本願で開示する電動調理器は、底部中央に軸通筒を備える調理容器と、前記調理容器を載置する載置台と、前記載置台上に突出させた駆動軸と、前記駆動軸を回転させる回転機構とを有する本体部と、前記調理容器内で前記駆動軸の回転により回転するカッターとを備えた電動調理器であって、前記載置台の裏面側に配置され、前記調理容器を加熱する誘導加熱コイルをさらに備え、前記回転機構が、モーターと、前記駆動軸の前記誘導加熱コイルよりも下方の位置に取り付けられたプーリーと、前記モーターの回転を前記プーリーへと伝える伝達部材とで構成され、前記本体部の前記プーリーよりも下方に配置された冷却ファンの冷却風を、前記プーリーを介して前記誘導加熱コイルへと送風する。
本開示にかかる電動調理器は上記の構成を備えることで、調理容器内でカッターを回転させる駆動軸に固着されたプーリーを誘導加熱コイルの下方に配置して、誘導加熱コイルを調理容器に近い位置に配置することができ、調理容器の高い加熱効率を実現することができる。また、プーリーの下方に配置された冷却ファンからの冷却風をプーリーを介して誘導加熱コイルに送風することで、本体部の構成を大きくすることなく誘導加熱コイルの過度の温度上昇を防止することができる。このため、加熱効率に優れ安全性の高い電動調理器をコンパクトに実現することができる。
本開示にかかる電動調理器において、前記誘導加熱コイルは環状に形成され、前記誘導加熱コイルの中心が前記駆動軸と略同軸になるように配置されていることが好ましい。このようにすることで、調理容器の底面と誘導加熱コイルとを略同軸に配置することができ、調理容器の加熱効率をさらに向上させることができる。
この場合において、前記プーリーの外径が前記誘導加熱コイルの内径よりも大きいことが好ましい。このようにすることで、冷却ファンの冷却風を効果的に用いて誘導加熱コイルを冷却することができる。
さらに、前記プーリーは、前記駆動軸に固着される中心軸部分と前記伝達部材が接触する外周部分との間に貫通孔が形成されていることが好ましい。このようにすることで、プーリーを介して、冷却コイルからの冷却風をより確実に誘導加熱コイルに送風することができる。
本開示の電動調理器において、前記駆動軸を回動可能に支持すると共に前記モーターを支持するベースプレートをさらに備え、前記誘導加熱コイルと前記モーターとが前記ベースプレートの上面側に位置すると共に、前記プーリーと前記冷却ファンが前記ベースプレートの下面側に位置し、前記ベースプレートの前記プーリーと前記誘導加熱コイルとの間に位置する部分に、前記冷却ファンからの冷却風を通過させる貫通孔が形成されていることが好ましい。このようにすることで、誘導加熱コイルの冷却効果を損なうことなく、ベースプレートを用いてモーターと駆動軸とを正しい位置関係で支持することができ、信頼性の高い電動調理器を実現することができる。
また、前記冷却ファンの冷却風の一部を前記ベースプレートの下面側に配置された回路基板へと導く仕切り板を有することが好ましい。このようにすることで、本体部内部に配置されている発熱源である誘導加熱コイルと回路基板に搭載された電気回路部品とを、一つの冷却ファンを用いて効果的に冷却することができる。
さらに、前記本体部の前記モーターが配置されている領域の下部に、前記冷却ファンからの冷却風を外部へ放出する排気口が形成されていることが好ましい。このようにすることで、本体部内部の冷却風の流れを制御することができて、本体部内部の温度上昇を効果的に抑えることができる。
以下、本願で開示する電動調理器について、図面を参照して説明する。
(実施の形態)
以下では、本願で開示する電動調理器の実施の形態として、加熱手段としての誘導加熱コイルを備えたフードプロセッサーであって、調理容器内部に配置された伝達軸に、調理目的に応じて各種カッターを交換可能に固定でき、制御部によって誘導加熱コイルから調理容器に加えられる熱量をプログラム可能なものを例示して説明する。
本実施形態にかかるフードプロセッサーは、野菜や魚肉類のみじん切り等の他に、ジュースやスープなどの液体、パン粉などの粉体を用いた調理に加え、加熱と撹拌とを行ってスープやシチュー、カレーのルーなどを調理可能なものである。
図1は、本実施形態にかかるフードプロセッサーの全体構成を示す斜視図である。また、図2は、本実施形態にかかるフードプロセッサーの各部の構成を示す分解斜視図である。
図1に示すように、本実施形態のフードプロセッサーは、本体部1と本体部1の載置台1c上に載置された調理容器2と、調理容器2の上部開口を覆って閉塞可能な蓋体3とを備えている。
本体部1は、その上面が載置台1cを形成する本体下部1aと、本体下部1aの載置台1c部分以外の部分の上方に配置された側面側上部1bとで構成されている。また、本体部1には、調理容器2内に配置される調理刃(ブレード)4a付きのカッター4を回転させる、図1、図2では図示しない回転機構が内部に収容されている。
本体下部1aの上面として形成された載置台1cは略円形に構成され、載置台1cの中央部からは、調理容器2の内部に挿通されてカッター4を回転させる駆動軸5が突出している。なお、載置台1cは、その中央部分1c1がより高く、周辺部分1c2がより低く形成されている。また、本実施形態にかかるフードプロセッサーでは、図1、図2では図示しない誘導加熱コイルで調理容器2を加熱する際に、調理容器2の温度を制御して各種の調理プログラムを実行可能とするため、載置台1cの駆動軸5配置部分の側方に調理容器2が載置された際にその底部と接触して調理容器2の温度を検出する温度センサ6が配置されている。
本体部1の側面側上部1bは、載置台1c上に載置された調理容器2の一部を側方から包み込むように載置台1c側の側面が湾曲凹面に形成されている。このようにすることで、調理容器2を本体部1に対して正しい位置に載置し易くすると共に、調理容器2が載置された状態での機器外観のデザイン性を向上させている。側面側上部1bの、調理容器2に対向する面とは反対側の上方部分には、側面側上部1b内への冷却風の取り入れ口である上部吸気口7が形成されている。
本体下部1aの、側面側上部1bが配置された側とは反対側の側面(図1、図2における左側の側面)には、フードプロセッサーを動作させるための操作部8が配置されている。操作部8には、電源スイッチや各種の操作ボタン、操作ダイヤル、また、設定されたプログラムの内容やフードプロセッサーの動作状態を表示するためのランプや表示デバイスとしての液晶パネルなどが適宜配置される。なお、操作部8の配置位置は例示であって、本体下部1aの側面側上部1bが配置された側とは反対側の側面以外の側面、すなわち、図1、図2における手前側、奥側、または、右側に位置する本体下部1aの側面、さらには、側面側上部1bに配置することも可能である。
本体下部1aの底面には、フードプロセッサーが載置されるテーブルや流し台などの表面から本体部1の底面を離間させることができる複数個の脚部9が配置されている。このようにすることで、載置される面に微細な凹凸や段差がある場合でもフードプロセッサーを安定して載置することができると共に、後述するフードプロセッサーの本体部1の底面に形成された冷却風を取り込む底面吸気口や排気口が不所望に塞がれることを防止することができる。
本実施形態のフードプロセッサーの調理容器2は、内部に被調理物を入れて調理を行うワークボウル2aと、ワークボウル2aの外側を覆うカバー部材2bとで構成されている。
ワークボウル2aは、誘導加熱コイルからの誘導磁界によって渦電流を生じさせることができるように、ステンレスなどの金属材料で構成された略有底円筒状の部材である。ワークボウル2aの底面中央には、駆動軸5を内蔵する軸カバー11の外表面を覆う軸通筒12が配置されていて、軸通筒12にカッター4を被せることで、駆動軸5の回転によりカッター4が回転するようになっている。
ワークボウル2aの上端部分には、外方へ延出した鍔部13が形成されている。また、ワークボウル2aの外側面には、外方へ突出するリブ14が断続的に複数個配置されている。
カバー部材2bは、ワークボウル2aの側面を覆う円筒状の部材であり、カバー部材2bの上端縁にワークボウル2aの鍔部13が重なって、ワークボウル2aを保持する。カバー部材2bの内側表面には、ワークボウル2aのリブ14と係合する突起部15(図3参照)が形成されていて、ワークボウル2aとカバー部材2bとが着脱可能となっている。カバー部材2bの側面には把手16が固着されていて、ユーザは把手16を用いて、ワークボウル2aとカバー部材2bとが一体化された調理容器2を持ち運びすることができる。
また、ワークボウル2aが固着された状態で、ワークボウル2aの側面外側とカバー部材2bの側面内側との間には所定の間隔が形成されるようになっている。このため、誘導加熱コイルによってワークボウル2aの温度が高くなっている場合でも、ユーザは、把手16を用いて調理容器2を安全に持ち運びすることができ、また、本体部1に載置した状態で不用意に調理容器2の部分に触れた場合でも、やけどなどをする危険からユーザを保護することができる。
本実施形態のフードプロセッサーでは、ワークボウル2aが固着された状態で、カバー部材2bの底部がワークボウル2aの底面よりも下方側に延出するようになっていて、調理容器2を本体部1の載置台1c上に載置した際、カバー部材2bの延出部分が載置台1cの周辺部分1c2に位置するようになっている。このようにすることで、調理容器2を載置台1c上に載置した際に、載置台1cの中心位置と調理容器2の中心位置とを容易に一致させることができ、ワークボウル2aの底面中央の軸通筒12に正しく軸カバー11が嵌り込むようにすることができる。また、本実施形態のフードプロセッサーでは、載置台1cの中央部分1c1が高くなっていることで、載置台1c上に配置されたワークボウル2aの底面と載置台1cの裏側面に配置された誘導加熱コイルとの距離を小さくして、ワークボウル2aの加熱効率を高く維持することができる。
なお、本実施形態のフードプロセッサーの調理容器では、カバー部材2bと把手16とが樹脂で一体成型された構成を例示しているが、把手16の少なくともその一部分をカバー部材2bとは別の部材で構成することもできる。
蓋体3は、一例として透明なガラス材料または樹脂材料により形成されていて、調理容器2のワークボウル2a上側の開口部分を閉塞することが可能な略円板状の部材である。蓋体3の上面中央には、ユーザが蓋体を保持できるようにつまみ部17が形成されている。また、本実施形態のフードプロセッサーでは、蓋体3によって調理容器3の開口部分が密閉閉塞されてしまうと内部空間の圧力が上昇する可能性があるため、蓋体3の上部には通気孔18が配置されていて、蓋体3を装着した状態でも調理容器2の内部空間が密閉されないようになっている。
蓋体3の周辺部分には、蓋体3がワークボウル2aの上面を覆った際に、ワークボウル2aの鍔部13とカバー部材2bの上端とに当接可能な厚肉の枠部19が配置されている。枠部19には、カバー部材2bの把手16の上端部分と係合する第1の突起部19aと、本体部1の側面側上部1cの上端部に形成された溝部1dに係合する第2の突起部19bとが形成されていて、本体部1、調理容器2、蓋体3とを一体化することができるようになっている。
図3は、本実施形態のフードプロセッサーの内部の構成を説明するための側断面図である。図3は、フードプロセッサーを調理容器2の把手16の中心線と本体部1の側面側上部1bの中心部とを結ぶ直線で分断した時の断面構成を示している。
図3に示すように、本体部1の本体下部1aの上面として載置台1cの中心部分を貫通して駆動軸5が配置されている。また、本体部1の側面側上部1bの内部にはモーター20が配置されている。モーター20のシャフト21に接続された回転板22の回転が、連動ベルト23によって駆動軸5の下端部に固定されたプーリー24に伝えられることで、駆動軸5が所定の回転数で回動する。このように、本実施形態のフードプロセッサーでは、モーター20、シャフト21、回転板22、連動ベルト23、プーリー24が、駆動軸5を回転させる回転機構を構成する。また、本実施形態のフードプロセッサーでは、モーター20のシャフト21に固着された回転板22と連動ベルト23とが、モーター20の回転をプーリー24へと伝える伝達部材を形成する。
なお、モーター20のシャフト21は、モーター20の上方側にも伸びていて、発熱するモーター20の温度を下げるためにモーター20の上方に配置されるモーターファン25の回転軸と兼用されている。モーター20は、シャフト21を回転させることで駆動軸5を回転させると同時に、自身を冷却するためのモーターファン25を回転させる。
載置台1c上に突き出た駆動軸5は軸カバー11で覆われている。調理容器2が載置台1c上の所定の位置に載置されると、軸カバー11が調理容器2のワークボウル2a底部中央に形成された軸通筒12の内部を貫通し、駆動軸5が回転すると調理容器2の軸通筒12内部で軸カバー11が同様に回転する。
軸カバー11の上端部に、カッター4の中心軸であるカッター軸部4bを被せるように差し込むことで、軸カバー11の外表面とカッター軸部4bの内表面とが摺接されるとともに、軸カバー11とカッター軸部4bとに形成された凹凸部が嵌合するようになっていて、カッター4を駆動軸5の回転によって回転可能に取り付けることができる。
このとき、調理容器2のワークボウル2a底部に形成された軸通筒12は、カッター軸部4bに形成された空洞部分の内側に差し込まれる状態となるため、軸通筒12はカッター4の回転の妨げとはならないようになっている。なお、カッター4には、そのカッター4を用いて行う調理目的に応じた形状のブレード4aが固着されている。本実施形態のフードプロセッサーでは、調理目的に応じて、図2、図3において図示した調理刃である切断用のブレード4aに限らず、円板に複数個の開口部と微小突起が形成されたおろし金や、板状または棒状の突起物などによる撹拌部材、パン生地などを捏ねる羽根状部材など、各種形状の部材がブレード4aに替わって固着されたカッター4を交換可能に装着できる。
その上方に調理容器2のワークボウル2aの底面が配置される載置台1cの裏面、すなわち、載置台1cの本体部1の内部側の面には、平面視したとき環状である誘導加熱コイル26が配置されている。誘導加熱コイル26は、その環状中心が駆動軸5に略一致するように配置されている。ここで、誘導加熱コイル26の中心が駆動軸5と略一致するとは、例えば、駆動軸5に直接取り付けられて駆動軸5と一緒に回転するプーリー24の中心と駆動軸5とが物理的に完全に一致しているほどの厳密性は満たしていないものの、配置誤差程度の所定範囲内で誘導加熱コイル26の中心と駆動軸5とが一致していることを言う。
このように、誘導加熱コイル26の中心を駆動軸5と略一致させることで、誘導加熱コイル26をワークボウル2aの底面とほぼ同軸の状態で配置することができ、ワークボウル2aを効果的に暖めることができる。なお、誘導加熱コイル26の中心を駆動軸5と略一致させることで、誘導加熱コイル26は、駆動軸5の下端部に固着されたプーリー24とも略同軸状に配置されることになる。
本実施形態にかかるフードプロセッサーでは、本体下部1aの内部に、駆動軸5を回動可能に支持すると共に、シャフト21が回動可能な状態でモーター20を支持するベースプレート27が配置されている。ベースプレート27は、剛性の高いメッキ鋼板などの金属製部材で形成されていて、回転機構を構成するモーター20のシャフト21や駆動軸5が傾いたり、シャフト21と駆動軸5との間の距離が変動したりすることを防止して、連動ベルト23を介して、シャフト21に接続された回転板22の回転を確実に駆動軸5に固定されたプーリー24へと伝えることができる。ベースプレート27は、その主面方向が水平方向となるように、本体下部1aの内部に略水平に配置されている。
また、本実施形態のフードプロセッサーでは、シャフト21の回転を駆動軸5に伝達する回転板22、連動ベルト23、プーリー24をベースプレート27の下面側に配置し、ベースプレート27の上面側にモーター20を配置している。なお、誘導加熱コイル26は、載置台1cの裏面に配置されているため、ベースプレート27の上面側に位置していて、モーター20と誘導加熱コイル26とは、いずれもベースプレート27の上面側で水平方向、すなわち、ベースプレート27の配置方向に平行となる位置に並ぶように配置されていることとなる。
本体下部1aのプーリー24の配置位置よりもさらに下側には、モーター20や誘導加熱コイル26などのフードプロセッサーの各部分へ必要な電源を供給する電源回路部品や、フードプロセッサーの各部分の状態を検出したり動作を制御したりする制御回路部品などの各種電気回路部品28が搭載された回路基板29が配置されている。
回路基板29のさらに下方の本体下部1aの底面近傍には、回路基板29と操作部8との間の部分に、冷却ファンである本体ファン30が配置されている。また、本実施形態にかかるフードプロセッサーでは、本体ファン30の配置位置に対応して本体下部1aの底面に、底面吸気口31が形成されている。
本体ファン30は、底面吸気口31から外部の空気を吸い込んで、動作時に高温となる誘導加熱コイル26と発熱源となる回路基板29上に配置された電気回路部品28とに冷却風を送風する。なお、本実施形態のフードプロセッサーでは、本体ファン30の約半分が回路基板29と重なるように配置すると共に、回路基板29の端部であって本体ファン30の回転軸の上方に相当する位置に仕切り板32を形成し、本体ファン30からの冷却風が、誘導加熱コイル26と回路基板29上の電気回路部品28との双方に確実に供給されるようになっている。
本体下部1aの底面における底面吸気口31とは反対側の位置、すなわち、モーター20が配置されている位置の下方に相当する部分には、第1の排気口33が形成されている。第1の排気口33は、本体部1の上部に配置された上部吸気口7と本体部1の底面に配置された底面吸気口31とから本体部1内に吸入された冷却風の出口となる。
また、本実施形態のフードプロセッサーでは、回路基板29と対向する位置の本体部1の底面に、第2の排気口34が形成されている。第1の排気口33と第2の排気口34との間には、回路基板29の配置部分とモーター20配置部分の下方部分との空間を分離する隔壁35が配置されている。
本実施形態のフードプロセッサーでは、回転機構を支持するベースプレート27が、モーター20のシャフト21と駆動軸5との位置関係を規定してシャフト21の回転を駆動軸5へと確実に伝達させるための部材として機能すると同時に、ベースプレート27が、本体部1内の冷却風の通風経路の形成にも寄与して、本体部1内の発熱部品を効率的に冷却することができる。
図4は、本実施形態のフードプロセッサーにおける、回転機構と誘導加熱コイル、さらに誘導加熱コイルを冷却する冷却ファンの配置位置関係を示す斜視図である。なお、図4では、ベースプレートを斜め下側から見た状態の斜視図として、説明に必要な構成部品のみを選択して図示したものであり、本体部の外殻部材を含めたその他の構成部品は省略した状態を示している。
図4に示すように、本実施形態のフードプロセッサーでは、ベースプレート27における、図4中では右奥側に示された一端部27a側の部分に、モーター20が配置、固着されている。
モーター20は、コイル20a部分が支持枠31を介してベースプレート27に固着されていて、回転子20b部分はモーター20のコイル部分20aがベースプレート27に固着されている状態で回転自在となっている。コイル部分20aに所定の電流が流されることで、回転子20bに接続されたシャフト21が回転し、この回転をベースプレート27の下方側に配置された回転板22に伝えることができる。また、モーター20の上部には、上方に延長されたシャフト21に接続されたモーターファン25が配置されている。モーターファン25は、羽根の径がモーター20コイル部分20aの径とほぼ同じ大きさとなっている。このため、モーター20が動作してシャフト21とともにモーターファン25が回転すると、上方から下方側へ向けてモーター20の側面を包み込むような風の流れが生じ、モーター20の温度上昇を抑えることができる。
なお、本実施形態のフードプロセッサーにおけるベースプレート27は、モーター20の配置部分である一方の端部27a側の形状が、ベースプレート27上にモーター20を配置した状態で平面視したときに、モーター20の全体がベースプレート27上に収まるように形成されている。このため、モーター20の側面を包むように流れるモーターファン25からの冷却風を、ベースプレート27の上面で受け止めることができる。
図4において、図中左側に示された、ベースプレート27の他端部27b側は、平面形状が略円形状となっていて、当該円形部分の中心位置に図4では図示を省略する駆動軸5が配置される。ベースプレート27の下面側には、駆動軸5にその中心軸部分が固着されるプーリー24が配置されていて、プーリー24は、同じくベースプレート27の下面側に配置されている回転板22と連動ベルト23で接続されている。モーター20の回転をプーリーに伝える伝達部材である回転板22と連動ベルト23とによって、モーター20のシャフト21の回転がプーリー24へと伝達され、プーリー24の中心に固着された駆動軸5が所定の回転速度で回転する。駆動軸5の回転は、載置台1c上に載置された調理容器2内部のカッター4を回転させる。
本実施形態のフードプロセッサーでは、前述のように、駆動軸5をその中心位置とするように環状の誘導加熱コイル26が配置されていて、プーリー24と誘導加熱コイル26とは略同心円状に配置されている。
また、プーリー24の下方には、一部がプーリー24と重複する位置に、図4では図示しない本体吸気口から冷却風を吸い込む、冷却ファンである本体ファン30が配置されている。前述のように、本体ファン30は、動作時に高温となる誘導加熱コイル26と発熱源となる回路基板29上に配置された電気回路部品28とに冷却風を送風するものであるため、本体ファン30から吸い込まれた冷却風の少なくとも一部を、誘導加熱コイル26へと供給する必要がある。このため、本実施形態のフードプロセッサーでは、本体ファン30と誘導加熱コイル26との間に配置された、プーリー24とベースプレート27とにそれぞれ貫通孔を設けて、本体ファン30から誘導加熱コイル26への冷却風を遮らないようにしている。
図5は、本実施形態にかかるフードプロセッサーに用いられているプーリーの形状を示す斜視図である。
本実施形態のフードプロセッサーで用いられるプーリー24は、駆動軸5が固着される中心軸部分24aと、回転板22の回転を伝達する連動ベルト23が当接する外周部分24bとが、互いに90度の間隔を隔てて配置された4本の棒状(スポーク状)の接続部材24cで接続された構成となっている。このようにすることで、隣り合う接続部材24c同士の間隔部分を、プーリー24を上下方向に貫通するプーリーの貫通孔24dとすることができ、本体ファン30からの冷却風をプーリー24の上方側であるベースプレート27側と通過させることができる。
なお、図5に示すように、プーリー24の中心軸部分24aと外周部分24bとの間に貫通孔24dを形成するために、中心軸部分24aと外周部分24bとを棒状の接続部材27cで接続する構成としたため、中心軸部分24aと外周部分24bとを貫通孔のない板状部材で接続した場合と比較して、プーリー24の剛性が低下する。プーリー24は、連動ベルト23によってモーター20のシャフト21側へと引き寄せられる応力が加わった状態で駆動軸5を回動させるため、剛性が低下するとプーリー24の変形が生じるおそれがある。プーリー24の変形は、回転機構によりモーター20の回転を駆動軸5に正しく伝えるという観点から好ましくない。このため、図5に示すように、プーリー24の中心軸部分24aは、駆動軸5を挿入する部分の周囲を駆動軸5の軸方向および駆動軸5の軸方向と垂直な方向の両方孔に対して厚肉状に形成している。また、接続部材27cの表面も、プーリー24の厚さ方法に伸延する補強リブを備えた構造として、貫通孔24dを形成した状態でもプーリー24が必要な剛性を確保できるようになっている。
さらに、貫通孔24dの中心軸部分24aに隣接する部分には、板状の接続プレート24eを残存させている。図4に示したように、ベースプレート27の上面側であってプーリー24の中心軸部分24aの近傍には、駆動軸5を貫通させた状態で回動可能に保持するとともにベースプレート27を本体部1に固着する基底部が形成される。また、図4に示すように、環状の誘導加熱コイル26も中心部分にはコイル部材が配置されない。このため、誘導加熱コイル26の中心部分には冷却風を送風する必要が無く、プーリー24においても、中心軸部分24aの周辺部分に貫通孔24dを形成することよりも、この部分をプーリー24の剛性確保に利用することの方が効率的であるからである。
図4に戻って、ベースプレート27の他端部27b側の円形部分には、中心部の駆動軸5が貫通する部分の周囲に、プーリー24の貫通孔24dを通過した冷却風をベースプレート27の上側に位置する誘導加熱コイル26に到達し易くするための、ベースプレートの貫通孔27cが複数個形成されている。
図4に示すように、本実施形態のフードプロセッサーでは、ベースプレート27に設けられたベースプレート27の貫通孔27cとプーリー24に形成されたプーリーの貫通孔24dとを介して、本体ファン30からの冷却風が、ベースプレート27の上方に位置する誘導加熱コイル26へと送風されるようになっている。このため、本体部1の底面部分に配置された本体ファン30を用いて、本体下部1aの上面として形成された載置台1cのすぐ裏側に配置された誘導加熱コイル26を効果的に冷却することができる。
なお、本実施形態に記載されたフードプロセッサーでは、調理プログラムによって、誘導加熱コイル26によって載置台1c上に配置された調理容器2のワークボウル2aを加熱すると同時にワークボウル2a内部のカッター4を回転させる場合と、ワークボウル2aを加熱するがカッター4を回転させない場合との、2とおりの場合が考えられる。例えば、プーリー24の中心軸部分24aと外周部分24bとを接続する接続部材24cの側面に、プーリー24の周方向に傾斜する傾斜面を形成することにより、接続部材24cをファンとして機能させて、プーリー24が回転した場合、すなわち、カッター4を回転させる場合には、プーリー24の配置部分の空気をベースプレート27側へ送風もしくは拡散させることができる。
このように、プーリー24の形状を工夫してプーリー24に送風ファンとしての機能を兼ね備えさせることで、プーリー24の上方に本体部1の内部空間を上下方向に分断するようにベースプレート27が配置されていても、プーリー24の下方に位置する本体ファン30からの冷却風を、ベースプレート27の上面側に位置する誘導加熱コイル26に効果的に送風することができる。
この場合において、プーリー24による空気の撹拌作用は、プーリー24の直径が大きい程大きくなると想定される。このため、本体下部1a内部に収容可能であって、連動ベルト23によって回転板22の回転を正確に駆動軸5へと伝達できる範囲において、プーリー24の直径をなるべく大きく形成することが、プーリー24を介して本体ファン30からの冷却風を誘導加熱コイル26へと送風ことによる冷却効率を向上する上でより好ましい。この場合を含めて、プーリー24の直径は、誘導加熱コイル26の内径よりも大きいことが好ましい。また、プーリー24の直径の上限は、誘導加熱コイル26の外径よりもさらに大きい範囲までと規定することができる。
図6は、本実施形態にかかるフードプロセッサーの本体部内部における冷却風の流れを説明する概略断面図である。図6は、本体部の図3と同じ断面を示していて、図3で説明した部材と同じ部材には同じ符号を付している。ただし、本体部内部の冷却風の流れをわかりやすく説明するために、本体部内部の空気の流れを説明する上では不要な構成部分の図示と符号の付与とを適宜省略している。
図6に示すように、本実施形態のフードプロセッサーでは、モーター20を冷却するモーターファン25が回転することで、図中白矢印41〜47で示す冷却風の流れが生じる。
具体的には、モーターファン25が回転することで、本体部1のモーターファン25の配置位置近傍かモーターファン25の配置位置よりも上方の側面側上部1bに形成されている、上部空気口7から本体部1内部に冷却風が吸い込まれる(矢印41)。本体部1の内部に吸い込まれた冷却風は、モーター20の側面を包むようなモーター20の上方から下方へと向かう流れとなる(矢印42、43)。
上述したように、本実施形態のフードプロセッサーでは、モーター20が固着されているベースプレート27の一方の端部27aの平面形状などを工夫することで、モーター20の側面に沿った冷却風の流れを受け止め、ベースプレート27の上面を通風経路として冷却風を誘導加熱コイル26側へと導く(矢印44)。また、本体部1の側面側上部1bと載置台1c形成部分との間の部分において、本体下部1aの外殻部分とベースプレート27の上面との間に図6中に領域Aとして示す所定の空隙を設けることで、ベースプレート27の上面を流れる空気の流れ(矢印44)を阻害しないようにしている。
載置台1cの下部において、ベースプレート27の上面と誘導加熱コイル26との間の部分は、駆動軸5を支持する部分以外は基本的には空洞状態となっているため、ベースプレート27の上面を通過した冷却風は上方側へ広がって、誘導加熱コイル26に対する冷却風となる(矢印45、46)。
モーター20の側面に沿って下降した冷却風(矢印42、43)の内、ベースプレート27で受け止めきれずにベースプレート27の下面側に回り込んだ冷却風(矢印47)は、本体下部1aの底面に配置された第1の排気口33から外部へと放出される。
なお、駆動軸5を回動させるモーター20の温度上昇が100℃程度までであるのに対し、誘導加熱コイル26の温度は130℃〜上限の目安としての170℃程度にまで上昇する。このため、モーター20の側面を通過してモーターへ20を冷却することで温度が上昇した冷却風(矢印44)であっても、より高温となる誘導加熱コイル26を冷却する冷却風として十分に機能することができる。
本体下部1aの底面近傍に配置された本体ファン30によって底面吸気口31から吸気された空気の流れは、図中黒矢印(51〜56)として示した、底面吸気口31から吸い込まれた後、仕切り板32の操作部8側を通る流れる第1の流れと、図中ハッチングを加えた矢印(61〜63)で示した、仕切り板32から回路基板29側へと流れる第2の流れの2とおりとなる。
本体ファン30による第1の空気の流れは、本体ファン30によって底面吸気口31から吸い込まれた後、仕切り板32の操作部8側を通って、ベースプレート27の下側面へと向かう(矢印51)。ベースプレート27の下側には、駆動軸5を回動させる回転機構としてのプーリー24が配置されている。上記説明したように、プーリー24を、駆動軸5と固着される中心軸部分24aと連動ベルト23が巻回される外周部分24bとの間にプーリー24を貫通する貫通孔24dが備えられた形状とすることや、プーリー24が回転している状態でプーリー24周囲の空気に生じる渦状の気流を利用すること、さらには上述したようにプーリー24が積極的に送風することができる形状とすることなどにより、プーリー24部分に到達した本体ファン30からの冷却風は、ベースプレート27側へ入り込む。さらに、冷却風は、図4で説明したベースプレート27に形成された貫通孔27cを通過して、誘導加熱コイル26とベースプレート27上面との間に形成された空洞部分へと流れ込み(矢印52、53)、誘導加熱コイル26を冷却する。誘導加熱コイル26を冷却した後は、ベースプレート27の外周部分と本体下部1aの外殻内面との間の空隙部分などを通過してベースプレート27の下側に回り込み(矢印54、55)、ベースプレート27の下側部分を通って本体部1底面の第1の排気口33へと到達し(矢印56)、第1の排気口33から外部へと放出される。このように、本体ファン30による第1の空気の流れは、主として誘導加熱コイル26を冷却するための冷却風となる。
本体ファン30による第2の空気の流れは、本体ファン30から仕切り板32の回路基板29側へと向かう(矢印61)。この空気の流れは、電源トランスや制御用マイコンチップ、各種抵抗器やコンデンサなどの電気回路部品28を冷却する冷却風(矢印62)となる。なお、回路基板29を、有底枠状の樹脂ケース内に配置するなどして、本体ファン30からの冷却風の第2の空気の流れを用いて回路基板29上の電気回路部品28を効率よく冷却することができる。
回路基板29の配置部分を通過した冷却風は、隔壁35にガイドされて、本体部1の底面に形成された、第2の排気口34から本体部1の外部へと放出される(矢印63)。
このように構成することで、本実施形態にかかるフードプロセッサーでは、誘導加熱コイルを冷却する連客ファンである本体ファン30を用いて、誘導加熱コイル26と回路基板29上の電気回路部品28という、2種類の発熱部材を効果的に冷却することができる。
以上のように、本実施形態のフードプロセッサーでは、本体下部1aの内部において、本体下部1a内部の空間をその上側部分と下側部分との2つの部分に大きく分断するベースプレート27が配置されている。このため、本実施形態のフードプロセッサーの本体部1の内部では、ベースプレート27によって、ベースプレート27の上側のモーター20配置部分から誘導加熱コイル26の配置部分へと向かう空気の流れと、ベースプレート27の下側の、プーリー24が配置されている部分からモーター20が配置されている部分の下方へと向かう空気の流れとが形成される。このように、ベースプレート27を配置することによって、本体部1内部の空気の大きな流れを制御することによって、モーター20、誘導加熱コイル26、電子回路部品28といった発熱部材に対して効率よく冷却風を当てることができ、本体部1内部の温度上昇を効果的に抑えることができる。
本実施形態のフードプロセッサーは、上記のようにモーターファン25による冷却風を、ベースプレート27の上面を通風経路として誘導加熱コイル26が配置されている載置台1cの下部へと伝えるものであるが、ベースプレート27の端部を延長して、本体下部1aを構成する外殻部材の内側面に完全に当接するようにし、本体下部1aの内部空間をベースプレート27の上面側と下面側との2つの領域に完全に分断してしまうのは好ましくない。例えば、モーター20の配置部分においても、図6において矢印47として示したモーター20を冷却した後にベースプレート27の脇を経由してベースプレート27の下側に回り込み、第1の排気口33から外部へと流れ出る空気の流れがあることで、上部吸気口7から本体部1の内部を通り排気口33から外部へと排出される空気の流れが確立される。この結果、ベースプレート27の上面を通風経路として誘導加熱コイル26側へと供給される冷却風を含めた、モーターファン25によって生じる、上部空気孔7から第1の開口部33へ繋がる本体部1内部の冷却風の流れを安定させることができる。
また、ベースプレート27の外周部分と本体下部1aの外殻内面との間の空隙部分が形成されていることで、ベースプレート27と誘導加熱コイル26との間の空間から冷却風を第1の排気口へと導くことができると共に、本体ファン30から回路基板29の配置部分へと向かった空気の流れのうち回路基板29配置部分の外側へと広がったものを、誘導加熱コイル26を冷却した後の冷却風と重ねて第1の排気口33から外部へと放出することができる。
以上説明したように、本実施形態のフードプロセッサーでは、調理容器2が載置される載置台1cの裏面に配置された誘導加熱コイル26の下方に、調理容器2内部のカッター4を回転させる駆動軸5に、モーター20の回転を伝達するプーリー24が配置されている。このため、誘導加熱コイル26を調理容器2の底面に近づけて配置することができ、効率よく調理容器を加熱することができる。
また、プーリー24の下側に、動作時に高温となる誘導加熱コイル26を冷却する冷却風を形成する本体ファン30を配置し、プーリー24を介して本体ファン30からの冷却風を誘導加熱コイル26へと送風する構成としたため、本体部1内部における、誘導加熱コイル26、プーリー24、本体ファン30のコンパクトな配置構成実現すると共に、誘導加熱コイル26を効率よく冷却することができる。
以上のように本実施形態のフードプロセッサーでは、本体部内部の空気の流れを制御して、加熱手段として用いられる誘導加熱コイルの温度を効率良く所定の範囲内に維持することができる。この結果、熱量が限られ、しかも、通電終了後にも一定の時間は熱を放出する電熱ヒーターと比較して、熱量が大きく、しかもオン/オフの制御を正確に行うことができる誘導加熱コイルを加熱手段として用いても、コイルが高温となることにより生じる絶縁破壊や、誘導加熱コイル配置部分の樹脂の熱変形などを回避できる、加熱機能を備えたフードプロセッサープロセッサーを実現することができる。また、加熱コイルが露出しないため、ユーザが高温のヒーターに誤って触れてしまうという危険も回避できる。
なお、上記の実施形態において、図4、図5を用いて具体的に説明した誘導加熱コイルと、プーリーと、冷却ファンの配置構成はあくまでも例示に過ぎない。特に、冷却ファンは、図4で図示説明したような、プーリーと平行に、かつ、その一部分のみがプーリーと重なるように配置するものに限られず、冷却ファンをその冷却風がプーリーの側方部分からプーリーに送風される配置関係とすることもできる。また、本体部内部における冷却風の流れを規制する仕切り板や隔壁などの各種部材についても、上記説明したものは単なる例示にすぎず、本体部の形状や本体部内部における各発熱部材の配置位置に対応して、本体部内部全体を効率よく冷却できる空気の流れが実現できる構成を適宜設計すべきものである。
また、上記実施形態では、誘導加熱コイルとして環状のもの一つを駆動軸と略同心状に配置した例についてして説明したが、誘導加熱コイルの形状は環状に限られず、略矩形状や多角形状のものを使用することができる。また、複数個の環状または矩形状の誘導加熱コイルを駆動軸の周囲に環状に配置することも可能である。なお、この場合には、複数の誘導加熱コイル全体が、駆動軸を中心軸となるように配置することが好ましい。さらに、本体部として、載置台部分の周囲を覆う略円筒状の壁を備えた構成として、この壁の中に誘導加熱コイルを配置して、調理容器であるワークボウルの底面に近い側面部分を誘導加熱することができるようにしてもよい。
さらにまた、上記実施形態では、冷却ファンである本体ファンの他に、モーターのシャフトに取り付けられたモーターファンを備えて、モーターファンからの冷却風によって誘導加熱コイルを冷却する構成を例示した。しかし、本開示のフードプロセッサーにおいて、モーターファンを備えることは必須の構成ではない。したがって、モーターの発熱量が少なく本体ファンのみによって誘導加熱コイルを含めた本体部内部の発熱部材を効果的に冷却することができるのであれば、モーターファンを備えない構成を採用することができる。さらに、モーターファンは備えるがモーターファンによって誘導加熱コイルを冷却しない構成を採用することもできる。さらに、上記実施形態において、底面吸気口、第1の排気口、第2の排気口をいずれも本体部の底面に形成した例を示したが、本体ファンを配置した場合の吸気口や、本体部内部からの冷却風の出口である排気口のそれぞれ少なくとも一部を、本体部の底部以外の側面に形成することも可能である。また、排気口の数も2つに限られず、1つまたは3つ以上設けることができる。また、モーターファンを備えない構成の場合には、モーターファンの吸気口である上部吸気口を形成しない構成とすることができる。
また、上記実施形態では、モーターの回転を駆動軸へと伝達する回転機構を支えるベースプレートを備えた構成としたが、ベースプレートは必須の部材ではなく、例えば、モーターと駆動軸とをそれぞれ別々の部材を用いて、本体部内部で支持する構成とすることができる。さらに、駆動軸に固着されたプーリーに、モーターの回転を伝達する伝達部材として、シャフトに固着された回転板とプーリーとを連動させる連動ベルトとを用いる構成としたが、例えば、回転板を設けずに連動ベルトをモーターのシャフトに直接巻き付けて、ブリーを回転させる構成とすることができる。
以上、上記実施の形態では、電動調理器の例としてカッターが交換可能なフードプロセッサーを例示して説明したが、本発明は、他の電動調理器、例えば、いわゆるジューサーと称されるカッターが交換可能でない電動調理器に適用することができる。さらに、いわゆるミルや脱穀器など、調理容器と調理容器内で回転して各種調理を行うカッターを備え、被調理物を加熱する調理プログラムが想定可能な各種電動調理器に適用することができる。