JP6151213B2 - 反響消去装置、反響消去方法、プログラム - Google Patents

反響消去装置、反響消去方法、プログラム Download PDF

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Description

本発明は、スピーカからマイクロホンへと回り込む反響を消去するための反響消去装置、反響消去方法、プログラムに関する。
反響消去装置は、音声通話において、音響収音装置であるマイクロホンから得られる収録或いは送話信号を入力信号として取得し、このマイクロホンと音響的に結合している、通常は同一室内に設置される音響再生装置であるスピーカへ与える信号を参照信号として取得し、この参照信号に基づいてスピーカから再生される音響信号のマイクロホンヘの混入により生じた先の入力信号内の混入信号、即ち、反響を入力信号から消去して得られる出力信号を伝送相手側に出力する装置である。
この反響消去装置としては、時間領域の信号を周波数領域の信号に変換処理することにより実現するものが提案されている(特許文献1、非特許文献1参照)。特許文献1においては、フィルタバンクにより、時間領域の信号を周波数領域の信号に変換している。非特許文献1においては、高速離散フーリエ変換(FFT、DFT)により周波数領域への変換を実現している。以下、図1を参照して非特許文献1の反響消去装置について説明する。
図1は、非特許文献1に記載のoverlap-save手法による反響消去装置9の構成を示すブロック図である。図1に示すように、非特許文献1の反響消去装置9は、参照信号周波数特性保持部101と、合成信号周波数特性生成部108と、合成信号逆離散周波数変換部120と、不要配列除去部121と、時間領域減算部124と、零配列結合部123と、零配列結合後離散周波数変換部122と、インパルス応答周波数特性推定部106と、推定インパルス応答周波数特性保持部107を含む。
非特許文献1の反響消去装置9においては、反響の伝達経路をL以下の有限長のフィルタインパルス応答hの配列とみなす。このhと音声通話における受話信号に相当する参照信号xとの畳込により混入信号が生成されているものとする。参照信号周波数特性保持部101は、参照信号xの配列から生成した2L個の離散周波数変換係数を保持する(ステップS101、以下適宜「ステップ」を略して表記)。
推定インパルス応答周波数特性保持部107は、音響再生装置と音響収音装置との間の音響的なインパルス応答の離散周波数変換係数の推定値を保持する(S107)。合成信号周波数特性生成部108は、音響再生装置と音響収音装置との間のインパルス応答の離散周波数変換係数の推定値と、音響再生装置に与える再生信号に相当する参照信号xの配列の離散周波数変換係数と、を対応する離散周波数毎に乗算して合成信号周波数変換係数を生成する(S108)。合成信号逆離散周波数変換部120は、合成信号周波数特性生成部108において生成された合成信号周波数変換係数を逆離散周波数変換して、時間領域の信号の合成信号の配列を取得する(S120)。不要配列除去部121は、合成信号逆離散周波数変換部120が生成した時間領域の信号の合成信号の配列の内の不要となる前半L個の配列を切り捨てて、不要部分が除去されたL個の合成信号の配列を取得する(S121)。時間領域減算部124は、不要配列除去部121が生成した不要部分が除去されたL個の合成信号の配列をL個の入力信号dの配列から対応する要素毎に減算してL個の出力信号の配列を取得する(S124)。零配列結合部123は、時間領域減算部124が生成したL個の出力信号の配列の前にL個の零要素配列を結合して出力する(S123)。零配列結合部後離散周波数変換部122は、零要素配列が結合された出力信号の配列を離散周波数変換して、2L個の出力信号の離散周波数変換係数を取得する(S122)。インパルス応答周波数特性推定部106は、零配列結合部後離散周波数変換部122が取得した2L個の出力信号の離散周波数変換係数と、参照信号周波数特性保持部101に保持される2L個の離散周波数変換係数とを入力として、インパルス応答の離散周波数変換係数の推定値を生成する(S106)。生成されたインパルス応答の離散周波数変換係数の推定値は、推定インパルス応答周波数特性保持部107に保持される。反響消去信号としての出力信号yは、ステップS124において得られる時間領域減算部124のL個の出力信号の配列に相当する。
以下、図2を参照して非特許文献1の反響消去装置の変形例について説明する。図2は、図1により図示説明された非特許文献1の反響消去装置9と信号処理部127とを組み合わせた変形例を示すブロック図である。図2に示すように、本変形例の反響消去装置8は、図1の反響消去装置9と同じ、参照信号周波数特性保持部101と、合成信号周波数特性生成部108と、合成信号逆離散周波数変換部120と、不要配列除去部121と、時間領域減算部124と、零配列結合部123と、零配列結合後離散周波数変換部122と、インパルス応答周波数特性推定部106と、推定インパルス応答周波数特性保持部107を含み、さらに図1の反響消去装置9に含まれない、サイン窓かけ部125と、窓かけ後離散周波数変換部126と、信号処理部127と、信号処理後逆離散周波数変換部128と、サイン窓かけ重畳部129を含む。
この場合の信号処理部127は、例えば、雑音除去などの信号処理を実施する。信号処理部127において、周波数領域の信号処理を必要とする場合、図2に示すように、信号処理部127の入力側に、サイン窓かけ部125、窓かけ後離散周波数変換部126が必要となり、信号処理部127の出力側に、信号処理後逆離散周波数変換部128と、サイン窓かけ重畳部129が必要となる。より詳細には、サイン窓かけ部125は、反響消去信号の配列にフレーム長がサイン関数の半周期に相当するサイン窓を乗算する(S125)。窓かけ後離散周波数変換部126は、サイン窓を乗算した反響消去信号の配列を離散周波数変換して、窓かけ後の信号の離散周波数変換係数の配列を取得する(S126)。信号処理部127は、窓かけ後の信号の離散周波数変換係数に、所定の信号処理を実施する(S127)。ステップS127は適宜省略が可能である。信号処理後逆離散周波数変換部128は、減算された配列、あるいは減算された配列にステップS127で所定の信号処理を施した配列を逆離散周波数変換して、時間領域の信号配列を取得する(S128)。サイン窓かけ重畳部129は、時間領域の信号配列にサイン窓を乗算し、同様に過去に窓かけ処理された信号と重畳して出力する(S129)。
信号をフレームとして切り出して処理を行う際、過去に切り出されたフレームと、例えば50%オーバーラップするように切り出すことができる。窓かけして得られる出力は、そのままでは、両端の値が小さく、本来の形状と異なるため、半フレーム過去(50%オーバーラップの場合)の結果と時間インデックスが等しいサンプル同士を足し合わせることで、所望の出力を得ることができる。この場合、得られる出力は、半フレーム分の信号で、もう半フレーム分の信号は、もう1ステップ先の出力と重畳することで取得できる。
離散周波数変換と逆離散周波数変換に必要とされる演算処理量は、反響消去装置全体の演算処理量のうち多くの割合を占める場合が多い。本変形例の反響消去装置8は、窓かけ後離散周波数変換部126、信号処理後逆離散周波数変換部128など、反響消去装置9になかった新たな離散周波数変換、逆変換を行う構成要件を含んでいるため、演算処理量の観点からは、好ましい装置構成とは言えない。
そこで、この観点から装置構成に改良を加えたものとして、特許文献2の反響消去装置が知られている。以下、図3を参照して、特許文献2の反響消去装置について説明する。図3は、特許文献2の反響消去装置7の構成を示すブロック図である。図3に示すように、特許文献2の反響消去装置7は、前述の変形例と同じ、参照信号周波数特性保持部101と、合成信号周波数特性生成部108と、推定インパルス応答周波数特性保持部107と、窓かけ後離散周波数変換部126と、信号処理部127と、信号処理後逆離散周波数変換部128を含む。また、特許文献2の反響消去装置7は、前述の変形例におけるインパルス応答周波数特性推定部106に代えて、偶奇成分分割型インパルス応答周波数特性推定部102を含む。また、特許文献2の反響消去装置7は、前述の変形例におけるサイン窓かけ部125に代えて直流サイン窓かけ部130を含む。特許文献2の反響消去装置7は、前述の変形例におけるサイン窓かけ重畳部129に代えて、逆直流サイン窓かけ重畳部131を含む。また、特許文献2の反響消去装置7は、前述の変形例における時間領域減算部124に代えて、周波数領域減算部111を含む。このほかに、特許文献2の反響消去装置7は、前述の変形例に含まれていない奇数成分虚数部抽出部109と、加算部110を含む。
直流サイン窓かけ部130は、前述したS101により離散周波数に変換される参照信号の配列の要素数の半分の数の要素数をもつ入力信号dの配列にサイン関数に定数(直流成分)を加えた窓(例えば図9)を乗算する処理(直流サイン窓かけ処理)を実行する(S130)。奇数成分虚数部抽出部109は、合成信号周波数変換係数からなる配列において最も低い離散周波数を偶数番目の配列の最初の係数として、合成信号周波数変換係数からなる配列中の奇数番目の離散周波数に対応する係数からなる配列を逆離散周波数変換した結果の虚数部と、所定の配列を逆離散周波数変換した結果とが等しくなるような、所定の配列を奇数成分虚数配列として抽出する(S109)。加算部110は、奇数成分虚数配列と、偶数成分窓かけ補正配列を加算する(S110)。周波数領域減算部111は、加算された配列を、窓かけ後の信号の離散周波数変換係数の配列から減算する(S111)。
偶奇成分分割型インパルス応答周波数特性推定部102は、周波数領域減算部111の出力する配列を誤差として、この誤差を最小化するように、参照信号xの離散周波数変換係数の配列の偶数番目の成分と奇数番目の成分のそれぞれに対応するインパルス応答の離散周波数変換係数の推定値を生成する(S102)。信号処理部127は、周波数領域減算部111の出力する配列を必要に応じて信号処理する(S127)。信号処理部127は、必要に応じた信号処理を行う構成であるため、適宜省略可能である。図3において、信号処理部127は適宜省略可能であることを示すために点線で表している。信号処理後逆離散周波数変換部128は、必要に応じて信号処理された信号の配列を逆離散周波数変換する(S128)。逆直流サイン窓かけ重畳部131は、ステップS130における直流サイン窓とかけ合わせることでサイン関数の半周期の形状を二乗した形状となるような窓を、信号処理後逆離散周波数変換部128から得られる信号列にかけ、同様に過去に窓かけ処理された信号との重畳処理を行い出力信号の配列を得る(S131)。
図3に示す装置構成によれば、反響消去の処理と雑音抑圧等の処理を同一の周波数領域の中で実行可能となるため、離散周波数変換部、逆離散周波数変換部の処理をまとめることができ、効率的な実装が可能となる。
特開平9−116472号公報 特開2005−64844号公報
J. J. Shynk,"Frequency-domain and multirate adaptive filtering", Signal Processing Magazine, IEEE, Volume:9, Issue: 1, pp.14-37(Date of Publication:Jan. 1992)
しかし、図3の構成における信号処理部127に与えられる離散周波数領域の信号配列は、図9に示すような、両端が非零の値をもつ窓関数(例えば、0.5sin((π/L)・k)+0.5)に基づく直流窓かけ部130を経て生成されるため、フレームの両端の不連続性が周波数分析に影響を及ぼすため、信号処理部127の性能が制限される問題がある。そこで本発明では、精度の高い信号処理を実現可能な反響消去装置を提供することを目的とする。
本発明の反響消去装置は、合成信号周波数特性生成部と、奇数成分虚数部抽出部と、偶数成分窓かけ補正部と、加算部と、サイン窓かけ部と、窓かけ後離散周波数変換部と、周波数領域減算部と、誤差補正付偶奇成分分割型インパルス応答周波数特性推定部と、信号処理後逆離散周波数変換部と、サイン窓かけ重畳部とを含む。
合成信号周波数特性生成部は、音響再生装置と音響収音装置との間のインパルス応答の離散周波数変換係数の推定値と、音響再生装置に与える再生信号に相当する参照信号の配列の離散周波数変換係数と、を対応する離散周波数毎に乗算して合成信号周波数変換係数を生成する。サイン窓かけ部は、音響収音装置からの入力信号から有限要素数のサンプル配列を得、サンプル配列の要素数(フレーム長)を半周期とするサイン関数からなるサイン窓をサンプル配列に乗算する。奇数成分虚数部抽出部は、合成信号周波数変換係数からなる配列において最も低い離散周波数を偶数番目の配列の最初の係数として、合成信号周波数変換係数からなる配列中の奇数番目の離散周波数に対応する係数からなる配列を逆離散周波数変換した結果の虚数部と、所定の配列を逆離散周波数変換した結果とが等しくなるような、所定の配列を奇数成分虚数配列として抽出する。偶数成分窓かけ補正部は、合成信号周波数変換係数からなる配列中の偶数番目の離散周波数に対応する係数からなる配列に、サイン窓を時間領域において適用した場合と等価な周波数領域の処理を実行して偶数成分窓かけ補正配列を取得する。加算部は、奇数成分虚数配列と、偶数成分窓かけ補正配列を加算する。窓かけ後離散周波数変換部は、サイン窓を乗算した入力信号の配列を離散周波数変換して、窓かけ後の信号の離散周波数変換係数の配列を取得する。周波数領域減算部は、加算された配列を、窓かけ後の信号の離散周波数変換係数の配列から減算する。誤差補正付偶奇成分分割型インパルス応答周波数特性推定部は、減算された配列を誤差として、誤差を最小化するように、参照信号の離散周波数変換係数の配列の偶数番目の成分と奇数番目の成分のそれぞれに対応するインパルス応答の離散周波数変換係数の推定値を生成する。信号処理後逆離散周波数変換部は、減算された配列、あるいは減算された配列に所定の信号処理を施した配列を逆離散周波数変換して、時間領域の信号配列を取得する。サイン窓かけ重畳部は、時間領域の信号配列にサイン窓を乗算する。
本発明の反響消去装置によれば、精度の高い信号処理を実現できる。
非特許文献1の反響消去装置の構成を示すブロック図。 非特許文献1の反響消去装置の変形例を示すブロック図。 特許文献2の反響消去装置の構成を示すブロック図。 実施例1の反響消去装置の構成を示すブロック図。 実施例1の反響消去装置の動作を示すフローチャート。 合成信号周波数特性の配列を偶数、奇数番目に分解し、時間領域に変換して、巡回畳込の影響を受けた出力と線形畳込による出力の結合配列を取得する動作について説明する図。 偶数番目の信号系列とサイン窓付きの奇数番目の信号系列により線形畳込による出力を近似する動作について説明する図。 サイン窓付きの線形畳込による出力を近似する動作について説明する図。 両端が非零の値をもつ窓関数を例示する図。 両端が零に近づく窓関数を例示する図。 特許文献2の方法で線形畳込による出力の推定値を近似する際に巡回畳込の影響を受けた出力にかけられるとみなされる窓関数を例示する図。
元来、信号処理部127に与えられる離散周波数領域の信号配列を得るには、両端が零に近づく性質を有する窓関数(図10参照、例えばsin((π/L)・k),k=0,…,L-1,L=128)が採用されることが多い。両端が零に近づく性質を有する窓関数は、例えば図2に示した反響消去装置8のサイン窓かけ部125において用いられる。図10のような両端が零に近づく窓を用いることで、周波数変換のために時間領域信号をL点の区間で切り出した際に信号の両端の不連続の影響が緩和され、得られる離散周波数領域の信号配列の周波数分解能が向上し、信号処理部127の性能も向上する。一方、例えば図9(0.5sin(π/L)+0.5, k=0,…,L-1,L=128)に示すように両端が非零の値をもつ窓関数を用いる場合は、信号処理部の性能が最善とならない。
図3の反響消去装置7において、信号処理部127の性能が最善とならない図9のような両端が非零の値をもつ窓関数を用いている理由を以下に示す。反響消去装置7の合成信号周波数特性生成部108で得られる2L個の要素からなる合成周波数特性の配列を、図6に示すように、Y(0),...,Y(2L-1)とすると、この特性の配列を時間領域に変換した場合、L個の巡回畳込の影響を受けた出力yc(0),...,yc(L-1)とL個の線形畳込による出力yl(0),...,yl(L-1)の結合配列が得られる。ここで、消去したい反響信号に対応するのは、線形畳込による出力yl(0),...,yl(L-1)のみであり、巡回畳込の影響を受けた出力yc(0),...,yc(L-1)は、反響消去の精度を劣化させる要因となる。yl(k),k=0,...,L-1は、Y(0),...,Y(2L-1)のうち奇数番目の成分を零として逆離散周波数変換することで得られる信号配列a(k) ,k=0,...,L-1と、Y(0),...,Y(2L-1)のうち偶数番目の成分を零として逆離散周波数変換することで得られる信号配列b(k) ,k=0,...,L-1との和であり、
yl(k)=a(k)+b(k)…(式1)
と表すことができる。
図3の反響消去装置7の構成は、周波数領域において、反響消去を実行することが特徴であり、所望の反響信号に相当するyl(k)を周波数変換したL点の系列の推定値を周波数領域において直接算出することが問題となる。式1に従って周波数領域の推定値を得るためには、前述のa(k),b(k)それぞれを周波数変換したL点の系列に相当する推定値をまず得る必要がある。図7に示すように、a(k)の周波数領域での推定値は、偶数番目のL点の配列Y(0),Y(2)...,Y(2L-2)として、直接得ることができる。一方の奇数番目のL点の配列Y(1),Y(3)...,Y(2L-1)からは、直接b(k)の周波数領域での推定値を得ることはできない。図3の構成では、奇数成分虚数部抽出部109によって、時間領域において、sw(k)b(k)という、サイン窓sw(k)のかかったb(k)の周波数領域配列が得られる。つまり、図3の構成では、時間領域において、
yl'(k)=a(k)+sw(k)b(k)…(式2)
と表される信号を周波数領域で推定していることになる。式2をさらに書き換えると、
yl'(k)=a(k)+sw(k)b(k)
=[0.5+0.5sw(k)][a(k)+b(k)]+[0.5-0.5sw(k)][a(k)-b(k)]
=[0.5+0.5sw(k)]yl(k)+[0.5-0.5sw(k)]yc(k)…(式3)
となる。但し0.5+0.5sw(k)= 0.5sin(π/L)+0.5(図9),0.5-0.5sw(k)= 0.5-0.5sin(π/L)(図11)であるから、推定値yl’(k)は、図9の形状の窓をかけたyl(k)と、図11の形状の窓をかけたyc(k)との和として表される。このため、図3の構成では、推定対象であるyl(k)にかけられたのと同じ形状の窓を、入力信号dに適用するために、直流サイン窓かけ部130が必要となる。
従って、信号処理部127の性能を高めるために、図10に示すようなサイン窓を入力信号dに適用すると、前段の反響消去性能が低下する問題が生じる。
前述したように、本発明の課題は、入力信号dにサイン窓を適用しても、周波数領域減算部111において精度よく反響消去が実行され、なおかつ、後段の信号処理部127においても精度の高い、信号処理を実現可能な、新たな構成を導き出すことである。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。なお、同じ機能を有する構成部には同じ番号を付し、重複説明を省略する。
以下、図4、図5を参照して、本発明の実施例1の反響消去装置について説明する。図4は、本実施例の反響消去装置1の構成を示すブロック図である。図5は、本実施例の反響消去装置1の動作を示すフローチャートである。図4に示すように、本実施例の反響消去装置1は、図3の反響消去装置7と同じ、参照信号周波数特性保持部101と、合成信号周波数特性生成部108と、推定インパルス応答周波数特性保持部107と、奇数成分虚数部抽出部109と、加算部110と、窓かけ後離散周波数変換部126と、周波数領域減算部111と、信号処理部127と、信号処理後逆離散周波数変換部128を含む。また、本実施例の反響消去装置1は、図3の反響消去装置7の直流サイン窓かけ部130、逆直流サイン窓かけ重畳部131の代わりに、それぞれサイン窓かけ部125、サイン窓かけ重畳部129を含む構成である。サイン窓かけ部125、サイン窓かけ重畳部129は、図2の反響消去装置8に含まれるサイン窓かけ部125、サイン窓かけ重畳部129と同じ性質を持ち、適用される窓の形状は、サイン窓かけ部125、サイン窓かけ重畳部129ともに、図10に示すようなサイン関数の半周期に相当し、両端の値は零である。ただし、本実施例のサイン窓かけ部125、サイン窓かけ重畳部129の位置は、図2の反響消去装置8におけるそれらの構成部の位置と異なっているため注意を要する。詳細には、サイン窓かけ部125は、音響収音装置からの入力信号から有限要素数のサンプル配列を得、サンプル配列の要素数(フレーム長)を半周期とするサイン関数からなるサイン窓をサンプル配列に乗算する(S125)。窓かけ後離散周波数変換部126は、サイン窓を乗算した入力信号の配列を離散周波数変換して、窓かけ後の信号の離散周波数変換係数の配列を取得する(S126)。
また、本実施例の反響消去装置1は、図3の反響消去装置7の偶奇成分分割型インパルス応答周波数特性推定部102の代わりに、誤差補正付偶奇成分分割型インパルス応答周波数特性推定部133を含み、図3の反響消去装置7に含まれない偶数成分窓かけ補正部132を含む。
非特許文献2に示される方法では、図7に示したように、まずyl(k)を周波数領域で近似することを考え、その近似の結果生じる誤差の影響を低減するため、前述のように入力信号dに0.5+0.5sw(k)(直流サイン窓)をかけた後に周波数変換することで対処している。
一方、本実施例の反響消去装置1は線形畳込の出力がサイン関数sw(k)で窓かけされた形、すなわち図8に示すsw(k)yl(k)を直接近似する。奇数番目の要素の配列Y(1),Y(3),...,Y(2L-1)については、図3と同様に、奇数成分虚数部抽出部109を適用することで、結果的に、サイン窓が適用されたsw(k)b(k)の周波数変換に相当する値が得られる。一方、偶数番目の要素の配列Y(0),Y(2),...,Y(‘2L-2)については、周波数領域内で、近似的にサイン窓を適用する偶数成分窓かけ補正部132を新たに導入することで、サイン窓の近似sw’(k)が適用されたsw’(k)a(k)の周波数変換に相当する値を得る。偶数成分窓かけ補正部132と奇数成分虚数部抽出部109から出力される配列を加算部110で加算することで、所望のsw(k)yl(k)の周波数変換の近似値を得ることができ、周波数領域減算部111にて周波数領域において直接反響消去が実行される。具体的には、偶数成分窓かけ補正部132は、合成信号周波数変換係数からなる配列中の偶数番目の離散周波数に対応する係数からなる配列に、サイン窓を時間領域において適用した場合と等価な周波数領域の処理を実行して偶数成分窓かけ補正配列を取得する(S132)。
<偶数成分窓かけ補正部132>
以下に、偶数成分窓かけ補正部132の具体的な実現方法について説明する。例えば、偶数成分窓かけ補正部132は、偶数番目の要素の配列Y(0),Y(2),...,Y(2L-2)を一旦、L点の逆離散周波数変換によって時間信号の配列に変換し、そこで、サイン窓sw(k)を適用(窓かけ補正)した後、再び、離散周波数変換によって、周波数領域に変換したものを所望の信号配列として取得することが出来る。しかしながらこの手順に従うと、演算量の増加が避けられない。そのため、偶数成分窓かけ補正部132を、周波数領域において、直接等価な処理を実行するように構成してもよい。厳密に等価な処理としては、偶数成分窓かけ補正部132は、サイン窓sw(k)を離散周波数変換してなる信号配列と、偶数番目の離散周波数に対応する係数からなる配列Y(0),Y(2),...,Y(2L-2)との巡回畳込を実行すればよい。ただし、この場合も、巡回畳込みに要する演算量は依然として大きい。そこで、本実施例では、偶数成分窓かけ補正部132は、サイン窓sw(k)を離散周波数変換してなる信号配列の要素のうち、その大きさが大きい順にK個の要素のみを用いて偶数番目の離散周波数に対応する係数からなる配列との巡回畳込を実行する(S132)。なお、Lはフレーム長(サンプル配列の要素数)である。Lは、サイン窓sw(k)の長さ(係数の数)に相当する。KをK<Lを充たす整数とする。KはLの10分の1程度とすれば好適である。本実施例の反響消去装置1は、偶数成分窓かけ補正部132が上述のように、K個の要素に限り巡回畳込を実行することで、演算量の増加を抑えながら、精度の高い近似を実現することができる。
誤差補正付偶奇成分分割型インパルス応答周波数特性推定部133は、減算された配列を誤差として、誤差を最小化するように、参照信号の離散周波数変換係数の配列の偶数番目の成分と奇数番目の成分のそれぞれに対応するインパルス応答の離散周波数変換係数の推定値を生成する(S133)。ただし、インパルス応答の離散周波数変換係数の偶数番目の成分と奇数番目の成分それぞれの推定において、前述の誤差配列に対して異なるフィルタ処理を施した後に、最小化の評価を行う。ここで用いられる異なるフィルタは、合成周波数特性の配列の偶数番目と奇数番目の成分にそれぞれ異なる動作(ステップS132、ステップS109)を実行したことに整合するように選定される。
<誤差補正付偶奇成分分割型インパルス応答周波数特性推定部133>
以下に、誤差補正付偶奇成分分割型インパルス応答周波数特性推定部133の実現方法について説明する。
参照信号の離散周波数変換係数をX(l),(l=0,1,…,2L-1)とし、その偶数番目の要素をXe(l),(l=0,1,…,L-1)、奇数番目の要素をXo(l),(l=0,1,…,L-1)とする。また、インパルス応答の離散周波数特性の推定値をH(l),(l=0,1,…,2L-1)とし、その偶数番目の要素をHe(l),(l=0,1,…,L-1)、奇数番目の要素をHo(l),(l=0,1,…,L-1)とする(S133)。さらに、減算部111の出力をE(l), (l=0,1,…,L-1)とする。また*は複素共役を表す記号である。これらを用いて、誤差補正付偶奇成分分割型インパルス応答周波数特性推定部133は、
He(l)=He(l)+Xe*(l)Fe(E(l))
Ho(l)=Ho(l)+jXo*(l)Fo(E(l))…(式4)
とインパルス応答の離散周波数特性の推定値を更新する(S133)。ここで、Fe(E(l))は、誤差E(l) (l=0,1,…,L-1)の配列に対して、近似的に離散周波数を0.5ポイントシフトさせる作用を含む。この作用は、Lより小さい長さのフィルタと誤差E(l) (l=0,1,…,L-1)の配列の巡回畳込によって実現される。離散周波数を0.5ポイントシフトさせる作用は、偶数番目の合成信号周波数特性の配列に、偶数成分窓かけ補正部132を適用することにより、偶数番目の合成信号周波数特性の配列を0.5ポイントシフトさせることと整合させる効果がある。さらに、0.5ポイントシフトされた誤差の配列に対して、時間領域で配列の両端を抑圧する窓かけと等価な効果を持つ周波数領域のフィルタを作用させてもよい。これにより、偶数成分窓かけ補正部132において、時間領域でサイン窓をかける効果を周波数領域で近似的に実現することによる歪みの影響が、時間領域において、主に、配列の両端に現れる問題に対処することができる。
一方、Fo(E(l))は、誤差E(l) (l=0,1,…,L-1)の配列に対して、Fo(E(l))のように0.5ポイントのシフトを作用させる必要はないが、上述の偶数成分窓かけ補正部132の近似歪みの絵影響を除去するフィルタを作用させてもよい。
<参照信号周波数特性保持部101>
参照信号周波数特性保持部101は、2L点の時間領域の参照信号配列を直接、離散周波数変換してもよい。また、2L点の時間領域の参照信号配列を、前半のL点と後半のL点の2つに分割し、両者の各要素の和として構成されるL点の配列を離散周波数変換して、偶数番目の周波数領域の配列を得、前半のL点と後半のL点の2つに分割された両者の各要素の差を離散周波数が0.5ポイントシフトされるように変調窓を乗じた後に、L点の離散周波数変換を施すことで、奇数番目の周波数領域の配列を得てもよい。
本実施例の反響消去装置1は、反響消去装置と、雑音抑圧等を実現する信号処理部との組合せにおいて、反響消去と雑音抑圧等の信号処理とを、周波数領域において一貫して実行することを可能にした。これにより、本実施例の反響消去装置1は、大きな演算量を必要とする周波数変換、逆周波数変換の処理回数を削減し、演算を効率的に実行できる。特に本実施例の反響消去装置1は、周波数変換の前に適用する窓の形状を、両端が零に近づく性質を有するサイン窓を採用できるように構成したため、信号処理部127において、周波数分解能の高い処理を可能とし、なおかつ、サイン窓を用いて周波数変換した場合であっても精度の高い反響消去を可能とした。
<発明のポイント>
本発明の反響消去装置は、サイン窓を適用して周波数変換された入力信号から、精度高く反響信号を消去可能とするために、反響信号の周波数領域での信号配列の推定値の情報を含む合成信号周波数特性から、所望の情報のみを周波数領域において的確に抽出する構成を実現している。
合成信号周波数特性の奇数番目の配列を逆周波数変換すると、複素数の時間配列が得られ、この配列の虚数部にサイン窓を適用した反響信号の推定値の一部が現れる。一方、合成信号周波数特性の奇数番目の配列を逆周波数変換すると、サイン窓を適用していない、反響信号の推定値の一部が実数信号としてそのまま現れる。
本発明の反響消去装置では、合成信号周波数特性の奇数番目の配列に、逆周波数変換を施すことなく、サイン窓を適用した反響信号の推定値の周波数変換配列を得る奇数成分虚数部抽出部109と、合成信号周波数特性の偶数番目の配列に、逆周波数変換を施すことなく、時間領域においてサイン窓を施すのと近似的に等価な処理を実行する偶数成分窓かけ補正部132を設け、加算部110が、奇数成分虚数部抽出部109の出力と偶数成分窓かけ補正部132の出力を加算することで、全体として、サイン窓を適用した反響信号の推定値の周波数変換配列の抽出を可能とした。
上述の各種の処理は、記載に従って時系列に実行されるのみならず、処理を実行する装置の処理能力あるいは必要に応じて並列的にあるいは個別に実行されてもよい。その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能であることはいうまでもない。
また、上述の構成をコンピュータによって実現する場合、各装置が有すべき機能の処理内容はプログラムによって記述される。そして、このプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。
この処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、例えば、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリ等どのようなものでもよい。
また、このプログラムの流通は、例えば、そのプログラムを記録したDVD、CD−ROM等の可搬型記録媒体を販売、譲渡、貸与等することによって行う。さらに、このプログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することにより、このプログラムを流通させる構成としてもよい。
このようなプログラムを実行するコンピュータは、例えば、まず、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、一旦、自己の記憶装置に格納する。そして、処理の実行時、このコンピュータは、自己の記録媒体に格納されたプログラムを読み取り、読み取ったプログラムに従った処理を実行する。また、このプログラムの別の実行形態として、コンピュータが可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することとしてもよく、さらに、このコンピュータにサーバコンピュータからプログラムが転送されるたびに、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することとしてもよい。また、サーバコンピュータから、このコンピュータへのプログラムの転送は行わず、その実行指示と結果取得のみによって処理機能を実現する、いわゆるASP(Application Service Provider)型のサービスによって、上述の処理を実行する構成としてもよい。なお、本形態におけるプログラムには、電子計算機による処理の用に供する情報であってプログラムに準ずるもの(コンピュータに対する直接の指令ではないがコンピュータの処理を規定する性質を有するデータ等)を含むものとする。
また、この形態では、コンピュータ上で所定のプログラムを実行させることにより、本装置を構成することとしたが、これらの処理内容の少なくとも一部をハードウェア的に実現することとしてもよい。

Claims (8)

  1. 音響再生装置と音響収音装置との間のインパルス応答の離散周波数変換係数の推定値と、前期音響再生装置に与える再生信号に相当する参照信号の配列の離散周波数変換係数と、を対応する離散周波数毎に乗算して合成信号周波数変換係数を生成する合成信号周波数特性生成部と、
    前期音響収音装置からの入力信号から有限要素数のサンプル配列を得、前記サンプル配列の要素数(フレーム長)を半周期とするサイン関数からなるサイン窓を前記サンプル配列に乗算するサイン窓かけ部と、
    前記合成信号周波数変換係数からなる配列において最も低い離散周波数を偶数番目の配列の最初の係数として、前記合成信号周波数変換係数からなる配列中の奇数番目の離散周波数に対応する係数からなる配列を逆離散周波数変換した結果の虚数部と、所定の配列を逆離散周波数変換した結果とが等しくなるような、前記所定の配列を奇数成分虚数配列として抽出する奇数成分虚数部抽出部と、
    前記合成信号周波数変換係数からなる配列中の偶数番目の離散周波数に対応する係数からなる配列に、前記サイン窓を時間領域において適用した場合と等価な周波数領域の処理を実行して偶数成分窓かけ補正配列を取得する偶数成分窓かけ補正部と、
    前記奇数成分虚数配列と、前記偶数成分窓かけ補正配列を加算する加算部と、

    前記サイン窓を乗算した入力信号の配列を離散周波数変換して、窓かけ後の信号の離散周波数変換係数の配列を取得する窓かけ後離散周波数変換部と、
    前記加算された配列を、前記窓かけ後の信号の離散周波数変換係数の配列から減算する周波数領域減算部と、
    前記減算された配列を誤差として、前記誤差を最小化するように、前記参照信号の離散周波数変換係数の配列の偶数番目の成分と奇数番目の成分のそれぞれに対応する前記インパルス応答の離散周波数変換係数の推定値を生成する誤差補正付偶奇成分分割型インパルス応答周波数特性推定部と、
    前記減算された配列、あるいは前記減算された配列に所定の信号処理を施した配列を逆離散周波数変換して、時間領域の信号配列を取得する信号処理後逆離散周波数変換部と、
    前記時間領域の信号配列に前記サイン窓を乗算するサイン窓かけ重畳部と、
    を含む反響消去装置。
  2. 請求項1に記載の反響消去装置であって、
    前記偶数成分窓かけ補正部が、
    前記サイン窓を離散周波数変換してなる信号配列と、前記偶数番目の離散周波数に対応する係数からなる配列との巡回畳込を実行する
    反響消去装置。
  3. 請求項1に記載の反響消去装置であって、
    Lを前記フレーム長とし、KをK<Lを充たす整数とし、
    前記偶数成分窓かけ補正部が、
    前記サイン窓を離散周波数変換してなる信号配列の要素のうち、その大きさが大きい順にK個の要素のみを用いて前記偶数番目の離散周波数に対応する係数からなる配列との巡回畳込を実行する
    反響消去装置。
  4. 請求項3に記載の反響消去装置であって、
    前記Kを前記Lの10分の1とする
    反響消去装置。
  5. 音響再生装置と音響収音装置との間のインパルス応答の離散周波数変換係数の推定値と、音響再生装置に与える再生信号に相当する参照信号の配列の離散周波数変換係数と、を対応する離散周波数毎に乗算して合成信号周波数変換係数を生成する合成信号周波数特性生成ステップと、
    前期音響収音装置からの入力信号から有限要素数のサンプル配列を得、前記サンプル配列の要素数(フレーム長)を半周期とするサイン関数からなるサイン窓を前記サンプル配列に乗算するサイン窓かけステップと、
    前記合成信号周波数変換係数からなる配列において最も低い離散周波数を偶数番目の配列の最初の係数として、前記合成信号周波数変換係数からなる配列中の奇数番目の離散周波数に対応する係数からなる配列を逆離散周波数変換した結果の虚数部と、所定の配列を逆離散周波数変換した結果とが等しくなるような、前記所定の配列を奇数成分虚数配列として抽出する奇数成分虚数部抽出ステップと、
    前記合成信号周波数変換係数からなる配列中の偶数番目の離散周波数に対応する係数からなる配列に、前記サイン窓を時間領域において適用した場合と等価な周波数領域の処理を実行して偶数成分窓かけ補正配列を取得する偶数成分窓かけ補正ステップと、
    前記奇数成分虚数配列と、前記偶数成分窓かけ補正配列を加算する加算ステップと、
    前記サイン窓を乗算した入力信号の配列を離散周波数変換して、窓かけ後の信号の離散周波数変換係数の配列を取得する窓かけ後離散周波数変換ステップと、
    前記加算された配列を、前記窓かけ後の信号の離散周波数変換係数の配列から減算する周波数領域減算ステップと、
    前記減算された配列を誤差として、前記誤差を最小化するように、前記参照信号の離散周波数変換係数の配列の偶数番目の成分と奇数番目の成分のそれぞれに対応する前記インパルス応答の離散周波数変換係数の推定値を生成する誤差補正付偶奇成分分割型インパルス応答周波数特性推定ステップと、
    前記減算された配列、あるいは前記減算された配列に所定の信号処理を施した配列を逆離散周波数変換して、時間領域の信号配列を取得する信号処理後逆離散周波数変換ステップと、
    前記時間領域の信号配列に前記サイン窓を乗算するサイン窓かけ重畳ステップと、
    を含む反響消去方法。
  6. 請求項5に記載の反響消去方法であって、
    前記偶数成分窓かけ補正ステップが、
    前記サイン窓を離散周波数変換してなる信号配列と、前記偶数番目の離散周波数に対応する係数からなる配列との巡回畳込を実行する
    反響消去方法。
  7. 請求項5に記載の反響消去方法であって、
    Lを前記フレーム長とし、KをK<Lを充たす整数とし、
    前記偶数成分窓かけ補正ステップが、
    前記サイン窓を離散周波数変換してなる信号配列の要素のうち、その大きさが大きい順にK個の要素のみを用いて前記偶数番目の離散周波数に対応する係数からなる配列との巡回畳込を実行する
    反響消去方法。
  8. コンピュータを、請求項1から4の何れかに記載の反響消去装置として機能させるためのプログラム。
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