JP2015205486A - シート製造装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】排出部が小型なシート製造装置を提供する。
【解決手段】本発明に係るシート製造装置100は、積載した単票の古紙を供給する供給部と、供給部から供給された古紙を空気中で解繊する解繊部と、解繊部で解繊された解繊物を気流で分級し除去する分級部と、分級部で除去されなかった解繊物に空気中で添加物を混合する混合部と、混合部で混合された混合物を用いて単票のシートを成形する成形部と、シートを受けて積載する排出部と、を含み、古紙一枚当たりにおいて、分級部で除去されたものの重量は、混合される添加物の重量よりも大きく、排出部の最大積載可能重量は、供給部の最大積載可能重量よりも小さい。
【選択図】図1

Description

本発明は、シート製造装置に関する。
従来、シート製造装置においては、繊維を含む原料を水に投入し、主に機械的作用により離解して、抄き直す、いわゆる湿式方式が採用されている。このような湿式方式のシート製造装置は、大量の水が必要であり、装置が大きくなる。さらに、水処理施設の整備のメンテナンスに手間がかかる上、乾燥工程に係るエネルギーが大きくなる。そこで、小型化、省エネルギーのために、水を極力利用しない乾式によるシート製造装置が提案されている。
例えば、特許文献1には、乾式解繊機において紙片を繊維状に解繊して、紙を成形する紙再生装置が記載されている。
特開2012−144819号公報
上記のような古紙再生装置では数千枚の古紙を原料としてシートを製造するので、全ての古紙を再生するのに数時間かかることになる。この間、作業者が監視し続けることは困難なので、無人で稼働できることが望ましい。
そのためには、古紙を供給する供給部の最大積載可能重量の紙を、全てシートに製造したときに、排出部において製造されたシートの全てを積載可能である必要がある。例えば、紙を供給し紙を排出する装置としてプリンターが挙げられるが、プリンターでは、供給部の最大積載可能重量と排出部の最大積載可能重量は同じ、又は、排出部の最大積載可能重量の方が供給部の最大積載可能重量よりも大きいのが一般的である。
しかし、シート製造装置では数千枚の古紙を積載するため、排出部の最大積載可能重量を、例えば、供給部の最大積載可能重量と同じ、又はこれより大きくすると、排出部の構成が大きくなってしまう。
本発明の幾つかの態様に係る目的の1つは、排出部が小型なシート製造装置を提供することにある。
本発明は前述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の態様または適用例として実現することができる。
本発明に係るシート製造装置の一態様は、積層された単票の古紙を供給する供給部と、前記供給部から供給された古紙を空気中で解繊する解繊部と、前記解繊部で解繊された解繊物を気流で分級し除去する分級部と、前記分級部で除去されなかった前記解繊物に空気中で添加物を混合する混合部と、前記混合部で混合された混合物を用いて単票のシートを成形する成形部と、前記シートを受けて積載する排出部と、を含み、前記古紙一枚当たりにおいて、前記分級部で除去されたものの重量は、混合される前記添加物の重量よりも大
きく、前記排出部の最大積載可能重量は、前記供給部の最大積載可能重量よりも小さい。
このようなシート製造装置は、古紙から除去される重量が供給される重量よりも大きいため、供給部に供給した古紙の重量よりも排出部で受けるシートの重量のほうが小さい。したがって、排出部が供給部よりも小型にでき、空間利用効率を高めることができる。
本発明に係るシート製造装置において、前記排出部は、前記シートの重量により上下移動可能な積載部を有してもよく、前記積載部の最大積載可能重量は、前記積載部が最も下がった状態における積載重量であってもよい。
このようなシート製造装置によれば、積載されたシートの重量により積載部が上下する。積載部が上下しない場合、シートが落下する際の落差が大きくなり、シートが水平に積載されなかったり、シートが折れたりする。積載部を上下することで、製造されるシートを所定の落差で落下させて積層することができるので、シートの折れ等を生じにくく、良好なシートを提供することができる。
本発明に係るシート製造装置において、前記排出部は、前記シートの重量がより大きい場合の方がより小さい場合よりも、下方に位置するように前記積載部を移動させる移動部を有してもよい。
このようなシート製造装置によれば、移動部により積載部を移動させることで、良好に良好に移動させることができる。
本発明に係るシート製造装置において、前記排出部は、前記シートの重量がより大きい場合の方がより小さい場合よりも、下方に位置するように前記積載部を付勢する付勢部を有してもよい。
このようなシート製造装置によれば、積載部を移動させる際に、駆動のためのエネルギーが不要であり、簡易な製造装置にすることができる。
実施形態に係るシート製造装置を模式的に示す図。 実施形態の供給部を模式的に示す図。 実施形態の排出部を模式的に示す図。
以下に本発明の幾つかの実施形態について説明する。以下に説明する実施形態は、本発明の例を説明するものである。本発明は以下の実施形態になんら限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において実施される各種の変形形態も含む。なお以下に説明される構成の全てが本発明の必須の構成であるとは限らない。
また、本明細書では、シート製造装置において、製造されるシートの材料(古紙U、解繊物、ウェブW、シートS等)の流れ(概念的な流れを含む)に対して、「上流」、「下流」等の表現を用いる。また、「上流側(下流側)」という表現は、構成の位置を相対的に特定する場合に用い、例えば、「AがBの上流側(下流側)にある」などという場合には、Aの位置がBの位置に対して、シートSの材料の流通方向に照らして上流(下流)にあることを指す。
また、本明細書において、乾式とは、液体中ではなく大気中(空気中)でという意味である。乾式の範疇には、乾燥状態、及び不純物として存在する液体(水等)又は意図的に
添加される液体(水等)、水蒸気、ミスト等が存在する状態、が含まれる。また、乾式の態様と、抄紙等で行われる湿式の態様とでは、装置全体あるいは製造される紙の量に対する水の使用量が全く異なることに注意する。すなわち、乾式の態様において、系内に水が存在する場合の水の量は、湿式に比較して桁違いに少ない。
1.シート製造装置
1.1.構成
まず、本実施形態に係るシート製造装置について、図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係るシート製造装置100を模式的に示す図である。図2は、本実施形態に係るシート製造装置100の供給部10の例を模式的に示す図である。図3は、本実施形態に係るシート製造装置100の排出部90の例を模式的に示す図である。
シート製造装置100は、図1に示すように、供給部10と、解繊部20と、分級部30と、混合部40と、成形部70と、排出部90と、を含む。シート製造装置100は、筐体1を有し、供給部10及び排出部90が筐体1の外側に配置され、供給部10及び排出部90に対して外部からユーザーが容易にアクセスできるようになっている。また、図1の例では、供給部10及び排出部90以外の構成は、筐体1の内側に設けられているが、その一部は外側に設けられてもよく、位置関係も特に限定されない。筐体1は、金属、樹脂等の材質の骨組み、カバー等により適宜に設計され得る。
1.2.供給部
シート製造装置100は、供給部10を含む。図1の例では、供給部10は筐体1から外側に突出するように設けられている。供給部10は、シート製造装置100の筐体1の内側に設けられても、外側に設けられてもよい。
供給部10は、単票の古紙Uを解繊部20に供給する。供給部10は、単票の古紙Uを積層して搭載することができる。供給部10は、シート状の単票の古紙Uを多数積層して収容可能な箱体である。供給部10は、搭載される古紙Uの重量等に合わせて、適宜、金属、樹脂等の材質で形成される。
供給部10は、単票の古紙Uを積層して搭載できる限りその構成は特に限定されない。なお、単票とは、例えば、市販のプリンター用紙のように、A3サイズやA4サイズに、1枚ずつ裁断してある状態をいう。図2に示す例では、供給部10は、箱体18の内部に上下移動可能な積載部11を有している。当該積載部11の上に、単票の古紙Uが積層される。積載部11の上下移動は、例えば積層された単票の古紙Uのうち最も上に位置する古紙Uが、取り出しローラー12に対して付勢されるように行われる。積層された古紙Uの付勢は、図2(a)、図2(b)の例では、積載部11の下方に設けられた付勢部としての圧縮バネ13が、箱体18から積載部11を上方に付勢することにより行われ、図2(c)、図2(d)の例では、リードスクリュー14が回転することにより、リードスクリュー14の溝に噛み合うように積載部11に設けられたツメ15を持ち上げることにより行われる。リードスクリュー14は、図示せぬモーターによって駆動される。また、図示しないが積層された古紙Uの付勢は、ラックアンドピニオン等の機構により行ってもよい。
供給部10には、最大積載可能重量が存在する。供給部10の最大積載可能重量は、積載部11が最も下方に位置する状態で、積層した古紙Uが供給可能である状態における単票の古紙Uの全体の重量である。なお、カタログや取扱説明書で、積載可能重量を示していればその値であり、積載可能枚数を示していれば、積載可能枚数に1枚当たりの古紙の重量をかけたものが積載可能重量となる。ここで、古紙には、密度の大小や、坪量(1m2あたりの重量(g/m2))の大小がある。そのため、供給部10の最大積載可能重量は
積載される古紙により異なる。なお、積載部11が最も下方に位置する状態となったときの単票の古紙Uの枚数も、古紙の密度や坪量によって異なることになる。
供給部10は、シート製造装置100によって製造されるシートSに含まれる繊維を、古紙Uとして供給する。古紙Uに含まれる繊維は、解繊部20によって解繊され、シートSの材料の一部となる。
1.3.解繊部
本実施形態のシート製造装置100は、解繊部20を有する。解繊部20は、供給部10から供給された古紙Uを空気中で解繊する。解繊部20は、古紙Uに付着した樹脂粒やインク、トナー、にじみ防止剤等の物質を、繊維から分離させる機能をも有する。ここで、「解繊する」とは、複数の繊維が結着されてなる原料(被解繊物)(古紙U)を、繊維1本1本に解きほぐすことをいう。解繊部20を通過したものを「解繊物」という。「解繊物」には、解きほぐされた解繊物繊維の他に、繊維を解きほぐす際に繊維から分離した樹脂(複数の繊維同士を結着させるための樹脂)粒や、インク、トナーなどのインク粒、にじみ防止材や紙力増強剤などの添加剤等の粒を含んでいる場合もある。解きほぐされた解繊物の形状は、ひも(string)状や平ひも(ribbon)状である。解きほぐされた解繊物は、他の解きほぐされた繊維と絡み合っていない状態(独立した状態)で存在してもよいし、他の解きほぐされた解繊物と絡み合って塊状となった状態(いわゆる「ダマ」を形成している状態)で存在してもよい。
解繊部20は、大気中(空気中)において乾式で解繊を行う。なお、乾式とは、液体中ではなく大気中(空気中)でという意味である。乾式の範疇には、乾燥状態と、不純物として存在する液体または意図的に添加される液体が存在する状態とが含まれる。
解繊部20の構成は、特に限定されないが、例えば、回転部(回転子)とこれを覆う固定部とを含み、回転部と固定部との間に隙間(ギャップ)が形成されたものを挙げることができる。解繊部20がこのように構成される場合には、回転部が回転した状態で原料(古紙U)がギャップに導入されることにより、解繊が行われる。具体的には、解繊部20としては、インペラーミルを用いる。
解繊部20は、原料を吸引し、解繊物を排出するような気流を発生させる機能を有することがより好ましい。この場合、解繊部20は、自ら発生する気流によって、導入口21から、原料を気流と共に吸引し、解繊処理して、排出口22へと搬送することができる。なお、気流発生機構を有していない解繊部20を用いる場合には、原料を導入口21に導く気流や、排出口22から解繊物を吸出する気流を発生する機構を外付けで設けてもよい。解繊部20を通過した解繊物は、管82を介して、分級部30に移送される。
1.3.1.被解繊物
本明細書において、被解繊物とは、シート製造装置100の原材料を含む、単票の古紙U、単票の紙、単票のシートSなどの、繊維が絡み合い又は結着されたものを指す。また、本明細書において、被解繊物は、シート製造装置100によって製造されたシート若しくは使用後の該シート(古シート)であってもよい。
1.3.2.解繊物
本実施形態のシート製造装置100において、解繊物は、製造されるシートSの材料の一部として使用される。解繊物は、上述の被解繊物を解繊処理して得られる繊維を含む。
本実施形態で使用される解繊物に含まれる繊維は、独立した1本の繊維としたときに、その平均的な直径(断面が円でない場合には長手方向に垂直な方向の長さのうち、最大の
もの、又は、断面の面積と等しい面積を有する円を仮定したときの当該円の直径(円相当径))が、平均で、1μm以上1000μm以下が好ましい。
本実施形態で使用される解繊物に含まれる繊維の長さは、特に限定されないが、独立した1本の繊維として、その繊維の長手方向に沿った長さは、1μm以上5mm以下が好ましい。繊維の長さが短い場合は、樹脂によって結着されにくいため、シートの強度が不足する場合があるが、上記範囲であれば十分な強度のシートを得ることができる。また、繊維の平均の長さは、長さ−長さ加重平均繊維長として、20μm以上3600μm以下が好ましい。さらに、繊維の長さは、ばらつき(分布)を有してもよい。
本明細書では、繊維というときには、繊維1本のことを指す場合と、複数の繊維の集合体(例えば綿のような状態)のことを指す場合とがあり、また、解繊物というときには、複数の繊維が含まれる材料のことを指し、繊維の集合という意味及びシートSの原料となる材料(粉体状又は綿状の物体)という意味を含むものとする。
1.4.分級部
本実施形態のシート製造装置100は分級部30を有する。分級部30は、解繊部20を通過した解繊物を分級する。分級部30は、解繊部20で解繊された解繊物のうちで比較的小さいものを気流で分級し除去する。解繊物は主に繊維が含まれており、その他に、樹脂粒やインク粒や添加剤が含まれる。このうち、比較的小さいものには、樹脂粒やインク粒や添加剤の他、繊維の中でも比較的短い短繊維が含まれる。なお、樹脂粒やインク粒や添加剤は古紙の種類によって含まれる場合と含まれない場合がある。
分級部30としては、気流式分級機を用いることができる。気流式分級機は、旋回気流を発生させ、解繊物のサイズや密度により受ける遠心力の差によって分離するものであり、気流の速度及び遠心力の調整によって、分級点を調整することができる。具体的には、分級部30としては、サイクロン、エルボージェット、エディクラシファイヤーなどを用いる。特にサイクロンは、構造が簡便であるため、分級部30として好適に用いることができる。以下では、分級部30として、サイクロンを用いた場合について説明する。
図1に示すように、分級部30は、少なくとも導入口31と、下部に設けられている下部排出口34と、上部に設けられている上部排出口35と、を有している。分級部30において、導入口31から導入された解繊物をのせた気流は、円周運動せられ、これにより、導入された解繊物には、遠心力がかかって、第1分級物(解きほぐされた繊維)と、第1分級物より小さく密度の低い第2分級物(樹脂粒、インク粒等)(上述の比較的小さい解繊物に相当する。)と、に分離される。図示の例では、第1分級物は、下部排出口34から排出され、管86を通ってほぐし部51の導入口52に導入される。一方、第2分級物は、上部排出口35から管84を通って分級部30の外部の受け部36に排出される。
なお、分級部30により第1分級物と第2分級物に分離すると記載したが、正確に分離できる訳ではない。第1分級物のうち比較的小さいものや密度の低いものは第2分級物とともに外部に排出される場合がある。第2分級物のうち比較的密度の高いものや第1分級物に絡まってしまったものは第1分級物とともに管86へ導入される場合もある。このため、比較的小さい解繊物とは、ある大きさ以下のものとは断定できない。除去したものと除去されなかったものを比較すると、個々の大きさの平均値は除去したものの方が小さくなるので、比較的小さい解繊物とは、除去されなかった解繊物に比べて、それぞれの大きさの平均値が小さいものと言える。
分級部30で除去される第2分級物(樹脂粒、インク粒等)の重量は、後述する混合部40にて混合される添加物の重量よりも大きくなる。理想的には、分級部30によって、
繊維以外のものを除去したいが、前述したように完全に分離して除去することはできない。また、繊維の中でも短い繊維は除去する。このため、1枚の古紙に含まれる繊維全てを使用することができない。ここで、除去された分と同等量の樹脂を添加物として混合した場合、1枚の古紙から1枚のシートを作成することができる。しかし、樹脂の量が多くなるためコスト高となったり、繊維の割合が異なるため、紙を成形した場合には風合いが異なることになる。そのため、繊維の量に応じて添加物を加えるのが望ましい。この場合、除去される第2分級物の重量よりも添加する添加物の重量の方が小さくなる。
分級部30を通過した解繊物は、管86へ導入され、シート状に成形されるまでの間に、混合部40において添加物と混合される。
1.5.混合部
本実施形態のシート製造装置100は、混合部40を有する。混合部40は、分級部30で除去されなかった解繊物に空気中で添加物を混合する。混合部40は、解繊部20を通過した解繊物の繊維(繊維材)と、添加物とを混合する機能を有する。また、添加物は、樹脂と他の成分との複合体であってもよい。複合体は、樹脂を主成分として他のものと一体に形成された粒子をいう。係る他のものとは、着色材や凝集抑制剤などをいうが、主成分となる樹脂と異なる形状や大きさや材質や機能を有するものも含まれる。本明細書において「繊維と添加物とを混ぜ合せる」とは、一定容積の空間(系)内で、繊維と繊維との間に添加物を位置させることをいう。
混合部40は、繊維(繊維材)と添加物とを混ぜ合せることができれば、その構成、構造及び機構等は特に限定されない。また、混合部40における混ぜ合せの処理の態様は、回分処理(バッチ処理)であっても、逐次処理、連続処理のいずれであってもよい。また、混合部40は、手動で動作されても自動で動作されてもよい。
混合部40における混ぜ合せの処理としては、流体力学的な混合を例示することができる。流体力学的な混ぜ合せの処理としては、例えば、大気等の気流中に繊維(解繊物)及び添加物を導入して気流中で相互に拡散させる方法が挙げられる。係る大気等の気流中に繊維及び添加物を導入する方法では、繊維が気流によって流動(移送)されている管等に添加物を投入してもよい。係る方法の場合には、管等の中の気流は、乱流であるほうが混ぜ合せの効率がよくなることがあるためより好ましい。
混合部40は、シート製造装置100における原料(の一部)の流れ方向において、分級部30の下流側であって、成形部70の結着部60の上流側に設けられる。混合部40によって混ぜ合された混合物(繊維と添加物との混合物)は、ほぐし部51等の他の構成によってさらに混ぜ合されてもよい。
図1に示す例では、混合部40は、管86及び添加物供給部42からなっている。この例では、気流により繊維を流動させた状態で添加物(樹脂)を導入する。混合部40に管86を採用する場合における気流の発生手段としては、図示せぬブロワーなどが挙げられ、上記の機能が得られる限り、適宜に使用することができる。
管86への添加物の導入は、弁の開閉操作や作業者の手で行うこともできるが、図1に示す添加物供給部42としてのスクリューフィーダーや図示せぬディスクフィーダーなどを用いて行うことができる。これらのフィーダーを用いることにより、気流の流れ方向における添加物の含有量(添加量)の変動を小さくすることができるためより好ましい。
混合部40の処理能力は、シート製造装置100の製造能力(スループット)に応じて適宜設計、調節することができる。混合部40の処理能力の調節は、管86内の繊維及び
添加物を移送するための気体の流量や、繊維や添加物の導入量、移送量等を変化させることにより行うことができる。
添加物供給部42は、供給口87から管86に空気中で添加物を供給する。すなわち、添加物供給部42は、解繊物が流れる経路に(図示の例では分級部30とほぐし部51との間に)、添加物を供給する。管86を繊維及び添加物が通過する結果、混合物が形成される。したがって本実施形態のシート製造装置100では、混合部40は、添加物供給部42及び管86を含んで構成されている。
添加物供給部42から供給される添加物は、複数の繊維を結着させるための樹脂を含む。添加物が供給された時点では、複数の繊維は結着されていない。添加物に含まれる樹脂は、成形部70の結着部60を通過する際に溶融して、複数の繊維を結着させる。
添加物供給部42から供給される添加物に含まれる樹脂は、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂であり、AS樹脂、ABS樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリフェニレンエーテル、ポリブチレンテレフタレート、ナイロン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、などが挙げられる。これらの樹脂は、単独または適宜混合して用いてもよい。
添加物供給部42から供給される添加物は、繊維状であってもよく、粉末状であってもよい。添加物が繊維状である場合、添加物の繊維長は、解繊物の繊維長以下であることが好ましい。具体的には、添加物の繊維長は、3mm以下、より好ましくは2mm以下である。添加物の繊維長が3mmより大きいと、解繊物と均一性よく混合することが困難となる場合がある。添加物が粉末状である場合、添加物の粒径(直径)は、1μm以上50μm以下、より好ましくは2μm以上20μm以下である。添加物の粒径が小さいと、添加物を小さく加工するコストが高くなることがあり、添加物の粒径が大きいと、解繊物中に均一に分散しにくくなることがあり解繊物中の繊維同士を結着させる結着力が低下する場合がある。
添加物供給部42から供給される添加物の量は、製造されるシートの種類に応じて、適切に設定されるが、分級部30において除去されたものの重量よりも小さい重量で添加される。添加物には、繊維を結着させる樹脂の他、製造されるシートの種類に応じて、繊維を着色するための着色剤や、繊維の凝集を防止するための凝集防止材、繊維等が燃えにくくするための難燃剤を供給してもよい。
1.6.成形部
本実施形態のシート製造装置100は成形部70を有する。成形部70は、混合部40で混合された混合物を用いて単票のシートSを成形する。成形部70は、図1に示すように、ほぐし部51、シート成形部55、結着部60及び切断部80を有する。
ほぐし部51は、混合部40を通過した混合物を導入口52から導入し、空気中で分散させながら降らせる。図示の例では、シート成形部55にて、ほぐし部51から降ってきた混合物を空気中で堆積してウェブWを形成する。ほぐし部51は、絡み合った解繊物(繊維)をほぐす。さらに、ほぐし部51は、添加物供給部42から供給される添加物の樹脂が繊維状である場合、絡み合った樹脂をほぐす。また、ほぐし部51は、シート成形部55に混合物を均一に堆積させる作用を有する。
ほぐし部51としては、篩(ふるい)を用いる。ほぐし部51は、網(フィルター、スクリーン)を有し、混合部40を通過した混合物に含まれる、網の目開きの大きさより小
さい繊維または粒子(網を通過するもの)を降らせる。具体的には、ほぐし部51は、モーターによって回転することができる円筒の篩である。ほぐし部51の網は、例えば、金網、切れ目が入った金属板を引き延ばしたエキスパンドメタル、金属板にプレス機等で穴を形成したパンチングメタルを用いる。
なお、ほぐし部51の「篩」は、特定の対象物を選別する機能を有していなくてもよい。すなわち、ほぐし部51として用いられる「篩」とは、網(フィルター、スクリーン)を備えたもの、という意味であり、ほぐし部51は、ほぐし部51に導入された混合物(混合部40を通過した混合物)の全てを降らしてもよい。
シート成形部55は、ほぐし部51の複数の開口を通過した通過物を堆積する。シート成形部55は、例えば、メッシュベルト56と、張架ローラー57と、サクション機構58と、を有している。
メッシュベルト56は、移動しながら、ほぐし部51の複数の開口を通過した通過物を、堆積するものである。メッシュベルト56は、張架ローラー57によって張架され、通過物を通しにくく空気を通す構成となっている。メッシュベルト56は、張架ローラー57が自転することによって移動する。メッシュベルト56が連続的に移動しながら、ほぐし部51を通過した通過物が連続的に降り積もることにより、メッシュベルト56上にウェブWが形成される。
メッシュベルト56は、金属製、樹脂製、布製、あるいは不織布等であることができ、ほぐし部51を通過した通過物が堆積でき、気流を通過させることができれば、どのようなものでもあってもよい。メッシュベルトの穴径(直径)は、例えば、60μm以上250μm以下である。メッシュベルトの穴径が60μmより小さいと、サクション機構58によって安定した気流を形成することが困難な場合がある。メッシュベルトの穴径が250μmより大きいと、メッシュの間に例えば混合物の繊維が入り込んで、製造されるシートの表面の凹凸が大きくなる場合がある。サクション機構58は、例えば、メッシュベルト56の下に所望のサイズの窓を開けた密閉箱を形成し、窓以外から空気を吸引し箱内を外気より負圧にすることで構成されている。
サクション機構58は、メッシュベルト56の下方(ほぐし部51側とは反対側)に設けられている。サクション機構58は、下方に向く気流(ほぐし部51からメッシュベルト56に向く気流)を発生させることができる。サクション機構58によって、ほぐし部51により空気中に分散された混合物をメッシュベルト56上に吸引することができる。これにより、空気中に分散させた混合物を吸引することができ、ほぐし部51からの排出速度を大きくすることができる。その結果、シート製造装置100の生産性を高くすることができる。また、サクション機構58によって、混合物の落下経路にダウンフローを形成することができ、落下中に解繊物や添加物が絡み合うことを防ぐことができる。
以上のように、ほぐし部51およびシート成形部55(ウェブ形成工程)を経ることにより、空気を多く含み柔らかくふくらんだ状態のウェブWが形成される。次いで、図1に示すように、メッシュベルト56に堆積されたウェブWは、メッシュベルト56の回転移動により搬送される。そして、メッシュベルト56に堆積されたウェブWは、メッシュベルト56から剥がされ、結着部60へと搬送される。
結着部60は、シート成形部55に(メッシュベルト56に)堆積したウェブWを加圧加熱してシートを成形する。結着部60では、ウェブWにおいて混ぜ合された解繊物および添加物の混合物に、熱を加えることにより、混合物中の複数の繊維を互いに添加物(樹脂)を介して結着する。添加物の構成成分の1つである樹脂が、熱可塑性樹脂である場合
には、そのガラス転移温度(軟化点)または融点付近以上の温度に加熱すると、樹脂が軟化したり溶けたりし、その後温度が低下した際に固化する。樹脂が軟化して繊維に絡み合うように接触し、樹脂が固化することで繊維と添加物とを互いに結着することができる。また、固化する際に他の繊維が結着することで、繊維と繊維を結着する。添加物の樹脂が、熱硬化性樹脂である場合には、軟化点以上の温度に加熱してもよいし、硬化温度(硬化反応を生じる温度)以上に加熱しても繊維と樹脂とを結着することができる。なお、樹脂の融点、軟化点、硬化温度等は、繊維の融点、分解温度、炭化温度よりも低いことが好ましく、そのような関係となるように両者の種類を組み合わせて選択することが好ましい。
結着部60の具体的な構成としては、加熱ローラー(ヒーターローラー)、熱プレス成形機、ホットプレート、温風ブロワー、赤外線加熱器、フラッシュ定着器などが挙げられる。図示の例では、結着部60は、ローラーによりウェブWを挟み込んで加熱および加圧するように構成されており、一対の加熱ローラー61を有している。図示の例では、結着部60は、第1結着部60aと第2結着部60bとを備え、第1結着部60aおよび第2結着部60bがそれぞれ一対の加熱ローラー61を備えている。結着部60を加熱ローラー61として構成したことにより、結着部60を板状のプレス装置(平板プレス装置)として構成した場合に比べてウェブWを連続的に搬送しながらシートを成形することができる。なお、加熱ローラー61の数は、特に限定されない。
結着部60は、ローラー等によって構成できる他、板状のプレス装置によっても構成することができる。また、シート製造装置100では、結着部60は、ウェブWに対して加圧も行うが、後述の加圧部が設けられる場合には、結着部60による加圧力が、加圧部の加圧力より小さくなるように設定されることが好ましい。結着部60よりも加圧部の加圧力の方を大きくすることにより、加圧部によってウェブWに含まれる繊維間の距離を十分短くでき、その状態で加熱加圧することにより高密度で高強度の紙を形成することができる。また、シート製造装置100では、加熱の後に加圧してもよい。
本明細書において、「繊維と樹脂(添加物)とを結着する」とは、繊維と樹脂とが離れにくい状態や、繊維と繊維との間に樹脂が配置され、繊維と繊維とが樹脂を介して離れ難くなっている状態をいう。また、結着とは、接着を含む概念であって2種以上の物体が接触して離れにくくなった状態を含む。また繊維と繊維とが樹脂を介して結着した際に、繊維と繊維とが平行に又は交差してもよいし、1本の繊維に複数の繊維が結着してもよい。
切断部80は、図1に示すように、結着部60よりも下流側に配置される。切断部80は、シートSの搬送方向と交差する方向にシートSを切断する第1切断部80a及び搬送方向に平行な方向にシートSを切断する第2切断部80bを有する。第1切断部80aは、カッターを備え、連続状のシートSを所定の長さに設定された切断位置に従って枚葉状に裁断する。また、第1切断部80aよりシートSの搬送方向の下流側には、シートの搬送方向に沿ってシートSを切断する第2切断部80bが配置されている。第2切断部80bは、カッターを備え、シートSの搬送方向における所定の切断位置に従って裁断(切断)する。
以上の構成を備えた成形部70により、所定のサイズの単票のシートSが成形される。切断された単票のシートSは、排出部90へと排出される。
1.7.排出部
シート製造装置100は、排出部90を含む。排出部90は、成形部70で成形された単票のシートSを受ける。図1の例では、排出部90は筐体1から外側に突出するように設けられている。排出部90は、シート製造装置100の筐体1の内側に設けられても、外側に設けられてもよい。排出部90は、単票のシートSを積層して受け、単票のシート
Sを積層して搭載することができる。排出部90は、シート状の単票のシートSを多数積層して収容可能な箱体である。排出部90は、搭載されるシートSの重量等に合わせて、適宜、金属、樹脂等の材質で形成される。
排出部90は、図3に示すように、単票の古紙Uを積層して搭載できる限りその構成は特に限定されない。図3に示す例では、排出部90は、箱体98の内側に、上下移動可能な積載部91を有している。図3において、箱体98の左方にシート製造装置100の筐体1があり、製造されたシートSは左から右へ移動する。そして、積載部91の上に、単票のシートSが積層される。移動するシートSを受け入れやすく、かつ、シートSが箱体を通過して箱体内積層できないことがないように、箱体の壁の上端の位置は左側が低く右側が高くなっている。
積載部91の上下移動は、例えば積層された単票のシートSのうち最も上に位置するシートSが、所定の高さの位置になるように行われる。
積載部が上下しない場合、排出されたシートSと、積層されたシートSの最も上に位置するシートSとの高さの差が大きくなる。そのため、排出されたシートSが落下する際の落差が大きくなる。このため、シートが水平に積載されなかったり、シートがずれて積層したり、シートが折れたりする。一方、積載部91を上下移動することで、製造されるシートSが落下する際の落差を小さくでき、ずれずに積層することができる。そのため、シートSの折れ等を生じにくく、良好なシートSを提供することができる。
また、排出部90の積載部91は、製造されるシートSの枚数がより多い(重量がより大きい)場合の方が、枚数がより少ない(重量がより小さい)場合よりも、下方に位置するように移動させる。このようにすると、上記と同様に、製造されるシートSの折れ等を生じにくく、良好なシートSを製造することができる。
以下、排出部90の幾つかの例を図3を参照して説明する。図3(a)の例では、箱体98の内側の積載部91の下方に、箱体98から積載部91を上方へ付勢する付勢部としての圧縮バネ93が設けられている。圧縮バネ93は積載部91を上方に付勢する。積載部91に積載されたシートSの重量により、圧縮バネ93にかかる荷重が変わり、圧縮バネ93の長さは変化する。これにより、積載部91に積載するシートSの重量がより多い場合の方がより少ない場合よりも、積載部91は下方に位置することになる。シートSを積載したときに、シートSの最も上のシートSと排出されるシートSとの落差が大きくならないような位置に積載部91が位置するように圧縮バネ93は設計される。なお、付勢部としては、圧縮バネの代わりに引張バネや弾性部材でもよく、ダンパー等を含んでもよい。付勢部を設けることにより、モーターなどの駆動装置を設ける必要がなく、簡易な装置にすることができる。なお、図3(a)では圧縮バネ93の外径が徐々に小さくなっている。これにより、最大限に圧縮したときの密着高さを小さくすることができる。また、図3(a)では圧縮バネ93の外径が下側のほうが小さいがその逆でもよい。
図3(b)の例では、積載部91を能動的に上下させる移動部としてリードスクリュー94を採用している。リードスクリュー94が積載部91に設けられたツメ95を持ち上げることにより、積載部91を能動的に上下させる。リードスクリュー94の溝は、ツメ95に対応しており、図示せぬモーター等によってリードスクリュー94が回転することにより、積載部91を能動的に上下させることができる。リードスクリュー94は、シートSが1枚排出される毎に所定量回転する。1枚毎ではなく複数枚毎に所定量回転してもよい。これにより、積載部91に積載するシートSの枚数がより多い場合の方がより少ない場合よりも、積載部91は下方に位置することになる。ここで、シート製造装置100は同じ仕様のシートSを製造するため、1枚当たりのシートSの重量はほぼ一定である。
シートSの枚数とシートSの重量は比例する関係になる。つまり、積載部91に積載するシートSの重量がより大きい場合の方がより小さい場合よりも、積載部91は下方に位置することになる。また、図示しないが、移動部は、ラックアンドピニオン等の機構により行ってもよい。
図3(c)に示す例は、移動部として、複数のリードスクリュー94が設けられ、各リードスクリュー94に対応する位置に、積載部91のツメ95を配置した例である。これにより、図3(b)に示す例に比べてより多くのシートSが積載された場合でも積載部91を能動的に上下させることができる。このようなリードスクリューを複数含む構成は、上述の供給部10に対しても適用することができる。
シート製造装置100の規模に依存するが、古紙Uの枚数やシートSの枚数が千枚を越える程度となると、積載部91を上下移動させるために強い力が必要となるため、リードスクリューを複数設けることが好ましい。
排出部90には、最大積載可能重量が存在する。排出部90の最大積載可能重量は、単票のシートSが積層され積載部91が最も下方に位置する状態で、排出されたシートSを受けられる最大の積載枚数におけるシートSの全体の重量である。このため、例えばユーザーが手でシートSを積載することで、さらに積載できたとしても、シート製造装置100で製造したシートSを受けられる状態でない場合は、最大積載可能重量とはみなさない。なお、カタログや取扱説明書で、積載可能重量を示していればその値であり、積載可能枚数を示していれば、積載可能枚数に1枚当たりのシートSの重量を乗じたものが積載可能重量となる。
1.8.供給部と排出部との間の関係
本実施形態のシート製造装置100は、上述の通り、分級部30によって除去される物質の重量が、混合部40において添加される添加物の重量よりも大きい。これにより、古紙から新たな紙を再生しようとした場合、1枚の古紙から1枚の新たな紙は再生できない。例えば、1000枚の古紙から900枚の紙を製造することになる。なお、枚数の比較は古紙と製造する紙が共に同じ坪量である場合に有効である。同じ坪量でない場合は重量で比較するとよい。その場合、原料となる古紙の重量よりも、新たに製造された紙の重量の方が小さくなる。つまり、排出部90に積載したシートの重量は、供給部10に積載した古紙の重量よりも小さくすることができる。
そのため、供給部10の最大積載可能重量まで供給部10に単票の古紙Uが積載された状態でシート製造装置100を運転し、全ての古紙Uを供給したとしても、排出部90に排出されるシートSの重量は、供給部10の最大積載可能重量よりも小さくなる。供給部10の最大積載可能重量で積載した古紙Uを供給して製造されたシートSの重量にマージン分を追加した重量を排出部90の最大積載可能重量としてもよいし、製造されたシートSの重量を排出部90の最大積載可能重量としてもよい。また、シートSを全て製造し終える前に、ユーザーが排出部90からシートSを取り出すことを前提とする場合は、排出部90の最大積載可能重量よりも小さくてもよい。いずれにしても、排出部90の最大積載可能重量は、供給部10の最大積載可能重量よりも小さくでき、排出部90を小型化できる。したがって、排出部90を構成する部材に要求される強度やコストを小さく抑えることができる。これにより排出部90の小型化を図ることができる。
また、古紙Uと同じ密度や同じ坪量のシートSを製造する場合には、上述の供給部10の最大積載可能重量、及び、排出部90の最大積載可能重量は、それぞれ、供給部10の最大積載可能枚数、及び、排出部90の最大積載可能枚数と言い換えることができる。すなわち、係る条件においては、供給部10の最大積載可能枚数は、排出部90の最大積載
可能枚数よりも多く設計される。換言すると、排出部90の最大積載可能枚数は、供給部10の最大積載可能枚数よりも少ない。また、供給部10の最大積載可能枚数は、排出部90の最大積載可能枚数よりも多くなると言うことは、供給部10の積載部の高さ(大きさ)の方が排出部90の積載部の高さ(大きさ)よりも高い(大きい)ということになる。
1.9.その他の構成
本実施形態のシート製造装置100は、上述の構成の他に、例えば、粗砕部、加圧部、選別部等の構成を有することができる。
1.9.1.粗砕部
供給部10に積載された単票の古紙Uは、解繊部20に供給されるが、供給部10及び解繊部20の間には、粗砕部が備えられてもよい。図1の例では、シート製造装置100は、粗砕部4を含んでいる。粗砕部4は、解繊部20の上流側に配置されている。粗砕部4は、供給部10から供給された単票の古紙Uを、空気中で裁断して細片にする。細片の形状や大きさは、特に限定されないが、例えば、数cm角まで裁断する。図示の例では、粗砕部4は、粗砕刃を有し、粗砕刃によって、投入された単票の古紙Uを裁断する。粗砕部4の具体的な例としては、シュレッダーが挙げられる。裁断された古紙Uは、ホッパー16で受けられ管81を通じて解繊部20の導入口21に導かれる。
1.9.2.加圧部
本実施形態のシート製造装置100は、図示しない加圧部を有してもよい。加圧部は、ほぐし部51の下流側であって、結着部60の上流側に配置されることができる。また、加圧部や結着部60は、メッシュベルト56からウェブWを分離した後に設けられてもよい。加圧部はシート状に形成されたウェブWを加熱せずに加圧する。従って、加圧部は、ヒーター等の加熱手段を有していない。すなわち、加圧部は、カレンダー処理を行う構成である。
加圧部では、ウェブWを加圧(圧縮)することにより、ウェブW中の繊維同士の間隔(距離)が縮められ、ウェブWの密度を高めることができる。加圧部は、ローラーによりウェブWを挟み込んで加圧するように構成されることができ、一対の加圧ローラーを有する態様を採用することができる。
加圧部では、加熱されず加圧のみ行われるので、機能材中に樹脂が含まれる場合には樹脂は溶融しない。また、機能材中に樹脂が含まれない場合においては、加圧部はウェブWの密度を高める機能を有する。加圧部では、ウェブWが圧縮され、ウェブW中の繊維同士の間隔(距離)が縮められる。すなわち、高密度化されたウェブWが形成される。加圧部の加圧力は、結着部60による加圧力より大きくなるように設定されることが好ましい。例えば、加圧部の加圧力は、500〜3000kgf、結着部60の加圧力は、30〜200kgfに設定することが好ましい。このように、結着部60よりも加圧部の加圧力の方を大きくすることにより、加圧部によってウェブWに含まれる繊維間の距離を十分短くでき、その状態で加熱加圧することにより薄くて高密度で高強度のシート(紙)を形成することができる。
1.9.3.選別部
シート製造装置100は、図示しない選別部を有してもよい。選別部は、分級物を導入口から導入し、繊維の長さによって選別する。選別部としては、篩(ふるい)を用いることができる。選別部は、網(フィルター、スクリーン)を有し、分級物に含まれる、網の目開きの大きさより小さい繊維または粒子(網を通過するもの)と、網の目開きの大きさより大きい繊維や未解繊片やダマ(網を通過しないもの)と、を分けることができる。例
えば、網を通過するものは、混合部40に移送され、網を通過しないものは、解繊部20に戻されるように構成してもよい。具体的には、選別部は、モーターによって回転することができる円筒の篩である。選別部の網は、例えば、金網、切れ目が入った金属板を引き延ばしたエキスパンドメタル、金属板にプレス機等で穴を形成したパンチングメタルを用いることができる。
2.その他
上記実施形態で説明したシート製造装置100は、乾式の態様であった。しかし、本発明に係るシート製造装置は、湿式の態様であっても構わない。例えば、上述の解繊部20の代わりに離解部(パルパー)を、分級部30の代わりに脱墨部を、成形部70の代わりに抄紙部を用いてもよい。
したがって、本発明に係るシート製造装置は、積載した単票の古紙を供給する供給部と、供給部から供給された古紙を湿式で離解する離解部と、離解部で離解された離解物のうちで比較的小さいものを除去する脱墨部と、脱墨部で除去されなかった離解物に添加物を混合する混合部と、混合部で混合された混合物を用いて単票のシート(紙)を成形する抄紙部と、シート(紙)を受けて積載する排出部と、を含むように構成することができる。そして、古紙一枚当たりにおいて、脱墨部で除去されたものの重量は、混合される添加物の重量よりも大きく、シート(紙)が積載される排出部の最大積載可能重量は、供給部の最大積載可能重量よりも小さくなるように構成することにより、上述の乾式の実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
なおこの場合、離解部、脱墨部、抄紙部は、一般的な態様を採用することができる。例えば、離解部には、いわゆるパルパーを採用することができ、古紙Uを離解して再生パルプを調製する。パルパーは、槽と、槽内に設けた攪拌装置を有し、槽に導入された古紙Uを離解して再生パルプを含むパルプ懸濁液を調整するものであってよい。脱墨部には、パルプ懸濁液を、脱墨して脱墨パルプを調製するものを採用することができる。脱墨部の構成の一例としては、貯蔵タンクにおいて貯留されたパルプ懸濁液を導入する蛇行した流路を形成した脱墨槽と、脱墨槽の下部から多数の気泡を放出する散気装置とを有するものを例示できる。抄紙部は、脱墨されたパルプ懸濁液から湿紙を抄紙するものを採用できる。抄紙部の具体例としては、抄紙網によって、脱墨されたパルプ懸濁液を抄く態様が挙げられる。そして、抄紙された湿紙が、加熱ローラー等によって成形、裁断されることにより、シートSを製造することができる。
本明細書において、「均一」との文言は、均一な分散や混合という場合には、2種以上又は2相以上の成分を定義できる物体において、1つの成分の他の成分に対する相対的な存在位置が、系全体において一様、又は系の各部分において互いに同一若しくは実質的に等しいことを指す。本明細書において、「均一」「同じ」「等間隔」など、密度、距離、寸法などが等しいことを意味する言葉を用いている。これらは、等しいことが望ましいが、完全に等しくすることは難しいため、誤差やばらつきなどの累積で値が等しくならずにずれるのも含むものとする。
なお、シート製造装置100によって製造されるシートSは、シート状にしたものを主に指す。しかしシート状ものに限定されず、ボード状、ウェブ状であってもよい。本明細書におけるシートSは、紙と不織布に分けられる。紙は、薄いシート状に成形した態様などを含み、筆記や印刷を目的とした記録紙や、壁紙、包装紙、色紙、画用紙、ケント紙などを含む。不織布は紙より厚いものや低強度のもので、一般的な不織布、繊維ボード、ティッシュペーパー(清掃用ティッシュペーパー)、キッチンペーパー、クリーナー、フィルター、液体(廃インクや油)吸収材、吸音材、断熱材、緩衝材、マットなどを含む。
本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成(機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
1…筐体、4…粗砕部、10…供給部、11…積載部、12…取り出しローラー、13…圧縮バネ、14…リードスクリュー、15…ツメ、16…ホッパー、18…箱体、20…解繊部、21…導入口、22…排出口、30…分級部、31…導入口、34…下部排出口、35…上部排出口、36…受け部、40…混合部、42…添加物供給部、51…ほぐし部、52…導入口、55…シート成形部、56…メッシュベルト、57…張架ローラー、58…サクション機構、60…結着部、60a…第1結着部、60b…第2結着部、61…加熱ローラー、70…成形部、80…切断部、80a…第1切断部、80b…第2切断部、81,82,84,86…管、87…供給口、90…排出部、91…積載部、93…圧縮バネ、94…リードスクリュー、95…ツメ、98…箱体、100…シート製造装置、U…古紙、W…ウェブ、S…シート

Claims (4)

  1. 積載した単票の古紙を供給する供給部と、
    前記供給部から供給された古紙を空気中で解繊する解繊部と、
    前記解繊部で解繊された解繊物を気流で分級し除去する分級部と、
    前記分級部で除去されなかった前記解繊物に空気中で添加物を混合する混合部と、
    前記混合部で混合された混合物を用いて単票のシートを成形する成形部と、
    前記シートを受けて積載する排出部と、
    を含み、
    前記古紙一枚当たりにおいて、前記分級部で除去されたものの重量は、混合される前記添加物の重量よりも大きく、
    前記排出部の最大積載可能重量は、前記供給部の最大積載可能重量よりも小さい、ことを特徴とするシート製造装置。
  2. 前記排出部は、前記シートの重量により上下移動可能な積載部を有し、
    前記積載部の最大積載可能重量は、前記積載部が最も下がった状態における積載重量である、ことを特徴とする請求項1に記載のシート製造装置。
  3. 前記排出部は、前記シートの重量がより大きい場合の方がより小さい場合よりも、下方に位置するように前記積載部を移動させる移動部を有する、ことを特徴とする請求項2に記載のシート製造装置。
  4. 前記排出部は、前記シートの重量がより大きい場合の方がより小さい場合よりも、下方に位置するように前記積載部を付勢する付勢部を有する、ことを特徴とする請求項2に記載のシート製造装置。
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