JP2015210637A - 高速畳込近似装置、高速畳込近似方法、プログラム - Google Patents

高速畳込近似装置、高速畳込近似方法、プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】信号処理に用いる信号の周波数分解能を高めることができる高速畳込近似装置を提供する。
【解決手段】2L個の合成信号周波数変換係数を生成する合成信号周波数特性生成部と、奇数番目の配列を逆変換した結果の虚数部と所定の配列を逆変換した結果とが等しくなるような、所定の配列を奇数成分虚数配列として抽出する奇数成分虚数部抽出部と、偶数番目の配列に平方根ハニング窓を時間領域において適用した場合と等価な周波数領域の処理を実行して偶数成分窓かけ補正配列を取得する偶数成分窓かけ補正部と、奇数成分虚数配列と偶数成分窓かけ補正配列を加算する加算部と、加算された配列、あるいは加算され所定の信号処理を施した配列を逆変換して、時間領域の信号配列を取得する信号処理配列逆変換部と、時間領域の信号配列に平方根ハニング窓を施して、過去の信号配列と重畳する平方根ハニング窓かけ重畳部とを含む。
【選択図】図3

Description

本発明は、デジタル信号とFIR(有限長インパルス応答)フィルタとの畳込演算を近似的に高速に実行する高速畳込近似装置、高速畳込近似方法、プログラムに関する。
デジタル信号と有限長インパルス応答フィルタ(FIRフィルタ)との畳込演算を高速に実行する高速畳込技術は、大規模な畳込演算を必要とする信号処理を効率的に実現する場合に有用である。大規模な畳込演算を必要とする信号処理の例として、音響信号に室内の伝達特性を付与する場合などがある。畳込演算は、例えば非特許文献1に開示されたoverlap-save手法に基づいて実現することができる。
以下、図1を参照して非特許文献1の高速畳込近似装置9について説明する。図1は、非特許文献1の高速畳込近似装置9の構成を示すブロック図である。図1に示すように、非特許文献1の高速畳込近似装置9は、インパルス応答周波数特性保持部101と、入力信号周波数特性保持部102と、合成信号周波数特性生成部103と、合成信号配列逆変換部104と、窓かけ重畳部105を含む。
インパルス応答周波数特性保持部101は、有限の長さL以下のフィルタインパルス応答の配列hの後半に全体として長さ2Lとなる様に零配列を結合して得られる配列に(高速)離散フーリエ変換(FFTまたはDFT)を適用して得た2L個の係数を保持する(ステップS101、以下適宜「ステップ」を省略して表記)。入力信号周波数特性保持部102は、入力信号xの過去2L点に遡り蓄積された配列を、離散周波数変換して得られた2L個の係数を保持する(S102)。次に、合成信号周波数特性生成部103は、有限の長さL以下のフィルタインパルス応答の配列hの後半に全体として長さ2Lとなる様に零配列を結合して得られる配列の離散フーリエ変換に相当する2L個の係数と、過去2L点に遡り蓄積された入力信号xの配列の離散周波数変換に相当する2L個の係数と、を各離散周波数毎に乗算して2L個の合成信号周波数変換係数を生成する(S103)。合成信号配列逆変換部104は、合成信号周波数特性生成部103において生成された合成信号周波数変換係数を、例えば、逆(高速)離散フーリエ変換(IFFT、IDFT)により、逆離散周波数変換する(S104)。窓かけ重畳部105は、合成信号配列逆変換部104から得られる2L点の合成信号の配列に、前半L点を零倍、後半L点を1倍する2L点の窓関数を乗じ、後半L点の合成信号を得、L点過去の入力信号に対して、同様に得られている合成信号の配列の後半L点と結合する(S105)。ステップS105の実行により、出力信号yが得られる。
ここで、図1(非特許文献1)の窓かけ重畳部105のように2L点の合成信号の配列のL点を切り出して、1ステップ過去(Lサンプル過去)の信号と結合して、出力信号を得る場合、合成信号周波数特性の配列に雑音抑圧のような非線形な信号処理を施した場合、上記のLサンプル毎の出力信号のつなぎ目に不連続が生じ、音声信号であれば、異音の発生の原因となる。
このため、特許文献1では、処理のステップをLサンプル間隔ではなく、L/2サンプル間隔で実行した。以下、図2を参照して、特許文献1の高速畳込近似装置8について説明する。図2は、特許文献1の高速畳込近似装置8の構成を示すブロック図である。図2に示すように、特許文献1の高速畳込近似装置8は、図1の高速畳込近似装置9と同じ構成要件として、インパルス応答周波数特性保持部101と、入力信号周波数特性保持部102と、合成信号周波数特性生成部103を含む。特許文献1の高速畳込近似装置8は、図1の高速畳込近似装置9に含まれない構成要件として、奇数成分虚数部抽出部107と、加算部110と、信号処理部106と、信号処理配列逆変換部108と、ハニング窓かけ重畳部109を含む。
インパルス応答周波数特性保持部101、入力信号周波数特性保持部102、合成信号周波数特性生成部103は、前述と同様の動作(S101〜S103)を実行する。
奇数成分虚数部抽出部107は、合成信号周波数変換係数からなる配列において最も低い離散周波数を偶数番目の配列の最初の係数として、合成信号周波数変換係数からなる配列中の奇数番目の離散周波数に対応する係数からなる配列を逆離散周波数変換した結果の虚数部と、所定の配列を逆離散周波数変換した結果とが等しくなるような、所定の配列を奇数成分虚数配列として抽出する(S107)。加算部110は、奇数成分虚数配列と、偶数番目の成分からなる配列を要素毎に加算する(S110)。信号処理部106は、加算された配列を必要に応じて信号処理する(S106)。信号処理部106は、必要に応じた信号処理を行う構成であるため、適宜省略可能である。図2において、信号処理部106は適宜省略可能であることを示すために点線で表している。信号処理配列逆変換部108は、加算された配列、あるいは加算された配列に所定の信号処理を施した配列を逆離散周波数変換して、時間領域の信号配列を取得する(S108)。ハニング窓かけ重畳部109は、取得された時間領域の信号配列に、図8に示すような形状のハニング窓を施して、1ステップ(L/2サンプル)過去の信号配列と重畳する(S109)。
図1の合成信号配列逆変換部104は、2L点の周波数領域の配列を、2L点の時間領域の配列に変換するのに対し、図2に示される信号処理配列逆変換部108は、L点の周波数領域の配列をL点の時間領域の配列に変換する。また、信号処理に伴う両端の不連続性を緩和するため、特許文献1の高速畳込近似装置8は、ハニング窓かけ重畳部109を含む構成とした。前述したように、ハニング窓かけ重畳部109は、図8に示すような形状のハニング窓をL点の時間領域に変換された信号に乗じて、なめらかに1ステップ(L/2サンプル)過去の信号と重畳して信号を出力する。
図2の高速畳込近似装置8は、L点の配列を変換する信号処理配列逆変換部108に整合させるために、合成信号周波数特性の2L点の配列をL点の配列に変換することを目的とし、奇数成分虚数部抽出部107を含む構成としている。
特開2005−63137号公報
J. J. Shynk,"Frequency-domain and multirate adaptive filtering", Signal Processing Magazine, IEEE, Volume:9, Issue: 1, pp.14-37(Date of Publication:Jan. 1992)
ところが、図2に示す構成では、信号配列の両端の不連続性のために、周波数分解能の低い配列に対して、信号処理を施すことになり、信号処理性能の低下を引き起こす場合がある。そこで、本発明では、信号処理に用いる信号の周波数分解能を高めることができる高速畳込近似装置を提供することを目的とする。
本発明の高速畳込近似装置は、合成信号周波数特性生成部と、奇数成分虚数部抽出部と、偶数成分窓かけ補正部と、加算部と、信号処理配列逆変換部と、平方根ハニング窓かけ重畳部とを含む。
合成信号周波数特性生成部は、有限の長さL以下のフィルタインパルス応答の配列hの後半に全体として長さ2Lとなる様に零配列を結合して得られる配列の離散フーリエ変換に相当する2L個の係数と、過去2L点に遡り蓄積された入力信号xの配列の離散周波数変換に相当する2L個の係数と、を各離散周波数毎に乗算して2L個の合成信号周波数変換係数を生成する。奇数成分虚数部抽出部は、合成信号周波数変換係数からなる配列において最も低い離散周波数を偶数番目の配列の最初の係数として、合成信号周波数変換係数からなる配列中の奇数番目の離散周波数に対応する係数からなる配列を逆離散周波数変換した結果の虚数部と、所定の配列を逆離散周波数変換した結果とが等しくなるような、所定の配列を奇数成分虚数配列として抽出する。偶数成分窓かけ補正部は、合成信号周波数変換係数からなる配列中の偶数番目の離散周波数に対応する係数からなる配列に、半周期がLのサイン関数からなる平方根ハニング窓を時間領域において適用した場合と等価な周波数領域の処理を実行して偶数成分窓かけ補正配列を取得する。加算部は、奇数成分虚数配列と、偶数成分窓かけ補正配列を加算する。信号処理配列逆変換部は、加算された配列、あるいは加算された配列に所定の信号処理を施した配列を逆離散周波数変換して、時間領域の信号配列を取得する。平方根ハニング窓かけ重畳部は、取得された時間領域の信号配列に平方根ハニング窓を施して、過去の信号配列と重畳する。
本発明の高速畳込近似装置によれば、信号処理に用いる信号の周波数分解能を高めることができる。
非特許文献1の高速畳込近似装置の構成を示すブロック図。 特許文献1の高速畳込近似装置の構成を示すブロック図。 実施例1の高速畳込近似装置の構成を示すブロック図。 実施例1の高速畳込近似装置の動作を示すフローチャート。 合成信号周波数特性の配列を偶数、奇数番目に分解し、時間領域に変換して、巡回畳込の影響を受けた出力と線形畳込による出力の結合配列を取得する動作について説明する図。 偶数番目の信号系列とサイン窓付きの奇数番目の信号系列により線形畳み込みによる出力を近似する動作について説明する図。 サイン窓付きの線形畳込による出力を近似する動作について説明する図。 ハニング窓関数を例示する図。 平方根ハニング窓関数を例示する図。
図2の合成信号周波数特性生成部103で生成される2L個の要素からなる合成周波数特性の配列を図5に示すように、Y(0),...,Y(2L-1)とすると、この特性の配列を時間領域に変換した場合、L個の巡回畳込の影響を受けた出力yc(0),...,yc(L-1)とL個の線形畳込による出力yl(0),...,yl(L-1)の結合配列が得られる。ここで、所望の信号は線形畳込による出力yl(0),...,yl(L-1)のみであり、巡回畳込の影響を受けた出力yc(0),...,yc(L-1)は、出力信号yを得るにあたり不要である。
線形畳込による出力yl(k),k=0,...,L-1は、合成周波数特性の配列Y(0),...,Y(2L-1)のうち奇数番目の成分を零として逆離散周波数変換することで得られる信号配列a(k) ,k=0,...,L-1と、Y(0),...,Y(2L-1)のうち偶数番目の成分を零として逆離散周波数変換することで得られる信号配列b(k) ,k=0,...,L-1との和であり、
yl(k)=a(k)+b(k)…(式1)
と表すことができる。
式1に従って周波数領域で線形畳込に起因する成分の配列を得るためには、まず前述のa(k),b(k)それぞれを周波数変換したL点の系列を得る必要がある。図6に示すように、a(k)の周波数領域での成分の配列は、偶数番目のL点の配列Y(0),Y(2)...,Y(2L-2)として、直接得ることができる。一方の奇数番目のL点の配列Y(1),Y(3)...,Y(2L-1)からは、直接b(k)の周波数領域での成分の配列を得ることはできない。図2の構成では、奇数成分虚数部抽出部107によって、時間領域において、sw(k)b(k)という、平方根ハニング窓sw(k)のかかったb(k)の周波数領域配列が得られる。つまり、図2の構成では、時間領域において、
yl'(k)=a(k)+sw(k)b(k)…(式2)
と表される信号を周波数領域で近似していることになる。式2をさらに書き換えると、
yl'(k)=a(k)+sw(k)b(k)
= [a(k)+b(k)]+[ sw(k)-1]b(k)
=yl(k)+ [ sw(k)-1]b(k)…(式3)
となる。つまり、推定値yl’(k)は、yl(k)と、その近似誤差(sw(k)-1)b(k)の和として表される。したがって、図2の構成では、時間領域における線形畳込の出力yl(k)の配列を、周波数領域において、近似的に計算していることになる。
通常、雑音抑圧のような非線形な信号処理を周波数領域で実行する場合、まず、処理対象の時間信号からL点の配列を切り出し、その両端の不連続性を解消するために、図9のような、平方根ハニング窓を信号に乗じてから、周波数変換を実行する。そして、信号処理後、逆周波数変換により時間信号の配列に戻した後に、再度、平方根ハニング窓を乗じて、今度は信号処理の出力歪みに起因する不連続性を相殺しながら信号を重畳させる。平方根ハニング窓を処理前と処理後で2回乗じることで、全体としては、完全再構成の性質を有するハニング窓を乗じて重畳したことになり、信号処理を何も施していない場合には、入力信号と出力信号とが完全に一致する。
ところが、図2に示す構成では、信号処理部106に入力される信号は、例え近似であるにせよ、線形畳込の出力信号からL点の配列を切り出して得られる周波数領域の信号配列に相当する。すなわち、線形畳込の出力信号にL点の方形窓を乗じ、周波数変換した信号配列に信号処理を施すことになる。方形窓により切り出された信号配列の周波数変換結果は、信号配列の両端の不連続性のために、一般に、周波数分解能が低くなる。このため、周波数分解能の低い配列に対して、信号処理を施すことになり、信号処理性能の低下を引き起こす。
前述したように、本発明では、図2の構成において信号処理部106に与える信号の周波数分解能を高め、性能向上を図ることを目的とする。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。なお、同じ機能を有する構成部には同じ番号を付し、重複説明を省略する。
以下、図3、図4を参照して、本発明の実施例1の高速畳込近似装置1について説明する。図3は、本実施例の高速畳込近似装置1の構成を示すブロック図である。図4は、本実施例の高速畳込近似装置1の動作を示すフローチャートである。図3に示すように、本実施例の高速畳込近似装置1は、図2の高速畳込近似装置8と同じ、インパルス応答周波数特性保持部101と、入力信号周波数特性保持部102と、合成信号周波数特性生成部103と、奇数成分虚数部抽出部107と、信号処理部106と、信号処理配列逆変換部108を含む。また、本実施例の高速畳込近似装置1は、図2の高速畳込近似装置8に含まれない偶数成分窓かけ補正部111を含む。また、本実施例の高速畳込近似装置1は、図2の高速畳込近似装置8のハニング窓かけ重畳部109の代わりに、平方根ハニング窓かけ重畳部112を含み、図2の高速畳込近似装置8の加算部110の代わりに、加算部113を含む構成である。
本実施例の高速畳込近似装置1のインパルス応答周波数特性保持部101、入力信号周波数特性保持部102、合成信号周波数特性生成部103、奇数成分虚数部抽出部107は、前述したステップS101、S102、S103、S107を前述同様に実行する。次に、偶数成分窓かけ補正部111は、合成信号周波数変換係数からなる配列中の偶数番目の離散周波数に対応する係数からなる配列に、半周期がLのサイン関数からなる平方根ハニング窓を時間領域において適用した場合と等価な周波数領域の処理を実行して偶数成分窓かけ補正配列を取得する(S111)。加算部113は、奇数成分虚数配列と、偶数成分窓かけ補正配列を加算する(S113)。以下、本実施例の高速畳込近似装置1の信号処理部106、信号処理配列逆変換部108は、前述したステップS106(必要に応じて)、S108を実行する。平方根ハニング窓かけ重畳部112は、取得された時間領域の信号配列に平方根ハニング窓を施して、過去の信号配列と重畳する(S112)。
図2の高速畳込近似装置8が、図6のように、線形畳込の出力yl(k)に方形窓を施して切り出したときの周波数変換配列を近似しているのに対し、本実施例の高速畳込近似装置1は、図7に示すように、平方根ハニング窓を施して切り出されたsw(k)yl(k)の周波数配列を近似する構成をとっている。
奇数番目の要素の配列Y(1),Y(3),...,Y(2L-1)については、図2と同様に、奇数成分虚数部抽出部107を適用することで、結果的に、平方根ハニング窓が適用されたsw(k)b(k)の周波数変換に相当する値が得られる。一方、偶数番目の要素の配列Y(0),Y(2),...,Y(2L-2)については、周波数領域内で、近似的に平方根ハニング窓を適用する偶数成分窓かけ補正部111を新たに導入することで、平方根ハニング窓の近似sw’(k)が適用されたsw’(k)a(k)の周波数変換に相当する値を得る。偶数成分窓かけ補正部111と奇数成分虚数部抽出部107から出力される配列を加算部13で加算することで、平方根ハニング窓が施された線形畳込の出力sw(k)yl(k)の周波数変換の近似値を得ることができ、信号処理部106に周波数分解能が向上した信号配列を入力することができる。
信号処理配列逆変換部108によって得られる時間領域の信号配列は、あらかじめ、信号処理前に平方根ハニング窓が施された信号が入力されることと整合させるため、平方根ハニング窓を施して、過去のステップの信号配列と重畳する平方根ハニング窓かけ重畳部112へと入力され、出力信号yが得られる。
<偶数成分窓かけ補正部111>
以下に、偶数成分窓かけ補正部111の具体的な実現方法について説明する。例えば、偶数成分窓かけ補正部111は、偶数番目の要素の配列Y(0),Y(2),...,Y(2L-2)を一旦、L点の逆離散周波数変換によって時間信号の配列に変換し、そこで、平方根ハニング窓sw(k)を適用した後、再び、離散周波数変換によって、周波数領域に変換したものを所望の信号配列として取得することが出来る。しかしながら、この手順に従うと、演算量の増加が避けられない。そのため、偶数成分窓かけ補正部111は、周波数領域において、直接等価な処理を実行するように構成することを考える。厳密に等価な処理は、偶数成分窓かけ補正部111は、平方根ハニング窓sw(k)を離散周波数変換してなる信号配列と、偶数番目の離散周波数に対応する係数からなる配列Y(0),Y(2),...,Y(2L-2)との巡回畳込を実行すればよい。ただし、この場合も、巡回畳込に要する演算量は依然として大きい。そこで、本実施例では、偶数成分窓かけ補正部111は、平方根ハニング窓sw(k)を離散周波数変換してなる信号配列の要素のうち、その大きさが大きい順にK個の要素のみを用いて、偶数番目の離散周波数に対応する係数からなる配列との巡回畳込を実行する(S111)。なお、KをK<Lを充たす整数とし、KはLの10分の1程度とすれば好適である。本実施例の高速畳込近似装置1は、上述のように、偶数成分窓かけ補正部111が、K個の要素に限り巡回畳込を実行することで、演算量の増加を抑えながら、精度の高い近似を実現することができる。
<入力信号周波数特性保持部102>
以下に、入力信号周波数特性保持部102の具体的な実現方法について説明する。例えば、入力信号周波数特性保持部102は、2L点の時間領域の参照信号配列を直接、離散周波数変換してもよい。
また、入力信号周波数特性保持部102は、2L点の時間領域の参照信号配列を、前半のL点と後半のL点の2つに分割し、両者の各要素の和として構成されるL点の配列を離散周波数変換して、偶数番目の周波数領域の配列を得、前半のL点と後半のL点の2つに分割された両者の各要素の差を離散周波数が0.5ポイントシフトされるように変調窓を乗じた後に、L点の離散周波数変換を施すことで、奇数番目の周波数領域の配列を得てもよい。
本実施例の高速畳込近似装置1は、線形畳込を周波数領域において近似的に高速に実行し、後段に続く、周波数領域における非線形な信号処理部と密に結合され、なおかつ、後段の信号処理部106にとって、周波数分解能の高い信号を与えることを可能とした。これにより、信号処理部106に与える信号の周波数分解能を高め、全体として性能向上を図ることができた。
<発明のポイント>
本発明の高速畳込近似装置は、線形畳込を周波数領域で実現する際に、近似対象を、方形窓で切り出された線形畳込出力の周波数信号配列とするのではなく、平方根ハニング窓で切り出された線形畳込出力の周波数領域信号配列とすることで、後段に続き、信号処理部の性能を高く維持する構成を実現している。
平方根ハニング窓で切り出された線形畳込出力の周波数領域信号配列を近似するために、合成信号周波数特性の奇数番目の配列に、逆周波数変換を施すことなく、平方根ハニング窓を適用した時間信号配列の周波数変換配列を得る奇数成分虚数部抽出部107と、合成信号周波数特性の偶数番目の配列に、逆周波数変換を施すことなく、時間領域において平方根ハニング窓を施すのと近似的に等価な処理を実行する偶数成分窓かけ補正部111を設け、奇数成分虚数部抽出部107の出力と偶数成分窓かけ補正部111の出力を加算することで、全体として、平方根ハニング窓によって周波数分解能を向上させた周波数変換配列の生成を可能とした。
上述の各種の処理は、記載に従って時系列に実行されるのみならず、処理を実行する装置の処理能力あるいは必要に応じて並列的にあるいは個別に実行されてもよい。その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能であることはいうまでもない。
また、上述の構成をコンピュータによって実現する場合、各装置が有すべき機能の処理内容はプログラムによって記述される。そして、このプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。
この処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、例えば、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリ等どのようなものでもよい。
また、このプログラムの流通は、例えば、そのプログラムを記録したDVD、CD−ROM等の可搬型記録媒体を販売、譲渡、貸与等することによって行う。さらに、このプログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することにより、このプログラムを流通させる構成としてもよい。
このようなプログラムを実行するコンピュータは、例えば、まず、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、一旦、自己の記憶装置に格納する。そして、処理の実行時、このコンピュータは、自己の記録媒体に格納されたプログラムを読み取り、読み取ったプログラムに従った処理を実行する。また、このプログラムの別の実行形態として、コンピュータが可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することとしてもよく、さらに、このコンピュータにサーバコンピュータからプログラムが転送されるたびに、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することとしてもよい。また、サーバコンピュータから、このコンピュータへのプログラムの転送は行わず、その実行指示と結果取得のみによって処理機能を実現する、いわゆるASP(Application Service Provider)型のサービスによって、上述の処理を実行する構成としてもよい。なお、本形態におけるプログラムには、電子計算機による処理の用に供する情報であってプログラムに準ずるもの(コンピュータに対する直接の指令ではないがコンピュータの処理を規定する性質を有するデータ等)を含むものとする。
また、この形態では、コンピュータ上で所定のプログラムを実行させることにより、本装置を構成することとしたが、これらの処理内容の少なくとも一部をハードウェア的に実現することとしてもよい。

Claims (8)

  1. 有限の長さL以下のフィルタインパルス応答の配列hの後半に全体として長さ2Lとなる様に零配列を結合して得られる配列の離散フーリエ変換に相当する2L個の係数と、過去2L点に遡り蓄積された入力信号xの配列の離散周波数変換に相当する2L個の係数と、を各離散周波数毎に乗算して2L個の合成信号周波数変換係数を生成する合成信号周波数特性生成部と、
    前記合成信号周波数変換係数からなる配列において最も低い離散周波数を偶数番目の配列の最初の係数として、前記合成信号周波数変換係数からなる配列中の奇数番目の離散周波数に対応する係数からなる配列を逆離散周波数変換した結果の虚数部と、所定の配列を逆離散周波数変換した結果とが等しくなるような、前記所定の配列を奇数成分虚数配列として抽出する奇数成分虚数部抽出部と、
    前記合成信号周波数変換係数からなる配列中の偶数番目の離散周波数に対応する係数からなる配列に、半周期がLのサイン関数からなる平方根ハニング窓を時間領域において適用した場合と等価な周波数領域の処理を実行して偶数成分窓かけ補正配列を取得する偶数成分窓かけ補正部と、
    前記奇数成分虚数配列と、前記偶数成分窓かけ補正配列を加算する加算部と、
    前記加算された配列、あるいは前記加算された配列に所定の信号処理を施した配列を逆離散周波数変換して、時間領域の信号配列を取得する信号処理配列逆変換部と、
    前記取得された時間領域の信号配列に前記平方根ハニング窓を施して、過去の信号配列と重畳する平方根ハニング窓かけ重畳部と、
    を含む高速畳込近似装置。
  2. 請求項1に記載の高速畳込近似装置であって、
    前記偶数成分窓かけ補正部が、
    前記平方根ハニング窓を離散周波数変換してなる信号配列と、前記偶数番目の離散周波数に対応する係数からなる配列との巡回畳込を実行する
    高速畳込近似装置。
  3. 請求項1に記載の高速畳込近似装置であって、
    KをK<Lを充たす整数とし、
    前記偶数成分窓かけ補正部が、
    前記平方根ハニング窓を離散周波数変換してなる信号配列の要素のうち、その大きさが大きい順にK個の要素のみを用いて前記偶数番目の離散周波数に対応する係数からなる配列との巡回畳込を実行する
    高速畳込近似装置。
  4. 請求項3に記載の高速畳込近似装置であって、
    前記Kを前記Lの10分の1とする
    高速畳込近似装置。
  5. 有限の長さL以下のフィルタインパルス応答の配列hの後半に全体として長さ2Lとなる様に零配列を結合して得られる配列の離散フーリエ変換に相当する2L個の係数と、過去2L点に遡り蓄積された入力信号xの配列の離散周波数変換に相当する2L個の係数と、を各離散周波数毎に乗算して2L個の合成信号周波数変換係数を生成する合成信号周波数特性生成ステップと、
    前記合成信号周波数変換係数からなる配列において最も低い離散周波数を偶数番目の配列の最初の係数として、前記合成信号周波数変換係数からなる配列中の奇数番目の離散周波数に対応する係数からなる配列を逆離散周波数変換した結果の虚数部と、所定の配列を逆離散周波数変換した結果とが等しくなるような、前記所定の配列を奇数成分虚数配列として抽出する奇数成分虚数部抽出ステップと、
    前記合成信号周波数変換係数からなる配列中の偶数番目の離散周波数に対応する係数からなる配列に、半周期がLのサイン関数からなる平方根ハニング窓を時間領域において適用した場合と等価な周波数領域の処理を実行して偶数成分窓かけ補正配列を取得する偶数成分窓かけ補正ステップと、
    前記奇数成分虚数配列と、前記偶数成分窓かけ補正配列を加算する加算ステップと、
    前記加算された配列、あるいは前記加算された配列に所定の信号処理を施した配列を逆離散周波数変換して、時間領域の信号配列を取得する信号処理配列逆変換ステップと、
    前記取得された時間領域の信号配列に前記平方根ハニング窓を施して、過去の信号配列と重畳する平方根ハニング窓かけ重畳ステップと、
    を含む高速畳込近似方法。
  6. 請求項5に記載の高速畳込近似方法であって、
    前記偶数成分窓かけ補正ステップが、
    前記平方根ハニング窓を離散周波数変換してなる信号配列と、前記偶数番目の離散周波数に対応する係数からなる配列との巡回畳込を実行する
    高速畳込近似方法。
  7. 請求項5に記載の高速畳込近似方法であって、
    KをK<Lを充たす整数とし、
    前記偶数成分窓かけ補正ステップが、
    前記平方根ハニング窓を離散周波数変換してなる信号配列の要素のうち、その大きさが大きい順にK個の要素のみを用いて前記偶数番目の離散周波数に対応する係数からなる配列との巡回畳込を実行する
    高速畳込近似方法。
  8. コンピュータを、請求項1から4の何れかに記載の高速畳込近似装置として機能させるためのプログラム。
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