JP5753754B2 - 精密鋳造用鋳型 - Google Patents

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Description

本発明は、精密鋳造用鋳型製造用スタッコ材及びそれを用いた精密鋳造用鋳型に係り、特に、ロストワックス法により造型され、更にその使用後には容易に再使用され得る精密鋳造用鋳型を製造するために好適に用いられる精密鋳造用鋳型製造用スタッコ材、及びそれを用いた精密鋳造用鋳型に関するものである。
従来から、ロストワックス法による精密鋳造用鋳型の造型においては、先ず、微粒子状の骨材を懸濁させたバインダを含むスラリーにて、製品形状に対応した形状を有する蝋型(ろう模型)の表面を被覆して、スラリー層を形成した後、そのスラリー層の表面にスタッコ材を散布して、乾燥することにより、かかる蝋型の表面に、第一のセラミックシェル層が形成される。その後、再度、スラリーによる被覆を行ない、その形成されたスラリー層にスタッコ材を散布して、第二のセラミックシェル層が形成される。そして、かかる作業を数回繰り返すことによって、セラミックシェル層を複数層積層形成した後、蝋型を加熱溶融して除去し、更に焼成することにより、目的とする精密鋳造用鋳型が、製造されている。なお、鋳物は、かかる蝋型の取り除かれた鋳型の空洞部分に、所定の金属溶湯(高温で溶融した鋳物材料)を鋳込むことにより、生産されることとなる。
ところで、このロストワックス法による精密鋳造用鋳型の製作に際して、一般的に用いられるスタッコ材としては、シャモット粒、ムライト粒、アルミナ粒、シリカ粒、ジルコニア粒、ジルコン粒等があるが、その中でも、ジルコン粒が広く使用されてきている(日本鋳物協会精密鋳造研究部会編、「精密鋳造法」、日刊工業新聞社、昭和59年1月発行、第31−36頁(非特許文献1)及び特開昭61−289944号公報(特許文献1)等参照)。
しかしながら、スタッコ材として用いられるジルコン粒は、高温の金属溶湯と反応し難く、また鋳物への差込み等も惹起され難いことから、美しい鋳肌を容易に得ることが出来る特徴があり、また熱膨張も比較的小さいところから、得られる鋳物の寸法精度も良い等という特徴を有しているのであるが、かかるジルコン粒は、また、その比重が大きいために、造型して得られる鋳型の重量が重くなって、複雑形状品の製造が困難となる他、天然に大量に産出するものではなく、且つその産地も偏在しているところから、鋳型用材料としての使用が困難となりつつある。更に、使用済み鋳型からジルコン粒を回収して、再利用しようとした場合において、ジルコン粒はZrO2 とSiO2 とを化学成分とするものであるために、通常、スタッコ材として共に用いられるAl23 系成分との化学組成のコントロールが難しく、その結果、使用済み鋳型の再利用は全く行なわれていないのが、実情である。
そこで、そのような問題を解決するために、ジルコン粒を用いない精密鋳造用鋳型が提案されている。例えば、特開2005−324253号公報(特許文献2)や特開2003−225739(特許文献3)には、ムライト粒又はアルミナ粒を用いた例が示されているのであるが、それらは、ただ単に、ジルコン粒を排除した鋳型を製造しただけに過ぎないものである。しかし、そこで用いられるムライト粒やアルミナ粒は、ジルコン粒より溶融温度は高く、耐熱性に優れるものの、溶湯との反応性はジルコン粒に比して劣るために、精密鋳造鋳物の製造時にスタッコ材の差込み等が発生し、滑らかな美しい鋳肌を有する鋳物を得ることが困難であるという問題を内在するものであった。
特開昭61−289944号公報 特開2005−324253号公報 特開2003−225739号公報
日本鋳物協会精密鋳造研究部会編、「精密鋳造法」、日刊工業新聞社、昭和59年1月発行、第31−36頁
ここにおいて、本発明は、かくの如き事情を背景として為されたものであって、その解決課題とするところは、ジルコン粒を用いることなく、鋳型の膨張を小さくして、寸法精度の良い、且つ、美しい鋳肌を有する鋳物が有利に得られる、精密鋳造用鋳型の製造に有利に用いられ得る精密鋳造用鋳型製造用スタッコ材、及びそれを用いた精密鋳造用鋳型を提供することにあり、また他の課題とするところは、鋳型の重量を軽くすることで、経済的で且つ複雑な鋳型の製造が可能となり、更にはその使用済み鋳型の回収・再利用をも可能にする精密鋳造用鋳型を提供し得る技術を提供することにある。
そして、本発明者等は、そのような課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、特定割合のアルミナ及びシリカを含んで構成される耐火性の球状粒子であって、且つ特定範囲内の粒子径と見掛気孔率等の特性を有するものが、上記した課題の解決のために有効であることを見出し、本発明を完成するに至ったのである。
従って、本発明は、かかる知見に基づいて完成されたものであって、上記した課題又は明細書全体の記載から把握される課題を解決するために、以下に列挙せる如き各種の態様において、好適に実施され得るものであるが、また、以下に記載の各態様は、任意の組み合わせにおいても、採用可能である。なお、本発明の態様乃至は技術的特徴は、以下に記載のものに何等限定されることなく、明細書全体の記載乃至はそこに開示の発明思想に基づいて、認識され得るものであることが、理解されるべきである。
(1) Al23 :40重量%超、70重量%未満、SiO2 :30重量%超、60重量%未満、及びその他の酸化物:7重量%未満からなり、且つ粒子径が0.05〜0.4mmであって、見掛気孔率が5〜14%である、ムライト結晶から構成される耐火性の多孔質球状粒子からなることを特徴とする精密鋳造用鋳型製造用スタッコ材。
(2) 前記耐火性多孔質球状粒子に対し、更に、その他のアルミナ/シリカ系粒子の少なくとも1種類を、30重量%以下の含有量となる割合において混合せしめてなることを特徴とする前記態様(1)に記載の精密鋳造用鋳型製造用スタッコ材。
(3) 前記態様(1)又は前記態様(2)に記載の耐火性多孔質球状粒子からなるスタッコ材を用いて得られた精密鋳造用鋳型。
(4) 鋳型壁が複数のセラミックシェル層にて積層、構成されていると共に、それらセラミックシェル層のうち、金属溶湯に接する最内層が、前記態様(1)又は前記態様(2)に記載のスタッコ材を用いて形成されている一方、該最内層よりも外側の少なくとも一つのセラミックシェル層が、前記耐火性多孔質球状粒子及び/又はその他のアルミナ/シリカ系粒子をスタッコ材として用いて形成されていることを特徴とする前記態様(3)に記載の精密鋳造用鋳型。
(5) 鋳型壁を構成するセラミックシェル層を形成するために用いられるスラリーに、バインダとして、コロイダルシリカ又はエチルシリケートからなる無機バインダが配合されていることを特徴とする前記態様(3)又は前記態様(4)に記載の精密鋳造用鋳型。
(6) 前記スラリーに、骨材として、アルミナ/シリカ系粒子の少なくとも1種類が懸濁せしめられていることを特徴とする前記態様(5)に記載の精密鋳造用鋳型。
(7) 前記態様(3)乃至前記態様(6)の何れか1つに記載の精密鋳造用鋳型を解砕し、篩い分けして得られる回収粒が、前記アルミナ/シリカ系粒子に代えて、或いはそれと共に、用いられていることを特徴とする前記態様(4)又は前記態様(6)に記載の精密鋳造用鋳型。
このように、本発明に従う精密鋳造用鋳型製造用スタッコ材として用いられる耐火性粒子は、基本的にAl23 とSiO2 にて構成され、そしてムライト結晶を主体とするものであるところから、比重が軽く、また充分な耐熱性乃至は耐火性を有すると共に、低い熱膨張特性を有利に発揮するものであるため、それを用いることによって、欠陥の少ない、寸法精度に優れた精密鋳造用鋳型を容易に製造することが可能となるのである。
しかも、そのようなスタッコ材を用いて得られた精密鋳造用鋳型は、産出地域偏在や再利用困難等の問題を抱えたジルコン粒を用いなくても、金属溶湯と反応し難いものであるところから、鋳物への差込み等も惹起され難く、その結果、美しい鋳肌の鋳物が得られることに加え、軽量の鋳型の製造が可能となり、経済的で、作業性が良く、またジルコン粒よりも複雑な鋳型の製造が可能となる他、Al23 とSiO2 を材質とするスタッコ材を用いたものであるために、その使用済み鋳型が容易に再使用出来るといった経済的有効性をも持つものである。
ところで、精密鋳造用鋳型を用いて鋳造を行なう際には、鋳込み時に金属溶湯と接する内側部分の表面特性、つまり、精密鋳造用鋳型の製造過程において、蝋型が除去されることによって形成される空洞の内面部分の表面特性が、鋳物の出来上がりを左右することとなる。言い換えれば、蝋型に最初に散布するスタッコ材(第1層のセラミックシェル層)の特性が、最も重要となるのである。なお、その後、同様にして、第2層目以降のセラミックシェル層が順次重ねて形成されるのであるが、最外層のセラミックシェル層へ向かうに従って、少し粒径の大きいスタッコ材が散布されて、バックアップセラミックシェル層が形成されることとなる。つまり、特に、第1層のセラミックシェル層から数層に亘るセラミックシェル層に用いられるスタッコ材は、あらゆる面において、これまで一般的に用いられてきたジルコン粒より優れた特性を持つことが要求されるのである。
このため、本発明にあっては、Al23 の40重量%超、70重量%未満とSiO2 の30重量%超、60重量%未満を、主成分として含み、またその他の酸化物は、合計で7重量%未満含むような、化学組成を有すると共に、実質的に粒子径が0.05〜0.4mmのものからなると共に、見掛気孔率が5〜14%である、ムライト結晶から構成された耐火性の多孔質球状粒子にて、スタッコ材を構成したのであり、これによって、その比重が軽いことにより、鋳型造型作業においては、優れた作業性が実現され得ると共に、その得られた鋳型を用いた鋳造工程においては、鋳造後の鋳物の鋳肌が美しく、欠陥の少ない且つ寸法精度に優れた精密鋳造用鋳物を、有利に製造することが可能となったのであり、更には、その使用済みの鋳型を回収して、スタッコ材等としての再利用も可能ならしめたのである。なお、そのような耐火性多孔質球状粒子を構成する主結晶鉱物であるムライト結晶は、3Al23 ・2SiO2 〜2Al23 ・SiO2 の化学組成を有するものであって、71.8〜77.3重量%のAl23 と、28.2〜22.7重量%のSiO2 とからなるものである(「セラミックス工学ハンドブック(第2版)〔応用〕」2002年3月発行、技報堂出版株式会社、第88頁参照)。
ここで、耐熱性に関し、従来からスタッコ材として用いられてきているジルコン粒は、JIS−R−2204(1999)に規定されるゼーゲルコーン耐火度において、一般的に、SK37(1825℃)を示すものである。このため、本発明において用いられるスタッコ材は、それと同等、或いはそれ以上の耐火性を持つ必要があるところ、本発明に従って、特定のAl23 含有量及びSiO2 含有量において含み、これに、更に、場合により、その他の酸化物の所定量を含む、ムライト結晶から実質的に構成される粒子は、SK36(1790℃)〜SK38(1850℃)を示すものとなるのである。そして、そこでは、その他の酸化物の含有割合を7重量%未満とすることで、より優れた耐火性を付与することが出来るのであるが、特に好ましくは、その他の酸化物の含有割合は、0〜5重量%である。
なお、本発明に係る精密鋳造用鋳型製造用スタッコ材を構成する耐火性の多孔質球状粒子において、Al23 の含有割合が70重量%又はそれを超えるようになると、従って耐火性球状粒子中のSiO2 の含有割合が30重量%又はそれよりも少なくなると、耐熱性は向上するが、コランダム結晶の生成割合が急激に増加するようになる。しかし、コランダム結晶は、ムライト結晶に比し、熱膨張が大きく、そのため粒子の熱膨張が大きくなり、出来上がり鋳物寸法のバラツキや鋳型の割れ等に悪影響を及ぼすことになる。一方、耐火性球状粒子中のAl23 の割合が40重量%以下となり、従ってSiO2 の割合が60重量%又はそれよりも多くなると、耐熱性が急激に低下し、精密鋳造用鋳型製造用スタッコ材としての耐熱性を維持出来なくなる。本発明において、好ましくは、Al23 の含有割合は、50重量%超、70重量%未満であり、SiO2 の含有割合は、30重量%超、50重量%未満であり、更にその他の酸化物の含有割合は5重量%未満において、採用されることとなる。
ところで、スタッコ材は、公知の如く、目的とする製品形状に対応した形状を有する蝋型に対して、その表面を被覆するように形成したスラリー層上に散布されて、そのスラリー層に付着せしめられることによって、セラミックシェル層を形成するものであるところから、その付着したスタッコ材の厚みが、セラミックシェル層の厚みに近似することとなる。本発明においては、そのようなセラミックシェル層を与えるスタッコ材が、粒子径が0.05〜0.4mmからなる耐火性の多孔質球状粒子にて、実質的に構成されるようにしたのである。即ち、0.05mm未満の粒子径の粒子や0.4mmを超える粒子径の粒子を実質的に含まない耐火性の多孔質球状粒子が、スタッコ材として用いられることとなるのである。なお、かかるスタッコ材の粒子径が0.05mm未満となると、粒子が小さくなり過ぎ、スラリー上に粒子は付着し易いものの、その付着した粒子の上に新たな粒子の付着が惹起され難く、その結果、形成されるセラミックシェル層の厚さが薄くなってしまう問題がある。一方、粒径が0.4mmを超えるような粒子を用いると、鋳造して得られる鋳物の鋳肌に凹凸が惹起されて、肌荒れを招く等の原因となる。
また、本発明においては、スタッコ材として、耐熱性があり且つ熱膨張が小さな、ムライト結晶粒にて構成される粒子を用いて、寸法精度の良好な且つ美しい鋳肌を有する鋳物を製造することにあり、そのために、金属溶湯との接触が滑らかで、鋳物への差込みを起こし難い形状の粒子について検討した結果、前述せる如き構成において、軽量で、高耐火性を有し、スラリーへの付着性にも優れた球状粒子を見出したのであり、そして、そのような粒子をスタッコ材として使用することで、鋳肌の荒れを有利に防ぐことが出来ることとなったのである。
さらに、スタッコ材のスラリーへの付着に際して、本発明に従って球状とされた耐火性粒子をスタッコ材として付着させようとすると、鋳型の製作時に蝋型を被覆するように形成されたスラリー層の上に球状の耐火性粒子を所定厚さに付着せしめることは難しく、特に複雑な蝋型の場合には、その角部等にスタッコ材の付着漏れが発生する等の問題がある。そこで、本発明においては、ムライト質の球状粒子とすると共に、その粒子表面に気孔を設け、その気孔がスラリーを極少量取り込むことによって、スタッコ材の付着効率を飛躍的に向上せしめているのである。このため、本発明においては、そのようなスタッコ材を構成する耐火性の多孔質球状粒子の見掛気孔率は、JIS−R−2205(1992)の「耐火れんがの見掛気孔率・吸水率・比重の測定方法」に準じた方法で求められた値において、5〜14%、好ましくは6〜13%の多孔質構造のものとされているのである。
なお、スタッコ材を構成する球状の耐火性粒子が、そのような多孔質構造を有しない場合には、スタッコ材とスラリーとの接触面積が小さく、それらの間に働く表面張力が小さいために、スタッコ材がスラリーに対して強固に固着し得ない問題があり、そのため、そのようなスタッコ材を用いて製造された鋳型にあっては、鋳造前や鋳造時にスタッコ材(耐火性粒子)が脱落したり、また複雑な蝋型の場合には、角部等においてスタッコ材の付着漏れが発生したりするようになるのであり、以て、かかる鋳型によって鋳造される鋳物において、砂噛みや鋳肌の肌荒れ等の欠陥が惹起される問題がある。一方、粒子の見掛気孔率が大きくなり過ぎると、粒子自体の強度が弱くなり、その結果、得られる精密鋳造用鋳型の強度の低下が惹起される等の問題が生じるようになる。
また、本発明に従う精密鋳造用鋳型製造用スタッコ材を構成する耐火性の多孔質球状粒子において、「球状」とは実質的に球状形状を呈していることを意味するものであって、それは鋭角部のない丸みを帯びた球形状であれば、何等差し支えなく、楕円球形状や紡錘球形状をも含むものである。尤も、本発明においては、かかる球状を定義するものとして、円形度(円形面積相当周長/粒子投影像輪郭周長)を採用することが出来る。そのような円形度は、よく知られているように、粒子の二次元画像から、画像解析装置を用いて測定を行ない、式:[2√(πS)]/Lにより求められるものであって、本発明では、得られる鋳物の鋳肌をより美しく保つ上において、その値が0.80以上、好ましくは0.85以上、更に好ましくは0.90以上のものが、好適に用いられることとなる。なお、そこにおいて、Sは投影された粒子の面積であり、Lは粒子投影像輪郭周長である。また、粒子には個々の円形度にバラツキがあるために、円形度は、通常は、無作為に抽出した粒子の100個を測定して、その平均値にて表わされることとなる。
ところで、上記のような本発明に従う精密鋳造用鋳型製造用スタッコ材を製造するに際して、その製造方法としては、特に限定されるものではなく、公知の各種の耐火性粒子の製造方法が、何れも、適宜に採用され得るところである。例えば、珪砂、珪石、耐火粘土、粘土鉱物、クレー、カオリン、バン土頁岩、ボーキサイト、アンダリューサイト、カイアナイト、シリマナイト、水酸化アルミニウム、アルミナ、仮焼アルミナ等の、ムライト結晶又はムライト及びコランダムの混合結晶を形成する耐火物原料を、Al23 及びSiO2 の組成が、上記した特定の割合となるように、適宜に組み合わせて、泥漿を調製した後、かかる泥漿を、スプレードライヤー法にて球状に造粒したり、或いはかかる泥漿を脱水乾燥した後、造粒機により球状に造粒した後、ロータリーキルンやトンネルキルン、シャトルキルン等の焼成炉にて焼成することにより、製造することが出来る。
また、上記したような、所定形状の粒子を造粒した後、焼成することによって、耐火性多孔質球状粒子を得る方法以外にも、例えば、上記せる如き耐火物原料を、高温加熱炉内で溶融状態にした後、加圧空気にて吹き飛ばすことにより、耐火性多孔質球状粒子を得るようにしたり、或いは公知の火炎溶融法等によって、耐火性多孔質球状粒子を得るようにすることも、可能である。
さらに、そのような耐火性多孔質球状粒子は、前記した耐火物原料からの造粒物として製造されるものに限られるものではなく、天然の砂粒を球形状に加工することにより得られるものを用いるようにしても、何等、差し支えない。例えば、Al23 :40重量%超、70重量%未満、SiO2 :30重量%超、60重量%未満、及びその他の酸化物:7重量%未満からなり、且つムライト結晶から構成される天然の耐火性材料であって、上記した所定の見掛気孔率を有するものを、粉砕、整粒した後、ロータリークレーマー、サンドシャイナ、サンドフィッシャー、ハイブリタイザー等の研磨機を用いて砂の表面を研磨することにより、鋭角部を除去した後、篩い分けすることによって得られるもの等も、用いられ得るのである。
そして、本発明に従う精密鋳造用鋳型製造用スタッコ材にあっては、上記したような耐火性多孔質球状粒子に対して、更に、その他のアルミナ/シリカ系粒子の少なくとも1種が、必要に応じて混合せしめられていても、何等差支えない。なお、そのようなスタッコ材が、最内層(第1層)のセラミックコーティング層(セラミックシェル層)を形成するために用いられる場合には、かかるその他のアルミナ/シリカ系粒子は、30重量%以下の含有量となる割合において、混合せしめられることとなる。この、その他のアルミナ/シリカ系粒子の含有量が多くなり過ぎると、相対的に、耐火性多孔質球状粒子の含有量が少なくなり過ぎて、耐火性多孔質球状粒子による、上述せる如き優れた特徴が有利に発揮され得ず、かかるスタッコ材を用いて製造された鋳型により鋳造される鋳物において、差込みや焼付き(融着)等による肌荒れが発生したり、また鋳肌の表面粗度が粗いものとなってしまう恐れがあるからである。これに対し、その他のアルミナ/シリカ系粒子を含有するスタッコ材が、最内層よりも外層側の、第2層目以降のセラミックコーティング層(セラミックシェル層)を形成するために用いられる場合には、その含有量は、特に限定されない。けだし、第2層目以降のセラミックシェル層は、鋳造時に、金属溶湯に直接に接触せず、得られる鋳物の鋳肌を形成する面ではないところから、かかるその他のアルミナ/シリカ系粒子の含有量が多くなっても、それにより鋳造される鋳物の鋳肌の美醜に与える悪影響は少ないからである。
また、上記したその他のアルミナ/シリカ粒子とは、上記した耐火性多孔質球状粒子以外の、アルミナ粒子、シリカ粒子及びアルミナ−シリカ粒子を指し、アルミナ及び/又はシリカを主成分として含有する耐火性酸化物粒子であって、例えば、珪砂、珪石粒、クリストバライト粒、トリジマナイト粒、クオルツ粒、溶融シリカ粒、シャモット粒、焼成カオリン粒、ムライト粒、アルミナ粒、仮焼アルミナ粒、焼結アルミナ粒、溶融アルミナ粒、コランダム粒等が破砕されて、0.05〜0.5mm程度の大きさの粒子とされたものが、単独で、或いは組み合わせて、用いられることとなる。また、その粒子形状は、球状に限られるものではなく、角張った形状のものであっても良く、何等限定されるものではない。
ところで、本発明に従う精密鋳造用鋳型製造用スタッコ材を用いて、精密鋳造用鋳型を製造するに際しては、例えば、以下のようにして行なわれることとなる。
先ず、従来と同様にして、目的とする鋳物の形状を有する蝋型を多数作製し、そして、それら作製された蝋型の適数個を、湯口、湯道、堰の部分となる蝋型と共に、一体的に組み立てることにより、ツリーを製作する。
次いで、かかるツリーを、撹拌機にて撹拌することによって懸濁状態とされたセラミックスラリー中に浸漬(ディッピング)することにより、ツリー(蝋型又はろう模型)表面に、スラリーを被覆せしめる。
なお、そこにおいて用いられるスラリーは、本発明にあっては、特に限定されるものではなく、従来から、ロストワックス法(インベストメント法)において、セラミックシェル層を形成するために用いられて来ている公知の各種のスラリーが、何れも、適宜に選択され得るものであるが、好ましくは、コロイダルシリカ又はエチルシリケートからなる無機バインダを用い、それを、必要に応じて、水やアルコール等の媒体に配合して、調製されてなるものが、有利に用いられることとなる。
ここで、無機バインダとしてのコロイダルシリカには、粒子径が3〜200nm程度の超微粒子の無定形シリカが分散媒に対して安定的に分散されてなるものが、一般に用いられることとなる。中でも、そのようなコロイダルシリカとしては、特に、シリカ粒子径が3〜30nm程度であり、且つ20〜40重量%程度の濃度で分散せしめられてなるシリカゾルが、好ましく用いられるのである。また、エチルシリケートとしては、テトラエチルオルソシリケートやエチルシリケート40、エチルシリケート28等が好ましく用いられることとなる。
また、前記スラリーには、骨材として、上述せる如きアルミナ又はシリカを主成分として含有する耐火性酸化物からなるアルミナ/シリカ系粒子の少なくとも1種が懸濁せしめられていることが、望ましい。なお、かかるアルミナ/シリカ系粒子をスラリーに懸濁せしめる場合には、粒子をスラリー中で沈降させることなく、安定的に浮遊・分散せしめるために、その粒子径は、0.2mm未満のものであることが好ましく、より好ましくは、0.1mm未満のものである。また、かかるアルミナ/シリカ系粒子は、スラリー中、40〜90重量%程度の割合において懸濁せしめられていることが望ましい。
さらに、前記スラリーに対しては、従来からロストワックス法(インベストメント法)において用いられている公知のスラリーと同様に、各種の界面活性剤やゲル化促進剤等が、必要に応じて、適宜に含有せしめられることとなる。
そして、本発明に従う精密鋳造用鋳型の製造にあっては、そのようなスラリー中に浸漬(ディッピング)せしめられたツリー(蝋型)を、スラリーから引き揚げた後、かかるツリーを被覆し、付着するスラリーが乾かないうちに、上述せる如き本発明に従う精密鋳造用鋳型製造用スタッコ材が振り掛けられる(スタッコイングされる)のである。なお、このスタッコ材の振り掛けに際しては、従来から公知の振掛け方法が、何れも適宜に採用され、例えば、スタッコ材を雨状に落すことによって振掛けを行なう落下式振掛け法や、ツリーを容器内に収容し、容器の底部から吹き出される空気によって、スタッコ材を浮遊させることにより振掛けを行なう固体流動床式振掛け法等を採用して、目的とするスタッコイングが行なわれるのである。
その後、かかる本発明に従うスタッコ材の被覆されたツリー(蝋型)を、自然乾燥や機械乾燥を行なうことによって、最内層となる第1層目のセラミックコーティング層が形成される。そして、セラミック・シェルモールド法によれば、かかる第1層のセラミックコーティング層の形成された蝋型に対して、更に、上記と同様にして、ディッピング、スタッコイング及び乾燥からなる一連のコーティング層形成工程を複数回(4〜10回)繰り返すことにより、蝋型上に、複数のセラミックコーティング層(厚さ:約3〜10mm)が積層、形成されることとなる。
このように、本発明の対象とする精密鋳造用鋳型の製造にあっては、上述せる如き本発明に従う精密鋳造用鋳型製造用スタッコ材を用いて、最内層(第1層)のセラミックコーティング層を形成し、そして、かかる一層のセラミックコーティング層が形成されたツリー(蝋型)に対して、更に、コーティング層形成工程を複数回繰り返すことにより、鋳型壁となる複数のセラミックコーティング層を積層形成するのであるが、そこにおいて、最内層よりも外側の少なくとも一つのセラミックコーティング層は、スタッコ材として、前記耐火性多孔質球状粒子及び/又はその他のアルミナ/シリカ系粒子を用いて形成することが望ましい。
すなわち、鋳造時に金属溶湯に接して、得られる鋳物の鋳肌面を形成するセラミックコーティング層(セラミックシェル層)は、最内層(第1層)のセラミックコーティング層であるところから、かかる最内層のセラミックコーティング層(セラミックシェル層)を形成せしめるスタッコ材としては、本発明に従う精密鋳造用鋳型製造用スタッコ材を用いる一方、最内層よりも外側のセラミックコーティング層については、本発明に従う耐火性多孔質球状粒子の他にも、前記したその他のアルミナ/シリカ系粒子やそれらの混合物等が、適宜に用いられ得るのであり、それにより、得られる精密鋳造用鋳型において、上述せる如き優れた効果が、経済的に有利に得られることとなるのである。
なお、より好ましくは、本発明に従う精密鋳造用鋳型の製造に際して用いられる精密鋳造用鋳型製造用スタッコ材は、最内層のセラミックコーティング層から最外層のセラミックコーティング層へ向うに従って、その粒子径が大きくされることとなる。これにより、鋳造時に溶湯と接して、鋳物の鋳肌面を形成する、内層側の表面粗度を低くして、得られる鋳物の鋳肌を、有利に、差込み等の欠陥のない、滑らかな美しいものとすると共に、得られる鋳型の強度を、有利に向上させることが可能となる。また、最内層から最外層までのセラミックコーティング層の全てに、同様な化学組成を有する、本発明に従うスタッコ材を用いるようにすることによって、SUS溶湯の如き鋳造条件の厳しい金属溶湯を用いた場合においても、本発明の前記した特徴を有利に発揮させることが可能である。
次いで、そのようにしてツリー(蝋型)上に積層形成された複数のセラミックコーティング層を、オートクレーブ内にて120〜150℃程度に加熱することにより、蝋型を溶融、除去し、更にその後、蝋型の除去された複数のセラミックコーティング層を、焼成炉内において、800〜1100℃の温度にて30分〜1時間焼成することにより、複数のセラミックシェル層からなる精密鋳造用鋳型が得られるのである。
そして、上述のようにして製造された精密鋳造用鋳型を用いて、鋳物を製造するに際しては、蝋型が除去されて出来た鋳型の空洞部分に、金属溶湯を流し込むことにより、鋳物が製造されることとなるのであるが、本発明にあっては、かかる鋳物の鋳込方法は、何等限定されるものではなく、例えば、置注ぎ法や反転加圧法、吸引鋳造法、遠心鋳造法等の従来から公知の手法が、何れも有利に用いられる。
このような本発明に従う精密鋳造用鋳型を用いて鋳造された鋳物にあっては、上述したように、鋳造時に溶湯と接して、得られる鋳物の鋳肌面を形成する、精密鋳造用鋳型の最内層のセラミックシェル層が、本発明に従う精密鋳造用鋳型製造用スタッコ材を用いて構成されているところから、そのようなスタッコ材を構成する耐火性粒子における、Al23 及びSiO2 からなるムライト結晶の有する優れた耐火性によって、得られる鋳物の鋳肌が、焼付き(融着)等による肌荒れのない、美しいものとなる一方、その優れた熱膨張特性によって、鋳物の寸法精度が有利に高いものとなると共に、鋳型の切れや割れ等の発生が有利に防止されて、欠陥品の発生が、有利に抑制せしめられ得ることとなる。
しかも、本発明にあっては、上記精密鋳造用鋳型製造用スタッコ材が、特定の粒子径を有する球状の耐火性粒子であるところから、得られる鋳型の鋳肌が、差込み等による肌荒れがなく、また表面粗度の低い、滑らかなものとなると共に、特定の見掛気孔率を有する多孔質構造のものであるところから、スタッコ材が、スラリーによって強く付着せしめられ、以て、鋳型の内面(鋳肌を形成する面)の崩壊による鋳肌の荒れのない、美麗なものとなるのである。
そして、そのような本発明に従う精密鋳造用鋳型は、上記のようにして鋳物が鋳造された後、ジョークラッシャーやロールブレーカー等の粉砕機により解砕され、更に篩い分けされて、回収され、回収粒として、再び、鋳型の造型に用いられることとなる。例えば、目的とする精密鋳造用鋳型を製造するに際して、前記アルミナ/シリカ系粒子に代えて、或いはそれと共に、スタッコ材として、或いはスラリーに懸濁せしめられる骨材として、有利に用いられ得るのである。
このように、本発明に従う精密鋳造用鋳型にあっては、それを構成する精密鋳造用鋳型製造用スタッコ材が、ジルコン粒を含まず、ムライト結晶からなるものであって、その鋳型成分の殆どが、アルミナとシリカとから構成されており、化学組成のコントロールが容易であるところから、鋳造作業後の鋳型の回収粒の再利用が容易であり、また、それを廃棄する際にも、放射性物質を含むジルコン粒を含むものではないところから、そのコストが、ジルコン粒を含むスタッコ材を用いて製造された鋳型に比して、有利に低減され得ることとなるのである。
なお、本発明に従う精密鋳造用鋳型を用いて鋳造される金属溶湯としては、公知の各種のものを、その対象とすることが出来るが、特に、本発明の上記した特徴は、金属溶湯として炭素鋼やCr−Mo鋼、低合金鋼等の溶湯を用いた場合において、より一層有利に発揮され得ることとなる。
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述してきたが、それは、あくまでも例示に過ぎないものであって、本発明は、そのような実施形態に係る具体的な記述によって、何等限定的に解釈されるものでないことが、理解されるべきである。
例えば、上述の実施形態においては、本発明に従う精密鋳造用鋳型は、セラミック・シェルモールド法によって製作されているが、本発明に従う精密鋳造用鋳型製造用スタッコ材は、そのようなセラミック・シェルモールド法以外にも、例えば、容器内に充填した耐火材によるバックアップを行なって鋳造する、ソリッド・モールド法による精密鋳造用鋳型の製造にも、有利に用いられ得るものである。そして、そのようなソリッド・モールド法により得られる精密鋳造用鋳型にあっても、上記したような優れた効果が、同様に実現されるのである。また、そのようなソリッド・モールド法によって精密鋳造用鋳型を製造する際には、本発明に従う精密鋳造用鋳型製造用スタッコ材は、バックアップ用の砂としても、有利に用いられ得るのである。
以下に、本発明の幾つかの実施例を示し、本発明を更に具体的に明らかにすることとするが、本発明が、そのような実施例の記載によって、何等の制約をも受けるものでないことは、言うまでもないところである。また、本発明には、以下の実施例の他にも、更には上記の具体的記述以外にも、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々なる変更、修正、改良等を加え得るものであることが、理解されるべきである。
<実施例1>
Al23 源原料及びSiO2 源原料として、それぞれ、水酸化アルミニウム及び粘土鉱物を用い、それらを粉砕して、常法に従って泥漿を調製した後、その得られた泥漿をスプレードライヤー法にて造粒することにより、球状の造粒物を得た。次いで、かかる得られた造粒物を、種々の焼成温度及び焼成時間にて焼成することによって、各種の見掛気孔率を有する耐火性粒子を作製し、そして、それを篩い分けすることによって、粒子径が0.1〜0.2mmのものを取り出し、下記表1に示される如き見掛気孔率を有する各種の耐火性粒子A〜Hを得た。また、そのような耐火性粒子について、化学分析及びX線回折測定による結晶相の同定を行なったところ、Al23 :60.2重量%、SiO2 :34.3重量%及びその他の酸化物:5.5重量%からなり、且つ実質的にムライト結晶からなるものであることが確認された。そして、かかる作製された耐火性粒子A〜Hについて、それぞれ、以下の試験を行なった。
−付着性試験−
バインダとして、コロイダルシリカの30重量%と、骨材として、ムライト粒(Al23 :71.0重量%、SiO2 :26.5重量%、最大粒径:45μm)の70重量%とを混合、懸濁せしめることにより、スラリーを作製した後、かかるスラリー中に、略矩形状の蝋型(横35mm×縦150mm×高さ10mm)をディッピングした。そして、上記で作製された耐火性粒子を、かかるスラリーで被覆された蝋型に対して、スタッコイングした。次いで、かかるスタッコイングされた蝋型を乾燥した後、蝋型の角部における耐火性粒子の付着漏れの有無を、目視にて観察し、付着漏れがひどい場合を×、付着漏れが僅かにある場合を△、付着漏れがない場合を○として、付着性の評価を行なった。その結果を、下記表1に併せて示す。
−耐摩耗性試験−
容量3Lの磁器製ミル中に、10mmφの磁器製ボールの500gを投入し、そこに、上記で作製された耐火性粒子の1kgを加えて、回転数:20rpmにて、30分間のミルの回転を行なった。その後、ミル内の耐火性粒子を取り出して、篩い分けを行なうことにより、0.1mmよりも小さな粒径に粉砕された粒子の重量を求め、その重量比(0.1mm未満の粒径に粉砕された粒子の重量(kg)/1kg×100)から、摩耗率(%)を求めた。その結果を、下記表1に併せて示す。
Figure 0005753754
かかる表1の結果から明らかなように、耐火性粒子A〜Hにおいて、その見掛気孔率が高くなることにより、耐火性粒子の付着性が改善されていることが分かる。また、スタッコ材として、実用的に使用可能な、摩耗率が10%以下である耐火性粒子は、その見掛気孔率が14%程度であることも認めることが出来る。
また、鋳型軽量化の比較として、ジルコン粒と上記の耐火性粒子D、E及びGとを、それぞれ、粒度:0.1〜0.2mmに揃えて、それぞれの体積充填度を測定した結果、ジルコン粒は2.96g/cm3 であったのに対して、球状粒子D、E及びGは、それぞれ、1.71g/cm3 、1.60g/cm3 及び1.52g/cm3 となり、それら球状粒子D、E及びGを用いることによって、それぞれ、鋳型の有効な軽量化を図り得ることが明らかとなった。
<実施例2>
先ず、Al23 源原料及びSiO2 源原料からなる、ムライト結晶を形成し得る耐火物原料を粉砕、混合して泥漿を調製し、スプレードライヤー法にて球状の造粒物を造粒した後、得られた造粒物をロータリーキルン内で焼成せしめ、更にその焼成物をジョークラッシャー及びロールブレーカーを用いて解砕し、篩い分けすることによって、下記表2に示される如き化学組成、見掛気孔率、嵩比重、粒子形状を有する耐火性の球状粒子(耐火性多孔質球状粒子)No.1を、精密鋳造用鋳型製造用スタッコ材として準備した。また、耐火物原料及びその配合割合並びに焼成条件等を変化させることによって、下記表2に示される如き種々の化学組成及び見掛気孔率、嵩比重を有する耐火性の球状粒子(耐火性多孔質球状粒子)No.2〜4及びNo.11〜13を、それぞれ準備した。
さらに、スタッコ材として、上記耐火性粒子と共に、或いはそれに代えて用いられる、その他のアルミナ/シリカ系粒子として、表2に示される如き化学組成及び見掛気孔率を有するムライト粒、アルミナ粒、シャモット粒及び溶融シリカ粒を、篩い分けにより、所定の粒度において得た。また、回収粒No.5及びNo.6は、それぞれ、後述する鋳型3及び4において作製された鋳型を、ジョークラッシャー及びロールブレーカーにて解砕することによって、得られたものである。
なお、それら準備された各粒子の化学組成は、X線回折測定による結晶相の同定を行なうことによって求められたものであり、またX線回折測定の結果から、球状粒子No.1〜No.4は、何れも、ムライト結晶から主として構成されているものであることを確認した。更に、球状粒子No.11の主結晶鉱物はムライト結晶であり、また球状粒子No.12及び13は、ムライト及びコランダムの混合結晶であることを認めた。
さらに、各粒子の見掛気孔率(%)は、JIS−R−2205(1992)「耐火れんがの見掛気孔率・吸水率・比重の測定方法」に準じて求められたものである。
Figure 0005753754
次いで、精密鋳造用鋳型製造用スラリーに懸濁せしめられる骨材として、ムライト粒、溶融シリカ粒、アルミナ粒、回収粒No.6を、それぞれ、粉砕し、篩い分けることによって、45μm以下又は100μm以下の粒子とし、それを、単独で又は組み合わせて、それぞれ、バインダとしてのコロイダルシリカに混合、懸濁せしめることにより、各種の精密鋳造用鋳型製造用スラリーを調製した。なお、スラリー中における骨材の全含有量は、70重量%とし、またコロイダルシリカの含有量は、30重量%とした。
−鋳型1−
略矩形状の蝋型(横35mm×縦150mm×高さ10mm)を用意し、それを、下記表3に示される組成のスラリー中にディッピングした。次いで、蝋型を被覆するスラリーが乾かないうちに、上記で準備された粒度が0.1〜0.2mmの球状粒子No.1をスタッコイングし、その後、40℃で120分間の乾燥を行なうことにより、第1層(最内層)のセラミックコーティング層を形成した。
次いで、その得られた第1層のセラミックコーティング層が形成されてなる蝋型に対して、更に、前記第1層形成の場合と同様なスラリーを用い、またスタッコ材として、球状粒子No.1の粒度の異なる(0.1〜0.3mm)ものを用いること以外は、第1層のセラミックコーティング層の形成の場合と同様にして、ディッピング、スタッコイング及び乾燥を行なった。そして、それを3回繰り返すことにより、第2層〜第4層のセラミックコーティング層を積層形成した。
さらに、上記で得られた4層のセラミックコーティング層の形成せしめられた蝋型に対して、コロイダルシリカ中に骨材として溶融シリカ粒が分散されてなるスラリーを用い、またスタッコ材として、粒度の異なる(0.2〜0.5mm)球状粒子No.1を用いること以外は、第1層のセラミックコーティング層の形成の場合と同様にして、ディッピング、スタッコイング及び乾燥を行なった。そして、それを4回繰り返すことにより、第5層〜第8層のセラミックコーティング層を積層形成した。
その後、かかる8層のセラミックコーティング層が積層、形成された蝋型を、900℃で5分間加熱することにより、蝋型を溶融、除去せしめ、次いで、その蝋型の除去されたセラミックコーティング層を、1100℃で90分間焼成することにより、8層のセラミックシェル層から一体的に構成された鋳型壁を有する鋳型1を得た。
そして、その得られた鋳型1内に、1650℃の鋳込み温度で、300系ステンレスの溶湯を鋳込み、溶湯の凝固後、型ばらしを行ない、粒度#100のコランダム粒子にてサンドブラストをかけることにより、砂落しをして、鋳物1を得た。
かくして得られた鋳物1について、鋳型1との寸法差〔(供試品の縦長さ−蝋型の縦長さ)/(蝋型の縦長さ)×100〕を、寸法差の一番大きい箇所の寸法を測定することにより、算出した。その結果を、下記表3に併せて示す。
また、鋳物1の表面粗さ(Ra)を、表面粗さ計(株式会社東京精密製、サーフコム)により測定した。得られた結果を、下記表3に併せて示す。
さらに、その得られた鋳物1及びかかる鋳物1の鋳造に用いた鋳型1(セラミックシェル層)を、目視にて観察し、肌荒れや差込み、焼付き、鋳型の切れや割れ等の鋳造欠陥の調べ、表面状況を評価した。その結果を、下記表3に併せて示す。
加えて、鋳型との寸法差、表面粗さ及び鋳造欠陥の有無を総合的に勘案し、鋳物製品として実用上問題がない場合は○とし、問題がある場合は×として、評価を行なった。その結果を、下記表3に併せて示す。
−鋳型2〜5−
第1層〜第8層のセラミックコーティング層を形成するために、各種のスラリー及び各種のスタッコ材を、下記表3に示される組み合わせにおいて用いて、上記鋳型1の場合と同様にして、鋳型2〜5を、それぞれ作製した。次いで、それら鋳型2〜5を用いて、それぞれ、炭素鋼(金属溶湯)の鋳造を、鋳込み温度:1630℃にて行なうことにより、鋳物2〜5を得た。
そして、その得られた鋳物2〜5について、それぞれ、鋳物1と同様にして、鋳型との寸法差、表面状況、表面粗さ(Ra)を測定し、またそれらの結果を基に、総合評価を行なった。それらの結果を、下記表3に併せて示す。
Figure 0005753754
−鋳型6〜10−
第1層〜第8層のセラミックコーティング層の形成のために、下記表4に示される如きスラリーとスタッコ材との組み合わせにて、上記鋳型1の場合と同様にして、目的とする各種の鋳型6〜10を作製した。次いで、それら得られた鋳型6〜10を用いて、それぞれ、金属溶湯:Cr−Mo鋼又は低合金鋼の鋳造を、鋳込み温度:1630℃又は1650℃において実施し、それぞれ、目的とする鋳物6〜10を得た。
そして、それらの鋳物6〜10について、先の鋳物1の場合と同様にして、それぞれ、鋳型との寸法差及び表面性状(表面状況、表面粗さ:Ra)を調べ、更に、それらの結果に基づいて、総合評価を行なった。その結果を、下記表4に併せて示す。
Figure 0005753754
−鋳型11〜16−
第1層〜第8層のセラミックコーティング層を形成するために、下記表5に示される如き各種のスラリー及び各種のスタッコ材を組み合わせて用い、先の鋳型1の場合と同様にして、それぞれ、目的とする鋳型11〜16を作製した。次いで、それら得られた鋳型11〜16を用いて、金属溶湯(炭素鋼又はCr−Mo鋼)の鋳造を、鋳込み温度:1630℃において実施することにより、それぞれ、鋳物11〜16を得た。
そして、それら得られた鋳物11〜16について、それぞれ、先の鋳物1と同様にして、鋳型との寸法差及び表面性状(表面状況及び表面粗さ:Ra)を調べ、更に、それらの結果に基づいて、総合評価を行なった。それらの結果を、下記表5に併せて示す。
Figure 0005753754
表2及び表3〜表5の対比から明らかなように、第1層(最内層)のセラミックコーティング層(セラミックシェル層)を構成するスタッコ材として、本発明に従う粒度の球状粒子No.1〜No.4を用いて得られた鋳型1〜10にて鋳造された鋳物1〜10にあっては、何れも、鋳型との寸法差が小さく、寸法精度が優れていると共に、鋳肌の表面状況が良好であって、肌荒れや差込み、焼付き等の鋳造欠陥も無い、滑らかで美麗な鋳肌であることが認められた。
また、上記鋳物3を得るために作製された鋳型3を解砕、篩い分けすることによって得られた回収粒No.5、及び上記鋳物4を得るために作製された鋳型4を解砕、篩い分けすることによって得られた回収粒No.6にあっては、鋳型(セラミックシェル層)内にジルコンを含まないものであるところから、鋳型9の第5層〜第8層のセラミックシェル層を構成するスタッコ材の一部として、また、鋳型10の第5層〜第8層のセラミックシェル層を構成するスラリーに混合せしめられる骨材として、何れも、有利に容易に用いられて、またそのような回収粒No.5や回収粒No.6を用いて得られた鋳型9及び鋳型10にあっても、不良の発生は、一切認められなかった。
一方、第1層(最内層)のセラミックシェル層を構成するスタッコ材として、粒子径が0.4mmよりも大きな粒子を含む球状粒子No.1を用いて、得られた鋳型11の鋳造品である鋳物11にあっては、鋳肌の肌荒れが起きていることが認められた。これは、最内層のセラミックシェル層を構成するスタッコ材の粒子径が大き過ぎるために、金属溶湯に接する鋳型壁の表面粗度が大きくなり、それにより、鋳肌の表面粗度が大きくなったためであると考えられる。また、第1層のセラミックシェル層を構成するスタッコ材として、粒子径が0.05mmよりも小さな球状粒子No.1を用いて得られた鋳型12にあっても、それを用いて得られた鋳物12において、鋳肌表面への鋳型の焼付きが認められた。これは、スタッコ材の粒子径が小さ過ぎて、形成される最内層のセラミックシェル層の厚さが薄くなり、金属溶湯に接する鋳型壁の耐火性が不充分となったためであると考えられる。
また、鋳型の第1層(最内層)のセラミックシェル層を構成するスタッコ材として、Al23 の含有量やSiO2 の含有量が、本発明の範囲外となる球状粒子No.11〜13を用いて得られた鋳型13〜15にあっては、それを用いて得られた鋳物13〜15において、鋳肌表面への鋳型の焼付きや鋳型の切れが認められた。それらの問題は、金属溶湯に接する鋳型壁の耐火性が低下したり、鋳型の熱膨張特性が悪化したりしていることが原因となっているものと認められる。
さらに、第1層(最内層)のセラミックシェル層を構成するスタッコ材として、本発明に従う耐火性粒子以外の、その他のアルミナ/シリカ系粒子(ここでは、ムライト粒)が30重量%よりも多い割合において混合せしめられているものを用いて得られた鋳型16にあっては、鋳物16における鋳肌表面への鋳型の焼付きが認められた。これは、最内層のセラミックシェル層を形成するスタッコ材中のその他のアルミナ/シリカ系粒子の割合が増加し、耐火性に優れたムライト結晶からなる耐火性粒子の含有割合が相対的に減少したために、金属溶湯に接する鋳型壁の耐火性が低下したためであると考えられる。

Claims (6)

  1. 鋳型壁が複数のセラミックシェル層にて積層、構成されていると共に、それらセラミックシェル層のうち、金属溶湯に接する最内層が、Al 2 3 :40重量%超、70重量%未満、SiO 2 :30重量%超、60重量%未満、及びその他の酸化物:7重量%未満からなり、且つ粒子径が0.05〜0.4mmであって、見掛気孔率が5〜14%である、ムライト結晶から構成される耐火性の多孔質球状粒子からなるスタッコ材を用いて形成されている一方、該最内層よりも外側の少なくとも一つのセラミックシェル層が、かかる最内層を与えるスタッコ材と同化学組成及び同見掛気孔率の耐火性多孔質球状粒子又はそれに、25重量%以下の割合で、その他のアルミナ/シリカ系粒子を配合せしめてなるものを、スタッコ材として用いて形成されていることを特徴とする精密鋳造用鋳型。
  2. 前記耐火性多孔質球状粒子に対し、更に、その他のアルミナ/シリカ系粒子の少なくとも1種類を、30重量%以下の含有量となる割合において混合せしめてなることを特徴とする請求項1に記載の精密鋳造用鋳型。
  3. 前記耐火性多孔質球状粒子の見掛気孔率が、6.7%以上である請求項1又は請求項2に記載の精密鋳造用鋳型。
  4. 鋳型壁を構成するセラミックシェル層を形成するために用いられるスラリーに、バインダとして、コロイダルシリカ又はエチルシリケートからなる無機バインダが配合されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の精密鋳造用鋳型。
  5. 前記スラリーに、骨材として、アルミナ/シリカ系粒子の少なくとも1種類が懸濁せしめられていることを特徴とする請求項に記載の精密鋳造用鋳型。
  6. 請求項乃至請求項の何れか1項に記載の精密鋳造用鋳型を解砕し、篩い分けして得られる回収粒が、前記アルミナ/シリカ系粒子に代えて、或いはそれと共に、用いられていることを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項に記載の精密鋳造用鋳型。
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