JP2015215221A - 地震の主要動の到達判定方法および判定システム - Google Patents

地震の主要動の到達判定方法および判定システム Download PDF

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Abstract

【課題】簡易な方法およびシステムによって、地震発生時にそのP波の到達を検知した後、さらにS波の到達を高い精度で判定することができる地震の主要動の到達判定方法および判定システムを提供する。
【解決手段】判定の対象となる現地に設置した地震計で検知された地震のP波の振動波形から、上記現地へのS波の到達を判定するための地震の主要動の到達判定方法であって、上記現地の地震計で計測された振動波形から経時的にSTA/LTAを算出し、得られた値が予め設定されたP波検知用の閾値を越えた際に上記P波の到達を検知し、次いで引き続き当該P波の振動波形を計測するとともにSTA/LTAを算出して、得られた値が予め設定されたS波検知用の閾値を越えた際に上記S波が到達したと判定する。
【選択図】図2

Description

本発明は、地震発生時に観測された初期微動から、当該地震の主要動が到達する時刻を地震発生初期段階において判定するための地震の主要動の到達判定方法およびこれを用いた判定システムに関するものである。
周知のように、地震動は、図10に示すように、大別して初期微動(以下、P波と略す。)と主要動(以下、S波と略す。)に分類することができる。そして、地震による被害は、その殆どがS波による地震動によって引き起こされるものである。
一方、S波は、P波よりも伝搬速度が遅いことから、地震発生時には、先ずP波の到達が観測され、一定時間が経過した後にS波が到達する。したがって、地震発生後、早期に生産能力を回復することが求められる工場などの生産設備においては、地震が発生した際に、P波の情報から、後に到達するS波の強さの大小を判別し、当該S波が到達した時点で既に機器の緊急停止の要否判定を終えていることが望ましい。
そこで、例えば下記特許文献1においては、P波の加速度最大値を用いて、S波の速度最大値を判定する方法が提案されており、下記特許文献2においては、P波の情報を用いて、S波の強さを判定する警報システムが提案されている。
特開2010−164325号公報 特開2009−32141号公報 松村正三、岡田義光、堀貞喜:地震前兆解析システムにおける地震データ(高速採取データ)の処理、国立防災科学技術センター研究報告、第41号、pp.44−64、1988
しかしながら、これらの従来技術は、地震発生後、予め設定された数秒間におけるP波の波形情報に基づいて判定を行うものであるために、特に震源が遠方の地震のように、P波の地震波形が数十秒かけて成長するような地震に対しては、当該P波の強さが充分に大きくなりきらない時点で判定を行うことになり、この結果やがて到達するS波の強さを過小評価する傾向があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、地震動のP波の強さを適切に評価するために、現地地震計で得られた地震波の情報から、震源などの情報を介すことなく、簡易にかつ高い精度でS波の到達を判定することができる地震の主要動の到達判定方法および判定システムを提供することを課題とするものである。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、判定の対象となる現地に設置した地震計で検知された地震のP波の振動波形から、上記現地へのS波の到達を判定するための地震の主要動の到達判定方法であって、上記現地の地震計で計測された振動波形から連続的にSTA/LTAを算出し、得られた値が予め設定されたP波検知用の閾値を越えた際に上記P波の到達を検知し、次いで引き続き当該P波の振動波形を計測するとともにSTA/LTAを算出して、得られた値が予め設定されたS波検知用の閾値を越えた際に上記S波が到達したと判定することを特徴とするものである。
ここで、STA/LTAとは、波形振幅(加速度、速度、変位等)の絶対値の短時間移動平均STAと、長時間移動平均LTAの比である。すなわち、図3(a)に示す地震に対する波形振幅の絶対値のグラフにおいて、STAとLTAとの比を算出して、同様に時間軸で示せば、図3(b)のように表される。図3は、加速度振幅に対して、STAの移動平均間隔を0.1秒、LTAの移動平均間隔を5.0秒とした例である。
なお、STA/LTAを用いた技術に関しては、例えば上記非特許文献1において開示されている。そして、本発明は、上記STA/LTAの値を、P波およびS波の到達の判定に使用するものである。
次いで、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、予め、過去に発生した複数の地震のデータから、各々の上記地震の計測地点におけるP波の観測波形から算出したSTA/LTAの最大値と当該計測地点における上記P波の継続時間との関係式を求めておき、上記現地の地震計がP波の到達を検知した後、STA/LTAの最大値と上記関係式とから上記P波の継続時間を予測し、上記P波の継続時間と上記P波の検知時刻を用いて上記S波の到達時刻を判定することを特徴とするものである。
また、請求項3に記載の本発明に係る地震の主要動の到達判定システムは、判定の対象となる現地に設置された地震動の波形情報検出手段と、この波形情報検出手段によって計測されたP波の観測波形からS波の到達を判定する判定手段とを備えてなり、上記判定手段は、上記波形情報検出手段から送られてくる上記P波の観測波形から連続的にSTA/LTAを算出して、得られた値が予め設定されたP波検知用の閾値を越えた際に上記P波の到達を検知し、次いで引き続き送られてくる当該P波の振動波形から連続的にSTA/LTAを算出して、得られた値が予め設定されたS波検知用の閾値を越えた際に上記S波が到達したと判定する波形処理部を備えていることを特徴とするものである。
さらに、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、上記判定手段は、過去に発生した複数の地震のデータから、各々の上記地震の計測地点におけるP波の観測波形から算出したSTA/LTAの最大値と当該計測地点における上記P波の継続時間との関係式を格納したデータベースを有し、かつ上記波形処理部は、上記現地の地震計がP波の到達を検知した後、STA/LTAの最大値と上記関係式とから上記P波の継続時間を予測し、上記P波の継続時間と上記P波の検知時刻を用いて上記S波の到達時刻を判定することを特徴とするものである。
なお、本発明において、初期微動をP波と略称して用い、主要動をS波と略称して用いているため、請求項2および請求項4に記載の発明における上記P波継続時間とは、P波到達検知時刻からS波到達時刻までの時間をいうものである。
請求項1〜4のいずれかに記載の発明によれば、地震計で計測された振動波形から連続的にSTA/LTAを算出し、順次更新されるSTA/LTAの値がP波検知用の閾値を越えた際にP波の到達を検知し、次いでP波の振動波形を計測するとともにSTA/LTAを算出して、同様に順次更新されるSTA/LTAの値がS波検知用の閾値を越えた際にS波が到達したと判定しているために、直下型地震のように、S波がすぐに到達する地震に対しても、S波の到達を高い精度で判定することができる。
さらに、請求項2または4に記載の発明によれば、予め過去に発生した複数の地震のデータ、好ましくは判定対象に回避すべき災害をもたらす虞のある複数の大地震のデータから、各地震の計測地点におけるP波の観測波形から算出したSTA/LTAの最大値と当該計測地点における上記P波の継続時間との関係式を求めておき、地震発生時に得られたP波の観測波形から連続的にSTA/LTAを算出し、その最大値と上記関係式からS波の到達時刻を判定しているので、簡易な演算処理によって地震発生初期段階にS波の到達時刻を判定することができる。
この際に、一般に震源が判定対象となる現地から近距離である場合には、P波が上記現地に到達するまでの間の分散や減衰が少ないことから、STA/LTAの値の立ち上がりが明確に現れ、そのまま最大値を記録した後は徐々に低下する。これに対して、震源が遠距離である場合には、到達するまでのP波の分散や減衰により、STA/LTAの値が徐々に立ち上がったり、あるいは極大値が段階的に複数観測されたりして、当該STA/LTAの値の最大値が判別し難くなる傾向にある。
この点、本発明においては、P波を連続的に計測するとともにSTA/LTAを算出して、順次得られるSTA/LTAの最大値と上記関係式とから、P波の継続時間を予測してS波の到達時刻を判定しているために、震源が近距離の地震のみならず、遠距離の地震に対しても、高い精度でS波の到達時刻を判定することができる。
加えて、P波の到達を検知した後に、併行してSTA/LTAの値がS波検知用の閾値を越えた際にS波が到達したと判定しているために、STA/LTAの最大値と上記関係式からP波の継続時間を実際よりも長く予測した場合においても、確実にS波の到達を把握することができる。
本発明に係るS波の到達判定システムの一実施形態を示す概略構成図である。 図1の波形処理部における処理を示すフローチャートである。 (a)は地震計で観測された加速度波形を示すグラフであり、(b)は上記加速度波形から算出されたSTA/LTAの値を示すグラフである。 図1の波形処理部におけるS波到達時刻の判定方法を説明するための図で、(a)は地震計で観測された加速度波形を示すグラフ、(b)は上記加速度波形から算出されたSTA/LTAの値の最大値からS波の到達時刻を判定するグラフ、(c)は新たに検出したSTA/LTAの値の最大値からS波の到達時刻判定を更新した状態を示すグラフである。 図1の波形処理部におけるS波の強さの判定方法を説明するために図で、(a)は判定されたS波到達時刻を示すグラフ、(b)はP波の経過率について当該経過率の経過時間までのP波の観測波形の最大値を求める状態を示すグラフ、(c)は上記最大値からS波の最大値を判定する状態を示すグラフである。 図1のデータベースに格納したデータの元となる過去の地震を示す図表である。 図6の過去の地震データから得られたP波の継続時間の判定に用いる関係式を示すグラフである。 図6の過去の地震データから得られた複数のP波の経過率における各経過率の経過時間までのP波の観測波形の最大値とS波の観測波形の最大値およびこれら最大値から算出された関係式を示すグラフである。 P波が到達した後にS波の到達を判定する方法を説明するためのグラフである。 現地に到達する一般的な地震動の変化を示すグラフである。
以下、図1〜図9に基づいて、本発明に係る地震の主要動の到達判定方法および判定システムの一実施形態について説明する。
図1は、上記判定システムの概略構成を示すもので、この判定システムは、判定の対象となる現地に設置された地震動の波形情報検出部(波形情報検出手段)1と、この波形情報検出部1によって計測されたP波の観測波形から、後に到達するS波の強さ(最大加速度や最大速度)を判定するパーソナルコンピュータ(判定手段、以下PCと略す。)2と、このPCからS波の最大値が閾値を超えた際に制御信号を関係機器類等に送信する送信ライン3とから概略構成されたものである。
ここで、本実施形態においては、波形情報検出部1として1または複数の地震計が用いられており、当該地震計によって観測された時刻歴波形がPC2の波形処理部4に送信されるようになっている。
このPC2は、全体を統括制御するCPU(主制御部)に、入出力制御部を介して実行プログラムを記録したハードディスク等の記憶装置、キーボードやマウス等の入力装置が接続されることによって上記波形処理部4が構成されるとともに、当該波形処理部4に入出力データを表示するモニタおよび判定結果などを記録する記憶装置(出力部)5、データベース6を格納した記憶装置および送信ライン3が接続されたものである。
そして、データベース6内には、図6に示す過去の大地震のデータから得られたS波の到達時刻を判定するための第1の関係式と、各々の上記大地震の計測地点でP波到達検知後における複数のP波の経過率(P波到達検知時から各々の判定時までの経過時間/P波の継続時間)について当該経過率の経過時間までのP波の観測波形の最大値とS波到達後のS波の観測波形の最大値との第2の関係式が格納されている。なお、P波到達検知時とは、本実施形態においては、各々の地震の計測地点におけるP波の観測波形からSTA/LTAを算出し、初めて閾値を超えた時刻とした。
ちなみに、図6に示す過去の大地震は、予め過去に発生した複数の地震のデータのうちから、判定の対象となる現地(例えば、振動を嫌う多数の精密機械が設置された工場)において、回避すべき災害をもたらす虞のあるものとして抽出されたものである。具体的には、観測点での加速度最大値、計測震度が一定値以上となるものを用いた。
そして、第1の関係式は、図6に示す複数の大地震のデータから、各々の地震の計測地点におけるP波の観測波形からSTA/LTAを算出し、その最大値と当該計測地点における上記P波の継続時間との関係を求めたものである。
これを具体的に説明すると、先ず前提となるSTA/LTAとは、波形振幅(加速度、速度、変位等)の絶対値の短時間移動平均STAと、長時間移動平均LTAの比である。すなわち、図3(a)に示す地震に対する波形振幅の絶対値のグラフにおいて、STAとLTAとの比を算出して、同様に時間軸で示せば、図3(b)のように表される。図3は、加速度振幅に対して、STAの移動平均間隔を0.1秒、LTAの移動平均間隔を5.0秒とした例である。なお、STA/LTAを用いた技術に関しては、例えば上記非特許文献1において開示されている。本発明は、上記STA/LTAの値を、S波到達の判定およびS波到達時刻の判定に使用するものである。
すなわち、図7は、図6に示した大地震の発生時に観測されたP波の加速度波形についてSTA/LTAを算出し、その最大値と当該計測地点における上記P波の継続時間とをグラフにプロットしたものである。なお、図7においては、後述するS波の到達判定によって、S波が到達したと判定されたデータは除外してある。
そして、STA/LTAの最大値PRSLと、P波到達検知時刻からS波到達時刻までの時間であるP波の継続時間dT(秒)との間には、概略下式で表される関係がある。
dT=αlog10(PRSL)+β
ここで、α、βは、判定に用いる係数である。
そこで、図7に示す過去の地震観測記録の分析結果から、最小二乗法を用いて係数α、βを決定する。図7中実線で示す曲線は、このようにして求めた上記第1の関係式を示すものである。
また、第2の関係式は、図6に示す各々の大地震の計測地点における複数のP波の経過率(本実施形態においては、図8に示すように、0.2、0.4、0.6、0.8、1.0、1.2、1.4および1.6)について算出した当該経過率の経過時間までのP波の観測波形の最大値とS波の観測波形の最大値との関係を示すものである(図5参照。)。
より具体的には、判定対象であるS波の強さPAは、P波の到達検知時刻(T)からP波継続時間に対する上記経過率(P波経過率L)に至る時刻(T)までの観測波形の最大値PAと、上記経過率Lを以下の式に代入することで判定される。
PA=10^(α(L)*log10(PA)+β(L))
=(T−T)/(TSe−T
ここで、α、βは判定式で用いる係数であり、P波経過率Lごとに定まる値である。また、TSeは、上記第1の関係式を用いて判定されたS波到達時刻である。
そして、図8は、図6に示す過去の地震観測記録の分析結果から、各々の経過率について横軸をPA(加速度3成分最大値)とし、縦軸をPA(主要動の加速度水平成分最大値)とした場合の各P波経過率に対応する時刻までの関係図を示すものであり、この結果から経過率毎に最小二乗法を用いて上記係数α、βを決定する。図8中実線で示す曲線は、このようにして求めた上記第2の関係式を示すものである。
次に、図2に基づいて、PC2の波形処理部4における機能とともに、本発明に係る地震の主要動の到達判定方法の一実施形態について説明する。
先ず、地震発生後、波形情報検出部1から送られてくる振動の波形情報からP波の到達を検知した時点で、S波の強さの判定を開始する。ここで、P波の到達を検知するには、本実施形態においては、上記波形情報からSTA/LTAを算出し、初めて閾値を超えた場合にP波が到達したものと判断する。
その第1段階として、上記P波の波形情報からS波の到達時刻を判定する。先ず、連続的に当該P波の観測波形のSTA/LTAを算出する。
そして、図4(b)に示すように、P波到達検知時刻のSTA/LTAの値と、上記第1の関係式とから、P波の継続時間dTを算出して、S波の到達時刻TSe(秒)を次式を用いて判定する。
Se=T+dT
ここで、Tは、P波到達検知時刻(秒)である。
次いで、図4(c)に示すように、順次得られるSTA/LTAの値から最大値が得られた場合に、さらに当該最大値と上記関係式とからP波の継続時間dTを更新して、新たなS波の到達時刻TSeを判定する。
ちなみに、仮に図4(c)に示す最大値を検知した後に、より大きな最大値が算出された場合には、再び当該最大値と上記関係式とからP波の継続時間dTを更新して、新たなS波の到達時刻を判定する工程を繰り返す。
これと併行して、図9に示すように、P波検出後に波形情報検出部1から送られてくる振動の波形情報からSTA/LTAを算出して、得られた値が予め設定されたS波検知用の閾値を越えた際にS波が到達したと判定する。具体的には、P波検出後のSTA/LTAの最小値Pを順次更新するとともに最大値Pも順次更新し、これらの差(P−P)を連続的に算出して、その値が予め設定されたS波検知用の閾値を越えた時に、S波が到達したと判定して、送信ライン3から生産機器等へ制御信号送信先に、例えば当該生産機器類を緊急に停止させる等の制御命令を送信する。
他方、STA/LTAが予め設定されたS波検知用の閾値を越えていない間は、上述したS波の到達時刻TSeの判定を順次更新しつつ、第2段階として、判定されたS波到達時刻TSeおよびP波の到達検知時刻から、現在時刻TまでのP波経過率L(=(T−T)/(TSe−T))を算出する。
次いで、上記時刻Tまでの観測波形の最大値PAを用いて、当該経過率Lにおける上記第2の関係式から、これから到達するS波の強さPAを判定する。また、判定されたS波強さPA等の情報を、モニタ5での表示および記録装置5への出力を行うとともに、上記S波強さPAが、予め設定されている閾値を超えた時点で、送信ライン3から生産機器等へ制御信号送信先に、例えば当該生産機器類を緊急に停止させる等の制御命令を送信する。
なお、上記実施形態においては、地震の振動波形として応答加速度を用いた場合についてのみ示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、地震動に対する応答速度や計測震度などを用いても、同様の精度で判定が行えるものと考えられる。また、S波の到達時刻の判定についても、上記実施形態において示したものに限らず、例えば緊急地震情報等を利用して判定することもできる。
以上説明したように、上記構成からなる地震の主要動の到達判定方法および判定システムにおいては、地震計1で計測された振動波形から連続的にSTA/LTAを算出し、順次更新されるSTA/LTAの値がP波検知用の閾値を越えた際にP波の到達を検知し、次いでP波の振動波形を計測するとともにSTA/LTAを算出して、同様に順次更新されるSTA/LTAの値がS波検知用の閾値を越えた際にS波が到達したと判定しているために、直下型地震のように、S波がすぐに到達する地震に対して、当該S波の到達を高い精度で判定することができる。
これに加えて、予め過去に発生した複数の地震のデータ、好ましくは判定対象に回避すべき災害をもたらす虞のある複数の大地震のデータから、各地震の計測地点におけるP波の観測波形から算出したSTA/LTAの最大値と当該計測地点における上記P波の継続時間との関係式を求めておき、地震発生時に得られたP波の観測波形から連続的にSTA/LTAを算出し、その最大値と上記関係式からS波の到達時刻を判定しているので、簡易な演算処理によって地震発生初期段階にS波の到達時刻を判定することができる。
また、STA/LTAの最大値と上記関係式からP波の継続時間を実際よりも長く予測した場合においても、STA/LTAの値がS波検知用の閾値を越えた際にS波が到達したと判定しているために、確実にS波の到達を知らせることができる。
1 波形情報検出手段(地震計)
2 PC(判定手段)
3 送信ライン
4 波形処理部
6 データベース

Claims (4)

  1. 判定の対象となる現地に設置した地震計で検知された地震のP波の振動波形から、上記現地へのS波の到達を判定するための地震の主要動の到達判定方法であって、
    上記現地の地震計で計測された振動波形から連続的にSTA/LTAを算出し、得られた値が予め設定されたP波検知用の閾値を越えた際に上記P波の到達を検知し、次いで引き続き当該P波の振動波形を計測するとともにSTA/LTAを算出して、得られた値が予め設定されたS波検知用の閾値を越えた際に上記S波が到達したと判定することを特徴とする地震の主要動の到達判定方法。
  2. 予め、過去に発生した複数の地震のデータから、各々の上記地震の計測地点におけるP波の観測波形から算出したSTA/LTAの最大値と当該計測地点における上記P波の継続時間との関係式を求めておき、
    上記現地の地震計がP波の到達を検知した後、STA/LTAの最大値と上記関係式とから上記P波の継続時間を予測し、上記P波の継続時間と上記P波の検知時刻を用いて上記S波の到達時刻を判定することを特徴とする請求項1に記載の地震の主要動の到達判定方法。
  3. 判定の対象となる現地に設置された地震動の波形情報検出手段と、この波形情報検出手段によって計測されたP波の観測波形からS波の到達を判定する判定手段とを備えてなり、
    上記判定手段は、上記波形情報検出手段から送られてくる上記P波の観測波形から連続的にSTA/LTAを算出して、得られた値が予め設定されたP波検知用の閾値を越えた際に上記P波の到達を検知し、次いで引き続き送られてくる当該P波の振動波形から連続的にSTA/LTAを算出して、得られた値が予め設定されたS波検知用の閾値を越えた際に上記S波が到達したと判定する波形処理部を備えていることを特徴とする地震の主要動の到達判定システム。
  4. 上記判定手段は、過去に発生した複数の地震のデータから、各々の上記地震の計測地点におけるP波の観測波形から算出したSTA/LTAの最大値と当該計測地点における上記P波の継続時間との関係式を格納したデータベースを有し、
    かつ上記波形処理部は、上記現地の地震計がP波の到達を検知した後、STA/LTAの最大値と上記関係式とから上記P波の継続時間を予測し、上記P波の継続時間と上記P波の検知時刻を用いて上記S波の到達時刻を判定することを特徴とする請求項3に記載の地震の主要動の到達判定システム。
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