JP2015216761A - 絶縁型直流電源装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 トランスの一次側巻線に流れる電流を電流検出素子により変換された電圧とトランスの二次側からの出力電圧検出信号が入力されることでスイッチング素子をオン、オフ制御する一次側制御回路と、出力電圧に基づいて出力電圧検出信号を生成する信号生成回路を含む二次側回路とを有する絶縁型直流電源装置において、トランスの二次側巻線と同一極性の補助巻線と該補助巻線の誘起電圧を分圧する手段とを設け、トランスの一次側に、入力抵抗素子を介して電流検出素子と並列に接続された抵抗調整用素子を有する切替手段を設け、切替手段は補助巻線に誘起される電圧の電位に応じて抵抗調整用素子の電流経路を切り替えるようにした。
【選択図】 図1
Description
近年、マイコン周辺機器等の多様化に伴い、AC−DCコンバータに対して、例えば20V/5Aや5V/2Aのような複数の出力電力の直流電圧のいずれかに切り替えて使用できる機能を有することが望まれており、例えばUSB−PD仕様において要求されている。
そこで、スイッチング素子と直列に接続されている電流検出用の抵抗と並列に切り替え用の抵抗を設け、出力電力を切り替える際には、制御ICに帰還する電流検出値のレベルを切り替えるようにした直流電源装置に関する発明が提案されている(例えば特許文献1参照)。
また、本発明の他の目的は、出力電圧が大きいか小さいかを自ら判定して電流検出用抵抗の調整用抵抗の接続状態を切り替えることができる絶縁型直流電源装置を提供することにある。
電圧変換用のトランスと、該トランスの一次側巻線に電流を流すためのスイッチング素子と、前記トランスの一次側巻線に流れる電流を検出するための電流検出素子と、該電流検出素子により変換された電圧と前記トランスの二次側からのフィードバック電圧が入力されることで前記スイッチング素子をオン、オフ制御する駆動パルスを生成し出力する一次側制御回路と、出力電圧に基づいて前記一次側制御回路へ供給するフィードバック電圧を生成するフィードバック電圧生成手段を含む二次側回路と、を有する絶縁型直流電源装置であって、
前記トランスは、前記二次側巻線と同一極性の電圧を誘起する補助巻線を備え、
前記トランスの一次側には、
前記電流検出素子により変換された電圧が入力される前記一次側制御回路の電流検出端子と、前記電流検出素子の電圧取り出し側の端子との間に接続された抵抗素子と、
前記抵抗素子を介して前記電流検出素子と並列に接続された1または2以上の抵抗調整用素子を備えた切替手段と、が設けられ、
前記切替手段は、前記補助巻線に誘起される電圧の電位に応じて前記抵抗調整用素子の電流経路を切り替えて、前記一次側制御回路へ入力される電圧を変化させるように構成した。
上記のような構成を有する絶縁型直流電源装置によれば、複数の出力電圧のいずれかを選択して切り替えた場合に、電流検出用抵抗を最適化したのと同等の結果が得られるため、選択された出力電圧が大きいか小さいかによって電力効率が著しく異なったり、偏った制御が実行されてしまうのを防止することができる。
前記補助巻線の一方の端子に接続された整流・平滑回路の出力端と接地点との間に接続された分圧回路と、
前記抵抗調整用素子と直列形態に接続され前記分圧回路で分圧された電圧によってオン状態またはオフ状態にされるスイッチ手段と、を備え、
前記トランスの二次側から出力すべき電圧の値に応じて、
二次側から出力すべき電圧が第1の値である場合に前記スイッチ手段がオン状態にされ、二次側から出力すべき電圧が第2の値である場合に前記スイッチ手段がオフ状態にされるように、前記分圧回路の分圧比が設定されているように構成する。
このような構成によれば、切替手段を比較的簡単な回路で実現することができ、素子数の増加を抑えるとともに所望の機能を有する回路を容易に設計することができる。
前記トランスの二次側の電圧を分圧する直列形態の分圧用抵抗素子と、
前記分圧用抵抗素子のいずれかの素子と並列に接続された1または2以上の抵抗調整素子および該抵抗調整素子に接続された二次側切替手段と、を備え、前記分圧用抵抗素子により分圧された電圧に基づいて前記一次側制御回路へ供給するフィードバック電圧を生成し、
前記二次側切替手段は、外部からの信号に基づいて前記抵抗調整素子の電流経路を切り替えて、前記一次側制御回路へ供給される前記フィードバック電圧を変化させるようにする。
前記二次側切替手段が、外部からの信号に基づいて前記2以上の抵抗調整素子の電流経路を切り替えることにより、複数の電圧の中のいずれか1つを選択して出力可能に構成する。
このような構成によれば、出力電圧を3段階以上の電圧値のいずれかに切り替えて出力させることができる。
前記通信手段は、前記容量素子を介して交流信号で外部装置と通信可能に構成する。
かかる構成によれば、直流電圧を出力するための端子とは別に通信用の端子を設けることなく外部装置と通信を行うことができ、該通信機能を用いて外部より二次側回路から出力すべき電圧値に関する情報を取得することができる。
図1は、本発明を適用した絶縁型直流電源装置としてのAC−DCコンバータの一実施形態を示す回路構成図である。
トランスT1の二次側には、二次側巻線Nsと直列に接続された整流用ダイオードD2と、このダイオードD2のカソード端子と二次側巻線Nsの他方の端子との間に接続された平滑用コンデンサC2とが設けられ、一次側巻線Npに間歇的に電流を流すことで二次側巻線Nsに誘起される交流電圧を整流し平滑することによって、一次側巻線Npと二次側巻線Nsとの巻数比に応じた直流電圧を出力する。また、二次側には、一次側のスイッチング動作で生じたスイッチングリップル・ノイズ等を遮断するためのフィルタを構成するコイルL3およびコンデンサC3が設けられており、このフィルタ用コイルL3と出力端子OUT1との間に、出力遮断用MOSトランジスタQ2とアイソレーション用コイルL4が直列に接続され、これらの素子を介して出力端子OUT1より直流電圧Voutが出力される
そして、トランスT1の一次側には、上記一次側制御用IC13のフィードバック端子FBと接地点との間に接続されフォトダイオード15aからの信号を受信する受光側素子としてのフォトトランジスタ15bが設けられている。一次側制御用IC13は、フィードバック端子FBへのフィードバック電圧VFBに応じて、スイッチング素子SW1のオン時間を制御する。
本実施形態のAC−DCコンバータにおいては、電流検出用抵抗Rsnsの抵抗値が、二次側の出力電圧Voutが5Vのように小さい場合に最適となるように設定されている。そして、電流検出端子CSと抵抗R2との接続ノードN2と接地点との間に、電流検出用抵抗Rsnsの見掛け上の抵抗値を切り替えるための切替回路14が設けられている。
図2に示すように、切替回路14は、電流検出端子CSと接地点との間に、抵抗R3およびスイッチとして機能するMOSトランジスタQ1が直列形態に接続されている。さらに、前記補助巻線Nbに誘起される電圧を平滑して一次側制御用IC13の動作電圧を生成する平滑用コンデンサC0と並列に、整流用ダイオードD0のカソード端子と接地点GNDとの間に接続された分圧用の抵抗R4,R5が設けられ、該抵抗R4とR5の接続ノードN3の電位が、上記スイッチMOSトランジスタQ1のゲート端子に印加されるように構成されている。
なお、抵抗R4とR5の抵抗比は、二次側の出力電圧Voutが小さい場合にはノードN3の電位によってスイッチMOSトランジスタQ1がオンされないような値に設定されている。したがって、出力電圧Voutが小さい場合には抵抗R3には電流が流れず、電流検出用抵抗Rsnsで生じた電圧がそのまま一次側制御用IC13の電流検出端子CSに印加される。
前述したように、補助巻線Nbには、二次側巻線Nsに誘起される交流電圧に比例した大きさの交流電圧が誘起される。そのため、二次側の出力レベルが切り替えられて出力電圧Voutが変化すると、補助巻線Nbに誘起される電圧もこれに比例して変化することとなる。また、抵抗R4とR5の抵抗比は、二次側の出力電圧Voutが小さい場合にはノードN3の電位によってスイッチMOSトランジスタQ1がオンされないような値に設定されているので、出力電圧Voutが小さい場合にはQ1はオフである。この状態で、二次側の出力レベルが高い方へ切り替えられて出力電圧Voutが高くなったとすると、補助巻線Nbに誘起される電圧も高くなる。
本実施形態のAC−DCコンバータは、USB規格のUSB−PD仕様に対応したAC−DCコンバータであり、二次側のフィルタ用のコイルL3と出力端子OUT1との間に設けられ、二次側に誘起された電力の出力を遮断したり許容したりするためのスイッチとして機能するMOSトランジスタQ2およびアイソレーション用コイルL4と、出力端子OUT1に接続されるUSB機器30に設けられる通信用チップ31と通信するための通信機能および上記MOSトランジスタQ2をオン、オフ制御する機能等を有する通信&制御回路21とが設けられている。
そして、上記フィードバック電圧VFBを生成するための分圧抵抗R11,R12のうち抵抗R12と並列に、調整用の抵抗R13,R14が設けられ、調整用抵抗R13,R14にはMOSトランジスタなどからなるスイッチS13,S14が接続され、該スイッチS13,S14は通信&制御回路21によってオンまたはオフ状態に制御されるように構成されている。
なお、この実施形態では、一次側の回路は、二次側制御回路20において出力電流調整用抵抗R23,R24の電流経路が切り替わってフィードバック電圧VFBの電位が変化しても切替回路14内のスイッチMOSトランジスタQ1(図2)のオン、オン状態を切り替えることはない、つまり電流検出用抵抗(Rsns)の見掛け上の抵抗値が切り替わることがないように、各回路や素子の定数が設定されている。出力電流の増減は、出力電圧の増減と異なり電流検出用抵抗(Rsns)の抵抗値を変えることなく切り替えても電力効率等が大きく変化することがないような回路定数の設計が可能なためである。
本実施形態のAC−DCコンバータの二次側出力端子OUT1は、USB規格で規定するVバス(VBUS)に接続される。そこで、通信&制御回路21は、カップリングコンデンサC11を介して出力端子OUT1に接続されるとともに、USB機器側の通信用チップ31もカップリングコンデンサC12を介してVバス端子VBusに接続され、交流信号によるシリアル通信が行えるように構成されている。
本実施形態のAC−DCコンバータにおいては、上記のような構成を採用することで、例えば5V/2A(10W)、12V/3A(36W)、12V/5A(60W)、20V/3A(60W)、20V/5A(100W)のような複数の出力電圧/出力電流の中からいずれかを選択して出力できるようになっている。
第1の変形例は、図4に示すように、図2に示す分圧用の抵抗R4をツェナーダイオードD4に置き換えたものである。なお、それ以外の構成は、図1に示すAC−DCコンバータと同じであり、動作も図1に示すAC−DCコンバータとほぼ同じである。
本変形例のように、調整用の抵抗と該抵抗の電流経路を切り替える切替手段を2組設けることによって、例えば出力電圧のレベルが5V、12V、20Vのように3段階あるような場合に、各出力レベルに応じて電流検出端子CSに印加される電流検出電圧を調整することができ、電流検出用抵抗Rsnsを最適化したのと同等の結果が得られるという利点がある。
第2の実施形態は、図6に示すように、ダイオード・ブリッジ回路12とトランスT1との間に、力率改善用IC41と、該力率改善用IC41によってオン、オフ制御されるスイッチング素子SW2と、該スイッチング素子SW2と直列に接続された電流検出用抵抗Rsなどからなる力率改善回路40を設けたものである。
本実施形態のように力率改善回路を設けることによって、例えば出力電圧のレベルに応じてトランスを切り替えるようなことをせずに、それぞれトランスの定数を最適設定したAC−DCコンバータに近い電力効率を得ることができるという利点がある。
また、前記実施形態では、二次側制御回路がカップンリングコンデンサを介した交流信号による外部装置との通信で、出力すべき電圧の値を取得するようにしたものを説明したが、直流信号や無線による通信で出力すべき電圧の値を取得するように構成しても良い。
13 一次側制御回路(一次側制御用IC)
14 切替回路
15a フォトカプラの発光側ダイオード
15b フォトカプラの受光側トランジスタ
20 二次側制御回路
21 通信&制御回路
30 USB機器
31 通信用チップ
Claims (5)
- 電圧変換用のトランスと、該トランスの一次側巻線に電流を流すためのスイッチング素子と、前記トランスの一次側巻線に流れる電流を検出するための電流検出素子と、該電流検出素子により変換された電圧と前記トランスの二次側からのフィードバック電圧が入力されることで前記スイッチング素子をオン、オフ制御する駆動パルスを生成し出力する一次側制御回路と、出力電圧に基づいて前記一次側制御回路へ供給するフィードバック電圧を生成するフィードバック電圧生成手段を含む二次側回路と、を有する絶縁型直流電源装置であって、
前記トランスは、前記二次側巻線と同一極性の電圧を誘起する補助巻線を備え、
前記トランスの一次側には、
前記電流検出素子により変換された電圧が入力される前記一次側制御回路の電流検出端子と、前記電流検出素子の電圧取り出し側の端子との間に接続された抵抗素子と、
前記抵抗素子を介して前記電流検出素子と並列に接続された1または2以上の抵抗調整用素子を備えた切替手段と、が設けられ、
前記切替手段は、前記補助巻線に誘起される電圧の電位に応じて前記抵抗調整用素子の電流経路を切り替えて、前記一次側制御回路へ入力される電圧を変化させることを特徴とする絶縁型直流電源装置。 - 前記切替手段は、
前記補助巻線の一方の端子に接続された整流・平滑回路の出力端と接地点との間に接続された分圧回路と、
前記抵抗調整用素子と直列形態に接続され前記分圧回路で分圧された電圧によってオン状態またはオフ状態にされるスイッチ手段と、を備え、
前記トランスの二次側から出力すべき電圧の値に応じて、
二次側から出力すべき電圧が第1の値である場合に前記スイッチ手段がオン状態にされ、二次側から出力すべき電圧が第2の値である場合に前記スイッチ手段がオフ状態にされるように、前記分圧回路の分圧比が設定されていることを特徴とする請求項1に記載の絶縁型直流電源装置。 - 前記フィードバック電圧生成手段は、
前記トランスの二次側の電圧を分圧する直列形態の分圧用抵抗素子と、
前記分圧用抵抗素子のいずれかの素子と並列に接続された1または2以上の抵抗調整素子および該抵抗調整素子に接続された二次側切替手段と、を備え、前記分圧用抵抗素子により分圧された電圧に基づいて前記一次側制御回路へ供給するフィードバック電圧を生成し、
前記二次側切替手段は、外部からの信号に基づいて前記抵抗調整素子の電流経路を切り替えて、前記一次側制御回路へ供給される前記フィードバック電圧を変化させることを特徴とする請求項1または2に記載の絶縁型直流電源装置。 - 前記抵抗調整素子を2以上備え、
前記二次側切替手段が、外部からの信号に基づいて前記2以上の抵抗調整素子の電流経路を切り替えることにより、複数の電圧の中のいずれか1つを選択して出力可能に構成されていることを特徴とする請求項3に記載の絶縁型直流電源装置。 - 前記二次側回路には、外部装置との間で信号を送受信する通信手段と、前記二次側回路で生成された直流電圧を出力するための端子との間に接続された容量素子と、が設けられ、
前記通信手段は、前記容量素子を介して交流信号で外部装置と通信可能に構成されていることを特徴とする請求項4に記載の絶縁型直流電源装置。
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