JP2022087776A - 地震波を時間領域に分解して地震前兆現象を捉える地震予測時間領域解析システム - Google Patents
地震波を時間領域に分解して地震前兆現象を捉える地震予測時間領域解析システム Download PDFInfo
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Abstract
【課題】地震の発生時期・場所を確度高く容易かつ迅速に予測し地震規模を推定し、地震の全過程に地殻動力学変化を反映する地震動力学パラメータを提供する。【解決手段】地震波分解技術の開発を行う。地震波放出前の岩石摩擦力係数と地殻復元力係数の変化を長期に観察し続け、地震前夜に岩石摩擦力係数と地殻復元力係数間の相関係数が正から負へ変化することにより地震の発生時刻・場所を予測する。更に岩石摩擦力係数と地殻復元力係数の初期変化と全地震エネルギー指標間に強い正の相関があることを利用して地震規模を推測する。地震波分解技術は、非線形自己回帰和分過程を用いて地殻動力学解析を行い、地震データを最小二乗法で動力学パラメータに分解する技術である。【選択図】図1
Description
本発明は、地震計で検出した初期地震波から、時間領域解析に基づき地震波分解技術により、地震の前兆情報を抽出して地震を予測するシステムに関するものである。
地震予測とは、地震の発生時期・発生場所・規模の3要素を地震が発生する前に予め示すことである。3要素で一番重要なのは時期である。3秒前に地震速報を入手出来れば犠牲者の数を14%削減でき、10秒前に入手出来れば犠牲者の数を39%削減でき、20秒前に入手出来れば犠牲者の数を63%削減できると評価されている。
現状では地震の発生時期・発生場所・規模を確度高く迅速に予測することは技術的に困難である。まず、P-S波の走時差を利用する地震予測では有効性が低い。P波が到着してからS波・表面波が到着するまでの時差は数秒から数十秒位しかない。
更に地震の発生タイミングはランダムであり、地震を発生させる断層運動が非線形プロセスであり、地球内部の様々な要素と取り入れた計算は困難になり、また高感度なカオスになる可能性がある。しかし、地震先行現象が確定的に起これば、地震予測が可能である。地震発生前のプレート境界の応力、ひずみ、重量、電気、磁気、地下水の異常変化のような地震前兆を検出する非地震波手法が開発されているが、現状では信頼性の高い前兆情報を抽出する手法になっていない。周波数領域での地盤の非線形性も適切に評価できるまでには至っていない。人工知能による地震予知に関する手法は確立されていない。
そして、地震波伝播の制御機構はまだ不明なことである。地下媒体中を伝播する地震波は非常に複雑で非線形の過程である。マントルの物質の流れがプレート運動の最も可能性の高い推進力かどうかについて専門家間での合意はなされていない。地震は、すべてブロック-ブロック解除という遷移であり、ブロック解除後の岩石ブロックの滑りまたは流れにより引き起こされるエネルギー放出であるが、断層は全体が均等に滑る訳ではない。地震波は固体の連続的な地殻媒体を伝播するのではなく、岩石や地層からなる地殻、マントルなどの複数の異なる媒体を伝播するので振る舞いは複雑である。地震波伝播はエネルギー損失のない完全な弾性的なプロセスではなく、摩擦があり熱の発生を引き起こすエネルギー損失プロセスである。そして、断層破壊ダイナミクスを表す運動学モデルは、破壊伝播に対して力学的な拘束条件を設けていない。破壊伝播に対して力学的な拘束条件を設けた地震動力学モデルは、運動学モデルと同じく解析解が存在しない。数値計算で地震波伝播の制御機構解析は困難になり、その手法が効率的で正確であるかどうかという疑問が残る。
地殻中の地震波伝播は非線形で不完全な弾性離散的な過程である。本発明は、近年ニュートンの運動の第2法則を適用して導出された非線形自己回帰和分NLARI過程を完全又は不完全な弾性離散的な地震波の伝播過程を取り扱う地震動力学モデルとして採用する。
NLARI過程は解析解を持ち、動力学の制御機構動、フラクタル特性及び統計的特性を解明した。物体が攪乱外力、低速での抵抗力、と平衡点に引き戻す復元力を受けるとき、抵抗力応答の時間遅延κ1=1の場合には、その物体のダイナミクスを次のNLARI過程で記述できる。
NLARI過程は解析解を持ち、動力学の制御機構動、フラクタル特性及び統計的特性を解明した。物体が攪乱外力、低速での抵抗力、と平衡点に引き戻す復元力を受けるとき、抵抗力応答の時間遅延κ1=1の場合には、その物体のダイナミクスを次のNLARI過程で記述できる。
地震の発生時間がランダムであるが、地震前兆が確定的に現れる可能性はある。地震前兆の真偽の確認のため、異常の原因となるメカニズムと地震前兆の関係を解明すべきである。
地震波伝播のメカニズムと制御機構を理解するために動力学モデルは非常に重要であるが、現時点では地震動力学モデルは少なく、地震モデルの解析解が存在しない。数値計算で取り扱う地震波伝播の解析は困難であり、その手法が正確であるかどうかという疑問が残る。
本発明は、以下のことを有する地震予測時間領域解析システムの提供を目指す。第一に、地震波から地震の前兆を捉えて地震の発生時期と発生場所を確度高く予測できること、第二に、初期の地震波によって地震規模をある程度で推定すること、第三に、地震波振幅と地震波の放出されたエネルギーの関係を解明すること、第四に、地震の発生メカニズムの理解と前震・本震・余震の予測ため地震の全過程で地殻動力学の変化を可視化すること。
まず、本発明は、地震地殻動力学の解析を行い、地震動力学モデルを構築する。プレート運動による応力の蓄積過程ではプレート境界または岩内部の緩慢な運動を妨げる静摩擦と地震後に移動する岩の間の滑り・転がり・流体摩擦という動摩擦を生じる。プレート境界面に蓄積された圧縮応力・引張り応力・せん断応力・拘束応力が岩石強度の限界値を超えるとき岩石に亀裂が生成される。地震波は亀裂から外側に伝播し、それらが通過する岩石を交互に押し、伸ばし、剪断し、ねじる。岩体の剪断破壊強度を超えると地殻には均衡または新しい平衡状態に駆動される復元力が生じる。地殻は断層運動によって放出されたエネルギーを攪乱する外力、岩石摩擦力と地殻復元力を受ける。岩石摩擦力は低速度の関数である速度の線形関数に近似できる。地殻復元力は平衡から離れた距離の非線形関数と見られる。これによって、ニュートンの運動第2法則から導出されたNLARI過程の前提条件が満たされる。岩石摩擦力と地殻復元力の応答時間遅れを考慮し、局部地殻運動を表す完全又は不完全な弾性離散化の質点の地震動力学NLARIモデルを構築した。
次に、地震動力学NLARIモデルのパラメータを最小二乗法で推定して地震波を岩石摩擦力係数、地殻復元力係数、地殻安定性係数、地震波エネルギー指標、地震波振幅指標を含む地震動力学NLARIパラメータセット(図2に示す)に分解する地震波分解技術を開発した。
地震動力学NLARIパラメータを推定する前に以下のような初期化を行う。地震動力学NLARIパラメータを正しく推定するため、地震動力学NLARIモデルを書き改める。地震動力学NLARIモデルの安定不動点が大域的漸近安定ではないので大きい摂動が与えられた際の影響を抑制するために地震計データの絶対値を縮小する必要がある。岩石圏の継続的な生成、進化、及び移動は地殻の構造運動に寄与するので、地震動力学NLARIパラメータは時間と共に変化する。地殻動力的変化を反映するようにパラメータを期間ごとに推定する。
更に、地震動力学NLARIパラメータに基づき地震前兆を捉える。プレートの定常的な沈み込みは長期的な応力蓄積をもたらし、地殻変形や破裂と転位、および弾性ひずみエネルギーの放出につながる。ひずみは、長期間にわたる応力の継続的な蓄積の結果であり、応力の有意な変化が最初に発生し、地殻の破裂によって引き起こされるひずみが後に発生する。岩石応力は岩石摩擦と地殻回復力を引き起こす。従って、地震波が解放される前に、岩石の静的摩擦力は地震発生よりずっと前から明らかに異常変化するはずである。岩盤が破裂する最初に、岩石の摩擦力と地殻の復元力との間に正の相関関係がある。しかし、岩盤が破裂する前夜に、岩石の累積応力が最大に増加し、岩盤が破裂したため、2つの反対の結果が生じる。第一は岩石の静的摩擦が消失して滑り・転がり摩擦になり、岩石摩擦が減少する。第二に、地殻復元力が急激に増加する。従って、岩石摩擦と地殻復元力の間に負の相関が生じる。通常、一回だけでは岩盤の破裂は地震を引き起こさないので正から負への相関の変化が繰り返し発生する可能性がある。本発明者は、図2に示すように、地震波放出前の岩石摩擦力係数・地殻復元力係数の異常変化が長期に続いていることと、地震の前夜に岩石摩擦力係数と地殻復元力係数間の相関が強い正の相関から負の相関へ変化することを繰り返すのは地震の前兆現象として地震前夜の地震短期予測を行う。
更に、初期の岩石摩擦力係数と地復元力係数の合計値と総地震波エネルギー指標の間に強い正の相関関係があることを見付けた。このことを生かして、地震規模を推定する。
波エネルギー強度を反映する地震波エネルギー指標、全時期に放出された地震波エネルギー強度の総和の総地震波エネルギー指標、地震波エネルギー指標の地殻復元力係数に対する比率によって決められる地震波振幅指標を導入する。総地震波エネルギー指標は地震規模に相当し、地震波振幅指標は加速度や速度地震波振幅に基づく計測震度に相当する。
前震・本震・余震の予測ため、地震の形成・前夜・発生・終了過程に跨って地殻動力学の変化を地震動力学NLARIパラメータセットの推定値の変動を可視化する。
以下のような特徴を有する地震予測時間領域解析システムを次のような手順で提案する。
ステップ1:地震動力学NLARIモデルを導出する。
ステップ2:地震計データの絶対値を縮小し、これらのデータを等間隔に分割し、地震動力学NLARIモデルを書き改める方法で初期化する。
ステップ3:過去の地震で得られた地震計データを使用し、モデルのパラメータを最小二乗法で推定し、地震予測値の閾値を設定する。
ステップ4:南北・東西・上下の3成分地震計データの初期値を使用し、ステップ2で書き改められたモデルを用いて最小二乗法で岩石摩擦係数と地殻応力係数を推定し、地震予測値と相関係数を算出する。
ステップ5:地震予測値の閾値を超過し、相関係数がゼロ以下になると、警報を発し、地震規模参照値を出力する。
ステップ6:地震の前夜・発生・終了の地震計データを使用し、地震の全過程で地殻動力学変化を反映する地震動力学NLARIパラメータセットの推定値を出力する。
ステップ1:地震動力学NLARIモデルを導出する。
ステップ2:地震計データの絶対値を縮小し、これらのデータを等間隔に分割し、地震動力学NLARIモデルを書き改める方法で初期化する。
ステップ3:過去の地震で得られた地震計データを使用し、モデルのパラメータを最小二乗法で推定し、地震予測値の閾値を設定する。
ステップ4:南北・東西・上下の3成分地震計データの初期値を使用し、ステップ2で書き改められたモデルを用いて最小二乗法で岩石摩擦係数と地殻応力係数を推定し、地震予測値と相関係数を算出する。
ステップ5:地震予測値の閾値を超過し、相関係数がゼロ以下になると、警報を発し、地震規模参照値を出力する。
ステップ6:地震の前夜・発生・終了の地震計データを使用し、地震の全過程で地殻動力学変化を反映する地震動力学NLARIパラメータセットの推定値を出力する。
上記の手順を地震予測の準備(ステップ1-3)と実施(ステップ4-6)に分ける。上記の手順のステップ1では、岩石摩擦力応答の時間遅延κ1=1の場合に地震動力学NLARIモデルは次のようなに導入される。
ルギーの大きさを反映する特徴指標である。
[α]岩石摩擦力係数: 岩石内部またはプレート境界間の摩擦力の大きさを反映する指標。この係数の急激な増加は静摩擦力を増加することを示唆している。この係数の異常な増加から大幅な減少に変化することは静摩擦力が消滅または減少し、岩石の破裂や崩壊を発生し、スライド、ローリング、流体摩擦が出現または増加することを示唆している。
[β]地殻復元力係数: 岩石応力が局所的に高まり、岩体の剪断破壊強度を超えて地殻を均衡または新しい平衡状態に駆動される際に働く復元力の大きさを反映する指標。この係数が低い値から高い値に変わるときに岩石の破裂と崩壊が発生し、リソスフェアが新しい地殻平衡状態になることを示唆していること
以上の[α]と[β]の性質を合わせると、岩石摩擦力係数と地殻復元力係数間の相関が正から負へ度々変わることは地震発生が迫っている地震の前兆を示唆している。
[κ2]地殻復元力応答の時間遅延
[γ]地殻安定性係数 γ=β/(4-2α): 地殻がシステムの安定性を維持する能力の強さを反映する指標である。岩石の摩擦力係数と地殻復元力係数は大きいほど、地殻安定性係数は大きくなる。特にκ1=κ2=1の場合に 0<γ<1ならば、地殻が安定不動点にある。
[η2]地震波振幅指標η2=σ/β:地震波振幅の高さを反映する指標である。この指標が大きい(小さい)ほど、地震波の振幅が大きい(小さい)。計測震度(Spectral Intensity:SI)に相当する。
地震フラクタル指標η2=σ/β:地震波の長期相関性を反映する指標である。この指標が小さい(大きい)ほど、地震波の長期相関性が強い(弱い)と見られ、又は偶数の地殻復元力応答の時間遅延の場合では自己相関関数は長くてゆっくりとした変動が起こることを示唆している。
[誤差から生成されたホワイトノイズは、安定している線形システムに累積的な影響を与えず、その自己相関関数(ACF)値は、ラグステップが増加するにつれて指数的に減衰する。ただし、安定している線形システムでない場合、誤差から生成されたホワイトノイズは、システムに明確に累積的な影響を及ぼすケースがある。この場合にACF値は、ラグステップが増加するにつれて二重曲率または振動または他の形でゆっくりと減衰する。この振る舞いは長期相関と呼ばれる。]
[Ω]地震動力学NLARIパラメータセットΩ={σ,α,β,γ,η2,κ2}
ルギーの大きさを反映する特徴指標である。
[α]岩石摩擦力係数: 岩石内部またはプレート境界間の摩擦力の大きさを反映する指標。この係数の急激な増加は静摩擦力を増加することを示唆している。この係数の異常な増加から大幅な減少に変化することは静摩擦力が消滅または減少し、岩石の破裂や崩壊を発生し、スライド、ローリング、流体摩擦が出現または増加することを示唆している。
[β]地殻復元力係数: 岩石応力が局所的に高まり、岩体の剪断破壊強度を超えて地殻を均衡または新しい平衡状態に駆動される際に働く復元力の大きさを反映する指標。この係数が低い値から高い値に変わるときに岩石の破裂と崩壊が発生し、リソスフェアが新しい地殻平衡状態になることを示唆していること
以上の[α]と[β]の性質を合わせると、岩石摩擦力係数と地殻復元力係数間の相関が正から負へ度々変わることは地震発生が迫っている地震の前兆を示唆している。
[κ2]地殻復元力応答の時間遅延
[γ]地殻安定性係数 γ=β/(4-2α): 地殻がシステムの安定性を維持する能力の強さを反映する指標である。岩石の摩擦力係数と地殻復元力係数は大きいほど、地殻安定性係数は大きくなる。特にκ1=κ2=1の場合に 0<γ<1ならば、地殻が安定不動点にある。
[η2]地震波振幅指標η2=σ/β:地震波振幅の高さを反映する指標である。この指標が大きい(小さい)ほど、地震波の振幅が大きい(小さい)。計測震度(Spectral Intensity:SI)に相当する。
地震フラクタル指標η2=σ/β:地震波の長期相関性を反映する指標である。この指標が小さい(大きい)ほど、地震波の長期相関性が強い(弱い)と見られ、又は偶数の地殻復元力応答の時間遅延の場合では自己相関関数は長くてゆっくりとした変動が起こることを示唆している。
[誤差から生成されたホワイトノイズは、安定している線形システムに累積的な影響を与えず、その自己相関関数(ACF)値は、ラグステップが増加するにつれて指数的に減衰する。ただし、安定している線形システムでない場合、誤差から生成されたホワイトノイズは、システムに明確に累積的な影響を及ぼすケースがある。この場合にACF値は、ラグステップが増加するにつれて二重曲率または振動または他の形でゆっくりと減衰する。この振る舞いは長期相関と呼ばれる。]
[Ω]地震動力学NLARIパラメータセットΩ={σ,α,β,γ,η2,κ2}
更に、ステップ3では、地震予測に必要な閾値の設定を以下の方法で行う。過去にk回
元力応答の時間遅延は2倍長くなるので、地震予測に対する地殻応力係数の影響は小さくなり、地震における岩石摩擦係数の初期推定値の3成分最大値の過去最小値を地震予測の
元力応答の時間遅延は2倍長くなるので、地震予測に対する地殻応力係数の影響は小さくなり、地震における岩石摩擦係数の初期推定値の3成分最大値の過去最小値を地震予測の
本発明の方法により、地震波放出の1ヶ月か数か月以上前から岩石摩擦力係数と地殻復元力係数の異常変化が長期間続いていることを見出したので、この性質を生かして地震長期予測に役立てることができる。更に、地震の前夜に岩石摩擦力係数と地殻復元力係数間の相関係数の正から負へ変換が繰り返していることは地震発生が迫っていることを示唆し、この性質を生かして数時間前から地震短期予測ができる。地震の1ヶ月前か数ヶ月以上前からの長期予測や数時間前からの短期予測が可能になる。地震被害を軽減するのに十分な時間を与えられ、死傷者の数をほぼゼロに減少できる。全国的に地震計が設置されているので、地震の発生場所に近い観測点があり、地震の発生場所をかなり正確に予測できる。
本発明の地震予測値(初期の岩石摩擦力係数/地復元力係数)と総地震波エネルギー指標の間に強い正の相関関係を生かして地震規模の参照値を提供することができる。本発明で開示される総地震波エネルギー指標が地震規模(マグニチュード:M)に相当し、地震波振幅指標が加速度(速度)地震波振幅に基づく計測震度(Spectral Intensity:SI)に相当する。地震波振幅指標が地震波エネルギー指標の地殻復元力係数に対する比率によって決められるため、地震波振幅と地震規模の違いを明確に区別できるようになる。
地震予測時間領域解析システムは、専用チップを必要としないため、低コストで高感度地震観測網を広域で活用する地震予測システムになりやすい。継続的地殻動力学的変化を可視化するのは地震の形成・発生・進展・終了の理解や前震・本震・余震の予測等に役立つ。
プレートが引っ張られて起こっている歪みが限界にくると、地盤が弱い場所の断層部分がズレ動く内陸型地震が発生する。図1に示すように2016年熊本県熊本地方の地震を内陸型(活断層型)の例として本発明の地震波分解技術の効果を検証した。地震計データを期
地震動力学パラメータを推定した。地震動力学NLARIモデルを使用するので、速度や加速度記録を変位に変換すべきとの考え方も存在するが、本発明は、速度/加速度地震記録データを以下のような理由で直接的に使用した。速度・加速度記録データを積分して変位データを求めると、長周期成分がセンサの傾きや観測ノイズなどの影響を受けることにより変位波形にトレンド成分が発生し、正確な変位データを求めることは難しいからである。次に、もし加速度・速度記録データを直接的に使用して地震の前兆情報が抽出できるのであれば、変位データに変換する必要が無く地震予測を速やかに出すことができるからである。更に、地震波振幅指標が計測震度と同じように加速度・速度記録に基づく震度指標として両指標との比較がし易くなる。2016年4月14日21時26分に前震が発生し、規模6.5(Mj),震央は北緯32度44.5分、東経130度48.5分、深さ11km;4月16日1時25分に本震が発生し、規模7.3(Mj),震央は北緯32度45.2分、東経130度45.7分、深さ12km。図3~図6は4月14日19時06分から4月14日21時36分までの前震データを使用した:データの観測点は熊本県上益城郡益城町辻の城148番地、32度47分35.31秒130度49分1.35秒、計測震度(SI)6.7。図6で使用したデータの観測点は宇城市豊野町糸石2996番地、北緯32度38分10秒、東経130度45分03秒、地表面標高70.0m、計測震度(SI)6.1。図3~図6で地震計データは、防災科学技術研究所高感度地震観測網(Hi-net)のホームページ(https://hinetwww11.bosai.go.jp/auth/?LANG=)から取得した。
地震動力学パラメータを推定した。地震動力学NLARIモデルを使用するので、速度や加速度記録を変位に変換すべきとの考え方も存在するが、本発明は、速度/加速度地震記録データを以下のような理由で直接的に使用した。速度・加速度記録データを積分して変位データを求めると、長周期成分がセンサの傾きや観測ノイズなどの影響を受けることにより変位波形にトレンド成分が発生し、正確な変位データを求めることは難しいからである。次に、もし加速度・速度記録データを直接的に使用して地震の前兆情報が抽出できるのであれば、変位データに変換する必要が無く地震予測を速やかに出すことができるからである。更に、地震波振幅指標が計測震度と同じように加速度・速度記録に基づく震度指標として両指標との比較がし易くなる。2016年4月14日21時26分に前震が発生し、規模6.5(Mj),震央は北緯32度44.5分、東経130度48.5分、深さ11km;4月16日1時25分に本震が発生し、規模7.3(Mj),震央は北緯32度45.2分、東経130度45.7分、深さ12km。図3~図6は4月14日19時06分から4月14日21時36分までの前震データを使用した:データの観測点は熊本県上益城郡益城町辻の城148番地、32度47分35.31秒130度49分1.35秒、計測震度(SI)6.7。図6で使用したデータの観測点は宇城市豊野町糸石2996番地、北緯32度38分10秒、東経130度45分03秒、地表面標高70.0m、計測震度(SI)6.1。図3~図6で地震計データは、防災科学技術研究所高感度地震観測網(Hi-net)のホームページ(https://hinetwww11.bosai.go.jp/auth/?LANG=)から取得した。
図3~図6は2016年4月14日前震の前後30分間と150分間における主なNS・EW・UD成分の地震波分解結果を示している。速度地震波は21時26分30秒後から放出された(図3-1~図5-1)。地震波分解された3成分地震波エネルギー指標σ(図3-2~図5-2)と地震波振幅指標η2(図3-3~図5-3)は速度波形(図3-1~図5-1)と時間的、空間的に一致している。地震波エネルギー指標の高さ(図4-2)と地震波振幅指標の高さ(図4-3)は異なるケースがあるが、地震波振幅指標の低かった(図4-3)原因は、地殻復元力係数の大きかった(図4-5)ことである。
最も重要なことは、地震波が放出される前までには地殻変動が全く見えなかった(図3-1~図5-1)のに対して、地震波分解技術を用いると地震波が放出される前から地殻復元力係数β(図3-5~図5-5)、特に岩石摩擦力係数α(図3-4~図5-4)は異常な変化を続けていることが顕著に明らかになった。観測期間を拡大すると、このような異常に変化が少なくとも数ヶ月以前に開始していることが分った。
地震の長期予測より短期予測のほうが価値は高い。本発明は地震の前兆を捉える短期予測を開発した(図2)。益城前震の150分データをm=500(5秒)ごとに使用して岩石摩擦力係数と地殻復元力係数を推定し、地震前の両係数間の相関関係を調べた。地震波の放出される前に岩石摩擦力係数が異常な増加から急激に小さくなるに伴い地殻復元力係数は小さい値から大きくなることが交互に繰り返されている(図3-6~図5-6)。この現象を数量的に確認するため、3成分の岩石摩擦力係数と地殻復元力係数の推定値をそれぞれ30分ごとに分けて5組の相関係数を取得した。表2は地震前夜(第I期~第IV期)の岩石摩擦力係数と地殻復元力係数間で負の強い相関関係を示している。地震後(第V期)の両係数間の負の相関関係はやや弱くなっていく。この例は図2に示す地震予測の原理を確認した。
更に、本発明は、熊本地域の前震2016年4月14日21時から本震2016年4月16日2時までの29時間の地震計データを用いて岩石摩擦力係数と地殻復元力係数間の相関係数が正から負へ変化することを確認した。データをm=500(5秒)使用して岩石摩擦力係数と地殻復元力係数の推定値を得た。29時間を31期(前震発生期間を第1期21:00:00
力係数と地殻復元力係数の推定値を使用して31個の相関係数を得た。図6に示すように、地震発生前の前半期の岩石摩擦力係数と地殻復元力係数間に強い正の相関関係があるが、前震の前夜と本震の前夜には両係数間の相関関係は正から負へ変化していることが分った。他の大地震前夜においてもこの現象が観測された。実施例1は図2に示す地震予測の原理を明確に確認した。
力係数と地殻復元力係数の推定値を使用して31個の相関係数を得た。図6に示すように、地震発生前の前半期の岩石摩擦力係数と地殻復元力係数間に強い正の相関関係があるが、前震の前夜と本震の前夜には両係数間の相関関係は正から負へ変化していることが分った。他の大地震前夜においてもこの現象が観測された。実施例1は図2に示す地震予測の原理を明確に確認した。
2つのプレートが接する場所では、異なる運動をしているプレート同士の境界にひずみが蓄積し、プレート境界地震が発生する。2011年東北地方太平洋沖地震をプレート境界地震(海溝型地震)の例として地震予測の効果を検証した。2011年3月11日14時46分30秒に地震が発生し、地震規模(Mj)9.1、震央は北緯38度06.2分、東経142度51.6分、深さ24km。図7~図9で使用したデータの観測点は宮城県気仙沼市唐桑町石浜282番地5、北緯38度54分58.7秒、東経141度38分16.4秒、地表面標高80.0m,計測震度(SI)5.5。これらのデータは防災科学技術研究所高感度地震観測網(Hi-net)のホームページ(https://hinetwww11.bosai.go.jp/auth/?LANG=)から取得した。
実施例1と同じ方法を用いて3成分の地震計データを分解した。図3-1~図5-1と同じように、速度波形からは地震波が放出される前までには地殻変動が全く見えなかった(図7-1~図9-1)。しかし、地震波分解技術によって、地震波が放出される20分以上前に岩石摩擦力係数α(図7-4~図9-4)と地殻復元力係数β(図7-5~図9-5)は異常な変化を続けていることが顕著に現れた。3成分地震波エネルギー指標σ(図7-2~図9-2)と地震波振幅指標η2(図7-3~図9-3)は、速度波形(図7-1~図9-1)と時間的、空間的に一致している。地震波振幅指標が特に低かった(図7-3と図9-3)原因は、地殻復元力係数が特に大きかった(図7-5と図8-5)ことによる。地震波が放出される前に、岩石摩擦力係数が異常な増加から急激に小さくなるときに地殻復元力係数は小さな値から大きな値になることを交互に繰り返している(図7-6~図9-6)。そして、表3は、地震の前夜に岩石摩擦力係数と地殻復元力係数間の相関関係が正から負に変化し、地震発生が迫っている地震前兆であることを示している。実施例2は図2に示す地震予測の原理を確認した。
更に、本発明は東北大地震に関する52地域の加速度地震記録に基づく地震予測シミュレーションを実施して、地震の予測精度を評価した。3月11日14時46分30秒から14時52分30秒までの地震計記録(36,000個観測値)を使用してパラメータを推定した。52地域
と加速度地震計データは、以下の国土交通省気象庁のホームページから取得した。
http://www.data.jma.go.jp/svd/eqev/data/kyoshin/jishin/110311_tohokuchiho-taiheiyouoki/index.html。この地震の3成分初期岩石摩擦力係数と地殻復元力係数の推定値合計の最大値の過去地震の最小値を以下のように地震予報の閾値として設定した:κ2=1の場合、(α+β)*=0.3でκ2=2の場合、α*=0.4である。各地域の3成分岩石摩擦係数と地殻応力係数の初期推定値の最大値を地震予測値として全ての閾値より大きいことが分った。即ち地震予測の精度は100%である。観測点での地震規模を求めたのであり、あたかも観測点が地震発生場所になる。ここで、地震の初期推定値は第3期(i=3)を考える。例え
る。1.4907は閾値(α+β)*=0.3より大きい。
と加速度地震計データは、以下の国土交通省気象庁のホームページから取得した。
http://www.data.jma.go.jp/svd/eqev/data/kyoshin/jishin/110311_tohokuchiho-taiheiyouoki/index.html。この地震の3成分初期岩石摩擦力係数と地殻復元力係数の推定値合計の最大値の過去地震の最小値を以下のように地震予報の閾値として設定した:κ2=1の場合、(α+β)*=0.3でκ2=2の場合、α*=0.4である。各地域の3成分岩石摩擦係数と地殻応力係数の初期推定値の最大値を地震予測値として全ての閾値より大きいことが分った。即ち地震予測の精度は100%である。観測点での地震規模を求めたのであり、あたかも観測点が地震発生場所になる。ここで、地震の初期推定値は第3期(i=3)を考える。例え
る。1.4907は閾値(α+β)*=0.3より大きい。
更に、本発明は、東北大地震に関する52地域の地震計データに基づく公開される地震指標の有効性を検知した。表4には、52地域の総地震波エネルギー指標成分(NS/EW/UD成分)
TSEIの値は0.1799(南北)+0.1627(東西)+0.2607(上下)=0.6033である。TSEI指標は地震規模(M)に完全に等しくはないが、地震規模の大きさを反映する一つの特徴的な指標である。図10-1に示すように、TSEIの値と地震予測値(初期の3成分岩石摩擦係数と地殻応力係数の推定値合計の最大値)の間に強い正の相関関係がある(p<0.001)。この結果は地震予測値を用いて地震規模を予測することが出来るという考え方を支持している。
ある。全地震波振幅指標の最大値の3成分最大値(例えば、地名1の場合は0.8315である)と計測震度間に強い正の相関が存在していること(p<0.0001)を示している。即ち、本発明で公開される地震波振幅指標は速度・加速度地震波振幅に基づく計測震度に相当することを示唆している。更に図10-3に示すように震央距離と総地震波エネルギー指標TSEI間に強い正の相関関係がある(p<0.00001)。従って、地震波によって放出されたエネルギーは震源からの距離が増加するに従って指数的に減衰していることが分った。これによって地震波エネルギー指標及び総地震波エネルギー指標の有効性が確認できる。
TSEIの値は0.1799(南北)+0.1627(東西)+0.2607(上下)=0.6033である。TSEI指標は地震規模(M)に完全に等しくはないが、地震規模の大きさを反映する一つの特徴的な指標である。図10-1に示すように、TSEIの値と地震予測値(初期の3成分岩石摩擦係数と地殻応力係数の推定値合計の最大値)の間に強い正の相関関係がある(p<0.001)。この結果は地震予測値を用いて地震規模を予測することが出来るという考え方を支持している。
ある。全地震波振幅指標の最大値の3成分最大値(例えば、地名1の場合は0.8315である)と計測震度間に強い正の相関が存在していること(p<0.0001)を示している。即ち、本発明で公開される地震波振幅指標は速度・加速度地震波振幅に基づく計測震度に相当することを示唆している。更に図10-3に示すように震央距離と総地震波エネルギー指標TSEI間に強い正の相関関係がある(p<0.00001)。従って、地震波によって放出されたエネルギーは震源からの距離が増加するに従って指数的に減衰していることが分った。これによって地震波エネルギー指標及び総地震波エネルギー指標の有効性が確認できる。
更に、本発明で公開される表1による地震規模の参照値の予測精度を検証する。表1で
の大地震という参照値を考えている。ここで地震予測値の臨界値0.1、1.0、1.7とは、たくさん地震データに基づく解析結果として決められる値である。こられの臨界値を予測する精度を検証するため、観測値に基づくTSEI分類を地震規模の基準として導入する。以下のように3階級に分ける:0.05<TSEI<0.5ならば、地震規模はM3からM5未満(小地
らば、地震規模はM7以上(大地震)とする。例えば、地名1の場合には、地震予測値1.4907なので表1によれば中地震である。TSEIの値は0.6033なのでTSEI分類によれば、中地震である。この結果、地名1では表1による規模分類とTSEI規模分類とが一致している。他の地名についても調べるが、表1による規模分類とTSEI規模分類との一致が多ければ、予測精度が高いと考えられる。予測が、1階級及び1ヶ所だけ間違ったら(灰色)1件の外れとして数える。表4に示された52地域の予測結果によれば、1階級外れたのは17ヶ所であり、2階級外れたのは2個所(24番目と44番目)である。即ち、外れた件数は19であり、全部で52か所があるので、地震規模の予測精度は(52-19)/52=63.5%である。以上の結果は、本発明で表1に与えられる地震規模の参照値の予測精度を示している。
の大地震という参照値を考えている。ここで地震予測値の臨界値0.1、1.0、1.7とは、たくさん地震データに基づく解析結果として決められる値である。こられの臨界値を予測する精度を検証するため、観測値に基づくTSEI分類を地震規模の基準として導入する。以下のように3階級に分ける:0.05<TSEI<0.5ならば、地震規模はM3からM5未満(小地
らば、地震規模はM7以上(大地震)とする。例えば、地名1の場合には、地震予測値1.4907なので表1によれば中地震である。TSEIの値は0.6033なのでTSEI分類によれば、中地震である。この結果、地名1では表1による規模分類とTSEI規模分類とが一致している。他の地名についても調べるが、表1による規模分類とTSEI規模分類との一致が多ければ、予測精度が高いと考えられる。予測が、1階級及び1ヶ所だけ間違ったら(灰色)1件の外れとして数える。表4に示された52地域の予測結果によれば、1階級外れたのは17ヶ所であり、2階級外れたのは2個所(24番目と44番目)である。即ち、外れた件数は19であり、全部で52か所があるので、地震規模の予測精度は(52-19)/52=63.5%である。以上の結果は、本発明で表1に与えられる地震規模の参照値の予測精度を示している。
地震の長期相関性の例として2016年10月21日14時07分に鳥取県中部地震(Mj6.6)を取り上げ、本発明の地震フラクタル指標の有効性を検証する。倉吉市岩倉長峯(KI)と和鳥取市吉方(YT)には、それぞれ1分間に合計6,000個の観測値がある。地震計データを6期(n=6)に等分して地震動力学NALRIパラメータの推定値と自己相関関数(ACF)の値を得た。地震情報と地震データは以下の国土交通省気象庁のデータベース強震波形に基づく。
http://www.data.jma.go.jp/svd/eqev/data/kyoshin/jishin/1610211407_tottoriken-chubu/index.html
http://www.data.jma.go.jp/svd/eqev/data/kyoshin/jishin/1610211407_tottoriken-chubu/index.html
全ての地震波の地殻安定係数の推定値は、安定した不動点としての地震動力学パラメータの範囲内に統計的に収まることを示している。この結果は、地震動力学NLARIモデルが地震波の主なダイナミクスとフラクタルダイナミクスを記述できることを示している。従って、地震計データは、地下媒体内の地震波伝播をモデル化するための非線形自己回帰和分NLARI過程を支持している。このことは、地震動力学NLARIモデルに基づいて地震波を分解して地震前駆情報を抽出する手法には、強固な動的基盤があることを示している。
図11に示すように、地震フラクタル指標の低下に伴い、倉吉市岩倉長嶺(KI)の南北成分・東西成分・上下成分地震波の長期相関は増加傾向を示している。この結果は、地震波振幅指標が小さいほど、長期相関性が大きいという理論的推論を裏付けている。2観測点の模擬地震波形が実際の地震波と一致しており、模擬自己相関関数ACFの軌跡が実際の自己相関関数ACFの軌跡と基本的に同じであることを示し、偶数の地殻復元力応答時間の遅れにより、観測点YTの自己相関係数は長期的にゆっくりと大きく変動することを示している。
上記の実施形態は、発明として記載してきた事柄を全体的または部分的に、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組み合わせを実装して行われる。コンピュータプログラム製品の形で全体的にまたは部分的に使用される場合、コンピュータプログラム製品は、1つまたは複数のコンピュータ命令を含む。コンピュータプログラム命令がコンピュータにロードまたは実行されると、本発明の実施形態によるプロセスまたは機能は、全体的または部分的に生成される。コンピュータは、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、コンピュータネットワーク、または他のプログラム可能なデバイスであり得る。コンピュータ命令は、コンピュータ可読記憶媒体に格納されるか、またはあるコンピュータ可読記憶媒体から別のコンピュータ可読記憶媒体に転送されても良い。有線またはワイヤレスを介した別のWebサイト、コンピュータ、サーバー、またはデータセンターへの送信を含むものである。コンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータ、または、1つまたは複数の利用可能な媒体と統合されたサーバー、データセンターなどを含むデータ記憶装置によってアクセスできる任意の利用可能な媒体とすることができる。使用可能な媒体は、磁気媒体、光学媒体、または半導体媒体等であり得る。
上記で示した実施形態は、本発明の好ましい実施形態に過ぎず、本発明を限定することを意図するものではない、本発明の精神および原理の範囲内で行われる変更、同等の置換および改良は、本発明の保護の範囲内に含まれるべきである。
Claims (10)
- 地震地殻動力学の解析による非線形自己回帰和分NLARI過程を用いて局部地殻運動を表す地震動力学NLARIモデルを構築することと、地震前兆情報を抽出するために地震動力学NLARIモデルに基づき地震波分解方法を導出することと、地震前兆情報が地震波放出前に岩石摩擦力係数と地殻復元力係数の異常変化を長期に示し続けて地震の前夜の岩石摩擦力係数と地殻復元力係数間の相関が正の相関から負の相関へ度々変化している地震前兆情報を生かして地震の発生時間と場所を予測する手段と、初期の岩石摩擦係数と地殻復元力係数の合計と地震波全エネルギー指標の間に強い正の相関があることを生かして地震規模を推定する手段と、地震の前夜・発生・終了の全過程における地殻動力学的変化を反映するための地震動力学NLARIモデルのパラメータの取得と、を備えていることを特徴とする地震予測時間領域解析システム。
- 請求項目1の地震予測時間領域解析システムは以下の手順を含むこと:
ステップ1:地震地殻動力学解析による地震動力学NLARIモデルを導出し、地震前兆を抽出するための地震波分解技術を導出すること
ステップ2:地震計データの縮小化・等間隔に分割・地震動力学NLARIモデルの書き改めの初期化
ステップ3:過去の地震計の初期データを使用して最小二乗法により書き改められたモデルを推定し、地震予測値の閾値を設定すること
ステップ4:地震計データを使用して岩石摩擦力係数と地殻復元力係数を最小二乗法で推定し、地震予測値と相関係数を算出すること
ステップ5:地震予測値の閾値を超過し、相関係数がゼロ以下になると、地震予報を発し地震規模の参照値を出力すること
ステップ6:地震全過程の計測された地震計データを使用し、地殻動力学変化を反映する地震動力学NLARIパラメータセットの時系列推定値を出力すること - 請求項2のステップ1での局部地殻運動を表す地震動力学NLARIモデルを導出し、地震の前兆情報を抽出するための地震波分解技術は、地殻または上部マントルのある区域は、3つの力を受けること:断層運動によって放出された地震波エネルギーを撹乱する外力、岩石やプレート境界の緩慢な運動を妨げる静摩擦と地震後に移動する岩の間の滑り・転がり・流体摩擦を合わせた摩擦力、均質な完全弾性または不均質な非弾性地殻内・プレート境界に蓄積された圧縮応力・引張り応力・せん断応力・拘束応力が岩石強度の限界値を超えると岩体崩壊が発生して地殻を新しい平衡状態に駆動される復元力、これに従ってニュートンの運動の第2法則により導出された非線形自己回帰和分NLARI過程の前提条件を満たすため、岩石摩擦力応答時間遅延κ1=1の場合には非線形自己回帰和分NNLARI過程を使用して局部地殻運動を表す地震動力学NLARIモデルが次のように特定されること:
きさを反映する特徴指標
α 岩石摩擦力係数:岩石内部またはプレート境界間の摩擦力の大きさを反映する指標,この係数の急激な増加は静摩擦力が増加すること、この係数が異常な増加から急速な減少に変化することは静摩擦力が消滅または減少し、岩石の破裂や崩壊を発生し、スライド、ローリング、流体摩擦が出現または増加することを示唆していること
β 地殻復元力係数:岩石応力が局所的に高まり、岩体の剪断破壊強度を超えると地殻を均衡または新しい平衡状態に駆動される際に働く復元力の大きさを反映する指標,この係数が低い値から高い値に変わるときに岩石の破裂と崩壊が発生し、リソスフェアが新しい地殻平衡状態になることを示唆していること
以上のαとβ項目の特徴を合わせると、岩石摩擦力係数と地殻復元力係数間の相関係数が正から負へ度々変化することは地震発生が迫っていて地震の前兆を示唆していること
κ2 地殻復元力応答の時間遅延
γ 地殻安定性係数γ=β/(4-2α):地殻がシステムの安定性を維持する能力の強さを反映する指標,岩石摩擦力係数や地殻復元力係数が大きいほど、地殻安定係数が大きいと見なされること,κ1=κ2=1とき 0<γ<1ならば、地殻が安定不動点にあること
η2 地震波振幅指標η2=σ/β:地震波振幅指標はSpectral Intensity,即ち、計測震度に相当し、この指標が大きくなると地震波の振幅が大きくなること、地震波振幅指標は同時に地震フラクタル指標であり、値が小さくなると地震波の長期相関性が大きくなり、また、特に地殻復元力応答の時間遅延が偶数の場合には自己相関関数は長くてゆっくりとした変動が起こることを示唆していること
Ω 地震動力学NLARIパラメータセットΩ={σ,α,β,γ,η2,κ2}と、地震前兆を抽出するための地震動力学NLARIパラメータセットを最小二乗法により推定する地震波分解技術とを備えたことを特徴とする請求項1記載の地震予測時間領域解析システム。 - 請求項1から8のいずれか一項に記述された地震波分解技術で地震前兆情報の抽出を行う地震予測時間領域解析方法を実施させる情報処理データ端末機器。
- コンピュータに、請求項1から8のいずれか一項に記述された地震波分解技術で地震前兆情報の抽出を行う地震予測時間領域解析方法を実行させるコンピュータプログラム、即ち、指令を含むコンピュータで読み取り可能な記録媒体。
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CN115856996A (zh) * | 2022-11-08 | 2023-03-28 | 应急管理部国家自然灾害防治研究院 | 一种地震数值预测预报方法和系统 |
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CN107044893A (zh) * | 2017-03-15 | 2017-08-15 | 何宗路 | 一种基于时域编解码的高精度动态信号传感和传输方法 |
CN111443379A (zh) * | 2019-12-02 | 2020-07-24 | 李想 | 基于地震波分解提取前兆信息的地震预测时域分析方法 |
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2020
- 2020-12-01 JP JP2020210775A patent/JP2022087776A/ja active Pending
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