JP2015214132A - フィブロイン複合体 - Google Patents
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Abstract
Description
これら多孔質体を構成する生体由来物質としては、セルロース、キチン等の糖類、コラーゲン、ケラチン、フィブロイン等のタンパク質群などが知られている。
シルクフィブロインは、衣類用途以外に、手術用縫合糸として長く使用されてきた実績があり、現在では食品及び化粧品の添加物としても利用され、人体に対する安全性にも問題がないことから、上記のような多孔質体の利用分野に利用することが可能である。
例えば、シルクフィブロイン水溶液を急速冷凍したのち結晶化溶媒に浸漬し、融解と結晶化を同時進行することによって得る方法がある(特許文献1)。しかしながら、この方法は結晶化溶媒である有機溶媒を大量に使用する必要があり、さらに溶媒の残留の可能性も否定できず、化粧品・エステ分野等の上記した応用分野での使用には問題がある。
次に、シルクフィブロイン水溶液のpHを6以下に保持してゲル化させるか又はその水溶液に貧溶媒を添加してゲル化させ、得られたゲルを凍結乾燥して多孔質体を作製する方法がある(特許文献2)。しかしながら、この方法は十分な強度をもった多孔質体を得ることはできない。他に、シルクフィブロイン水溶液を冷凍した後に長時間凍結状態を維持することで多孔質体を作製する手法が報告されている(特許文献3)。しかしながら、発明者らの検討ではこの手法は再現性が乏しく、多孔質体が作製できないことが多いことが分かった。
すなわち、本発明の要旨は、以下の通りである。
2.繊維支持体及びフィブロイン多孔質体の少なくとも一方を、フィブロイン水溶液と、水溶性液状有機物質及びカルボン酸類から選ばれる少なくとも一種の添加剤と、の混合物に浸漬し、該繊維支持体と該フィブロイン多孔質体とを重ね合わせた後、凍結することを特徴とするフィブロイン複合体の製造方法。
3.フィブロイン水溶液と、水溶性液状有機物質及びカルボン酸類から選ばれる少なくとも一種の添加剤と、の混合物に、繊維支持体を浸漬し、凍結することを特徴とするフィブロイン複合体の製造方法。
4.繊維支持体及びフィブロイン多孔質体を水及び水溶性液状有機物質から選ばれる少なくとも一種に浸漬し、該繊維支持体及びフィブロイン多孔質体の少なくとも一方の、少なくとも片面にフィブロイン水溶液と、水溶性液状有機物質及びカルボン酸類から選ばれる少なくとも一種の添加剤と、の混合物を塗布し、塗布した面を挟むようにして積層した後、凍結することを特徴とするフィブロイン複合体の製造方法。
本発明のフィブロイン複合体は、繊維支持体とフィブロイン多孔質体とを備え、該支持体と該多孔質体とが少なくともフィブロインにより接合されてなるものである。図1は本発明のフィブロイン複合体の構造の一例を示す模式図であり、繊維支持体11とフィブロイン多孔質体12とが接合されてなるフィブロイン複合体10が示されている。そして、繊維支持体11とフィブロイン多孔質体12とは、フィブロインにより接合されている。すなわち、本発明のフィブロイン複合体は、別個の接着剤を用いることなく、フィブロインにより接合されてなるため、異素材の使用を低減でき、フィブロイン多孔質体、とりわけシルクフィブロイン多孔質体の優れた吸水性、柔軟性、肌触り等の質感の長所を損なうことなく、良好な接合力を得ることを可能としている。
フィブロイン多孔質体は、フィブロインにより構成される多孔質体であれば特に制限はなく、優れた吸水性、柔軟性、肌触り等の質感を得る観点からシルクフィブロイン多孔質体であることが好ましい。フィブロイン多孔質体は、例えば、フィブロイン水溶液に水溶性液状有機物質及びカルボン酸類から選ばれる少なくとも一種の添加剤を添加したフィブロイン水溶液を凍結して凍結体を得て、次いで該凍結体中の凍結した水分を溶解して得る手法が挙げられる。この手法によれば、形状安定性及び強度に優れるフィブロイン多孔質体が得られる傾向がある。
シルクフィブロインを水に溶解させる手法については特に制限はなく、例えば、シルクフィブロインは水への溶解性が低いため、高濃度の臭化リチウム水溶液にシルクフィブロインを溶解後、透析により脱塩し、シルクフィブロイン水溶液を得る方法が好適に挙げられる。また、水溶液中のシルクフィブロインの濃度調整の方法としては、風乾による濃縮を経る手法が簡便で好ましい。
凍結温度としては、添加剤を加えたシルクフィブロイン水溶液が凍結する温度であれば特に制限はないが、−5〜−40℃程度が好ましく、−10〜−30℃程度がより好ましく、−15〜−25℃がさらに好ましい。凍結時間としては、添加剤を加えたシルクフィブロイン水溶液が十分に凍結し、かつ凍結状態を一定時間保持できるよう、2時間以上であることが好ましく、4時間以上であることがさらに好ましい。また、特に−15〜−25℃の温度条件下、1時間から100時間保持して凍結することが好ましい。
この場合、シルクフィブロイン多孔質体を浸漬するグリセリン水溶液におけるグリセリンの濃度は、シルクフィブロイン多孔質体を形成する際に使用したシルクフィブロイン水溶液中で、0.2〜2.5体積%であることが好ましく、0.25〜2体積%であることがより好ましく、0.25〜1.2体積%であることがさらに好ましい。この範囲にグリセリン濃度を設定することで質感が良く、ひび割れの無い乾燥シルクフィブロイン多孔質体を得ることができ、結果として質感が良く、ひび割れの無いシルクフィブロイン複合体が得られる。このようにして得られる乾燥シルクフィブロイン多孔質体はグリセリンを含有することを特徴とする。
また、原料として用いるシルクフィブロイン、添加剤の種類、添加剤の添加量等を調節することで、シルクフィブロイン多孔質体の内部構造と固さを調整することができる。
ここで、多孔質体の平均細孔径は、多孔質体断面の走査型電子顕微鏡写真を5枚撮影し、さらに異なる日に作製した多孔質体断面の走査型電子顕微鏡写真を5枚撮影し、それら10枚の走査型電子顕微鏡写真について、画像解析ソフトを用いて画像処理し、算出した細孔径の平均値である。
ここで空孔率は、得られた多孔質体を純水中に1日静置し吸水させ、秤量した質量を湿質量とし、凍結乾燥して多孔質体中の水分を除去し、再度秤量した質量を乾燥質量とし、水の密度を1g/cm3、フィブロインの密度を1.2g/cm3、含水状態のフィブロイン多孔質体の密度を1g/cm3と仮定し、次式に従って得られた値である。
空孔率=(湿質量−乾燥質量/1.2)/湿質量×100
本発明で用いられる繊維支持体は、繊維により構成される支持体であれば特に制限はなく、例えば、不織布、織布、フェルト、メッシュ等が挙げられる。
本発明のフィブロイン複合体において、繊維支持体とフィブロイン多孔質体とは少なくともフィブロインにより接合されていればよく、フィブロインは、少なくとも繊維支持体とフィブロイン多孔質体との間に存在することで接合力を発現する。ここで、繊維支持体とフィブロイン多孔質体との間に存在するフィブロインは、多孔質体を形成していてもよいし、形成していなくてもよい。
また、フィブロイン複合体中に複数の繊維支持体及び/又は複数のフィブロイン多孔質体を有する場合、これらの繊維支持体、フィブロイン多孔質体は同一のものを用いてもよいし、異なるものを用いてもよく、用途に応じて適宜選択することができる。
本発明のフィブロイン複合体の引張強さは、用途に応じたハンドリング性、耐久性を有していれば特に制限はないが、70〜2000kPaであることが好ましく、80〜1500kPaであることがより好ましく、100〜1500kPaであることがさらに好ましい。また、スパンレース不織布、織布等の繊維に配向がみられる繊維支持体を使用する場合には、繊維配向方向の引張強さは400〜2000kPaであることが好ましく、500〜1500kPaであることがより好ましく、600〜900kPaであることがさらに好ましい。繊維配向方向に対して垂直方向の引張強さは70〜300kPaであることが好ましく、80〜280kPaであることがより好ましい。引張強さが上記範囲内であると、肌触りが良好であり、曲げ易く使用感が良好となる傾向があり、また、様々な用途において好適に用いることができる傾向がある。
ここで、引張強さは、50mm×5mmの大きさに切削したフィブロイン複合体の試験片について、万能試験機(「EZ−(N)S(型番)」、(株)島津製作所製)を用い、ロードセルは50N、つかみ具は引張試験用の冶具を用い、引張速度5mm/min、初期つかみ具間距離30mm、室温22℃の条件下で、破断した時点でのロード(N)を測定し、以下の式により算出した値である。
引張強さ(kPa)=破断時ロード(N)÷複合体厚さ(mm)÷5×1000
測定したものである。
ここで、引裂き強さは、複合体の引裂き力の中央値を該複合体の厚さ(m)で割って得られた値である。より具体的には、100mm×15mmの大きさに切削し、かつ長さ40mmの切込みを入れた、トラウザ形に打ち抜いたシルクフィブロイン複合体の試験片について、万能試験機(「EZ−(N)S(型番)」、(株)島津製作所製)を用い、ロードセルは5N、つかみ具は引張試験用の冶具を用い、引裂き速度200mm/min、初期つかみ具間距離40mm、室温22℃の条件下で、垂直方向(TD方向)及び流れ方向(MD方向)について図2に示されるように、引裂き力の中央値を測定し、以下の式により算出した値である。
引裂き強さ=引裂き力の中央値(N)/試験片の厚さ(m)
本発明のフィブロイン複合体は、フィブロイン多孔質体、とりわけシルクフィブロイン多孔質体の優れた吸水性、柔軟性、肌触り等の質感の長所を損なうことなく、引張強さ、引裂き強さといった機械的強度にも優れている。また、生体に対する安全性も高いことから、エステティックサロン又は個人での使用による化粧品・エステ分野、とりわけフェイスマスク、アイマスク等のスキンケア部材として極めて有用である。
また、本発明のフィブロイン複合体は、細胞増殖性にも優れるため、再生医療における細胞培養支持体(足場材料)としても極めて有用である。
さらに、生体親和性にも優れるため、指、肘、膝等の人体の稼動部への貼り付けが想定される創傷被覆材、薬剤徐放担体、癒着防止剤等の医療分野の他、紙おむつ、生理用品等の生活日用品分野での使用にも極めて有用である。
本発明のフィブロイン複合体の第一の製造方法は、繊維支持体及びフィブロイン多孔質体の少なくとも一方を、フィブロイン水溶液と、水溶性液状有機物質及びカルボン酸類から選ばれる少なくとも一種の添加剤と、の混合物(以下、単に混合物と称することがある。)に浸漬し、該繊維支持体と該フィブロイン多孔質体とを重ね合わせた後、凍結することを特徴とするものである。
ここで、繊維支持体は上記の(繊維支持体)の項で説明したものと同じであり、フィブロイン多孔質体は上記の(フィブロイン多孔質体)の項で説明したものと同じである。
また、シルクフィブロイン水溶液中の添加剤の含有量も、上記で説明したものと同じであり、0.01〜18体積%であることが好ましく、0.1〜5体積%であることがより好ましく、0.5〜3体積%であることがさらに好ましい。添加剤の含有量が上記範囲内であると、良好な接合力が得られる傾向がある。
例えば、繊維支持体のみを混合物に浸漬する場合、フィブロイン多孔質体は水、水溶性液状有機物質、及びカルボン酸類から選ばれる少なくとも一種の液組成物に浸漬することが好ましい。一方、フィブロイン多孔質体のみを混合液に浸漬する場合、繊維支持体は水、水溶性液状有機物質、及びカルボン酸類から選ばれる少なくとも一種の液組成物に浸漬することが好ましい。ここで、水溶性液状有機物質及びカルボン酸類は水と混合した水溶液であることが好ましい。この場合の、水溶液中の水溶性液状有機物質及びカルボン酸類の濃度は0.01〜18体積%であることが好ましく、0.1〜5体積%であることがより好ましく、0.5〜3体積%であることがさらに好ましい。これらの濃度が上記範囲内であると、良好な接合力が得られる傾向がある。また、この場合の水溶性液状有機物質は、グリセリンであることが、質感に優れるフィブロイン複合体を得る観点から好ましい。
また、繊維支持体及びフィブロイン多孔質体を混合物に浸漬する場合、混合物に含まれる水溶性液状有機物質がグリセリンであることが質感に優れるフィブロイン複合体を得る観点から好ましい。
また、繊維支持体とフィブロイン多孔質体との間に空気が混入すると、その部分に気泡が生じてしまい接合力が低下する場合があるので、空気が混入しないようにすることが好ましい。
凍結温度としては、添加剤を加えたフィブロイン水溶液が凍結する温度であれば特に制限はないが、−5〜−40℃程度が好ましく、−10〜−30℃程度がより好ましく、−15〜−25℃がさらに好ましい。凍結時間としては、添加剤を加えたフィブロイン水溶液が十分に凍結し、かつ凍結状態を一定時間保持できるよう、2時間以上であることが好ましく、4時間以上であることがさらに好ましい。また、特に−15〜−25℃の温度条件下、1時間から100時間保持して凍結することが優れた接合力を得る観点から好ましい。
融解は、上記のフィブロイン多孔質体を製造する際のフィブロイン水溶液を凍結した後の融解と同じであり、特に制限はなく、自然融解、恒温槽での保管等により行うことができる。
このようにして得られたフィブロイン複合体には、この時点では製造過程で使用したフィブロイン水溶液の一部及び添加剤が繊維支持体及びフィブロイン多孔質体の細孔中に含まれている。フィブロイン水溶液及び添加剤を含むフィブロイン複合体はそのまま使用することもでき、また用途に応じて、フィブロイン水溶液及び添加剤等を除去する必要がある場合は、例えば該複合体を純水中に浸漬して除去すればよい。
ここで、凍結後直ちに凍結乾燥をする場合には、繊維支持体及びフィブロイン多孔質体の少なくとも一方を浸漬する混合物に加える添加剤はグリセリンであることが好ましい。グリセリンを添加することで複合体に柔軟性を付与することができるとともに、乾燥による割れを防止することができる。混合物中でのグリセリンの濃度は、フィブロイン多孔質体を形成する際にしようしたフィブロイン水溶液中で、0.2〜2.5体積%であることが好ましく、0.25〜2体積%であることがより好ましく、0.25〜1.2体積%であることがさらに好ましい。
また、凍結乾燥の処理を行う前に、フィブロイン複合体をグリセリン水溶液に浸漬することが好ましいことも、上記のフィブロイン多孔質体の製造方法における凍結乾燥と同じである。グリセリン水溶液におけるグリセリンの濃度は、フィブロイン多孔質体を形成する際に使用したフィブロイン水溶液中で、0.2〜2.5体積%であることが好ましく、0.25〜2体積%であることがより好ましく、0.25〜1.2体積%であることがさらに好ましい。この範囲にグリセリン濃度を設定することで質感が良く、ひび割れの無い乾燥フィブロイン複合体を得ることができる。このようにして得られる乾燥フィブロイン複合体は、乾燥後にも繊維支持体及びフィブロイン多孔質体にグリセリンを含有することを特徴とする。
ここで、繊維支持体、フィブロイン多孔質体は上記のフィブロイン多孔質体の製造において説明したものと同じであり、フィブロイン水溶液と水溶性液状有機物質及びカルボン酸類から選ばれる少なくとも一種の添加剤との混合物も、上記のフィブロイン多孔質体の製造において説明したものと同じである。また、浸漬、凍結、さらには凍結後の融解、凍結乾燥も上記のフィブロイン多孔質体の製造において説明したものと同じである。
ここで、繊維支持体、フィブロイン多孔質体は上記のフィブロイン多孔質体の製造において説明したものと同じであり、水溶性液状有機物質及びカルボン酸類も、上記のフィブロイン多孔質体の製造において説明したものと同じである。
フィブロイン水溶液中の添加剤の含有量は、0.1〜18体積%であることが好ましく、0.5〜6体積%であることがより好ましく、2〜5体積%であることがさらに好ましい。添加剤の含有量が上記範囲内であると、良好な接合力が得られる。
また、塗布する方法としては、特に制限はないが、例えば、刷毛、スプレーで塗布することが好ましい。
優れた接合力を得る観点から、積層した後、凍結する前に10分程度静置することが好ましい。
その後の凍結温度としては、添加剤を加えたシルクフィブロイン水溶液が凍結する温度であれば特に制限はないが、−5〜−40℃程度が好ましく、−10〜−30℃程度がより好ましく、−15〜−25℃がさらに好ましい。凍結時間としては、添加剤を加えたシルクフィブロイン水溶液が十分に凍結し、かつ凍結状態を一定時間保持できるよう、2時間以上であることが好ましく、4時間以上であることがさらに好ましい。また、特に−15〜−25℃の温度条件下、1時間から100時間保持して行うことが優れた接合力を得る観点から好ましい。さらに、凍結後の融解は、上記のフィブロイン多孔質体を製造する際のフィブロイン水溶液の凍結と同じである。
ここで、凍結後直ちに凍結乾燥をする場合には、繊維支持体及びフィブロイン多孔質体の少なくとも一方を浸漬する混合物に加える添加剤はグリセリンであることが好ましい。グリセリンを添加することで複合体に柔軟性を付与することができるとともに、乾燥による割れを防止することができる。混合物中でのグリセリンの濃度は、フィブロイン多孔質体を形成する際にしようしたフィブロイン水溶液中で、0.2〜2.5体積%であることが好ましく、0.25〜2体積%であることがより好ましく、0.25〜1.2体積%であることがさらに好ましい。
(1)接合力の評価
実施例及び比較例で得られたシルクフィブロイン複合体について、繊維支持体の端部のシルクフィブロイン多孔質体が無い部分を指でつまんで30秒間持ち上げて、繊維支持体とシルクフィブロイン多孔質体とが剥離しないか目視し、下記の基準で評価した。
○ :全く剥離することがなかった。
△ :ほとんど剥離することがなかった。
× :剥離が生じた。
(2)引張強さの測定
実施例及び比較例で得られたシルクフィブロイン複合体について、下記の方法で引張強さを測定した。
50mm×5mmの大きさに切削したシルクフィブロイン複合体の試験片について、万能試験機(「EZ−(N)S(型番)」、(株)島津製作所製)を用い、ロードセルは50N、つかみ具は引張試験用の冶具を用い、引張速度5mm/min、初期つかみ具間距離30mm、室温22℃の条件下で測定した。また、スパンレース不織布、織布を繊維支持体として使用する場合は、繊維配向方向、及び繊維配向方向に対して垂直方向についてそれぞれ引張強さを測定した。
(3)引裂き強さの測定
100mm×15mmの大きさに切削し、かつ長さ40mmの切込みを入れた、トラウザ形に打ち抜いたシルクフィブロイン複合体の試験片について、万能試験機(「EZ−(N)S(型番)」、(株)島津製作所製)を用い、ロードセルは5N、つかみ具は引張試験用の冶具を用い、引裂き速度200mm/min、初期つかみ具間距離40mm、室温22℃の条件下で、引裂き力の中央値を測定し、以下の式により算出した値である。また、スパンレース不織布、織布を繊維支持体として使用する場合は、繊維配向方向、及び繊維配向方向に対して垂直方向についてそれぞれ引裂き強さを測定した。
引裂き強さ=引裂き力の中央値(N)/試験片の厚さ(m)
(4)シルクフィブロイン複合体の断面の観察
実施例及び比較例で得られたシルクフィブロイン複合体の断面を、走査型電子顕微鏡(「Neo Scope JCM−5000(型番)」、日本電子(株)製)を使用して、高真空Pt蒸着モード、加速電圧10kVで観察した。
(シルクフィブロイン水溶液の調製)
シルクフィブロイン水溶液は、高圧精錬済み切繭(ながすな繭(株)製)40gを9M臭化リチウム水溶液400mLに溶解し、常温で4時間攪拌して溶解した。次いで、遠心分離(回転速度:12,000rpm、5分間)して、デカンテーションで沈殿物を除去した後、透析チューブ(Spectra/PorR1 Dialysis Membrane、MWCO6,000−8,000、Spectrum Laboratories, Inc.製)に注入し、超純水製造装置(「PRO−0500(型番)」及び「FPC−0500(型番)」、オルガノ(株)製)から採水した超純水5Lに対して12時間の透析を5回繰り返し、シルクフィブロイン水溶液を得た。
得られたシルクフィブロイン水溶液2mLをポリスチレン製容器に分取し、秤量した後、庫内温度をあらかじめ−20℃程度に調整しておいたノンフロン冷蔵冷凍庫(「R−Y370(型番)」、(株)日立製作所製)の冷凍室で12時間かけて凍結し、凍結乾燥機(「FDU−1200(型番)」、東京理化器械(株)製)中で7時間凍結乾燥した。得られた乾燥物を凍結乾燥機から取り出して30秒以内に秤量し、重量減少からシルクフィブロイン水溶液中のシルクフィブロイン濃度(wt/vol%)を定量した。
濃度を測定したシルクフィブロイン水溶液に、酢酸及び超純水を加え、シルクフィブロイン濃度4wt/vol%、酢酸濃度2体積%のシルクフィブロイン水溶液を調製した。このシルクフィブロイン水溶液をアルミ製容器(内側サイズ:60mm×80mm×0.4mm、60mm×80mm×0.8mm、60mm×80mm×3mmの三種類)に流し込んで封入し、−5℃の低温恒温槽(「NCB−3300(型番)」、東京理化器械(株)製)に入れて2時間保持し、その後、低温恒温槽の温度を5時間かけて−20℃まで下げて、−20℃で5時間保持した。凍結した試料を室温で自然解凍してから、容器から取り出し、シルクフィブロイン多孔質体を得た。
容器から取り出したシルクフィブロイン多孔質体を10Lの超純水中で12hごとに水を換えて5日間静置し、酢酸を除去した。酢酸除去後のシルクフィブロイン多孔質体を3体積%のグリセリン水溶液10Lに3日間浸漬した後、−25℃に維持した冷凍庫中で6時間かけて凍結した。得られた凍結物を凍結乾燥機(「FD−550P(型番)」、東京理化器械(株)製)に入れて3日間かけて凍結乾燥した。得られた乾燥物を以下の実施例中でシルクフィブロイン多孔質体として使用した。このようにして得られたシルクフィブロイン多孔質体は、柔軟で肌触りがよく、質感に優れるものであった。
空孔率=(湿重量−乾燥重量/1.2)/湿重量×100
シルクフィブロイン水溶液(シルクフィブロイン濃度:1質量%、グリセリン濃度:2体積%)を用意し、繊維支持体及び製造例1で得られたシルクフィブロイン多孔質体(厚さ:0.8mm)の全体を浸漬し、積層し、次いで−25℃に維持した冷蔵庫(ホシザキ電機(株)製)で凍結した後に、融解してシルクフィブロイン複合体を作製した。ここで、繊維支持体としてシルクのスパンレース不織布(目付け:30g/m2、サイズ:70mm×90mm、(株)ユウホウ製)を用い、−25℃の冷蔵庫内で5時間保存して凍結を行い、23℃の部屋で静置して融解を行った。得られたシルクフィブロイン複合体について、接合力の評価を行った。評価の結果を第1表に示す。
実施例1において、多孔質層の厚さ、繊維支持体の種類、及び繊維支持体とシルクフィブロイン多孔質体との接合に用いるシルクフィブロイン水溶液の濃度、添加剤の種類とその濃度を第1表に記載のものにかえた以外は、実施例1と同様にして実施例2〜10のシルクフィブロイン複合体を作製した。
繊維支持体A:スパンレースシルク不織布(目付け:30g/m2、サイズ:70mm×90mm、(株)ユウホウ製)
繊維支持体B:ニードルパンチシルク不織布(目付け:50g/m2、サイズ:70mm×90mm、(株)田幸製)
繊維支持体C:スパンレースコットン不織布(目付け:30g/m2、サイズ:70mm×90mm、丸三産業(株)製)
*2,以下の添加剤を使用した。
添加剤G:グリセリン
添加剤A:酢酸
添加剤E:エタノール
実施例1〜7、10及び11において、繊維支持体とシルクフィブロイン多孔質体を積層し、凍結した後に融解せず、そのまま凍結乾燥機(「FD−550P(型番)」、東京理化器械(株)製)に入れ、3日間かけて凍結乾燥した以外は実施例2と同様にして乾燥シルクフィブロイン複合体を作製した。得られた乾燥シルクフィブロイン複合体は、いずれも割れ等の発生が無く、柔軟な乾燥シルクフィブロイン複合体となった。
実施例8及び9で得られたシルクフィブロイン複合体を、5Lの純水中に浸漬し、洗浄を行った。洗浄は12時間ごとに純水を交換しながら3日間かけて行った。次いで、得られた洗浄済みシルクフィブロイン複合体を5Lの4体積%グリセリン水溶液に48時間浸漬し、−25℃の冷凍庫中で5時間保存して凍結した後、凍結乾燥機(「FD−550P(型番)」、東京理化器械(株)製)に入れ、3日間かけて凍結乾燥して、各々実施例21及び22の乾燥シルクフィブロイン複合体を作製した。これらの乾燥シルクフィブロイン複合体は、いずれも割れ等の発生が無く、柔軟な乾燥シルクフィブロイン複合体となった。
シルクフィブロイン水溶液(シルクフィブロイン濃度:3wt/vol%、グリセリン濃度:2体積%)を用意し、シルクフィブロイン水溶液に繊維支持体の全体を浸漬し、シルクフィブロイン多孔質体の全体を水に浸漬し、積層し、次いで−25℃に維持した冷蔵庫(ホシザキ電機(株)製)で凍結した後に、融解してシルクフィブロイン複合体を作製した。ここで、繊維支持体としてシルクのスパンレース不織布(目付け:30g/m2、サイズ:70mm×90mm、(株)ユウホウ社製)を用い、−25℃の冷蔵庫内で5時間保存して凍結を行い、23℃の部屋で静置して融解を行った。得られたシルクフィブロイン複合体について、接合力の評価を行った。評価の結果を第2表に示す。
実施例23において、多孔質層の厚さ、繊維支持体の種類、及び繊維支持体とシルクフィブロイン多孔質体との接合に用いるシルクフィブロイン水溶液の濃度、添加剤の種類とその濃度を第2表に記載のものにかえた以外は、実施例23と同様にして実施例24〜32のシルクフィブロイン複合体を作製した。
繊維支持体A:スパンレースシルク不織布(目付け:30g/m2、サイズ:70mm×90mm、(株)ユウホウ製)
繊維支持体B:ニードルパンチシルク不織布(目付け:50g/m2、サイズ:70mm×90mm、(株)田幸製)
*2,以下の添加剤を使用した。
添加剤G:グリセリン
添加剤A:酢酸
添加剤E:エタノール
実施例24において、シルクフィブロイン多孔質体を水にかえてグリセリン水溶液(グリセリン濃度:4体積%)、繊維支持体とシルクフィブロイン多孔質体を積層し、凍結した後に融解せず、そのまま凍結乾燥機(「FD−550P(型番)」、東京理化器械(株)製)に入れ、3日間かけて凍結乾燥した以外は実施例24と同様にして乾燥シルクフィブロイン複合体を作製した。得られた乾燥シルクフィブロイン複合体は、割れ等の発生が無く、柔軟な乾燥シルクフィブロイン複合体となった。
実施例30得られたシルクフィブロイン複合体を、5Lの純水中に浸漬し、洗浄を行った。洗浄は12時間ごとに純水を交換しながら3日間かけて行った。次いで、得られた洗浄済みシルクフィブロイン複合体を5Lの4体積%グリセリン水溶液に48時間浸漬し、−25℃の冷凍庫中で5時間保存して凍結した後、凍結乾燥機(「FD−550P(型番)」、東京理化器械(株)製)に入れ、3日間かけて凍結乾燥して乾燥シルクフィブロイン複合体を作製した。得られた乾燥シルクフィブロイン複合体は、割れ等の発生が無く、柔軟な乾燥シルクフィブロイン複合体となった。
製造例1で作製したシルクフィブロイン水溶液にグリセリン及び超純水を加えて、シルクフィブロイン濃度を1wt/vol%とし、グリセリンの濃度を2体積%のシルクフィブロイン水溶液を用意した。このシルクフィブロイン水溶液を、繊維支持体を底部に敷いたアルミ製容器(内側サイズ:60mm×80mm×3mmの三種類)に流し込んで封入し、−5℃の低温恒温槽(「NCB−3300(型番)」、東京理化器械(株)社製)に入れて2時間保持し、その後、低温恒温槽の温度を5時間かけて−20℃まで下げて、−20℃で5時間保持した。凍結した試料を室温で自然解凍してから、容器から取り出し、シルクフィブロイン複合体を得た。ここで、繊維支持体としてシルクのスパンレース不織布(目付け:30g/m2、(株)ユウホウ製)を用いた。得られたシルクフィブロイン複合体について、接合力の評価を行った。評価の結果を第3表に示す。
実施例35において、繊維支持体の種類、及び繊維支持体とシルクフィブロイン多孔質体との接合に用いるシルクフィブロイン水溶液の濃度、添加剤の種類とその濃度を第3表に記載のものにかえた以外は、実施例36と同様にして実施例36〜44のシルクフィブロイン複合体を作製した。
繊維支持体A:スパンレースシルク不織布(目付け:30g/m2、サイズ:70mm×90mm、(株)ユウホウ製)
繊維支持体B:ニードルパンチシルク不織布(目付け:50g/m2、サイズ:70mm×90mm、(株)田幸製)
繊維支持体C:スパンレースコットン不織布(目付け:30g/m2、サイズ:70mm×90mm、丸三産業(株)製)
繊維支持体D:スパンレースレーヨン不織布(目付け:40g/m2、サイズ:70mm×90mm、オーミケンシ(株)製)
*2,以下の添加剤を使用した。
添加剤G:グリセリン
添加剤A:酢酸
添加剤E:エタノール
実施例36において、繊維支持体とシルクフィブロイン多孔質体を積層し、凍結した後に融解せず、そのまま凍結乾燥機(「FD−550P(型番)」、東京理化器械(株)製)に入れ、3日間かけて凍結乾燥した以外は実施例36と同様にして乾燥シルクフィブロイン複合体を作製した。得られた乾燥シルクフィブロイン複合体は、割れ等の発生が無く、柔軟な乾燥シルクフィブロイン複合体となった。
実施例40で得られたシルクフィブロイン複合体を、5Lの純水中に浸漬し、洗浄を行った。洗浄は12時間ごとに純水を交換しながら3日間かけて行った。次いで、得られた洗浄済みシルクフィブロイン複合体を5Lの4体積%グリセリン水溶液に48時間浸漬し、−25℃の冷凍庫中で5時間保存して凍結した後、凍結乾燥機(「FD−550P(型番)」、東京理化器械(株)製)に入れ、3日間かけて凍結乾燥して乾燥シルクフィブロイン複合体を作製した。得られた乾燥シルクフィブロイン複合体は、割れ等の発生が無く、柔軟な乾燥シルクフィブロイン複合体となった。
製造例1において用いる酢酸にかえてエタノールを用いた以外は製造例1と同様にしてシルクフィブロイン多孔質体を作製し、該シルクフィブロイン多孔質体を実施例2、24、及び36において用いた以外は各実施例と同様にして、実施例47〜49のシルクフィブロイン複合体を得て、接合力を評価した。これらの実施例で得られたシルクフィブロイン複合体の接合力の評価は全て○であり、優れていることが確認された。
製造例1において用いる酢酸にかえてエタノールを用いた以外は製造例1と同様にしてシルクフィブロイン多孔質体を作製し、該シルクフィブロイン多孔質体を実施例12、33、及び44において用いた以外は各実施例と同様にして、実施例50〜52のシルクフィブロイン複合体を得て、接合力を評価した。これらの実施例で得られたシルクフィブロイン複合体の接合力の評価は全て○であり、優れていることが確認された。
製造例1において用いる酢酸にかえてジメチルスルホキシドを用いた以外は製造例1と同様にしてシルクフィブロイン多孔質体を作製し、該シルクフィブロイン多孔質体を実施例2、24、及び36において用いた以外は各実施例と同様にして、実施例53〜55のシルクフィブロイン複合体を得て、接合力を評価した。これらの実施例で得られたシルクフィブロイン複合体の接合力の評価は全て○であり、優れていることが確認された。
製造例1において用いる酢酸にかえてジメチルスルホキシドを用いた以外は製造例1と同様にしてシルクフィブロイン多孔質体を作製し、該シルクフィブロイン多孔質体を実施例12、33、及び45において用いた以外は各実施例と同様にして、実施例56〜58のシルクフィブロイン複合体を得て、接合力を評価した。これらの実施例で得られたシルクフィブロイン複合体の接合力の評価は全て○であり、優れていることが確認された。
製造例1で得られるシルクフィブロイン多孔質体を比較例1とした。比較例1のシルクフィブロイン多孔質体について、引張強さ、引裂き強さを上記の方法で測定した。測定値を第4表に示す。
図3から、比較例1のシルクフィブロイン多孔質体の内部は多孔質体の構造を有するのみであるが、実施例12で得られたシルクフィブロイン複合体の断面の写真画像(図4)によれば、繊維支持体とシルクフィブロイン多孔質体からなるシルクフィブロイン複合体が得られていることが確認された。
11 繊維支持体
12 フィブロイン多孔質体
31 繊維支持体
32 シルクフィブロイン多孔質体
Claims (24)
- 繊維支持体とフィブロイン多孔質体とを備え、該支持体と該多孔質体とが少なくともフィブロインにより接合されてなるフィブロイン複合体。
- 繊維支持体が、不織布、織布、フェルト、及びメッシュから選ばれる少なくとも一種である請求項1に記載のフィブロイン複合体。
- 繊維支持体の目付けが10〜200g/m2である請求項1又は2に記載のフィブロイン複合体。
- 繊維支持体の少なくとも一部にフィブロインを含む請求項1〜3のいずれかに記載のフィブロイン複合体。
- 繊維支持体、又は繊維支持体とフィブロイン多孔質体とが、グリセリンを含む請求項1〜4のいずれかに記載のフィブロイン複合体。
- フェイスマスク又はアイマスクに用いられる請求項1〜5のいずれかに記載のフィブロイン複合体。
- フィブロインがシルクフィブロインである請求項1〜6のいずれかに記載のフィブロイン複合体。
- 繊維支持体及びフィブロイン多孔質体の少なくとも一方を、フィブロイン水溶液と、水溶性液状有機物質及びカルボン酸類から選ばれる少なくとも一種の添加剤と、の混合物に浸漬し、該繊維支持体と該フィブロイン多孔質体とを重ね合わせた後、凍結することを特徴とするフィブロイン複合体の製造方法。
- 繊維支持体及びフィブロイン多孔質体の両方を混合物に浸漬する請求項8に記載のフィブロイン複合体の製造方法。
- 繊維支持体を混合物に浸漬し、かつフィブロイン多孔質体を水に浸漬する請求項8に記載のフィブロイン複合体の製造方法。
- 繊維支持体を水に浸漬し、かつフィブロイン多孔質体を混合物に浸漬する請求項8に記載のフィブロイン複合体の製造方法。
- 混合物に含まれる水溶性液状有機物質がグリセリンである請求項8〜11のいずれかに記載のフィブロイン複合体の製造方法。
- 凍結の後、融解する請求項8〜12のいずれかに記載のフィブロイン複合体の製造方法。
- 凍結の後、凍結乾燥する請求項8〜12のいずれかに記載のフィブロイン複合体の製造方法。
- フィブロイン水溶液と、水溶性液状有機物質及びカルボン酸類から選ばれる少なくとも一種の添加剤と、の混合物に、繊維支持体を浸漬し、凍結することを特徴とするフィブロイン複合体の製造方法。
- 凍結の後、融解する請求項15に記載のフィブロイン複合体の製造方法。
- 凍結の後、凍結乾燥する請求項15に記載のフィブロイン複合体の製造方法。
- 繊維支持体及びフィブロイン多孔質体を水及び水溶性液状有機物質から選ばれる少なくとも一種に浸漬し、該繊維支持体及びフィブロイン多孔質体の少なくとも一方の、少なくとも片面にフィブロイン水溶液と、水溶性液状有機物質及びカルボン酸類から選ばれる少なくとも一種の添加剤と、の混合物を塗布し、塗布した面を挟むようにして積層した後、凍結することを特徴とするフィブロイン複合体の製造方法。
- 水溶性液状有機物質が、グリセリンである請求項18に記載のフィブロイン複合体の製造方法。
- 繊維支持体が、不織布、織布、フェルト、及びメッシュから選ばれる少なくとも一種からなる請求項8〜19のいずれかに記載のフィブロイン複合体の製造方法。
- 繊維支持体の目付けが、10〜200g/m2である請求項8〜20のいずれかに記載のフィブロイン複合体の製造方法。
- 混合物中のフィブロインの濃度が1〜10wt/vol%である請求項8〜21のいずれかに記載のフィブロイン複合体の製造方法。
- 混合物中の添加剤の濃度が0.1〜5体積%である請求項8〜22のいずれかに記載のフィブロイン複合体の製造方法。
- フィブロインがシルクフィブロインである請求項8〜23のいずれかに記載のフィブロイン複合体の製造方法。
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