処理液乾燥部16の排気性能が強化されているため、処理液乾燥部16に熱がこもりにくく、描画胴52の温度の上昇そのものを抑制する効果がある。
(2)処理液乾燥部16における排気強化の構成に加えて、吸気部47を通じて機外から相対的に湿度の低い空気を取り込んでいるため、処理液乾燥部16に熱をこもらせることなく、熱風ユニット50からの熱風によって十分な乾燥を実現できる。また、処理液乾燥部16の空気循環が強化されており、温度上昇の抑制効果、空冷の冷却効果が高められている。
(3)さらに、描画胴52の温度が上昇したとしても、熱風ユニット50のヒータ94を止めて、ファン96のみを駆動する非加熱の送風を行うことで、排気強化の構成と相まって、描画胴52を空冷し、描画胴52の温度を下げる冷却効果を得ることができる。
(4)従来の装置構成では、処理液乾燥部によって処理液を乾燥させたときに発生する湿気が描画部にあるインクジェットヘッドのノズル面を結露させるという課題があるが、この点、本実施形態によれば、処理液乾燥部16によって処理液を乾燥させたときに発生する湿気が排気ダクト51を通じて機外に排出されるため、描画部18周辺の湿度上昇が抑制される。これにより、本実施形態のインクジェット記録装置10は、従来の装置構成と比較してノズル面の結露が発生しにくい。
(5)従来、描画部の前段に処理液乾燥部を有し、かつ描画部の後段にインク乾燥部を有する装置構成の場合、描画部の前後両方から、熱が伝搬して描画部の温度を上昇させてしまうという課題があるが、この点、本実施形態によれば、描画部の温度上昇を効果的に抑制することができる。
(6)描画部の温度上昇に起因する画像不良等の発生を抑制することができる。すなわち、本実施形態によれば、処理液乾燥部16の排気強化によって温度と湿度の上昇が抑制され、さらに、ヒータ94をOFFにした非加熱送風による積極的な冷却制御により、描画部18の温度を下げることができる。これにより、結露が防止され、画像欠陥を回避できる。
<変形例1>
第1実施形態では、描画部の手前に隣接する処理液乾燥部についての排気構造と冷却制御並びに吸気構造の例を説明したが、これに代えて、又は、これと組み合わせて、描画部の後段に隣接するインク乾燥部について、同様の排気構造と冷却制御並びに吸気構造を採用する形態も可能である。
<変形例2>
第1実施形態では、描画胴52の温度を監視する手段として温度センサ100を備え、温度センサ100で監視した結果を隣接する処理液乾燥部16の制御にフィードバックする制御機構を備える例を説明したが、発明の実施に際して、温度センサ100を省略する形態も可能である。温度の測定結果に基づく冷却処理の実施を制御する構成に代えて、例えば、印刷の枚数や印刷時間に基づいて、冷却処理への移行を制御することも可能であり、また、印刷ジョブを完了する毎に、冷却処理を実施するという態様も可能である。なお、開始した冷却処理は時間管理によって終了させることができる。
<変形例3>
図13のステップS14では、閾値以上となった場合にYes判定とする例を説明したが、測定された温度が閾値と等しい場合の取り扱いについては、閾値の定め方によって変わり得る。すなわち、閾値の定め方によっては、ステップS14について、閾値を超えた場合にYes判定とし、閾値以下の場合にはNo判定とするという形態も可能である。
このように、測定された温度が閾値と一致する場合の取り扱いの任意性については、図14のステップS70についても同様である。
<変形例4>
第1実施形態では描画部18の上流側の処理液乾燥部16に関する構造と制御について説明したが、これに代えて、又は、これと組み合わせて、描画部18の下流側のインク乾燥部21について、同様の構造と制御を適用することも可能である。発明の実施に際して、処理液付与部や処理液乾燥部を省略する形態も可能であり、画像形成後のインク乾燥部について、上記と同様の構造と制御を適用する形態とすることができる。
<変形例5>
第1実施形態では、記録媒体として枚葉紙(カット紙)を用いる例を説明したが、連続用紙(ロール紙)から必要なサイズに切断して給紙する構成も可能である。「記録媒体」は、印字媒体、被記録媒体、被画像形成媒体、受像媒体、被吐出媒体など様々な用語で呼ばれるものが含まれる。本発明の実施に際して、記録媒体の材質や形状等は、特に限定されない。シール用紙、樹脂シート、フィルム、布、不織布、ゴムシート、その他材質や形状を問わず、様々なシート体を用いることができる。
<変形例6>
第1実施形態では、用紙Pの搬送手段として、ドラム搬送方式とチェーン搬送方式とを組み合わせた用紙搬送系を採用した印刷装置の例を説明したが、用紙搬送手段は、この例に限らない。用紙搬送手段として、ドラム搬送方式、フラット搬送方式、ベルト搬送方式、ニップ搬送方式、チェーン搬送方式など、各種の搬送方式を採用することができ、これらを適宜組み合わせることができる。
<記録媒体搬送装置について>
第1実施形態のインクジェット記録装置10における図2から図9で説明した処理液乾燥部16の構成と、図11から図14で説明した制御を行う制御部260とを組み合わせた構成は「記録媒体搬送装置」の一形態に相当する。
<第2実施形態>
図15は第2実施形態に係る印刷装置としてのインクジェット記録装置の要部構成図である。このインクジェット記録装置310は、用紙Pをフラットな状態で搬送するフラット搬送方式の印刷装置である。インクジェット記録装置310は、搬送ボード312と、インクジェットヘッド316M、316K、316C、316Yと、第1熱風ユニット320と、第2熱風ユニット322と、第1排気機構330と、第2排気機構332と、温度センサ100とを備える。
また、インクジェット記録装置310の天面外装パネル338には、第1吸気部340と第2吸気部342が設けられている。第1吸気部340には第1吸気ファン350が取り付けられており、第2吸気部342には第2吸気ファン352が取り付けられている。
搬送ボード312は、用紙Pのフラット搬送をガイドするガイド面312Aを有する。用紙Pは、搬送ボード312のガイド面312Aに沿って、図15の右から左へと搬送される。搬送ボード312は、「ガイド部材」の一形態に相当する。
用紙Pの搬送手段として、例えば、各用紙Pは図示せぬ搬送パレットその他の用紙保持部材に保持され、用紙Pを保持した用紙保持部材が不動の搬送ボード312の上を移動する形態とすることができる。また、搬送ボード312上に用紙Pを固定し、搬送ボード312とともに用紙Pを移動させる形態も可能である。
インクジェットヘッド316M、316K、316C、316Yは、第1実施形態で説明したインクジェットヘッド56M,56K、56C、56Yに対応するものである。
第1熱風ユニット320と第2熱風ユニット322は、図3及び図4で説明した熱風ユニット50と同様のものである。
搬送ボード312は、第1熱風ユニット320の送風口320Aから出る熱風を搬送ボード312の重力方向下側の下部領域へと逃がす通気用の開口部360を有する。また、搬送ボード312は、第2熱風ユニット322の送風口322Aから出る熱風を搬送ボード312の重力方向下側の下部領域へと逃がす通気用の開口部362を有する。
第1排気機構330と第2排気機構332は、第1実施形態で説明した排気ダクト51に対応するものである。第1排気機構330は搬送ボード312を挟んで第1熱風ユニット320と対向する位置に設置される。第2排気機構332は搬送ボード312を挟んで第2熱風ユニット322と対向する位置に設置される。
第1排気機構330と第2排気機構332は、図示せぬ排気装置に接続されている。第1排気機構330と第2排気機構332は、開口部360、362を介して搬送ボード312の下部領域に移動した空気を機外に排出する役割を果たす。
第1吸気部340は、第1熱風ユニット320の上方に設けられる。第2吸気部342は、第2熱風ユニット322の上方に設けられる。
図15に示したインクジェット記録装置310の構成において、インクジェットヘッド316M、316K、316C、316Yによる画像形成を行う領域が描画部370である。また、インクジェット記録装置310は描画部370を挟んで用紙搬送方向の上流側に第1乾燥部380を備え、描画部370の下流側に第2乾燥部382を備える。
第1乾燥部380は、第1実施形態の処理液乾燥部16に対応する役割を果たすものであり、第1熱風ユニット320によって処理液の乾燥を行う。
第2乾燥部382は、第1実施形態のインク乾燥部21に対応する役割を果たすものであり、第2熱風ユニット322によってインクの乾燥を行う。
第1熱風ユニット320や第2熱風ユニット322から吹き出された風は、搬送ボード312にあたって向きが変わり、搬送ボード312の上を流れる気流となる。
温度センサ100は、搬送ボード312における描画部370に対応する領域の温度を検出する。温度センサ100によって搬送ボード312の温度を測定し、閾値以上の温度が検出された場合に、その検出結果に基づき、第1熱風ユニット320及び第2熱風ユニット322のそれぞれのヒータをOFFにし、非加熱の送風を行う冷却処理の制御を行う。冷却処理の制御内容は第1実施形態で説明した例と同様である。
第1熱風ユニット320及び第2熱風ユニット322のそれぞれのヒータをOFFにした状態で、非加熱の送風を行うことにより、新鮮風をインクジェットヘッド316M、316K、316C、316Yのノズル面の下、すなわち、ノズル面と搬送ボード312との間に供給することができる。これにより、搬送ボード312の温度上昇が抑制され、ノズル面の結露を防止することができる。
図15に示す例では、搬送ボード312における描画部370に対応する領域の部分が「第1搬送部」の一形態に相当し、搬送ボード312における第1乾燥部380に対応する領域の部分が「第2搬送部」の一形態に相当する。
第2実施形態においても第1実施形態と同様の効果が得られる。
以上説明した本発明の実施形態は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜構成要件を変更、追加、削除することが可能である。本発明は以上説明した実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で当該分野の通常の知識を有するものにより、多くの変形が可能である。
10…インクジェット記録装置、14…処理液付与部、16…処理液乾燥部、18…描画部、46…処理液乾燥胴、46A…グリッパ、47…吸気部、48…ガイド部材、49…吸気ファン、50…熱風ユニット、51…排気ダクト、52…描画部、56M,56K,56C,56Y…インクジェットヘッド、94…ヒータ、96…ファン、98…送風口、100…温度センサ、120…ガイド面、122…開口部、126…通気孔、140…開閉機構、144…可動部、200…システムコントローラ、216…処理液乾燥制御部、280…排気装置、286…排気ファン、310…インクジェット記録装置、312…搬送ボード、316M,316K,316C,316Y…インクジェットヘッド、320…第1熱風ユニット、322…第2熱風ユニット、340…第1吸気部、342…第2吸気部、350…第1吸気ファン、352…第2吸気ファン、360,362…開口部、370…描画部、380…第1乾燥部、382…第2乾燥部、P…用紙

Claims (16)

  1. 記録媒体に画像を形成する描画部と、
    前記描画部に隣接する乾燥部であって、ヒータとファンとの組み合わせにより構成される熱風ユニットを有する乾燥部と、
    前記ヒータ及び前記ファンを制御する制御部と、
    前記熱風ユニットに対向して前記乾燥部における前記記録媒体の搬送路に沿って設置され、搬送中の前記記録媒体をガイドするガイド部材と、を備え、
    前記ガイド部材は、前記熱風ユニットから出された熱風を前記ガイド部材のガイド面よりも重力方向下側の下部領域へと逃がす開口部又は開閉機構を有し、
    前記ガイド部材の前記下部領域に、前記開口部又は前記開閉機構を通じて前記下部領域に流れた前記熱風を機外へ排出する排気機構が設けられ、
    前記制御部は、前記ヒータによる加熱を停止させ、かつ、前記ヒータの非加熱状態で前記ファンによる送風を実施することにより、前記描画部を冷やす冷却制御を行う、印刷装置。
  2. 前記ガイド部材における前記開口部又は前記開閉機構は、前記熱風ユニットの前記ファンと前記排気機構の間に配置される、請求項1記載の印刷装置。
  3. 前記ガイド部材は、前記熱風ユニットの送風口と対面する対向位置に、前記開口部又は前記開閉機構を有している、請求項1又は2に記載の印刷装置。
  4. 前記乾燥部には、機外から機内に気体を取り入れる吸気部及び吸気ファンを備える、請求項1から3のいずれか1項に記載の印刷装置。
  5. 前記吸気ファンが取り付けられた前記吸気部と前記排気機構との間に、前記熱風ユニットの前記ファンが配置される、請求項4に記載の印刷装置。
  6. 前記制御部は、前記描画部による画像の形成を実施していない非印刷中に前記冷却制御を行う、請求項1から5のいずれか1項に記載の印刷装置。
  7. 前記制御部は、印刷ジョブの終了後、次の印刷ジョブを開始するまでの前記非印刷中である印刷ジョブ間に前記冷却制御を行う、請求項6に記載の印刷装置。
  8. 前記描画部において前記記録媒体を搬送する第1搬送部と、
    前記第1搬送部の温度を検出する温度検出部と、
    を備え、
    前記制御部は、前記温度検出部から得られる温度の検出結果を基に前記冷却制御を行う、請求項1から7のいずれか1項に記載の印刷装置。
  9. 前記温度検出部により検出された温度が閾値を超えた場合に前記冷却制御が行われる、請求項8に記載の印刷装置。
  10. 前記乾燥部は、前記第1搬送部との間で記録媒体の受け渡しを行う第2搬送部を有し、
    前記第2搬送部の内側に前記熱風ユニットが配置されている、請求項8又は9に記載の印刷装置。
  11. 前記第1搬送部は、前記記録媒体を保持して回転する描画胴であり、前記第2搬送部は、前記記録媒体を把持するグリッパを具備した渡し胴である、請求項10に記載の印刷装置。
  12. 前記温度検出部により検出された温度が閾値を超えた場合に警告を提示する警告提示部を備える、請求項8から11のいずれか1項に記載の印刷装置。
  13. 前記描画部に、インクジェットヘッドを備える、請求項1から12のいずれか1項に記載の印刷装置。
  14. 前記排気機構を通じて前記熱風を機外に排出するための排気ファンを具備した排気装置を備える、請求項1から13のいずれか1項に記載の印刷装置。
  15. 前記描画部による画像の形成を行う前の前記記録媒体に対して処理液を付与する処理液付与部を有し、
    前記乾燥部は、前記描画部に対して、前記記録媒体の搬送方向の上流側に隣接しており、前記処理液付与部によって前記記録媒体に付与された処理液を乾燥させる、請求項1から14のいずれか1項に記載の印刷装置。
  16. 記録媒体に画像を形成する描画部に隣接する乾燥部であって、ヒータとファンとの組み合わせにより構成される熱風ユニットを有する乾燥部と、
    前記ヒータ及び前記ファンを制御する制御部と、
    前記熱風ユニットに対向して前記乾燥部における前記記録媒体の搬送路に沿って設置され、搬送中の前記記録媒体をガイドするガイド部材と、を備え、
    前記ガイド部材は、前記熱風ユニットから出された熱風を前記ガイド部材の重力方向下側の下部領域へと逃がす開口部又は開閉機構を有し、
    前記ガイド部材の前記下部領域に、前記開口部又は開閉機構を通じて前記下部領域に流れた前記熱風を機外へ排出する排気機構が設けられ、
    前記制御部は、前記ヒータによる加熱を停止させ、かつ、前記ヒータの非加熱状態で前記ファンによる送風を実施することにより、前記描画部を冷やす冷却制御を行う、記録媒体搬送装置。
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