JP2015204311A - 電子装置 - Google Patents

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JP2015204311A
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Eiichi Matsumoto
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Abstract

【課題】圧入端子を貫通孔に容易に挿入でき、基板からの圧入端子の脱落を抑制することができる電子装置を提供すること。
【解決手段】電子制御装置は、スルーホール20を有するプリント基板14と、スルーホールに挿入される圧入端子16aと、圧入端子を保持する保持部材としての容器34と、を備える。圧入端子のうち、スルーホールに挿入される被挿入部26は、挿入前の初期状態における幅がスルーホールの径よりも小さくされるとともに、スルーホールの径方向において弾性変形可能に設けられる。スルーホールに挿入されて圧入端子に接触する圧入補助部38をさらに備え、圧入補助部とスルーホールの壁面とに挟まれて、被挿入部の幅が初期状態よりも狭くされるとともに、被挿入部の拡幅方向への反力により、圧入補助部がプリント基板に固定される。
【選択図】図5

Description

本発明は、基板の貫通孔に圧入端子が挿入されてなる電子装置に関するものである。
基板の貫通孔に圧入端子が挿入されてなる電子装置として、特許文献1に記載のものが知られている。この電子装置は、スルーホール(貫通孔)を有する基板と、貫通孔に挿入されるピン(圧入端子)を有するコネクタと、を備えている。
圧入端子は、挿入前における幅が貫通孔の径よりも小さいとともに押圧されることにより変形して拡幅する被挿入範囲(被挿入部)を有している。この圧入端子は、貫通孔に挿入されて先端が反対側に突出した状態で貫通孔の外部から押圧治具によって押圧され、被挿入部が径方向に拡幅する。そして、この拡幅により、被挿入部が貫通孔の壁面に接触する。
特開2010−114135号公報
特許文献1によれば、挿入前において、被挿入部の幅が貫通孔の径よりも小さく、押圧により被挿入部を拡幅させて貫通孔の壁面に接触させる。このため、圧入端子としての機能を発揮しつつ圧入端子を貫通孔に容易に挿入することができる。
しかしながら、被挿入部を押圧により拡幅させて貫通孔の壁面に接触させるため、被挿入部は、径方向において縮幅するように弾性変形の反力を生じる。したがって、押圧治具を取り外すと、貫通孔の壁面に対する被挿入部の接触圧力(接圧)が弱くなり、圧入端子が基板から脱落する虞がある。
なお、被挿入部を押圧治具によって完全に塑性変形させることもできるが、この場合、たとえば、故障により基板を取り換える際に、圧入端子を貫通孔から引き抜くことで基板にダメージが生じてしまう。また、圧入端子を再使用することができない。
本発明は上記問題点に鑑み、圧入端子を貫通孔に容易に挿入でき、基板からの圧入端子の脱落を抑制することができる電子装置を提供することを目的とする。
ここに開示される発明は、上記目的を達成するために以下の技術的手段を採用する。なお、特許請求の範囲及びこの項に記載した括弧内の符号は、ひとつの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、発明の技術的範囲を限定するものではない。
開示された発明のひとつは、貫通孔(12)を有する基板(14)と、
貫通孔に挿入される圧入端子(16)と、
圧入端子を保持する保持部材(34)と、
を備える電子装置であって、
圧入端子のうち、貫通孔に挿入される被挿入部(26)は、挿入前の初期状態における幅(L0)が貫通孔の径(D1)よりも小さくされるとともに、貫通孔の径方向において弾性変形可能に設けられ、
貫通孔に挿入されて圧入端子に接触する圧入補助部(38,40)をさらに備え、
圧入補助部と貫通孔の壁面とに挟まれて、被挿入部の幅(L1)が初期状態よりも狭くされるとともに、被挿入部の拡幅方向への反力により、圧入補助部が基板に固定されることを特徴とする。
これによれば、初期状態において、圧入端子における被挿入部の幅が貫通孔の径よりも小さいため、貫通孔内に圧入端子を容易に挿入することができる。
また、電子装置が圧入補助部を有しており、この圧入補助部が貫通孔に挿入されることで、被挿入部の幅が初期状態よりも狭くされるとともに、圧入端子が基板に固定される。この固定状態で、被挿入部は、径方向において拡幅するように弾性変形の反力を生じる。この反力により、圧入補助部が基板に固定される。このように、被挿入部には拡幅方向への反力が作用するため、基板からの圧入端子の脱落を抑制することができる。
以上により、本発明によれば、圧入端子を基板の貫通孔に容易に挿入でき、且つ、基板からの圧入端子の脱落を抑制することができる。
開示された他の発明のひとつは、
同一の貫通孔に複数の圧入端子が挿入され、
圧入補助部は、複数の圧入端子によって挟まれることを特徴とする。
これによれば、圧入補助部を貫通孔に対して挿入する、または、圧入補助部を貫通孔から引き抜く際に、貫通孔の壁面に圧入補助部が接触するのを、より確実に抑制することができる。すなわち、圧入補助部の挿抜にともなう基板のダメージを抑制することができる。
開示された他の発明のひとつは、
圧入端子として、分岐により被挿入部を複数有する分岐端子(16c)を含み、
分岐された複数の被挿入部が、同一の貫通孔に挿入され、
圧入補助部は、複数の被挿入部によって挟まれることを特徴とする。
これによっても、上記した複数の圧入端子と同様の効果を奏することができる。
第1実施形態に係る電子制御装置の概略構成を示す断面図である。 図1に破線で示す領域IIを拡大した図である。 圧入端子の製造方法を示す図である。 圧入端子のプリント基板への固定方法を示す図であり、図2に対応している。 圧入端子及び圧入補助部の効果を説明するための図であり、図2に対応している。 第1変形例を示す断面図であり、図2に対応している。 第2変形例を示す断面図であり、図2に対応している。 第2実施形態に係る電子制御装置において、スルーホール周辺を拡大した断面図であり、図2に対応している。 圧入端子のプリント基板への固定方法を示す図であり、図4に対応している。 第3変形例を示す図である。 第4変形例を示す断面図であり、図2に対応している。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。なお、以下に示す各実施形態において、共通乃至関連する要素には同一の符号を付与するものとする。また、プリント基板の厚み方向、換言すれば貫通孔の延設方向をZ方向とし、Z方向に直交する一方向をX方向とする。そして、Z方向及びX方向の両方向に直交する方向をY方向とする。特に断りのない限り、X方向及びY方向により規定される面に沿う形状を平面形状として示す。
(第1実施形態)
先ず、図1〜図3に基づき、本実施形態に係る電子制御装置について説明する。図1に示す電子制御装置10は、車両のエンジンECU(Electric Control Unit)として構成されている。この電子制御装置10が、特許請求の範囲に記載の電子装置に相当する。
電子制御装置10は、貫通孔12を有するプリント基板14と、複数の圧入端子16と、プリント基板14を収容する筐体18と、を備えている。このうち、プリント基板14が、特許請求の範囲に記載の基板に相当する。
本実施形態では、プリント基板14が、複数の貫通孔12を有している。図2に示すように、プリント基板14は、自身の厚み方向、すなわちZ方向において、一面14a及び該一面14aと反対の裏面14bを有している。貫通孔12は、Z方向に沿って形成され、一面14a及び裏面14bの両面に開口しており、貫通孔12の平面形状、すなわち開口形状が、略真円状となっている。複数の貫通孔12は、X方向に並んで配置されるとともに、図示を省略するがY方向にも並んで配置されている。
貫通孔12は、電気的な接続機能を提供するスルーホール20を有している。スルーホール20の壁面及びその開口周囲には、ランド22が形成されている。プリント基板14には、電子部品24が実装されており、ランド22及び図示しない配線を介して、圧入端子16(後述する圧入端子16a)と電子部品24とが電気的に接続されている。図示を省略するが、貫通孔12は、電気的な接続機能(ランド22)を有さず、圧入端子16(後述する圧入端子16b)によって、プリント基板14を筐体18(後述する容器34)に固定するための貫通孔も有している。
圧入端子16は、貫通孔12に圧入されることでプリント基板14に固定されている。この圧入端子16は、プリント基板14の一面14a側から貫通孔12に挿入されている。圧入端子16として、本実施形態では、上記したスルーホール20に挿入される圧入端子16aと、それ以外の貫通孔12に挿入される圧入端子16bと、を有している。すなわち、圧入端子16a,16bはいずれも固定機能を有し、加えて圧入端子16a電気的な接続機能を有している。本実施形態では、1つの貫通孔12に対して、1本の圧入端子16が挿入されている。
圧入端子16は、貫通孔12内に挿入配置される部分として被挿入部26を有している。この被挿入部26は、挿入前の初期状態における幅が貫通孔12の径よりも小さくされるとともに、貫通孔12の径方向において弾性変形可能に設けられている。図2に例示するように、圧入端子16aは略J字のベント形状をなしている。圧入端子16aだけでなく、電気的な接続機能を提供しない圧入端子16bも、同様のベント形状をなしている。
これら圧入端子16(16a,16b)は、図3に示すように、金属材料からなる線材28を曲げ加工し、所定長さにカットすることで形成されている。ベント形状の圧入端子16は、一方向に沿って延びる基部30と、基部30に対して折曲された折り返し部32と、を有している。被挿入部26は、これら基部30及び折り返し部32を含んで構成されている。
筐体18は、一面が開口する箱状をなし、内部空間にプリント基板14を収容する容器34と、容器34の開口を閉塞する蓋36と、を有している。これら容器34及び蓋36は、たとえば、樹脂材料を用いて形成されている。
容器34は、コネクタハウジング34aをその一部として有している。本実施形態では、箱状をなす容器34の底部にコネクタハウジング34aが設けられている。そして、圧入端子16aが容器34のコネクタハウジング34aに保持されるとともに、外部空間側に突出している。すなわち、圧入端子16aとコネクタハウジング34aとにより、プリント基板14を外部機器と電気的に接続するためのコネクタが構成されている。なお、容器34が、特許請求の範囲に記載の保持部材に相当する。圧入端子16は、たとえば、容器34の成形に際してインサートされてもよいし、容器34に圧入固定されてもよい。
蓋36は、プリント基板14と対向する内面36aから、プリント基板14に向けて突出する圧入補助部38を有している。この圧入補助部38は、プリント基板14の裏面14b側から、貫通孔12に挿入されて圧入端子16に接触し、圧入端子16を押圧している。このように、圧入補助部38が貫通孔12に挿入されることで、圧入端子16は、圧入補助部38と貫通孔12の壁面とに挟まれて被挿入部26の幅が初期状態よりも狭くされている。また、被挿入部26の拡幅方向への反力により、圧入補助部38がプリント基板14に固定されている。本実施形態において、圧入補助部38は、圧入端子16と貫通孔12の壁面との間で挟まれている。
圧入補助部38は、貫通孔12と同数設けられている。本実施形態では、圧入補助部38が、蓋36の一部、すなわち、樹脂材料を用いて形成されている。また、少なくとも貫通孔12に挿入される部分が、突出先端側ほど断面積の小さいテーパ形状をなしている。
次に、図4に基づき、プリント基板14への圧入端子16の圧入方法、換言すれば電子制御装置10の製造方法について説明する。図4では、圧入端子16aについて説明するが、圧入端子16bについても同様である。
まず、スルーホール20を有するプリント基板14、圧入端子16aが保持された容器34、及び圧入補助部38を有する蓋36、をそれぞれ準備する。そして、図4(a)に示すように、圧入端子16aが対応するスルーホール20に挿入されるように、プリント基板14と容器34とを相対的に位置決めする。図4(a)に示す挿入前の初期状態では、圧入端子16aの被挿入部26の幅L0が、スルーホール20の径D1よりも小さくされている。本実施形態では、被挿入部26がX方向において弾性変形するように、圧入端子16aが容器34に保持されている。
次に、上記した位置決め状態を維持しつつ、Z方向においてプリント基板14と容器34とを近づけて、図4(b)に示すように、圧入端子16aを対応するスルーホール20に挿入し、被挿入部26をスルーホール20内に配置させる。上記したように、初期状態で被挿入部26の幅L0がスルーホール20の径D1よりも小さいため、スルーホール20内に、圧入端子16aの被挿入部26を容易に挿入することができる。また、スルーホール20の壁面のランド22を傷つけないように、被挿入部26を挿入することができる。たとえば、被挿入部26をランド22に接触させずに挿入することができる。
次に、図4(c)に示すように、圧入補助部38が対応するスルーホール20に挿入されるように、プリント基板14と蓋36とを相対的に位置決めする。そして、この位置決め状態で、図4(d)に示すように、Z方向においてプリント基板14と蓋36とを近づけて、圧入補助部38を対応するスルーホール20に挿入する。このようにして、容器34と蓋36とを組み付ける。
プリント基板14と蓋36とをZ方向において近づけると、圧入補助部38が圧入端子16aの被挿入部26に接触する。圧入補助部38はテーパ形状をなしており、圧入補助部38の挿入にともなって圧入補助部38により被挿入部26がX方向に押圧され、スルーホール20の壁面(ランド22)にも接触する。そして、被挿入部26が圧入補助部38とスルーホール20の壁面とに挟まれて、被挿入部26の幅L1が初期状態の幅L0よりも狭くされる。このように、圧入補助部38がスルーホール20に挿入されることで、被挿入部26がX方向において縮幅される。
上記したように挿入補助部38によって押圧された被挿入部26は、X方向において弾性変形の反力を生じる。この反力により、圧入補助部38がプリント基板14に固定される。本実施形態では、圧入補助部38が、被挿入部26とスルーホール20の壁面とにより挟まれる。
なお、圧入補助部38をスルーホール20に挿入する、または、圧入補助部38をスルーホール20から引き抜く際には、圧入補助部38がスルーホール20の壁面にできるだけ接触しないようにすることが好ましい。たとえば、圧入補助部38方向に移動させて被挿入部26を弾性変形させた状態で、圧入補助部38をスルーホール20に挿入し、所定位置まで挿入後、被挿入部26への押圧を弱めて、被挿入部26の反力により圧入補助部38をスルーホール20の壁面に接触させるとよい。
圧入補助部38をスルーホール20に挿入した後、本実施形態では、容器34と蓋36とをねじ締結することで、図1及び図2に示す電子制御装置10を得ることができる。
次に、本実施形態に係る電子制御装置10の効果について説明する。以下においては、圧入端子16aについてその効果を説明するが、特に限定のない限り、圧入端子16bも同様の効果を奏する。
本実施形態によれば、初期状態において、圧入端子16aにおける被挿入部26の幅L0が、スルーホール20の径D1よりも小さい。したがって、スルーホール20内に圧入端子16aを容易に挿入することができる。たとえば、プリント基板14におけるスルーホール20の壁面を傷つけないように、被挿入部26を挿入することができる。
また、電子制御装置10を構成する蓋36が圧入補助部38を有している。そして、圧入補助部38がスルーホール20に挿入されることで、被挿入部26が押圧されて初期状態よりも縮幅され、圧入端子16aがプリント基板14に固定される。換言すれば、圧入補助部38を介して、圧入端子16aがプリント基板14の貫通孔12に圧入固定される。この固定状態で、圧入端子16aの被挿入部26は、図5に示す白抜き矢印のように、拡幅方向へ弾性変形の反力を生じる。そして、この反力により、圧入補助部38がプリント基板14に固定される。このように、圧入端子16の被挿入部26は、拡幅方向への反力を生じるため、プリント基板14からの圧入端子16aの脱落を抑制することができる。なお、スルーホール20においては、壁面のランド22を傷つけないように被挿入部26を挿入しつつ、ランド22と圧入端子16aとの接圧を確保することもできる。
以上により、本実施形態によれば、圧入端子16a(圧入端子16)をプリント基板14のスルーホール20(貫通孔12)に容易に挿入でき、且つ、プリント基板14からの圧入端子16a(圧入端子16)の脱落を抑制することができる。
加えて、本実施形態では、プリント基板14の一面14a側から圧入端子16aが挿入され、一面14aと反対の裏面14b側から圧入補助部38が挿入される。このように、圧入端子16aと反対側から圧入補助部38が挿入されるため、圧入補助部38をスルーホール20に挿入しやすい。特に本実施形態では、筐体18を構成する容器34に圧入端子16aが保持され、蓋36に圧入補助部38が設けられている。したがって、容器34と蓋36とを組み付けるとともに、圧入補助部38をスルーホール20に挿入して、圧入端子16aをプリント基板14に圧入固定させることができる。すなわち、電子制御装置10の製造工程を簡素化することができる。
また、本実施形態では、線材28を用いて圧入端子16aが形成されている。したがって、板材をプレス加工してなる圧入端子に較べて、圧入端子16aの製造コストを低減することができる。特に本実施形態では、圧入端子16aが略J字のベント形状をなしているため、圧入端子16aを簡素な構造としつつ、上記した効果を奏することができる。
しかしながら、圧入端子16a(圧入端子16)としては、板材をプレス加工してなるものを採用することもできる。また、略J字のベント形状以外の形状を採用することもできる。たとえば、図6に示す第1変形例では、プレスフィット形状(換言すれば、ニードルアイ形状)の圧入端子16aを採用している。この圧入端子16aは、図示しないが、初期状態における被挿入部26の幅L0が、スルーホール20の径D1よりも小さくされている。また、圧入補助部38がスルーホール20に挿入されることで、圧入端子16aがX方向に押圧され、圧入補助部38とスルーホール20の壁面とに挟まれている。そして、被挿入部26の幅L1が初期状態の幅L0よりも狭くされている。さらには、被挿入部26の拡幅方向への反力により、圧入補助部38がプリント基板14固定されている。
なお、プレスフィット形状の圧入端子16aは、板材、または、線材を、プレス加工することで形成することもできる。一方、ベント形状の圧入端子16aについても、板材をプレス加工することで形成することもできる。
上記実施形態では、圧入補助部38が、蓋36の一部、すなわち、樹脂材料を用いて形成される例を示した。しかしながら、たとえば、図7に示す第2変形例のように、金属材料を用いて形成された圧入補助部38を採用することもできる。図7では、金属製の圧入補助部38が、樹脂材料からなる蓋36にインサートされている。このように、金属製の圧入補助部38を採用すると、樹脂クリープがない分、長期にわたって安定的に固定することができる。また、蓋36を樹脂材料としているため、各圧入補助部38を電気的に分離することもできる。
(第2実施形態)
本実施形態において、上記実施形態に示した電子制御装置10と共通する部分についての説明は割愛する。以下においては、圧入端子16aについて説明するが、特に限定のない限り、圧入端子16bも同様とする。
本実施形態では、図8に示すように、同一のスルーホール20に複数の圧入端子16aが挿入され、圧入補助部38は、複数の圧入端子16aによって挟まれている。
図8では、各スルーホール20に圧入端子16aが2本ずつ挿入されている。同一のスルーホール20に挿入された圧入端子16aは、その電気的な接続機能(接続対象)を同じとするものである。各圧入端子16aは第1実施形態同様、略J字のベント形状をなしている。同一のスルーホール20に配置される圧入端子16aは、X方向に並ぶとともに、折り返し部32をスルーホール20の壁面側として配置されている。
圧入補助部38は、X方向において、2本の圧入端子16aの間に配置されている。本実施形態では、X方向及びY方向により規定される面内において、圧入補助部38の中心位置がスルーホール20の中心位置とほぼ一致している。各被挿入部26は、圧入補助部38とスルーホール20の壁面とに挟まれ、各被挿入部26の幅L1が初期状態の幅L0よりも狭くされている。また、X方向両側に位置する被挿入部26の反力により、圧入補助部38は、プリント基板14に接触することなく、プリント基板14に固定されている。
次に、図9に基づき、プリント基板14への圧入端子16の圧入方法、換言すれば電子制御装置10の製造方法について簡単に説明する。図9でも、圧入端子16aについて説明するが、圧入端子16bについても同様である。
まず、スルーホール20を有するプリント基板14、圧入端子16aが保持された容器34、及び、圧入補助部38を有する蓋36、をそれぞれ準備する。このとき、容器34として、各スルーホール20に対応して2本の圧入端子16aを有するものを準備する。
そして、図9(a)に示すように、各スルーホール20に、対応する2本の圧入端子16aがそれぞれ挿入されるように、プリント基板14と容器34とを相対的に位置決めする。図9(a)に示す挿入前の初期状態では、各圧入端子16aの被挿入部26の幅L0が、スルーホール20の径D1よりも小さくされている。詳しくは、幅L0が、径D1の1/2よりも小さくされている。本実施形態でも、被挿入部26がX方向において弾性変形するように、圧入端子16aが容器34に保持されている。
次に、上記した位置決め状態を維持しつつ、Z方向においてプリント基板14と容器34とを近づけて、図9(b)に示すように、圧入端子16aを対応するスルーホール20に挿入し、被挿入部26をスルーホール20内に配置させる。押圧前の初期状態では、被挿入部26の幅L0がスルーホール20の径D1の1/2よりも小さいため、スルーホール20内に、圧入端子16aの被挿入部26を容易に挿入することができる。また、スルーホール20の壁面のランド22を傷つけないように、被挿入部26を挿入することができる。たとえば、被挿入部26をランド22に接触させずに挿入することができる。
次に、図9(c)に示すように、圧入補助部38が対応するスルーホール20に挿入されるように、プリント基板14と蓋36とを相対的に位置決めする。その際、圧入補助部38の中心がスルーホール20の中心とほぼ一致する、換言すれば、X方向において2本の圧入端子16aの間に、圧入補助部38が位置するように位置決めする。そして、この位置決め状態で、図9(d)に示すように、Z方向においてプリント基板14と蓋36とを近づけて、圧入補助部38を対応するスルーホール20に挿入する。このようにして、容器34と蓋36とを組み付ける。
プリント基板14と蓋36とが近づくことで、圧入補助部38が、対応するスルーホール20に配置された2本の圧入端子16aの被挿入部26にそれぞれ接触する。圧入補助部38はテーパ形状をなしており、圧入補助部38の挿入にともなって圧入補助部38により各被挿入部26がX方向に押圧され、スルーホール20の壁面(ランド22)にも接触する。そして、それぞれの被挿入部26が圧入補助部38とスルーホール20の壁面とに挟まれて、被挿入部26の幅L1が初期状態の幅L0よりも狭くされる。すなわち、圧入補助部38がスルーホール20に挿入されることで、2本の圧入端子16aの被挿入部26がいずれも、X方向において縮幅される。
また、各被挿入部26の弾性変形の反力は、それぞれX方向に作用する。したがって、2つの被挿入部26によって圧入補助部38が挟まれ、圧入補助部38がプリント基板14に固定される。
そして、圧入補助部38をスルーホール20に挿入した後、たとえば、容器34と蓋36とをねじ締結することで、図8に示す電子制御装置10を得ることができる。
次に、本実施形態に係る電子制御装置10の効果について説明する。以下においては、圧入端子16aについてその効果を説明するが、特に限定のない限り、圧入端子16bも同様の効果を奏する。
本実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果を奏することができる、加えて、圧入補助部38のX方向両側に被挿入部26がそれぞれ存在する。したがって、圧入補助部38をスルーホール20に対して挿入する際、または、圧入補助部38をスルーホール20から引き抜く際に、スルーホール20の壁面に圧入補助部38が接触するのを、より確実に抑制することができる。すなわち、挿抜にともなうプリント基板14のダメージを抑制することができる。特にスルーホール20壁面のランド22を傷つけないように、圧入補助部38をスルーホール20に対して挿入する、または、圧入補助部38をスルーホール20から引き抜くことができる。
なお、同一のスルーホール20に挿入される圧入端子16aの本数は2本に限定されるものではない。3本以上としてもよい。3本以上の圧入端子16aが、スルーホール20の中心に対して放射状に配置された構成としてもよい。
たとえば、図10に示す第3変形例のように、圧入端子16として、分岐により被挿入部26を複数有する分岐端子16cを採用しても、同様の効果を奏することができる。分岐された複数の被挿入部26は、同一のスルーホール20(貫通孔12)に挿入され、これら複数の被挿入部26によって圧入補助部38が挟まれる。図10では、一例として、分岐端子16cが被挿入部26を2つ有している。この分岐端子16cと、上記した同一の貫通孔12に対する複数の圧入端子16とを組み合わせることもできる。
また、第1実施形態に示したように、圧入端子16a(圧入端子16)として、板材をプレス加工してなるものを採用することもできる。また、略J字のベント形状以外の形状を採用することもできる。また、金属材料を用いて形成された圧入補助部38を採用することもできる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上記した実施形態になんら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々変形して実施することが可能である。
上記実施形態では、圧入補助部38が、蓋36の一部として構成される例を示した。しかしながら、たとえば、図11に示す第4変形例のように、蓋36(筐体18)とは別体の圧入補助部40を採用することもできる。この場合、圧入補助部40を、プリント基板14の一面14a側からスルーホール20(貫通孔12)に挿入することで、圧入端子16a(圧入端子16)をプリント基板14に圧入固定することもできる。図11では、金属材料を用いて形成された圧入補助部40を採用しているが、それ以外の材料(たとえば樹脂)からなるものを採用することもできる。
10・・・電子制御装置、12・・・貫通孔、14・・・プリント基板、14a・・・一面、14b・・・裏面、16,16a,16b,16c・・・圧入端子、18・・・筐体、20・・・スルーホール、22・・・ランド、24・・・電子部品、26・・・被挿入部、28・・・線材、30・・・基部、32・・・折り返し部、34・・・容器、34a・・・コネクタハウジング、36・・・蓋、36a・・・内面、38,40・・・圧入補助部

Claims (8)

  1. 貫通孔(12)を有する基板(14)と、
    前記貫通孔に挿入される圧入端子(16)と、
    前記圧入端子を保持する保持部材(34)と、
    を備える電子装置であって、
    前記圧入端子のうち、前記貫通孔に挿入される被挿入部(26)は、挿入前の初期状態における幅(L0)が前記貫通孔の径(D1)よりも小さくされるとともに、前記貫通孔の径方向において弾性変形可能に設けられ、
    前記貫通孔に挿入されて前記圧入端子に接触する圧入補助部(38,40)をさらに備え、
    前記圧入補助部と前記貫通孔の壁面とに挟まれて、前記被挿入部の幅(L1)が前記初期状態よりも狭くされるとともに、前記被挿入部の拡幅方向への反力により、前記圧入補助部が前記基板に固定されることを特徴とする電子装置。
  2. 前記圧入補助部は、前記貫通孔に対して、前記圧入端子と反対側から挿入されることを特徴とする請求項1に記載の電子装置。
  3. 同一の前記貫通孔に複数の前記圧入端子が挿入され、
    前記圧入補助部は、複数の前記圧入端子によって挟まれることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電子装置。
  4. 前記圧入端子として、分岐により前記被挿入部を複数有する分岐端子(16c)を含み、
    分岐された複数の前記被挿入部が、同一の前記貫通孔に挿入され、
    前記圧入補助部は、複数の前記被挿入部によって挟まれることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電子装置。
  5. 前記圧入補助部は、金属材料を用いて形成されていることを特徴とする請求項1〜4いずれか1項に記載の電子装置。
  6. 前記貫通孔として、壁面にランド(22)が形成されたスルーホール(20)を含み、
    前記圧入端子は、前記ランドと電気的に接続されることを特徴とする請求項1〜5いずれか1項に記載の電子装置。
  7. 前記圧入端子は、線材を用いて形成されていることを特徴とする請求項1〜6いずれか1項に記載の電子装置。
  8. 前記圧入端子は、ベント形状をなしていることを特徴とする請求項1〜7いずれか1項に記載の電子装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2019186350A (ja) * 2018-04-09 2019-10-24 三菱電機株式会社 半導体装置

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