JP2015148005A - 機能性フィルムの製造装置及び製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の課題は、フィルムの搬送に起因する膜欠陥が少ない機能性フィルムの製造装置及び製造方法を提供することである。
【解決手段】本発明の機能性フィルムの製造装置は、無機膜に接触してベースフィルムを搬送する接触型のローラーと、無機膜に非接触で前記ベースフィルムを搬送する非接触型のローラーと、を備え、無機膜の成膜空間を、当該成膜空間における接触型のローラーと非接触型のローラーの総数が半分となるように、ベースフィルムの搬送方向において前半と後半に分けたとき、後半の成膜空間における接触型のローラーと非接触型のローラーの総数に対する当該非接触型のローラーの数の比率が、前半の成膜空間における接触型のローラーと非接触型のローラーの総数に対する当該非接触型のローラーの数の比率よりも大きくなるように、接触型のローラーと非接触型のローラーが配置されていることを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】本発明の機能性フィルムの製造装置は、無機膜に接触してベースフィルムを搬送する接触型のローラーと、無機膜に非接触で前記ベースフィルムを搬送する非接触型のローラーと、を備え、無機膜の成膜空間を、当該成膜空間における接触型のローラーと非接触型のローラーの総数が半分となるように、ベースフィルムの搬送方向において前半と後半に分けたとき、後半の成膜空間における接触型のローラーと非接触型のローラーの総数に対する当該非接触型のローラーの数の比率が、前半の成膜空間における接触型のローラーと非接触型のローラーの総数に対する当該非接触型のローラーの数の比率よりも大きくなるように、接触型のローラーと非接触型のローラーが配置されていることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、フィルムの搬送に起因する膜欠陥が少ない機能性フィルムの製造装置及び製造方法に関する。
従来、ベースフィルム上に機能性層として無機膜が形成された機能性フィルムが広く利用されている。
食品、医薬品、電子デバイス等の包装材として用いられているガスバリアー性フィルムも、機能性フィルムの1つである。ガスバリアー性フィルムは、ベースフィルム上に形成されたガスバリアー層が、大気中の水、酸素等のガスを遮蔽して内容物の劣化を防ぐ。
食品、医薬品、電子デバイス等の包装材として用いられているガスバリアー性フィルムも、機能性フィルムの1つである。ガスバリアー性フィルムは、ベースフィルム上に形成されたガスバリアー層が、大気中の水、酸素等のガスを遮蔽して内容物の劣化を防ぐ。
原子堆積法(ALD:Atomic Layer Deposition)は、無機膜を緻密な薄膜として形成できる方法の1つとして知られている。ALD法は、異なる原料を交互に供給し、それぞれの原料を反応させる成膜処理を複数サイクル繰り返し、1サイクルごとに原子層を1層ずつ堆積させて薄膜を形成する方法である。
ALD法によれば、ロール・トゥ・ロール(roll to roll)によって、搬送されるフィルム上に連続的に薄膜を形成することができ、生産性を高めることができる。例えば、複数のローラーによって、それぞれ異なる原料が供給されるチャンバー内を行き来するようにフィルムを搬送し、複数サイクルの成膜処理を繰り返す製造装置が提案されている(例えば、特許文献1及び2参照)。
しかしながら、上記従来の製造装置によれば、ベースフィルムの両面にガイドローラーが接触するため、ベースフィルム上に形成された無機膜が損傷することがある。成膜処理のサイクル数が多いほどローラーの数が増え、ローラーとの接触による膜欠陥が蓄積していく。膜欠陥が拡大すると、無機膜に求められる機能性が十分に得られない。特に、ガスバリアー層としての無機膜を形成する場合は膜欠陥がガスバリアー性能を著しく低下させてしまう。
ベースフィルム上の無機膜に接触しないように、ベースフィルムの両端のみ支持する非接触型のローラー等も知られているが、非接触型のローラーは接触型に比べてベースフィルムの搬送性が低い。そのため、ベースフィルムを搬送するすべてのローラーを非接触型とすると、搬送不良によって、ベースフィルムの撓み、ツレ、折れ等の変形が生じ、ベースフィルム上の無機膜にも欠陥が生じることがある。生産性を高めるためにベースフィルムを高速搬送する場合、ベースフィルム自体が薄膜であることから、ベースフィルムの変形に起因する膜欠陥がより生じやすくなる。
本発明は上記問題及び状況に鑑みてなされ、その解決課題は、フィルムの搬送に起因する膜欠陥が少ない機能性フィルムの製造装置及び製造方法を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく、上記問題の原因等について検討する過程において、ローラーとの接触による無機膜の膜欠陥を減らすためには非接触型のローラーが有効であるが、すべてのローラーを非接触型のローラーとするのではなく、接触型のローラーを併用することにより、フィルムの搬送性を高めることができると考えた。接触型のローラーの数が多いとフィルムの搬送性は高くなるが、非接触型のローラーの数が減るため膜欠陥も増える。そこで、本発明者らは、ALD法が原子層単位で無機膜を形成するカバレッジ性に優れた方法であることに着目した。本発明者らは、ALD法を用いた成膜空間の前半よりも後半における非接触型のローラーの比率を大きくすれば、後半において接触型のローラーによって生じる新たな膜欠陥を減らし、膜欠陥が生じた場合でもその後に繰り返される成膜処理によって膜欠陥を補修できることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明に係る課題は、以下の手段によって解決される。
すなわち、本発明に係る課題は、以下の手段によって解決される。
1.複数のローラーにより長尺のベースフィルムを搬送し、原子層堆積法により当該ベースフィルム上に機能性層として無機膜を形成する機能性フィルムの製造装置であって、
前記複数のローラーとして、前記無機膜に接触して前記ベースフィルムを搬送する接触型のローラーと、前記無機膜に非接触で前記ベースフィルムを搬送する非接触型のローラーと、を備え、
前記無機膜の成膜空間を、当該成膜空間における前記接触型のローラーと前記非接触型のローラーの総数が半分となるように、前記ベースフィルムの搬送方向において前半と後半に分けたとき、後半の成膜空間における前記接触型のローラーと前記非接触型のローラーの総数に対する当該非接触型のローラーの数の比率が、前半の成膜空間における前記接触型のローラーと前記非接触型のローラーの総数に対する当該非接触型のローラーの数の比率よりも大きくなるように、前記接触型のローラーと前記非接触型のローラーが配置されていることを特徴とする機能性フィルムの製造装置。
前記複数のローラーとして、前記無機膜に接触して前記ベースフィルムを搬送する接触型のローラーと、前記無機膜に非接触で前記ベースフィルムを搬送する非接触型のローラーと、を備え、
前記無機膜の成膜空間を、当該成膜空間における前記接触型のローラーと前記非接触型のローラーの総数が半分となるように、前記ベースフィルムの搬送方向において前半と後半に分けたとき、後半の成膜空間における前記接触型のローラーと前記非接触型のローラーの総数に対する当該非接触型のローラーの数の比率が、前半の成膜空間における前記接触型のローラーと前記非接触型のローラーの総数に対する当該非接触型のローラーの数の比率よりも大きくなるように、前記接触型のローラーと前記非接触型のローラーが配置されていることを特徴とする機能性フィルムの製造装置。
2.前記後半の成膜空間において少なくとも最後にベースフィルムを搬送するローラーとして、前記非接触型のローラーが配置されていることを特徴とする第1項に記載の機能性フィルムの製造装置。
3.前記後半の成膜空間における前記接触型のローラーと前記非接触型のローラーの総数に対する当該非接触型のローラーの数の比率が、60〜100%の範囲内にあることを特徴とする第1項又は第2項に記載の機能性フィルムの製造装置。
4.前記成膜空間における前記接触型のローラー及び前記非接触型のローラーの総数が、20以上であることを特徴とする第1項から第3項までのいずれか一項に記載の機能性フィルムの製造装置。
5.前記成膜空間におけるベースフィルムの単位長さあたりの搬送張力が、30〜300N/mの範囲内にあることを特徴とする第1項から第4項までのいずれか一項に記載の機能性フィルムの製造装置。
6.前記ベースフィルムの厚さが、100μm以下であることを特徴とする第1項から第5項までのいずれか一項に記載の機能性フィルムの製造装置。
7.前記無機膜の厚さが、2〜50nmの範囲内にあることを特徴とする第1項から第6項までのいずれか一項に記載の機能性フィルムの製造装置。
8.前記機能性フィルムが、前記無機膜がガスバリアー層として形成されたガスバリアー性フィルムであることを特徴とする第1項から第7項までのいずれか一項に記載の機能性フィルムの製造装置。
9.前記無機膜が、Al、Ti、Si、Zr及びZnの金属元素のうち少なくとも1種以上の金属元素を含有する金属化合物を原料として形成されることを特徴とする第1項から第8項までのいずれか一項に記載の機能性フィルムの製造装置。
10.複数のローラーにより長尺のベースフィルムを搬送し、原子層堆積法により当該ベースフィルム上に機能性層として無機膜を形成する機能性フィルムの製造方法であって、
前記複数のローラーとして、前記無機膜に接触して前記ベースフィルムを搬送する接触型のローラーと、前記無機膜に非接触で前記ベースフィルムを搬送する非接触型のローラーと、を用い、
前記無機膜の成膜空間を、当該成膜空間内における前記接触型のローラーと前記非接触型のローラーの総数が半分となるように、前記ベースフィルムの搬送方向において前半と後半に分けたとき、後半の成膜空間における前記接触型のローラーと前記非接触型のローラーの総数に対する当該非接触型のローラーの数の比率が、前半の成膜空間における前記接触型のローラーと前記非接触型のローラーの総数に対する当該非接触型のローラーの数の比率よりも大きくなるように、前記接触型のローラーと前記非接触型のローラーを配置することを特徴とする機能性フィルムの製造方法。
前記複数のローラーとして、前記無機膜に接触して前記ベースフィルムを搬送する接触型のローラーと、前記無機膜に非接触で前記ベースフィルムを搬送する非接触型のローラーと、を用い、
前記無機膜の成膜空間を、当該成膜空間内における前記接触型のローラーと前記非接触型のローラーの総数が半分となるように、前記ベースフィルムの搬送方向において前半と後半に分けたとき、後半の成膜空間における前記接触型のローラーと前記非接触型のローラーの総数に対する当該非接触型のローラーの数の比率が、前半の成膜空間における前記接触型のローラーと前記非接触型のローラーの総数に対する当該非接触型のローラーの数の比率よりも大きくなるように、前記接触型のローラーと前記非接触型のローラーを配置することを特徴とする機能性フィルムの製造方法。
11.前記後半の成膜空間において少なくとも最後にベースフィルムを搬送するローラーとして、前記非接触型のローラーを配置することを特徴とする第10項に記載の機能性フィルムの製造方法。
12.前記後半の成膜空間における前記接触型のローラーと前記非接触型のローラーの総数に対する当該非接触型のローラーの数の比率が、60〜100%の範囲内にあることを特徴とする第10項又は第11項に記載の機能性フィルムの製造方法。
13.前記成膜空間における前記接触型のローラー及び前記非接触型のローラーの総数が、20以上であることを特徴とする第10項から第12項までのいずれか一項に記載の機能性フィルムの製造方法。
14.前記成膜空間におけるベースフィルムの単位長さあたりの搬送張力が、30〜300N/mの範囲内にあることを特徴とする第10項から第13項までのいずれか一項に記載の機能性フィルムの製造方法。
15.前記ベースフィルムの厚さが、100μm以下であることを特徴とする第10項から第14項までのいずれか一項に記載の機能性フィルムの製造方法。
16.前記無機膜の厚さが、2〜50nmの範囲内にあることを特徴とする第10項から第15項までのいずれか一項に記載の機能性フィルムの製造方法。
17.前記機能性フィルムが、前記無機膜がガスバリアー層として形成されたガスバリアー性フィルムであることを特徴とする第10項から第16項までのいずれか一項に記載の機能性フィルムの製造方法。
18.前記無機膜が、Al、Ti、Si、Zr及びZnの金属元素のうち少なくとも1種以上の金属元素を含有する金属化合物を原料として形成されることを特徴とする第10項から第17項までのいずれか一項に記載の機能性フィルムの製造方法。
本発明の上記手段により、フィルムの搬送に起因する膜欠陥が少ない機能性フィルムの製造装置及び製造方法を提供できる。
本発明の効果の発現機構又は作用機構は明確になっていないが、以下のように推察される。
成膜空間の前半よりも後半における非接触型のローラーの比率を大きくすることにより、成膜の後半において接触型のローラーによって生じる新たな膜欠陥を減らすことができる。また、原子層堆積法はカバレッジ性に優れることから、接触型のローラーによって膜欠陥が生じた場合でもその後に繰り返される成膜処理によって膜欠陥を補修できる。すなわち、膜欠陥の発生を抑え、生じた膜欠陥に対しては補修することにより、膜欠陥が少ない機能性フィルムを製造することができる。
成膜空間の前半よりも後半における非接触型のローラーの比率を大きくすることにより、成膜の後半において接触型のローラーによって生じる新たな膜欠陥を減らすことができる。また、原子層堆積法はカバレッジ性に優れることから、接触型のローラーによって膜欠陥が生じた場合でもその後に繰り返される成膜処理によって膜欠陥を補修できる。すなわち、膜欠陥の発生を抑え、生じた膜欠陥に対しては補修することにより、膜欠陥が少ない機能性フィルムを製造することができる。
本発明の機能性フィルムの製造装置は、複数のローラーにより長尺のベースフィルムを搬送し、原子層堆積法により当該ベースフィルム上に機能性層として無機膜を形成する機能性フィルムの製造装置であって、
前記複数のローラーとして、前記無機膜に接触して前記ベースフィルムを搬送する接触型のローラーと、前記無機膜に非接触で前記ベースフィルムを搬送する非接触型のローラーと、を備え、
前記無機膜の成膜空間を、当該成膜空間における前記接触型のローラーと前記非接触型のローラーの総数が半分となるように、前記ベースフィルムの搬送方向において前半と後半に分けたとき、後半の成膜空間における前記接触型のローラーと前記非接触型のローラーの総数に対する当該非接触型のローラーの数の比率が、前半の成膜空間における前記接触型のローラーと前記非接触型のローラーの総数に対する当該非接触型のローラーの数の比率よりも大きくなるように、前記接触型のローラーと前記非接触型のローラーが配置されていることを特徴とする。
この特徴は、請求項1から請求項18までの各請求項に係る発明に共通する又は対応する技術的特徴である。
前記複数のローラーとして、前記無機膜に接触して前記ベースフィルムを搬送する接触型のローラーと、前記無機膜に非接触で前記ベースフィルムを搬送する非接触型のローラーと、を備え、
前記無機膜の成膜空間を、当該成膜空間における前記接触型のローラーと前記非接触型のローラーの総数が半分となるように、前記ベースフィルムの搬送方向において前半と後半に分けたとき、後半の成膜空間における前記接触型のローラーと前記非接触型のローラーの総数に対する当該非接触型のローラーの数の比率が、前半の成膜空間における前記接触型のローラーと前記非接触型のローラーの総数に対する当該非接触型のローラーの数の比率よりも大きくなるように、前記接触型のローラーと前記非接触型のローラーが配置されていることを特徴とする。
この特徴は、請求項1から請求項18までの各請求項に係る発明に共通する又は対応する技術的特徴である。
本発明の実施形態としては、無機膜の膜欠陥をより減らす観点から、前記後半の成膜空間において少なくとも最後にベースフィルムを搬送するローラーとして、前記非接触型のローラーが配置されていることが好ましい。また、前記後半の成膜空間における前記接触型のローラーと前記非接触型のローラーの総数に対する当該非接触型のローラーの数の比率が、60〜100%の範囲内にあることが好ましい。さらに、前記成膜空間における前記接触型のローラー及び前記非接触型のローラーの総数が、20以上であることが好ましい。
本発明においては、前記成膜空間におけるベースフィルムの単位長さあたりの搬送張力が、30〜300N/mの範囲内にあると、ベースフィルムのばたつき、撓み等による無機膜の損傷等を減らすことができ、好ましい。また、薄い機能性フィルムを得る観点から、前記ベースフィルムの厚さが、100μm以下であることが好ましい。さらに、前記無機膜の厚さが、2〜50nmの範囲内にあると、必要十分な機能性が得られ、好ましい。
本発明においては、前記機能性フィルムが、前記無機膜がガスバリアー層として形成されたガスバリアー性フィルムであると、本発明の効果が有効に働き、好ましい。また、前記無機膜が、Al、Ti、Si、Zr及びZnの金属元素のうち少なくとも1つ以上の金属元素を含有する金属化合物を原料として形成されることが好ましい。
本発明の機能性フィルムの製造方法は、複数のローラーにより長尺のベースフィルムを搬送し、原子層堆積法により当該ベースフィルム上に機能性層として無機膜を形成する機能性フィルムの製造方法であって、
前記複数のローラーとして、前記無機膜に接触して前記ベースフィルムを搬送する接触型のローラーと、前記無機膜に非接触で前記ベースフィルムを搬送する非接触型のローラーと、を用い、
前記無機膜の成膜空間を、当該成膜空間内における前記接触型のローラーと前記非接触型のローラーの総数が半分となるように、前記ベースフィルムの搬送方向において前半と後半に分けたとき、後半の成膜空間に位置する前記接触型のローラーと前記非接触型のローラーの総数に対する当該非接触型のローラーの数の比率が、前半の成膜空間に位置する前記接触型のローラーと前記非接触型のローラーの総数に対する当該非接触型のローラーの数の比率よりも大きくなるように、前記接触型のローラー及び非接触型のローラーを配置することを特徴とする。
本発明の機能性フィルムの製造方法の好ましい態様は、製造装置の好ましい態様と同様であるので、ここでは説明を省略する。
前記複数のローラーとして、前記無機膜に接触して前記ベースフィルムを搬送する接触型のローラーと、前記無機膜に非接触で前記ベースフィルムを搬送する非接触型のローラーと、を用い、
前記無機膜の成膜空間を、当該成膜空間内における前記接触型のローラーと前記非接触型のローラーの総数が半分となるように、前記ベースフィルムの搬送方向において前半と後半に分けたとき、後半の成膜空間に位置する前記接触型のローラーと前記非接触型のローラーの総数に対する当該非接触型のローラーの数の比率が、前半の成膜空間に位置する前記接触型のローラーと前記非接触型のローラーの総数に対する当該非接触型のローラーの数の比率よりも大きくなるように、前記接触型のローラー及び非接触型のローラーを配置することを特徴とする。
本発明の機能性フィルムの製造方法の好ましい態様は、製造装置の好ましい態様と同様であるので、ここでは説明を省略する。
以下、本発明とその構成要素及び本発明を実施するための形態について詳細な説明をする。
なお、本願において、「〜」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用する。
なお、本願において、「〜」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用する。
本発明の機能性フィルムの製造装置及び製造方法は、原子層堆積(ALD:Atomic Layer Deposition)法により無機膜を形成する。ALD法は、ベースフィルム上に2種以上の原料を交互に供給し、各原料を反応させる成膜処理を複数サイクル繰り返し、1サイクルごとに原子層(実際には化合物の分子層であり得る)を1層ずつ堆積させて薄膜を形成する方法である。
ALD法であれば、ALD法の1種であるPEALD(Plasma Enhanced ALD)法、熱ALD法等を用いることもできる。
以下、本実施の形態の製造装置及び製造方法として、PEALD法を用いた製造装置及び製造方法を説明する。
ALD法であれば、ALD法の1種であるPEALD(Plasma Enhanced ALD)法、熱ALD法等を用いることもできる。
以下、本実施の形態の製造装置及び製造方法として、PEALD法を用いた製造装置及び製造方法を説明する。
〔機能性フィルムの製造装置〕
図1は、本実施の形態の機能性フィルムの製造装置Aの概略構成を示している。
製造装置Aは、複数のローラー12〜14により長尺のベースフィルム1を搬送し、PEALD法により当該ベースフィルム1上に機能性層として無機膜を形成して、機能性フィルムFを製造する。
PEALD法は、ALD法の1種であり、プラズマを用いて原料を改質する方法である。
図1は、本実施の形態の機能性フィルムの製造装置Aの概略構成を示している。
製造装置Aは、複数のローラー12〜14により長尺のベースフィルム1を搬送し、PEALD法により当該ベースフィルム1上に機能性層として無機膜を形成して、機能性フィルムFを製造する。
PEALD法は、ALD法の1種であり、プラズマを用いて原料を改質する方法である。
製造装置Aは、図1に示すように、2つの原料供給部21及び22と、改質処理部23とを備えている。各原料供給部21及び22と改質処理部23は、真空ポンプ等によって真空圧下に調整されている。
また、製造装置Aは、原料供給部21と改質処理部23との間と、原料供給部22と改質処理部23との間に、それぞれパージ部24を有している。
また、製造装置Aは、原料供給部21と改質処理部23との間と、原料供給部22と改質処理部23との間に、それぞれパージ部24を有している。
原料供給部21及び22、改質処理部23、2つのパージ部24のそれぞれの間には仕切り板が配置され、仕切り板によってそれぞれのチャンバーC1〜C4が形成されている。仕切り板は、各チャンバーC1〜C4内をベースフィルム1が通過できるように、ベースフィルム1の搬送経路上に開口が設けられている。
原料供給部21及び22は、無機膜の原料をガス状にして各チャンバーC1及びC2内へ供給する。原料は、前駆体とも呼ばれる。
チャンバーC1においては、ベースフィルム1の表面に原料供給部21により供給された原料が吸着し、チャンバーC2においては、ベースフィルム1の表面に原料供給部22により供給された原料が吸着する。
チャンバーC1においては、ベースフィルム1の表面に原料供給部21により供給された原料が吸着し、チャンバーC2においては、ベースフィルム1の表面に原料供給部22により供給された原料が吸着する。
改質処理部23は、原料供給部21及び22により供給される原料の改質用ガスをチャンバーC3内に供給する。また、改質処理部23は、ベースフィルム1のフィルム面と並行に配置された平板状の電極231に、図示しない電源により電力を供給して改質用ガスに電圧を印加し、プラズマPを生成する。改質用ガスとしては、例えば酸素ガス、窒素ガス等の原料供給部21及び22により供給される原料との反応性が高い活性ガスが挙げられる。改質処理部23は、プラズマPを用いて、各原料供給部21及び22によりベースフィルム1上に吸着した原料の酸化、窒化等の改質処理を行う。
ALD法を用いた場合、原料供給部21及び22によりそれぞれ供給される異なる原料ガスにベースフィルム1を交互に曝して、原料同士を化学反応させて金属酸化物等の無機膜を形成する。これに対し、PEALD法では、ベースフィルム1上に原料を吸着させた後、酸素、窒素等のプラズマを用いて原料を改質処理することにより、金属酸化物等の無機膜を形成する。PEALD法においては、原料供給部21及び22は同じ原料を供給することもできるし、異なる原料を供給することもできる。異なる原料とした場合、原料供給部21により供給された原料を改質処理して得られた無機膜と、原料供給部22により供給された原料を改質処理して得られた無機膜とを交互に積層することができる。
無機膜の原料としては、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、ケイ素(Si)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、ランタン(La)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、マグネシウム(Mg)、亜鉛(Zn)等の金属元素を含有する金属化合物を用いることができる。無機膜は、当該原料を改質処理して得られた金属酸化物、金属窒化物等の金属化合物を含有し得る。
原料供給部21及び22により供給される原料を第1原料とし、改質処理部23により用いられる改質用ガスを第2原料とすると、形成する無機膜に応じて第1原料及び第2原料を選択することができる。
例えば、改質処理により酸化アルミニウム(Al2O3)、窒化アルミニウム等の金属化合物を得る場合、第1原料としてはアルミニウムを含み、気化できるアルミニウム化合物であれば特に制限はない。そのようなアルミニウム化合物としては、例えば塩化アルミニウム(Al2Cl6)、トリメチルアルミニウム(Al(CH3)3)、トリエチルアルミニウム(TEA)、トリクロロアルミニウム等が挙げられる。
改質処理により酸化ケイ素(SiO2)、窒化ケイ素(SiN)等の金属化合物を得る場合、第1原料としてはトリシラン(Si3H8)、ジシラン(Si2H6)、モノシラン(SiH4)の他、モノクロロシラン(SiH3Cl)、ジクロロシラン(SiH2Cl2)、ヘキサクロロジシラン(Si2Cl6)、テトラクロロシラン(SiCl4)、トリクロロシラン(SiHCl3)等のクロロシラン系、テトラキスジメチルアミノシラン(Si[N(CH3)2]4)、トリスジメチルアミノシラン(Si[N(CH3)2]3H)、ビスジエチルアミノシラン(Si[N(C2H5)2]2H2)、ビスターシャリーブチルアミノシラン(SiH2[NH(C4H9)]2)等のアミノシラン系、Si(OC2H5)4、SiH2Cl2、Si(NO3)4等が挙げられる。
改質処理により酸化チタン(TiO2)、窒化チタン、炭窒化チタン等の金属化合物を得る場合、第1原料としてはTiF4、四塩化チタン(TiCl4)、TiBr4、TiI4、テトラキスジメチルアミノチタン([(CH3)2N]4Ti)、テトラキスジエチルアミノチタンTi[N(C2H5)2]4、Ti[N(C2H5CH3)]4、チタン(IV)イソプロポキシド(Ti[(OCH)(CH3)2]4)が挙げられる。
改質処理により酸化ジルコニウム(ZrO2)等の金属化合物を得る場合、第1原料としてはZr(NO3)4、ZrCl4、テトラキスジメチルアミノジルコニウム(IV)(Zr[(CH3)2N]4)、テトラキス(エチルメチルアミノ)ジルコニウム(IV)(Zr[N(CH3)CH2CH3]4)等が挙げられる。
また、改質処理により酸化亜鉛(ZnO)等の金属化合物を得る場合、第1原料としては二塩化亜鉛(ZnCl2)等が挙げられる。
また、改質処理により酸化亜鉛(ZnO)等の金属化合物を得る場合、第1原料としては二塩化亜鉛(ZnCl2)等が挙げられる。
第2原料としては、第1原料を酸化する場合は水(H2O)、酸素、オゾン(O3)、メタノール、エタノール等を用いることができる。第1原料を窒化する場合は窒素、アンモニア(NH3)等を用いることができる。これらのガスに、水素(H2)ガスを併用してもよい。
機能性層がガスバリアー層である場合には、ガスバリアー性を高める観点から、無機膜が、Al、Ti、Si、Zr及びZnの金属元素のうち少なくとも1種以上の金属元素を含有する金属化合物を第1原料として形成されることが好ましい。これにより、ベースフィルム1が樹脂製であっても、50〜120℃の温度範囲で良質な無機膜を形成することができる。
同様の観点から、機能性層がガスバリアー層である場合、無機膜が、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム(MgO)、酸化ハフニウム(HfO2)、酸化ランタン(La2O3)等の金属酸化物を含有することが好ましい。トリメチルアルミニウム、四塩化チタン等を第1原料とする酸化アルミニウム、酸化チタンは、分子量の大きさが膜欠陥の補修に適しており、カバレッジ性を高まることから、特に好ましい。
また、各原料ガスの供給時間、成膜温度、成膜時の圧力等の成膜条件を調整することにより、AlOx、TiOx、SiOx、ZrOxのような中間酸化物、中間窒化物をガスバリアー層の材料として使用することもでき、必要に応じて使用すればよい。
また、各原料ガスの供給時間、成膜温度、成膜時の圧力等の成膜条件を調整することにより、AlOx、TiOx、SiOx、ZrOxのような中間酸化物、中間窒化物をガスバリアー層の材料として使用することもでき、必要に応じて使用すればよい。
第1原料の供給時間は、0.05〜10.00秒の範囲内であることが好ましく、0.1〜3.0秒の範囲内であることがより好ましく、0.5〜2.0秒の範囲内であることがさらに好ましい。
供給時間が上記範囲内であれば、ベースフィルム1の表面に第1原料を必要十分に吸着させることができる。
供給時間が上記範囲内であれば、ベースフィルム1の表面に第1原料を必要十分に吸着させることができる。
改質処理の処理時間は、0.05〜10.00秒の範囲内であることが好ましく、0.1〜3.0秒の範囲内であることがより好ましく、0.5〜2.0秒の範囲内であることがさらに好ましい。
供給時間が上記範囲内であれば、第2原料をベースフィルム1上の第1原料と必要十分に改質反応させることができる。
供給時間が上記範囲内であれば、第2原料をベースフィルム1上の第1原料と必要十分に改質反応させることができる。
原料供給部21、22及び改質処理部23により無機膜が形成される際のベースフィルム1の温度は、350℃以下であることが好ましく、250℃以下であることがより好ましく、150℃以下であることがさらに好ましく、120℃以下であることが特に好ましい。
ベースフィルム1の温度が350℃以下であれば、ベースフィルム1に求められる耐熱性も350℃以下でよく、ベースフィルム1の製造コストを減らすことができる。
ベースフィルム1の温度が350℃以下であれば、ベースフィルム1に求められる耐熱性も350℃以下でよく、ベースフィルム1の製造コストを減らすことができる。
パージ部24は、チャンバーC4内に不活性ガスを供給し、当該不活性ガスとともにベースフィルム1上の余剰の第1原料又は第2原料を排気して除去する。
不活性ガスは、第1原料又は第2原料との反応性が低いガスをいう。使用できる不活性ガスとしては、例えば希ガス等が挙げられ、第1原料又は第2原料との反応性が低いのであれば、窒素ガス等も使用することができる。
不活性ガスは、第1原料又は第2原料との反応性が低いガスをいう。使用できる不活性ガスとしては、例えば希ガス等が挙げられ、第1原料又は第2原料との反応性が低いのであれば、窒素ガス等も使用することができる。
余剰の第1原料及び第2原料を除去するためのパージ時間は、0.05〜10.00秒の範囲内であることが好ましく、0.5〜6.0秒の範囲内であることが好ましく、1〜4秒の範囲内であることが好ましい。
パージ時間が上記範囲内であれば、過剰な第1原料及び第2原料を必要十分に除去することができる。
パージ時間が上記範囲内であれば、過剰な第1原料及び第2原料を必要十分に除去することができる。
製造装置Aは、目的の膜厚が得られるまで複数サイクルの成膜処理を繰り返すため、ベースフィルム1を2つの原料供給部21及び22へ交互に搬送する。ベースフィルム1の搬送のため、製造装置Aは、アンワインダー11、複数のローラー12、13及び14、ワインダー15を備えている。
アンワインダー11は、ベースフィルム1のロール体を巻き出す。
複数のローラー12〜14は、アンワインダー11により巻き出されたベースフィルム1を、改質処理部23を介して原料供給部21及び22へ交互に搬送する。
複数のローラー12〜14は、アンワインダー11により巻き出されたベースフィルム1を、改質処理部23を介して原料供給部21及び22へ交互に搬送する。
複数のローラー13は成膜空間30内に配置されている。成膜空間30は、ALD法による最初のサイクルの成膜処理が開始されてから最後のサイクルの成膜処理が終了するまでの区間をいう。具体的には、成膜空間30は、図1において太枠で表すように、ベースフィルム1の搬送方向において原料供給部21のチャンバーC1への入口から改質処理部23のチャンバーC3からの出口までの区間をいう。
複数のローラー12及び14はベースフィルム1の搬送方向において成膜空間30の前後それぞれに配置されている。
複数のローラー12及び14はベースフィルム1の搬送方向において成膜空間30の前後それぞれに配置されている。
ワインダー15は、成膜空間30においてベースフィルム1上に無機膜が形成されて得られた機能性フィルムFを巻き取り、機能性フィルムFのロール体を形成する。
複数のローラー13は、接触型のローラーr1と非接触型のローラーr2とから構成されている。接触型のローラーr1は、無機膜に接触してベースフィルム1を搬送するローラーであり、非接触型のローラーr2は、無機膜に非接触でベースフィルム1を搬送するローラーである。図1において、白色のローラー13は接触型のローラーr1を表し、斜線が付されたローラー13は非接触型のローラーr2を表している。
図2Aは、一例としての接触型のローラーr1の外観構成を示している。接触型のローラーr1は、円筒状であり、ベースフィルム1をローラーの軸方向の全部において支持する。ベースフィルム1を支持するローラー表面の材質は、金属でもゴムでもよい。製造装置Aによれば、ベースフィルム1の両面に無機膜が形成されるため、接触型のローラーr1は、ベースフィルム1の搬送時にベースフィルム1上の無機膜に接触する。
図2Bは、一例としての非接触型のローラーr2の外観構成を示している。非接触型のローラーr2も円筒状であるが、軸方向の中央部よりも両端部の方が円筒の直径が大きくなるように、軸方向において段差が設けられている。非接触型のローラーr2は、軸方向の両端のみによりベースフィルム1を支持するため、ベースフィルム1上の無機膜には非接触でベースフィルム1を搬送することができる。
図2Bに示す例の他、非接触型のローラーr2としては、例えば送風又は静電気力により、無機膜だけでなくベースフィルム1にも非接触で搬送することができるローラー等も使用することができる。
図2Bに示す例の他、非接触型のローラーr2としては、例えば送風又は静電気力により、無機膜だけでなくベースフィルム1にも非接触で搬送することができるローラー等も使用することができる。
接触型のローラーr1及び非接触型のローラーr2は、成膜空間30における接触型のローラーr1と非接触型のローラーr2の総数が半分となるように、ベースフィルム1の搬送方向において成膜空間30を前半の成膜空間30aと後半の成膜空間30bに分けたとき、後半の成膜空間30bにおける接触型のローラーr1と非接触型のローラーr2の総数に対する当該非接触型のローラーr2の数の比率(%)が、前半の成膜空間30aにおける接触型のローラーr1と非接触型のローラーr2の総数に対する当該非接触型のローラーr2の数の比率(%)よりも大きくなるように、配置されている。
なお、成膜空間30に配置された接触型のローラーr1と非接触型のローラーr2の総数が奇数である場合、中央に位置する1つを除いた残りを等分して、成膜空間30を前半と後半に分ければよい。
具体的には、前半の成膜空間30aに配置された接触型のローラーr1及び非接触型のローラーr2の数をそれぞれa1及びa2とし、前半の成膜空間30aに配置された接触型のローラーr1と非接触型のローラーr2の総数(a1+a2)に対する当該非接触型のローラーr2の数a2の比率をXa(%)とすると、Xaは次のように表すことができる。
Xa(%)=a2/(a1+a2)×100
Xa(%)=a2/(a1+a2)×100
同様にして、後半の成膜空間30bに配置された接触型のローラーr1及び非接触型のローラーr2の数をそれぞれb1及びb2とし、後半の成膜空間30bに配置された接触型のローラーr1と非接触型のローラーr2の総数(b1+b2)に対する当該非接触型のローラーr2の数b2の比率をXb(%)とすると、Xbは次のように表すことができる。
Xb(%)=b2/(b1+b2)×100
上記比率Xa及びXbが、Xa<Xbを満たすように、接触型のローラーr1と非接触型のローラーr2の数が決定されている。
Xb(%)=b2/(b1+b2)×100
上記比率Xa及びXbが、Xa<Xbを満たすように、接触型のローラーr1と非接触型のローラーr2の数が決定されている。
ベースフィルム1の搬送に非接触型のローラーr2を使用することにより、無機膜との接触を避けて膜欠陥を減らすことができる。特に、非接触型のローラーr2を前半の成膜空間30aよりも後半の成膜空間30bにより多く配置することにより、後半の成膜空間30bでは無機膜の膜欠陥の発生を減らすことができる。
すべてのローラー13を非接触型のローラーr2とするのではなく、接触型のローラーr1を併用することにより、ベースフィルム1の搬送性を向上させてベースフィルム1の撓み、折れ、ツレ等の変形を抑え、変形に起因する膜欠陥を減らすことができる。接触型のローラーr1の使用により膜欠陥が生じた場合でも、ADL法によればその後のサイクルの成膜処理において膜欠陥上に重ねて無機膜を形成し、膜欠陥を補修することができる。ALD法は、原子層単位で無機膜を堆積させることができ、カバレッジ性に優れていることから、精度良く補修された無機膜を得ることができる。
すべてのローラー13を非接触型のローラーr2とするのではなく、接触型のローラーr1を併用することにより、ベースフィルム1の搬送性を向上させてベースフィルム1の撓み、折れ、ツレ等の変形を抑え、変形に起因する膜欠陥を減らすことができる。接触型のローラーr1の使用により膜欠陥が生じた場合でも、ADL法によればその後のサイクルの成膜処理において膜欠陥上に重ねて無機膜を形成し、膜欠陥を補修することができる。ALD法は、原子層単位で無機膜を堆積させることができ、カバレッジ性に優れていることから、精度良く補修された無機膜を得ることができる。
無機膜の膜欠陥をより減らす観点からは、後半の成膜空間30bにおける接触型のローラーr1と非接触型のローラーr2の総数(b1+b2)に対する当該非接触型のローラーr2の数の比率Xbが、60〜100%の範囲内にあることが好ましく、80〜100%の範囲内にあることがより好ましい。
これにより、後半の成膜空間30bにおける非接触型のローラーr2の絶対数を増やすことができ、接触型のローラーr1に起因して生じる膜欠陥をより減らすことができる。
これにより、後半の成膜空間30bにおける非接触型のローラーr2の絶対数を増やすことができ、接触型のローラーr1に起因して生じる膜欠陥をより減らすことができる。
接触型のローラーr1と非接触型のローラーr2の配置位置は、上記比率Xa及びXbがXa<Xbを満たすのであれば、特に限定されない。例えば、図1に示すように、前半の成膜空間30aにおいては、チャンバーC1内に配置されるローラー13として非接触型のローラーr2を用い、チャンバーC2内に配置されるローラー13として接触型のローラーr1を用いることができる。
無機膜の膜欠陥をより減らす観点からは、図1に示すように後半の成膜空間30bにおいて少なくとも最後にフィルムを搬送するローラーとして、非接触型のローラーr2が配置されていることが好ましい。
これにより、少なくとも最後のサイクルの成膜処理において膜欠陥を補修することができる。
これにより、少なくとも最後のサイクルの成膜処理において膜欠陥を補修することができる。
成膜空間30内に配置されるローラー13、すなわち接触型ローラーr1と非接触型ローラーr2の総数(a1+a2+b1+b2)は、成膜処理のサイクル数に応じて決定することができる。通常は、ローラー13の総数(a1+a2+b1+b2)は20以上である。
例えば、10サイクルの成膜処理により厚さ1nmの無機膜を形成できる場合、2nmの膜厚を得るためには、少なくとも20サイクルの成膜処理が必要である。原料供給部21及び22により同じ原料を供給する場合、2サイクルの成膜処理のために少なくとも2つのローラー13が必要であることから、20サイクルの成膜処理のためにはローラー13の総数を20とすればよい。原料供給部21及び22により異なる原料を供給する場合、1サイクルの成膜処理のために少なくとも2つのローラー13が必要であることから、20サイクルの成膜処理のためにはローラー13の総数を40とすればよい。
成膜空間30外に配置される複数のローラー12及び14としては、上記接触型のローラーr1及び非接触型のローラーr2のいずれも用いることもできる。
成膜処理後の新たな膜欠陥の発生を防ぐ観点からは、成膜空間30より下流に配置された複数のローラー14として、非接触型のローラーr2が用いられていることが好ましい。
成膜処理後の新たな膜欠陥の発生を防ぐ観点からは、成膜空間30より下流に配置された複数のローラー14として、非接触型のローラーr2が用いられていることが好ましい。
製造装置Aにおけるベースフィルム1の単位長さあたりの搬送張力(N/m)は、30〜300N/mの範囲内にあることが好ましい。上記範囲内であれば、ベースフィルム1のばたつき、撓み等によるベースフィルム1上の無機膜の損傷、折れ等を減らすことができる。搬送張力は、アンワインダー11及びワインダー15にかかるトルクを調整することによって上記範囲内とすることができる。
〔他の製造装置〕
図1に示す製造装置Aは、チャンバーC1とチャンバーC3間、チャンバーC3とチャンバーC2間にそれぞれチャンバーC4が位置していたが、図3に示す製造装置Bのように、チャンバーC4内にそれぞれのチャンバーC1〜C3が位置していてもよい。また、図3に示すように、複数のローラー13がチャンバーC1及びC2外に配置されている態様であってもよい。なお、図3においては、図1に示す製造装置Aと同じ構成部分には同じ符号が付されている。
図1に示す製造装置Aは、チャンバーC1とチャンバーC3間、チャンバーC3とチャンバーC2間にそれぞれチャンバーC4が位置していたが、図3に示す製造装置Bのように、チャンバーC4内にそれぞれのチャンバーC1〜C3が位置していてもよい。また、図3に示すように、複数のローラー13がチャンバーC1及びC2外に配置されている態様であってもよい。なお、図3においては、図1に示す製造装置Aと同じ構成部分には同じ符号が付されている。
〔機能性フィルムの製造方法〕
上記製造装置Aにおいては、次のような手順により機能性フィルムFを製造することができる。
上記製造装置Aにおいては、次のような手順により機能性フィルムFを製造することができる。
まず、製造装置Aにおいて、後半の成膜空間30bにおける非接触型のローラーr2の比率Xbが、前半の成膜空間30aにおける接触型のローラーr1の比率Xaより大きくなるように、接触型のローラーr1と非接触型のローラーr2とを配置する。
その後、アンワインダー11によりベースフィルム1のロール体を巻き出し、各ローラー12〜14により、ベースフィルム1を原料供給部21に搬送する。原料供給部21により、ガス状の第1原料をチャンバーC1内に供給すると、当該チャンバーC1内において、ベースフィルム1の表面には第1原料が吸着する。
次に、第1原料が吸着したベースフィルム1をパージ部24に搬送し、パージ部24により不活性ガスを供給してベースフィルム1上から余剰の第1原料を除去する。
次に、第1原料が吸着したベースフィルム1をパージ部24に搬送し、パージ部24により不活性ガスを供給してベースフィルム1上から余剰の第1原料を除去する。
第1原料を除去後、ベースフィルム1を改質処理部23へ搬送し、改質処理部23により、チャンバーC3内に改質用ガスを供給し、平板状の電極に電圧を印加してプラズマPを生成する。ベースフィルム1の表面に吸着した第1原料は、プラズマPによって改質処理され、無機膜が形成される。
改質処理後のベースフィルム1をパージ部24に搬送し、パージ部24により不活性ガスを供給して改質用ガスを除去する。
原料供給部21及び22により供給される原料が同じである場合、以上が1サイクルの成膜処理の手順となる。
改質処理後のベースフィルム1をパージ部24に搬送し、パージ部24により不活性ガスを供給して改質用ガスを除去する。
原料供給部21及び22により供給される原料が同じである場合、以上が1サイクルの成膜処理の手順となる。
さらにベースフィルム1を原料供給部22に搬送し、原料供給部22により第1原料をチャンバーC2内に供給すると、当該チャンバーC2内においてベースフィルム1の表面に第1原料が吸着する。次に、ベースフィルム1をパージ部24へ搬送し、パージ部24により不活性ガスを供給してベースフィルム1上から余剰の第1原料を除去する。
第1原料を除去後、ベースフィルム1を改質処理部23へ搬送する。改質処理部23は、チャンバーC3内に第2原料のガスを供給し、当該ガスに高周波数の交流電圧を印加してプラズマPを生成する。ベースフィルム1の表面に吸着した第1原料は、プラズマPによって改質処理され、無機膜が形成される。
原料供給部21及び22により異なる原料が供給される場合、以上が1サイクルの成膜処理の手順となる。
その後、原料供給部21へベースフィルム1を再度搬送し、上述した手順を繰り返すことにより、複数サイクルの成膜処理を繰り返すことができ、目的の膜厚の無機膜が形成された機能性フィルムFを製造することができる。
原料供給部21及び22により異なる原料が供給される場合、以上が1サイクルの成膜処理の手順となる。
その後、原料供給部21へベースフィルム1を再度搬送し、上述した手順を繰り返すことにより、複数サイクルの成膜処理を繰り返すことができ、目的の膜厚の無機膜が形成された機能性フィルムFを製造することができる。
〔機能性フィルム〕
図4は、上記製造装置Aによって、ベースフィルム1の両面に機能性層2として無機膜が形成された機能性フィルムFの断面構成を示している。
機能性フィルムFは、図4に示すように、各機能性層2上にそれぞれ保護層3が形成されていてもよい。
図4は、上記製造装置Aによって、ベースフィルム1の両面に機能性層2として無機膜が形成された機能性フィルムFの断面構成を示している。
機能性フィルムFは、図4に示すように、各機能性層2上にそれぞれ保護層3が形成されていてもよい。
〔ベースフィルム〕
ベースフィルム1は、機能性フィルムFの基材であり、可撓性を有する。
ベースフィルム1としては、フィルム状の樹脂、ガラス、金属等を用いることができる。なかでも、樹脂が好ましく、透明性が高い樹脂であることが好ましい。樹脂の透明性が高く、ベースフィルム1の透明性が高いと、透明性が高い機能性フィルムFを得ることができ、有機EL(Electro luminescence)素子等の電子デバイスに好ましく用いることができる。
ベースフィルム1は、機能性フィルムFの基材であり、可撓性を有する。
ベースフィルム1としては、フィルム状の樹脂、ガラス、金属等を用いることができる。なかでも、樹脂が好ましく、透明性が高い樹脂であることが好ましい。樹脂の透明性が高く、ベースフィルム1の透明性が高いと、透明性が高い機能性フィルムFを得ることができ、有機EL(Electro luminescence)素子等の電子デバイスに好ましく用いることができる。
ベースフィルム1として用いることができる樹脂としては、例えばメタクリル酸エステル、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)、ポリアリレート、ポリスチレン(PS)、芳香族ポリアミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリイミド(PI)、ポリエーテルイミド等が挙げられる。なかでも、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)等が、コスト及び入手の容易性から好ましい。
ベースフィルム1は、上記樹脂が2以上積層された積層フィルムであってもよい。
ベースフィルム1は、上記樹脂が2以上積層された積層フィルムであってもよい。
樹脂製のベースフィルム1は、従来公知の一般的な製造方法により製造することが可能である。例えば、材料となる樹脂を押出機により溶融し、環状ダイ又はTダイにより押し出して急冷することにより、実質的に無定形で配向していない未延伸の樹脂基材を製造することができる。また、材料となる樹脂を溶剤に溶解し、無端の金属樹脂支持体上に流延(キャスト)して乾燥、剥離することにより、実質的に無定形で配向していない未延伸フィルムを、ベースフィルム1として得ることができる。
上記未延伸フィルムを、フィルムの搬送(MD:Machine Direction)方向又は搬送方向と直交する幅(TD:Transverse Direction)方向に延伸し、得られた延伸フィルムをベースフィルム1とすることもできる。延伸方法としては、一軸延伸、テンター式逐次二軸延伸、テンター式同時二軸延伸、チューブラー式同時二軸延伸等の公知の方法が挙げられる。延伸倍率は、原料となる樹脂に合わせて適宜選択することできるが、搬送方向及び幅方向ともに、それぞれ2〜10倍の範囲内が好ましい。
ベースフィルム1は、上述した未延伸フィルムでもよく、延伸フィルムでもよい。強度向上及び熱膨張抑制の点からは延伸フィルムが好ましい。延伸によってベースフィルム1の位相差等の光学的な機能を調整できるので、調整が必要な場合は延伸フィルムを用いることが好ましい。
ベースフィルム1は、寸法安定性を得るため、弛緩処理、オフライン熱処理等が施されていてもよい。
弛緩処理は、延伸工程において熱固定した後、幅方向へ延伸するテンター内、又はテンターを出た後の巻取りまでの工程で行われることが好ましい。弛緩処理は、処理温度が80〜200℃の範囲内で行われることが好ましく、100〜180℃の範囲内で行われることがより好ましい。
弛緩処理は、延伸工程において熱固定した後、幅方向へ延伸するテンター内、又はテンターを出た後の巻取りまでの工程で行われることが好ましい。弛緩処理は、処理温度が80〜200℃の範囲内で行われることが好ましく、100〜180℃の範囲内で行われることがより好ましい。
オフライン熱処理の方法としては、特に限定されないが、例えば複数のローラー群によるローラー搬送方法、空気をフィルムに吹き付けて浮揚させるエアー搬送方法(具体的には、複数のスリットから加熱空気をフィルム面の片面又は両面に吹き付ける方法)、赤外線ヒーター等による輻射熱を利用する方法、フィルムを自重で垂れ下がらせ、下方で巻き取る等の搬送方法等を挙げることができる。熱処理時の搬送張力は、できるだけ低くして熱収縮を促進することで、良好な寸法安定性が得られる。処理温度としては(Tg+50)〜(Tg+150)℃の温度範囲が好ましい。ここでいうTgとは、ベースフィルム1のガラス転移温度をいう。
ベースフィルム1の厚さは特に限定されず、薄い機能性フィルムFを得る場合には200μm以下とすることができる。より薄い機能性フィルムFを得る観点からは厚さが100μm以下であることが好ましく、20〜100μmの範囲内であることがより好ましい。
ベースフィルム1上には、機能性フィルムFにおいてベースフィルム1と機能性層2間に位置する中間層が形成されていてもよい。中間層は、機能性層2との密着性を高める、ベースフィルム1の平滑性を高める、ベースフィルム1中の低分子成分が表面に析出するブリードアウト現象を抑える等の目的に応じて、形成され得る。
例えば、機能性層2との密着性を高めるため、ポリシロキサンの塗布液をベースフィルム1上に塗布した後、真空紫外光の照射によって改質することにより、中間層を形成してもよい。
例えば、機能性層2との密着性を高めるため、ポリシロキサンの塗布液をベースフィルム1上に塗布した後、真空紫外光の照射によって改質することにより、中間層を形成してもよい。
中間層の材料としては、上記ポリシロキサンに限らず、熱硬化型樹脂、活性エネルギー線硬化型樹脂硬化型樹脂等の硬化性樹脂を用いることができる。なかでも、成形が容易なことから、活性エネルギー線硬化型樹脂が好ましい。
熱硬化性樹脂としては、熱処理によって硬化するものであれば特に制限されないが、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ポリウレタン、熱硬化性ポリイミド等が挙げられる。
光硬化性樹脂としては、光によって硬化するものであれば特に制限されず、ラジカル反応性不飽和結合を有するアクリレート化合物を含有する樹脂、アクリレート化合物とチオール基を有するメルカプト化合物を含有する樹脂、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、ポリエチレングリコールアクリレート、グリセロールメタクリレート等の多官能アクリレートモノマーを含有する樹脂、米国特許第6503634号明細書に記載の「ORMOCER」等が挙げられる。また、分子内に光重合性不飽和基を1個以上有するモノマーを用いてもよい。
(機能性層)
機能性層2は、ベースフィルム1上に形成された無機膜である。機能性層2としては、例えばガスバリアー層、絶縁層、電子デバイスの基板に対して屈折率差を有する屈折層等が挙げられる。なかでも、ガスバリアー層は、膜欠陥が多いと当該膜欠陥を通して水、酸素等のガスが浸透し、ガスバリアー性能が著しく低下するため、膜欠陥が少ない製造装置Aは、ガスバリアー層の形成に好適である。
機能性層2は、ベースフィルム1上に形成された無機膜である。機能性層2としては、例えばガスバリアー層、絶縁層、電子デバイスの基板に対して屈折率差を有する屈折層等が挙げられる。なかでも、ガスバリアー層は、膜欠陥が多いと当該膜欠陥を通して水、酸素等のガスが浸透し、ガスバリアー性能が著しく低下するため、膜欠陥が少ない製造装置Aは、ガスバリアー層の形成に好適である。
機能性層2がガスバリアー層である場合、当該ガスバリアー層は、JIS−K−7129−1992に準拠した方法で測定された水蒸気透過度(25±0.5℃、相対湿度90±2%RH)が0.01g/(m2・24時間)以下のガスバリアー性を示すことが好ましい。また、JIS−K−7126−1987に準拠した方法で測定された酸素透過度が1×10−3ml/(m2・24時間・atm)以下であり、水蒸気透過度が1×10−5g/(m2・24時間)以下であるガスバリアー性を示すことが好ましい。なお、水蒸気透過度は、MOCON法、特開2005−283561号公報等に記載のカルシウム腐食法等によっても測定することができる。
機能性層2の厚さは特に制限されず、任意の厚さを選択することができる。一般的には、機能性層2の厚さが2nm以上であれば必要な機能性が得られ、50μm以下であれば製造装置Aを巨大化させることなく、十分な機能性を得ることができる。好ましくは、5〜30nmの範囲内である。
〔保護層〕
保護層3は、ベースフィルム1の両面に形成された各機能性層2の損傷を防ぐために設けられ得る。
保護層の材料としては、炭素含有ポリマーが挙げられ、なかでも硬化性樹脂が好ましい。硬化性樹脂としては特に制限されず、熱硬化性樹脂、活性エネルギー線硬化性樹脂等が挙げられるが、成形が容易なことから、活性エネルギー線硬化性樹脂が好ましい。
保護層3は、ベースフィルム1の両面に形成された各機能性層2の損傷を防ぐために設けられ得る。
保護層の材料としては、炭素含有ポリマーが挙げられ、なかでも硬化性樹脂が好ましい。硬化性樹脂としては特に制限されず、熱硬化性樹脂、活性エネルギー線硬化性樹脂等が挙げられるが、成形が容易なことから、活性エネルギー線硬化性樹脂が好ましい。
活性エネルギー線硬化性樹脂とは、紫外線又は電子線のような活性エネルギー線照射により架橋反応等を経て硬化する樹脂をいう。活性エネルギー線硬化樹脂としては、エチレン性不飽和二重結合を有するモノマーを含む成分が好ましく用いられ、紫外線や電子線のような活性エネルギー線を照射することによって硬化させて活性エネルギー線硬化樹脂層が形成される。活性エネルギー線硬化樹脂としては紫外線硬化性樹脂や電子線硬化性樹脂等が代表的なものとして挙げられるが、なかでも、電子線照射によって硬化する電子線硬化性樹脂が好ましい。
保護層3の形成方法は、特に制限されず、スピン塗布法、スプレー法、ダイ塗布法等の湿式塗布法、蒸着法等により硬化性樹脂材料を用いて機能性層2上に成膜する方法が挙げられる。
保護層3は、ワインダー15によって機能性フィルムFを一度巻き取り、得られたロール体を大気圧下の塗布装置等にセットして巻き出した後、形成されてもよいし、機能性層2の形成と連続して真空圧下で形成されてもよい。連続して保護層3を形成する場合には、真空圧下で成膜が可能な蒸着法が好ましい。
以下、実施例をあげて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」又は「%」の表示が用いられるが、特に断りが無い限り「質量部」又は「質量%」を表す。
〔実施例1〕
〔製造装置K〕
図1に示す製造装置Aにおいて、前半の成膜空間30aにおける非接触型のローラーr2の比率Xaが30%、後半の成膜空間30bにおける非接触型のローラーr2の比率Xbが90%となるように、接触型のローラーr1及び非接触型のローラーr2を配置した。また、酸化アルミニウム(Al2O3)膜を形成したときに、10nmの膜厚が得られるように、成膜空間30内の接触型のローラーr1と非接触型のローラーr2の総数(a1+a2+b1+b2)を調整した。さらに、フィルムの搬送張力が200N/mとなるように、ベースフィルムのアンワインダー11及びワインダー15におけるトルクを調整し、製造装置Kとした。
〔製造装置K〕
図1に示す製造装置Aにおいて、前半の成膜空間30aにおける非接触型のローラーr2の比率Xaが30%、後半の成膜空間30bにおける非接触型のローラーr2の比率Xbが90%となるように、接触型のローラーr1及び非接触型のローラーr2を配置した。また、酸化アルミニウム(Al2O3)膜を形成したときに、10nmの膜厚が得られるように、成膜空間30内の接触型のローラーr1と非接触型のローラーr2の総数(a1+a2+b1+b2)を調整した。さらに、フィルムの搬送張力が200N/mとなるように、ベースフィルムのアンワインダー11及びワインダー15におけるトルクを調整し、製造装置Kとした。
〔ガスバリアー性フィルム1〕
ガスバリアー性フィルムのベースフィルムとして、厚さ50μmのテイジン(登録商標)テトロン(登録商標)フィルムKDL8W(テイジンデュポンフィルム社製)を用意した。
次に、製造装置Kにより上記ベースフィルム上にガスバリアー層として厚さ10nmの酸化アルミニウム膜を形成し、ガスバリアー性フィルム1を得た。
ガスバリアー性フィルムのベースフィルムとして、厚さ50μmのテイジン(登録商標)テトロン(登録商標)フィルムKDL8W(テイジンデュポンフィルム社製)を用意した。
次に、製造装置Kにより上記ベースフィルム上にガスバリアー層として厚さ10nmの酸化アルミニウム膜を形成し、ガスバリアー性フィルム1を得た。
具体的な成膜条件は、次のとおりである。
(成膜条件)
第1原料:トリメチルアルミニウム
第1原料の吸着時間:2.0秒
第1原料が供給されたチャンバー内の圧力:90Pa
改質用ガス:酸素ガス
改質処理の処理時間:0.5秒
改質用ガスが供給されたチャンバー内の圧力:90Pa
パージに使用した不活性ガス:窒素ガス
パージ時間:4.0秒
不活性ガスが供給されたチャンバー内の圧力:100Pa
酸化アルミニウム膜の堆積速度:0.1nm/サイクル
ベースフィルムの温度:100℃
(成膜条件)
第1原料:トリメチルアルミニウム
第1原料の吸着時間:2.0秒
第1原料が供給されたチャンバー内の圧力:90Pa
改質用ガス:酸素ガス
改質処理の処理時間:0.5秒
改質用ガスが供給されたチャンバー内の圧力:90Pa
パージに使用した不活性ガス:窒素ガス
パージ時間:4.0秒
不活性ガスが供給されたチャンバー内の圧力:100Pa
酸化アルミニウム膜の堆積速度:0.1nm/サイクル
ベースフィルムの温度:100℃
〔ガスバリアー性フィルム2〜19、21〜25〕
上記ガスバリアー性フィルム1の製造において、上記製造装置Kの非接触型のローラーr2の比率Xa及びXb、ベースフィルムの厚さ、酸化アルミニウム膜の厚さ及びフィルムの搬送張力を、下記表1に示すように変更したこと以外は、ガスバリアー性フィルム1と同様にして各ガスバリアー性フィルム2〜19、21〜25を製造した。
上記ガスバリアー性フィルム1の製造において、上記製造装置Kの非接触型のローラーr2の比率Xa及びXb、ベースフィルムの厚さ、酸化アルミニウム膜の厚さ及びフィルムの搬送張力を、下記表1に示すように変更したこと以外は、ガスバリアー性フィルム1と同様にして各ガスバリアー性フィルム2〜19、21〜25を製造した。
〔評価〕
・ガスバリアー性
各ガスバリアー性フィルム2〜19、21〜25のガスバリアー性を、特開2005−283561号公報等に記載のカルシウム腐食法にしたがって、次のようにして評価した。
・ガスバリアー性
各ガスバリアー性フィルム2〜19、21〜25のガスバリアー性を、特開2005−283561号公報等に記載のカルシウム腐食法にしたがって、次のようにして評価した。
まず、各ガスバリアー性フィルム2〜19、21〜25を切り出して試料を作製した。各試料のガスバリアー層上の9か所に、マスクを用いてカルシウム(Ca)を蒸着させ、12mm四方のカルシウム膜を形成した。次に、カルシウム膜を被覆するようにガスバリアー層上の全面にアルミニウムを蒸着させ、アルミニウム膜によりカルシウム膜を封止した。カルシウム膜及びアルミニウム膜は、真空蒸着装置JEE−400(日本電子社製)を用いて、真空状態を保って連続して形成した。
次に、真空状態を解除し、速やかに乾燥窒素ガス雰囲気下へ移し、アルミニウム膜上に紫外線硬化型樹脂T470/UR7134(ナガセケムテックス製)を塗布し、その上に厚さ0.2mmの石英ガラスを配置した。石英ガラス越しに紫外線を照射し、紫外線硬化型樹脂を硬化させて、評価用セルを作製した。
得られた各ガスバリアー性フィルム2〜19、21〜25の評価用セルを、温度60℃・相対湿度90%RHに調整した恒温恒湿オーブンYamato Humidic ChamberIG47M内に120時間連続で保存した。
得られた各ガスバリアー性フィルム2〜19、21〜25の評価用セルを、温度60℃・相対湿度90%RHに調整した恒温恒湿オーブンYamato Humidic ChamberIG47M内に120時間連続で保存した。
保存時間T(h)がT=0及びT=120である場合の評価用セルを撮影して得られた各画像から、カルシウムの腐食領域を画像処理により抽出した。抽出した腐食領域の面積から、腐食に要した水蒸気量を、水蒸気透過量として、下記式により算出した。
水蒸気透過量(g/m2・24h)=X×18×2×(104/A)×(24/T)
上記式において、Xはカルシウムが水と反応して生成された水酸化カルシウムのモル量を表し、X=(δ×d0×α×d2)/M2で表される。
δは、カルシウム層の腐食領域の面積(cm3)を表す。d0は、カルシウム層の厚さ(cm)を表す。αはカルシウム層の厚さの補正係数であり、1<α≦(M2/d2)/(M1/d1)の範囲内で決定される。d1は、カルシウムの密度(g/cm3)を表し、d2は、水酸化カルシウムの密度(g/cm3)を表す。M1は、カルシウムの分子量を表し、M2は水酸化カルシウムの分子量を表す。
上記式において、Xはカルシウムが水と反応して生成された水酸化カルシウムのモル量を表し、X=(δ×d0×α×d2)/M2で表される。
δは、カルシウム層の腐食領域の面積(cm3)を表す。d0は、カルシウム層の厚さ(cm)を表す。αはカルシウム層の厚さの補正係数であり、1<α≦(M2/d2)/(M1/d1)の範囲内で決定される。d1は、カルシウムの密度(g/cm3)を表し、d2は、水酸化カルシウムの密度(g/cm3)を表す。M1は、カルシウムの分子量を表し、M2は水酸化カルシウムの分子量を表す。
T=0及びT=120である場合に求められた各水蒸気透過量から、高温高湿下に保存する前後における水蒸気透過量の変化率を、水蒸気透過度として下記式により求めた。
水蒸気透過度(g/m2・24h)
=(T=0の場合の水蒸気透過量)/(T=120の場合の水蒸気透過量)
水蒸気透過度(g/m2・24h)
=(T=0の場合の水蒸気透過量)/(T=120の場合の水蒸気透過量)
得られた水蒸気透過度(g/m2・24h)を、高温高湿下でのガスバリアー性として下記のようにランク評価した。
5:0.0001未満
4:0.0001以上0.0010未満
3:0.0010以上0.0100未満
2:0.0100以上0.1000未満
1:0.1000以上
5:0.0001未満
4:0.0001以上0.0010未満
3:0.0010以上0.0100未満
2:0.0100以上0.1000未満
1:0.1000以上
・フィルムの搬送性
各ガスバリアー性フィルム1〜19、21〜25の外観を目視で観察し、下記基準により製造時のフィルムの搬送性を評価した。
5:ベースフィルムの撓み、折れが無い
4:ベースフィルムの撓み、折れがわずかに見られるが、酸化アルミニウム膜への影響はない
3: ベースフィルムの撓み、折れが見られるが、酸化アルミニウム膜への影響はない
2:ベースフィルムの撓み、折れが見られ、これらの影響による酸化アルミニウム膜の損傷、折れがやや見られる
1:ガスバリアー性フィルムの撓み、折れが見られ、これらの影響による酸化アルミニウム膜の明らかな損傷、折れが見られる
各ガスバリアー性フィルム1〜19、21〜25の外観を目視で観察し、下記基準により製造時のフィルムの搬送性を評価した。
5:ベースフィルムの撓み、折れが無い
4:ベースフィルムの撓み、折れがわずかに見られるが、酸化アルミニウム膜への影響はない
3: ベースフィルムの撓み、折れが見られるが、酸化アルミニウム膜への影響はない
2:ベースフィルムの撓み、折れが見られ、これらの影響による酸化アルミニウム膜の損傷、折れがやや見られる
1:ガスバリアー性フィルムの撓み、折れが見られ、これらの影響による酸化アルミニウム膜の明らかな損傷、折れが見られる
表1に示すように、後半の成膜空間における非接触型のローラーの比率Xbが、前半の成膜空間における非接触型のローラーの比率Xaよりも大きければ、搬送性もガスバリアー性も良好な結果が得られている。特に、比率Xbが60%以上であると、より高いガスバリアー性が得られている。
一方、後半の成膜空間における非接触型のローラーの比率Xbが、前半の成膜空間における非接触型のローラーの比率Xa以下であると搬送性は良好だが、ガスバリアー性が低く、両者を両立できていない。これは、後半の成膜空間に位置する接触型のローラーの数が増えたことにより、ベースフィルムのツレ等の搬送不良が減る一方で、接触型のローラーがガスバリアー層に接触し、膜欠陥が増えたためであると考えられる。
〔実施例2〕
〔ガスバリアー性フィルム31〜33〕
上記実施例1において使用した製造装置Kにおいて、後半の成膜空間30bにおける接触型のローラーと非接触型のローラーの総数(b1+b2)が、ベースフィルムの搬送方向において半分となるように、後半の成膜空間をさらに前半と後半に分けた。後半の成膜空間における非接触型のローラーと接触型のローラーの総数(b1+b2)に対する、後半の成膜空間内での前半及び後半における非接触型のローラーの比率(%)をそれぞれXba及びXbbと表す。
実施例2では、比率Xba及びXbbを下記表2のように変更したこと以外は上記実施例1のガスバリアー性フィルム2と同様にして、ガスバリアー性フィルム31〜33を製造した。
〔ガスバリアー性フィルム31〜33〕
上記実施例1において使用した製造装置Kにおいて、後半の成膜空間30bにおける接触型のローラーと非接触型のローラーの総数(b1+b2)が、ベースフィルムの搬送方向において半分となるように、後半の成膜空間をさらに前半と後半に分けた。後半の成膜空間における非接触型のローラーと接触型のローラーの総数(b1+b2)に対する、後半の成膜空間内での前半及び後半における非接触型のローラーの比率(%)をそれぞれXba及びXbbと表す。
実施例2では、比率Xba及びXbbを下記表2のように変更したこと以外は上記実施例1のガスバリアー性フィルム2と同様にして、ガスバリアー性フィルム31〜33を製造した。
ガスバリアー性フィルム31〜33についても、実施例1と同様の評価を行ったところ、下記表2に示す結果が得られた。
なお、ガスバリアー性の評価は、下記基準にしたがって行った。
5A:0.00001以上0.00004未満
5B:0.00004以上0.00007未満
5C:0.00007以上0.00010未満
なお、ガスバリアー性の評価は、下記基準にしたがって行った。
5A:0.00001以上0.00004未満
5B:0.00004以上0.00007未満
5C:0.00007以上0.00010未満
上記表2に示すように、後半の成膜空間30bのなかでも後半の非接触型のローラーの比率Xbbが前半の比率Xbaより大きいほど、高いガスバリアー性が得られている。これにより、後半での膜欠陥の補修が多く行われ、膜欠陥が減ることからガスバリアー性が高まったと推定される。
A 製造装置
12、13、14 ローラー
r1 接触型のローラー
r2 非接触型のローラー
21、22 原料供給部
23 改質処理部
24 パージ部
C1〜C4 チャンバー
30 成膜空間
30a 前半の成膜空間
30b 後半の成膜空間
F 機能性フィルム
1 ベースフィルム
2 機能性層
3 保護層
12、13、14 ローラー
r1 接触型のローラー
r2 非接触型のローラー
21、22 原料供給部
23 改質処理部
24 パージ部
C1〜C4 チャンバー
30 成膜空間
30a 前半の成膜空間
30b 後半の成膜空間
F 機能性フィルム
1 ベースフィルム
2 機能性層
3 保護層
Claims (18)
- 複数のローラーにより長尺のベースフィルムを搬送し、原子層堆積法により当該ベースフィルム上に機能性層として無機膜を形成する機能性フィルムの製造装置であって、
前記複数のローラーとして、前記無機膜に接触して前記ベースフィルムを搬送する接触型のローラーと、前記無機膜に非接触で前記ベースフィルムを搬送する非接触型のローラーと、を備え、
前記無機膜の成膜空間を、当該成膜空間における前記接触型のローラーと前記非接触型のローラーの総数が半分となるように、前記ベースフィルムの搬送方向において前半と後半に分けたとき、後半の成膜空間における前記接触型のローラーと前記非接触型のローラーの総数に対する当該非接触型のローラーの数の比率が、前半の成膜空間における前記接触型のローラーと前記非接触型のローラーの総数に対する当該非接触型のローラーの数の比率よりも大きくなるように、前記接触型のローラーと前記非接触型のローラーが配置されていることを特徴とする機能性フィルムの製造装置。 - 前記後半の成膜空間において少なくとも最後にベースフィルムを搬送するローラーとして、前記非接触型のローラーが配置されていることを特徴とする請求項1に記載の機能性フィルムの製造装置。
- 前記後半の成膜空間における前記接触型のローラーと前記非接触型のローラーの総数に対する当該非接触型のローラーの数の比率が、60〜100%の範囲内にあることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の機能性フィルムの製造装置。
- 前記成膜空間における前記接触型のローラー及び前記非接触型のローラーの総数が、20以上であることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の機能性フィルムの製造装置。
- 前記成膜空間におけるベースフィルムの単位長さあたりの搬送張力が、30〜300N/mの範囲内にあることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の機能性フィルムの製造装置。
- 前記ベースフィルムの厚さが、100μm以下であることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の機能性フィルムの製造装置。
- 前記無機膜の厚さが、2〜50nmの範囲内にあることを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の機能性フィルムの製造装置。
- 前記機能性フィルムが、前記無機膜がガスバリアー層として形成されたガスバリアー性フィルムであることを特徴とする請求項1から請求項7までのいずれか一項に記載の機能性フィルムの製造装置。
- 前記無機膜が、Al、Ti、Si、Zr及びZnの金属元素のうち少なくとも1種以上の金属元素を含有する金属化合物を原料として形成されることを特徴とする請求項1から請求項8までのいずれか一項に記載の機能性フィルムの製造装置。
- 複数のローラーにより長尺のベースフィルムを搬送し、原子層堆積法により当該ベースフィルム上に機能性層として無機膜を形成する機能性フィルムの製造方法であって、
前記複数のローラーとして、前記無機膜に接触して前記ベースフィルムを搬送する接触型のローラーと、前記無機膜に非接触で前記ベースフィルムを搬送する非接触型のローラーと、を用い、
前記無機膜の成膜空間を、当該成膜空間内における前記接触型のローラーと前記非接触型のローラーの総数が半分となるように、前記ベースフィルムの搬送方向において前半と後半に分けたとき、後半の成膜空間における前記接触型のローラーと前記非接触型のローラーの総数に対する当該非接触型のローラーの数の比率が、前半の成膜空間における前記接触型のローラーと前記非接触型のローラーの総数に対する当該非接触型のローラーの数の比率よりも大きくなるように、前記接触型のローラーと前記非接触型のローラーを配置することを特徴とする機能性フィルムの製造方法。 - 前記後半の成膜空間において少なくとも最後にベースフィルムを搬送するローラーとして、前記非接触型のローラーを配置することを特徴とする請求項10に記載の機能性フィルムの製造方法。
- 前記後半の成膜空間における前記接触型のローラーと前記非接触型のローラーの総数に対する当該非接触型のローラーの数の比率が、60〜100%の範囲内にあることを特徴とする請求項10又は請求項11に記載の機能性フィルムの製造方法。
- 前記成膜空間における前記接触型のローラー及び前記非接触型のローラーの総数が、20以上であることを特徴とする請求項10から請求項12までのいずれか一項に記載の機能性フィルムの製造方法。
- 前記成膜空間におけるベースフィルムの単位長さあたりの搬送張力が、30〜300N/mの範囲内にあることを特徴とする請求項10から請求項13までのいずれか一項に記載の機能性フィルムの製造方法。
- 前記ベースフィルムの厚さが、100μm以下であることを特徴とする請求項10から請求項14までのいずれか一項に記載の機能性フィルムの製造方法。
- 前記無機膜の厚さが、2〜50nmの範囲内にあることを特徴とする請求項10から請求項15までのいずれか一項に記載の機能性フィルムの製造方法。
- 前記機能性フィルムが、前記無機膜がガスバリアー層として形成されたガスバリアー性フィルムであることを特徴とする請求項10から請求項16までのいずれか一項に記載の機能性フィルムの製造方法。
- 前記無機膜が、Al、Ti、Si、Zr及びZnの金属元素のうち少なくとも1種以上の金属元素を含有する金属化合物を原料として形成されることを特徴とする請求項10から請求項17までのいずれか一項に記載の機能性フィルムの製造方法。
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JP2014022980A JP2015148005A (ja) | 2014-02-10 | 2014-02-10 | 機能性フィルムの製造装置及び製造方法 |
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Cited By (1)
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JP2020029604A (ja) * | 2018-08-23 | 2020-02-27 | 東京エレクトロン株式会社 | 成膜方法及び成膜装置 |
-
2014
- 2014-02-10 JP JP2014022980A patent/JP2015148005A/ja active Pending
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---|---|---|---|---|
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