JP2015213919A - 精密鋳造鋳型製造用スラリーのフィラー材及びそれを用いて得られたスラリー並びに精密鋳造鋳型 - Google Patents

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Abstract

【課題】ジルコン粒乃至はジルコン微粉末の使用量を効果的に低減せしめ得る精密鋳造鋳型製造用スラリーのフィラー材を提供することにあり、また、鋳造後において、鋳型の崩壊除去を容易に行い得る精密鋳造鋳型の製造に有利に用いられ得る精密鋳造鋳型製造用スラリーのフィラー材を提供することにもあり、更に、そのようなフィラー材を用いた精密鋳造鋳型製造用スラリーとそのスラリーを用いて得られた精密鋳造鋳型を提供すること。
【解決手段】全体の化学組成が、Al23 :35〜90重量%、SiO2 :5〜35重量%、ZrO2 :5〜40重量%及びその他の酸化物:0〜5重量%からなり、且つ主結晶鉱物として、ジルコン結晶と共に、ムライト結晶及び/又はコランダム結晶を含む、粒子径が1〜200μmである耐火性微粉末により、精密鋳造鋳型製造用スラリーのフィラー材を構成した。
【選択図】なし

Description

本発明は、精密鋳造鋳型製造用スラリーのフィラー材及びそれを用いて得られたスラリー並びに精密鋳造鋳型に係り、特に、ロストワックス法により造型され、更に鋳造後においては、容易に崩壊除去され得る精密鋳造鋳型を製造するために好適に用いられるスラリーのフィラー材、及びそのようなフィラー材を懸濁せしめて得られる精密鋳造鋳型製造用スラリーと、このスラリーを用いて得られた精密鋳造鋳型に関するものである。
従来から、ロストワックス法による精密鋳造鋳型の造型においては、先ず、微粒子状の骨材(フィラー材)を懸濁させたバインダを含むスラリーにて、製品形状に対応した形状を有する蝋型(ろう模型)の表面を被覆して、スラリー層を形成した後、そのスラリー層の表面にスタッコ材を散布して、乾燥することにより、かかる蝋型の表面に、第一のセラミックシェル層を形成し、その後、再度、スラリーによる被覆と、その形成されたスラリー層へのスタッコ材の散布により、第二のセラミックシェル層を形成せしめるようにするのである。そして、そのような作業を複数回繰り返すことによって、セラミックシェル層を複数層積層形成した後、蝋型を加熱溶融して除去し、更に焼成することにより、目的とする精密鋳造鋳型が、製造されるようになっている。なお、鋳物は、かかる蝋型の取り除かれた鋳型の空洞部分に、所定の金属溶湯(溶融した高温の金属材料)を鋳込むことにより、得られることとなる。
ところで、このロストワックス法による精密鋳造鋳型の造型に際して、一般的に用いられるスラリーのフィラー材としては、ジルコン微粉末、シリカ微粉末、アルミナ微粉末、ムライト微粉末等があるが、その中でも、ジルコン微粉末が、スタッコ材としてのジルコン粒と共に、広く用いられてきている(日本鋳物協会精密鋳造研究部会編、「精密鋳造法」、日刊工業新聞社、昭和59年1月発行、第31−36頁及び特開昭61−289944号公報等参照)。
しかしながら、それらジルコン粒やジルコン微粉末は、高温の金属溶湯と反応し難く、また鋳物への差込み等も惹起され難いことから、美しい鋳肌を容易に得ることが出来る特徴があり、また熱膨張も比較的小さいところから、得られる鋳物の寸法精度も良い等という特徴を有しているのであるが、その比重が大きいために、造型して得られる鋳型の重量が重くなって、大型な鋳造品の製造や複雑形状品の製造が困難となる他、天然に大量に産出するものではなく、且つその産地も偏在しているところから、将来的には、鋳型用材料としての使用が困難となる恐れがある。更に、ジルコン粒やジルコン微粉末は、化学成分として、ZrO2 とSiO2 とを有するものであるために、通常、スタッコ材として共に用いられるAl23系成分との間で、化学組成のコントロールが難しく、その結果、使用済み鋳型の再利用が困難となっているのであり、加えて、微量ながら放射性物質を含むために、その廃棄にも、費用がかかるという問題も内在するものであった。
そこで、そのような問題を解決するために、ジルコン粒を用いない精密鋳造用の鋳型が提案されており、例えば、特開2005−324253号公報や特開2003−225739号公報には、ムライト粒又はアルミナ粒を用いた例が、示されているのであるが、それらは、ただ単に、ジルコン粒を排除した鋳型を製造しただけに過ぎないものである。しかし、そこで用いられるムライト粒やアルミナ粒は、ジルコン粒よりも溶融温度が高く、耐熱性に優れるものの、溶湯との反応性はジルコン粒に比して劣るために、精密鋳造鋳物の製造時に、スタッコ材の差込み等が発生し、滑らかな美しい鋳肌を有する鋳物を得ることが困難であるという問題を内在している。
また、本願出願人にあっても、先に、特開2013−75312号公報や特開2013−75313号公報において、美しい鋳肌を有する鋳物が有利に得られ、再利用も可能にし得るムライト系スタッコ材やアルミナ/シリカ系フィラー材を提案したが、そこでは、ムライト粒やアルミナ粒を用いている限りにおいて、ステンレス鋼の如き金属溶湯の高温鋳造時において、それらムライト粒やアルミナ粒が、鋳型中のバインダー成分たるSiO2 成分と反応したり、金属溶湯成分と反応したりすることによって、鋳造後における鋳造物からの付着鋳型の除去が著しく困難なものとなっているのである。即ち、鋳型の一部が付着してなる鋳型付き鋳造物にあっては、それを、アルカリ金属水酸化物の融液又は水溶液中で加熱することにより、又はフッ化水素酸中に投入することにより、鋳造物に付着する鋳型部分を崩壊除去せしめることが行われることとなるが、前記した反応によって、フィラー材が鋳造物に強固に固着したり、溶解されるSiO2 成分が存在しないことにより、鋳造物に付着する鋳型成分の崩壊除去が困難となっているのであり、特に、サンドブラスト等の物理的な処理の困難な鋳造品の孔部等における付着鋳型成分の崩壊除去が、著しく困難となっているのである。
特開昭61−289944号公報 特開2005−324253号公報 特開2003−225739号公報 特開2013−75312号公報 特開2013−75313号公報
日本鋳物協会精密鋳造研究部会編、「精密鋳造法」、日刊工業新聞社、昭和59年1月発行、第31−36頁
ここにおいて、本発明は、かくの如き事情を背景として為されたものであって、その解決課題とするところは、ジルコン粒乃至はジルコン微粉末の使用量を効果的に低減せしめ得る精密鋳造鋳型製造用スラリーのフィラー材を提供することにあり、また、鋳造後において、鋳型の崩壊除去を容易に行い得る精密鋳造鋳型の製造に有利に用いられ得る精密鋳造鋳型製造用スラリーのフィラー材を提供することにもあり、更に、そのようなフィラー材を用いた精密鋳造鋳型製造用スラリーとそのスラリーを用いて得られた精密鋳造鋳型を提供することにもある。
そして、本発明者等は、そのような課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、特定割合のアルミナ、シリカ及びジルコニアを含んで構成される、コランダム結晶及び/又はムライト結晶とジルコン結晶とを含有してなる所定粒径の耐火性微粉末が、上記した課題の解決のために有効であることを見出し、本発明を完成するに至ったのである。
従って、本発明は、かかる知見に基づいて完成されたものであって、上記した課題又は明細書全体の記載から把握される課題を解決するために、以下に列挙せる如き各種の態様において、好適に実施され得るものであるが、また、本発明の態様乃至は技術的特徴は、以下に記載のものに何等限定されることなく、明細書全体の記載乃至はそこに開示の発明思想に基づいて、認識され得るものであることが、理解されるべきである。
(1)全体の化学組成が、Al23 :35〜90重量%、SiO2 :5〜35重量%、ZrO2 :5〜40重量%及びその他の酸化物:0〜5重量%からなり、且つ主結晶鉱物として、ジルコン結晶と共に、ムライト結晶及び/又はコランダム結晶を含む、粒子径が1〜200μmである耐火性微粉末からなることを特徴とする精密鋳造鋳型製造用スラリーのフィラー材。
(2)前記耐火性微粉末が、コランダム微粉末とムライト微粉末とジルコン微粉末との混合微粉末にて構成されている前記態様(1)に記載の精密鋳造鋳型製造用スラリーのフィラー材。
(3)前記耐火性微粉末が、コランダム微粉末とジルコン微粉末との混合微粉末にて構成されている前記態様(1)に記載の精密鋳造鋳型製造用スラリーのフィラー材。
(4)前記耐火性微粉末が、ムライト微粉末とジルコン微粉末との混合微粉末にて構成されている前記態様(1)に記載の精密鋳造鋳型製造用スラリーのフィラー材。
(5)前記態様(1)乃至前記態様(4)の何れか1つに記載のフィラー材を、コロイダルシリカ又はエチルシリケートからなる無機バインダーに懸濁せしめてなることを特徴とする精密鋳造鋳型製造用スラリー。
(6)前記態様(5)に記載のスラリーを用いて得られた精密鋳造鋳型。
(7)鋳型壁が、複数のセラミックシェル層にて積層、構成されていると共に、それらセラミックシェル層のうち、少なくとも金属溶湯に接する最内層が、前記態様(5)に記載のスラリーを用いて形成されていることを特徴とする精密鋳造鋳型。
(8)少なくとも前記金属溶湯に接する最内層のセラミックシェル層を形成するためのスタッコ材として、ムライト質及び/又はコランダム質の人工球状粒子が用いられている前記態様(7)に記載の精密鋳造鋳型。
(9)鋳型壁が、複数のセラミックシェル層にて積層、構成されていると共に、それらセラミックシェル層のうち、金属溶湯に接する最内層が、前記態様(5)に記載のスラリーを用いて形成されている一方、該最内層よりも外側の少なくとも一つのセラミックシェル層が、前記態様(1)乃至前記態様(4)の何れか1つに記載のフィラー材及び/又はその他のアルミナ/シリカ系粒子をコロイダルシリカ又はエチルシリケートからなる無機バインダーに懸濁せしめてなるスラリーを用いて、形成されていることを特徴とする精密鋳造鋳型。
(10)少なくとも前記金属溶湯に接する最内層のセラミックシェル層を形成するためのスタッコ材として、ムライト質及び/又はコランダム質の人工球状粒子が用いられている前記態様(9)に記載の精密鋳造鋳型。
(11)前記その他のアルミナ/シリカ系粒子が、溶融シリカ粒子又はシャモット質粒子である前記態様(9)又は前記態様(10)に記載の精密鋳造鋳型。
要するに、本発明においては、ジルコン結晶と共に、コランダム結晶及びムライト結晶のうちの少なくとも何れか一方とにて構成される、耐熱性を有する特定組成の耐火性微粉末を、精密鋳造鋳型製造用スラリーにおけるフィラー材として用いることにより、ジルコン粒の使用量を有利に低減せしめつつ、寸法精度の良好な且つ美しい鋳肌を有する精密鋳造品を与える鋳型を、効果的に造型することが出来、しかも鋳造後に、そのような鋳型の崩壊除去が容易な精密鋳造品(鋳物)を提供し得たのであって、そこでは、金属溶湯との接触が滑らかで、鋳物への差し込みを起こし難く、また鋳型の崩壊除去が容易な化学組成の耐火物粒子について検討した結果、上記した本発明に従う構成において、軽量で、高い耐火性を有し、且つ水酸化ナトリウム等のアルカリ金属水酸化物の融液又は水溶液中において加熱することにより、或いはフッ化水素酸に投入することにより、鋳型の崩壊除去も容易となることが見出されたのである。
すなわち、本発明に従う精密鋳造鋳型製造用スラリーのフィラー材は、基本的にAl23 とSiO2 とZrO2 の特定割合の化学組成にて構成され、そして耐火性に優れたムライト結晶及び/又はコランダム結晶とジルコン結晶とから構成されるものであるところから、ジルコン粒の使用量の効果的な低減を図りつつ、充分な耐熱性乃至は耐火性を有すると共に、低い熱膨張特性を有利に発揮するものであって、そのため、そのようなフィラー材を用いることにより、欠陥の少ない、寸法精度に優れた精密鋳造鋳型を容易に製造することが可能となったのである。
しかも、そのようなフィラー材を骨材とするスラリーを用いて得られた精密鋳造鋳型にあっては、産出地域の偏在や再利用が困難等の問題を抱えたジルコン粒やジルコン微粉末の使用が効果的に抑制されつつ、鋳型中のSiO2 成分や金属溶湯成分との反応も惹起され難いものであるところから、高温で鋳込まれた鋳物への焼き付き等も惹起され難く、その結果、美しい鋳肌の鋳物が得られることに加え、鋳造後において、鋳型付き鋳造物に対して、アルカリ金属水酸化物の融液や水溶液中での加熱による鋳型の崩壊除去処理、或いはフッ化水素酸に投入することによる鋳型の崩壊除去処理を、容易に実施することが出来ることとなるのである。
ところで、精密鋳造鋳型を用いて鋳造を行なう際には、鋳込み時に金属溶湯と接する内側部分の表面特性、つまり精密鋳造鋳型の製造過程において、蝋型(ろう模型)が除去されることによって形成される空洞の内面部分の表面特性が、鋳物の出来上がりを左右することとなる。換言すれば、蝋型に最初に塗布されるスラリー及び散布されるスタッコ材(それらによって形成される第1層目のセラミックシェル層)の特性が、最も重要となるのである。なお、その後、同様にして、第2層目以降のセラミックシェル層が形成されていくのであるが、最外層のセラミックシェル層に向かうに従って、少し粒径の大きいスタッコ材が用いられて、バックアップセラミックシェル層が形成されることとなる。つまり、プライマリー層と呼ばれる第1層目のセラミックシェル層から数層に亘るセラミックシェル層の形成に用いられるスラリーに懸濁せしめられるフィラー材には、あらゆる面において、これまで一般的に用いられてきたジルコン微粉末より優れた特性を持つことが要求されるのである。
このため、本発明にあっては、必須の構成成分として、Al23 :35重量%以上、90重量%以下、SiO2 :5重量%以上、35重量%以下、ZrO2 :5重量%以上、40重量%以下を含み、また、その他の酸化物の含有量は合計で5重量%以下となるような、全体の化学組成を有すると共に、また主結晶鉱物として、ムライト結晶及び/又はコランダム結晶とジルコン結晶とを含み、且つ粒子径が実質的に1μm〜200μmのものからなる耐火性微粉末を、精密鋳造鋳型製造用スラリーにおけるフィラー材として用いることとしたのであり、これによって、精密鋳造鋳型の製造に際してのプライマリー層の造型に用いられるジルコン粒やジルコン微粉末の使用量を効果的に低減せしめつつ、鋳物の鋳肌が美しい、欠陥の少ない精密鋳造鋳物を有利に製造することを可能ならしめたのである。しかも、そのようにして得られる精密鋳造鋳型は、鋳造後において、鋳型付き鋳造物に対して、アルカリ金属水酸化物融液やアルカリ金属水酸化物水溶液中で加熱することによる鋳型の崩壊除去処理、或いはフッ化水素酸への投入による鋳型の崩壊除去処理を、容易に行い得る特徴を有しており、これによって、より複雑な形状の鋳造物の製造が可能となっているのである。
なお、ここで、上記した本発明の対象とする耐火性微粒子における主結晶鉱物の一つであるムライト結晶は、理論組成上において、3Al23 ・2SiO2 で表されるものであって、Al23 =71.8重量%、SiO2 =28.2重量%からなり、またコランダム結晶は、理論組成上において、Al23 で表されるものであって、Al23 =100重量%からなり、更にジルコン結晶は、理論組成上において、ZrO2 ・SiO2 で表されるものであって、ZrO2 =67.2重量%、SiO2 =32.8重量%からなるものである。従って、本発明に従うフィラー材におけるムライト結晶とコランダム結晶とジルコン結晶の化学組成は、その他の酸化物を除いて考えると、理論上、以下の式で表されることとなる。
(1)ジルコン結晶量(重量%)=ZrO2 含有量(重量%)/0.672
(2)ムライト結晶量(重量%)=[SiO2 含有量(重量%)−ジルコン結晶量(重量%)×0.328]/0.282
(3)コランダム結晶量(重量%)=Al23 含有量(重量%)−ムライト結晶量(重量%)×0.718
そして、上記の本発明に従う精密鋳造鋳型製造用スラリーのフィラー材を構成する耐火性微粉末において、Al23 の含有割合が90重量%を超えるようになると、従って耐火性微粉末中のSiO2 の含有割合が5重量%よりも少なく、またZrO2 の含有割合が5重量%よりも少なくなると、換言すれば主結晶鉱物に関して、理論的には、コランダム結晶は83.5重量%よりも多くなり、またムライト結晶が9.1重量%未満及びジルコン結晶が7.4重量%未満となって、そのために、耐熱性は向上するものの、アルカリ金属水酸化物に不要なコランダム(Al23 )の結晶の割合が増加するようになる。而して、コランダム結晶は、ムライト結晶及びジルコン結晶に比して、熱膨張が大きく、そのため精密鋳造鋳型を構成するフィラー材の熱膨張が大きくなって、出来上がり鋳物寸法のバラツキや鋳型の割れ、差し込み欠陥等に悪影響を及ぼすこととなる。一方、耐火性微粉末中のAl23 の含有割合が35重量%未満となると、耐熱性が低下して、精密鋳造鋳型製造用スラリーにおけるフィラー材としての耐熱性を維持することが困難となる。従って、本発明においては、Al23 は、35〜90重量%の範囲内において、好ましくは60〜80重量%の範囲内において、含有せしめられることとなる。
また、SiO2 の含有割合が35重量%を超えるようになると、耐熱性が低下し、精密鋳造鋳型製造用スラリーのフィラー材としての耐熱性を維持することが困難となる。一方、SiO2 の含有割合が5重量%未満となると、耐熱性は向上するものの、ムライト結晶やジルコン結晶の割合が減少し、コランダム結晶の割合が増加するようになる。而して、コランダム結晶は、アルカリ金属水酸化物の融液や水溶液に不溶であるだけでなく、ムライト結晶やジルコン結晶に比して、熱膨張が大きく、そのために、精密鋳造鋳型を構成するフィラー材の熱膨張が大きくなって、出来上がり鋳物寸法のバラツキや、鋳型の割れ、差し込み欠陥等に悪影響を及ぼすこととなる。このため、本発明にあっては、SiO2 の含有量は、5〜35重量%、好ましくは10〜30重量%の範囲内とされるのである。
さらに、ZrO2 の含有割合が40重量%を超えるようになると、従ってジルコン結晶が59.5重量%を超えるようになると、アルミナやムライトよりも価格が高いジルコン結晶の割合が増加して、経済的に不利となる他、フィラー材の重量が重くなる問題を生じるようになる。更に、ムライト結晶を含む配合の場合にあっては、高温では、高温の金属溶湯を用いた鋳造時に、ムライト結晶やジルコン結晶の分解が惹起されて、ガラス成分とジルコニア結晶が生成し、そして、このガラス成分が、鋳物表面に焼き付く問題を惹起することとなる。一方、ZrO2 の含有割合が5重量%未満となると、換言すればジルコン結晶が7.4重量%未満となると、コランダム結晶及び/又はムライト結晶の割合が増加し、ステンレス鋼溶湯等の高温鋳造時に、それらコランダム結晶及び/又はムライト結晶が、鋳型中のバインダー成分たるSiO2 成分や金属溶湯成分と反応する恐れがある。そして、かかる鋳型中のSiO2 成分が金属溶湯成分との反応により、アルカリ金属水酸化物の融液や水溶液中で加熱することによる鋳型の崩壊除去処理又はフッ化水素酸に投入することによる鋳型の崩壊除去処理によって、鋳型付き鋳造物から鋳型を除去することが困難となるのであり、特に、孔部やスリット部を含む複雑な形状の鋳造物からの鋳型の除去が困難となるのである。このため、本発明にあっては、ZrO2 は、5〜40重量%の範囲内において、好ましくは10〜20重量%の範囲内において、用いられることとなるのである。
そして、本発明にあっては、上述の如きAl23 とSiO2 とZrO2 との化学組成を全体として与えるように、ジルコン微粉末に対して、コランダム微粉末とムライト微粉末のうちの少なくとも何れか一つが配合されて、目的とする耐火性微粉末が調製されるのである。具体的には、ジルコン微粉末とコランダム微粉末とムライト微粉末との混合微粉末、ジルコン微粉末とコランダム微粉末との混合微粉末、及びジルコン微粉末とムライト微粉末との混合微粉末のうちの何れかが用いられるのであるが、その中でも、特に、それら三者の微粉末からなる混合微粉末が、有利に用いられることとなる。
ところで、耐熱性に関して、従来からフィラー材として用いられてきているジルコン微粉末は、JIS−R−2204(1999)に規定される「ゼーゲルコーン耐火度」において、一般的に、SK37(1825℃)を示すものであるところから、本発明において用いられるフィラー材は、それと同等、或いはそれ以上の耐火性を有する必要があるところ、本発明に従って、ジルコン微粉末に混合して用いられる、配合原料のコランダム微粉末やムライト微粉末は、SK38(1850℃)以上の耐火性を示すものであるところから、本発明に従うフィラー材には、優れた耐火性乃至は耐熱性が付与されたものとなっているのであり、特に、その他の酸化物の含有割合が5重量%以下、好ましくは3重量%以下、より好ましくは1.5重量%以下となるようにしていることによって、より優れた耐火性が付与されているのである。
そして、本発明に従うフィラー材は、公知の如く、目的とする製品形状に対応した形状を有する蝋型に対して、その表面を被覆し、更には精密鋳造鋳型造型用のスタッコ材を付着保持するスラリーの骨材として、コロイダルシリカやエチルシリケート等の無機バインダーに懸濁せしめられるものであるが、そのようなフィラー材を構成する耐火性微粉末において、その粒子形状は何等限定されるものではなく、粒子径が1μm〜200μmの範囲内のものにて実質的に構成されるようになっている。ここで、かかるフィラー材(耐火性微粉末)の粒子径が200μmを超えるようになると、耐火性微粉末を無機バインダーに懸濁する際に沈降し、精密鋳造鋳型製造用のスラリーとして適正な粘性が得られず、蝋型の細部にまで均一にスラリーを塗布することが出来なくなるのである。一方、かかる粒子径が1μm未満となると、耐火性微粉末を無機バインダーに懸濁する際に、スラリーの粘度が上がり過ぎ、無機バインダーのゲル化を惹起せしめ、更にはフィラー材の表面積が増えることにより、フィラー材が、鋳型中のSiO2 成分及び/又は金属溶湯成分と反応し易くなる問題を惹起する。なお、そのような耐火性微粉末の粒子径は、一般に、JIS−Z−8815のふるい分け試験方法通則に規定される湿式ふるい分け及び/又はJIS−Z−8825の粒子径解析−レーザー回折・散乱法にて測定されるものである。また、かかるフィラー材の平均粒子径(D50)としては、一般に、10〜50μm程度が採用されることとなる。
また、上記の如き本発明に従う精密鋳造鋳型製造用スラリーにおけるフィラー材を製造するに際して、その製造方法としては、特に限定されるものではなく、公知の各種の耐火性微粉末の製造方法が、何れも、適宜に採用され得るところである。例えば、かかるフィラー材の原料に用いられる微粉末は、溶融アルミナ、焼結アルミナ、溶融ムライト、焼結ムライト、シャモット、ジルコンサンド等の粗粉砕物を、ボールミル等で微粉砕することにより、得ることが出来る。特に、本発明にあっては、フィラー材を構成する耐火性微粉末は、コランダム微粉末とムライト微粉末とジルコン微粉末との混合微粉末、コランダム微粉末とジルコン微粉末との混合微粉末、或いはムライト微粉末とジルコン微粉末との混合微粉末にて、構成されることとなる。また、フィラー材の化学組成の調整においても、スラリーの製造前にフィラー材の各構成成分を予め混合して、フィラー材を調製しておくことも可能であり、更にコランダム原料及びムライト原料を溶融若しくは焼成する際に配合せしめることにより、同時にコランダムやムライトを形成して、それを用いたり、或いは精密鋳造鋳型製造用スラリーの製造中にフィラー材の各構成成分を計量して投入し、スラリータンク内において混合撹拌することにより、目的とする化学組成のフィラー材が懸濁せしめられてなるスラリーを製造することも可能である。
ところで、本発明に従う精密鋳造鋳型製造用スラリーのフィラー材を用いてスラリーを調製し、更にそのスラリーを用いて精密鋳造鋳型を製造するに際しては、例えば、以下のようにして行われることとなる。
先ず、従来と同様にして、目的とする鋳物形状を有する製品蝋型を多数作製し、そしてそれら作製された製品蝋型の適数個を、湯口、湯道、堰の部分となる湯口系蝋型と共に、一体的に組み立てることにより、ツリー(蝋型又はろう模型)が製作される。
次いで、かかるツリーを、撹拌機にて撹拌することによって懸濁状態とされたセラミックスラリー中に、浸漬(ディッピング)することにより、ツリー表面がセラミックスラリーにて被覆されることとなる。
そして、そこで用いられるセラミックスラリーが、本発明に従うフィラー材を所定の無機バインダーに懸濁せしめてなるものとなるのである。なお、そこで用いられる無機バインダーとしては、従来から、ロストワックス法(インベストメント法)において、セラミックシェル層を形成するために用いられて来ているスラリーを与える、公知の無機バインダーが適宜に選定され得るものであるが、一般に、コロイダルシリカ又はエチルシリケートからなる無機バインダーを選択し、それに、必要に応じて、水やアルコール等の媒体を配合したものが、有利に用いられることとなる。
なお、そこで、無機バインダーとしてのコロイダルシリカには、粒子径が3〜200nm程度の超微粒子の無定形シリカが分散媒に対して安定的に分散されてなるものが、一般に、用いられることとなる。中でも、そのようなコロイダルシリカとしては、特に、シリカ粒子径が3〜30nm程度であり、且つ20〜40重量%程度の濃度で分散せしめられてなるシリカゾルが、好ましく用いられるのである。また、エチルシリケートとしては、テトラエチルオルソシリケートやエチルシリケート40、エチルシリケート28等が好ましく用いられることとなる。
また、本発明に従うフィラー材を無機バインダーに懸濁せしめて得られるスラリーにあっては、かかるフィラー材の懸濁に際し、比重換算によって、下記の如き体積比による配合割合が、有利に採用されることとなる。即ち、フィラー材については、JIS−K−0061の「化学製品の密度及び比重測定方法」によって測定される真比重を用い、それから換算される粉体の体積と、精密鋳造で一般的に使用されている比重1.2のコロイダルシリカから換算される体積との比が0.8〜1.2となる割合となるようにして、コロイダルシリカからなるバインダー中に、フィラー材が懸濁せしめられて、目的とするスラリーが製造されるのである。なお、この際、スラリーは、ツリーに均一に付着する粘性を有するように調整されて、製造されるようになっている。
さらに、そのようなスラリーに対しては、必要に応じて、従来からロストワックス法(インベストメント法)において用いられている公知のスラリーと同様に、各種の界面活性剤やゲル化促進剤等が、適宜に含有せしめられることとなる。
そして、本発明に従う精密鋳造鋳型の製造においては、そのようなスラリー中に浸漬(ディッピング)せしめられたツリー(蝋型)を、スラリーから引き揚げた後、かかるツリーを被覆し、付着するスラリーが乾かないうちに、所定のスタッコ材が振り掛けられる(スタッコイングされる)のである。なお、このスタッコ材の振り掛けに際しては、従来から公知の振掛け方法が、何れも適宜に採用され、例えば、スタッコ材を雨状に落すことによって、振掛けを行なう落下式振掛け法(レインサンダー法)や、ツリーを容器内に収容し、容器の底部から吹き出される空気によって、スタッコ材を浮遊又は流動させることによって、振掛けを行なう固体流動床式振掛け法等を採用して、目的とするスタッコイングが行なわれるのである。
ここで用いられるスタッコ材としては、公知のものの中から適宜に選定され得るところであって、例えば、ジルコンサンドの如き天然の耐火性粒子の他、特開2013−75312号公報や特開2013−75313号公報等に開示の如き、Al23 :50〜95重量%、SiO2 :5〜50重量%及びその他の酸化物:0〜15重量%からなる、見掛け気孔率が5%未満の球状の耐火性粒子や、Al23 :40〜70重量%、SiO2 :30〜60重量%及びその他の酸化物:7重量%未満からなる、見掛け気孔率が5〜14%の多孔質球状耐火性粒子等が、用いられることとなる。特に、プライマリー層を構成する鋳造時に溶湯と接する最内層の形成に用いられるスタッコ材は、その形状が付着性と鋳肌の滑らかさに影響を与え、中でも付着性が悪いと、差し込みや湯漏れ等の欠陥の原因ともなるところから、粒子径が0.05mm〜0.4mm程度の、好ましくは0.1〜0.3mm程度の、角のない球状に近いものが好ましく、更に材質としては、耐熱性が高く、熱膨張特性が良好なムライト質やコランダム質、ムライト・コランダム質等の人工球状粒子が、好ましく用いられることとなる。
その後、かかるスラリーの被覆やスタッコ材の振り掛けが施されたツリー(蝋型)を、自然乾燥や機械乾燥を行なうことによって、最内層となる第1層目のセラミックシェル層が形成されるのである。そして、セラミック・シェルモールド法によれば、かかる第1層のセラミックシェル層の形成された蝋型に対して、更に、上記と同様にして、ディッピング、スタッコイング及び乾燥からなる一連のシェル層形成工程を複数回(4〜10回)繰り返すことにより、蝋型上に、複数のセラミックシェル層(全体厚さ:約3〜10mm)が積層、形成されるのである。
このように、精密鋳造鋳型の製造にあっては、本発明に従うフィラー材が懸濁せしめられたスラリーを用いて、最内層(第1層)のセラミックシェル層を形成し、そして、かかる第一層のセラミックシェル層が形成されたツリー(蝋型)に対して、更に、同様なセラミックシェル層形成工程を複数回繰り返すことにより、鋳型壁となる複数のセラミックシェル層を積層形成するのであるが、そこにおいて、最内層よりも外側の少なくとも一つのセラミックシェル層は、スラリーとして、前記本発明に従うフィラー材を懸濁せしめられたものを用いて、形成することが望ましい。
すなわち、鋳造時に金属溶湯に接して、得られる鋳物の鋳肌面を形成するセラミックシェル層は、最内層(第1層)のセラミックシェル層であるところから、かかる最内層のセラミックシェル層を形成せしめるスラリーとしては、本発明に従うフィラー材を懸濁せしめてなるスラリーが用いられる一方、最内層よりも外側のセラミックシェル層についても、かかる最内層(第1層)から数層に亘るプライマリー層においては、溶湯からの熱を受けやすい。このため、最内層より外側のセラミックシェル層は、本発明に従うフィラー材の他に、溶融シリカ微粉末やムライト微粉末、シャモット微粉末等が、フィラー材として用いられ得るものの、それらは、耐反応性及び/又は耐熱性において、本発明に従うフィラー材よりも劣るために、特に、溶湯からの熱を受け、高温となるプライマリー層においては、本発明に従うフィラー材を用いることによって、精密鋳造鋳型の耐反応性及び/又は耐熱性が向上せしめられ、焼着や肌荒れのない、寸法精度に優れた美しい鋳肌を持つ鋳物を有利に製造することが出来る利点がある。
なお、精密鋳造鋳型の製造に際して用いられるスタッコ材は、最内層のセラミックシェル層から最外層のセラミックシェル層へ向うに従って、一般に、その粒子径が大きくされることとなる。これにより、鋳造時に溶湯と接して、鋳物の鋳肌面を形成する内層側の表面粗度を小さくして、得られる鋳物の鋳肌を、有利に、焼着や肌荒れ欠陥のない、滑らかな美しいものと為し得ると共に、得られる鋳型の強度と通気度を、有利に向上させることが可能となる。
次いで、このようにしてツリー(蝋型)上に積層形成された複数のセラミックシェル層を、オートクレーブ内にて120〜150℃程度の温度に加熱することにより、蝋型を溶融、除去し、更にその後、かかる蝋型の除去された複数のセラミックシェル層を、焼成炉内において、800〜1200℃程度の温度にて、30分〜120分の間、焼成することにより、複数のセラミックシェル層(焼結層)からなる鋳型壁を有する中空の精密鋳造鋳型が得られるのである。
そして、上述のようにして製造された精密鋳造鋳型を用いて、鋳物を製造するに際しては、蝋型が除去されて出来た鋳型の空洞部分に、所定の金属溶湯を流し込むことにより、目的とする鋳物が鋳造されることとなるのであるが、本発明にあっては、かかる鋳物の鋳込方法は、何等限定されるものではなく、例えば、置注ぎ法や反転加圧法、吸引鋳造法、遠心鋳造法等の、従来から公知の手法が、何れも有利に用いられる。
その後、かかる鋳造された鋳物には、溶湯が凝固した後、型ばらしが施されることとなる。この型ばらしは、ノックアウトマシンで処理することにより、鋳物から概ねの鋳型を除去せしめ、更に、ショットブラスト処理及び/又はサンドブラスト処理を行うことにより、鋳肌に付着した鋳型を除去し、鋳肌を整えることが行われる。一方で、孔部やスリット部を含むステンレス鋼や耐熱鋼の鋳物等、酸やアルカリへの耐食性の高い鋳物にあっては、ノックアウトマシンでの処理後に、化学的に鋳型を崩壊除去せしめ、その後に、ショットブラスト処理及び/又はサンドブラスト処理が実施されるのである。なお、かかる化学的な鋳型の崩壊除去は、鋳物を、水酸化ナトリウム溶液や水酸化カリウム溶液に浸漬させて、オートクレーブで加圧、加熱せしめる手法の他、鋳物を、溶融させた水酸化ナトリウム融液に浸漬させる手法や鋳物をフッ化水素酸に浸漬せしめる手法等、従来から公知の手法が適宜に選択されて、用いられることにより、鋳物表面に付着する鋳型(スタッコ材やフィラー材等)が除去せしめられるのである。
このように、本発明に従うフィラー材を用いて得られた精密鋳造鋳型にあっては、フィラー材として、ジルコン結晶と共に、ムライト結晶及び/又はコランダム結晶を、主結晶鉱物として含む耐火性微粉末にて、構成したものであるところから、フィラー材としてのジルコン微粉末の使用量を効果的に低減せしめ得るだけでなく、精密鋳造鋳型製造用スタッコ材にジルコン粒を必要とせず、従ってそのコストが有利に低減せしめられ得たのであり、更には、ムライトやコランダムのみで構成される精密鋳造鋳型では為し得なかった鋳型の化学的崩壊除去が可能となる等の特徴を発揮するものとなる。
なお、本発明に従うフィラー材を用いて得られた精密鋳造鋳型にて鋳造される金属溶湯としては、公知の各種のものをその対象とすることが出来るが、特に、本発明の上記した特徴は、鋳込み温度が高くなり、形状が複雑で、鋳型の崩壊除去が困難になり易い、ステンレス鋼、炭素鋼、Cr−Mo鋼、耐熱鋼等において、より一層有利に発揮され得るものである。
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述してきたが、それは、あくまでも、例示に過ぎないものであって、本発明は、そのような実施形態に係る具体的な記述によって、何等限定的に解釈されるものでないことが、理解されるべきである。
例えば、上述の実施形態においては、本発明に従うフィラー材を用いて得られた精密鋳造鋳型は、セラミック・シェルモールド法によって製作されているが、本発明に従うフィラー材は、そのようなセラミック・シェルモールド法以外にも、例えば、容器内に充填した耐火材によるバックアップを行なって鋳造する、ソリッド・モールド法による精密鋳造鋳型の製造にも、有利に用いられ得るものである。そして、そのようなソリッド・モールド法により得られる精密鋳造鋳型にあっても、上記したような優れた効果が、同様に実現され得ることとなるのである。
以下に、本発明の幾つかの実施例を示し、本発明を更に具体的に明らかにすることとするが、本発明が、そのような実施例の記載によって、何等の制約をも受けるものでないことは、言うまでもないところである。また、本発明には、以下の実施例の他にも、更には上記の具体的記述以外にも、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々なる変更、修正、改良等を加え得るものであることが、理解されるべきである。
先ず、フィラー材の調製のために、以下のコランダム微粉末とムライト微粉末とジルコン微粉末とを準備した。
すなわち、コランダム微粉末としては、一般的な焼結アルミナ微粉末を準備した。この微粉末の粒度分布測定を行ったところ、中心粒径:D50が15μm、最大粒径が45μmであることを確認した。また、そのような微粉末について、化学分析及びX線回折測定による結晶相の同定を行ったところ、Al23 :99.6重量%、SiO2 :0.01重量%、その他の酸化物:0.39重量%からなり、且つ実質的にコランダム結晶からなるものであることが確認された。
また、ムライト微粉末は、水酸化アルミニウム及び粘度鉱物を用い、ムライト結晶が生成されるように、高温炉にて焼成し、更にそれを粉砕して、耐火性微粉末を得ることにより、準備した。この微粉末の粒度分布測定を行ったところ、中心粒径:D50が18μm、最大粒径が45μmであることを確認した。また、そのような微粉末について、化学分析及びX線回折測定による結晶相の同定を行ったところ、Al23 :70.8重量%、SiO2 :27.5重量%、その他の酸化物:1.7重量%からなり、且つ実質的にムライト結晶からなるものであることを確認した。
さらに、ジルコン微粉末は、天然産出のジルコンを微粉砕して得られたジルコンフラワーを用いることとした。このジルコンフラワーの粒度分布測定を行ったところ、中心粒径:D50が18μm、最大粒径が45μmであることを確認した。また、そのようなジルコンの微粉末について、化学分析及びX線回折測定による結晶相の同定を行ったところ、Al23 :0.3重量%、SiO2 :32.7重量%、ZrO2 :66.1重量%、その他の酸化物:0.9重量%からなり、且つ実質的にジルコン結晶からなるものであることを確認した。
次いで、かかる3種の微粉末、即ちコランダム微粉末、ムライト微粉末及びジルコン微粉末を用いて、下記表1及び表2に示される割合において混合せしめて、各種のフィラー材A〜Sを調製した。そして、この調製されたフィラー材A〜Sについて、それぞれ、以下の如くして真比重の測定と耐熱性試験を実施した。
−フィラー材の真比重の測定−
コランダム微粉末、ムライト微粉末及びジルコン微粉末について、それぞれ、JIS−K−0061に規定される「化学製品の密度及び比重測定方法」準じて、その真比重の測定を実施した。下記表1及び表2おけるフィラー材A〜Sの真比重は、上記3種類の微粉末の真比重と、それらの配合割合から算出し、その結果を、下記表1及び表2に併せて示した。
−耐熱性試験−
各フィラー材の50gを、アルミナるつぼ(内径:45mm、高さ:40mm)に入れて、電気炉で1500℃まで加熱し、更に30分間保持した後、冷却し、その得られた試料の性状を触接により判断し、茶さじ等で容易に解すことが出来る場合を「○」、塊状であり、解すことが出来ない場合若しくは溶融している場合を「×」として、評価することにより、耐熱性試験を行い、その結果を、下記表1及び表2に併せて示した。
Figure 2015213919
Figure 2015213919
かかる表1及び表2の結果から明らかなように、フィラー材A〜L及びO〜Q,Sにあっては、何れも、1500℃で30分間加熱されても、粒子の過焼結や溶融はなく、フィラー材として実用可能なものであると認めることが出来る。一方、フィラー材M,N及びRは、粒子が、溶融には至らないものの、焼結しており、フィラー材として、耐熱性が低いものであることが示唆された。
[スラリーの作製]
バインダーとして、コロイダルシリカ(SiO2 :26重量%、水分量:70重量%、その他:4重量%、比重:1.20)を用い、それに、上記のフィラー材A〜Sを骨材としてそれぞれ混合し、懸濁せしめることにより、各種のスラリーを作製した。なお、フィラー材の混合割合は、フィラー材の測定された真比重から求められる体積比で、バインダー:フィラー材=1:1となる割合を採用した。そして、それぞれのスラリーの作製に際して、懸濁が容易な場合を「○」、懸濁が困難な場合を「△」、そして混合、懸濁が出来ない場合を「×」として、スラリー作製の容易さの評価を行うと共に、蝋型に対するスラリーの付着性試験を、下記の如く実施して、それらの結果を、下記表3及び表4にそれぞれ示した。
−付着性試験−
略矩形状の蝋型(横:35mm×縦:150mm×厚さ:10mm)を用意し、それを各スラリーにディッピングした。蝋型に付着したスラリーが1分後においても蝋型に保持されている場合を「○」、スラリーが蝋型に付着しているものの、液切れが悪く、1分後においてもスラリーが蝋型から滴り続ける場合を「△」、スラリーが付着しない場合を「×」として、評価を行い、その結果を、下記表3及び表4に示した。
Figure 2015213919
Figure 2015213919
かかる表3及び表4の結果から、フィラー材A〜N、P及びR〜Sを用いた場合にあっては、何れも、バインダーとの懸濁性や製造されたスラリーの付着の均一性は良好であったが、フィラー材O及びQを用いた場合、換言すれば、コランダム微粉末のみやムライト微粉末のみからなるフィラー材を用いた場合には、スラリー特性から、造型は可能であるものの、蝋型へのスラリー付着やフィラー材懸濁時の作業性が劣るものであった。
一方、下記表5に示される各種のスタッコ材を、以下のようにして準備した。先ず、Al23 源原料及びSiO2 源原料からなる、ムライト結晶を形成し得る耐火物原料を粉砕、混合して、泥漿を調製し、次いでスプレードライヤー法にて、球状の造粒物を造粒した後、その得られた造粒物を、ロータリーキルン内で焼成せしめ、更にその焼成物を、インペラーブレーカー及びサンドリクレーマーを用いて解砕し、そして篩い分けすることによって、下記表5に示される如き化学組成、鉱物組成、粒度分布及び見掛け気孔率を有する、球状の人工砂のスタッコ材であるスタッコ1を準備した。また、耐火物原料及びその配合割合並びに焼成条件等を変化させることによって、下記表5に示される如き、異なる化学組成及び見掛け気孔率を有する、球状の人工砂からなるスタッコ2及びスタッコ3を準備した。更に、Al23 源とバインダーとを混合して、上記と同様な造粒、焼成、解砕に至る工程を経て、下記表5に示される如き球状の人工砂からなるスタッコ4を準備した。なお、天然のジルコンサンドからなるスタッコ5及びシャモット粒のバックアップスタッコ材からなるスタッコ6を準備し、またスタッコ7としては、一般的に、精密鋳造用途で用いられているものを入手した。それらスタッコ材の特性が、下記表5に併せて示されている。
Figure 2015213919
[鋳型の造型]
直径10mmの孔部を有する略矩形状の蝋型(横:35mm×縦:150mm×高さ:10mm)を用意し、それを、前記表3に示される組成のスラリーI中にディッピングした。次いで、かかる蝋型を被覆するスラリーが乾かないうちに、スタッコ材として、前記表5に示されるスタッコ1を用いて、スタッコイングし、その後、23℃×60%RHの恒温恒湿条件下で2時間保持して、乾燥させることにより、第1層(最内層)のセラミックシェル層を形成した。
次いで、その得られた第1層のセラミックシェル層が形成されてなる蝋型に対して、第2層のセラミックシェル層を、第1層のセラミックシェル層の形成の場合と同様にして、第1層と同様なスラリーとスタッコ材によるディッピング、スタッコイング及び恒温恒湿下での乾燥を行なうことにより、積層造型した。
そして、上記で得られた2層のセラミックシェル層が形成されてなる蝋型に対して、第3層目のセラミックシェル層(中間層)を、下記表6に示されるスラリーとスタッコ材を用いて積層造型した。即ち、コロイダルシリカに溶融シリカ(中心粒径:D50=30μm、最大粒径=75μm)を懸濁させてなるスラリーに蝋型をディッピングした後、スラリーが乾かないうちに、前記表5で準備されたシャモット質のスタッコ6をスタッコ材としてスタッコイングし、送風環境下で2時間乾燥を行うことにより、第3層のセラミックシェル層を積層形成した。
次いで、かかる3層のセラミックシェル層が形成されてなる蝋型に対して、第4層〜第7層に亘るバックアップ層を積層造型した。この積層造型は、下記表6に示されるスラリーとスタッコ材を用い、かかるスラリーにディッピングした後、スラリーが乾かないうちに、前記表5に示されるシャモット質のスタッコ7をスタッコ材としてスタッコイングし、送風環境下において2時間乾燥を行うことにより実施し、そしてそれを4回繰り返すことにより、第4層〜第7層のセラミックシェル層を積層造型した。
その後、かかる7層のセラミックシェル層が積層形成されてなる蝋型に対して、シール層として、コロイダルシリカに上記の溶融シリカを懸濁せしめてなるスラリーを用いたディッピング操作を施し、スタッコイングすることなく乾燥せしめることにより、シール層を形成した。
更にその後、かかる7層のセラミックシェル層と1層のシール層が積層形成されてなる蝋型を、オートクレーブ内に収容して、加圧、加熱することにより、蝋型を溶融除去せしめ、次いで、その蝋型の除去されたセラミックシェル層を、1000℃の温度で60分間焼成することにより、7層のセラミックシェル層(焼結層)から一体的に構成された鋳型壁を有する鋳型1を得た。
また、かかる鋳型1と同様な造型操作により、最内層(第1層)と第2層のセラミックシェル層におけるスラリー由来の成分組成が異なる、下記表6及び表7に示される各種の鋳型2〜19を得た。
かくして得られた鋳型1〜19に対して、それぞれ、下記表6及び表7に示される300系ステンレス、Ni基合金、炭素鋼、耐熱鋼又はCr−Mn鋼の溶湯を、下記表6及び表7に示される鋳込み温度で鋳造した。そして、溶湯の凝固後、型ばらしをノックアウト方式で行い、目的の鋳物をそれぞれ得た。そして、このノックアウトにより、概ねの鋳型を除去せしめた鋳物を、25%水酸化ナトリウム溶液に浸漬せしめ、オートクレーブで加圧、加熱した後、コランダム質粒子を用いてサンドブラスト処理を5分間実施することにより、砂落としを行った。
かかる処理によって鋳物に形成された孔部の砂落としが容易に出来た場合を、NaOH処理:○とし、この砂落としが困難であるものの、サンドブラスト処理時間を長時間実施することにより砂落としが出来た場合を、NaOH処理:△と評価し、孔部の砂落としが出来ず、鋳型が取れなかった場合を、NaOH処理:×として評価し、その結果を、下記表6及び表7に併せ示した。
また、サンドブラスト処理後の鋳物の平面部分の表面観察を実施し、表面に目立った欠陥が無い場合を「なし」とし、肌荒れが発生した場合を「肌荒れ」と評価し、更に鋳型との融着が見られた場合を「焼着」、鋳型の割れや差し込み等によるバリが発生した場合を「バリ」として、評価して、その結果を、下記表6及び表7に併せ示した。
加えて、上記で評価された鋳物の砂落とし性や表面観察結果を総合的に勘案して、実用上問題がない場合は「○」として評価し、後加工等により問題を解決することが出来る場合を「△」とし、更に、問題があり、後加工を施しても、品質を満たさない場合を「×」として評価を行い、その結果を、下記表6及び表7に併せ示した。
Figure 2015213919
Figure 2015213919
上記の鋳型1〜19の場合と同様にして、第1層〜第7層のセラミックシェル層とシール層の形成のために、下記表8及び表9に示されるスラリーとスタッコ材との組合せにて、目的とする鋳型20〜38を作製した。
次いで、それら得られた鋳型20〜38を用いて、それぞれ、下記表8及び表9に示される如く、300系ステンレス、Ni基合金、炭素鋼又は耐熱鋼の溶湯を、下記表8及び表9に示される鋳込み温度において鋳造した。そして、溶湯の凝固の後、型ばらしをノックアウト方式で行い、目的の鋳物を得た。
そして、それら得られた鋳物について、それぞれ、先の鋳物の場合と同様にして、水酸化ナトリウム含浸後のオートクレーブ処理とコランダム質粒子を用いたサンドブラストを実施した後、鋳物に形成された孔部の砂落としの状況及び平面部の鋳肌の観察による評価を行い、またそれらの結果を元に、総合評価を行って、それらの結果を、下記表8及び表9に示した。
Figure 2015213919
Figure 2015213919
上記の表6〜表9の対比から明らかなように、プライマリー層と呼ばれる第1層(最内層)、第2層のセラミックシェル層を構成するスラリーに用いられるフィラー材として、ZrO2 分析値が少ないフィラー材K,L,O,P又はQを用いると、水酸化ナトリウム処理による化学的な鋳型の崩壊除去による砂落とし性が非常に悪く、鋳物からの鋳型の剥離が困難であることが認められる。また、Al23 分析値が少ないフィラー材M,N,R又はSを用いると、水酸化ナトリウム処理による鋳型の崩壊除去は可能であるが、バリや肌荒れが生じ、良好な鋳物を得ることが出来ないことが理解される。
これに対して、第1層(最内層)及び第2層のセラミックシェル層を構成するスラリーに用いられるフィラー材として、フィラー材A〜Jを用いて得られた鋳型1〜10や鋳型20〜29にあっては、スタッコイングされるスタッコ材、注湯される鋼種に影響されることなく、水酸化ナトリウムに浸漬させた後のオートクレーブ処理及びサンドブラスト処理により、鋳型に形成された孔部の砂落としが良好であって、表面観察の結果も良好であり、肌荒れやバリ等の鋳造欠陥もない、滑らかで美麗な鋳肌であることが認められた。

Claims (11)

  1. 全体の化学組成が、Al23 :35〜90重量%、SiO2 :5〜35重量%、ZrO2 :5〜40重量%及びその他の酸化物:0〜5重量%からなり、且つ主結晶鉱物として、ジルコン結晶と共に、ムライト結晶及び/又はコランダム結晶を含む、粒子径が1〜200μmである耐火性微粉末からなることを特徴とする精密鋳造鋳型製造用スラリーのフィラー材。
  2. 前記耐火性微粉末が、コランダム微粉末とムライト微粉末とジルコン微粉末との混合微粉末にて構成されている請求項1に記載の精密鋳造鋳型製造用スラリーのフィラー材。
  3. 前記耐火性微粉末が、コランダム微粉末とジルコン微粉末との混合微粉末にて構成されている請求項1に記載の精密鋳造鋳型製造用スラリーのフィラー材。
  4. 前記耐火性微粉末が、ムライト微粉末とジルコン微粉末との混合微粉末にて構成されている請求項1に記載の精密鋳造鋳型製造用スラリーのフィラー材。
  5. 請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載のフィラー材を、コロイダルシリカ又はエチルシリケートからなる無機バインダーに懸濁せしめてなることを特徴とする精密鋳造鋳型製造用スラリー。
  6. 請求項5に記載のスラリーを用いて得られた精密鋳造鋳型。
  7. 鋳型壁が、複数のセラミックシェル層にて積層、構成されていると共に、それらセラミックシェル層のうち、少なくとも金属溶湯に接する最内層が、請求項5に記載のスラリーを用いて形成されていることを特徴とする精密鋳造鋳型。
  8. 少なくとも前記金属溶湯に接する最内層のセラミックシェル層を形成するためのスタッコ材として、ムライト質及び/又はコランダム質の人工球状粒子が用いられている請求項7に記載の精密鋳造鋳型。
  9. 鋳型壁が、複数のセラミックシェル層にて積層、構成されていると共に、それらセラミックシェル層のうち、金属溶湯に接する最内層が、請求項5に記載のスラリーを用いて形成されている一方、該最内層よりも外側の少なくとも一つのセラミックシェル層が、請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載のフィラー材及び/又はその他のアルミナ/シリカ系粒子をコロイダルシリカ又はエチルシリケートからなる無機バインダーに懸濁せしめてなるスラリーを用いて、形成されていることを特徴とする精密鋳造鋳型。
  10. 少なくとも前記金属溶湯に接する最内層のセラミックシェル層を形成するためのスタッコ材として、ムライト質及び/又はコランダム質の人工球状粒子が用いられている請求項9に記載の精密鋳造鋳型。
  11. 前記その他のアルミナ/シリカ系粒子が、溶融シリカ粒子又はシャモット質粒子である請求項9又は請求項10に記載の精密鋳造鋳型。
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