JP5841016B2 - 微粒子検知システム - Google Patents
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Description
このような微粒子を含む排気ガスは、フィルタで微粒子を捕集して浄化することが行われている。また、必要に応じてフィルタを高温にすることで、このフィルタに蓄積した微粒子を燃焼させて除去することも行われる。しかるに、フィルタが破損するなどの不具合を生じた場合には、未浄化の排気ガスが直接、フィルタの下流に排出されることとなる。
そこで、排気ガス中の微粒子の量を直接計測したり、フィルタの不具合を検知すべく、排気ガス中の微粒子を検知可能な微粒子検知システムが求められている。
しかしながら、このような小型のポンプは、能力的に余力がなく、連続駆動を行うと、ポンプの寿命の低下が問題となる。一方、ポンプの駆動を停止させると、検知部に圧縮空気を噴射するための噴射孔を通じて、排気ガスが逆流し、噴射孔に微粒子が堆積して詰まるなどの不具合が生じる虞もある。このため、圧縮空気の供給を停止することなく、ポンプの寿命を延ばすことが望まれる。
これにより、検知部の作動のために、ポンプを常時駆動する必要がなく、ポンプの寿命を延ばすことができる。
しかも、このシステムでは、検知部は、気中放電によりイオンを生成するイオン源のほか、内部空間を構成する空間形成部材と、エアータンクから供給された圧縮空気を、噴射孔を通じて内部空間に向けて噴射する気体噴射源と、を備えている。そして、空間形成部材は、噴射孔を通じて噴射された圧縮空気によって、取入口から内部空間に導き入れた取入ガスとイオンとを混合して、取入ガス中の微粒子にイオンを付着させて帯電微粒子とし、圧縮空気及び取入ガスとともに、排出口から帯電微粒子を排出する形態に構成されている。
これにより、帯電微粒子の量から、適切に微粒子の量を検知することができる。
また、イオン源における気中放電の形式としては、例えば、コロナ放電のほか、アーク放電やグロー放電などが挙げられる。また、イオン源をなす電極の形態としては、例えば、2つの電極を互いに対向して配置し、これら間に気中放電を起こさせても、基板上に隣在して2つの電極を配置し、これらの間で気中の沿面放電を生じさせてもよい。
さらに、イオン源及び気体噴射源の構成としては、イオン源を内部空間の外部に配置し、内部空間の外部で生成したイオンを、気体噴射源で圧縮空気と共に噴射孔を通じて内部空間に向けて噴射する構成が挙げられる。また、イオン源を内部空間内に配置し、内部空間内でイオンを生成する一方、気体噴射源から噴射孔を通じて、内部空間に向けて圧縮空気を噴射する構成も挙げられる。
なお、ポンプ駆動制御装置が、エアータンクの圧力変動が許容範囲内となるように、ポンプを駆動する方法としては、具体的には、例えば、圧力センサを用いてフィードバックによる圧力制御を行う方法が挙げられる。また、検知部での圧縮空気の消費量、ポンプによる圧縮空気の供給量、エアータンクのタンク容量等を考慮して、予め定められた間隔でポンプの駆動をON/OFFする方法も挙げられる。
しかるに、このシステムでは、エアータンクを備えることにより、ポンプを間欠駆動して、ポンプの寿命を延ばすことができるので、小型で低コストのモータ駆動のベーン式ポンプを用いることができる。
しかるに、このシステムでは、エアータンクを備えて、ポンプを間欠駆動しているので、小型ポンプの寿命を延ばして、システム専用に用いることができる。
しかるに、このシステムでは、エアータンクを備えることにより、ポンプを間欠駆動して、ポンプの長寿命化を図っているので、車両に搭載することが可能となる。
検知部10は、排気管EP(通気管)のうち、取付開口EPOが穿孔された取付部EPTに装着されている。そして、その一部(図2中、取付部EPTよりも右側(先端側))は取付開口EPOを通じて排気管EP内に配置されており、排気ガスEG(被測定ガス)に接触する。
回路部201は、排気管EP外で、複数の配線材からなるケーブル160を介して検知部10に接続されている。この回路部201は、検知部10を駆動するとともに、後述する信号電流Isを検知する回路を有している。
このうち、イオン源電源回路210は、第1電位PV1とされる第1出力端211と、第2電位PV2とされる第2出力端212とを有している。第2電位PV2は、具体的には、第1電位PV1に対して、正の高電位とされている。さらに具体的には、第2出力端212からは、第1電位PV1に対し、100kHz程度の正弦波を半波整流した、1〜2kV0-pの正のパルス電圧が出力される。なお、イオン源電源回路210は、その出力電流についてフィードバック制御され、自律的に、その実効値が予め定めた電流値(例えば、5μA)を保つ定電流電源を構成している。
なお、本実施形態では、この内側回路ケース250は、イオン源電源回路210、補助電極電源回路240及び絶縁トランス270の二次側鉄心271Bを収容して包囲すると共に、ケーブル160の第1電位配線165に導通している。
なお、本実施形態では、この外側回路ケース260は、内部にイオン源電源回路210、補助電極電源回路240、内側回路ケース250、信号電流検知回路230を含む計測制御回路220及び絶縁トランス270の一次側鉄心271Aを収容して包囲すると共に、ケーブル160の接地電位配線167に導通している。
また、計測制御回路220は、マイクロプロセッサ100を含み、通信線CCを介して内燃機関を制御する制御ユニットECUと通信可能となっており、前述した信号電流検知回路230の測定結果(信号電流Isの大きさ)、これを微粒子量などに換算した値、あるいは、微粒子量が所定量を超えたか否かなどの信号を、制御ユニットECUに送信可能となっている。これにより、制御ユニットECUで、内燃機関の制御や、フィルタ(図示しない)の不具合警告を発するなどの動作が可能となる。
なお、本実施形態では、絶縁トランス270は、補助電極電源回路240に電力を供給する補助電極絶縁トランスをも兼ねている。
また、ポンプ300は、連結パイプ302でエアータンク303に接続されており、ポンプ300で生成された圧縮空気AKは、エアータンク303に貯められる。
そして、エアータンク303から、先端部分が外側回路ケース260及び内側回路ケース250内に差し込まれた送気パイプ310を通じて、後述する検知部10のイオン気体噴射源11に向けて、圧縮空気AKが圧送される。
なお、ポンプ300は、ポンプ駆動制御装置301によって、エアータンク303の圧力変動が許容範囲内となるように、間欠駆動されている。具体的には、検知部10での圧縮空気AKの消費量、ポンプ300による圧縮空気AKの供給量、エアータンク303のタンク容量等を考慮して、ポンプ300の駆動のON/OFFの間隔が、5秒−ON/50秒−OFFに予め定められており、ポンプ駆動制御装置301は、この予め定められた間隔で、ポンプ300を間欠駆動している。なお、ポンプ300の駆動のON/OFFの間隔は、エアータンク303の圧力変動の許容範囲内で、自由に調整が可能である。
そこで、本システム1では、上述の通り、エアータンク303を備えて、ポンプ300を間欠駆動することにより、ポンプ300の寿命を延ばしている。
その他、送気パイプ310は、内側回路ケース250内を通じて、ケーブル160のエアパイプ163に連通されている。
また、ケーブル160の補助電位配線162の先端側は、第1導通部材13内で、補助電極体50に接続されている。この補助電極体50は、ステンレス線からなり、その先端側は、U字状に曲げ返されており、さらにその先の先端部分に、後述する補助電極をなす補助電極部53を有する。
また、第1導通部材13は、針状電極体20及び補助電極体50のうち、排気管EP外に位置する部位の径方向周囲を包囲している。
また、ノズル部31は、第1導通部材13と電気的にも導通して、第1電位PV1とされている。
微粒子帯電部12内の空間のうち、上述の円柱状の空間を、円柱状混合領域MX1とする。また、捕集極42で構成されるスリット状の内部空間を、スリット状混合領域MX2とする。そして、これら円柱状混合領域MX1及びスリット状混合領域MX2を併せて、混合領域MXとする。さらに、捕集極42よりも先端側にも、円柱状の空間が形成されており、排出口43Oに連通する排出路EXをなしている。加えて、捕集極42の基端側には、取入口33Iから混合領域MX(円柱状混合領域MX1)に連通する引き込み路HKが形成されている。なお、微粒子帯電部12が、本発明の「空間形成部材」に相当し、イオン気体噴射源11と隣り合う混合領域MXが、本発明の「内部空間」に相当する。
針状電極体20は、ケーブル160の第2電位配線161を介して、イオン源電源回路210の第2出力端212に接続、導通している。従って、この針状電極体20は、前述したように、第1電位PV1に対して、100kHz,1〜2kV0-pの正の半波整流パルス電圧である、第2電位PV2とされる。
また、補助電極体50は、ケーブル160の補助電位配線162を介して、補助電極電源回路240の補助第2出力端242に接続、導通している。従って、この補助電極体50は、前述したように、第1電位PV1に対して、100〜200Vの正の直流電位である、第3電位PV3とされる。
さらに、第1導通部材13,ノズル部31,微粒子帯電部12は、ケーブル160の第1電位配線165を介して、イオン源電源回路210の第1出力端211、補助電極電源回路240の補助第1出力端241、これらの回路を囲む内側回路ケース250、及び信号電流検知回路230の信号入力端231に接続、導通している。これらは、第1電位PV1とされる。
加えて、外装部材14は、ケーブル160の接地電位配線167を介して、信号電流検知回路230を含む計測制御回路220を囲む外側回路ケース260及び信号電流検知回路230の接地入力端232に接続、導通している。これらは、排気管EPと同じ、接地電位PVEとされる。
本実施形態では、針状先端部22とノズル部31とが気中放電(コロナ放電)を発生する電極であり、イオン源11に相当する。また、放電空間DSを囲む、ノズル部31、針状先端部22は、イオン源と気体噴射源を兼ねるイオン気体噴射源11をなしている。
その際、排気ガスEG中に、ススなどの微粒子Sが含まれていた場合、図3に示すように、この微粒子Sも混合領域MX内に取り入れられる。ところで、噴射された空気ARには、イオンCPが含まれている。このため、取り入れられたススなどの微粒子Sは、イオンCPが付着して、正に帯電した帯電微粒子SCとなり、この状態で、混合領域MX及び排出路EXを通って、排出口43Oから、取入排気ガスEGI及び空気ARと共に排出される。
一方、混合領域MXに噴射されたイオンCPのうち、微粒子Sに付着しなかった浮遊イオンCPFは、補助電極体50の補助電極部53から斥力を受け、第1電位PV1とされた捕集極42をなす微粒子帯電部12に各部に付着し捕捉される。
これにより、検知部10の作動のために、ポンプ300を常時駆動する必要がなく、ポンプ300の寿命を延ばすことができる。
しかるに、本システム1では、エアータンク303を備えることにより、ポンプ300を間欠駆動して、ポンプ300の寿命を延ばすことができるので、小型で低コストのモータ駆動のベーン式ポンプを用いることができる。
しかるに、本システム1では、エアータンク303を備えて、ポンプ300を間欠駆動しているので、小型ポンプの寿命を延ばして、システム専用に用いることができる。
これにより、帯電微粒子SCの量から、適切に微粒子Sの量を検知することができる。
例えば、実施形態では、ポンプ300として、モータ駆動のベーン式ポンプを用いたが、ポンプ300としては、このほかに、ダイアフラムポンプ、ギアポンプ、ピストンポンプなどを用いても良い。
また、実施形態では、ポンプ駆動制御装置301は、予め定められた間隔でポンプ300の駆動をON/OFFしたが、これに代えて、例えば、エアータンク303の圧力変動の圧力変動が許容範囲内となるように、圧力センサを用いてフィードバックによる圧力制御を行っても良い。
ENG エンジン(内燃機関)
EP 排気管(通気管)
EG 排気ガス(被測定ガス)
EGI 取入排気ガス(取入ガス)
S 微粒子
SC 帯電微粒子
CP イオン
CPF 浮遊イオン
CPH 排出イオン
Is 信号電流
1 微粒子検知システム
10 検知部
11 イオン気体噴射源(イオン源,気体噴射源)
12 微粒子帯電部(空間形成部材)
20 針状電極体
22 (針状電極体の)針状先端部(イオン気体噴射源)
31 ノズル部(イオン気体噴射源,微粒子帯電部)
31N ノズル(噴射孔)
PV1 第1電位
PV2 第2電位
PV3 第3電位
PVE 接地電位
MX 混合領域(内部空間)
42 捕集極
50 補助電極体
53 (補助電極体の)補助電極部(補助電極)
AK 圧縮空気
AR 空気
300 ポンプ
301 ポンプ駆動制御装置
303 エアータンク
100 マイクロプロセッサ
201 回路部
210 イオン源電源回路
220 計測制御回路
230 信号電流検知回路
240 補助電極電源回路
Claims (5)
- 通気管内を流通する被測定ガス中の微粒子の量を検知する微粒子検知システムであって、
上記通気管に装着される検知部と、
上記検知部の作動に要する圧縮空気を生成するポンプと、
上記ポンプで生成された上記圧縮空気を溜め、上記検知部に上記圧縮空気を送るエアータンクと、
上記ポンプの駆動を制御するポンプ駆動制御装置と、を備え、
前記検知部は、
気中放電によりイオンを生成するイオン源と、
前記被測定ガスを取り入れる取入口、及び上記取入口から取り入れた取入ガスを排出する排出口を含み、上記取入ガスが導入される内部空間を構成する空間形成部材と、
前記エアータンクから供給された前記圧縮空気を、自身に形成した噴射孔を通じて上記内部空間に向けて噴射する気体噴射源と、を備え、
上記空間形成部材は、
上記圧縮空気により、上記取入口から上記取入ガスを上記内部空間に導き入れ、上記内部空間内で、上記取入ガスと上記イオンとを混合して、上記取入ガス中の前記微粒子に上記イオンを付着させて帯電微粒子とし、上記圧縮空気及び上記取入ガスとともに、上記排出口から上記帯電微粒子を排出する形態に構成されてなり、
上記ポンプ駆動制御装置は、上記ポンプを、間欠駆動する
微粒子検知システム。 - 請求項1に記載の微粒子検知システムであって、
前記ポンプ駆動制御装置は、
前記エアータンクの圧力変動が許容範囲内となるように、前記ポンプを間欠駆動する微粒子検知システム。 - 請求項1または請求項2に記載の微粒子検知システムであって、
前記ポンプは、モータ駆動のベーン式ポンプである
微粒子検知システム。 - 請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の微粒子検知システムであって、
前記ポンプは、最高圧力が100kPa以下、最大流量が20L/min以下の小型ポンプである
微粒子検知システム。 - 請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の微粒子検知システムであって、
前記通気管は、車両の内燃機関の排気管であり、
前記被測定ガスは、上記排気管内を流通する排気ガスである
微粒子検知システム。
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