JP2014035292A - 微粒子検知システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】被測定ガスEG中の微粒子Sの量を検知する微粒子検知システム1は、検知部10と、駆動検知回路210,240,230と、ケーブル160とを備える。ケーブル160は、第2電位配線161、第2電位配線161の径方向周囲を包囲する第1電位配線165、第2電位配線161と第1電位配線165との間を絶縁する2−1間絶縁体層164、第1電位配線165の径方向周囲を包囲する第3電位配線167、第1電位配線165の径方向周囲を包囲し、第1電位配線165と第3電位配線167との間を絶縁する1−3間絶縁体層166、1−3間絶縁体層166と一体とされてその径方向内側表面166Uを覆う導電性の第1導電被覆層166a、及び、1−3間絶縁体層166と一体とされてその径方向外側表面166Sを覆う導電性の第3導電被覆層166bを有する。
【選択図】図4
Description
このような微粒子を含む排気ガスは、フィルタで微粒子を捕集して浄化することが行われている。しかるに、フィルタが破損するなどの不具合を生じた場合には、未浄化の排気ガスが直接、フィルタの下流に排出されることとなる。
そこで、排気ガス中の微粒子の量を直接計測したり、フィルタの不具合を検知すべく、フィルタ下流の排気ガス中の微粒子の量を検知可能な微粒子検知システムが求められている。
しかしながら、このようなケーブルは、複数の導電体と絶縁体から構成されており、ケーブルが振動すると、導電体と絶縁体との間に摩擦による静電気が発生して、絶縁体の表面が帯電する場合がある。そして、このような静電気による帯電が生じると、静電気ノイズが発生して、微粒子の量が適切に検知出来なくなる虞がある。
ここで、1−3間絶縁体層の径方向内側表面及び径方向外側表面に、第1導電被覆層及び第3導電被覆層が無い場合を考える。このようなケーブルが振動すると、導電体である第1電位配線及び第3電位配線と絶縁体である1−3間絶縁体層との間に摩擦による静電気が発生して、1−3間絶縁体層の内側表面及び外側表面が帯電しやすい。
このため、第1電位配線、第2電位配線及び接地電位配線が、上述のような二重シールド構造を有し、互いに電磁遮蔽されていることにより、これらの配線間に発生する漏れ電流の影響や外部からの電磁ノイズの影響を受けにくくなる。さらには、前述したように、静電気の影響も抑えられるので、微粒子の量を適切に検知できる。
検知部10は、排気管EP(通気管)のうち、取付開口EPOが穿孔された取付部EPTに装着されている。そして、その一部(図2中、取付部EPTよりも右側(先端側))は取付開口EPOを通じて排気管EP内に配置されており、排気ガスEG(被測定ガス)に接触する。
回路部201は、排気管EP外で、複数の配線材からなるケーブル160を介して検知部10に接続されている。この回路部201は、検知部10を駆動するとともに、後述する信号電流Isを検知する回路を有している。
このうち、イオン源電源回路210は、第1電位PV1とされる第1出力端211と、第2電位PV2とされる第2出力端212とを有している。第2電位PV2は、具体的には、第1電位PV1に対して、正の高電位とされている。さらに具体的には、第2出力端212からは、第1電位PV1に対し、100kHz程度の正弦波を半波整流した、1〜2kV0-pの正のパルス電圧が出力される。なお、イオン源電源回路210は、その出力電流についてフィードバック制御され、自律的に、その実効値が予め定めた電流値(例えば、5μA)を保つ定電流電源を構成している。
なお、本実施形態では、この内側回路ケース250は、イオン源電源回路210、補助電極電源回路240及び絶縁トランス270の二次側鉄心271Bを収容して包囲すると共に、後述するケーブル160の第1電位配線165に導通している。
なお、本実施形態では、この外側回路ケース260は、内部にイオン源電源回路210、補助電極電源回路240、内側回路ケース250、信号電流検知回路230を含む計測制御回路220及び絶縁トランス270の一次側鉄心271Aを収容して包囲すると共に、後述するケーブル160の第3電位配線167に導通している。
また、計測制御回路220は、マイクロプロセッサ100を含み、通信線CCを介して内燃機関を制御する制御ユニットECUと通信可能となっており、前述した信号電流検知回路230の測定結果(信号電流Isの大きさ)、これを微粒子量などに換算した値、あるいは、微粒子量が所定量を超えたか否かなどの信号を、制御ユニットECUに送信可能となっている。これにより、制御ユニットECUで、内燃機関の制御や、フィルタ(図示しない)の不具合警告を発するなどの動作が可能となる。
なお、本実施形態では、絶縁トランス270は、補助電極電源回路240に電力を供給する補助電極絶縁トランスをも兼ねている。
このように、絶縁体被覆層166(1−3間絶縁体層)の内外表面166U,166Sに一体に、第1導電被覆層166a及び第3導電被覆層166bを設けてあるので、ケーブル160が振動しても、絶縁体被覆層166と第1電位配線165あるいは第3電位配線167との間に摩擦が生じない。このため、絶縁体被覆層166に静電気が帯電しにくい。
なお、次述するように、本システム1では、第3電位配線167は、信号電流検知回路230の接地入力端232及び外側回路ケース260に接続、導通して接地電位PVEとされる接地電位配線167である。また、接地電位PVEが、第3電位配線167の電位である第3電位となる。
その他、圧送ポンプ300の送気パイプ310は、内側回路ケース250内を通じて、ケーブル160のエアパイプ163に連通されている。
また、ケーブル160の補助電位配線162には、補助電極体50の延出部51が接続されている。この補助電極体50は、ステンレス線からなり、概略直棒状の延出部51と、U字状に曲げ返された先の先端部に位置し、補助電極をなす補助電極部53を有する。
また、第1導通部材13は、針状電極体20の延出部21及び補助電極体50の延出部51のうち、排気管EP外に位置する部位の径方向周囲を包囲している。
さらに、ケーブル160のエアパイプ163がなす気体流通路163Hを通じて、第1導通部材13内に圧縮空気AKが導き入れられる。この圧縮空気AKは、さらに先端側(図2中、右側)の放電空間DS(後述する)に圧送される。
また、ノズル部31は、第1導通部材13と電気的にも導通して、第1電位PV1とされている。
微粒子帯電部12内の空間のうち、上述の円柱状の空間を、円柱状混合領域MX1とする。また、捕集極42で構成されるスリット状の内部空間を、スリット状混合領域MX2とする。そして、これら円柱状混合領域MX1及びスリット状混合領域MX2を併せて、混合領域MXとする。さらに、捕集極42よりも先端側にも、円柱状の空間が形成されており、排出口43Oに連通する排出路EXをなしている。加えて、捕集極42の基端側には、取入口33Iから混合領域MX(円柱状混合領域MX1)に連通する引き込み路HKが形成されている。
針状電極体20の針状先端部22は、ケーブル160の第2電位配線161を通じて、イオン源電源回路210の第2出力端212に接続、導通している。従って、この針状先端部22は、前述したように、第1電位PV1に対して、100kHz,1〜2kV0-pの正の半波整流パルス電圧である、第2電位PV2とされる。
また、補助電極体50の補助電極部53は、ケーブル160の補助電位配線162を通じて、補助電極電源回路240の補助第2出力端242に接続、導通している。従って、この補助電極部53は、前述したように、第1電位PV1に対して、100〜200Vの正の直流電位である、補助電極電位PV3とされる。
さらに、第1導通部材13,ノズル部31,微粒子帯電部12は、ケーブル160の第1電位配線165を通じて、イオン源電源回路210の第1出力端211、補助電極電源回路240の補助第1出力端241、これらの回路を囲む内側回路ケース250、及び信号電流検知回路230の信号入力端231に接続、導通している。これらは、第1電位PV1とされる。
加えて、外側包囲部材14は、ケーブル160の接地電位配線167を通じて、信号電流検知回路230を含む計測制御回路220を囲む外側回路ケース260及び信号電流検知回路230の接地入力端232に接続、導通している。これらは、排気管EPと同じ、接地電位PVEとされる。
本実施形態では、針状先端部22が第2放電電極に相当し、ノズル部31が第1放電電極に相当する。また、放電空間DSを囲む、ノズル部31(第1放電電極)、針状先端部22(第2放電電極)が、イオン源11となり、かつ、イオン気体噴射源11をなしている。
その際、排気ガスEG中に、ススなどの微粒子Sが含まれていた場合、図3に示すように、この微粒子Sも混合領域MX内に取り入れられる。ところで、噴射された空気ARには、イオンCPが含まれている。このため、取り入れられたススなどの微粒子Sは、イオンCPが付着して、正に帯電した帯電微粒子SCとなり、この状態で、混合領域MX及び排出路EXを通って、排出口43Oから、取入排気ガスEGI及び空気ARと共に排出される。
一方、混合領域MXに噴射されたイオンCPのうち、微粒子Sに付着しなかった浮遊イオンCPFは、補助電極体50の補助電極部53から斥力を受け、第1電位PV1とされた捕集極42をなす微粒子帯電部12に各部に付着し捕捉される。
例えば、上記実施形態では、ケーブル160において、第1電位配線165及び接地電位配線167(第3電位配線)のいずれも、銅細線を編んだ編組を用いた例を示したが、アルミニウム、銅などの金属テープ(帯状金属箔)を、内側絶縁被覆層164dあるいは絶縁体被覆層166(1−3間絶縁体層)の周りにらせん状に捲回して、これらを構成しても良い。あるいは編組で覆った上にさらに金属テープを巻き付けてこれらを構成しても良い。銅パイプ、アルミニウムパイプなどの金属パイプを、全部あるいは部分的に用いることもできる。
EG 排気ガス
EGI 取入排気ガス
S 微粒子
SC 帯電微粒子
CP イオン
CPF 浮遊イオン
CPH 排出イオン
Is 信号電流
1 微粒子検知システム
10 検知部
11 イオン気体噴射源(イオン源)
12 微粒子帯電部
13 第1導通部材(第1電位部材)
14 外側包囲部材(接地電位部材、第3電位部材)
20 針状電極体
21 (針状電極体の)延出部(第2電極導通部材、第2電位部材)
22 (針状電極体の)針状先端部(イオン源、第2放電電極)
31 ノズル部(イオン源、第1放電電極、微粒子帯電部)
PV1 第1電位
PV2 第2電位
PV3 補助電極電位
PVE 接地電位(第3電位)
42 捕集極
50 補助電極体
51 (補助電極体の)延出部
53 (補助電極体の)補助電極部
160 ケーブル(二重包囲ケーブル)
161 第2電位配線
164 内側絶縁体層(2−1間絶縁体層)
165 第1電位配線
166 絶縁体被覆層(1−3間絶縁体層)
166a 第1導電被覆層
166b 第3導電被覆層
166U (絶縁体被覆層(1−3間絶縁体層)の)径方向内側表面
166S (絶縁体被覆層(1−3間絶縁体層)の)径方向外側表面
167 接地電位配線(第3電位配線)
168 外側絶縁被覆層
AK 圧縮空気
201 回路部
210 イオン源電源回路
220 計測制御回路
230 信号電流検知回路
240 補助電極電源回路
Claims (3)
- 通気管内を流通する被測定ガス中の微粒子の量を検知する微粒子検知システムであって、
上記通気管に装着される検知部と、
上記検知部を駆動し上記微粒子の量を検知する駆動検知回路と、
上記検知部と上記駆動検知回路との間を電気的に接続する複数の配線材からなるケーブルと、を備え、
上記検知部は、
第1電位とされる第1電位部材、
上記第1電位とは異なる第2電位とされる第2電位部材、及び、
上記第1電位及び第2電位とは異なる第3電位とされる第3電位部材、を有し、
上記ケーブルは、
上記第2電位部材に導通する第2電位配線、
上記第1電位部材に導通し、上記第2電位配線の径方向周囲を包囲し、編組及びらせん状に捲回した帯状金属箔の少なくともいずれかからなる第1電位配線、
上記第2電位配線の径方向周囲を包囲し、上記第2電位配線と上記第1電位配線との間に配置されて、両者を絶縁する2−1間絶縁体層、
上記第3電位部材に導通し、上記第1電位配線の径方向周囲を包囲し、編組及びらせん状に捲回した帯状金属箔の少なくともいずれかからなる第3電位配線、
上記第1電位配線の径方向周囲を包囲し、上記第1電位配線と上記第3電位配線との間に配置されて、両者を絶縁する絶縁性の1−3間絶縁体層、
上記1−3間絶縁体層と一体とされてその径方向内側表面を覆い、上記第1電位配線に接触する導電性の第1導電被覆層、及び、
上記1−3間絶縁体層と一体とされてその径方向外側表面を覆い、上記第3電位配線に接触する導電性の第3導電被覆層、を有し、
上記第1電位配線と上記第3電位配線とで、上記第2電位配線を二重に包囲するとともに、上記第3電位配線で上記第1電位配線を包囲する
二重包囲ケーブルである
微粒子検知システム。 - 請求項1に記載の微粒子検知システムであって、
前記検知部は、
第1放電電極及び第2放電電極を含み、これらの間の気中放電により、イオンを生成するイオン源、
上記イオン源の上記第1放電電極に導通してなり、前記通気管内を流通する前記被測定ガスの一部を上記イオン源で生成した上記イオンと混合して、上記一部の被測定ガス中の前記微粒子を上記イオンが付着した帯電微粒子として上記通気管内に戻す構成とされ、上記イオンのうち上記微粒子に付着しなかった浮遊イオンを捕集する捕集極をなす微粒子帯電部、
上記第1放電電極及び上記微粒子帯電部に導通し、前記第1電位とされる前記第1電位部材である第1導通部材、
上記第2放電電極に導通し、前記第2電位とされる前記第2電位部材である第2電極導通部材、及び、
上記通気管に導通し、前記第3電位部材であり、前記第3電位である接地電位とされる接地電位部材、を有し、
前記ケーブルは、
上記第1導通部材に導通する前記第1電位配線と、前記第3電位配線であり、上記接地電位部材に導通する接地電位配線とで、上記第2電極導通部材に導通する前記第2電位配線を二重に電磁遮蔽するとともに、上記接地電位配線で上記第1電位配線を電磁遮蔽してなる
微粒子検知システム。 - 請求項1または請求項2に記載の微粒子検知システムであって、
前記通気管は、車載した内燃機関の排気管であり、
前記被測定ガスは、上記排気管内を流通する排気ガスである
微粒子検知システム。
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