JP2015203120A - 成膜装置及びベースフィルムの搬送方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の課題は、ベースフィルムの搬送に起因する膜欠陥が少ない成膜装置及びベースフィルムの搬送方法を提供することである。【解決手段】成膜装置Aは、長尺のベースフィルム1をロール体から巻き出して搬送し、当該ベースフィルム1上にALD法により成膜を行って巻き取る成膜装置であって、巻き出したベースフィルム1の幅方向の両端を把持して搬送し、ベースフィルム1を巻き取る前にベースフィルム1を解放する搬送機構30を備え、搬送機構30が、ベースフィルム1を巻き出してから巻き取るまでの間、把持したベースフィルム1を解放することなく、連続してベースフィルム1を搬送する。【選択図】図1

Description

本発明は、成膜装置及びベースフィルムの搬送方法に関する。具体的には、ベースフィルムの搬送に起因して、当該ベースフィルム上に原子堆積法により形成された膜に生じる欠陥が少ない成膜装置及び当該成膜装置におけるベースフィルムの搬送方法に関する。
従来、ベースフィルム上に機能性層として無機膜が形成された機能性フィルムが広く利用されている。
食品、医薬品、電子デバイス等の包装材として用いられているガスバリアー性フィルムも、機能性フィルムの1つである。ガスバリアー性フィルムは、ベースフィルム上に形成されたガスバリアー層が、大気中の水、酸素等のガスを遮蔽して内容物の劣化を防ぐ。
無機膜を緻密な薄膜として形成できる方法の1つとして、原子層堆積(ALD:Atomic Layer Deposition)法が知られている。ALD法は、異なる原料を交互に供給し、それぞれの原料を反応させる成膜処理を複数サイクル繰り返し、1サイクルごとに原子層を1層ずつ堆積させて薄膜を形成する方法である。
ALD法により成膜する場合、それぞれ異なる原料が供給される反応室内を行き来するようにベースフィルムを搬送し、複数サイクルの成膜処理を繰り返すことにより、ロール・トゥ・ロール(roll to roll)によって成膜することも可能である。ベースフィルムの搬送にローラーを用いることもできるが、ベースフィルム上の膜の損傷を避けるため、クリップ等の把持具によりベースフィルムの端部を把持する搬送機構を用いることもできる(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、上記特許文献1によれば、ベースフィルムを巻き出してから巻き取るまでの間に複数の搬送機構が配置され、各搬送機構間でベースフィルムを受け渡して搬送している。受け渡し回数が多いほど、各搬送機構の間でベースフィルムの搬送位置を正確に同期させることが難しくなり、受け渡し時のベースフィルムのキャッチに失敗する可能性も増えるため、連続生産の安定性が低くなる。
また、ベースフィルムの把持と解放を繰り返すと、成膜時に把持具等に付着した余分な膜成分がベースフィルム上の膜に付着し、膜表面に凹凸を生じさせることがある。凹凸が大きいと、ベースフィルムの巻き取り時に加わる圧力によって膜が破壊され、膜欠陥が生じる。膜成分だけでなく、ベースフィルム内部からの析出物等の異物が膜上に付着することもある。また、ALD法では、複数サイクルの成膜処理によって異物上にさらに膜成分が堆積するため、膜中に異物が混入して膜性能を低下させる原因となる。
膜厚が十分に厚ければ、このような膜欠陥を減らすことができるが、ALD法は1サイクルの成膜処理により形成できる膜厚が非常に薄いため、異物等の影響が及ばない程度の膜厚を得るためには成膜装置の巨大化が避けられず、現実的な対策ではない。
特許第5206908号公報
本発明は上記問題及び状況に鑑みてなされ、その解決課題は、ベースフィルムの搬送に起因する膜欠陥が少ない成膜装置及びベースフィルムの搬送方法を提供することである。
上記課題を解決すべく、上記問題の原因等について検討する過程において、ベースフィルムを搬送するために成膜中にベースフィルムの把持及び解放を繰り返すと、成膜中の膜上に余分な膜成分や異物が付着しやすく、膜欠陥が増えることが判明した。本発明者らは、ベースフィルムを把持及び解放する回数を減らすことにより、膜欠陥の原因となる異物の付着を抑えることができると考え、本発明に至った。
すなわち、本発明に係る課題は、以下の手段によって解決される。
1.長尺のベースフィルムをロール体から巻き出して搬送し、当該ベースフィルム上に原子層堆積法により成膜を行って巻き取る成膜装置であって、
巻き出した前記ベースフィルムの幅方向の両端を把持して搬送し、前記ベースフィルムを巻き取る前に前記ベースフィルムを解放する搬送機構を備え、
前記搬送機構が、前記ベースフィルムを巻き出してから巻き取るまでの間、把持した前記ベースフィルムを解放することなく、連続して前記ベースフィルムを搬送することを特徴とする成膜装置。
2.前記搬送機構が、前記ベースフィルムの幅方向が重力方向と一致するように、前記ベースフィルムを搬送することを特徴とする第1項に記載の成膜装置。
3.前記搬送機構が、前記ベースフィルムの幅方向の両端のうち、少なくとも重力方向上側に位置する一端を把持して搬送することを特徴とする第2項に記載の成膜装置。
4.前記ベースフィルムを解放してから、前記ベースフィルムを巻き取るまでの間に位置するテンションローラーを備え、当該テンションローラーにより巻き取り時に前記ベースフィルムに加わる張力を調整することを特徴とする第1項から第3項までのいずれか一項に記載の成膜装置。
5.前記ベースフィルムの厚さが、10〜100μmの範囲内にあることを特徴とする第1項から第4項までのいずれか一項に記載の成膜装置。
6.前記原子層堆積法により、ベースフィルム上にガスバリアー層として無機膜を形成することを特徴とする第1項から第5項までのいずれか一項に記載の成膜装置。
7.長尺のベースフィルムをロール体から巻き出して搬送し、原子層堆積法により成膜が行われた当該ベースフィルムを巻き取るベースフィルムの搬送方法であって、
巻き出した前記ベースフィルムの幅方向の両端を把持して搬送し、前記ベースフィルムを巻き取る前に前記ベースフィルムを解放する搬送機構により、前記ベースフィルムを巻き出してから巻き取るまでの間、把持した前記ベースフィルムを解放することなく、連続して前記ベースフィルムを搬送することを特徴とするベースフィルムの搬送方法。
8.前記搬送機構により、前記ベースフィルムの幅方向が重力方向と一致するように、前記ベースフィルムを搬送することを特徴とする第7項に記載のベースフィルムの搬送方法。
9.前記搬送機構により、前記ベースフィルムの幅方向の両端のうち、少なくとも重力方向上側に位置する一端を把持して搬送することを特徴とする第8項に記載のベースフィルムの搬送方法。
10.前記ベースフィルムを解放してから、前記ベースフィルムを巻き取るまでの間に配置されたテンションローラーにより、巻き取り時に前記ベースフィルムに加わる張力を調整することを特徴とする第7項から第9項までのいずれか一項に記載のベースフィルムの搬送方法。
11.前記ベースフィルムの厚さが、10〜100μmの範囲内にあることを特徴とする第7項から第10項までのいずれか一項に記載のベースフィルムの搬送方法。
12.前記原子層堆積法により、ガスバリアー層として無機膜が形成されたベースフィルムを搬送することを特徴とする第7項から第11項までのいずれか一項に記載のベースフィルムの搬送方法。
本発明の上記手段により、ベースフィルムの搬送に起因する膜欠陥が少ない成膜装置及びベースフィルムの搬送方法を提供できる。
本発明の効果の発現機構又は作用機構は明確になっていないが、以下のように推察される。
ベースフィルムを巻き出してから巻き取るまでの間、ベースフィルムを把持して搬送する搬送機構が、把持したベースフィルムを解放することなく、連続してベースフィルムを搬送するため、成膜中の把持及び解放を避けることができる。搬送機構の把持具等に付着した余分な膜成分や、ベースフィルム内部からの析出物等が、把持及び解放時に浮遊して成膜中の膜に付着することを抑えることができるため、膜表面の凹凸による膜破壊、異物の混入等による膜欠陥を減らすことができたと推察される。
本実施の形態に係る成膜装置の概略構成を示す正面図 搬送機構の概略構成を示す斜視図 テンションローラーを備えた成膜装置の概略構成を示す正面図 非接触型のテンションローラーを示す斜視図 保護層形成部を備えた成膜装置の概略構成を示す正面図 ベースフィルムの幅方向が重力方向と一致するように搬送する成膜装置を重力方向上側から表す上面図 図6に示す成膜装置により搬送されるベースフィルムの斜視図 複数の搬送機構によりベースフィルムの把持及び解放を繰り返して搬送する成膜装置の正面図
本発明の成膜装置は、長尺のベースフィルムをロール体から巻き出して搬送し、当該ベースフィルム上に原子層堆積法により成膜を行って巻き取る成膜装置であって、巻き出した前記ベースフィルムの幅方向の両端を把持して搬送し、前記ベースフィルムを巻き取る前に前記ベースフィルムを解放する搬送機構を備え、前記搬送機構が、前記ベースフィルムを巻き出してから巻き取るまでの間、把持した前記ベースフィルムを解放することなく、連続して前記ベースフィルムを搬送することを特徴とする。この特徴は請求項1から請求項12までの各請求項に係る発明に共通の技術的特徴である。
本発明の実施態様としては、余分な膜成分、異物等の堆積を防ぐ観点から、ベースフィルムの幅方向が重力方向と一致するように、前記ベースフィルムを搬送することもできる。
この場合、前記ベースフィルムの幅方向の両端のうち、少なくとも重力方向上側に位置する一端を把持して搬送することが、搬送の安定性の観点から好ましい。
また、前記搬送機構が、前記ベースフィルムを解放してから、前記ベースフィルムを巻き取るまでの間に位置するテンションローラーを備え、当該テンションローラーにより巻き取り時に前記ベースフィルムに加わる張力を調整することが、把持型の搬送の安定性を向上させる観点から、好ましい。
また、前記ベースフィルムの厚さが、10〜100μmの範囲内にあること、前記原子層堆積法により、ベースフィルム上にガスバリアー層として無機膜を形成することが、無機膜の膜欠陥を減らし、高いガスバリアー性が得られるため、好ましい。
本発明のベースフィルムの搬送方法は、長尺のベースフィルムをロール体から巻き出して搬送し、原子層堆積法により成膜が行われた当該ベースフィルムを巻き取るベースフィルムの搬送方法であって、巻き出した前記ベースフィルムの幅方向の両端を把持して搬送し、前記ベースフィルムを巻き取る前に前記ベースフィルムを解放する搬送機構により、前記ベースフィルムを巻き出してから巻き取るまでの間、把持した前記ベースフィルムを解放することなく、連続して前記ベースフィルムを搬送することを特徴としている。
本発明のベースフィルムの搬送方法の好ましい態様は、上述した成膜装置と同様であるので、説明を省略する。
以下、本発明とその構成要素及び本発明を実施するための形態について詳細な説明をする。
なお、本願において、「〜」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用する。
〔成膜装置〕
図1は、本実施の形態の成膜装置Aの概略構成を示している。
成膜装置Aは、長尺のベースフィルム1のロール体を巻き出して搬送し、ベースフィルム1上に原子層堆積(ALD:Atomic Layer Deposition)法により成膜を行って巻き取る。
ALD法は、ベースフィルム上に2種以上の原料を交互に供給し、各原料を反応させる成膜処理を複数サイクル繰り返し、1サイクルごとに原子層(実際には化合物の分子層であり得る。)を1層ずつ堆積させて薄膜を形成する方法である。ALD法であれば、ALD法の1種であるPEALD(Plasma Enhanced ALD)法、熱ALD法等を用いることもできる。
以下、PEALD法を用いる場合の成膜装置Aの構成を説明する。
成膜装置Aは、図1に示すように、2つの原料供給部21及び22と、改質処理部23とを備えている。各原料供給部21及び22と改質処理部23は、真空ポンプ等によって真空圧下に調整されている。原料供給部21及び22と改質処理部23のそれぞれのチャンバーC1〜C3には、各チャンバーC1〜C3内をベースフィルム1が通過できるように、ベースフィルム1の搬送経路上に開口が設けられている。
原料供給部21及び22は、形成する膜の原料をガス状にしてそれぞれのチャンバーC1及びC2内へ供給する。原料は、前駆体とも呼ばれる。
チャンバーC1においては、ベースフィルム1の表面に原料供給部21により供給された原料が吸着し、チャンバーC2においては、ベースフィルム1の表面に原料供給部22により供給された原料が吸着する。
改質処理部23は、原料供給部21及び22により供給される原料の改質用ガスをチャンバーC3内に供給する。また、改質処理部23は、改質用ガスに電圧を印加してプラズマPを生成する。改質用ガスとしては、例えば酸素ガス、窒素ガス等の原料供給部21及び22により供給される原料との反応性が高い活性ガスが挙げられる。改質処理部23は、プラズマPにより、各原料供給部21及び22によりベースフィルム1上に吸着した原料の酸化、窒化等の改質処理を行う。
原料供給部21及び22により供給される原料を第1原料とし、改質処理部23により用いられる改質用ガスを第2原料とすると、形成する膜に応じて第1原料及び第2原料を選択することができる。
無機膜を形成する場合、第1原料としては、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、ケイ素(Si)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、ランタン(La)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、マグネシウム(Mg)、亜鉛(Zn)等の金属元素を含有する金属化合物を用いることができる。無機膜は、当該第1原料を改質処理して得られた金属酸化物、金属窒化物等の金属化合物を含有し得る。
例えば、改質処理により酸化アルミニウム(Al)、窒化アルミニウム等の金属化合物を含有する無機膜を形成する場合、第1原料としてはアルミニウムを含み、気化できるアルミニウム化合物であれば特に制限はない。そのようなアルミニウム化合物としては、例えば塩化アルミニウム(AlCl)、トリメチルアルミニウム(Al(CH)、トリエチルアルミニウム(TEA)、トリクロロアルミニウム等が挙げられる。
改質処理により酸化ケイ素(SiO)、窒化ケイ素(SiN)等の金属化合物を含有する無機膜を形成する場合、第1原料としてはトリシラン(Si)、ジシラン(Si)、モノシラン(SiH)の他、モノクロロシラン(SiHCl)、ジクロロシラン(SiHCl)、ヘキサクロロジシラン(SiCl)、テトラクロロシラン(SiCl)、トリクロロシラン(SiHCl)等のクロロシラン系、テトラキスジメチルアミノシラン(Si[N(CH)2])、トリスジメチルアミノシラン(Si[N(CHH)、ビスジエチルアミノシラン(Si[N(C)、ビスターシャリーブチルアミノシラン(SiH[NH(C)])等のアミノシラン系、Si(OC、SiHCl、Si(NO等が挙げられる。
改質処理により酸化チタン(TiO)、窒化チタン、炭窒化チタン等の金属化合物を含有する無機膜を形成する場合、第1原料としてはTiF、四塩化チタン(TiCl)、TiBr、TiI、テトラキスジメチルアミノチタン([(CHN]Ti)、テトラキスジエチルアミノチタンTi[N(C、Ti[N(CCH)]、チタン(IV)イソプロポキシド(Ti[(OCH)(CH)が挙げられる。
第2原料としては、第1原料を酸化する場合は水(HO)、酸素、オゾン(O)、メタノール、エタノール等を用いることができる。第1原料を窒化する場合は窒素、アンモニア(NH)等を用いることができる。これらのガスに、水素(H)ガスを併用してもよい。
無機膜をガスバリアー層として形成する場合には、ガスバリアー性を高める観点から、無機膜が、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム(MgO)、酸化ハフニウム(HfO)、酸化ランタン(La)等の金属酸化物を含有することが好ましい。トリメチルアルミニウム、四塩化チタン等を第1原料とする酸化アルミニウム、酸化チタンは、分子量の大きさが膜の凹凸の補修に適しており、カバレッジ性が高まることから、特に好ましい。
各チャンバーC1〜C3は、不活性ガスの供給及び排気が行われるチャンバーC4内に配置されている。ベースフィルム1上の余剰の第1原料又は第2原料は、不活性ガスとともに排気され除去される。
不活性ガスは、第1原料又は第2原料との反応性が低いガスをいう。使用できる不活性ガスとしては、例えば希ガス等が挙げられ、第1原料又は第2原料との反応性が低いのであれば、窒素ガス等も使用することができる。
成膜時には、ベースフィルム1を原料供給部21に搬送し、ガス状の第1原料を供給すると、ベースフィルム1の表面に第1原料が吸着する。その後、ベースフィルム1を改質処理部23に搬送し、第2原料のガスを供給してプラズマPを生成し、ベースフィルム1の表面に吸着した第1原料を改質処理することにより、膜を形成する。さらに、ベースフィルム1を原料供給部22に搬送し、第1原料を供給すると膜上にさらに第1原料が吸着するので、改質処理部23に搬送して当該第1原料を改質処理することにより、膜を堆積させる。なお、ベースフィルム1は、チャンバーC4を通過して原料供給部21及び22、改質処理部23のそれぞれに搬送されるので、余剰の第1原料及び第2原料はチャンバーC4において除去される。
原料供給部21及び22により同じ原料を供給する場合は、上記手順により2サイクルの成膜処理を行うことができる。異なる原料を供給する場合は、上記手順により1サイクルの成膜処理を行うことができる。
成膜装置Aは、ベースフィルム1の搬送手段として、図1に示すように、ベースフィルム1を巻き出すアンワインダー11と、巻き取るワインダー15と、搬送機構30とを備えている。
成膜装置Aは、アンワインダー11によりベースフィルム1を巻き出し、搬送機構30により改質処理部23を経由して原料供給部21と原料供給部22に繰り返し搬送する。そして、膜が形成されたベースフィルム1をワインダー15により巻き取る。
搬送機構30は、巻き出されたベースフィルム1の幅方向の両端を開始位置Spにおいて把持して搬送し、ベースフィルム1が巻き取られる前の終了位置Epにおいてベースフィルム1を解放する。ベースフィルム1の幅方向とは、ベースフィルム1の長さ方向と直交する方向である。
搬送機構30は、ベースフィルム1が巻き出されてから巻き取られるまでの間、把持したベースフィルム1を解放することなく、連続してベースフィルム1を搬送する。
ベースフィルム1としては、フィルム状の樹脂、ガラス、金属等を用いることができる。なかでも、樹脂が好ましく、透明性が高い樹脂であることが好ましい。ベースフィルム1として用いることができる樹脂としては、例えばメタクリル酸エステル、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)、ポリアリレート、ポリスチレン(PS)、ポリイミド(PI)等が挙げられる。
ベースフィルム1の厚さは特に限定されないが、10μm以上であると搬送機構30による把持が容易となる。一方、膜の損傷を避けるためには、非接触型のローラーを使用したローラー搬送も可能であるが、厚さが100μm以下のベースフィルム1をローラー搬送すると、フィルムの剛性不足により搬送不良が生じやすい。そのため、厚さが100μm以下のベースフィルム1に対しては、把持型の搬送機構30が有効となる。
ベースフィルム1の幅方向の長さは、0.1〜3.0mの範囲内であることが好ましく、0.5〜2.0mの範囲内であることがより好ましい。この範囲内であれば、搬送機構30の設計及びメンテナンスが容易であり、真空圧下に調整する時間も長引かず生産性が向上する。
図2は、搬送機構30の概略構成を示している。
搬送機構30は、図2に示すように、1対のチェーン31、複数のスプロケット32、複数のクリップ33等を備えて構成されている。
搬送機構30は、複数のクリップ33によりベースフィルム1を把持し、複数のスプロケット32の回転によってチェーン31を移動させることにより、ベースフィルム1を搬送することができる。
1対のチェーン31は、複数のスプロケット32に架け渡され、各スプロケット32の回転によって移動する無端状のチェーンである。1対のチェーン31が架け渡される位置は、ベースフィルム1の幅方向の両端の位置に対応するように調整されている。各チェーン31は、開始位置Spから終了位置Epまでの間、図1に示すようにベースフィルム1の搬送経路に沿って移動し、終了位置Ep以降は開始位置Spまで戻る周回経路に沿って移動する。
複数のスプロケット32は、ベースフィルム1の搬送経路と周回経路のそれぞれに沿って配置されている。
複数のクリップ33は、ベースフィルム1の把持具であり、1対のチェーン31のそれぞれに一定間隔で取り付けられている。
なお、把持具をベースフィルム1の搬送経路と周回経路に沿って移動させることができるのであれば、搬送機構30は上述した構成に限られず、レールとレール上を走行する把持具等から構成されてもよい。
〔ベースフィルムの搬送方法〕
搬送機構30は、図1に示すように、アンワインダー11により巻き出されたベースフィルム1を、複数のクリップ33により開始位置Spにおいて把持し、ワインダー15により巻き取られる前の終了位置Epにおいてベースフィルム1を解放する。開始位置Spから終了位置Epまでの間、複数のクリップ33はベースフィルム1を解放すること無く、同じクリップ33が同じ個所を連続して把持する。
終了位置Epを通過後、ベースフィルム1を解放した複数のクリップ33は周回経路上を移動して、開始位置Spに至るとベースフィルム1を把持する。
以上のように、本実施の形態の成膜装置Aは、長尺のベースフィルム1をロール体から巻き出して搬送し、当該ベースフィルム1上にALD法により成膜を行って巻き取る成膜装置であって、巻き出したベースフィルム1の幅方向の両端を把持して搬送し、ベースフィルム1を巻き取る前にベースフィルム1を解放する搬送機構30を備えている。搬送機構30は、ベースフィルム1を巻き出してから巻き取るまでの間、把持したベースフィルム1を解放することなく、連続してベースフィルム1を搬送する。
成膜装置Aによれば、成膜中にベースフィルム1を把持及び解放を行わないため、クリップ33等に付着した余分な膜成分や異物等が把持及び解放時に浮遊して成膜中の膜に付着することを抑えることができる。その結果、ALD法により形成する膜厚を厚くすることなく、膜表面の凹凸による膜破壊、膜中への異物の混入等の膜欠陥を減らすことができる。
〔変形例1〕
上記成膜装置Aが、ベースフィルム1の搬送手段の1つとして、ベースフィルム1を解放した後、ベースフィルム1を巻き取るまでの間に位置するテンションローラーをさらに備え、当該テンションローラーにより巻き取り時にベースフィルム1に加わる張力を調整することもできる。これにより、把持型の搬送機構30による搬送の安定性を向上させることができる。
図3は、ベースフィルム1の張力を調整する場合の成膜装置B1の概略構成を示している。
成膜装置B1は、搬送機構30によりベースフィルム1を解放した後、ベースフィルム1を巻き取るまでの間に位置するテンションローラー12を備えていること以外は、図1に示す成膜装置Aと構成が同じである。図3において、成膜装置Aと同じ構成部分には同じ符号が付されている。
テンションローラー12は、ベースフィルム1を挟持して搬送する1対のローラーである。ワインダー15の巻き取りによってベースフィルム1に強い張力が加わると、搬送機構30の搬送が不安定になる場合がある。この場合でも、テンションローラー12がベースフィルム1を挟持することによって、テンションローラー12より搬送経路下流のベースフィルム1に加わる張力を減らすことができ、搬送機構30の搬送を安定させることができる。
テンションローラー12は、ベースフィルム1上に形成された膜の損傷を避けるため、膜と非接触でベースフィルム1を搬送する非接触型のローラーであることが好ましい。
非接触型のテンションローラー12としては、例えば図4に示すように、軸方向の中央部よりも両端部の直径が大きくなるように軸方向において段差が設けられたローラーを用いることができる。このようなローラーによれば、ベースフィルム1の幅方向両端のみを挟持して、膜に接触することなくベースフィルム1を搬送することができる。
〔変形例2〕
上記成膜装置B1が、ベースフィルム1上の膜の損傷を保護するため、膜上に保護層を形成するようにしてもよい。
図5は、保護層を形成する場合の成膜装置B2の概略構成を示している。
成膜装置B2は、保護層形成部40をさらに備えていること以外は、成膜装置B1と構成が同じである。図5において、成膜装置B1と同じ構成部には同じ符号が付されている。
保護層の材料としては、膜上に形成できる材料であれば特に制約はなく、金属酸化物、ポリマー材料等を適用できるが、炭素含有ポリマーが好ましく、なかでも硬化性樹脂が特に好ましい。硬化性樹脂としては特に制限されず、熱硬化性樹脂、活性エネルギー線硬化性樹脂等が挙げられるが、成形が容易なことから、活性エネルギー線硬化性樹脂が好ましい。活性エネルギー線硬化性樹脂とは、紫外線又は電子線のような活性エネルギー線照射により架橋反応等を経て硬化する樹脂をいう。活性エネルギー線硬化樹脂としては紫外線硬化性樹脂や電子線硬化性樹脂等が代表的なものとして挙げられるが、なかでも、電子線照射によって硬化する電子線硬化性樹脂が好ましい。
上記硬化性樹脂を用いる場合、図5に示すように硬化性樹脂の塗布装置41及び硬化装置42により保護層形成部40を構成することができる。
塗布装置41は、硬化性樹脂をベースフィルム1の膜上に塗布する。塗布方法としては、真空圧下でも塗布が可能な蒸着法が好ましい。硬化装置42は、熱線、活性エネルギー線を照射して塗膜を硬化させて、保護層を形成する。
図5は、真空圧下において保護層を形成する場合の保護層形成部40の設置例を示しているが、保護層を大気圧下において形成することもできる。大気圧下において保護層を形成する場合、真空圧から大気圧へ調整する圧力調整部を介して、大気圧下に設けられた保護層形成部40へベースフィルム1を搬送するようにすればよい。
大気圧下にある保護層形成部40の保護層の形成方法としては、スプレー法、ダイ塗布法等の湿式塗布法、蒸着法等を用いることができる。
〔変形例3〕
上記成膜装置A、B1及びB2において、ベースフィルム1を熱処理した後、ALD法による成膜を行うようにしてもよい。熱処理は、ベースフィルム1を加熱することにより、ベースフィルム1中の水分を減らして酸化の進行を減らす処理である。ガスバリアー層を形成する場合には、あらかじめベースフィルム1を熱処理することにより、ガスバリアー性を高めることができる。
具体的には、原料供給部21、22及び改質処理部23からなる成膜ゾーンの前に、熱処理ゾーンを設け、ロール体から巻き出されたベースフィルム1を熱処理ゾーンに搬送した後、成膜ゾーンに搬送するようにするか、熱処理用の別のラインで処理されたベースフィルム1のロール体をアンワインダー11にセットするようにすればよい。
熱処理の処理温度は、50〜150℃の範囲内であることが好ましい。
〔他の実施の形態〕
成膜中の膜への余分な膜成分、異物等の付着を防ぐ観点からは、ベースフィルム1の幅方向が重力方向と一致するように、ベースフィルム1を搬送することが好ましい。
図6は、ベースフィルム1の幅方向が重力方向と一致するように、ベースフィルム1を搬送する場合の成膜装置Cの概略構成を重力方向上側から表している。成膜装置Cは、搬送中のベースフィルム1の幅方向の向きが異なること以外は、図1に示す成膜装置Aと構成が同じである。よって、図6において成膜装置Aと同じ構成部分には同じ符号が付されている。
図6に示すように、成膜装置Cのアンワインダー11及びワインダー15において、ベースフィルム1のロール体はベースフィルム1の幅方向が重力方向と直交するように配置されていることが好ましい。これにより、重力によるロール体の巻きずれを防ぐことができる。
搬送機構30は、ロール体から巻き出されたベースフィルム1の幅方向の一端を重力方向下側に搬送して、ベースフィルム1の幅方向を重力方向に一致させる。搬送機構30は、そのままベースフィルム1を搬送し、巻き取り前にベースフィルム1の重力方向下側の一端を重力方向上側に搬送して他端と重力方向の高さを合わせる。
このように、ベースフィルム1の幅方向を重力方向に一致させて搬送することにより、余分な膜成分や異物等が重力によりベースフィルム1から落下しやすくなり、ベースフィルム1の膜上への異物の付着を効果的に抑えることができる。
成膜装置Cにおいて、搬送機構30は、ベースフィルム1の幅方向の両端を把持してもよいし、両端のうち、重力方向上側に位置する一端のみを把持して搬送してもよい。
図7は、一端のみを把持して搬送する場合のベースフィルム1の斜視図である。
図7に示すように、一端のみを把持する場合、両端を把持するクリップ33の搬送位置のずれによるベースフィルム1のゆがみが生じず、搬送の制御が容易である。
なお、成膜装置Cにおいても、上述したテンションローラー12、保護層形成部40を設けてもよい。
以下、実施例をあげて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」又は「%」の表示が用いられるが、特に断りが無い限り「質量部」又は「質量%」を表す。
〔ガスバリアー性フィルム1〕
ガスバリアー性フィルムのベースフィルムとして、厚さ50μmのテイジン(登録商標)テトロン(登録商標)フィルムKDL8W(テイジンデュポンフィルム社製)を用意した。
次に、図1に示す成膜装置Aにより上記ベースフィルム上にガスバリアー層として厚さ10nmの酸化アルミニウム膜を形成し、ガスバリアー性フィルム1を得た。
具体的な成膜条件は、次のとおりである。
(成膜条件)
第1原料:トリメチルアルミニウム
第1原料の吸着時間:2.0秒
第1原料が供給されたチャンバー内の圧力:90Pa
改質用ガス:酸素ガス
改質処理の処理時間:0.5秒
改質用ガスが供給されたチャンバー内の圧力:90Pa
パージに使用した不活性ガス:窒素ガス
パージ時間:4.0秒
不活性ガスが供給されたチャンバー内の圧力:100Pa
酸化アルミニウム膜の堆積速度:0.1nm/サイクル
ベースフィルムの温度:100℃
〔ガスバリアー性フィルム2〕
ガスバリアー性フィルム1の製造において、図1に示す成膜装置Aを図6に示す成膜装置Cに代えてガスバリアー層を形成したこと以外は、ガスバリアー性フィルム1と同様にしてガスバリアー性フィルム2を製造した。
〔ガスバリアー性フィルム3〕
ガスバリアー性フィルム1の製造において、図1に示す成膜装置Aを図5に示す成膜装置B2に代えてガスバリアー層を形成し、ガスバリアー層上に保護層をさらに形成したこと以外は、ガスバリアー性フィルム1と同様にしてガスバリアー性フィルム3を製造した。
成膜装置B2においては、保護層を蒸着法により次のようにして形成した。
トリプロピレングリコールジアクリレートを気化させた蒸気をベースフィルム上に導入し、トリプロピレングリコールジアクレート分子をガスバリアー層上に堆積させて蒸着膜を形成した。蒸気の導入時間を調整して最終的な保護層の厚さを1μmとした。その後、蒸着膜に電子線を照射して硬化させることにより、保護層が得られた。
〔ガスバリアー性フィルム4〕
ガスバリアー性フィルム3の製造において、保護層を大気圧下において形成したこと以外は、ガスバリアー性フィルム3と同様にしてガスバリアー性フィルム4を製造した。
ガスバリアー性フィルム3の製造において、保護層を次のようにして形成した。
ガスバリアー層の形成後、ベースフィルムを圧力調整室へ搬送し、ベースフィルムの圧力環境を真空圧下から大気圧へ調整した。調整後、ベースフィルムのガスバリアー層上にトリプロピレングリコールジアクレートをスロットダイにより塗布して、塗布膜を形成した。さらに、塗布膜に電子線を照射して硬化させることにより、保護層を得た。得られた保護層の厚さは3μmであった。
〔ガスバリアー性フィルム5〕
ガスバリアー性フィルム1の製造において、ガスバリアー層を成膜する前にベースフィルムを熱処理したこと以外は、ガスバリアー性フィルム1と同様にしてガスバリアー性フィルム5を製造した。
熱処理の処理温度は120℃であり、処理時間は30分であった。また、チャンバー内の圧力は100Paであった。
〔ガスバリアー性フィルム21〕
ガスバリアー性フィルム1の製造において、図1に示す成膜装置Aを図8に示す成膜装置Kに代えてガスバリアー層を形成したこと以外は、ガスバリアー性フィルム1と同様にしてガスバリアー性フィルム21を製造した。
図8に示すように、成膜装置Kは、ベースフィルム1の搬送経路上に複数の搬送機構50を備え、各搬送機構50間でベースフィルム1を次々と受け渡すようにして、ベースフィルム1を搬送する。すなわち、ベースフィルム1を巻き出してから巻き取るまでの間、各搬送機構50はベースフィルム1の把持と解放を繰り返している。
〔評価〕
各ガスバリアー性フィルム1〜5及び21を巻き取り、得られたロール体から再度フィルムを巻き出した。フィルム先端から10m巻き出した位置から長さ方向に10m間隔で3点のガスバリアー性を評価した。幅方向の位置は、幅手中央部分とした。得られた3点の評価値のうちの最小値と平均値を求めた。
その後、各ガスバリアー性フィルム1〜5及び21をさらに巻き出して、フィルム先端から1000m巻き出した位置から長さ方向に10m間隔で3点のガスバリアー性を評価した。幅方向の位置は、幅手中央部分とした。得られた3点の評価値のうちの最小値と平均値を求めた。
ガスバリアー性は、特開2005−283561号公報等に記載のカルシウム腐食法にしたがって次のようにして評価した。
各ガスバリアー性フィルム1〜5及び21の測定箇所を30mm四方の範囲で切り出して試料を作製した。各試料のガスバリアー層上の9か所に、マスクを用いてカルシウム(Ca)を蒸着させ、12mm四方のカルシウム膜を形成した。次に、カルシウム膜を被覆するようにガスバリアー層上の全面にアルミニウムを蒸着させ、アルミニウム膜によりカルシウム膜を封止した。カルシウム膜及びアルミニウム膜は、真空蒸着装置JEE−400(日本電子社製)を用いて、真空状態を保って連続して形成した。
次に、真空状態を解除し、速やかに乾燥窒素ガス雰囲気下へ移し、アルミニウム膜上に紫外線硬化型樹脂T470/UR7134(ナガセケムテックス製)を塗布し、その上に厚さ0.2mmの石英ガラスを配置した。石英ガラス越しに紫外線を照射し、紫外線硬化型樹脂を硬化させて、評価用セルを作製した。
得られた各ガスバリアー性フィルム1〜5及び21の評価用セルを、温度60℃・相対湿度90%RHに調整した恒温恒湿オーブンYamato Humidic ChamberIG47M内に120時間連続で保存した。
保存時間T(h)がT=0及びT=120である場合の評価用セルを撮影して得られた各画像から、カルシウムの腐食領域を画像処理により抽出した。抽出した腐食領域の面積から、腐食に要した水蒸気量を、水蒸気透過量として、下記式により算出した。
水蒸気透過量(g/m・24h)=X×18×2×(10/A)×(24/T)
上記式において、Xはカルシウムが水と反応して生成された水酸化カルシウムのモル量を表し、X=(δ×d×α×d)/Mで表される。
Aは、カルシウム層の面積(cm)を表す。
δは、カルシウム層の腐食領域の面積(cm)を表す。dは、カルシウム層の厚さ(cm)を表す。αはカルシウム層の厚さの補正係数であり、1<α≦(M/d)/(M/d)の範囲内で決定される。dは、カルシウムの密度(g/cm)を表し、dは、水酸化カルシウムの密度(g/cm)を表す。Mは、カルシウムの分子量を表し、Mは水酸化カルシウムの分子量を表す。
T=0及びT=120である場合に求められた各水蒸気透過量から、高温高湿下に保存する前後における水蒸気透過量の変化率を、水蒸気透過度として下記式により求めた。
水蒸気透過度(g/m・24h)
=(T=0の場合の水蒸気透過量)/(T=120の場合の水蒸気透過量)
得られた水蒸気透過度(g/m・24h)を、高温高湿下でのガスバリアー性として下記のようにランク評価した。
5:0.0001未満
4:0.0001以上0.0010未満
3:0.0010以上0.0100未満
2:0.0100以上0.1000未満
1:0.1000以上
下記表1は、評価結果を示している。
表1に示すように、巻き出しから巻き取りまでベースフィルムを解放することなく連続して把持し、搬送する成膜装置A、B2及びCによれば、1000m巻き取った後でも、ほとんど変化の無い高いガスバリアー性が得られている。一方、複数の搬送機構によりベースフィルムの把持と解放を繰り返し、ベースフィルムの搬送が非連続である成膜装置Kによれば、巻き取り長さが長くなると、ガスバリアー性が低下してしまっている。これは、把持と解放の繰り返しによりガスバリアー層に異物が付着し、異物を噛み込んだ状態で巻き取ることで膜欠陥が生じたためと推察できる。
A 成膜装置
11 アンワインダー
15 ワインダー
21、22 原料供給部
23 改質処理部
30 搬送機構
31 チェーン
32 スプロケット
33 クリップ
B1 成膜装置
12 テンションローラー
B2 成膜装置
40 保護層形成部
41 塗布装置
42 硬化装置

Claims (12)

  1. 長尺のベースフィルムをロール体から巻き出して搬送し、当該ベースフィルム上に原子層堆積法により成膜を行って巻き取る成膜装置であって、
    巻き出した前記ベースフィルムの幅方向の両端を把持して搬送し、前記ベースフィルムを巻き取る前に前記ベースフィルムを解放する搬送機構を備え、
    前記搬送機構が、前記ベースフィルムを巻き出してから巻き取るまでの間、把持した前記ベースフィルムを解放することなく、連続して前記ベースフィルムを搬送することを特徴とする成膜装置。
  2. 前記搬送機構が、前記ベースフィルムの幅方向が重力方向と一致するように、前記ベースフィルムを搬送することを特徴とする請求項1に記載の成膜装置。
  3. 前記搬送機構が、前記ベースフィルムの幅方向の両端のうち、少なくとも重力方向上側に位置する一端を把持して搬送することを特徴とする請求項2に記載の成膜装置。
  4. 前記ベースフィルムを解放してから、前記ベースフィルムを巻き取るまでの間に位置するテンションローラーを備え、当該テンションローラーにより巻き取り時に前記ベースフィルムに加わる張力を調整することを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の成膜装置。
  5. 前記ベースフィルムの厚さが、10〜100μmの範囲内にあることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の成膜装置。
  6. 前記原子層堆積法により、ベースフィルム上にガスバリアー層として無機膜を形成することを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の成膜装置。
  7. 長尺のベースフィルムをロール体から巻き出して搬送し、原子層堆積法により成膜が行われた当該ベースフィルムを巻き取るベースフィルムの搬送方法であって、
    巻き出した前記ベースフィルムの幅方向の両端を把持して搬送し、前記ベースフィルムを巻き取る前に前記ベースフィルムを解放する搬送機構により、前記ベースフィルムを巻き出してから巻き取るまでの間、把持した前記ベースフィルムを解放することなく、連続して前記ベースフィルムを搬送することを特徴とするベースフィルムの搬送方法。
  8. 前記搬送機構により、前記ベースフィルムの幅方向が重力方向と一致するように、前記ベースフィルムを搬送することを特徴とする請求項7に記載のベースフィルムの搬送方法。
  9. 前記搬送機構により、前記ベースフィルムの幅方向の両端のうち、少なくとも重力方向上側に位置する一端を把持して搬送することを特徴とする請求項8に記載のベースフィルムの搬送方法。
  10. 前記ベースフィルムを解放してから、前記ベースフィルムを巻き取るまでの間に配置されたテンションローラーにより、巻き取り時に前記ベースフィルムに加わる張力を調整することを特徴とする請求項7から請求項9までのいずれか一項に記載のベースフィルムの搬送方法。
  11. 前記ベースフィルムの厚さが、10〜100μmの範囲内にあることを特徴とする請求項7から請求項10までのいずれか一項に記載のベースフィルムの搬送方法。
  12. 前記原子層堆積法により、ガスバリアー層として無機膜が形成されたベースフィルムを搬送することを特徴とする請求項7から請求項11までのいずれか一項に記載のベースフィルムの搬送方法。
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