JP2015212020A - 筆記具用レフィル及びそれを装着した筆記具 - Google Patents
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Description
また、特許文献5に開示されているように、従来の高分子多孔質体からなるインキ逆流防止栓の場合は、インキ収容筒の内径よりも大きく形成した立方体や直方体等を圧入装着するため、高分子多孔質体を圧縮した状態にする必要があり、インキ収容筒内に配設する時に、インキ収容筒の後端面に引っかかり配設し難く、組立性が煩雑であった。
「1.インキ収容筒の先端に、筆記体を装着し、前記インキ収容筒内に筆記具用インキを直に充填し、該インキの後方に、インキ逆流防止栓を前記インキと離間して配設し、前記インキ収容筒内に少なくとも着色剤、有機溶剤、樹脂からなる筆記具用インキ組成物を含有した筆記具用レフィルであって、前記インキ逆流防止栓が、界面活性剤処理しない繊維収束体であり、かつ、20℃、剪断速度5sec−1におけるインキ粘度が、50000mPa・ s以下であることを特徴とする筆記具用レフィル。
2.前記単繊維の太さが、1〜5デニールであることを特徴とする第1項に記載の筆記具用レフィル。
3.前記繊維収束体が、ポリエステル系繊維であることを特徴とする第1項または第2項に記載の筆記具用レフィル。
4.前記有機溶剤が、少なくともアルコール系溶剤またはグリコールエーテル系溶剤であることを特徴とする第1項ないし第3項のいずれか1項に記載の筆記具用レフィル。
5.前記樹脂が、少なくとも曵糸性付与樹脂を含むことを特徴とする第1項ないし第4項のいずれか1項に記載の筆記具用レフィル。
6.前記着色剤が、少なくとも顔料を含むことを特徴とする第1項ないし第5項のいずれか1項に記載の筆記具用レフィル。
7.前記インキ収容筒の内面に潤滑層を有することを特徴とする第1項ないし第6項のいずれか1項に記載の筆記具用レフィル。
8.前記第1項ないし第7項のいずれか1項からなる筆記具用レフィルを、軸筒内に装着したことを特徴とする筆記具。」
とする。
しかし、単に単繊維を収束一体化してなる繊維収束体を用いるだけでは、インキ逆流によるインキ漏れ防止効果は、十分ではなく、本願発明者は、鋭意検討した結果、前記繊維収束体を界面活性剤処理しないものを用いることが、重要であることを見出した。
このように、前記インキ逆流防止栓を界面活性剤処理しない繊維収束体を用いて、かつ、20 ℃、剪断速度5sec−1におけるインキ粘度が、50000mPa・s以下でとすることで、インキ逆流によるインキ漏れがなく、かつ、インキ追従性が良く、筆跡が良好となる効果が得られる。
なお、前記ポリビニルブチラール樹脂の水酸基量(mol%)とは、ブチラール基(mol%)、アセチル基(mol%)、水酸基(mol%)の 全mol量に対して、水酸基(mol%)の含有率を示すものである。
図1に示す実施例1の筆記具用レフィル1は、ポリプロピレン製のインキ収容筒の内面 をシリコーン系界面活性剤を塗布して潤滑層を形成し、前記インキ収容筒内に実施例1の、20℃、ずり速度5sec−1において20000mPa・sの油性インキ5(0.2g)を充填するとともに、インキ収容筒2の先端に、筆記体としてボールを回転自在に抱持したボールペンチップ3を装着してある。油性インキ及びボールペンチップを装着した後、遠心機にて筆記具用レフィル内の空気を排出し、油性インキの後方で油性インキの後端と離間した位置に、界面活性剤処理していないポリエステル系繊維からなる捲縮加工された単繊維を収束一体化してなる繊維収束体であるインキ逆流防止栓6を配設して本発明の筆記具用レフィル1を得ている。また、筆記具用レフィル1を(株)パイロットコーポレーション製の油性ボールペン(商品名:スーパーグリップ)に装着して、油性ボールペンを作製し筆記試験用紙として筆記用紙JIS P3201を用いて以下の試験及び評価を行った。
尚、ブルックフィールド株式会社製粘度計 ビスコメーター RVDVII+ProCP-52スピンドルを使用して20℃の環境下で剪断速度5sec−1(回転数2.5 rpm)にて実施例1のインキ粘度を測定したところ、インキ粘度=20000mPa・ sであった。
また、膨潤性については、有機溶剤中(フェニルグリコール:ベンジルアルコール=3:2)に前記インキ逆流防止栓を20℃、1時間の条件で浸漬させた後の体積比は、132%であった。
着色剤(染料) 15.0質量%
有機溶剤(ベンジルアルコール) 54.0質量%
有機溶剤(エチレングリコールモノフェニルエーテル) 20.5質量%
ポリビニルブチラール樹脂
(エスレックBH−3、水酸基量:34mol%) 8.0質量%
潤滑剤(リン酸エステル系界面活性剤) 1.0質量%
曳糸性付与樹脂(ポリビニルピロリドン樹脂) 0.5質量%
安定剤(オレイン酸) 1.0質量%
表に示すように、実施例2〜6は、20℃、10kPa加圧において、インキ逆流防止栓を透過する空気流量の異なる複数のインキ逆流防止栓に変更し、インキ配合を変更して、実施例1と同様に実施例2〜6の筆記具用レフィルを作製し、油性ボールペン(商品名:スーパーグリップ)に装着して、油性ボールペンを作製し、以下の試験及び評価を行った。評価の結果は表1に示す通りである。
表に示すように、前記界面活性剤処理していないインキ逆流防止栓や他種類のインキ逆流防止栓に変更した以外は、実施例1と同様に比較例1〜5の筆記具用レフィルを作製し、以下の試験及び評価を行った。評価の結果は表2に示す通りである。
インキ逆流防止栓の後端までインキが含浸していないのもの ・・・◎
インキ逆流防止栓の後端までインキが含浸しているが、インキ漏れがないもの・・・○
インキ漏れが発生したもの ・・・×
筆跡が極めて良好なもの ・・・◎
実用上において気にならない筆跡のもの ・・・○
インキ追従性が悪く、筆跡にカスレがひどいもの ・・・×
組み立て作業性良いもの ・・・○
組み立て作業性悪いもの ・・・×
2 インキ収容筒
3 ボールペンチップ
4 ボール
5 筆記具用油性インキ
6、16 インキ逆流防止栓
L 5.0mm
M 9.0mm
N φ1.85mm
Claims (8)
- インキ収容筒の先端に、筆記体を装着し、前記インキ収容筒内に筆記具用インキを直に充填し、該インキの後方に、インキ逆流防止栓を前記インキと離間して配設し、前記インキ収容筒内に少なくとも着色剤、有機溶剤、樹脂からなる筆記具用インキ組成物を含有した筆記具用レフィルであって、前記インキ逆流防止栓が、界面活性剤処理しない繊維収束体であり、かつ、20℃、剪断速度5sec−1におけるインキ粘度が、50000mPa・ s以下であることを特徴とする筆記具用レフィル。
- 前記単繊維の太さが、1〜5デニールであることを特徴とする請求項1に記載の筆記具用レフィル。
- 前記繊維収束体が、ポリエステル系繊維であることを特徴とする請求項1または2に記載の筆記具用レフィル。
- 前記有機溶剤が、少なくともアルコール系溶剤またはグリコールエーテル系溶剤であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の筆記具用レフィル。
- 前記樹脂が、少なくとも曵糸性付与樹脂を含むことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の筆記具用レフィル。
- 前記着色剤が、少なくとも顔料を含むことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の筆記具用レフィル。
- 前記インキ収容筒の内面に潤滑層を有することを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の筆記具用レフィル。
- 前記請求項1ないし7のいずれか1項からなる筆記具用レフィルを、軸筒内に装着したことを特徴とする筆記具。
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