JP2015213627A - 超音波用の医療用針 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】穿刺針1の外周面に、針先のテーパカット面1aの最も針基側位置1bに対応して針長方向に長い直線状の溝2を形成するようにして、超音波画像として針の輪郭が太く明確に視認できると共に、穿刺抵抗を低減でき、穿刺痛を低減できるようにした。
【選択図】図1
Description
ところで超音波診断装置は、超音波の発信素子としての超音波振動子から発信された超音波を体内の医療用針に照射し、医療用針からの超音波エコー(反射波)を超音波探触子で受信し、これを画像処理してディスプレイに表示するようにしたものであるが、医療用針の材質がステンレス等の金属製である場合、単純に円筒形状にしたものでは超音波探触子で受信できる超音波エコーが微弱であるため、医療用針をディスプレイ表示することが困難である、という問題がある。
そこで医療用針の外周面に凹溝を円周状に設けたり点在状に設けたりして超音波エコーの明確なディスプレイ表示化を図るようにしたものが知られている(特許文献1、2参照)。しかしながらこれらのものでは、医療用針外周面に穿刺方向の凹凸があるため、穿刺抵抗が生じて穿刺しづらいうえ、穿刺時の痛みが大きく患者の苦痛になる、という問題がある。
そこで針内周面に凹凸を形成するようにして穿刺抵抗が生じないようにすることが提唱されている(特許文献2参照)。
請求項2の発明は、溝は、針先のテーパカット面の最も針基側位置に対応して形成されていることを特徴とする請求項1記載の超音波用の医療用針である。
請求項3の発明は、溝は、溝底が開口していることを特徴とする請求項1または2記載の超音波用の医療用針である。
請求項4の発明は、針内に樹脂チューブが挿入されていることを特徴とする請求項3記載の超音波用の医療用針である。
請求項5の発明は、樹脂チューブには超音波を乱反射するための加工が施されていることを特徴とする請求項4記載の超音波用の医療用針である。
請求項6の発明は、樹脂チューブは針のテーパーカット面が形成された部位まで延長された先端部が形成されたものであり、該チューブ先端部はテーパーカット面から出ないようテーパカット面に沿って傾斜状になっていることを特徴とする請求項4記載の超音波用の医療用針である。
請求項7の発明は、超音波を乱反射するための加工は、樹脂チューブ先端部にも施されていることを特徴とする請求項6記載の超音波用の医療用針である。
請求項8の発明は、針の内周面には、超音波を乱反射するための加工が施されていることを特徴とする請求項3記載の超音波用の医療用針である。
請求項9の発明は、超音波を乱反射するための加工は、テーパーカット面が形成される針先部にも施されていることを特徴とする請求項8記載の超音波用の医療用針である。
請求項10の発明は、溝は樹脂材で埋設されていることを特徴とする請求項3乃至9の何れか1記載の超音波用の医療用針である。
請求項11の発明は、溝の針先端部位は連結されていることを特徴とする請求項3乃至10の何れか1記載の超音波用の医療用針である。
請求項12の発明は、溝の先端は、テーパーカット面よりも針基位置にあることを特徴とする請求項3乃至11の何れか1記載の超音波用の医療用針である。
請求項13の発明は、溝は、溝底が閉塞していることを特徴とする請求項1または2記載の超音波用の医療用針である。
請求項14の発明は、溝は、V溝、U溝または円弧溝であることを特徴とする請求項13記載の超音波用の医療用針である。
請求項15の発明は、テーパカットされる針先部には溝がないことを特徴とする請求項13または14記載の超音波用の医療用針である。
請求項2の発明とすることにより、針先を穿刺する際に、溝がテーパカット面の最後に穿刺されることになるため、途中で穿刺される場合のように引っかかったりするようなことがなく、円滑な穿刺ができることになる。
請求項3の発明とすることにより、医療用針内周面で反射した超音波エコーを溝を通して観測することができ、医療用針の認識を確実なものとすることができる。
請求項4の発明とすることにより、薬液が樹脂チューブを通ることになって薬液が溝から漏れ出ることがないうえ、開口した溝底を通って針内から発生する超音波エコーを樹脂チューブが遮蔽することに寄与するため、溝底が閉塞したものと同等の超音波エコーとなり、白い影の発生が少なく、針の輪郭が太くしっかりとした超音波エコーとなる。
請求項5の発明とすることにより、樹脂チューブに形成の超音波を乱反射するための加工が超音波エコーをより反射することになって確実な視認ができることになる。
請求項6の発明とすることにより、樹脂チューブが針先のテーパーカット面にまで至るため、針先端部における樹脂チューブによる超音波エコーの反射が針材に邪魔されることなく出ることになって視認性の優れたものでありながら、樹脂チューブがテーパー面から出ることがなく、穿刺性が損なわれることがない。
請求項7の発明とすることにより、超音波を乱反射させるための加工が、針材に邪魔されることがない樹脂チューブ先端部にまで施されることになって、より優れた視認性を発揮することができる。
請求項8の発明とすることにより、超音波を乱反射するための加工がテーパーカット面にまで施されていて超音波エコーの反射が優れ視認性の向上が図れることになる。
請求項9の発明とすることにより、超音波を乱反射させるための加工が、針材に邪魔されることがない針先部にまで施されることになって、より優れた視認性を発揮することができる。
請求項10の発明とすることにより、医療用針に溝が形成されていて超音波エコーの視認性を向上できながら、溝が樹脂材で埋設されることになって穿刺性の優れたものになると共に、樹脂材により超音波の乱反射が助長される。
請求項11の発明とすることにより、溝底が開口した溝が形成されながら、該溝の針先端部位が連結されているため、穿刺するときに切り残り部分の発生がなく、確実な穿刺ができることになる。
請求項12の発明とすることにより、テーパカット面に沿った穿刺がなされた後に溝がくることになるため、穿刺が確実なうえ、穿刺抵抗が少なくなる。
請求項13の発明とすることにより、溝底が閉塞しているため、超音波エコーの視認性に優れながら、液漏れがないものとすることができる。
請求項14の発明とすることにより、溝の形成が容易になる。
請求項15の発明とすることにより、テーパカット面に沿った穿刺がなされた後に溝がくることになるため、穿刺が確実なうえ、穿刺抵抗が少なくなる。
因みにこれら溝2、3は、1本に限定されるものではなく、穿刺針1の周回り方向に2本以上の複数本が形成されたものとすることができる。
また前記第五、第六の実施の形態では開口した溝部分針先端のテーパーカット面1aの針孔内周にまで至っているものであるが、このものでは穿刺時に切り残りができるという問題があり、そこで図2(C)に示す第七の実施の形態のようにテーパーカット面1aの針基側位置1bの中途位置まで溝底3cを形成したもの、図2(D)、(E)に示す第八、第九の実施の形態のように溝3が針先のテーパカット面1aを避け、僅かに針基側位置から形成されたものとすることができ、このようにすることで針先による切り残り部位が発生してしまうことを回避することができる。
因みに、溝2、3は、穿刺針1の基端にまで至る長いものとしてもよいが、途中までの長さ(例えば針長の1/2、1/3、2/3等)としてもよく、さらには図2(E)の第九の実施の形態(溝3の場合を記載)のように溝3が間隔を存して複数形成されたものとしてもよい。
凹溝1cを形成する場合に、凹溝1cは針基位置まで至るものとしてもよいが、図4に示されるように中途位置までとしてもよい。さらに穿刺針の内周面に超音波を乱反射させるための加工としては、針長方向に長い凹溝(1本以上複数本でも良い)であってもよく、また格子状の凹溝ものであってもよいのであってその形状は特に限定されない。
さらに樹脂チューブ4を挿入したものとする場合に、図5(C)に示す第十七の実施の形態のように、樹脂材4b(樹脂材4bは樹脂チューブ4と一体でも別体でも良い。)で溝3を塞ぐようにしてもよく、また溝3を塞ぐことを主目的とする場合には、図5(D)に示す第十八の実施の形態のように樹脂材5で溝3を塞ぐようにしてもよい。このようにした場合、溝3を設けたことによる超音波エコーの視認に加えて、針管表面部分に樹脂材4b、5があることで、超音波の乱反射がこの部分で助長されてさらなる視認性の向上が達成できる。
この場合に、樹脂チューブ4の先端部4aはテーパーカット面1aから出ないようテーパー状にし、凹溝4cを先端部4aにまで形成するようにしても勿論よい。
因みに樹脂チューブ4の内周面にする超音波エコー認識のための加工は超音波を乱反射させればよいのであるから、凹溝に限定されず例えばシボ状のものであってもよい。
穿刺針として外径が21G(21ゲージ:外径0.82mm)のものを用意したが、具体的に用意した穿刺針として、比較例としては、市販のシームレス針のままのものを用意し、実験例としては、図1(C)に示す第三の実施の形態に準じるもので、溝幅0.093mm、溝深さ0.041mmの溝底が閉塞している円弧状の溝を形成した穿刺針を用意した。また、人体の代用品として寒天を用意し、該寒天に該当する穿刺針を穿刺した状態の超音波エコーによる画像処理をした写真を図7に示す。図7(A)のものは実験例の穿刺針の超音波エコー写真、図7(B)のものは比較例の穿刺針の超音波エコー写真である。
これらの写真から、比較例のもの(図7(B))は針先部分のみに白い影が存在しており、針管部分を視認することができないが、実験例のもの(図7(A))は針先部分だけでなく、針管部分についても線状の白い影として視認することができることになって、針の方向性をよく確認することができ、超音波用穿刺針として充分に実用性があることが認められる。
1a テーパカット面
1c 凹溝
2 溝
3 溝
4 樹脂チューブ
4c 凹溝
Claims (15)
- 体内に穿刺する超音波用の医療用針であって、該医療用針の外周面に、針長方向に長い直線状の溝が形成されていることを特徴とする超音波用の医療用針。
- 溝は、針先のテーパーカット面の最も針基側位置に対応して形成されていることを特徴とする請求項1記載の超音波用の医療用針。
- 溝は、溝底が開口していることを特徴とする請求項1または2記載の超音波用の医療用針。
- 針内に樹脂チューブが挿入されていることを特徴とする請求項3記載の超音波用の医療用針。
- 樹脂チューブには超音波を乱反射するための加工が施されていることを特徴とする請求項4記載の超音波用の医療用針。
- 樹脂チューブは針のテーパーカット面が形成された部位まで延長された先端部が形成されたものであり、該チューブ先端部はテーパーカット面から出ないようテーパカット面に沿って傾斜状になっていることを特徴とする請求項4記載の超音波用の医療用針。
- 超音波を乱反射するための加工は、樹脂チューブ先端部にも施されていることを特徴とする請求項6記載の超音波用の医療用針。
- 針の内周面には、超音波を乱反射するための加工が施されていることを特徴とする請求項3記載の超音波用の医療用針。
- 超音波を乱反射するための加工は、テーパーカット面が形成される針先部にも施されていることを特徴とする請求項8記載の超音波用の医療用針。
- 溝は樹脂材で埋設されていることを特徴とする請求項3乃至9の何れか1記載の超音波用の医療用針。
- 溝の針先端部位は連結されていることを特徴とする請求項3乃至10の何れか1記載の超音波用の医療用針。
- 溝の先端は、テーパーカット面よりも針基位置にあることを特徴とする請求項3乃至11の何れか1記載の超音波用の医療用針。
- 溝は、溝底が閉塞していることを特徴とする請求項1または2記載の超音波用の医療用針。
- 溝は、V溝、U溝または円弧溝であることを特徴とする請求項13記載の超音波用の医療用針。
- テーパカットされる針先部には溝がないことを特徴とする請求項13または14記載の超音波用の医療用針。
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