JP2017191987A - エコー消去装置、その方法、プログラム、及び記録媒体 - Google Patents

エコー消去装置、その方法、プログラム、及び記録媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】適応フィルタの個数が従来技術よりも少なく、初期状態の残留エコーを低減することができるエコー消去装置等を提供する。【解決手段】エコー消去装置は、スピーカからサブマイクロホンまでの距離d1とスピーカからメインマイクロホンまでの距離d2とに応じた係数をサブマイクロホンの出力信号に乗じてエコー成分の推定値を求める乗算部と、メインマイクロホンの出力信号からエコー成分の推定値を減じて誤差信号を求める減算部とを含む。【選択図】図2

Description

本発明は、ハンズフリー通話装置等においてスピーカからマイクロホンへ回り込んだ音(音響エコー)を消去するための技術に関する。
エコー消去装置の従来技術として特許文献1が知られている。
図1は、特許文献1で開示された従来技術のエコー消去装置90の機能ブロック図である。従来技術のエコー消去装置90は、近端話者1の音声をなるべく大きく拾いスピーカ2からの音をなるべく拾わないように配置されたメインマイクロホン3と、スピーカ2からの音をなるべく大きく拾い近端話者1の音声をなるべく拾わないように配置されたサブマイクロホン4を用いる。これは話者方向を向いた指向性マイクロホン、スピーカ方向を向いた指向性マイクロホン等で実現される。サブマイクロホン4に接続された第一適応フィルタ部5と、スピーカ2の再生信号が入力される第二適応フィルタ部6との2つの適応フィルタを用いてエコーを消去する。第一適応フィルタ部5は、サブマイクロホン4の出力信号と減算部7の出力値である誤差信号とを用いて、第1の疑似エコー信号を生成する。第二適応フィルタ部6は、スピーカ2の再生信号と誤差信号とを用いて第2の疑似エコー信号を生成する。加算部8は、第1の疑似エコー信号と第2の疑似エコー信号とを用いて第3の疑似エコー信号を求める。減算部7は、メインマイクロホン3の出力信号から第3の疑似エコー信号を減算して、誤差信号を求める。
特開2011−160429号公報
しかしながら、従来技術のエコー消去装置90では、3つの問題がある。一つ目は、近端話者1の音をなるべく大きく拾い、スピーカ2の音をなるべく拾わないメインマイクロホン3を利用する必要があるため、メインマイクロホン3から見てスピーカ2の方向の音を拾いにくくなり、その方向に近端話者1がいるような場合に近端話者1の音声が小さくなってしまうという問題である。二つ目は適応フィルタを2つ(第一適応フィルタ部5及び第二適応フィルタ部6)用いているため演算量が多いことである。三つ目は、第一適応フィルタ部5及び第二適応フィルタ部6の適応フィルタが学習されていない初期状態の残留エコーが大きいことである。
本発明は、適応フィルタの個数が特許文献1の従来技術よりも少なく、初期状態の残留エコーを低減することができるエコー消去装置、その方法、プログラム、及び記録媒体を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様によれば、エコー消去装置は、スピーカからサブマイクロホンまでの距離d1とスピーカからメインマイクロホンまでの距離d2とに応じた係数をサブマイクロホンの出力信号に乗じてエコー成分の推定値を求める乗算部と、メインマイクロホンの出力信号からエコー成分の推定値を減じて誤差信号を求める減算部とを含む。
上記の課題を解決するために、本発明の他の態様によれば、エコー消去装置は、スピーカからサブマイクロホンまでの伝達特性とスピーカからメインマイクロホンまでの伝達特性とに応じた係数をサブマイクロホンの出力信号に乗じてエコー成分の推定値を求めるフィルタリング部と、メインマイクロホンの出力信号からエコー成分の推定値を減じて誤差信号を求める減算部とを含む。
上記の課題を解決するために、本発明の他の態様によれば、エコー消去方法は、スピーカからサブマイクロホンまでの距離d1とスピーカからメインマイクロホンまでの距離d2とに応じた係数をサブマイクロホンの出力信号に乗じてエコー成分の推定値を求める乗算ステップと、メインマイクロホンの出力信号からエコー成分の推定値を減じて誤差信号を求める減算ステップとを含む。
上記の課題を解決するために、本発明の他の態様によれば、エコー消去方法は、スピーカからサブマイクロホンまでの伝達特性とスピーカからメインマイクロホンまでの伝達特性とに応じた係数をサブマイクロホンの出力信号に乗じてエコー成分の推定値を求めるフィルタリングステップと、メインマイクロホンの出力信号からエコー成分の推定値を減じて誤差信号を求める減算ステップとを含む。
本発明によれば、近端話者の音声が小さくならず、適応フィルタの個数が特許文献1の従来技術よりも少なく、初期状態の残留エコーを低減することができるという効果を奏する。
従来技術に係るエコー消去装置の機能ブロック図。 第一実施形態に係るエコー消去装置の機能ブロック図。 第一実施形態に係るエコー消去装置の処理フローの例を示す図。 第一実施形態の変形例に係るエコー消去装置の機能ブロック図。 第三実施形態に係るエコー消去装置の機能ブロック図。 第三実施形態に係るエコー消去装置の処理フローの例を示す図。 第四実施形態に係るエコー消去装置の機能ブロック図。
以下、本発明の実施形態について、説明する。なお、以下の説明に用いる図面では、同じ機能を持つ構成部や同じ処理を行うステップには同一の符号を記し、重複説明を省略する。
<第一実施形態のポイント>
図2は第一実施形態に係るエコー消去装置100の機能ブロック図を、図3はその処理フローの例を示す。エコー消去装置100は、第二適応フィルタ部106と、加算部108と、乗算部109と、減算部107とを含む。
エコー消去装置100は、スピーカ102の再生信号x(t)と、メインマイクロホン103の出力信号y2(t)と、サブマイクロホン104の出力信号y1(t)とを入力とし、メインマイクロホン103の出力信号y2(t)からエコー成分を消去した誤差信号e(t)を出力する。ただし、tは離散的時刻を表す。
本実施形態では、スピーカ102に近い位置に配置されたサブマイクロホン104と、サブマイクロホン104よりもスピーカ102から遠い位置に配置されたメインマイクロホン103の2つのマイクロホンを用いる。自由空間に均等に放射される音は、距離に反比例して振幅が小さくなる。スピーカ102からサブマイクロホン104までの距離をd1、スピーカ102からメインマイクロホン103までの距離をd2とすれば、サブマイクロホン104で観測される音(スピーカ102で再生された音)の振幅P1と、メインマイクロホン103で観測される音(スピーカ102で再生された音)の振幅P2の関係は以下で示される。
P1=d2/d1・P2 (1)
この関係を利用して、スピーカ102から直接メインマイクロホン103に到達する音(直接音)を推定して、メインマイクロホン103の出力信号y2(t)から減算する。サブマイクロホン104の出力信号y1(t)に、メインマイクロホン103とサブマイクロホン104との配置から算出される固定係数αを乗じ、メインマイクロホン103の出力信号y2(t)から減算部107で減算する。固定係数αは、例えばスピーカ102からサブマイクロホン104までの距離d1をスピーカ102からメインマイクロホン103までの距離d2で割った値(d1/d2)が設定される。また、この係数は実験的に減算部107の出力値である誤差信号e(t)に含まれるエコーが最小となるように設定してもよい。
減算部107の出力値である誤差信号e(t)には、部屋の反響成分などのエコー成分が残留しているので、スピーカ102の再生信号x(t)を入力とする第二適応フィルタ部106を用いて、残留エコーを推定し、メインマイクロホン103の出力信号y2(t)から減算部107で減算し、消去する。ただし、この第二適応フィルタ部106は省略されてもよい。
このような構成により、サブマイクロホン104の出力信号y1(t)に固定係数(減算係数)αを乗じてメインマイクロホン103の出力信号y2(t)から減算するという演算量の非常に少ない処理で、エコーの直接音成分を除去することが可能である。また、あらかじめ既知の情報で減算係数を設定しているので、初期状態からエコー除去が可能である。また、スピーカ102からサブマイクロホン104までの距離をd1が、スピーカ102からメインマイクロホン103までの距離をd2に比べ十分短く設定すれば、減算係数は1よりも大幅に小さい値となり、近端話者1の音声成分に対する影響がほとんどなくなる。例えばメインマイクロホン103として無指向性のマイクロホンを用いていれば、全方位均一に集音できる。また、本実施形態は、エコーの直接音成分に対して効果があることから、スピーカ102とメインマイクロホン103との距離が短い小型のハンズフリー装置に対して特に効果が高い。例えば、ハンズフリー通話専用のハンズフリー装置であってもよいし、スピーカの近くにサブマイクロホンを設け、スピーカから相対的に遠い位置にメインマイクロホンを設けたスマートフォンやタブレット等をハンズフリー装置として利用することもできる。
<第一実施形態に係るエコー消去装置100>
図2及び図3を用いて、エコー消去装置100の処理内容を説明する。
エコー消去装置100は、スピーカ102の再生信号x(t)と、メインマイクロホン103の出力信号y2(t)と、サブマイクロホン104の出力信号y1(t)とを入力とし、メインマイクロホン103の出力信号y2(t)からエコー成分の推定値を消去した誤差信号e(t)を出力する。
<乗算部109>
乗算部109は、サブマイクロホンの出力信号y1(t)を受け取り、スピーカ102からサブマイクロホン104までの距離d1とスピーカ102からメインマイクロホン103までの距離d2とに応じた係数α(例えば、α=d1/d2)をサブマイクロホンの出力信号y1(t)に乗じてエコー成分の推定値αy1(t)を求め(S1)、出力する。
なお、距離d1,d2、振幅P1、P2は式(1)の関係を満たすのであれば、α=d1/d2となる。しかし、実際には、距離d1,d2以外の様々な要因が式(1)の関係に影響を与えるため、α=d1/d2となるとは限らない。そこで、この係数αは実験的に減算部107の出力値である誤差信号e(t)に含まれるエコー成分が最小となるように設定してもよい。何れにしても、係数αが距離d1と距離d2とに応じた値となる点は変わりない。例えば、α=d1/d2+γであり、γは距離d1,d2以外の要因により変動する値である。
<第二適応フィルタ部106>
第二適応フィルタ部106は、スピーカ102の再生信号x(t)と誤差信号e(t)とを受け取り、これらの値を用いて、メインマイクロホン103の出力信号y2(t)に含まれる残留エコー成分の推定値β(t)を求め(S2)、出力する。
例えば、再生信号x(t)と後述するフィルタ係数H(t)を用いて、次式により、推定値β(t)を求める。
β(t)=H(t)TX(t) (2)
H(t)=(h(0), h(1), ... , h(L-1))T (3)
X(t)=(x(t), x(t-1), ... , x(t-L+1))T (4)
ただし、上付き添え字Tは転置を表し、ATはベクトルAの転置を表す。
ここで、フィルタ係数H(t)は、第二適応フィルタ部106内部の図示しないフィルタ係数更新部において、更新される。例えば、NLMSアルゴリズムを用いる場合には次式によりフィルタ係数H(t)を更新する。
H(t+1)=H(t)+aX(t)e(t)/X(t)TX(t) (5)
0<a<2 (6)
ただし、aはNLMSアルゴリズムのステップサイズを表す。フィルタ係数H(t)の更新方法や求め方はこの方法に限らず、従来の方法を用いればよい。例えば、特許文献1に記載の方法(LMSアルゴリズム、射影アルゴリズム、RLSアルゴリズム等)がある。
<加算部108>
加算部108は、エコー成分の推定値αy1(t)と残留エコー成分の推定値β(t)とを受け取り、その和(αy1(t)+β(t))を求め(S3)、出力する。
<減算部107>
減算部107は、メインマイクロホン103の出力信号y2(t)と和(αy1(t)+β(t))とを受け取り、その差分y2(t)-(αy1(t)+β(t))を求め(S4)、誤差信号e(t)として出力する。
<効果>
以上の構成により、メインマイクロホンから見てスピーカの方向に近端話者がいるような場合であっても、近端話者の音声が小さくならず、適応フィルタの個数が特許文献1の従来技術よりも少なく、初期状態の残留エコーを低減することができる。つまり、任意の指向特性のメインマイクロホンにおいて、高いエコー消去を実現することできる。また、本実施形態では適応フィルタ1つ分の演算量とすることができる。乗算部109では適応フィルタを用いずにエコーを推定するため、適応フィルタの学習前の初期状態における残留エコーを減らすことができる。本実施形態の構成は、特にマイクロホンとスピーカが非常に近い小型のハンズフリー装置の場合の性能向上を実現する。
<変形例>
本実施形態では、第二適応フィルタ部106を設けなくともよい(図4参照)。この場合、加算部108も設けなくともよく、処理S2,S3を省略してもよい。減算部107は、メインマイクロホン103の出力信号y2(t)とエコー成分の推定値αy1(t)とを受け取り、その差分y2(t)-αy1(t)を求め(S4)、誤差信号e(t)として出力する。
本実施形態では、サブマイクロホン104はスピーカ102に近い位置に配置され、メインマイクロホンはスピーカ102から遠い位置に配置されている。例えば、d1=1cm、d2=10cmとすると、α=0.1程度となり、近端話者1の音声成分に対する影響(メインマイクロホン103の出力信号y2(t)に対する影響)はほとんどなくなる。ただし、サブマイクロホン104をスピーカ102から遠い位置に配置し、メインマイクロホンをスピーカ102に近い位置に配置してもよい。誤差信号e(t)=y2(t)-(αy1(t)+β(t))において、αが1以上となるため、得られる誤差信号e(t)の位相が逆になるが、エコーを消去する機能には影響はない。ただし、サブマイクロホン104の出力信号をノイズも含め増幅してしまうため、第一実施形態の配置のほうが望ましい。なお、d1とd2とが同程度の値の場合、αは1前後の値となり、メインマイクロホン103の出力信号y2(t)の大小にかかわらず、誤差信号e(t)=y2(t)-(αy1(t)+β(t))が0前後の値となり、近端話者の音声が小さくなってしまう。そのため、d1とd2との比d1/d2が所定の値pよりも小さいか、または所定の値qよりも大きいことが望ましい。d1がd2の倍、または、d2がd1の倍程度であれば、近端話者の音声を聞き取ることができるため、p<0.5, p>2であることが望ましい。
<第二実施形態>
第一実施形態と異なる部分を中心に説明する。
エコー消去装置100は、第二適応フィルタ部106と、加算部108と、乗算部109と、減算部107とを含み、さらに、遅延部110を含む(図2参照)。
スピーカ102からメインマイクロホン103までの距離をd2から、スピーカ102からサブマイクロホン104までの距離d1を減算した距離を音が進む時間τだけ、サブマイクロホン104の出力を遅延させる機能を追加している。
τ=(d2-d1)/v
ただし、vは音速を表す。
<遅延部110>
遅延部110は、サブマイクロホン104の出力信号y1(t)を受け取り、τ=(d2-d1)/vだけ遅延させて(S9、図3参照)出力する。よって、時刻tにおける遅延させた出力信号はy2(t-τ)である。
<効果>
このような構成とすることで、第一実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、これにより時間差も合わせてから減算することができ、よりエコーの消去性能が高くなる。
なお、本実施形態では、サブマイクロホン104と乗算部109との間に遅延部110を配置しているが、乗算部109と加算部108との間に遅延部110を配置しても同様の効果を得ることができる。
<第三実施形態>
第二実施形態と異なる部分を中心に説明する。
図5は本実施形態に係るエコー消去装置の機能ブロック図を、図6はその処理フローの例を示す。
エコー消去装置100は、第二適応フィルタ部106と、加算部108と、固定フィルタ部111と、減算部107とを含む。つまり、本実施形態に係るエコー消去装置100は、第二実施形態に遅延部110と乗算部109を、FIRフィルタなどを用いてフィルタリングする固定フィルタ部111に置き換えた構成である。
スピーカ102の音の放射特性やメインマイクロホン103,サブマイクロホン104の特性差により、サブマイクロホン104とメインマイクロホン103に到達するエコーの直接音成分の周波数特性に差が出ることが想定される。サブマイクロホン104とメインマイクロホン103との間の、遅延時間差、振幅差、周波数特性の差を、実験やシミュレーションで求め、その特性差を固定フィルタ部111に設定し、固定フィルタ部111の出力をメインマイクロホン103の出力から減算する。
<固定フィルタ部111>
固定フィルタ部111は、サブマイクロホン104の出力信号y1(t)を受け取り、出力信号y1(t)に対して、スピーカ102からサブマイクロホン104までの伝達特性f1,ωとスピーカ102からメインマイクロホン103までの伝達特性f2,ωとに応じた係数αωを乗じてエコー成分の推定値を求め(S111)、出力する。なお、ωは周波数を表すインデックスであり、f1,ωは周波数ωにおけるサブマイクロホン104の伝達特性を、f2,ωは周波数ωにおけるメインマイクロホン103の伝達特性を表す。例えば、周波数ωにおける係数αωをαω=f2,ω/f1,ωとする。
例えば、周波数領域の係数(α1, α2, …,αω,…, αΩ)を時間領域の係数(α(0), α(1,…, α(Ω-1))に変換して、出力信号y1(t), y1(t-1), …,y1(t-Ω+1)に乗じ、総和を求め、エコー成分の推定値とする。つまり、時刻tにおけるエコー成分をb(t)とすると、
b(t)=Σα(m)y1(t-m)
となる。
また、例えば、時間領域の出力信号y1(t)を周波数領域の出力信号y1(1),y1(2),…,y1(ω),…,y1(Ω)に変換し、周波数領域の係数(α1, α2, …,αω,…, αΩ)を周波数ω毎に乗じ、その乗算結果(積)y1(ω)αωを時間領域の信号に変換してもよい。
時間領域の値を周波数領域の値に変更する方法としてはFFT(短時間フーリエ変換)等を用いることができ、周波数領域の値を時間領域の値に変更する方法としては対応する方法(例えばIFFT、逆短時間フーリエ変換)を用いればよい。
なお、係数(α1, α2, …,αω,…, αΩ)(またはこれを時間領域の係数に変換したもの)は、実験やシミュレーションで予め求めておく。
<効果>
このような構成とすることで、遅延時間差、振幅差の差は、係数αωに組み込まれているため、第二実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、周波数特性の差も考慮することができるため、エコー直接音成分の推定精度があがり、エコー消去性能が向上する。
<第四実施形態>
第三実施形態と異なる部分を中心に説明する。
第三実施形態のメインマイクロホン103が、M個のマイクロホン103−mとビームフォーミング部112に置き換わったものである(図7参照)。ただし、m=1,2,…,Mであり、Mは2以上の整数の何れかである。
<M個のマイクロホン103−m及びビームフォーミング部112>
ビームフォーミング部112は、M個のマイクロホン103−mの出力信号を受け取り、ビームフォーミング処理を行い、所定の方向に指向性を有する出力信号y2(t)を求め、出力する。
このようにM個のマイクロホン103−mとビームフォーミング部112を用いることで、様々な指向性を形成することが可能である。このようなビームフォーミングと、本発明を組み合わせた場合は、出力信号y2(t)とサブマイクロホン104の出力信号y1(t)との間のエコーの直接音の遅延時間差、振幅差、周波数特性の差を、実験またはシミュレーションによりあらかじめ推定し、これに基づいて第三実施形態と同様に、固定フィルタのフィルタ係数を設定する。
これによりビームフォーミング技術との併用が可能となる。
なお、本実施形態のビームフォーミングは、マイクマイクロホンの出力を固定のフィルタ係数でフィルタリングし、その出力の総和をとったものを出力とする処理である。
<変形例>
本実施形態では、ビームフォーミング部112をエコー消去装置100の一部としているが、エコー消去装置100はビームフォーミング部112を含まなくともよく、ビームフォーミング処理後の信号を入力としてもよい。
第一実施形態や第二実施形態、その変形例と本実施形態とを組合せてもよい。
<その他の変形例>
本発明は上記の実施形態及び変形例に限定されるものではない。例えば、上述の各種の処理は、記載に従って時系列に実行されるのみならず、処理を実行する装置の処理能力あるいは必要に応じて並列的にあるいは個別に実行されてもよい。その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
<プログラム及び記録媒体>
また、上記の実施形態及び変形例で説明した各装置における各種の処理機能をコンピュータによって実現してもよい。その場合、各装置が有すべき機能の処理内容はプログラムによって記述される。そして、このプログラムをコンピュータで実行することにより、上記各装置における各種の処理機能がコンピュータ上で実現される。
この処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、例えば、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリ等どのようなものでもよい。
また、このプログラムの流通は、例えば、そのプログラムを記録したDVD、CD−ROM等の可搬型記録媒体を販売、譲渡、貸与等することによって行う。さらに、このプログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することにより、このプログラムを流通させてもよい。
このようなプログラムを実行するコンピュータは、例えば、まず、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、一旦、自己の記憶部に格納する。そして、処理の実行時、このコンピュータは、自己の記憶部に格納されたプログラムを読み取り、読み取ったプログラムに従った処理を実行する。また、このプログラムの別の実施形態として、コンピュータが可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することとしてもよい。さらに、このコンピュータにサーバコンピュータからプログラムが転送されるたびに、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することとしてもよい。また、サーバコンピュータから、このコンピュータへのプログラムの転送は行わず、その実行指示と結果取得のみによって処理機能を実現する、いわゆるASP(Application Service Provider)型のサービスによって、上述の処理を実行する構成としてもよい。なお、プログラムには、電子計算機による処理の用に供する情報であってプログラムに準ずるもの(コンピュータに対する直接の指令ではないがコンピュータの処理を規定する性質を有するデータ等)を含むものとする。
また、コンピュータ上で所定のプログラムを実行させることにより、各装置を構成することとしたが、これらの処理内容の少なくとも一部をハードウェア的に実現することとしてもよい。

Claims (8)

  1. スピーカからサブマイクロホンまでの距離d1と前記スピーカからメインマイクロホンまでの距離d2とに応じた係数を前記サブマイクロホンの出力信号に乗じてエコー成分の推定値を求める乗算部と、
    前記メインマイクロホンの出力信号から前記エコー成分の推定値を減じて誤差信号を求める減算部とを含む、
    エコー消去装置。
  2. 請求項1のエコー消去装置であって、
    前記距離d1と前記距離d2との差分に応じて前記サブマイクロホンの出力信号または前記エコー成分の推定値を遅延させる遅延部を含む、
    エコー消去装置。
  3. スピーカからサブマイクロホンまでの伝達特性と前記スピーカからメインマイクロホンまでの伝達特性とに応じた係数を前記サブマイクロホンの出力信号に乗じてエコー成分の推定値を求めるフィルタリング部と、
    前記メインマイクロホンの出力信号から前記エコー成分の推定値を減じて誤差信号を求める減算部とを含む、
    エコー消去装置。
  4. 請求項1から請求項3の何れかのエコー消去装置であって、
    前記メインマイクロホンは、複数のマイクロホンとビームフォーミング部とからなり、
    前記ビームフォーミング部は、前記複数のマイクロホンの出力信号を用いて、ビームフォーミング処理を行い、所定の方向に指向性を有する出力信号を求める、
    エコー消去装置。
  5. スピーカからサブマイクロホンまでの距離d1と前記スピーカからメインマイクロホンまでの距離d2とに応じた係数を前記サブマイクロホンの出力信号に乗じてエコー成分の推定値を求める乗算ステップと、
    前記メインマイクロホンの出力信号から前記エコー成分の推定値を減じて誤差信号を求める減算ステップとを含む、
    エコー消去方法。
  6. スピーカからサブマイクロホンまでの伝達特性と前記スピーカからメインマイクロホンまでの伝達特性とに応じた係数を前記サブマイクロホンの出力信号に乗じてエコー成分の推定値を求めるフィルタリングステップと、
    前記メインマイクロホンの出力信号から前記エコー成分の推定値を減じて誤差信号を求める減算ステップとを含む、
    エコー消去方法。
  7. 請求項1から請求項4の何れかのエコー消去装置としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
  8. 請求項1から請求項4の何れかのエコー消去装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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