JP2015205792A - 酸化物ガーネット単結晶の製造方法 - Google Patents

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Masayoshi Matsui
正好 松井
辰宮 一樹
Kazuki Tatsumiya
一樹 辰宮
史明 石田
Fumiaki Ishida
史明 石田
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Abstract

【課題】ファセット成長によるコア形成が抑制されるガーネット結晶の製法を提供する。【解決手段】引き上げ法によるガーネット単結晶7の製法で、種結晶6の回転数を10rpm以下、引上げ速度を1.5mm/h以下の条件にして肩部を育成する第一工程、引上げ速度を0mm/hに変更し結晶重量を測定しながら種結晶の回転数を固液界面の界面反転が起こる回転数まで増加する第二工程、結晶重量が減少するタイミングに合わせ回転数増加を停止し固定する第三工程、固液界面が平坦になって結晶重量減少が停止するタイミングに合わせ引上げ速度を2.0mm/h以下の条件に変更する第四工程、直胴部の周速度が298cm/分〜361cm/分に設定される回転数を保持して固液界面の平坦度を凹凸1mm以下に維持し、<111>結晶方位の直胴部を育成する第五工程を具備することを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、ファラデー回転子の構成材料として用いられる酸化物ガーネット単結晶の製造方法に係り、特に、ファセット成長に起因するコアの形成を抑制できる酸化物ガーネット単結晶の製造方法に関するものである。
光アイソレータは、磁界印加により入射光の偏光面を回転させるファラデー回転子を有しており(非特許文献1参照)、近年では光通信だけでなくファイバーレーザー加工機にも使用されるようになってきている。
このような光アイソレータに使用されるファラデー回転子の構成材料として、従来からテルビウム・スカンジウム・アルミニウム・ガーネット型単結晶(TSAG:Tb3Sc2Al312)が知られている(非特許文献2参照)。
ところで、非特許文献2に記載のチョクラルスキー法による酸化物ガーネット単結晶の育成方法により良質なTSAG単結晶が得られるものの、ファセット成長に起因するコアが形成され、コア近傍にクラックが発生して収率を低下させる問題が存在した。すなわち、<111>結晶方位を有するTSAG等の酸化物ガーネット単結晶をチョクラルスキー法により育成する場合、固液界面の形状がルツボの底部側へ向けた凸型になることから、引上げ方位の<111>結晶方位と70.5°の角度をなす(211)ファセット面が結晶回転軸の近傍に3回対称に発生するため、上記コアが形成される。
そして、上記ファセット面は成長速度が速いためオフファセットの領域と組成が異なり、格子定数に差異が生じてファセットとオフファセットの境界に応力が発生、この応力が原因となって結晶の育成時あるいは結晶の切断時にコアの周囲にクラックを発生させるため、収率を低下させてしまう問題が存在した。
宮澤信太郎「光学結晶」1995年、培風館 吉川、外5名「ファラデー回転子用TSAG:Tb3Sc2Al3O12単結晶のチョクラルスキー育成」(Czochralski growth of Tb3Sc2Al3O12 single crystal for Faraday rotator)、マテリアルズ・リサーチ・ブルティン(Materials Research Bulletin)、2002年、第37巻、p.p.1-10
本発明はこのような問題点に着目してなされたもので、その課題とするところは、ファセット成長に起因するコアの形成を抑制できる酸化物ガーネット単結晶の製造方法を提供することにある。
そこで、上記課題を解決するため本発明者等が鋭意検討したところ、TSAG等の酸化物ガーネット単結晶を育成する場合において固液界面の界面反転法が適用できる固有な育成条件を発見するに至り、この育成条件を採用してルツボ底部側へ向け凸型となる固液界面を平坦にすることで、結晶回転軸の近傍に3回対称に発生する上記(211)ファセット面の成長が抑制され、これによりコアの形成を防止できることを見出すに至った。
すなわち、本発明に係る第1の発明は、
育成炉のチャンバー内に配置されたルツボの原料融液に種結晶を接触させ、該種結晶を回転させながら引上げて、結晶肩部とこれに続く結晶直胴部を育成するチョクラルスキー法による酸化物ガーネット単結晶の製造方法において、
上記チャンバー内に不活性ガスを供給しながら、種結晶の回転数を10rpm以下かつ種結晶の引上げ速度を1.5mm/h以下の条件にそれぞれ設定して上記酸化物ガーネット単結晶の結晶肩部を育成する第一工程と、
上記結晶肩部が育成された後、第一工程における種結晶の引上げ速度を0mm/hに変更し、かつ、第一工程で育成された結晶の重量を測定しながら種結晶の回転数を固液界面の界面反転が起こる回転数まで徐々に増加させる第二工程と、
回転数の増加に伴い第一工程で育成された結晶の一部が原料融液に溶解し、測定中の結晶重量が上記溶解により減少するタイミングに合わせて、上記回転数の増加操作を停止して固定する第三工程と、
第三工程において固定した種結晶の上記回転数を保持しながら、固液界面が平坦になったことを示す結晶の重量減少が停止するタイミングに合わせて、第二工程における種結晶の引上げ速度を0mm/hから2.0mm/h以下の条件に変更する第四工程と、
育成される結晶直胴部の周速度が298cm/分から361cm/分の範囲内に設定される上記第三工程の固定した回転数を保持しながら、固液界面における平坦度を凹凸1mm以下に維持して<111>結晶方位を有する酸化物ガーネット単結晶の結晶直胴部を育成する第五工程、
を具備することを特徴とする。
また、第2の発明は、
第1の発明に記載された酸化物ガーネット単結晶の製造方法において、
上記不活性ガスが窒素ガスであることを特徴とし、
第3の発明は、
第1または第2の発明に記載された酸化物ガーネット単結晶の製造方法において、
育成される酸化物ガーネット単結晶がTSAG(Tb3Sc2Al312)であることを特徴とするものである。
本発明に係る製造方法で得られる酸化物ガーネット単結晶は、部分的に結晶組成が不均一となるファセット成長が抑制された結晶になっているため、歪の少ない酸化物ガーネット単結晶をファラデー回転子に無駄なく用いることが可能となる効果を有する。
本発明に係る酸化物ガーネット単結晶の製造方法に用いられる製造装置の概略構成を示す説明図。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
(1)酸化物ガーネット単結晶の製造装置
図1は、本発明に係る酸化物ガーネット単結晶の製造方法に用いられる製造装置の概略構成を示す説明図である。この製造装置は、公知のチョクラルスキー法により酸化物ガーネット単結晶を製造する育成炉1を備えている。育成炉1の構造を簡単に説明すると、育成炉1は、筒状のチャンバー2と、このチャンバー2の外側に設置された高周波コイル10と、上記チャンバー2の内側に配置されたイリジウム製のルツボ8を有している。
尚、上記育成炉1の寸法は、製造する酸化物ガーネット単結晶の大きさに依存するが、一例として直径1m、高さ1m程度である。
また、上記育成炉1には開口部(図示せず)が2箇所設けられており、これ等開口部を介して不活性ガス、好適にはアルゴンガス、窒素ガスが給排され、結晶育成時には、チャンバー2内は不活性ガスで満たされる。尚、育成炉1内には、上記ルツボ8底部の下側に温度を計測する温度計(図示せず)が設置されている。
また、上記高周波コイル10は銅管で構成され、図示外の制御部を通じ投入電力が制御されてイリジウム製のルツボ8が高周波加熱されると共に、温度調節がなされる。また、上記高周波コイル10の内側でチャンバー2内には断熱材3が配置されており、複数の断熱材3により囲まれた空間によりホットゾーン5が形成されている。そして、高周波コイル10への投入電力量を制御することで、上記ホットゾーン5内の上下方向に温度勾配が形成される。尚、上記断熱材3は、高融点の耐火物により構成されている。
また、上記ルツボ8はカップ状に形成され、その底部が断熱材3上に配置されかつ断熱材3により保持されている。また、ルツボ8の上方側には、種結晶と成長した酸化物ガーネット単結晶を保持しかつ引上げるための引上げ軸4が設置されている。引上げ軸4は軸線周りに回転させることにより、ホットゾーン5内で回転させてもよい。
(2)本発明に係る酸化物ガーネット単結晶の製造方法
本発明に係る酸化物ガーネット単結晶の製造方法は、ルツボ8内に原料を充填し、かつ、育成炉1のチャンバー2内に上記ルツボ8を配置すると共に、高周波コイル10により加熱して原料を融解させ、その後、原料融液9に種結晶6を接触させて徐々に温度を降下させ、同時に引上げ軸4を徐々に引上げることにより種結晶6の下部側において原料融液9を順次結晶化させて結晶肩部とこれに続く結晶直胴部を育成するチョクラルスキー法を前提とし、以下の第一工程〜第五工程を具備することを特徴としている。
(2-1)第一工程
まず、上記チャンバー2内に窒素ガス等の不活性ガスを供給しながら、種結晶6の回転数を10rpm以下の条件に設定し、かつ、種結晶6の引上げ速度を1.5mm/h以下の条件に設定して酸化物ガーネット単結晶7の結晶肩部を育成する(第一工程)。
(2-2)第二工程
そして、結晶肩部を育成した後、第一工程における種結晶6の引上げ速度を0mm/hに変更し、かつ、第一工程で育成された結晶7の重量を測定しながら種結晶6の回転数を固液界面の界面反転が起こる回転数まで徐々に増加させる(第二工程)。
(2-3)第三工程
上記回転数の増加に伴い、第一工程で育成された結晶7の一部(ファセット成長領域)が原料融液9に溶解し、測定中の結晶重量が上記溶解により減少するタイミングに合わせて種結晶6の回転数を増加させる操作を停止し、かつ、停止時の回転数に固定する(第三工程)。
(2-4)第四工程
そして、第三工程において固定した種結晶6の回転数を保持しながら、固液界面が平坦になったことを示す結晶7の重量減少が停止するタイミングに合わせて、上記第二工程で設定した種結晶6の引上げ速度(0mm/h)を2.0mm/h以下の条件に変更する(第四工程)。
(2-5)第五工程
上記第三工程において固定した種結晶6の回転数を保持しながら育成する結晶直胴部の周速度を298cm/分から361cm/分の範囲内に設定し、固液界面における平坦度を凹凸1mm以下に維持して、<111>結晶方位を有する酸化物ガーネット単結晶7の結晶直胴部を育成する(第五工程)。
尚、酸化物ガーネット単結晶の育成に係る一連の温度モニタは、ルツボ8底部の下側に設置された図示外の温度計で測定することにより行なわれている。
(3)酸化物ガーネット単結晶
育成された酸化物ガーネット単結晶は、熱歪を除去するため、1600℃、大気雰囲気にて40時間保持しかつ16時間かけて室温まで冷却するアニール処理が施され、その後加工され、超音波打ち抜き機で打ち抜かれて規格に合わせた寸法のロッドとされる。
以下、本発明の実施例について比較例を挙げて具体的に説明する。
[実施例1]
直径50mm、深さ50mmのイリジウム製ルツボに、酸化テルビウム粉末(純度99.99%)、酸化スカンジウム粉末(純度99.99%)および酸化アルミニウム粉末(純度99.99%)の混合粉末を詰めた。
上記混合粉末を詰めたルツボを育成炉におけるチャンバー内の底部側断熱材上に載置し、かつ、チャンバーを閉めた後、高周波コイルに電力を投入してルツボを加熱し、混合粉末を融解させた。続いて、引上げ軸に取り付けたYAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)からなる直径5mm、長さ70mmの棒状種結晶の先端を原料融液に浸けた後、回転数10rpmの条件で種結晶を回転させながら0.5mm/hの引上げ速度で引き上げると共に徐々に降温し、種結晶の下部側に成長するガーネット型単結晶の直径を増加させて結晶肩部を形成した。
結晶肩部の形成が終了した時点で、引き上げ速度を上記0.5mm/hから0mm/hに変更し、かつ、育成された結晶の重量を測定しながら種結晶の回転数を上記10rpmから界面反転が起こる回転数まで20分かけて増加させた。
そして、回転数の増加に伴い育成された結晶の一部が原料融液に溶解し、測定中の結晶重量が減少するタイミングに合わせて回転数を増加させる操作を停止し、かつ、回転数を「46rpm」に固定し、この状態で静置した。
1時間後に上記結晶の重量減少が停止したことを確認し、そのタイミングに合わせて種結晶の引き上げ速度を上記0mm/hから0.5mm/hに変更し、結晶の育成を再開した。このとき、チャンバー内には4リットル/分の流量で窒素ガスを流し大気圧下で結晶の引上げを行なった。
そして、最大直径25mm、結晶直胴部長25mm、質量118gのクラックのない単結晶(TSAG)が得られた。
尚、上記単結晶(TSAG)を原料融液から切り離すときの固液界面形状を示す結晶底面は高さ0mmで、固液界面の平坦度が凹凸1mm以下に維持されていた。
また、上記結晶直胴部の育成時における周速度は361cm/分で、「298cm/分から361cm/分」の範囲内に設定されている。
次に、得られた単結晶(TSAG)の結晶直胴部の上下を切断、研磨し、かつ、互いに直交する2枚の偏光板間に挟んで観察したところ、結晶中央部にファセット成長は見られなかった。また、切断した結晶直胴部から直径3mm、長さ14mmのロッドを打ち抜いたところ34本のロッドが得られた。
[実施例2]
直径50mm、深さ50mmのイリジウム製ルツボに、酸化テルビウム粉末(純度99.99%)、酸化スカンジウム粉末(純度99.99%)および酸化アルミニウム粉末(純度99.99%)の混合粉末を詰めた。
上記混合粉末を詰めたルツボを育成炉におけるチャンバー内の底部側断熱材上に載置し、かつ、チャンバーを閉めた後、高周波コイルに電力を投入してルツボを加熱し、混合粉末を融解させた。続いて、引上げ軸に取り付けたYAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)からなる直径5mm、長さ70mmの棒状種結晶の先端を原料融液に浸けた後、回転数10rpmの条件で種結晶を回転させながら0.5mm/hの引上げ速度で引き上げると共に徐々に降温し、種結晶の下部側に成長するガーネット型単結晶の直径を増加させて結晶肩部を形成した。
結晶肩部の形成が終了した時点で、引き上げ速度を上記0.5mm/hから0mm/hに変更し、かつ、育成された結晶の重量を測定しながら種結晶の回転数を上記10rpmから界面反転が起こる回転数まで20分かけて増加させた。
そして、回転数の増加に伴い育成された結晶の一部が原料融液に溶解し、測定中の結晶重量が減少するタイミングに合わせて回転数を増加させる操作を停止し、かつ、回転数を「44rpm」に固定し、この状態で静置した。
1時間後に上記結晶の重量減少が停止したことを確認し、そのタイミングに合わせて種結晶の引き上げ速度を上記0mm/hから0.5mm/hに変更し、結晶の育成を再開した。このとき、チャンバー内には4リットル/分の流量で窒素ガスを流し大気圧下で結晶の引上げを行なった。
そして、最大直径24mm、結晶直胴部長25mm、質量119gのクラックのない単結晶(TSAG)が得られた。
尚、上記単結晶(TSAG)を原料融液から切り離すときの固液界面形状を示す結晶底面は高さ1mmの凸型で、固液界面の平坦度が凹凸1mm以下に維持されていた。
また、上記結晶直胴部の育成時における周速度は332cm/分で、「298cm/分から361cm/分」の範囲内に設定されている。
次に、得られた単結晶(TSAG)の結晶直胴部の上下を切断、研磨し、かつ、互いに直交する2枚の偏光板間に挟んで観察したところ、結晶中央部にファセット成長は見られなかった。また、切断した結晶直胴部から直径3mm、長さ14mmのロッドを打ち抜いたところ34本のロッドが得られた。
[実施例3]
直径50mm、深さ50mmのイリジウム製ルツボに、酸化テルビウム粉末(純度99.99%)、酸化スカンジウム粉末(純度99.99%)および酸化アルミニウム粉末(純度99.99%)の混合粉末を詰めた。
上記混合粉末を詰めたルツボを育成炉におけるチャンバー内の底部側断熱材上に載置し、かつ、チャンバーを閉めた後、高周波コイルに電力を投入してルツボを加熱し、混合粉末を融解させた。続いて、引上げ軸に取り付けたYAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)からなる直径5mm、長さ70mmの棒状種結晶の先端を原料融液に浸けた後、回転数10rpmの条件で種結晶を回転させながら0.5mm/hの引上げ速度で引き上げると共に徐々に降温し、種結晶の下部側に成長するガーネット型単結晶の直径を増加させて結晶肩部を形成した。
結晶肩部の形成が終了した時点で、引き上げ速度を上記0.5mm/hから0mm/hに変更し、かつ、育成された結晶の重量を測定しながら種結晶の回転数を上記10rpmから界面反転が起こる回転数まで20分かけて増加させた。
そして、回転数の増加に伴い育成された結晶の一部が原料融液に溶解し、測定中の結晶重量が減少するタイミングに合わせて回転数を増加させる操作を停止し、かつ、回転数を「45rpm」に固定し、この状態で静置した。
1時間後に上記結晶の重量減少が停止したことを確認し、そのタイミングに合わせて種結晶の引き上げ速度を上記0mm/hから0.5mm/hに変更し、結晶の育成を再開した。このとき、チャンバー内には4リットル/分の流量で窒素ガスを流し大気圧下で結晶の引上げを行なった。
そして、最大直径25mm、結晶直胴部長26mm、質量120gのクラックのない単結晶(TSAG)が得られた。
尚、上記単結晶(TSAG)を原料融液から切り離すときの固液界面形状を示す結晶底面は高さ1mm凸型で、固液界面の平坦度が凹凸1mm以下に維持されていた。
また、上記結晶直胴部の育成時における周速度は353cm/分で、「298cm/分から361cm/分」の範囲内に設定されている。
次に、得られた単結晶(TSAG)の結晶直胴部の上下を切断、研磨し、かつ、互いに直交する2枚の偏光板間に挟んで観察したところ、結晶中央部にファセット成長は見られなかった。また、切断した結晶直胴部から直径3mm、長さ14mmのロッドを打ち抜いたところ34本のロッドが得られた。
[実施例4]
直径50mm、深さ50mmのイリジウム製ルツボに、酸化テルビウム粉末(純度99.99%)、酸化スカンジウム粉末(純度99.99%)および酸化アルミニウム粉末(純度99.99%)の混合粉末を詰めた。
上記混合粉末を詰めたルツボを育成炉におけるチャンバー内の底部側断熱材上に載置し、かつ、チャンバーを閉めた後、高周波コイルに電力を投入してルツボを加熱し、混合粉末を融解させた。続いて、引上げ軸に取り付けたYAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)からなる直径5mm、長さ70mmの棒状種結晶の先端を原料融液に浸けた後、回転数10rpmの条件で種結晶を回転させながら0.5mm/hの引上げ速度で引き上げると共に徐々に降温し、種結晶の下部側に成長するガーネット型単結晶の直径を増加させて結晶肩部を形成した。
結晶肩部の形成が終了した時点で、引き上げ速度を上記0.5mm/hから0mm/hに変更し、かつ、育成された結晶の重量を測定しながら種結晶の回転数を上記10rpmから界面反転が起こる回転数まで20分かけて増加させた。
そして、回転数の増加に伴い育成された結晶の一部が原料融液に溶解し、測定中の結晶重量が減少するタイミングに合わせて回転数を増加させる操作を停止し、かつ、回転数を「38rpm」に固定し、この状態で静置した。
1時間後に上記結晶の重量減少が停止したことを確認し、そのタイミングに合わせて種結晶の引き上げ速度を上記0mm/hから0.5mm/hに変更し、結晶の育成を再開した。このとき、チャンバー内には4リットル/分の流量で窒素ガスを流し大気圧下で結晶の引上げを行なった。
そして、最大直径25mm、結晶直胴部長26mm、質量121gのクラックのない単結晶(TSAG)が得られた。
尚、上記単結晶(TSAG)を原料融液から切り離すときの固液界面形状を示す結晶底面は高さ0mmで、固液界面の平坦度が凹凸1mm以下に維持されていた。
また、上記結晶直胴部の育成時における周速度は298cm/分で、「298cm/分から361cm/分」の範囲内に設定されている。
次に、得られた単結晶(TSAG)の結晶直胴部の上下を切断、研磨し、かつ、互いに直交する2枚の偏光板間に挟んで観察したところ、結晶中央部にファセット成長は見られなかった。また、切断した結晶直胴部から直径3mm、長さ14mmのロッドを打ち抜いたところ34本のロッドが得られた。
[比較例1]
直径50mm、深さ50mmのイリジウム製ルツボに、酸化テルビウム粉末(純度99.99%)、酸化スカンジウム粉末(純度99.99%)および酸化アルミニウム粉末(純度99.99%)の混合粉末を詰めた。
上記混合粉末を詰めたルツボを育成炉におけるチャンバー内の底部側断熱材上に載置し、かつ、チャンバーを閉めた後、高周波コイルに電力を投入してルツボを加熱し、混合粉末を融解させた。続いて、引上げ軸に取り付けたYAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)からなる直径5mm、長さ70mmの棒状種結晶の先端を原料融液に浸けた後、回転数10rpmの条件で種結晶を回転させながら0.5mm/hの引上げ速度で引き上げると共に徐々に降温し、種結晶の下部側に成長するガーネット型単結晶の直径を増加させて結晶肩部を形成した。
結晶肩部の形成が終了した後、実施例に係る界面反転の操作を実施せずに結晶直胴部の育成を続けた。このとき、チャンバー内には4リットル/分の流量で窒素ガスを流し大気圧下で結晶の引上げを行なった。
そして、最大直径25mm、結晶直胴部長26mm、質量121gのクラックのない単結晶(TSAG)が得られた。
尚、上記単結晶(TSAG)を原料融液から切り離すときの固液界面形状を示す結晶底面は高さ7mmの凸型で、固液界面の平坦度が凹凸1mm以下に維持されていなかった。
また、上記結晶直胴部の育成時における周速度は79cm/分で、「298cm/分から361cm/分」の範囲内に設定されていなかった。
次に、得られた単結晶(TSAG)の結晶直胴部の上下を切断、研磨し、かつ、互いに直交する2枚の偏光板間に挟んで観察したところ、結晶中央部にファセット成長がみられた。また、切断した結晶直胴部から直径3mm、長さ14mmのロッドを打ち抜いたところ12本のロッドが得られた。
[比較例2]
直径50mm、深さ50mmのイリジウム製ルツボに、酸化テルビウム粉末(純度99.99%)、酸化スカンジウム粉末(純度99.99%)および酸化アルミニウム粉末(純度99.99%)の混合粉末を詰めた。
上記混合粉末を詰めたルツボを育成炉におけるチャンバー内の底部側断熱材上に載置し、かつ、チャンバーを閉めた後、高周波コイルに電力を投入してルツボを加熱し、混合粉末を融解させた。続いて、引上げ軸に取り付けたYAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)からなる直径5mm、長さ70mmの棒状種結晶の先端を原料融液に浸けた後、回転数10rpmの条件で種結晶を回転させながら0.5mm/hの引上げ速度で引き上げると共に徐々に降温し、種結晶の下部側に成長するガーネット型単結晶の直径を増加させて結晶肩部を形成した。
結晶肩部の形成が終了した時点で、引き上げ速度を上記0.5mm/hから0mm/hに変更し、かつ、育成された結晶の重量を測定しながら種結晶の回転数を上記10rpmから界面反転が起こる回転数まで20分かけて増加させた。
そして、回転数の増加に伴い育成された結晶の一部が原料融液に溶解し、測定中の結晶重量が減少するタイミングに合わせて回転数を増加させる操作を停止し、かつ、回転数を「51rpm」に固定し、この状態で静置した。
1時間後に上記結晶の重量減少が停止したことを確認し、そのタイミングに合わせて種結晶の引き上げ速度を上記0mm/hから0.5mm/hに変更し、結晶の育成を再開した。このとき、チャンバー内には4リットル/分の流量で窒素ガスを流し大気圧下で結晶の引上げを行なった。
そして、最大直径23mm、結晶直胴部長22mm、質量115gの単結晶(TSAG)が得られたが、クラックが発生していた。
尚、単結晶(TSAG)を原料融液から切り離すときの固液界面形状を示す結晶底面は高さ1.3mmの凹型で、固液界面の平坦度が凹凸1mm以下に維持されていなかった。
また、上記結晶直胴部の育成時における周速度は368cm/分で、「298cm/分から361cm/分」の範囲内に設定されていなかった。
また、得られた単結晶(TSAG)にはクラックが発生していたため、結晶直胴部を切断することができず、ロッドを打ち抜くことはできなかった。
本発明に係る製造方法で得られる酸化物ガーネット単結晶は、部分的に結晶組成が不均一となるファセット成長が抑制された結晶になっているため、光通信やファイバーレーザー加工機等の光アイソレータ用ファラデー回転子として適用される産業上の利用可能性を有している。
1 育成炉
2 チャンバー
3 断熱材
4 引上げ軸
5 ホットゾーン
6 種結晶
7 酸化物ガーネット単結晶
8 ルツボ
9 原料融液
10 高周波コイル

Claims (3)

  1. 育成炉のチャンバー内に配置されたルツボの原料融液に種結晶を接触させ、該種結晶を回転させながら引上げて、結晶肩部とこれに続く結晶直胴部を育成するチョクラルスキー法による酸化物ガーネット単結晶の製造方法において、
    上記チャンバー内に不活性ガスを供給しながら、種結晶の回転数を10rpm以下かつ種結晶の引上げ速度を1.5mm/h以下の条件にそれぞれ設定して上記酸化物ガーネット単結晶の結晶肩部を育成する第一工程と、
    上記結晶肩部が育成された後、第一工程における種結晶の引上げ速度を0mm/hに変更し、かつ、第一工程で育成された結晶の重量を測定しながら種結晶の回転数を固液界面の界面反転が起こる回転数まで徐々に増加させる第二工程と、
    回転数の増加に伴い第一工程で育成された結晶の一部が原料融液に溶解し、測定中の結晶重量が上記溶解により減少するタイミングに合わせて、上記回転数の増加操作を停止して固定する第三工程と、
    第三工程において固定した種結晶の上記回転数を保持しながら、固液界面が平坦になったことを示す結晶の重量減少が停止するタイミングに合わせて、第二工程における種結晶の引上げ速度を0mm/hから2.0mm/h以下の条件に変更する第四工程と、
    育成される結晶直胴部の周速度が298cm/分から361cm/分の範囲内に設定される上記第三工程の固定した回転数を保持しながら、固液界面における平坦度を凹凸1mm以下に維持して<111>結晶方位を有する酸化物ガーネット単結晶の結晶直胴部を育成する第五工程、
    を具備することを特徴とする酸化物ガーネット単結晶の製造方法。
  2. 上記不活性ガスが窒素ガスであることを特徴とする請求項1に記載の酸化物ガーネット単結晶の製造方法。
  3. 育成される酸化物ガーネット単結晶がTSAG(Tb3Sc2Al312)であることを特徴とする請求項1または2に記載の酸化物ガーネット単結晶の製造方法。
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