JP2015215207A - 微粒子検知システム及び微粒子検知方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】微粒子検知システム1は、気中放電によりイオンCPを生成するイオン源11と、イオン源電源回路210と、信号電流検知回路230と、気中放電を生じさせる放電期間T2に、イオン源電源回路210に放電電圧V2をイオン源11へ印加させ、放電期間T2以外の非放電期間T1のうち計測期間T1eに、イオン源電源回路210に非放電電圧V1eをイオン源11へ印加させるイオン源駆動手段S4,S8と、放電期間T2に、信号電流検知回路230により検知される信号電流Isを取得する信号電流取得手段S9と、計測期間T1eに、信号電流検知回路230により検知される非放電電流Iseを取得する非放電電流取得手段S5と、非放電電流Iseを用いて、放電期間T2中に検知される信号電流Isの値を補正する信号電流補正手段S6,S10とを備える。
【選択図】図4
Description
このような微粒子検知システムのセンサ本体では、例えば、特許文献1に示すように、コロナ放電を生じさせるイオン源は、放電電圧が印加される放電電極(特許文献1における針状電極体20の針状先端部22)と、その周囲を包囲して基準電位(センサGND)とされる金属の包囲部(特許文献1における微粒子帯電部12)とを有している。そして、このセンサGNDとされる金属の包囲部は、センサ本体のうち、車両の排気管等に導通してシャーシGNDとされる他の金属部位(特許文献1における外側包囲部14)と、セラミック製の絶縁体(特許文献1における第1絶縁スペーサ121等)により絶縁されている。
そして、イオン源(放電電極)に放電電圧を印加するイオン源駆動回路は、センサGNDを基準に動作し、一方、微粒子の量(具体的には、微粒子にイオンが付着した帯電微粒子の量)に応じて変化する信号電流の大きさを検知する信号電流検知回路は、シャーシGNDを基準に動作している。
そこで、非放電電流を用いて、放電期間中に検知される信号電流の値を補正することで、信号電流に含まれる非信号電流の影響を低減し、補正された信号電流によって、微粒子の量をより正確に検知することができる。
放電期間と非放電期間とが周期的に交代するように非放電期間を設けると良く、さらに、非放電期間の一部または全部を計測期間とすると良い。あるいは、周期的に到来する複数の非放電期間に1回の割合で、計測期間を設けても良い。
また、この補正に用いる非放電電流としては、1つの計測期間に非放電電流を1回測定し、これを用いても良いが、1つの計測期間に非放電電流を複数回測定し、その複数の測定値から非放電電流の値を得ると良い。具体的には、複数の測定値の平均値を用いると良い。また、複数の測定値のうち、最大値と最小値を除いた測定値の平均値を用いても良い。
そこで、この微粒子検知システムでは、非放電電流から推定非信号電流を得て、放電期間中に検知された信号電流から、この推定非信号電流を差し引いて、補正済信号電流を得る。
なお、推定非信号電流としては、例えば、前述した非放電電流に所定の係数(非放電電圧と放電電圧の大きさの比αなど)を乗じた値が挙げられる。
これにより、信号電流に含まれる非信号電流の影響を適切に低減することができる。
これにより、簡易な手法によって、信号電流に含まれる非信号電流を適切に補正することができる。
微粒子検知システムでの微粒子検知にあたり、非放電電流を用いて信号電流を補正することで、微粒子の量をより正確に検知することができる。
検知部10は、排気管EPのうち、取付開口EPOが穿孔された取付部EPTに装着されている。そして、その一部(図2中、取付部EPTよりも右側(先端側))は取付開口EPOを通じて排気管EP内に配置されており、排気ガスEGに接触する。
回路部201は、排気管EP外で、複数の配線材からなるケーブル160を介して検知部10に接続されている。この回路部201は、検知部10を駆動するとともに、後述する信号電流Isを検知する回路を有している。
このうち、イオン源電源回路210は、センサGND電位SGNDとされる第1出力端211と、放電電位PV2とされる第2出力端212とを有している。放電電位PV2は、具体的には、センサGND電位SGNDに対して、正の高電位とされている。これにより、センサGND電位SGNDと第2出力端212との間には、放電電圧V2が印加され、本実施形態では、その大きさは、V2=3kVとされている。なお、イオン源電源回路210は、その出力電流についてフィードバック制御され、自律的に、その実効値が予め定めた電流値(例えば、5μA)を保つ定電流電源を構成している。
なお、本実施形態では、この内側回路ケース250は、イオン源電源回路210、補助電極電源回路240及び絶縁トランス270の二次側鉄心271Bを収容して包囲すると共に、ケーブル160のセンサGND配線165に導通している。
なお、本実施形態では、この外側回路ケース260は、内部にイオン源電源回路210、補助電極電源回路240、内側回路ケース250、信号電流検知回路230を含む計測制御回路220及び絶縁トランス270の一次側鉄心271Aを収容して包囲すると共に、ケーブル160の接地電位配線167に導通している。
また、計測制御回路220は、マイクロプロセッサ100を含み、通信線CCを介して内燃機関を制御する制御ユニットECUと通信可能となっており、前述した信号電流検知回路230の測定結果(信号電流Isの大きさ)、または、これを微粒子量などに換算した値などを、ECUに送信可能となっている。さらに、計測制御回路220には、ECUから出力される微粒子検知開始の指示信号ST(後述する)が、通信線CCを介して入力される。マイクロプロセッサ100は、この指示信号STを検知可能になっている。
その他、圧送ポンプ300の送気パイプ310は、内側回路ケース250内を通じて、ケーブル160のエアパイプ163に連通されている。
また、ケーブル160の補助電位配線162の先端側は、第1導通部材13内で、補助電極体50に接続されている。この補助電極体50は、ステンレス線からなり、その先端側は、U字状に曲げ返されており、さらにその先の先端部分に、針状に尖った補助電極部53を有する。
また、第1導通部材13は、針状電極体20及び補助電極体50のうち、排気管EP外に位置する部位の径方向周囲を包囲している。
また、ノズル部31は、第1導通部材13と電気的にも導通して、センサGND電位SGNDとされている。
微粒子帯電部12内の空間のうち、上述の円柱状の空間を、円柱状混合領域MX1とする。また、捕集極42で構成されるスリット状の内部空間を、スリット状混合領域MX2とする。そして、これら円柱状混合領域MX1及びスリット状混合領域MX2を併せて、混合領域MXとする。さらに、捕集極42よりも先端側にも、円柱状の空間が形成されており、排出口43Oに連通する排出路EXをなしている。加えて、捕集極42の基端側には、取入口33Iから混合領域MX(円柱状混合領域MX1)に連通する引き込み路HKが形成されている。
針状電極体20は、ケーブル160の放電電位配線161を介して、イオン源電源回路210の第2出力端212に接続、導通しており、センサGND電位SGNDと、この針状電極体20との間に、放電電圧V2(=3kV)が印加される。
また、補助電極体50は、ケーブル160の補助電位配線162を介して、補助電極電源回路240の補助第2出力端242に接続、導通しており、センサGND電位SGNDと、この補助電極体50との間に、DC100〜200Vの補助電圧V3が印加される。
さらに、第1導通部材13,ノズル部31,微粒子帯電部12は、ケーブル160のセンサGND配線165を介して、イオン源電源回路210の第1出力端211、補助電極電源回路240の補助第1出力端241、これらの回路を囲む内側回路ケース250、及び信号電流検知回路230の信号入力端231に接続、導通している。これらは、センサGND電位SGNDとされる。
加えて、外装部材14は、ケーブル160の接地電位配線167を介して、信号電流検知回路230を含む計測制御回路220を囲む外側回路ケース260及び信号電流検知回路230の接地入力端232に接続、導通している。これらは、排気管EPと同じ、接地電位PVEとされる。
本実施形態では、針状先端部22が放電電極をなしている。また、放電空間DSを囲むノズル部31及び針状先端部22(放電電極)が、イオン源11となり、かつ、イオン気体噴射源11をなしている。
その際、排気ガスEG中に、ススなどの微粒子Sが含まれていた場合、図3に示すように、この微粒子Sも混合領域MX内に取り入れられる。ところで、噴射された空気ARには、イオンCPが含まれている。このため、取り入れられたススなどの微粒子Sは、イオンCPの付着により、正に帯電した帯電微粒子SCとなり、この状態で、混合領域MX及び排出路EXを通って、排出口43Oから、取入排気ガスEGI及び空気ARと共に排出される。
一方、混合領域MXに噴射されたイオンCPのうち、微粒子Sに付着しなかった浮遊イオンCPFは、補助電極体50の補助電極部53から斥力を受け、センサGND電位SGNDとされた捕集極42をなす微粒子帯電部12に各部に付着し捕捉される。
但し、この受電捕集電流Ijhは、帯電微粒子SCに付着して排出された排出イオンCPHの電荷に対応する電流分だけ、放電電流Idよりも小さい値となる。このため、放電電流Idと受電捕集電流Ijhとの差分(放電電流Id−受電捕集電流Ijh)に相当する信号電流Isが、センサGND電位SGNDと接地電位PVEの間を流れてバランスする。
従って、この帯電微粒子SCにより排出された排出イオンCPHの電荷量に対応する信号電流Isを信号電流検知回路230で検知することにより、排気ガスEG中の微粒子Sの量が検知できる。
ところで、このシステム1は、イオン源11の微粒子帯電部12及び第1導通部材13がセンサGND電位SGNDとされる一方、これらと、接地電位PVEとされる排気管EP及びこれに導通する外装部材14との間には、図示しないセラミック製の絶縁部材が介在し、これらの間を絶縁している。
以下、この信号電流Isの補正に関して、システム1のうち、微粒子検知の処理を実行するマイクロプロセッサ100の動作について、図4のフローチャート及び図5のタイミングチャートを参照して説明する。
次いで、ステップS9では、信号電流検知回路230で、イオン源11に放電電圧V2を印加したときに流れる信号電流Is(n)を取得する。なお、本実施形態では、この信号電流Is(n)の値は、n回目の放電期間T2において、複数回測定した値の平均値である。
さらに、続くステップS10では、ステップS9で取得した信号電流Is(n)を、ステップS6で取得した推定非信号電流Ime(n)(=α×Ise(n))を用いて補正する。具体的には、信号電流Is(n)から推定非信号電流Ime(n)を差し引いた補正済信号電流Isa(n)=(Is(n)−Ime(n))=(Is(n)−α×Ise(n))を算出する。
さらに、ステップS11で、ECUに対して、微粒子Sの測定結果として、補正済信号電流Isa(n)を出力する。
これにより、信号電流Is(n)に含まれる非信号電流Ie(n)の影響を低減し、補正された信号電流Is(n)(補正済信号電流Isa(n))によって、微粒子Sの量をより正確に検知することができる。
これにより、信号電流Is(n)に含まれる非信号電流Ie(n)の影響を適切に低減することができる。
これにより、簡易な手法によって、信号電流Is(n)に含まれる非信号電流Ie(n)を適切に補正することができる。
また、ステップS9を実行しているマイクロプロセッサ100が、信号電流取得手段に相当し、ステップS5を実行しているマイクロプロセッサ100が、非放電電流取得手段に相当する。また、ステップS6,S10を実行しているマイクロプロセッサ100が、信号電流補正手段に相当し、このうち、ステップS6を実行しているマイクロプロセッサ100が、推定非信号電流取得手段に相当し、ステップS10を実行しているマイクロプロセッサ100が、補正済信号電流取得手段に相当する。
また、ステップS9を実行しているマイクロプロセッサ100が、信号電流取得ステップに相当し、ステップS5を実行しているマイクロプロセッサ100が、非放電電流取得ステップに相当する。また、ステップS6,S10を実行しているマイクロプロセッサ100が、信号電流補正ステップに相当する。
例えば、実施形態では、非放電期間T1全体を、非放電電圧V1eを印加する計測期間T1eとしたが、非放電期間T1の一部を計測期間T1eとしても良い。具体的には、非放電期間T1のうち一部の期間(例えば、T1=100msecのうち前半の50msecの期間)を計測期間T1eとして、イオン源11に非放電電圧V1eを印加する一方、非放電期間T1のうち残りの期間は、イオン源11に印加する電圧をさらに小さくしたり、電圧の印加を停止する(V1e=0V)ようにしても良い。
また、実施形態では、非放電電流Ise及び信号電流Isとして、1つの計測期間T1e及び放電期間T2内に複数回測定した値の平均値を用いたが、1つの計測期間T1e,放電期間T2で非放電電流Ise,信号電流Isを1回測定し、この値を用いても良い。また、複数の測定値のうち、最大値と最小値を除いた測定値の平均値を用いても良い。
また、実施形態では、コロナ放電を放電空間DS内で生じさせ、イオンCPを発生させるようにしたが、針状電極体20の針状先端部22を混合領域MX(円柱状混合領域MX1)内に配置し、針状先端部22と混合領域MXを囲む微粒子帯電部12の内面との間でコロナ放電を生じさせて、イオンCPを発生させ、混合領域MX内でイオンCPをススなどの微粒子Sに付着させるようにしても良い。
ENG エンジン
EP 排気管
EG 排気ガス
S 微粒子
SC 帯電微粒子
CP イオン
CPF 浮遊イオン
CPH 排出イオン
Is 信号電流
Ie 非信号電流
Ise 非放電電流
Ime 推定非信号電流
Isa 補正済信号電流
T1 非放電期間
T1e 計測期間
T2 放電期間
1 微粒子検知システム
10 検知部
11 イオン気体噴射源(イオン源)
12 微粒子帯電部
20 針状電極体
22 (針状電極体の)針状先端部(イオン源)
31 ノズル部(イオン源)
31N ノズル
SGND センサGND電位
PV2 放電電位
PV3 補助電位
PVE 接地電位
V1e 非放電電圧
V2 放電電圧
V3 補助電圧
MX 混合領域
42 捕集極
50 補助電極体
53 (補助電極体の)補助電極部
160 ケーブル
AK 圧縮空気
AR 空気
300 圧送ポンプ
100 マイクロプロセッサ
201 回路部
210 イオン源電源回路
220 計測制御回路
230 信号電流検知回路
240 補助電極電源回路
S4,S8 イオン源駆動手段
S8 イオン源放電駆動ステップ
S4 イオン源非放電駆動ステップ
S9 信号電流取得手段,信号電流取得ステップ
S5 非放電電流取得手段,非放電電流取得ステップ
S6,S10 信号電流補正手段,信号電流補正ステップ
S6 推定非信号電流取得手段
S10 補正済信号電流取得手段
Claims (4)
- 気中放電によりイオンを生成するイオン源と、
上記イオン源に電圧を印加するイオン源電源回路と、
被測定ガス中の微粒子に上記イオンが付着した帯電微粒子の量に応じて変化する信号電流の大きさを検知する信号電流検知回路とを備える
微粒子検知システムであって、
上記イオン源電源回路は、
上記気中放電が生じる放電電圧、及び、上記放電電圧よりも低く、上記気中放電が生じない非放電電圧を選択して、上記イオン源に印加可能に構成されてなり、
上記気中放電を生じさせる放電期間に、上記イオン源電源回路に、上記放電電圧を上記イオン源へ印加させ、
上記放電期間以外の上記気中放電を生じさせない非放電期間のうち、計測期間に、上記イオン源電源回路に、上記非放電電圧を上記イオン源へ印加させる
イオン源駆動手段と、
上記放電期間に、上記信号電流検知回路により検知される上記信号電流を取得する信号電流取得手段と、
上記計測期間に、上記信号電流検知回路により検知される非放電電流を取得する非放電電流取得手段と、
上記非放電電流を用いて、上記放電期間中に検知される上記信号電流の値を補正する信号電流補正手段とを備える
微粒子検知システム。 - 請求項1に記載の微粒子検知システムであって、
前記信号電流補正手段は、
前記計測期間中に検知される前記非放電電流から、前記放電期間中に検知される前記信号電流に含まれると推定される推定非信号電流を得る推定非信号電流取得手段と、
上記放電期間中に検知された上記信号電流から、上記推定非信号電流を差し引いて、補正済信号電流を得る補正済信号電流取得手段とを有する
微粒子検知システム。 - 請求項2に記載の微粒子検知システムであって、
前記非放電電圧は、前記放電電圧の1/αの大きさ(α>1)であり、
前記推定非信号電流取得手段は、
前記推定非信号電流として、前記非放電電流に上記αを乗じた値を取得する
微粒子検知システム。 - 気中放電によりイオンを生成するイオン源と、
上記イオン源に電圧を印加するイオン源電源回路と、
被測定ガス中の微粒子に上記イオンが付着した帯電微粒子の量に応じて変化する信号電流の大きさを検知する信号電流検知回路とを備える
微粒子検知システムにおける微粒子検知方法であって、
上記イオン源電源回路は、
上記気中放電が生じる放電電圧、及び、上記放電電圧よりも低く、上記気中放電が生じない非放電電圧を選択して、
上記イオン源に印加可能に構成されてなり、
上記気中放電を生じさせる放電期間に、上記イオン源電源回路に、上記放電電圧を上記イオン源へ印加させるイオン源放電駆動ステップと、
上記放電期間以外の上記気中放電を生じさせない非放電期間のうち、計測期間に、上記イオン源電源回路に、上記非放電電圧を上記イオン源へ印加させるイオン源非放電駆動ステップと、
上記放電期間に、上記信号電流検知回路により検知される上記信号電流を取得する信号電流取得ステップと、
上記計測期間に、上記信号電流検知回路により検知される非放電電流を取得する非放電電流取得ステップと、
上記非放電電流を用いて、上記放電期間中に検知される上記信号電流の値を補正する信号電流補正ステップとを備える
微粒子検知方法。
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