JP2015215985A - 嵌合検知コネクタ - Google Patents
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Abstract
【課題】コネクタを大型化させることなくロックアームの過度撓み規制を行う。【解決手段】雌コネクタハウジング4にはシーソ状に撓み変形するロックアーム11が形成され、ここには検知部材12が待機位置と検知位置との間で移動可能に装着されている。検知部材12には一対の係止翼部33が張り出し形成され、それらの先端部は保護壁10に形成された凹溝34に嵌め入れられている。凹溝34には傾動許容部34Aが形成され、検知部材12が待機位置にあるときに、検知部材12が持ち上げられると、係止翼部33がストッパ部34Cに係止して持ち上げ動作が規制される。このため、検知部材12と共に持ち上げられるロックアーム11の過度撓みが規制される。【選択図】図1
Description
本発明は、嵌合検知コネクタに関するものである。
雌雄のコネクタ同士が完全に嵌合したか否かを検知する機能を備えたコネクタとして、下記特許文献1のものが知られている。ここに開示された雌側のコネクタにはロックアームが設けられ、ロックアームには検知部材が取付けられ、ロックアームと一体となってシーソ状に変位可能である。また、検知部材にはガイド溝が形成され、ロックアームにはガイド溝に嵌合するガイドリブが形成され、これらの嵌り合いを通じて検知部材はロックアームの長手方向に沿いながら待機位置と検知位置との間を移動可能である。
検知部材は雌雄コネクタが未嵌合及び半嵌合状態のときには、検知位置への移動が規制され、正規に嵌合されたときにのみ検知位置への移動が許容されるようになっている。このことをもって、作業者は両コネクタが正規の嵌合状態になったことを確認することができる。また、検知部材が検知位置にあるときには、検知部材の先端部がコネクタハウジングによって上方から押さえ込まれるようにし、ロックアームが相手コネクタとの係止を解除する方向に撓み変形しないようにしている。
上記したように、検知部材は嵌合検知の機能に加え、ロックアームのロック解除方向への撓み規制の機能を有している。このため、検知部材が待機位置から検知位置へと確実に操作されたことが外観上明瞭であることが望ましい。そのため、上記のものは検知部材が待機位置にあるときには、検知部材がコネクタハウジングの後端部から後方へ突出するようにし、検知位置に至ったときにはコネクタハウジングから突出しないようにすることで、両位置での外観上の違いを明瞭なものとしていた。
しかし、検知部材が待機位置にあるときに、コネクタハウジングから外方へ突出しているため、異物との干渉を受け易い。検知部材が押し下げられる場合には、コネクタハウジングと当接するため、過剰な撓み変形を生じることはない。しかし、逆に、持ち上げられる場合にはその配慮がなく、ロックアームが弾性限度を超えて撓み変形を生じてしまうことがあった。そのような対策として、コネクタハウジングの上面からロックアーム及び検知アームを上方から覆うような覆い壁を立設することも考えられるが、そのような対策ではコネクタが高さ方向に大型化してしまう、という問題がある。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、コネクタを大型化させることなくロックアームの過度撓み規制を行うことができる嵌合検知コネクタを提供することを目的とする。
本発明の嵌合検知コネクタは、相手側コネクタと嵌合可能なコネクタハウジングと、コネクタハウジングにおいて嵌合方向に沿って延出しかつ撓み可能に形成されるとともに、相手側コネクタとの嵌合途中では相手側コネクタに形成されたロック突部に乗り上げて撓み変形し、嵌合完了時にはロック突部を乗り越えて復帰変形してロック突部に係止するロックアームと、ロックアームに装着されロックアームの撓み動作に連動して変位可能であり、コネクタハウジングが相手側コネクタに対し嵌合完了に至っていない状態では、ロックアームに係止することで全体を初期位置に保持するための係止部を有し、嵌合完了時にはロックアームに対する係止部の係止が解除されて嵌合方向への嵌合検知動作が許容されて全体が検知位置へと移動する検知部材とを備えた嵌合検知コネクタであって、ロックアームの側面と、コネクタハウジングにおいて側面と対向する対向面との間の一方には相手側に向けて突出する突部が設けられ、他方には突部と嵌り合う凹溝が形成されるとともに、この凹溝には、コネクタハウジングが相手側コネクタに対し嵌合完了に至っていない状態で、ロックアームが正規の撓み方向に変位する間、検知部材を待機位置に保持したまま突部の変位を許容する傾動許容部と、コネクタハウジングが相手側コネクタに対し嵌合完了に至っていない状態で、ロックアームが正規の撓み方向と反対方向へ撓み変形したときに、検知部材を待機位置に保持したまま突部と当接することでロックアームの過度撓み規制をするストッパ部とを含んで構成されていることを特徴とする。
本発明によれば、検知部材が待機位置に保持されている状態で、コネクタ同士が嵌合するときには、ロックアームがロック突部に乗り上げるよう撓み変形する。この間、突部が凹溝の傾動許容部内を移動することで、検知部材もロックアームの撓み動作に連動して傾動することができる。そして、ロックアームがロック突部を乗り越えて弾性復帰しコネクタ同士が正規嵌合状態に至ると、ロックアームがロック突部に係止してコネクタが正規嵌合状態にロックされる。
正規嵌合状態が成立するまでは、検知部材は係止部がロックアームに係止することで、検知位置への移動が規制されているが、正規嵌合に至ると、係止部とロックアームとの係止が解かれる。こうして、検知部材は正規嵌合を条件として検知位置への移動が許容される。このことをもって、コネクタ同士が正規嵌合に至っていることが保証される。
検知部材が待機位置にあるときに、ロックアームが正規の撓み方向とは逆方向に撓み変形しようとした場合には、検知部材もこれに連動するが、突部が凹溝のストッパ部に当接するため、ロックアームが弾性限度を超えて撓み変形する事態から保護される。
ロックアームが正規撓み方向とは逆方向への過度撓み変形を、従来のような覆い壁によるのではなく、突部と凹溝のストッパ部との当接によって規制するようにしたため、コネクタの大型化も回避される、という効果も発揮される。
本発明における好ましい実施の形態を説明する。
(1)本発明の嵌合検知コネクタは、前記検知部材が前記待機位置にあるときに、検知部材は前記コネクタハウジングから移動方向後方へ突出し、検知位置にあるときにはコネクタハウジングから略突出しない状態となっている構成とすることが好ましい。
このような構成によれば、検知部材が待機位置にあるときに、検知部材がコネクタハウジングから突出し、検知位置にあるときには突出しないようにしている。このため、検知部材の操作忘れが外観上で判別しやすい。その反面、検知位置において検知部材は、例えば電線に引っ掛けられ易いなど異物との干渉が懸念されるが、本発明によれば上記のような待機位置で突出する仕様も選択し易い。
(2)前記凹溝には前記傾動許容部に連通しかつ前記突部と嵌り合って前記検知部材が前記待機位置から前記検知位置への移動動作を許容する検知動作許容部が形成され、前記検知部材が検知位置にあるときに、前記突部が前記検知動作許容部の溝壁に当接することと併せて、前記検知部材の移動方向前端部が前記コネクタハウジングに形成された規制壁に当接することで、前記ロックアームが前記ロック突部に対する係止を解除する方向へ撓み変形するのを二重に規制するようになっている構成としても良い。
このような構成によれば、検知部材が検知位置にあるときには、突部が検知動作許容部の溝壁に当接することと併せて、検知部材の移動方向前端部がコネクタハウジング側の規制壁に当接するため、ロックアームがロック解除方向に撓み変形してしまう事態を二重に規制する。したがって、検知部材によりコネクタ同士の嵌合を確実にロックすることができる。
(1)本発明の嵌合検知コネクタは、前記検知部材が前記待機位置にあるときに、検知部材は前記コネクタハウジングから移動方向後方へ突出し、検知位置にあるときにはコネクタハウジングから略突出しない状態となっている構成とすることが好ましい。
このような構成によれば、検知部材が待機位置にあるときに、検知部材がコネクタハウジングから突出し、検知位置にあるときには突出しないようにしている。このため、検知部材の操作忘れが外観上で判別しやすい。その反面、検知位置において検知部材は、例えば電線に引っ掛けられ易いなど異物との干渉が懸念されるが、本発明によれば上記のような待機位置で突出する仕様も選択し易い。
(2)前記凹溝には前記傾動許容部に連通しかつ前記突部と嵌り合って前記検知部材が前記待機位置から前記検知位置への移動動作を許容する検知動作許容部が形成され、前記検知部材が検知位置にあるときに、前記突部が前記検知動作許容部の溝壁に当接することと併せて、前記検知部材の移動方向前端部が前記コネクタハウジングに形成された規制壁に当接することで、前記ロックアームが前記ロック突部に対する係止を解除する方向へ撓み変形するのを二重に規制するようになっている構成としても良い。
このような構成によれば、検知部材が検知位置にあるときには、突部が検知動作許容部の溝壁に当接することと併せて、検知部材の移動方向前端部がコネクタハウジング側の規制壁に当接するため、ロックアームがロック解除方向に撓み変形してしまう事態を二重に規制する。したがって、検知部材によりコネクタ同士の嵌合を確実にロックすることができる。
<実施例>
次に、本発明の嵌合検知コネクタを具体化した実施例について、図面を参照しつつ説明する。
次に、本発明の嵌合検知コネクタを具体化した実施例について、図面を参照しつつ説明する。
図1に示すように、雄コネクタは機器側から突出する雄コネクタハウジング1を有しており、内部には複数本の雄端子金具2が収容されている。雄コネクタハウジング1は前方へ向けて開口する筒状に形成され、上面にはロック突部3が突出形成されている。
雌コネクタハウジング4は雄コネクタハウジング1の内側に嵌合可能な内筒部5を有している。内筒部5には上記した各雄端子金具2に対応して複数のキャビティ6が形成され、各キャビティ6の内部には雌端子金具7が収容されている。雌コネクタハウジング4には内筒部5を取り囲むように外筒部8が形成され、内筒部5と外筒部8との間は雄コネクタハウジングを嵌合するための嵌合空間9となっている。
図2に示すように、外筒部8の左右両側部は上方へ起立して一対の保護壁10となっており、ロックアーム11が異物によって不用意に撓み変形しないようにしている。図4に示すように、両保護壁10は前後方向に沿ってほぼ全長に亘って延出している。両保護壁10によって挟まれた空間は後述するロックアーム11と検知部材12とが収容される。図1等に示すように、両保護壁10の上端の高さ位置はロックアーム11に検知部材12が装着された場合にもさらにこれより高くなるように形成されている。図2に示すように、両保護壁10の上端同士は前部において規制壁13を介してアーチ状に連結されている。
上記したように、両保護壁10に挟まれた部位にはロックアーム11が配されている。ロックアーム11は嵌合方向(前後方向)に沿って平行に設けられた一対のアーム部14を有しており、前後の端部は共に連結された形態となっている。図4に示すように、両アーム部14の後端部寄りの幅方向両側縁には一対の支持片15が斜め前方へ向けて張り出しており、それぞれは外筒部8の両保護壁10の内面に接続されている。これにより、ロックアーム11は両支持片15を支点として上下方向へシーソ状に撓み変形することができる。図2、図3に示すように、両アーム部14の幅方向両側縁部には略全長に亘って一対のフランジ片16が幅方向外方へ張り出し形成されている。両フランジ片16の上面は両アーム部14の上面と面一に形成されている。
図1等に示すように、ロックアーム11における両アーム部14の前端の下端部同士は前側連結片17を介して接続されている。前側連結片17の後面は略鉛直に切り立った係止受け面18が形成され、検知部材12に対する係止とロック突部3に対する係止とを選択的に行う。一方、両アーム部14における後部の上端部同士は後側連結片19を介して接続されている。図5に示すように、後側連結片19の前縁における幅方向中央部には爪受け部20が突出形成されている。また、前側連結片17の上面と後側連結片19の下面とは高さ方向に所定間隔だけ離間するように形成されている。図2、図3及び図5に示すように、後側連結片19の下面には幅方向へ図示3条のガイド溝21が設けられている。各ガイド溝21は後側連結片19の前後方向に沿ってかつ略全長に亘って凹み形成されている。
次に、検知部材12について説明する。検知部材12は合成樹脂製であり、後端部には検知部材12に対する操作部22が形成されている。操作部22の前面側にはロックアーム11への装着を行うための装着部23が前方へ向けて突出している。装着部23は、図7、図8に示すように、前方及び下方へ向けて開口している。装着部23の内側の空間はロックアーム11への装着のための装着溝部24となっている。図7に示すように、装着溝部24は正面視においてロックアーム11を外側から整合した状態で抱くことができる形状に形成されている。つまり、装着部23の両側面の下縁には一対の張り出し片25が互いに向き合うようにして張り出し形成され、ロックアーム11の両フランジ片16に対し下方から係止可能となっている。
図8に示すように、装着溝部24の天井面には前後方向に沿って逃がし溝26が形成されている。この逃がし溝26は、検知部材12をロックアーム11に装着するときに、爪受け部20(図5参照)との干渉を回避するためのものである。また、逃がし溝26内の前後方向の略中央部には掛け止め爪27が配され、逃がし溝26の深さと略同一の高さをもって突出形成されている。検知部材12が待機位置(図1、図9、図10に示す位置)にあるときには、掛け止め爪27がロックアーム11の爪受け部20に係止することによって、検知部材12がロックアーム11から後方へ抜けないようにしている。
また、図7、図8に示すように、装着溝部24の下部には検知片28が配されている。検知片28は操作部22の前面から前方へ向けて片持ち状に延出し、上方へ撓み可能に形成されている。図7に示すように、検知片28の上面には幅方向へ図示3条のガイドリブ29が並設されている。図8に示すように、各ガイドリブ29は前後方向に沿って検知片28の略全長に亘って突出形成されており、後側連結片19の各ガイド溝21と摺動可能に嵌り合って、検知部材12がロックアーム11に沿って前後に移動するときに、検知片28を幅方向へ振れ止めしつつ検知部材12の移動動作を案内する。
検知片28の先端部には検知爪30が形成されており、検知爪30の先端は検知部材12の前端位置と略等しくしてある。図1等に示すように、検知部材12が待機位置にあるときに、検知爪30はロックアーム11の係止受け面18に突き当たるようにして係止することで、検知部材12がロックアーム11に沿って検知位置へ向けて前進する動作を規制している。
そして、図10に示すように、雌雄のコネクタが正規に嵌合すると、ロックアーム11がロック突部3を乗り越えて弾性復帰してロック突部3に対して係止する一方で、検知爪30はロック突部3上に乗り上げた状態となる。このため、検知爪30と係止受け面18との係止が解除され、ロックアーム11に対する検知部材12の前進規制が解除される。その結果、検知部材12が前進操作されて図11に示す検知位置に至ると、検知爪30はロックアーム11の前側連結片17の前縁に係止するようになっている。なお、検知部材12が検知位置にあるときには、検知部材12の装着部23における上面の前端部が雌コネクタハウジング4の規制壁13の下面側に略密着状態で進入するようになっている。これによって、ロックアーム11がロック突部3に対する係止を解除する方向への撓みが規制される。
図6に示すように、検知部材12の両側には一対の弾性係止アーム31が配されている。両弾性係止アーム31の前端部は装着部23の両側面に接続され、後端部は操作部22に接続されており、幅方向内方へ撓み変形可能である。また、両弾性係止アーム31の外側面の途中には係止爪32が突出形成されている。各係止爪32は検知部材22が待機位置及び検知位置において、雌コネクタハウジング4側と弾性的に係止することができるようになっている。図6等に示すように、検知部材12の操作部22の幅方向両側面には一対の係止翼部33(突部)が張り出し形成されている。
図1、図3、図9乃至図11に示すように、両保護壁10の内面でかつ後端部寄りには一対の凹溝34が凹み形成されている。両凹溝34の後端は両保護壁10の後端から後方へ開口して形成され、この開口から検知部材12の係止翼部33を嵌め入れ可能である。両凹溝34は前後方向に沿って所定長さ範囲に亘って形成されている。各凹溝34の後端部は下方へ拡張されて検知部材12の傾動動作を許容する傾動許容部34Aとなっている。また、この傾動許容部13Aより前部は、検知部材12が待機位置から検知位置へ移動する動作を許容する検知動作許容部34Bとなっている。検知動作許容部34Bの溝幅(上下方向の幅寸法)は係止翼部33よりも僅かに広い程度であり、係止翼部33は検知動作許容部34B内においては、上下にほぼ位置決めされた状態となっている。
検知部材12が待機位置にあるときには、図1に示すように、検知部材12は雌コネクタハウジング4の後方から突出しており、係止翼部33は前部のみ凹溝34内に進入している。そして、図9に示すように、雌雄コネクタの嵌合の途中で雄コネクタハウジング1のロック突部3を乗り越えるべく、ロックアーム11と共に検知部材12が傾動するときには、係止翼部33は傾動許容部34A内を変位してロックアーム11及び検知部材12の傾動動作を許容する。但し、このような通常のロック動作がなされるときには、係止翼部33は傾動許容部34Aの下縁から高さ方向にクリアランスが確保されるように設定されている。しかし、検知部材12が待機位置にあるときに、検知部材12をロックアーム11と共に通常のロック動作を超えて傾動させられたときには、係止翼部33が傾動許容部34Aの下縁に当接する。これによって、ロックアーム11が弾性限度を超えて過剰に撓む事態が回避されるようにしている。
また、ロックアーム11及び検知部材12が上記とは逆方向に持ち上げられた場合には、係止翼部33が傾動許容部34Aの上縁に形成されたストッパ部34Cと当接可能である。これによって、ロックアーム11が弾性限度を超えて上方へ反転するような動作を未然に回避することができる。
さらに、検知部材12が検知位置にあるときには、係止翼部33の高さ寸法が検知動作許容部34Bの高さ寸法より僅かに小さい程度であり、係止翼部33が検知動作許容部34B内の上縁と略当接状態にあることから、このことによってもロックアーム11がロック突部3との係止を解除する方向への傾動を規制することができる。
図1等に示すように、雌コネクタハウジング4の両保護壁10において、凹溝34の検知動作許容部34Bを上下方向から挟む部位には、後部保持突起35が上下に分離して突出形成されている。検知部材12が待機位置にあるときには、検知部材12における弾性係止アーム31の係止爪32がこれら後部保持突起35に係止することで、検知部材12が待機位置から後退する動作を規制することができる。
また、図1等に示すように、雌コネクタハウジング4の両保護壁10において、後部保持突起35の前方であって、検知動作許容部34Bとほぼ同じ高さの部位には前部保持突起36が配されている。前部保持突起36は、検知部材12が待機位置から検知位置へ移動する際に、弾性係止アーム31を撓ませつつ係止爪32が乗り越え可能であり、検知部材12が検知位置に至ったときには、弾性係止アーム31が弾性復帰して係止爪32と係止可能である。これにより、検知部材12が検知位置から後退する動作を規制することができる。
次に、上記のように構成された本実施例の作用効果を説明する。雌雄のコネクタを嵌合させる場合には、検知部材12を大気位置に保持しておく(図1参照)。待機位置では、検知片28の検知爪30がロックアーム11の係止受け面18に突き当てられているため、検知部材12は前進操作させることができない。検知部材12を待機位置に保持したまま雌雄のコネクタを正対させて嵌合を開始すると、嵌合が進む過程でロックアーム11の前側連結片17がロック突部3上に徐々に乗り上げてゆく(図9参照)。この間、ロックアーム11は両支持片15を中心として前部側が持ち上げられる一方で、後部側では検知部材12の係止翼部33が傾動許容部34A内を下方へ移動することで、検知部材12の傾動動作が許容される。そして、ロックアーム11の前側連結片17がロック突部3を乗り越えると、ロックアーム11は弾性復帰するため、前側連結片17の後縁がロック突部3に係止する。これによって、雌雄のコネクタは正規の嵌合状態でロックされる(図10参照)。
コネクタが正規に嵌合したときには、検知部材12の検知爪30がロック突部3上に乗り上げることで、前側連結片17との係止が解除される結果、検知部材12は前進規制から解かれる。逆に、雌雄のコネクタが正規に嵌合していない場合には、検知爪30と前側連結片17との係止が解除されないから、検知部材12が前進操作できることをもって雌雄コネクタの正規嵌合状態が成立したことが保証される。すなわち、検知部材12の前進規制が解除された状態で、操作部22が押されると、検知部材12の係止翼部33は検知動作許容部34Bに沿って前進するとともに、検知爪30はロック突部3および前側連結片17の上面に沿って撓み状態のまま前進する。そして、検知爪30が前側連結片17を通過して検知部材12が検知位置に至ると、検知片28は弾性復帰する結果、検知爪30が前側連結片17の前縁に係止する。このときには、検知部材12の装着部23の前端部が雌コネクタハウジング4の規制壁13の内側に進入しており、加えて係止翼部33が検知動作許容部34B内の上縁に係止していることから、ロックアーム11がロック突部3に対する係止を解除する方向の撓みを二重に規制している。したがって、雌雄コネクタのロック状態を強固なものとすることができる。
また、本実施例では、検知部材12が検知位置にあるときには、弾性係止アーム31の係止爪32が前部保持突起36に係止しており、検知爪30と前側連結片17との係止と共に検知部材12の後退を規制している。但し、これらの係止状態は雌雄コネクタの離脱の際に、検知部材12を強く後方へ引っ張り操作することで解除可能である。
本実施例の効果は次の通りである。
本実施例においては、検知部材12が待機位置にあるときに検知部材12が雌コネクタハウジング4の後方に突出した状態にある。一方、検知部材12が検知位置に移動したときには、検知部材12の後端が雌コネクタハウジング4の後端にほぼ揃って突出しない状態になる。このように、本実施例においては、待機位置と検知位置とでは雌コネクタの外観において明瞭な差異があることから、検知部材12の操作忘れを簡単に発見することができる。しかし、待機位置では検知部材12が雌コネクタハウジング4から後方へ突出されていることから、検知部材12が電線等によって引っ掛けられてロックアーム11が過剰にもちあげられてしまう懸念がある。そのような場合においても、係止翼部33が凹溝34のストッパ部34Cに係止することで、ロックアーム11が過剰に持ち上げられてしまうことがなく、ロックアーム11の塑性変形を未然に回避することができる。
本実施例においては、検知部材12が待機位置にあるときに検知部材12が雌コネクタハウジング4の後方に突出した状態にある。一方、検知部材12が検知位置に移動したときには、検知部材12の後端が雌コネクタハウジング4の後端にほぼ揃って突出しない状態になる。このように、本実施例においては、待機位置と検知位置とでは雌コネクタの外観において明瞭な差異があることから、検知部材12の操作忘れを簡単に発見することができる。しかし、待機位置では検知部材12が雌コネクタハウジング4から後方へ突出されていることから、検知部材12が電線等によって引っ掛けられてロックアーム11が過剰にもちあげられてしまう懸念がある。そのような場合においても、係止翼部33が凹溝34のストッパ部34Cに係止することで、ロックアーム11が過剰に持ち上げられてしまうことがなく、ロックアーム11の塑性変形を未然に回避することができる。
また、本実施例ではロックアーム11の持ち上げ規制を、従来のように、検知部材12を上方から覆う覆い壁によるのではなく、検知部材12の幅方向外方へ張り出した係止翼部33と凹溝34との係止によるようにしたため、雌コネクタが高さ方向に大型化することも回避されている。
なお、検知部材12が上記とは逆に、過剰に押し下げられてしまう場合にも、係止翼部33が凹溝34の傾動許容部34Aの下縁に当接してロックアーム11の過度撓みを規制することができる。
検知部材12が検知位置にあるときには、前述したように、検知部材12の装着部23の前端部が雌コネクタハウジング4の規制壁13の内側に進入し、同時に係止翼部33が検知動作許容部34B内の上縁に係止しているため、ロックアーム11がロック解除方向に傾動する動作が二重に規制され、もって雌雄のコネクタが確実にロックされる。
<他の実施例>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施例に限定されるものではなく、例えば次のような実施例も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施例では、検知部材12が待機位置にあるときの後方への抜け止めとして、掛け止め爪27と爪受け部20との係止に加え、両弾性係止アーム31の係止爪32と後部保持突起35との係止を設定したが、いずれか一方のみの係止によって抜け止めをするようにしてもよい。
(2)上記実施例では、検知部材12側に係止翼部33を張り出し形成し、雌コネクタハウジング4側に係止翼部33が嵌まり込む凹溝34を凹み形成するようにしたが、凹凸の嵌り合い関係を逆にしてもよい。
(3)上記実施例では、検知部材12をロックアーム11の上面側に装着するようにしたが、下面側に装着するような形式であってもよい。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施例に限定されるものではなく、例えば次のような実施例も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施例では、検知部材12が待機位置にあるときの後方への抜け止めとして、掛け止め爪27と爪受け部20との係止に加え、両弾性係止アーム31の係止爪32と後部保持突起35との係止を設定したが、いずれか一方のみの係止によって抜け止めをするようにしてもよい。
(2)上記実施例では、検知部材12側に係止翼部33を張り出し形成し、雌コネクタハウジング4側に係止翼部33が嵌まり込む凹溝34を凹み形成するようにしたが、凹凸の嵌り合い関係を逆にしてもよい。
(3)上記実施例では、検知部材12をロックアーム11の上面側に装着するようにしたが、下面側に装着するような形式であってもよい。
3…ロック突部
4…雌コネクタハウジング(コネクタハウジング)
11…ロックアーム
12…検知部材
13…規制壁
28…検知片(係止部)
33…係止翼部(突部)
34…凹溝
34A…傾動許容部
34B…検知動作許容部
34C…ストッパ部
4…雌コネクタハウジング(コネクタハウジング)
11…ロックアーム
12…検知部材
13…規制壁
28…検知片(係止部)
33…係止翼部(突部)
34…凹溝
34A…傾動許容部
34B…検知動作許容部
34C…ストッパ部
Claims (3)
- 相手側コネクタと嵌合可能なコネクタハウジングと、
前記コネクタハウジングにおいて嵌合方向に沿って延出しかつ撓み可能に形成されるとともに、前記相手側コネクタとの嵌合途中では前記相手側コネクタに形成されたロック突部に乗り上げて撓み変形し、嵌合完了時には前記ロック突部を乗り越えて復帰変形して前記ロック突部に係止するロックアームと、
前記ロックアームに装着され前記ロックアームの撓み動作に連動して変位可能であり、前記コネクタハウジングが前記相手側コネクタに対し嵌合完了に至っていない状態では、前記ロックアームに係止することで全体を待機位置に保持するための係止部を有し、嵌合完了時には前記ロックアームに対する前記係止部の係止が解除されて嵌合方向への嵌合検知動作が許容されて全体が検知位置へと移動する検知部材とを備えた嵌合検知コネクタであって、
前記ロックアームの側面と、前記コネクタハウジングにおいて前記側面と対向する対向面との間の一方には相手側に向けて突出する突部が設けられ、他方には前記突部と嵌り合う凹溝が形成されるとともに、
この凹溝には、
前記コネクタハウジングが前記相手側コネクタに対し嵌合完了に至っていない状態で、前記ロックアームが正規の撓み方向に変位する間、前記検知部材を前記待機位置に保持したまま前記突部の変位を許容する傾動許容部と、
前記コネクタハウジングが前記相手側コネクタに対し嵌合完了に至っていない状態で、前記ロックアームが正規の撓み方向と反対方向へ撓み変形したときに、前記検知部材を前記待機位置に保持したまま前記突部と当接することで前記ロックアームの過度撓み規制をするストッパ部とを含んで構成されていることを特徴とする嵌合検知コネクタ。 - 前記検知部材が前記待機位置にあるときに、検知部材は前記コネクタハウジングから移動方向後方へ突出し、検知位置にあるときにはコネクタハウジングから略突出しない状態となっていることを特徴とする請求項1に記載の嵌合検知コネクタ。
- 前記凹溝には前記傾動許容部に連通しかつ前記突部と嵌り合って前記検知部材が前記待機位置から前記検知位置への移動動作を許容する検知動作許容部が形成され、前記検知部材が検知位置にあるときに、前記突部が前記検知動作許容部の溝壁に当接することと併せて、前記検知部材の移動方向前端部が前記コネクタハウジングに形成された規制壁に当接することで、前記ロックアームが前記ロック突部に対する係止を解除する方向へ撓み変形するのを二重に規制するようになっていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の嵌合検知コネクタ。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2014097285A JP2015215985A (ja) | 2014-05-09 | 2014-05-09 | 嵌合検知コネクタ |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2014097285A JP2015215985A (ja) | 2014-05-09 | 2014-05-09 | 嵌合検知コネクタ |
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JP (1) | JP2015215985A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US10903604B2 (en) | 2018-11-14 | 2021-01-26 | Sumitomo Wiring Systems, Ltd. | Connector with a housing that restricts excessive deflection of the lock arm |
JP7460397B2 (ja) | 2019-03-04 | 2024-04-02 | アプティブ・テクノロジーズ・リミテッド | スライダに組み付けられたcpaを備えた高圧電気コネクタ |
-
2014
- 2014-05-09 JP JP2014097285A patent/JP2015215985A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR20180112244A (ko) | 2017-04-03 | 2018-10-12 | 현대자동차주식회사 | 커넥터 장치 |
US10903604B2 (en) | 2018-11-14 | 2021-01-26 | Sumitomo Wiring Systems, Ltd. | Connector with a housing that restricts excessive deflection of the lock arm |
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