JP2015204939A - 超音波プローブ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】実施形態の超音波プローブ100は、振動子2と、発電層4とを有する。振動子2は、超音波を送信し、受信する。発電層4は、振動子2から後方に放射される超音波を受けて電力を発生する。特に、発電層4は、振動子2と、振動子2から後方に放射される超音波を吸収するバッキング部材7との間に設けられる。
【選択図】図1
Description
被検体の検査時にプローブ内の電源部に蓄電するための構成は、(1)プローブ内に、電力を発生させる手段を設ける。(2)プローブ内の電源部を、発生させた電力で補充する手段を設ける。(3)さらに、電力を発生させる手段は、振動子から後方に放射された超音波を電力に変換するように構成される。
図1は、超音波プローブの一部構成を示す概念図、図2は、振動子と支持体との間に配置された発電層を示す部分斜視図である。図1及び図2において紙面の上方向がプローブの前方向(Z1方向)、下方向がプローブの後方向(Z2方向)に相当する。
図1及び図2に示すように、プローブ100は、音響整合層1、振動子2、信号電極3、発電層4及び支持体7を有する。支持体7はバッキング部材(音波吸収材)の機能を有する。支持体7が「バッキング部材」の一例である。支持体7上に、発電層4、信号電極3、振動子2、及び、音響整合層1が積層される。なお、図2には、それぞれ3個分の音響整合層1、振動子2、信号電極3及び発電層4が積層された支持体7の一部を示す。
次に、振動子群のうちの1個の振動子2に対応して設けられた発電層4について図2を参照して説明する。図2に示すように、発電層4は、スペーサー8、音波吸収膜11、電極板12、柱状部13、エレクトレット14、下部電極15、及び、基板16を有する。
支持体7上に基板16が配置される。基板16上には、例えば、チタニウム/金製で、1000Å/5000Åの厚さからなる下部電極15が配置される。下部電極15の端子は、導電性を有する電極板12の端子に抵抗Rを介して接続される。下部電極15上には、厚さ約15μmのエレクトレット14が形成される。なお、下部電極15とエレクトレット14との間には絶縁層(図示しない)が設けられる。
図3Aは、Z1方向(前方)に変位されることで、エレクトレット14から遠ざかったときの電極板12を示す概念図である。図2及び図3Aに示すように、基板16上にX方向で所定間隔(振動子2のX方向の幅以下)を離れて一対の柱状部13が配置される。一対の柱状部13により電極板12の両端部が支持される。柱状部13が「支持部」の一例である。
被検体の検査時に、発電層4において、電極板12が超音波を受ける場合と、受けない場合とが繰り返されることで、電極板12に往復運動が生じ、それにより、下部電極15と電極板12との端子の間に交流が生じる。補充手段26は、端子間に生じた交流を直流に変換し、電源部(二次電池)27を蓄電する。
Pmax∝σ2*n*A*f/g (1)
ここで、σはエレクトレット14の表面電荷密度、nはエレクトレット14の数、Aは下部電極15の面積、fは電極板12の往復運動の周波数、gはエレクトレット14と下部電極15との距離を示す。
図4は超音波プローブの構成ブロック図、図5は超音波プローブに内蔵される構成部品の配置を示す図である。図4及び図5では、振動子2の前方に配置される音響整合層1(図1参照)及び振動子2の後方に配置される支持体7(図1参照)を省略して示す。図5に示すように、プローブ本体10(以下、単に「本体」という)内の前部に複数の振動子2が配列され、本体10内の中央部に、電子回路部21が配置され、本体10内の後部に蓄電手段25が配置される。さらに、本体10内には蓄電手段25に隣接して通信部28が配置される。
蓄電手段25は、補充手段26及び電源部(二次電池)27を有する。電源部27は、送信回路部22、エコー信号制御用電子回路部23、及び、通信部28に電源を供給する。
次に、第2の実施形態に係る超音波プローブについて図6A及び図6Bを参照して説明する。なお、第2の実施形態において、第1の実施形態の超音波プローブと同じ構成については同一番号を付してその説明を省略し、異なる構成について主に説明する。
図6Aは第2の実施形態に係る発電層を示す概念図である。図6Aに示すように、電極板12の上面(振動子2の背面と対向する面)には、音波吸収膜11が配置される。また、電極板12の上面には、Z2方向(後方)に対してX方向に傾斜する傾斜溝18がX方向に連続的に設けられる。傾斜溝18を連続的に設けるには、感光性の物質を塗布した物質の表面をパターン状に露光することで、露光部分と非露光部分とからなるパターンを生成する技術であるフォトリソグラフィ(Photolithography)が用いられる。例えば、レジスト(感光性物質)の露光時に用いるガラスマスクとして、傾斜をつけたいパターン部分の透過率が徐々に変化するマスクを用いて、深い溝を形成したい方向にレジストの厚さが徐々に薄くなるパターンを形成する。その後、ドライエッチングを用いて可動部となる電極板12のアルミニウム表面をパターニングすればよい。
さらに、前記実施形態では、固定部としてのエレクトレット14、可動部としての電極板12を示したが、これに限らない。つまり、超音波を受けたとき、電極板12がエレクトレット14に対し相対的に変位すればよく、固定部を電極板12とし、可動部をエレクトレット14としてもよい。
1 音響整合層
2 振動子
3 信号電極
4 発電層
7 支持体
8 スペーサー
10 プローブ本体
11 音波吸収膜
12 電極板
13 柱状部(支持部)
14 エレクトレット
15 下部電極
16 基板
17 付勢手段
18 傾斜溝
21 電子回路部
22 送信回路部
23 エコー信号制御用電子回路部
25 蓄電手段
26 補充手段
27 電源部
28 通信部
Claims (7)
- 超音波を送信し、受信するための振動子と、
前記振動子から後方に放射される超音波を受けて電力を発生する発電層と、
を有することを特徴とする超音波プローブ。 - 前記振動子から後方に放射される超音波を吸収するバッキング部材をさらに有し、
前記発電層は、前記振動子と前記バッキング部材との間に設けられることを特徴とする請求項1に記載の超音波プローブ。 - 前記振動子で受信された信号を無線送信する通信部と、
前記振動子を駆動する回路部と、
前記通信部及び前記回路部の少なくとも一方に電源を供給する電源部と、
前記発電層からの電力で前記電源部を補充する補充手段と、
をさらに有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の超音波プローブ。 - 前記発電層は、前記後方に放射される超音波の放射方向に直交する方向に平面を有する板状のエレクトレットと、それと平行に配置され、前記後方に放射される超音波を受けて前記エレクトレットに対し相対的に振動することで、前記電力を発生する電極板とを有することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の超音波プローブ。
- 前記電極板は、前記エレクトレットに対して前記放射方向に相対的に振動するように構成されることを特徴とする請求項4に記載の超音波プローブ。
- 前記電極板は、その前面側に前記後方に対し傾斜する複数の傾斜面を有し、
前記発電層は、復元力及び伸縮性を有する弾性部材と、前記電極板における前記後方の方向に対し略直交する方向の両端部を前記弾性部材を介して前記バッキング部材に支持する支持部と、をさらに有し、前記後方に放射される超音波を前記傾斜面が受けて、前記電極板が前記エレクトレットに対して前記放射方向に直交する方向に相対的に振動するように構成されることを特徴とする請求項4に記載の超音波プローブ。 - 前記発電層は、前記後方に放射される超音波の放射方向に直交する方向に平面を有する板状の圧電素子であって、前記後方に放射される超音波を受けて振動可能に保持され、前記振動することにより前記電力を発生する構成であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の超音波プローブ。
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