JP2009037835A - コネクタ - Google Patents

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Abstract

【課題】嵌合検知機能と二重ロック機能を選択的に発揮し得るコネクタを提供する。
【解決手段】雌側のコネクタハウジング30に検知部材60が初期位置と移動完了位置との間を移動可能に装着される。両コネクタハウジング10,30が正規嵌合されることにより、検知部材60の規制部65が相手側のロック受け部14に乗り上げられ、検知部材60の前後方向への移動が許容される。この乗り上げ位置から検知部材60を移動完了位置に至らすと、ロックアーム41のロック解除方向への撓み動作が検知部材60によって規制される。一方、乗り上げ位置から検知部材60を後方へ引く抜き操作すると、抜止部71と抜止受け部55との引っ掛かりを回避しつつ、検知部材60を雌側のコネクタハウジング30から完全に離脱させることができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、コネクタに関する。
従来より、嵌合検知機能を備えたコネクタが知られている。例えば、特許文献1に記載のコネクタは、雌側のコネクタハウジングに、雄側のコネクタハウジングとの嵌合状態を保持するロックアームが設けられ、このロックアームに検知部材が初期位置と移動完了位置との間を移動可能に装着されている。この検知部材には抜止部が設けられ、ロックアームには抜止受け部が設けられており、抜止部と抜止受け部との係止によって検知部材が初期位置で抜け止めされる。また、検知部材には移動規制部が設けられ、ロックアームには移動規制受け部が設けられており、移動規制部と移動規制受け部との係止によって検知部材が初期位置から移動完了位置へ移動することが規制される。
ここで、両コネクタハウジングが正規嵌合されると、検知部材の先端部がロックアームの係止相手となる相手側ロック部に乗り上げられて、移動規制部と移動規制受け部とによる係止状態が解除され、検知部材が初期位置から移動完了位置に移動することが許容される。この状態から検知部材を移動完了位置に至らすと、検知部材がロックアームの撓み空間を覆うように配され、ロックアームのロック解除方向への変位が規制されるようになっている。つまり、ロックアームと相手側ロック部との係止による一次的なロックに、ロックアームの撓み動作を検知部材が規制することによる二次的なロックが加わり、もって両コネクタハウジングが二重ロックされるようになっている。一方、移動規制部と移動規制受け部との係止状態が解除された後、検知部材を引き抜き操作すると、その途中で抜止部が抜止受け部に引っ掛かり、それ以上の移動が停止される。つまり、この場合は、検知部材が初期位置から移動完了位置に移動可能か否かによって両コネクタハウジングの嵌合状態を検知できるようになっている。
特開2007−80621公報
ところで、検知部材を初期位置から移動完了位置に移動させた場合に、その間の移動ストロークが小さかったり周辺部品によって視角が遮られたりすると、検知部材が移動完了位置に至ったか否かを視覚的に見分けることが難しいという事情がある。そのため、検知部材の操作のし忘れが生じ、検知部材の嵌合検知機能を十分に果たすことができない虞がある。
一方、ユーザによっては、嵌合検知機能よりも検知部材が移動完了位置でロックアームの撓み動作を規制する二重ロック機能を発揮する点を重視する向きもあり、かかる二重ロック機能を実現するために検知部材を使用していることもある。したがって、ユーザ側の2つの要請、つまり、検知部材の操作のし忘れを防止して嵌合検知機能を確実に発揮させたいという要請と、検知部材を移動完了位置に至らして二重ロック機能を発揮させたいという要請とに応える必要があるが、従来の技術では1つのコネクタでこの2つの要請に同時に応えることはできず、両要請の夫々に対応する2つのコネクタを用意しなければならないという事情がある。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、ユーザのニーズに応じて嵌合検知機能と二重ロック機能のいずれかの機能を選択的に発揮し得るコネクタを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するための手段として、請求項1の発明は、互いに嵌合可能な一対のコネクタハウジングのうちの一方のコネクタハウジングには、初期位置と移動完了位置との間で嵌合方向に沿って移動可能とされる検知部材が装着されており、前記検知部材には抜止部が設けられ、前記一方のコネクタハウジングには抜止受け部が設けられており、前記抜止受け部が前記抜止部に係止されることで、前記初期位置における前記検知部材の抜け止めがなされ、かつ、前記検知部材には移動規制部が設けられ、前記一方のコネクタハウジングには移動規制受け部が設けられており、前記移動規制受け部が前記移動規制部に係止されることで、前記検知部材の前記初期位置から前記移動完了位置への移動が規制され、前記両コネクタハウジングが正規嵌合されるに伴い、前記移動規制部と前記移動規制受け部とによる係止状態が解除されて前記検知部材の移動が許容されるコネクタであって、前記移動規制部と前記移動規制受け部とによる係止状態が解除された後、前記検知部材を前記移動完了位置に移動させた場合には、前記両コネクタハウジングを嵌合状態に保持するロック部のロック解除方向への変位が前記検知部材によって規制される一方、前記検知部材を引き抜き操作した場合には、前記抜止部と前記抜止受け部との引っ掛かりを回避しつつ、前記検知部材を前記一方のコネクタハウジングから離脱させることが可能とされる構成としたところに特徴を有する。
請求項2の発明は、請求項1に記載のものにおいて、前記抜止受け部は前記ロック部に設けられ、前記両コネクタハウジングが正規嵌合されたときに、前記ロック部が相手側ロック部に係止されて前記検知部材の先端部が前記相手側ロック部に乗り上げられ、この乗り上げ状態では前記抜止部が前記抜止受け部から離間するとともに前記抜止部が前記相手側ロック部の幅方向外方に並列に配されるところに特徴を有する。
<請求項1の発明>
移動規制部と移動規制受け部とによる係止状態が解除された後、検知部材を移動完了位置に至らすことにより、ロック部のロック解除方向への変位が規制され、両コネクタハウジングが二重ロックされる。一方、移動規制部と移動規制受け部とによる係止状態が解除された後、検知部材を引き抜き操作することにより、検知部材を一方のコネクタハウジングから離脱させることができ、この検知部材の離脱状態をもって両コネクタハウジングが正規嵌合されたことを明確に検知できる。したがって、二重ロック機能を発揮させたい場合には検知部材を移動完了位置に至らし、嵌合検知機能を発揮させたい場合には検知部材を引き抜き操作すればよく、1つのコネクタをニーズに応じて使い分けることができる。
<請求項2の発明>
両コネクタハウジングが正規嵌合され、検知部材の先端部が相手側ロック部に乗り上げられた状態で、抜止部が相手側ロック部の幅方向外方に並列に配されるから、検知部材の嵌合方向(幅方向と直交する方向)の長さを短くでき、検知部材の小型化を図れる。
<実施形態1>
本発明の実施形態1を図1ないし図11によって説明する。本実施形態のコネクタは、互いに嵌合可能な雌雄一対のコネクタハウジング10,30と、両コネクタハウジング10,30に収容される雌雄一対の端子金具11,31と、雌側のコネクタハウジング30(本発明の一方のコネクタハウジングに相当)に対して初期位置と移動完了位置との間を相対移動可能に装着される検知部材60とを備えている。なお、以下の説明において前後方向については両コネクタハウジング10,30の嵌合面側を前方とする。
雄側のコネクタハウジング10は合成樹脂材によって形成され、図1に示すように、雄型の端子金具11を収容可能なブロック状の端子収容部12と、端子収容部12の前面から前方へ突出する筒状のフード部13とを備えている、端子収容部12には雄型の端子金具11を挿入可能なキャビティ15が前後方向に沿って形成されており、キャビティ15内に挿入された雄型の端子金具11のタブ11Aがフード部13内に突出して配置されている。
端子収容部12の下面の後部にはキャビティ15に通じる開口孔16が設けられている。そして、端子収容部12にはヒンジタイプのリテーナ17が設けられている。リテーナ17は、端子収容部12の下面の後端部に可撓性のヒンジ18を介して一体に取り付けられ、このヒンジ18を支点として開口孔16を開閉する方向に回動可能となっている。リテーナ17の上端部には抜止突起19が設けられており、リテーナ17が開口孔16を閉止するのに伴い、抜止突起19が雄型の端子金具11をキャビティ15から抜け止め状態で係止可能となっている。
フード部13の上壁外面の前後方向略中央部には、両コネクタハウジング10,30を嵌合状態に保持するロック受け部14(本発明の相手側ロック部に相当)が突設されている。ロック受け部14の後面は上端(突出端)に行くにつれ僅かに後退する係止受け面14Aとなっている。また、ロック受け部14の上端面は前後方向にフラットなストレート面14Bとされ、ここに検知部材60の前端部が乗り上げ可能となっている。
一方、雌側のコネクタハウジング30は合成樹脂材によって形成され、雌型の端子金具31を収容可能なブロック状のハウジング本体32と、ハウジング本体32の上方に位置してハウジング本体32よりも一回り大きいロック構造部33とを備えている。ハウジング本体32は、上述した端子収容部12と同様の構成であって、雌型の端子金具31を挿入可能なキャビティ34を有するとともに、その下面の後端部における可撓性のヒンジ35を介して開口孔37を開閉する方向に回動可能とされるリテーナ36を一体に有して構成される。このリテーナ36は雄側のコネクタハウジング10のリテーナ17と比べて小さく、かつその抜止突起38も雄側のコネクタハウジング10の抜止突起19と比べて小さくなっている。
ロック構造部33は、撓み変形可能なロックアーム41(本発明のロック部に相当)を備えている、ロックアーム41は、ハウジング本体32の上面に一体に連なって起立する支持部42と、支持部42の上端に一体に連なって前後方向に延びるアーム部43とを備えている。支持部42は幅方向に対をなして設けられ、この支持部42を支点としてアーム部43が上下方向(高さ方向)に弾性変位可能(揺動変位可能)となっている。
アーム部43には、検知部材60が装着される組付空間44(図4を参照)が前後方向に貫通して設けられている。アーム部43の前端下部には、図8に示すように、正面視Uの字をなす枠部45が設けられ、この枠部45のうち幅方向(嵌合方向と直交する方向)に延びる梁状の部位がロック本体46とされる。ロック本体46の前端には下方へ向かって弧状に切り欠かれた摺動案内面46Aが設けられ、両コネクタハウジング10,30の嵌合途中でロック受け部14と嵌合方向に沿って摺り合い、ロックアーム41の撓み動作を誘導可能となっている。そして、ロック本体46の後面は上方へ行くにつれ僅かに前傾する係止面46Bとされ、両コネクタハウジング10,30が正規の嵌合位置に至ると、ロック受け部14の係止受け面14Aと平行して強固に係止可能となっている。また、このロック本体46の係止面46Bは、検知部材60の前進規制部68(後述する)に係止されることで検知部材60の初期位置から移動完了位置への移動を規制する移動規制受け部としての機能を兼備している。
アーム部43の後端上部で、かつ組付空間44の後部を覆う位置には、検知部材60の後端部を押さえることが可能な押さえ部47が幅方向に沿って設けられている。また、押さえ部47の直後方であってアーム部43の最後端部には、ロックアーム41の係止状態を解除する際に押圧される操作部48が設けられている。操作部48は幅方向に対をなし、両操作部48間に検知部材60の摘み部62(後述する)が進入可能となっている。そして、アーム部43の後端部で、かつ押さえ部47の直下方には、図4及び図6に示すように、検知部材60の移動を案内する案内溝49が設けられている。案内溝49は、アーム部43の両側内壁で組付空間44を臨む位置に対をなして配され、前後方向に延びて後端に開口する形態とされる。
また、ロック構造部33は、ロックアーム41を保護する保護壁50を備えている。保護壁50は、図7及び図8に示すように、ハウジング本体32の上端両側縁に連なって上方へ起立する左右一対の両側壁51と、両側壁51の前端上部を連結する連結壁52とからなる。両側壁51はハウジング本体32の後端部にその付け根を接続させつつ前方へ向けて突出する形態とされ、ロックアーム41のアーム部43全体を両側方から被覆して配されている。また、連結壁52はアーム部43の前端部(枠部45を含む)を上方から被覆して配されている。かかる保護壁50によって枠部45に異物が引っ掛かってロックアーム41が不用意に撓み変形されることがないようにしてある。
アーム部43のうちロック本体46より後方には、前後方向に延びてアーム部43の後端に開口し、かつ組付空間44に通じるロック溝53が設けられている。上記した支持部42はロック溝53を挟んだ両側に配されている。また、アーム部43の前部には、ロック溝53を挟んだ両側に、左右一対の抜止突部54が突設されている。抜止突部54は、検知部材60の抜止部71(後述する)と係止することで検知部材60の初期位置での抜け止めをなし、その後面が上端(突出端)に向かって上り勾配のテーパ面とされ、その前面が上端に行くにつれ僅かに前傾する抜止受け部55とされる。また、両抜止突部54は前後方向について枠部45の付け根の位置とほぼ同じ位置に配されている。
続いて検知部材60について説明すると、検知部材60は合成樹脂製であって両コネクタハウジング10,30とは別体とされ、全体として前後方向に細長い形状をなしている。
詳しくは検知部材60は、図9ないし図11に示すように、前後方向に延設される基部61と、基部61の後端上面に突設される摘み部62と、基部61の後端下面に突設される受け部63と、基部61の後半部側縁に沿設される左右一対の案内部64と、基部61の前端部下面に突設される規制部65と、基部61の下端側縁に凹設される凹溝66とを備えている。基部61は、ロックアーム41及びハウジング本体32の前後長さを超える前後長さを有する角棒状をなし、その長さ方向中間部を支点として上下方向(高さ方向)に撓み変形可能となっている。摘み部62は基部61とほぼ同幅をもって構成され、ここを指で摘みつつ検知部材60の移動操作を行うことが可能となっている。
受け部63は前方に向かって開放されるアーム進入凹部67を有するとともにロック構造部33の後方開口部に嵌合可能なキャップ状をなし、初期位置ではロックアーム41(アーム部43)と非係合され、移動完了位置ではアーム進入凹部67内にロックアーム41(アーム部43)を受け入れてロックアーム41の撓み動作を規制可能となっている。案内部64は基部61の両側縁側方に張り出しつつ前後方向に延出する形態であって、ロックアーム41の案内溝49をスライドして検知部材60の前後移動を案内可能となっている。
また、規制部65は、基部61の前端から垂下される形態であって、その前面がロックアーム41の係止面46Bを係止して検知部材60の初期位置から移動完了位置への移動を規制する前進規制部68(本発明の移動規制部に相当)とされ、その後面がロックアーム41のロック本体46の前面を係止して検知部材60の移動完了位置から初期位置への戻り移動を規制する後退規制部69とされる。前進規制部68はその略下半部が斜めに切り欠かれてロック本体46とは非接触の形態とされ、後退規制部69はほぼ垂直に切り立つ形態とされる。
凹溝66は、前後方向に延びて、基部61の下端側の2角を切り欠くように、基部61の下面、両側面、及び後端面に開口する形態であり、前後方向について規制部65と位置ずれするとともに幅方向について規制部65と重なり合わない位置に配されている。そして、凹溝66の前面は、初期位置における検知部材60の抜け方向への移動を規制する抜止部71として構成される。抜止部71は上端(溝底面)に行くにつれ前傾するテーパ面とされ、初期位置にて検知部材60の抜け方向でロックアーム41の抜止受け部55と略平行して強固に係止可能となっている。また、抜止部71と抜止受け部55との係止位置は、両コネクタハウジング10,30が正規嵌合されたときに、ロック受け部14の幅方向両側外方に位置しており、ロック受け部14と幅方向で重なり合う位置に設定されている。
ここで、両コネクタハウジング10,30が正規嵌合されると、検知部材60はその規制部65をロック受け部14のストレート面14Bに乗り上げさせる乗り上げ位置に至ることになるが、この乗り上げ位置では、抜止部71と抜止受け部55とが互いに離間されて、検知部材60の抜け止め状態が解除されるようになっている。
次に、本実施形態の作用を説明する。
まず、検知部材60を雌側のコネクタハウジング30に装着するにあたり、ロックアーム41の組付空間44に対して後方から検知部材60を挿入する。組み付けの過程では、案内部64が案内溝49の溝面を摺接し、初期位置に至る手前で、基部61の前端(規制部65の両側部位)がロックアーム41の抜止突部54に乗り上げられて基部61が上方へ弾性変位する。検知部材60が初期位置に組み付けられると、基部61が弾性的に復帰して抜止突部54が凹溝66に嵌り、抜止部71と抜止受け部55とが検知部材60の抜け方向で対面することで検知部材60の抜け止めがなされる。またこの状態では、検知部材60の前進規制部68がロックアーム41の係止面46Bに検知部材60の前進方向で対面することで検知部材60の移動完了位置への移動も規制され、検知部材60が初期位置で前後方向に移動規制状態で保持される。こうして検知部材60が初期位置に保持されたときには、摘み部62が雌側のコネクタハウジング30の後端より後方へ突出した状態となる。
続いて、両コネクタハウジング10,30の嵌合動作を開始させ、雄側のコネクタハウジング10のフード部13内に雌側のコネクタハウジング30のハウジング本体32を進入させる。嵌合の過程では、ロック受け部14とロックアーム41のロック本体46とが干渉して、ロック本体46がロック受け部14のストレート面14Bに乗り上げられて、ロックアーム41のアーム部43が上方へ弾性的に撓み変形する。このとき、ロックアーム41の撓み動作に追従して検知部材60の基部61の前端も上方へ持ち上げられる。
両コネクタハウジング10,30が正規の嵌合位置に至ると、図2に示すように、ロック本体46がロック受け部14のストレート面14Bを通過してアーム部43が弾性的に復帰し、ロック本体46の係止面46Bとロック受け部14の係止受け面14Aとが互いに対面して両コネクタハウジング10,30が嵌合状態(離脱規制状態)に保持される。このとき、検知部材60はその規制部65がロック本体46のストレート面14Bに乗り上げられた乗り上げ位置に至っている。この乗り上げ位置では、図2に示すように、検知部材60の基部61が押さえ部47によってその後端部を押さえられつつ弓なり状に撓み変形するとともに、ロックアーム41の抜止突部54が凹溝66から抜け出て、抜止部71と抜止受け部55とが互いに離間しており、検知部材60の前後方向の移動が許容されている。
次いで、乗り上げ位置から検知部材60を移動完了位置側へ向かって押し込むと、規制部65がロック受け部14のストレート面14B及びロック本体46の上面を通過して、基部61が弾性的に復帰する。こうして検知部材60が移動完了位置に至ると、図3に示すように、後退規制部69とロック本体46の前面とが互いに対面して検知部材60の初期位置への戻り操作が規制される。またこの移動完了位置において、検知部材60の基部61がロック本体46とロック受け部14とに跨ってアーム部43の上方への撓み動作を規制するとともに、受け部63のアーム進入凹部67にアーム部43の後端部を嵌め入れさせ、これによって両コネクタハウジング10,30の離脱動作も規制する。つまり、両コネクタハウジング10,30は、ロックアーム41とロック受け部14とによるロック作用と、検知部材60によるロックアーム41のロック解除方向への撓み規制作用とによって二重ロックされた状態となる。また、この移動完了位置では、検知部材60の摘み部62が雌側のコネクタハウジング30内に入り込み、この摘み部62とロックアーム41の操作部48とが幅方向に一列で連続する。
これに対して、両コネクタハウジング10,30が正規の嵌合位置に至る手前で留め置かれた場合には、ロック本体46がロック受け部14のストレート面14Bに乗り上げられた状態のままとなって検知部材60の前進規制部68とロック本体46の係止面46Bとの係止状態が解除されず、検知部材60を移動完了位置に移動させることはできない。つまり、これによれば、検知部材60の移動完了位置への移動の可否によって両コネクタハウジング10,30の嵌合状態を検知することも可能となる。
ところで、上記した検知部材60による嵌合検知機能をより高めるには、次の操作を行うとよい。すなわち、両コネクタハウジング10,30が正規嵌合された後、検知部材60が乗り上げ位置にあるときに、検知部材60を後方へ引き抜き操作する。すると、検知部材60の規制部65がロック受け部14のストレート面14Bを摺接状態で後退することになるが、この間、アーム部43の撓み状態は保たれているため、ロック受け部14の幅方向外方に位置する抜止部71と抜止受け部55とは互いに引っ掛かることはない。その後、規制部65がロック受け部14のストレート面14Bから離間すると、アーム部43が弾性的に復帰する。このときには、既に抜止部71と抜止受け部55との係止位置を通過して検知部材60の抜け止め状態が解除されているため、図4に示すように、検知部材60が雌側のコネクタハウジング30の組付空間44から外部へ抜き出ることとなる。つまり、乗り上げ位置から検知部材60の引き抜き操作を行うだけで、検知部材60を雌側のコネクタハウジング30から完全に離脱させることができ、この離脱状態(分離状態)を認識することによって両コネクタハウジング10,30が嵌合状態にあることを明確に知ることができる。
以上のように、本実施形態によれば、次の効果を奏する。
両コネクタハウジング10,30が正規嵌合されて検知部材60の移動規制状態が解除された後、検知部材60を移動完了位置に至らすことにより、ロックアーム41のロック解除方向への弾性変位が規制されて両コネクタハウジング10,30が二重ロックされる一方、検知部材60を後方へ引き抜き操作することにより、検知部材60を雌側のコネクタハウジング30から完全に離脱させて両コネクタハウジング10,30の嵌合状態を明確に検知できるから、二重ロック機能を発揮させたい場合には検知部材60を移動完了位置に至らし、嵌合検知機能を発揮させたい場合には検知部材60を引き抜き操作すればよく、1つのコネクタをユーザのニーズに応じて使い分けることができる。
また、両コネクタハウジング10,30が正規嵌合されて、検知部材60が乗り上げ位置にあるときに、抜止部71がロック受け部14の幅方向外方に並列に配されているから、検知部材60の前後長さを短くでき、検知部材60を全体的に小型化できる。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)検知部材は雄側のコネクタハウジングに装着されてもよい。
(2)検知部材の抜止部及び前進規制部は、雌側のコネクタハウジングのうちロックアーム以外の部位に係止されてもよい。要は、両コネクタハウジングが正規嵌合された場合に、抜止部及び前進規制部と、雌側のコネクタハウジングとの係止状態が解除され、検知部材が前後方向に移動し得る構成であればよい。
(3)検知部材の規制部の前面を略垂直に切り立つ形態の突き当て面とすることにより、ロック受け部の前面との突き当たりに伴って慣性ロックを利かせる構成としてもよい。
実施形態1において、両コネクタハウジングが嵌合される前の状態をあらわす側断面図 両コネクタハウジングが正規嵌合され、検知部材が乗り上げ位置に至った状態をあらわす側断面図 検知部材が移動完了位置に至った状態をあらわす側断面図 検知部材が後方へ引き抜かれた状態をあらわす側断面図 雌側のコネクタハウジングに検知部材が初期位置で保持された状態をあらわす平面図 雌側のコネクタハウジングのロック構造部の内部をあらわす横断面図 雌側のコネクタハウジングの平面図 雌側のコネクタハウジングの正面図 検知部材の正面図 検知部材の側面図 検知部材の底面図
符号の説明
10…雄側のコネクタハウジング
14…ロック受け部(相手側ロック部)
30…雌側のコネクタハウジング(一方のコネクタハウジング)
41…ロックアーム(ロック部)
46…ロック本体
46B…係止面(移動規制受け部)
54…抜止突部
55…抜止受け部
60…検知部材
65…規制部
66…凹溝
68…前進規制部(移動規制部)
69…後退規制部
71…抜止部

Claims (2)

  1. 互いに嵌合可能な一対のコネクタハウジングのうちの一方のコネクタハウジングには、初期位置と移動完了位置との間で嵌合方向に沿って移動可能とされる検知部材が装着されており、
    前記検知部材には抜止部が設けられ、前記一方のコネクタハウジングには抜止受け部が設けられており、前記抜止受け部が前記抜止部に係止されることで、前記初期位置における前記検知部材の抜け止めがなされ、かつ、
    前記検知部材には移動規制部が設けられ、前記一方のコネクタハウジングには移動規制受け部が設けられており、前記移動規制受け部が前記移動規制部に係止されることで、前記検知部材の前記初期位置から前記移動完了位置への移動が規制され、前記両コネクタハウジングが正規嵌合されるに伴い、前記移動規制部と前記移動規制受け部とによる係止状態が解除されて前記検知部材の移動が許容されるコネクタであって、
    前記移動規制部と前記移動規制受け部とによる係止状態が解除された後、
    前記検知部材を前記移動完了位置に移動させた場合には、前記両コネクタハウジングを嵌合状態に保持するロック部のロック解除方向への変位が前記検知部材によって規制される一方、前記検知部材を引き抜き操作した場合には、前記抜止部と前記抜止受け部との引っ掛かりを回避しつつ、前記検知部材を前記一方のコネクタハウジングから離脱させることが可能とされることを特徴とするコネクタ。
  2. 前記抜止受け部は前記ロック部に設けられ、前記両コネクタハウジングが正規嵌合されたときに、前記ロック部が相手側ロック部に係止されて前記検知部材の先端部が前記相手側ロック部に乗り上げられ、この乗り上げ状態では前記抜止部が前記抜止受け部から離間するとともに前記抜止部が前記相手側ロック部の幅方向外方に並列に配されることを特徴とする請求項1に記載のコネクタ。
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