JP2015207547A - リチウムイオン電池用セパレータ - Google Patents

リチウムイオン電池用セパレータ Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の課題は、リチウムイオン電池用セパレータに関し、セパレータのピンホールが少なく、該セパレータを用いた電池の安全性が高く、かつ電池のサイクル特性が良好になるセパレータを提供することである。【解決手段】不織布基材に無機顔料を付与してなるリチウムイオン電池用セパレータにおいて、該セパレータが、無機顔料を主体としてなる層、無機顔料と基材繊維が混在してなる層、基材繊維を主体としてなる層がこの順に重なって構成されており、無機顔料を主体としてなる層として、無機顔料としてマグネシウム(Mg)化合物を含有してなるM層を有し、且つ無機顔料を主体としてなる層側の面のエネルギー分散X線分光法によるMg及び炭素(C)の強度ピーク値の比が4.0以上であることを特徴とするリチウムイオン電池用セパレータ。【選択図】なし

Description

本発明は、リチウムイオン電池用セパレータに関する。
リチウムイオン電池(「電池」と記す場合がある)には、極板間の接触を防ぐためのリチウムイオン電池用セパレータ(「セパレータ」と記す場合がある)が用いられている。
セパレータとして従来用いられているポリエチレン又はポリプロピレンからなる多孔性フィルムは、耐熱性が低く、安全上重大な問題を抱えている。すなわち、多孔性フィルムをセパレータとして用いた電池は、内部短絡等の原因で電池内部の局部的な発熱が生じた場合、発熱部位周辺のセパレータが収縮して内部短絡が更に拡大し、暴走的に発熱して発火・破裂等の重大な事象に至ることがある。
このような問題に対し、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の耐熱性の高い繊維からなる不織布にアルミナ等の無機顔料を含有してなる層(「顔料含有層」と記す場合がある)が形成されてなるセパレータが提案されている(例えば、特許文献1〜4参照)。しかし、このセパレータでは、顔料含有層が極板の電位に曝されることで、電気化学反応の生成物が生じ、電池特性、特にサイクル特性を悪化させるという問題があった。また、無機顔料含有層が薄い場合には、セパレータにピンホールが発生し、内部短絡が生じるという問題があった。
特開2007−294437号公報 特表2011−505663号公報 特表2005−536658号公報 国際公開第2013/176276号パンフレット
本発明の課題は、リチウムイオン電池用セパレータに関し、セパレータのピンホールが少なく、該セパレータを用いた電池の安全性が高く、かつ電池のサイクル特性が良好になるセパレータを提供することである。
上記課題を解決するための手段は以下のとおりである。
(1)不織布基材に無機顔料を付与してなるリチウムイオン電池用セパレータにおいて、
該セパレータが、無機顔料を主体としてなる層、無機顔料と基材繊維が混在してなる層、基材繊維を主体としてなる層がこの順に重なって構成されており、
無機顔料を主体としてなる層として、無機顔料としてマグネシウム(Mg)化合物を含有してなるM層を有し、
且つ無機顔料を主体としてなる層側の面のエネルギー分散X線分光法によるMg及び炭素(C)の強度ピーク値の比(Mg/C比)が4.0以上であることを特徴とするリチウムイオン電池用セパレータ。
(2)基材繊維を主体としてなる層側の面のエネルギー分散X線分光法によるMg及びCの強度ピーク値の比(Mg/C比)が1.0×10−1以上1.0未満である上記(1)記載のリチウムイオン電池用セパレータ。
(3)無機顔料を主体としてなる層として、無機顔料としてアルミニウム(Al)化合物を含有してなるA層を更に有し、
且つ無機顔料を主体としてなる層側の面のエネルギー分散X線分光法によるMg及びAlの強度ピーク値の比(Mg/Al比)が20以上であり、
基材繊維を主体としてなる層側の面のエネルギー分散X線分光法によるMg及びAlの強度ピーク値の比(Mg/Al比)が1.0×10−2以上1.0未満である上記(1)記載のリチウムイオン電池用セパレータ。
(4)基材繊維を主体としてなる層側の面のエネルギー分散X線分光法によるAl及びCの強度ピーク値の比(Al/C比)が1.0×10−2以上1.0未満である上記(3)記載のリチウムイオン電池用セパレータ。
本発明によれば、ピンホールが少ないリチウムイオン電池用セパレータが得られ、該セパレータを用いた電池の安全性が高く、かつ電池のサイクル特性が良好になるという効果が得られる。
本発明のリチウムイオン電池用セパレータ(1)は、不織布基材に無機顔料を付与してなるセパレータであり、無機顔料を主体としてなる層(「顔料主体層」と記す場合がある)、無機顔料と基材繊維が混在してなる層(「混在層」と記す場合がある)、基材繊維を主体としてなる層(「繊維主体層」と記す場合がある)がこの順に重なって構成されているセパレータである。また、顔料主体層として、無機顔料としてマグネシウム(Mg)化合物を含有してなるM層を有し、且つ顔料主体層側の面のエネルギー分散X線分光法(Energy Dispersive x−ray Spectroscopy、EDS)によるMg及び炭素(C)の強度ピーク値の比(Mg/C比)が4.0以上であることを特徴とするセパレータである。さらに、本発明のセパレータ(2)のように、繊維主体層側の面のEDSによるMg/C比が1.0×10−1以上1.0未満であることが好ましい。このセパレータ用いた電池は、安全性が高く、サイクル特性が良好になるという効果が達成できる。
本発明のセパレータ(3)は、顔料主体層として、無機顔料としてアルミニウム(Al)化合物を含有してなるA層を更に有し、且つ顔料主体層側の面のEDSによるMg及びAlの強度ピーク値の比(Mg/Al比)が20以上であり、繊維主体層側の面のEDSによるMg/Al比が1.0×10−2以上1.0未満であるセパレータである。また、本発明のセパレータ(4)のように、繊維主体層側の面のEDSによるAl及びCの強度ピーク値の比(Al/C比)が1.0×10−2以上1.0未満であることが好ましい。このセパレータでは、ピンホールが少ないという効果を達成することができる。
エネルギー分散X線分光法(EDS)とは、試料表面に電子線を照射し、その際に発生する原子固有の特性X線をエネルギー分散型検出器にて検出して、そのエネルギーと強度から、試料表面を構成する元素と濃度を調べる元素分析手法である。このエネルギー分散X線分光法を用いた分析装置としては、電界放射型走査電子顕微鏡(日本電子(JEOL)製、装置名:JSM−06700F)などが挙げられる。本発明において、EDSによるMg/C比、Mg/Al比、Al/C比は、JSM−06700Fを使用して加速電圧10kV、倍率40倍の視野を3箇所測定し、得られたMg、Al及びC由来の特性X線のピーク強度(特性X線のカウント数)の比の平均値により求めた。
不織布基材を形成する基材繊維としては、ポリプロピレン(Polypropylene)、ポリエチレン(Polyethylene)等のポリオレフィン(Polyolefin);ポリエチレンテレフタレート(Polyethylene Terephthalate、PET)、ポリエチレンイソフタレート(Polyethylene Isophthalate)、ポリエチレンナフタレート(Polyethylene Naphthalate)等のポリエステル(Polyester);ポリアクリロニトリル(Polyacrylonitrile)等のアクリル(Acryl);6,6ナイロン(6,6Nylon)、6ナイロン(6Nylon)等のポリアミド(Polyamide)等の各種合成繊維が挙げられる。また、木材パルプ、麻パルプ、コットンパルプ等の各種セルロースパルプ;レーヨン(Rayon)、リヨセル(Lyocell)等のセルロース系再生繊維等が挙げられる。これらの中で、耐熱性、低吸湿性等の理由から、ポリエステル及びポリプロピレンの群から選ばれる少なくとも1種の合成繊維を基材繊維として含有してなる不織布基材が好ましい。
基材繊維の好ましい繊維径は、塗工液の物性にも依存するが、1〜8μmの範囲にあることが好ましい。
本発明のセパレータは、不織布基材の片面に無機顔料を含む液(「塗工液」と記す場合がある)を付与して、無機顔料を含有してなる層が形成されることによって得られる。塗工液は、少なくとも無機顔料としてMg化合物を含む。
Mg化合物としては、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム等のMg化合物を用いることができる。また、Al化合物としては、α−アルミナ、β−アルミナ、γ−アルミナ等のアルミナ(Alumina、Aluminium oxide);ベーマイト(Boehmite)等のアルミナ水和物等を用いることができる。これらの中でも、リチウムイオン電池に用いられる電解質に対する安定性が高い点で、Mg化合物では水酸化マグネシウム、Al化合物の中ではアルミナ水和物が好ましく用いられる。
塗工液はバインダー樹脂を含むことができる。バインダー樹脂としては、スチレン−ブタジエン樹脂;(メタ)アクリル酸エステル樹脂;ポリフッ化ビニリデン等のフッ素樹脂等;各種の合成樹脂を用いることができる。バインダー樹脂の使用量は、無機顔料に対して0.1〜30質量%であることが好ましい。
塗工液には、無機顔料の分散を補助する目的で分散剤を使用することができる。分散剤は一般的に無機顔料の分散剤として入手できるものであれば何れを用いても良いが、好ましくはポリカルボン酸型高分子界面活性剤である。分散剤の使用量は、無機顔料に対して0.01〜2質量%であることが好ましい。
本発明において、基材繊維を構成する元素は、主に、炭素(C)、酸素(O)である。また、セパレータ(1)及び(2)を構成する元素は、主に、マグネシウム(Mg)、炭素(C)及び酸素(O)であり、セパレータ(3)及び(4)を構成する元素は、主に、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、炭素(C)及び酸素(O)である。
顔料主体層側の面のMg/C比が4.0以上であるということは、基材繊維の露出がほとんどなく、無機顔料で覆われている状態を示す。基材繊維の露出を無くすことで、ピンホールの発生を抑制し、内部短絡を抑制することができる。さらに、Mg/C比を高くすることで、初期充電時に負極から発生するリチウムデンドライトによる微小内部短絡の抑制が可能となる。Mg/C比は5以上であることがより好ましく、8以上であることが更に好ましく、10以上であることが特に好ましく、30以上であることが最も好ましい。顔料主体層側の面のMg/C比が高いほど、4.3V以上の電圧での充電でも微小短絡が起き難くなるため、好ましい。
繊維主体層側の面のMg/C比が1.0×10−1以上1.0未満であることは、その面のほとんどが基材繊維からなるが、一部無機顔料が存在していることを示す。繊維主体層が存在しない場合又は繊維主体層側の面のMg/C比が1.0以上である場合、電池の特性、特にサイクル特性が悪化する場合がある。これは、セパレータが電極電位に直接曝されるために生じる電気化学反応により生じた分解生成物の影響であると考えられる。また、繊維主体層の厚みが2μm以上であることが、サイクル特性において、特に好ましい。一方、繊維主体層側の面のMg/C比が1.0×10−1未満である場合も、電池特性が悪化する場合がある。これは、極僅かに無機顔料が浸み出して、無機顔料が露出した部分だけで、リチウムイオンが伝導し易くなるためと考えられる。
顔料主体層側の面のMg/Al比が20以上であるということは、不織布基材上のA層がM層で覆われている状態を示す。Al化合物の露出を無くすことで、ピンホールの発生を抑制することができる。さらに、Mg/Al比を高くすることで、ピンホールによる初期充電時に負極から発生するリチウムデンドライトによる微小内部短絡の抑制が可能となる。Mg/Al比が30以上である場合、ピンホールの発生による微小内部短絡がより起き難くなるため、より好ましい。
一方、繊維主体層側の面のMg/Al比が1.0×10−2以上1.0未満であることは、繊維主体層側の面に存在している無機顔料のほとんどがAl化合物であることを示す。本発明において、繊維主体層側の面のMg/Al比が1.0以上である場合、A層上にM層を形成した際に、M層がA層を覆いきれず、ピンホールを抑制できない場合がある。繊維主体層側の面のMg/Al比が1.0×10−2未満である場合も、ピンホールが悪化する場合がある。これは、極僅かにMg化合物が浸み出したことで、ピンホールの抑制効果が低下するためと考えられる。
一方、繊維主体層側の面のAl/C比が1.0×10−2以上1.0未満であることは、その面のほとんどが基材繊維からなるが、一部無機顔料が存在していることを示す。繊維主体層側の面のAl/C比が1.0以上である場合、電池の特性、特にサイクル特性が悪化する場合がある。これは、A層が電極電位に直接曝されるために生じる電気化学反応により生じた分解生成物の影響であると考えられる。一方、繊維主体層側の面のAl/C比が1.0×10−2未満である場合も、電池特性が悪化する場合がある。これは、極僅かに無機顔料が浸み出して、無機顔料が露出した部分だけで、リチウムイオンが伝導し易くなるためと考えられる。
また、混在層における無機顔料の存在比率が、顔料主体層側から繊維主体層側へと向けて、連続的又は段階的に減少することで、これを用いた電池のサイクル特性が特に良好なセパレータになり好ましい。更に好ましくは、混在層における深さ1/4の部分における無機顔料の存在比率が、混在層の深さ3/4の部分における無機顔料の存在比率の1.5倍以上であることで、これを用いた電池のサイクル特性が特に良好なセパレータになる。これは、混在層の繊維主体層に近い部分における無機顔料の存在比率が大きすぎる(無機顔料の含有率が高すぎる)と、サイクル特性を低下させるような作用があるためと推定される。
なお、本発明における「深さ」について説明する。まず、顔料主体層、混在層、繊維主体層における「深さ」を説明する。各層において、「長さ」で表した「深さ」とは、各層における表面又は隣接する層との境界面を「深さ0(零)」としたときの、反対面方向への距離L1である。各層において、「割合」で表した「深さ」とは、各層の全厚L2に対する距離L1の割合(L1/L2)である。
次に、セパレータ又は不織布基材における「深さ」を説明する。セパレータ又は不織布基材において、「長さ」で表した「深さ」とは、セパレータ又は不織布基材の一方の表面を「深さ0(零)」としたときの、反対面方向への距離L3である。セパレータ又は不織布基材において、「割合」で表した「深さ」とは、セパレータ又は不織布基材の全厚L4に対する距離L3の割合(L3/L4)である。
「無機顔料を主体としてなる層(顔料主体層)」とは、セパレータの断面を観察した場合に、無機顔料の存在比率が4/1を超える領域である。「基材繊維を主体としてなる層(繊維主体層)」とは、セパレータの断面を観察した場合に、無機顔料の存在比率が1/4を下回る(1/4未満の)領域である。また、「無機顔料と基材繊維が混在してなる層(混在層)」とは、セパレータの断面を観察した場合に、無機顔料の存在比率が、1/4以上、4/1以下の領域である。
本発明における無機顔料の存在比率とは、無機顔料/基材繊維の体積比率のことを言う。走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope、SEM)を用いてセパレータの断面の一定深さを直線状に走査した場合に、「無機顔料と同定される部分の長さ」/「基材繊維と同定される部分の長さ」で算出することができる。無機顔料又は基材繊維において、他方が含まない特有の元素又は両者が共通に含むが、その含有率が大きく異なる元素がある場合には、エネルギー分散X線分光法(EDS)で材料の同定を行うことができる。
本発明のセパレータは、次のようにして製造することができる。すなわち、不織布基材の表面に、無機顔料を含む塗工液を付与し、塗工液の少なくとも一部を不織布基材の内部に浸透した状態で乾燥させる。セパレータ(1)及び(2)では、不織布基材の表面に、Mg化合物を含む塗工液を付与し、乾燥させる。セパレータ(3)及び(4)では、不織布基材の表面に、Al化合物を含む塗工液を付与し、乾燥させ、さらにMg化合物を含む塗工液を付与し、乾燥させる。
塗工時に、塗工液の浸透深さを、不織布基材の厚みの1/4以上、(不織布基材の厚み−2)μm以下にすることが好ましい。また、塗工液の一部が不織布基材の裏面側に一部浸み出すように、塗工液の浸透深さを調整することで、Mg/Al比、Mg/C比、Al/C比を本発明の範囲に調整することができる。
本発明におけるMg/Al比、Mg/C比、Al/C比を調整する方法としては以下のようなものがある。
1つ目の方法として、不織布基材を構成する基材繊維を調整する方法がある。例えば、不織布基材中の基材繊維の繊維径を増減する方法、不織布基材中の細い繊維の配合率を増減する方法、基材繊維表面に付着している油剤や湿式法にて不織布基材を形成する場合に使用する分散剤や消泡剤などの界面活性剤の量を調整する方法などが挙げられる。本発明において、基材繊維への油剤や界面活性剤等の付着量は、0.01〜1質量%の範囲が好ましい。
2つ目の方法として、塗工液の粘度(ハイシア(high shear)粘度、ローシア(low shear)粘度)を調整する方法がある。塗工液の粘度を調整する方法としては、塗工液の固形分濃度を調整する方法、増粘剤を添加する方法、増粘剤の添加量を調整する方法、塗工液の温度を調整する方法等がある。本発明において、塗工液のB型粘度は、10〜10000mPa・sが好ましく、より好ましくは200〜2000mPa・sの範囲である。B型粘度がこの範囲であることで、本発明のセパレータを容易に得ることが可能となる。
3つ目の方法として、塗工液の表面張力を調整する方法がある。塗工液の表面張力を調整する方法としては、濡れ剤を添加する方法、濡れ剤の添加量を調整する方法、塗工液の温度を調整する方法等がある。本発明において、塗工液が水系の場合の表面張力は、30〜70mN/mが好ましく、特に45〜65mN/mが特に好ましい。水系塗工液の表面張力がこの範囲であることで、本発明のセパレータを容易に得ることが可能となる。
4つ目の方法として、無機顔料を含む塗工液を付与する場合、塗工液を圧入する方向への動圧が作用しにくい塗工方式や圧入する方向への動圧が作用しやすい塗工方式を選択する方法がある。圧入する方向への動圧が作用しにくい塗工方式の例としては、ダイ(Die)塗工、カーテン(Curtain)塗工が挙げられる。圧入する方向への動圧が作用しやすい塗工方式の例としては、含浸、ブレード(Blade)、ロッド(Rod)塗工等が挙げられる。両者の中間的な塗工方式の例としては、グラビア塗工が挙げられる。本発明においては、キスリバース(Kiss Reverse)方式のグラビア(Gravure)塗工が、無機顔料の浸透度合いを容易に調整できることから好ましく用いられ、特にグラビア径が150mm以下の小径グラビアが更に好ましく用いられる。
5つ目の方法として、A層の付与量とM層の付与量を調整する方法がある。セパレータ(1)及び(2)において、本発明の構成を達成するためには、M層の付与量が、絶乾質量で0.5g/m以上30g/m以下であることが好ましく、1.0g/m以上20g/m以下であることがより好ましい。セパレータ(3)及び(4)において、本発明の構成を達成するためには、A層及びMg層各々において、絶乾質量で0.5g/m以上15g/m以下であることが好ましく、1.0g/m以上10g/m以下であることがより好ましい。
本発明において、不織布基材は特に制限されない。基材繊維をシート状に形成する製造方法としては、スパンボンド(Spunbond)法、メルトブロー(Melt−Blown)法、静電紡糸法、湿式(Wet Laying)法、カード(Carding)法等の製造方法が挙げられる。これらの中でも、薄くて緻密な構造の不織布基材を得ることができるため、湿式法が好ましい。繊維間を接合する方法としては、ケミカルボンド(Chemical Bond)法、熱融着法等の接合方法が挙げられる。これらの中でも、表面が平滑な不織布基材が得られることから、熱融着法が好ましい。
以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。なお、実施例において、百分率(%)及び部は、断りのない限り、全て質量基準である。また、付与量は絶乾付与量である。
不織布基材Aの作製
繊度0.06dtex(平均繊維径2.4μm)、繊維長3mmの配向結晶化ポリエチレンテレフタレート(PET)系短繊維40質量部と繊度0.1dtex(平均繊維径3.0μm)、繊維長3mmの配向結晶化PET系短繊維20質量部と繊度0.2dtex(平均繊維径4.3μm)、繊維長3mmの単一成分型バインダー用PET系短繊維(軟化点120℃、融点230℃)40質量部とをパルパーにより水中に分散し、濃度1質量%の均一な抄造用スラリーを調製した。この抄造用スラリーを、通気度275cm/cm/sec、組織[上網:平織、下網:畝織]の抄造ワイヤーを設置した傾斜型抄紙機にて、湿式法で抄き上げ、135℃のシリンダードライヤー(Cylinder Dryer)によって、バインダー用PET系短繊維を接着させて不織布強度を発現させ、目付12g/mの不織布とした。さらに、この不織布を、誘電発熱ジャケットロール(金属製熱ロール)及び弾性ロールからなる1ニップ(nip)式熱カレンダーを使用して、熱ロール温度200℃、線圧100kN/m、処理速度30m/分の条件で熱カレンダー処理し、厚み18μmの不織布基材Aを作製した。
不織布基材Bの作製
繊度0.06dtex(平均繊維径2.4μm)、繊維長3mmの配向結晶化ポリエチレンテレフタレート(PET)系短繊維60質量部と繊度0.2dtex(平均繊維径4.3μm)、繊維長3mmの単一成分型バインダー用PET系短繊維(軟化点120℃、融点230℃)40質量部とする以外は不織布基材Aと同様にして、厚み18μmの不織布基材Bを作製した。不織布基材Bは、繊度の小さな繊維分が多いため、細孔径が小さくなり、不織布基材Aと比較して、塗工液が浸透しにくい。
塗工液1Aの作製
水酸化マグネシウム100部とポリカルボン酸型高分子界面活性剤0.4部、水120部とを混合して十分撹拌した。次に、カルボキシメチルセルロースナトリウム塩(1質量%水溶液の25℃におけるB型粘度が7000mPa・s)0.5質量%水溶液300部及び、ガラス転移点5℃、体積平均粒子径0.2μmのカルボキシ変性スチレンブタジエン樹脂(SBR)エマルション(固形分濃度50質量%)10部を混合して十分撹拌し、塗工液1Aを作製した。なお、塗工液1AのB型粘度は970mPa・sであった。
塗工液1Bの作製
カルボキシメチルセルロースナトリウム塩(1質量%水溶液の25℃におけるB型粘度が7000mPa・s)0.5質量%水溶液300部を100部にした以外は、塗工液Aと同じようにして塗工液1Bを作製した。なお、塗工液1BのB型粘度は200mPa・sであった。
実施例1−1
不織布基材A上に、塗工液1Aを、キスリバース方式のグラビアコーターにて、絶乾付与量が16g/mとなるように塗工後乾燥し、厚み31μmのセパレータを作製した。
実施例1−2
不織布基材A上に、塗工液1Aを、キスリバース方式のグラビアコーターにて、絶乾付与量が8g/mとなるように塗工後乾燥し、さらに、同じ塗工面に再度、塗工液1Aを、キスリバース方式のグラビアコーターにて絶乾付与量が8g/mとなるように塗工後乾燥し、厚み30μmのセパレータを作製した。
実施例1−3
不織布基材Aに代えて、不織布基材Bを使用した以外は、実施例1−1と同様にして、厚み28μmのセパレータを作製した。
実施例1−4
塗工液1Aに代えて、塗工液1Bを用いた以外は、実施例1−3と同様にして、厚み29μmのセパレータを作製した。
実施例1−5
キスリバース方式のグラビアコーターに代えて、含浸式コーターを用いた以外は、実施例1−1と同様にして、厚み31μmのセパレータを作製した。
比較例1−1
塗工液1Aに代えて、塗工液1Bを用いた以外は、実施例1−1と同様にして、厚み32μmのセパレータを作製した。
比較例1−2
2回目の塗工を、1回目の塗工面とは反対の面に行った以外は、実施例1−2と同様にして、厚み32μmのセパレータを作製した。
[Mg/C比]
各セパレータの表裏面におけるエネルギー分散X線分光法(EDS)によるMg及びCの強度ピーク比(Mg/C比)を、電界放射型走査電子顕微鏡(日本電子(JEOL)製、装置名:JSM−06700F)を使用して加速電圧10kV、倍率40倍の視野を3箇所測定し、得られたMg及びC由来の特性X線のピーク強度(特性X線のカウント数)の比の平均値により求めた。
[厚み]
各セパレータの断面を、EDSを備えたSEM装置にて観察した。そして、「マグネシウム(Mg)を検出した領域」を「無機顔料」とした。「Mgを検出せず、かつ実体が存在する領域」を「基材繊維」とした。「無機顔料の存在比率が4/1である深さ」を「顔料主体層と混在層の境界線」とした。「無機顔料の存在比率が1/4である深さ」を「繊維主体層と混在層の境界線」とした。
これらの「境界線」から、「顔料主体層」、「混在層」、「繊維主体層」の厚みをそれぞれ求めた(I、II、III)。「混在層」が「顔料主体層」の反対面まで到達している場合、「繊維主体層」の厚み(III)は「0(零)」とみなした。
<評価>
[電池の繰り返し充放電特性]
各セパレータを用い、正極活物質がマンガン酸リチウム、負極活物質が人造黒鉛、電解液が溶媒:エチレンカーボネートとジエチルカーボネートの7/3(容量比)混合溶媒、電解質:リチウムヘキサフルオロフォスフェート(LiPF、濃度:1mol/L)である設計容量が100mAhのラミネート型リチウムイオン二次電池を作製した。なお、電池の組立にあたっては、セパレータの顔料主体層を負極に相対させるようにした。
その後、各電池について、「200mA定電流充電→4.2V定電圧充電(1時間)→200mAで定電流放電→2.8Vになったら次のサイクル」のシーケンスにて200サイクルの充放電を行い、[1−(200サイクル目の放電容量/4サイクル目の放電容量)]×100(%)として容量低下率を求めた。容量低下率が低い方が、サイクル特性が良好な電池である。
1:容量低下率が10%未満
2:容量低下率が10%以上20%未満
3:容量低下率が20%以上30%未満
4:容量低下率が30%以上40%未満
5:容量低下率が40%以上
表1から明らかなように、顔料主体層、混在層、繊維主体層がこの順に重なって構成され、且つ顔料主体層側の面のMg/C比が4.0以上である実施例1−1〜1−5のセパレータは、繰り返し充放電における容量低下率が40%未満であり、サイクル特性が良好という効果が達成できた。これに対し、繊維主体層がない比較例1−1及び1−2のセパレータは、容量低下率が40%以上であり、サイクル特性が悪かった。
また、実施例1−1〜1−5のセパレータを比較すると、繊維主体層側の面のMg/C比が1.0×10−1以上1.0未満である実施例1−1〜1−4のセパレータは、繰り返し充放電における容量低下率がより小さく、サイクル特性がより良好という効果を達成できた。
塗工液2Aの作製
ベーマイトアルミナ100部とポリカルボン酸型高分子界面活性剤0.4部、水120部とを混合して十分撹拌した。次に、カルボキシメチルセルロースナトリウム塩(1質量%水溶液の25℃におけるB型粘度が7000mPa・s)0.5質量%水溶液300部及び、ガラス転移点5℃、体積平均粒子径0.2μmのカルボキシ変性スチレン−ブタジエン樹脂(SBR)エマルション(固形分濃度50質量%)10部を混合して十分撹拌し、塗工液2Aを作製した。塗工液2AのB型粘度は1020mPa・sであった。
塗工液2Bの作製
カルボキシメチルセルロースナトリウム塩(1質量%水溶液の25℃におけるB型粘度が7000mPa・s)0.5質量%水溶液300部を200部にした以外は塗工液2Aと同じようにして塗工液2Bを作製した。塗工液2BのB型粘度は510mPa・sであった。
塗工液2Cの作製
カルボキシメチルセルロースナトリウム塩(1質量%水溶液の25℃におけるB型粘度が7000mPa・s)0.5質量%水溶液300部を100部にした以外は塗工液2Aと同じようにして塗工液2Cを作製した。塗工液2CのB型粘度は200mPa・sであった。
塗工液2Dの作製
カルボキシメチルセルロースナトリウム塩(1質量%水溶液の25℃におけるB型粘度が7000mPa・s)0.5質量%水溶液300部を200部にした以外は塗工液1Aと同じようにして塗工液2Dを作製した。塗工液2DのB型粘度は490mPa・sであった。
実施例2−1
不織布基材B上に、塗工液2Aを、キスリバース方式のグラビアコーターにて、絶乾付与量が5g/mとなるように塗工後乾燥し、さらに、同じ塗工面に、塗工液1Aを、キスリバース方式のグラビアコーターにて、絶乾付与量が5g/mとなるように塗工後乾燥し、厚み26μmのセパレータを作製した。
実施例2−2
不織布基材B上に、塗工液2Aを、キスリバース方式のグラビアコーターにて、絶乾付与量が5g/mとなるように塗工後乾燥し、さらに、同じ塗工面に、塗工液1Aを、キスリバース方式のグラビアコーターにて、絶乾付与量が3g/mとなるように塗工後乾燥し、厚み24μmのセパレータを作製した。
実施例2−3
不織布基材B上に、塗工液2Aを、キスリバース方式のグラビアコーターにて絶乾付与量が5g/mとなるように塗工後乾燥し、さらに、同じ塗工面に、塗工液1Aを、キスリバース方式のグラビアコーターにて、絶乾付与量が1.0g/mとなるように塗工後乾燥し、厚み22μmのセパレータを作製した。
実施例2−4
塗工液1Aに代えて、塗工液2Dを用いた以外は、実施例2−1と同様にして、厚み25μmのセパレータを作製した。
実施例2−5
不織布基材B上に、塗工液2Aを、キスリバース方式のグラビアコーターにて、絶乾付与量が2g/mとなるように塗工後乾燥し、さらに、同じ塗工面に、塗工液1Aを、キスリバース方式のグラビアコーターにて、絶乾付与量が5g/mとなるように塗工後乾燥し、厚み22μmのセパレータを作製した。
実施例2−6
塗工液2Aに代えて、塗工液2Bを用い、さらに塗工液1Aに代えて、塗工液2Dを用いた以外は、実施例2−1と同様にして、厚み24μmのセパレータを作製した。
実施例2−7
不織布基材A上に、塗工液2Cを、キスリバース方式のグラビアコーターにて絶乾付与量が5g/mとなるように塗工後乾燥し、さらに、同じ塗工面に、塗工液1Aを、キスリバース方式のグラビアコーターにて絶乾付与量が5g/mとなるように塗工後乾燥し、厚み25μmのセパレータを作製した。
実施例2−8
不織布基材B上に、塗工液2Aを、キスリバース方式のグラビアコーターにて、絶乾付与量が3g/mとなるように塗工後乾燥し、さらに、同じ塗工面に、塗工液1Bを、キスリバース方式のグラビアコーターにて、絶乾付与量が5g/mとなるように塗工後乾燥し、厚み24μmのセパレータを作製した。
比較例2−1
不織布基材A上に、塗工液2Aを、キスリバース方式のグラビアコーターにて、絶乾付与量が1.0g/mとなるように塗工後乾燥し、さらに、同じ塗工面に、塗工液1Aを、キスリバース方式のグラビアコーターにて、絶乾付与量が3g/mとなるように塗工後乾燥し、厚み21μmのセパレータを作製した。
比較例2−2
不織布基材A上に、塗工液2Aを、キスリバース方式のグラビアコーターにて絶乾付与量が5g/mとなるように塗工後乾燥し、厚み22μmのセパレータを作製した。
<評価>
[Mg/C比、Mg/Al比、Al/C比]
各セパレータにおいて、顔料主体層側の面と繊維主体層側の面のEDSによるMg/Al比、顔料主体層側の面のMg/C比、繊維主体層側の面のAl/C比を、電界放射型走査電子顕微鏡(日本電子(JEOL)製、装置名:JSM−06700F)を使用して加速電圧10kV、倍率100倍の視野を3箇所測定し、得られたMg、Al及びC由来の特性X線のピーク強度(特性X線のカウント数)の比の平均値により求めた。
[厚み]
各セパレータの断面を、EDSを備えたSEM装置にて観察した。そして、「マグネシウム(Mg)又はアルミニウム(Al)を検出した領域」を「無機顔料」とした。「Mg又はAlを検出せず、かつ実体が存在する領域」を「基材繊維」とした。「無機顔料の存在比率が4/1である深さ」を「顔料主体層と混在層の境界線」とした。「無機顔料の存在比率が1/4である深さ」を「繊維主体層と混在層の境界線」とした。
これらの「境界線」から、「顔料主体層」、「混在層」、「繊維主体層」の厚みをそれぞれ求めた(I、II、III)。「混在層」が「顔料主体層」の反対面まで到達している場合、「繊維主体層」の厚み(III)は「0(零)」とみなした。
[ピンホール評価]
作製したセパレータについて、セパレータのピンホールの状態についてA4サイズ1枚を、透過光を用いて目視にて確認し、次の度合いで評価した。結果を表2に記した。
1:目視でのピンホールの発生は見られない。
2:うっすらと透過光が観察される部分が存在する。
3:明らかな透過光が僅かに観察される。
4:明らかな透過光が多数観察される。
表2から明らかなように、顔料主体層、混在層、繊維主体層がこの順に重なって構成され、且つ顔料主体層側の面のMg/C比が4.0以上である実施例2−1〜2−8のセパレータでは、ピンホール抑制効果が達成できた。これに対し、顔料主体層側の面のMg/C比が4.0未満である比較例2−1のセパレータ及びMgが検出されなかった比較例2−2のセパレータでは、ピンホールが悪化する傾向が見られた。
実施例2−1〜2−8のセパレータを比較すると、顔料主体層側の面のMg/Al比が20以上であり、繊維主体層側の面のMg/Al比が1.0×10−2以上1.0未満である実施例2−1〜2−7のセパレータでは、繊維主体層側の面のMg/Al比が1.0以上である実施例2−8のセパレータと比較して、より高いピンホール抑制効果が達成できた。
実施例2−1〜2−7のセパレータを比較すると、繊維主体層側の面のAl/C比が1.0×10−2以上1.0未満である実施例2−1、2−2−2、2−4及び2−6のセパレータでは、繊維主体層側の面のAl/C比が1.0×10−2未満である実施例2−3のセパレータ及び1.0以上である実施例2−7のセパレータと比較して、更に高いピンホール抑制効果が達成できた。また、実施例2−3のセパレータは、顔料主体層側の面のMg/C比が4.1であり、繊維主体層側の面のMg/Al比が1.0×10−2であり、どちらの値も下限に近いことから、ピンホールの抑制効果が実施例2−7のセパレータと同程度であった。
本発明のリチウムイオン電池用セパレータの活用例としては、リチウムイオン二次電池用セパレータ、リチウムポリマーイオン二次電池用セパレータが好適である。

Claims (4)

  1. 不織布基材に無機顔料を付与してなるリチウムイオン電池用セパレータにおいて、
    該セパレータが、無機顔料を主体としてなる層、無機顔料と基材繊維が混在してなる層、基材繊維を主体としてなる層がこの順に重なって構成されており、
    無機顔料を主体としてなる層として、無機顔料としてマグネシウム(Mg)化合物を含有してなるM層を有し、
    且つ無機顔料を主体としてなる層側の面のエネルギー分散X線分光法によるMg及び炭素(C)の強度ピーク値の比(Mg/C比)が4.0以上であることを特徴とするリチウムイオン電池用セパレータ。
  2. 基材繊維を主体としてなる層側の面のエネルギー分散X線分光法によるMg及びCの強度ピーク値の比(Mg/C比)が1.0×10−1以上1.0未満である請求項1記載のリチウムイオン電池用セパレータ。
  3. 無機顔料を主体としてなる層として、無機顔料としてアルミニウム(Al)化合物を含有してなるA層を更に有し、
    且つ無機顔料を主体としてなる層側の面のエネルギー分散X線分光法によるMg及びAlの強度ピーク値の比(Mg/Al比)が20以上であり、
    基材繊維を主体としてなる層側の面のエネルギー分散X線分光法によるMg及びAlの強度ピーク値の比(Mg/Al比)が1.0×10−2以上1.0未満である請求項1記載のリチウムイオン電池用セパレータ。
  4. 基材繊維を主体としてなる層側の面のエネルギー分散X線分光法によるAl及びCの強度ピーク値の比(Al/C比)が1.0×10−2以上1.0未満である請求項3記載のリチウムイオン電池用セパレータ。
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