JP2015214177A - 車両用リーフスプリング構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】交会点より大きい荷重域においても、サスペンション装置全体のばね撓み量と荷重の関係が線形となる親子ばね式の車両用リーフサスペンション構造を提供する。【解決手段】補助ばね14を構成する一部の板ばね14aの少なくとも一端を上向きに巻いたアイ15として構成し、且つサイドレール1側のヘルパーブラケット13下面に沿って転がり自在に装備したローラ16に対し前記アイ15を回動自在に巻き掛けるようにし、アイ15とローラ16からなる転がり部17のヘルパーブラケット13下面に沿った回動により前記補助ばね14の撓みによる長手方向の伸び縮みを吸収するよう構成する。【選択図】図1

Description

本発明は、車両のサスペンション装置に用いられるリーフスプリングの構造に関するものである。
アクスルを車体に懸架する為に用いられるサスペンション装置には、各種の形式を採用したものがあるが、それらのうちで一枚〜複数枚の板ばねを積層して成るリーフスプリングを用いたサスペンション装置は、構造が簡単でコストが安く済む上に強度が大きくて耐久性も高いという特徴を有しており、トラック等の車両に広く用いられている。
そして、トラック等の車両においては、特にリヤ側に大きな荷重がかかるため、リヤ側のサスペンション装置においては、リーフスプリングを上下二段に設置した親子ばね式の構造とし、大きな荷重が加わった時にサスペンション装置全体としてばね定数が大きくなるようにした構造が広く採用されている。
図6(a)(b)は従来における上下二段のリーフスプリングを用いた親子ばね式のサスペンション装置の一例(以下、従来例と呼ぶ)を示すもので、図中1は車両前後方向に延びてシャシフレームの一部を成す左右一対のサイドレール、2はサイドレール1に沿って配置されている一対の主ばねであるメインリーフスプリング、3はサイドレール1に沿って主ばね2の上段に配置されている一対の補助ばねであるヘルパーリーフスプリング、4はアクスルを示している。主ばね2は、複数の板ばね2aで構成され、補助ばね3は、複数の板ばね3aで構成されている。主ばね2と補助ばね3を構成する板ばね2a,3aは、主ばね2と補助ばね3の長手方向中間部に設けられた一対のUボルト5,5によって束ねられ、主ばね2と補助ばね3で親子ばねを構成している。アクスル4は、Uボルト5,5を介して主ばね2の長手方向中間部下面に担持され、車体側に懸架されるようになっている。
ここで、前記主ばね2を構成する複数の板ばね2aのうち、上面付近にあって特に長いものは、その前端部が上向きに巻かれてアイ6として形成されており、該アイ6をサイドレール1側のフロントブラケット7に装備されたスプリングピン8に対し回動自在に巻き掛けるようにしている。
他方、前端にアイ6が形成された前記板ばね2aの後端部は、前端部側と同様に上向きに巻かれてアイ9として形成され、該アイ9をサイドレール1側のリヤブラケット10に装備されたシャックル11のスプリングピン12に対し回動自在に巻き掛けるようにしており、板ばね2aが弓状に撓むことによる前後方向の伸び縮みが前記シャックル11の揺動で吸収されるようにしてある。
サイドレール1には、補助ばね3の両端の垂直方向上方にあたる位置にヘルパーブラケット13,13が備えられており、補助ばね3の長手方向中間部下面は、主ばね2の長手方向中間部上面と当接している。補助ばね3へ上下方向に荷重が加わる場合には、補助ばね3が両端部上面において前記ヘルパーブラケット13,13の下面に当接するようにしてある。該ヘルパーブラケット13,13の下面は、補助ばね3の両端部上面と当接した際の摩擦を軽減するため、下に凸な曲面として形成されている。
このような従来例におけるサスペンション装置の作動を、図6(a)(b)および図3を参照して説明する。
図6に示したような親子ばね式の車両用リーフスプリング構造では、荷重によって車体が沈み込もうとすると、まず主ばね2全体が、長手方向中間部下面において当接したアクスル4からの抗力を受けて撓みを生じる。これにより主ばね2に反発力が生じ、車体を支持する。
荷重が十分に小さい場合には、主ばね2の上方向の撓みが小さく、主ばね2の上面に長手方向中間部下面で当接するよう設置された補助ばね3の両端部上面は、ヘルパーブラケット13,13に接しておらず、補助ばね3には反発力が発生していない。つまり、主ばね2の反発力だけで車体にかかる荷重を支持している。
ここで、一般に、板ばねにおいて、荷重Pとばね撓み量(荷重方向変位量)δの間には、以下の関係が成り立つ。
δ=PL/3EI
これより、フックの法則における板ばねのばね定数kは、以下の式で表される。
k=P/δ=3EI/L
つまり、ある板ばねについて、横軸にばね撓み量δ、縦軸に荷重Pをとってグラフを描いた場合、kはその傾きであり、kが一定のとき、δとPの関係は直線を描く。
Eは物質固有の縦弾性係数(ヤング率)であり、Iは断面の幅と厚さに依存する断面二次モーメントであるから、断面が幅と厚さのほぼ一定な長方形をなす板ばねにおいて、EとIはほぼ一定とみなすことができる。よって、板ばねにおけるばね定数kは、板ばねのスパンLに依存し、板ばねのスパンLの3乗に反比例することになる。すなわち、板ばねのスパンLが大きいほど板ばねのばね定数kは非線形に小さくなり、つまりばねは柔らかくなり、逆に、板ばねのスパンLが小さいほど板ばねのばね定数kは非線形に大きくなり、つまりばねは硬くなる。
ここで、上述の通り、主ばね2を構成する複数の板ばね2aのうち、主ばね2上面付近にあって特に長いものは、その両端部が上向きに巻かれてアイ6、アイ9として形成され、更に該アイ9は、シャックル11のスプリングピン12に対し巻き掛けるようにしてある。よって、前記板ばね2aが弓状に撓んでも、それによる前後方向の伸び縮みが、前記シャックル11の揺動で吸収されるようになっており、前記板ばね2aの荷重支持点間の距離(スパン)Lmが一定となるため、該板ばね2aを含む主ばね2のばね定数kmは一定となる。したがって、車体にかかる荷重が十分に軽く、主ばねの反発力のみで荷重を支えている間は、ばね撓み量と荷重の関係は、傾きをkmとする直線となる(図3;交会点未満の荷重域)。
この荷重域では、サスペンション装置全体のばね定数ksは、主ばね2のばね定数kmに等しい。つまり、ksとkmの関係は
ks=km
と表せる。
車体にかかる荷重がより大きくなると、主ばね2全体の上方向への撓みが大きくなり、主ばね2の上面に長手方向中間部下面で当接した補助ばね3が持ち上がっていく。主ばね2の撓みが所定の大きさに達すると、持ち上がった補助ばね3の両端部上面がヘルパーブラケット13,13の下面に当接し、この時点より先の荷重域では補助ばね3が撓みを生じて作動し始める(図6(a)参照)。この、補助ばね3が作動しはじめる直前の時点において、補助ばね3の両端部上面がヘルパーブラケットの下面に当接しており、且つ補助ばね3に撓みが生じていない状態が交会点である。
交会点を超え、車体にかかる荷重がさらに大きくなり、主ばね2がさらに上向きに弓状に撓むと、補助ばね3は、両端部上面に当接したヘルパーブラケット13,13から下向きの力を受け、長手方向中間部下面に当接した主ばね2からは上向きの力を受けるので、補助ばね3に撓みを生じて反発力が発生する。これにより、交会点より大きい荷重域においては、主ばね2と補助ばね3が協働して車体を支えることになる。
言い換えると、この荷重域においては、主ばね2のばね定数kmに補助ばね3のばね定数khを加算したものが全体のばね定数となる。つまり、サスペンション装置全体のばね定数ksは、以下の式で表される。
ks=km+kh
したがって、交会点より大きい荷重域においては、交会点未満の荷重域と比較して、サスペンション装置全体のばね定数ksがkhの分だけ大きくなって、ばねが硬くなることになる。
ここで、従来の親子ばね式のサスペンション装置においては、上述した通り、補助ばね3の両端部は他の部材に固定されておらず、交会点より大きい荷重域になるとヘルパーブラケット13,13下面に当接して反発力を生む構成になっているため、荷重の大小による補助ばね3の撓みの違いによって補助ばね3を構成する板ばね3aのスパンLhが変化し、サスペンション装置全体のばね定数が非線形に変化してしまうという問題があった。
すなわち、図6(a)に示す如く、交会点の状態では、補助ばね3は下に凸な形状であるが、荷重が大きくなるに従い、図6(b)に示す如く、補助ばね3は上に撓み、上に凸な形状へと変形していく。これに伴って、補助ばね3の上面とヘルパーブラケット13,13下面の当接点C,Cの位置が、補助ばね3の長手方向内側へと少しずつずれ、当接点C,C同士の間隔が狭まっていくことになる。
ここで、補助ばね3を構成する板ばね3aのうち、最上面にある板ばね3aのスパンLhは、該板ばね3a上における前記当接点C,C同士の距離に等しい。したがって、荷重が大きくなって当接点C,C同士の間隔が狭まると、該スパンLhが縮むことになる。上述の通り、ばね定数はスパンの3乗に反比例するため、補助ばね3のばね定数khは、荷重の増加に伴い非線形に大きくなり、補助ばね3は硬くなっていくことになる。
図3のグラフに破線で示したのが、従来例のサスペンション装置における交会点より大きい荷重域でのばね撓み量と荷重の関係である。ここでグラフの線の傾きはksに等しく、この荷重域ではksはkmとkhの和に等しい。そして、このうちkhが上述の通り荷重の増加に伴って非線形に増加するため、破線で示すように、この荷重域においては、荷重の増加に対するばね撓み量の変化が非線形になる。
その結果、交会点より大きい荷重域においては、荷重が増加するにつれ車両の乗り心地が悪化してしまうほか、サスペンション装置全体としても、ばね撓み量と荷重の関係が非線形になるので、荷台振動の設計がしにくいという問題があった。また、補助ばね3においては、荷重が大きいほど短いスパンで反発力を生むことになるため、板ばね3aに発生する負担が増し、ばねの寿命が短くなるなどの問題も有していた。
こうした補助ばね3の端部支持構造を改良した発明を記載した文献としては、例えば、特許文献1,2がある。
実開昭64−51507号公報
特許文献1には、補助ばねの端部を支持するヘルパストッパ(ヘルパーブラケット)側の構造にローラを採用し、補助ばねとヘルパストッパの間の摩擦によるヘルパストッパの摩耗を軽減する装置が記載されている。しかし、補助ばねの端部をヘルパーブラケット側のローラ(図7では13'で示す)で支持しても、図7(a)(b)に示す如く、ばね撓み量ないし形状の変化による当接点が移動し、スパンLhが変化してしまうという問題は依然としてあり、したがって上記の諸問題を解消するには至っていなかった。
本発明は、斯かる実情に鑑みてなしたもので、荷重の増加に伴ってばね定数が非線形に増加することのない親子ばね式の車両用リーフスプリング構造を提供することを目的とする。
本発明は、主ばねであるメインリーフスプリングと補助ばねであるヘルパーリーフスプリングによりアクスルを車体側に懸架するようにした親子ばね式の車両用リーフスプリング構造であって、前記補助ばねの少なくとも一端に転がり部を設け、該転がり部で前記補助ばねの撓みによる長手方向の伸び縮みを吸収するよう構成したことを特徴とする車両用リーフスプリング構造にかかるものである。
而して、このようにすれば、交会点より小さい荷重域のみならず、交会点より大きい荷重域においても、サスペンション装置全体のばね撓み量と荷重の関係を線形とすることができる。
本発明の車両用リーフスプリング構造において、前記転がり部は、前記補助ばねを構成する少なくとも一部の板ばねの少なくとも一端を上向きに巻いたアイとして構成し、且つサイドレール側のヘルパーブラケット下面に沿って転がり自在に装備したローラに対し前記アイを回動自在に巻き掛けるようにして構成されることが好ましい。
而して、このようにすれば、簡単な構成で補助ばねの撓みによる長手方向の伸び縮みを吸収し得、補助ばねに転がり部を設置するにあたってかかる手間やコストが少なくて済む。
本発明の車両用リーフスプリング構造において、前記ローラは、前記アイのスプリングピンであり該アイを回動自在に巻き掛けられる軸部と、該軸部の両端に備えられ前記ヘルパーブラケット下面に沿って転がり自在に当接する円形のフランジ部からなることが好ましい。
而して、このようにすれば、更に簡単な構成で補助ばねの撓みによる長手方向の伸び縮みを吸収し得、補助ばねに転がり部を設置するにあたってかかる手間やコストを更に低減できる。
上述した本発明の車両用リーフスプリング構造によれば、荷重の増加に伴ってばね定数が非線形に増加することがないので、荷重の増加に伴って乗り心地が悪くなることもなく、荷台振動の設計がし難くなることもなく、且つ補助ばねの荷重分担を減少させ、補助ばねの高寿命化を図り得るという種々の優れた効果を奏し得る。
本発明の車両用リーフスプリング構造の形態例を示す正面図であって、(a)は交会点の状態を示す図、(b)は交会点より大きい荷重域の一状態を示す図である。 本発明の車両用リーフスプリング構造におけるローラの形態を示す図であって、(a)は斜視図、(b)は正面図である。 本発明および従来の車両用リーフスプリング構造におけるばね撓み量と荷重の関係を示すグラフである。 過積載時の本発明および従来の車両用リーフスプリング構造におけるばね撓み量と荷重の関係を示すグラフである。 強制変位が入力された場合の本発明および従来の車両用リーフスプリング構造におけるばね撓み量と変位荷重の関係を示すグラフである。 従来の車両用リーフスプリング構造の形態例を示す正面図であって、(a)は交会点の状態を示す図、(b)は交会点より大きい荷重域の一状態を示す図である。 先行技術による車両用リーフスプリング構造の補助ばねの作動を示す概念図であって、(a)は荷重が比較的小さい状態の図、(b)は荷重が比較的大きい状態の図である。
以下、本発明による車両用リーフスプリング構造の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
図1(a)(b)は本発明の実施形態の一例(以下、本実施例と呼ぶ)を示すものであって、図中、図6と同一の符号を付した部分は同一物を表す。基本的な構成は図6に示す従来のものと同様であり、車両前後方向に延びてシャシフレームの一部を成す左右一対のサイドレール1、サイドレール1に沿って配置されている一対の主ばねであるメインリーフスプリング2、サイドレール1に沿って主ばね2の上段に配置されている一対の補助ばねであるヘルパーリーフスプリング14を有している。主ばね2は、複数の板ばね2aで構成され、補助ばね14は、複数の板ばね14aで構成されている。主ばね2と補助ばね14を構成する板ばね2a,14aは、主ばね2と補助ばね14の長手方向中間部に設けられた一対のUボルト5,5によって束ねられ、主ばね2と補助ばね14で親子ばねを構成している。主ばね2の長手方向中間部下面には、Uボルト5,5を介してアクスル4が担持され、車体側に懸架されるようになっている。
ここで、前記主ばね2を構成する複数の板ばね2aの一部は、その前端部が上向きに巻かれてアイ6として形成されており、該アイ6はサイドレール1側のフロントブラケット7に装備されたスプリングピン8に対し回動自在に巻き掛けるようにしている。
他方、該板ばね2aの後端部は、前端部側と同様に上向きに巻かれてアイ9として形成され、該アイ9をサイドレール1側のリヤブラケット10に装備されたシャックル11のスプリングピン12に対し回動自在に巻き掛けるようにしてある。
本発明の特徴とするところは、補助ばね14を構成する複数の板ばね14aの一部において、両端部を上向きに巻いたアイ15,15として構成し、且つサイドレール1側のヘルパーブラケット13,13下面に沿ってローラ16,16を転がり自在に装備し、前記アイ15,15を前記ローラ16,16に対し回動自在に巻き掛けるようにし、アイ15、ローラ16をもって補助ばね14の両端の転がり部17を構成した点にある。ヘルパーブラケット13,13の下面はローラ16,16が転がり易いよう、下に凸な曲面として形成してあり、これにより、補助ばね14を構成する板ばね14aが弓状に撓むことによる前後方向の伸び縮みが、前記ローラ16,16のヘルパーブラケット13,13下面に沿った転がりで吸収されるようにしてある。ここで、アイ15は、複数の板ばね14aの端部を上向きに巻いて構成しても良いし、一枚の板ばね14aの端部を上向きに巻いて構成しても良い。また、アイ15とローラ16からなる転がり部17は、板ばね14aの前後方向の伸び縮みを吸収できるようになっていれば、補助ばね14の両端に設けられていても良いし、補助ばね14の一端にのみ設けられていても良いし、また、補助ばね14の一端に転がり部17が設けられ、他端にはシャックルが設けられるようにしても良い。
アイ15とローラ16からなる転がり部17の構造を、図2を参照して更に詳細に説明する。ローラ16は、図2(a)(b)に示す如く、アイ15のスプリングピンとなる軸部16aと、軸部16aの両端に形成された一対のフランジ部16bからなる。軸部16aは円柱形であり、前記アイ15が回動自在に巻き掛けられる。フランジ部16bは軸部16aと中心軸を同じくする円形であり、該フランジ部16bの外周は、図1に示す如くヘルパーブラケット13下面に対して転がり自在に当接するようにしてある。
次に、上記本実施例によるリーフスプリング構造を用いたサスペンション装置の作動を、図1,図3〜図5を用いて説明する。
交会点までの荷重域においては、本実施例においても従来例と同様、主ばね2の反発力だけで車体にかかる荷重を支持しており、主ばね2においてはアイ6やシャックル11の作用によって板ばね2aのスパンLmならびに主ばね2のばね定数kmが一定に保たれるため、従来例と同様、サスペンション装置全体におけるばね撓み量と荷重の関係は線形となる(図3参照)。
交会点を超えると、補助ばね14は、ヘルパーブラケット13,13からローラ16,16を介して下向きの力を受け、長手方向中間部下面に当接した主ばね2からは上向きの力を受けるので、補助ばね14に撓みによる反発力が発生する。これにより、交会点より大きい荷重域においては、主ばね2と補助ばね14が協働して車体を支えることになり、主ばね2のばね定数kmに補助ばね14のばね定数khを加算したものがサスペンション装置全体のばね定数ksとなる。
ここで、本実施例においては、上述した通り、補助ばね14を構成する一部の板ばね14aの両端部はアイ15,15として形成され、ヘルパーブラケット13,13の下面を転がるローラ16,16に巻き掛けられて転がり部17,17を形成しているため、補助ばね14を構成する板ばね14aが弓状に撓むことによる前後方向の伸び縮みが前記転がり部17,17の動きで吸収される。
すなわち、図1(a)(b)に示す如く、本実施例においては、補助ばね14の上面とローラ16,16との当接点C,Cの位置が、補助ばね14とローラ16,16との間で相対的に変化しないので、補助ばね14を構成する板ばね14aのスパンLhは、交会点においても、交会点より大きい荷重域においても、変化しない。したがって、補助ばね14のばね定数khは、荷重によって変化せず、また前述の通り、主ばね2のばね定数kmも変化しないので、サスペンション装置全体としてのばね定数ksも一定となる。これにより、図3に実線で示す如く、本発明においては、交会点より大きい荷重域においても、サスペンション装置全体のばね撓み量と荷重の関係は線形となる。
本実施例におけるサスペンション装置のばね撓み量と荷重の関係について、図3〜図5を参照して詳しく説明する。
図3に示す如く、従来例のサスペンション装置(破線で示す)においては、交会点より大きい荷重域において、荷重の上昇に伴い、傾きであるばね定数ksが非線形に上昇してしまい、荷重がP1の場合の傾き(ばね定数)ks1に比べて荷重がP2の場合の傾き(ばね定数)ks2の方が大きくなる。これに対し、本実施例のサスペンション装置(実線で示す)では、交会点より大きい荷重域において傾きであるばね定数ksは一定で、したがって荷重に対するばね撓み量の変化が線形である。このため、本実施例のサスペンション装置においては、荷重の増加に伴って乗り心地が悪くなることもなく、荷台振動の設計がし難くなることもない。
また、本実施例によれば、従来例に比べ、同じ荷重に対する補助ばねの荷重分担を減らすこともできる。図4のグラフに示すように、サスペンション装置に対して荷重P3がかかったとする。このとき、本実施例におけるサスペンション装置全体のばね撓み量δ1は、従来例におけるサスペンション装置全体のばね撓み量δ2よりも大きくなる。そして、従来例においても本実施例においても主ばね2のばね定数kmは一定であり、主ばね2にはばね撓み量に比例した荷重がかかる。その結果、本実施例においては、主ばね2にかかる荷重が従来例に比べ、ばね撓み量δ1とδ2の差分に対応する量(ΔP1)だけ大きくなる。全体にかかる荷重P3は本実施例と従来例で同じであるので、補助ばね14の荷重分担が、本実施例においては従来例に比べてΔP1だけ小さくなる。特に、荷重P3の大きさが過積載にあたるほど過大であった場合は、ばねにかかる負担が大きくなるが、本実施例によれば、このように過積載時における補助ばねの荷重分担を減らし、補助ばねを高寿命化することができる。
さらに、本実施例によれば、サスペンション装置を構成するばねに対して強制的に変位が入力された場合の補助ばねの荷重分担を減らすこともできる。たとえば、サスペンション装置を備えた車体が車高未満の障害物の下を潜ろうとした時などには、該障害物により、サスペンション装置を構成するばねが一定の撓み分だけ、重量によらず強制的に変位させられる場合がある。図5に示すように、サスペンション装置全体に対してδ3の強制変位が入力された場合のことを考える。このとき、変位δ3が同じであるため、主ばね2については、本実施例と従来例とで共通して一定のばね定数kmを有するので、主ばね2にかかる荷重は本実施例と従来例とで等しくなる。一方、補助ばね14のばね定数khについては、上述の通り本実施例では従来例よりも小さくなるので、同じ変位量δ3によってかかる荷重が従来例よりもΔP2だけ小さくなる。このように、本実施例によれば、強制変位の入力時における補助ばね14の荷重分担も軽減される。
従って、上記本実施例のリーフスプリング構造によれば、交会点より大きい荷重域においても、サスペンション装置全体のばね撓み量と荷重の関係を線形とすることができ、荷重の増加に伴って乗り心地が悪くなることもなく、荷台振動の設計がし難くなることもなく、且つ補助ばね14の荷重分担を減少させ、補助ばね14の高寿命化を図り得る。
しかも、転がり部17は、補助ばね14を構成する板ばね14aの両端を上向きに巻いたアイ15として構成し、且つサイドレール側のヘルパーブラケット下面に沿って転がり自在に装備したローラ16に対し前記アイを回動自在に巻き掛けるようにして構成しており、ローラ16は、アイ15のスプリングピンであり該アイ15を回動自在に巻き掛けられる軸部16aと、該軸部16aの両端に備えられた円形のフランジ部16bで構成されているので、簡単な構成で補助ばね14の撓みによる長手方向の伸び縮みを吸収し得、補助ばね14に転がり部17を設置するにあたってかかる手間やコストは最低限で済む。
尚、本発明の車両用リーフスプリング構造は、上述の形態例にのみ限定されるものではなく、転がり部の構造は補助ばねの撓みによる長手方向の伸び縮みを吸収することができれば本発明において例示したローラとアイによるものでなくても良いこと、該転がり部は必ずしも補助ばねの両端に備える必要はなく、一端にのみ設けても良いこと等、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
1 サイドレール
2 主ばね
4 アクスル
13 ヘルパーブラケット
14 補助ばね
14a 板ばね
15 アイ
16 ローラ
17 転がり部

Claims (3)

  1. 主ばねであるメインリーフスプリングと補助ばねであるヘルパーリーフスプリングによりアクスルを車体側に懸架するようにした親子ばね式の車両用リーフスプリング構造であって、前記補助ばねの少なくとも一端に転がり部を設け、該転がり部で前記補助ばねの撓みによる長手方向の伸び縮みを吸収するよう構成したことを特徴とする車両用リーフスプリング構造。
  2. 前記転がり部は、前記補助ばねを構成する少なくとも一部の板ばねの少なくとも一端を上向きに巻いたアイとして構成し、且つサイドレール側のヘルパーブラケット下面に沿って転がり自在に装備したローラに対し前記アイを回動自在に巻き掛けるようにして構成したことを特徴とする、請求項1に記載の車両用リーフスプリング構造。
  3. 前記ローラは、前記アイのスプリングピンであり該アイを回動自在に巻き掛けられる軸部と、該軸部の両端に備えられ前記ヘルパーブラケット下面に沿って転がり自在に当接する円形のフランジ部からなることを特徴とする、請求項1又は2に記載の車両用リーフスプリング構造。
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