JP5825216B2 - ガスバリアフィルムの製造方法および製造装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ガスバリアフィルムの製造方法およびその製造装置に関する。
従来から、プラスチック基材やプラスチックフィルムの表面に金属や金属酸化物の薄膜を作製したガスバリアフィルムは、水蒸気や酸素等の各種ガスの遮断を必要とする物品の包装用途、特に、食品、工業用品、医薬品等の変質を防止するための包装用途に広く用いられている。
また、包装用途以外にも、有機電子デバイス、例えば、液晶表示素子、光電変換素子(太陽電池)、有機エレクトロルミネッセンス(以下、有機ELともいう)素子等で使用されている。
一方、液晶表示素子、有機EL素子、光電変換素子等への応用が進んでいる透明基材には、近年、軽量化、大型化という要求に加えて、ロール・トゥ・ロール方式での生産が可能であること、長期的な信頼性が高いこと、形状の自由度が高いこと、曲面表示が可能であること等の高度な要求が加わり、重くて割れやすく大面積化が困難なガラス基材に代わって、透明プラスチック等の透明フィルム基材が採用され始めている。
しかしながら、透明フィルム基材はガラス基材に比べてガスバリア性が劣るという問題点がある。例えば、有機光電変換素子用の基材として用いた場合に、ガスバリア性が劣る基材を用いると、水蒸気や空気が浸透して有機光電変換素子中の有機膜が劣化して、光電変換効率あるいは耐久性等が損なわれる要因となる。
このような問題点を解決するために、透明フィルム基材上に金属酸化物薄膜を形成してガスバリア性を付与する新たな技術が種々検討されている。
特許文献1には、シラザン化合物等を塗布した基板に紫外光を照射することにより、酸化シリコン半導体薄膜を形成する装置が開示されている。しかし、紫外光の照射時間に長時間を要し、工業的生産性に劣るものであった。
特許文献2には、ポリシラザンを塗布したフィルム基材に真空紫外光を照射することにより、ガスバリア性に優れたフィルムを製造する方法が開示されている。しかし、ガスバリア性は優れているものの複数の層を形成するため、製造工程が長くなるという問題点があった。
特許文献3には、ポリシラザン化合物の塗布液を塗布したフィルムに真空紫外光を照射し、金属製バックロールを用いたロール・トゥ・ロール方式によって、ガスバリアフィルムを製造する方法が開示されている。
特開2008−159824号公報 特開2009−255040号公報 特開2012−61659号公報
しかしながら、長期間の信頼性を重視する液晶表示素子、有機EL素子、光電変換素子等の用途において、その基材として使用可能なガスバリアフィルムのガスバリア性能に対する要求はますます高まってきている。
本発明はかかる状況に鑑みてなされたものであり、ロール・トゥ・ロール方式により製造することが可能な、優れたガスバリア性を有するガスバリアフィルムを製造する方法とその製造装置を提供することを課題とする。
本発明者らは、フィルム基材上に形成されたケイ素酸化物等の金属酸化物膜のガスバリア性が改善されない原因を種々分析検討したところ、ポリシラザン等の真空紫外光による改質反応が、表面に生成したケイ素酸化物等の層に抑制されて、塗膜内部において十分に進行していないことを見出した。そして、この真空紫外光による改質反応を塗膜内部において促進させるためには、反応時に塗膜内部から副生ガスを除去することが有効であることを見出し、本発明に到達したものである。
即ち、本発明の上記課題は下記の手段によって解決することができる。
1.フィルム基材上に少なくとも1層のガスバリア層を有するガスバリアフィルムの製造方法であって、前記フィルム基材上に、ケイ素酸化物前駆体もしくはケイ素酸窒化物前駆体を含む溶液を塗布して塗膜を作製する工程と、前記塗膜に真空紫外光を照射することによって前記塗膜を改質処理する工程とを有し、前記塗膜を改質処理する工程において、前記フィルム基材の前記塗膜と反対側の面を大気圧に対して減圧にすることを特徴とするガスバリアフィルムの製造方法。
2.前記フィルム基材が、水蒸気透過度として40℃、90%RH条件下で1g/(m・24hr)以上のガス透過性を有することを特徴とする前記1に記載のガスバリアフィルムの製造方法。
3.前記塗膜を改質処理する工程において、前記フィルム基材の前記塗膜と反対側の面を、吸引ベルトによって減圧しながら前記フィルム基材を搬送することを特徴とする前記1または2に記載のガスバリアフィルムの製造方法。
4.前記塗膜を改質処理する工程において、前記フィルム基材の前記塗膜と反対側の面を、複数の搬送ロールの間隙から減圧しながら前記フィルム基材を搬送することを特徴とする前記1または2に記載のガスバリアフィルムの製造方法。
5.前記塗膜を改質処理する工程において、前記フィルム基材の前記塗膜と反対側の面を、吸引ロールによって減圧しながら前記フィルム基材を搬送することを特徴とする前記1または2に記載のガスバリアフィルムの製造方法。
6.前記真空紫外光の照射中に前記フィルム基材の温度を昇温させることを特徴とする前記1〜5のいずれか1項に記載のガスバリアフィルムの製造方法。
7.フィルム基材上に少なくとも1層のガスバリア層を有するガスバリアフィルム製造装置であって、前記フィルム基材をロール状に巻かれた状態から繰り出すための繰り出し部と、前記フィルム基材上にケイ素酸化物前駆体もしくはケイ素酸窒化物前駆体を含む溶液を塗布して塗膜を作製する塗布部と、前記フィルム基材上の前記塗膜を乾燥する乾燥部と、前記フィルム基材の前記塗膜と反対側の面を大気圧に対して減圧にしながら真空紫外光を照射して前記塗膜を改質処理する真空紫外光照射部と、得られたガスバリアフィルムをロール状に巻き取る巻き取り部とを備えることを特徴とするガスバリアフィルム製造装置。
本発明は、ロール・トゥ・ロール方式により製造することが可能な、優れたガスバリア性を有するガスバリアフィルムを製造する方法とその製造装置を提供することができる。
(a)本発明の実施形態の真空紫外光照射部に用いられるキセノンエキシマ照射ユニットの外観図である。(b)本発明の実施形態の真空紫外光照射部に用いられるキセノンエキシマ照射ユニットの断面図である。 エキシマランプのフィルム基材表面に対する照射範囲の測定方法を示す図である。 本発明の実施形態の真空紫外光照射部において、搬送ロール間に存在するフィルム基材の動きを示す拡大断面図である。 本発明の実施形態のガスバリアフィルム製造装置の構成を示す断面図である。 本発明の実施形態のガスバリアフィルム製造装置の構成を示す断面図である。 本発明の実施形態のガスバリアフィルム製造装置の構成を示す断面図である。 本発明の実施形態のガスバリアフィルム製造装置の構成を示す断面図である。 比較例のガスバリアフィルム製造装置の構成を示す断面図である。
以下に、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。尚、本発明の実施形態は以下に示す実施形態に限られるわけではない。尚、各図面において、同一の構成要素には、同一の記号を付して、その説明を省略する。
本発明の実施形態のガスバリアフィルムの製造方法は、フィルム基材上に少なくとも1層のガスバリア層を有するガスバリアフィルムの製造方法であって、フィルム基材上に、ケイ素酸化物前駆体もしくはケイ素酸窒化物前駆体を含む溶液を塗布して塗膜を作製する工程と、前記塗膜に真空紫外光を照射することによって前記塗膜を改質処理する工程とを有し、前記塗膜を改質処理する工程において、前記フィルム基材の前記塗膜と反対側の面を大気圧に対して減圧にすることを特徴としている。ここで大気圧とは、前記塗膜と反対側の面の雰囲気の、減圧前の気圧のことである。
(ガスバリア層)
本発明の実施形態において、ガスバリア層とは、水分子や酸素分子等の気体の透過を抑制することができる層のことをいう。ガスバリア層は、単層でも複数の同様な膜を積層してもよく、複数の層を設けることにより更にガスバリア性を向上させることができる。
ガスバリア層を形成する材料としては、ケイ素系化合物が有用である。特に、二酸化ケイ素等のケイ素酸化物もしくはケイ素酸窒化物の薄膜をフィルム基材上に形成することにより優れたガスバリア性をフィルム基材に付与することができる。
ケイ素酸化物もしくはケイ素酸窒化物の薄膜をフィルム基材上に形成するためには、反応によりケイ素酸化物もしくはケイ素酸窒化物を生成する前駆体をフィルム基材上に塗布して、その後、その前駆体を反応によりケイ素酸化物もしくはケイ素酸窒化物に変換させる方法が製造上好ましい。反応によりケイ素酸化物もしくはケイ素酸窒化物に変換する前駆体としては、具体的には、Si−O−Si結合を有するポリシロキサン(ポリシルセスキオキサンを含む)、Si−N−Si結合を有するポリシラザン、Si−O−Si結合とSi−N−Si結合の両方を含むポリシロキサザン等を挙げることができる。
本発明の実施形態において、ケイ素酸化物前駆体もしくはケイ素酸窒化物前駆体とは、ポリシラザン、ポリシロキサン、ポリシルセスキオキサンおよびポリシロキサザンの総称である。これらは2種以上を混合して使用することができる。また、異なる化合物を逐次積層したり、同時積層したりして使用することも可能である。
従って、本発明の実施形態におけるガスバリア層は、具体的には、ケイ素酸化物前駆体もしくはケイ素酸窒化物前駆体を含む溶液をフィルム基材上に塗布して作製された少なくとも一層の塗膜に、改質処理を施して形成された二酸化ケイ素等のケイ素酸化物もしくはケイ素酸窒化物を含有する層をいう。
(ポリシラザン)
本発明の実施形態において、ポリシラザンとは、一般的構造単位として、下記式(1)で表わされる単位を有するポリマーである。ポリシラザンは、ケイ素−窒素結合を持つポリマーであり、Si−N、Si−H、N−H等の結合を有し、SiO、Siおよび両方の中間固溶体SiO等のセラミック前駆体無機ポリマーである。
−[Si(R)(R)−N(R)]− ・・・(1)
式中、R、RおよびRのそれぞれは、独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、アルキルシリル基、アルキルアミノ基、アルコキシ基などを表す。
本発明の実施形態では、得られるガスバリア層の緻密性の観点から、R、RおよびRのすべてが水素原子であるパーヒドロポリシラザンが好ましい。
一方、そのSiと結合する水素原子が一部アルキル基等で置換されたオルガノポリシラザンは、メチル基等のアルキル基を有することにより下地基板との接着性が改善され、かつ硬くてもろいポリシラザンによるセラミック膜に靭性を持たせることができ、膜厚を厚くした場合でもクラックの発生が抑えられる利点がある。用途に応じて適宜、これらパーヒドロポリシラザンとオルガノポリシラザンを選択してよく、混合して使用することもできる。
パーヒドロポリシラザンは、直鎖構造と6および8員環を中心とする環構造が存在する構造と推定されている。その分子量は、数平均分子量(Mn)で約600〜2000程度(ポリスチレン換算)であり、液体または固体の物質であり、分子量により異なる。これらは有機溶媒に溶解した溶液状態で市販されており、市販品をそのままポリシラザン含有塗布液として使用することができる。また、低温でシリカへの転化を促進するために、アミンや金属の触媒を添加することもできる。
低温でセラミック化するポリシラザンの別の例としては、上記式(1)のポリシラザンにケイ素アルコキシドを反応させて得られるケイ素アルコキシド付加ポリシラザン(特開平5−238827号公報)、グリシドールを反応させて得られるグリシドール付加ポリシラザン(特開平6−122852号公報)、アルコールを反応させて得られるアルコール付加ポリシラザン(特開平6−240208号公報)、金属カルボン酸塩を反応させて得られる金属カルボン酸塩付加ポリシラザン(特開平6−299118号公報)、金属を含むアセチルアセトナート錯体を反応させて得られるアセチルアセトナート錯体付加ポリシラザン(特開平6−306329号公報)、金属微粒子を添加して得られる金属微粒子添加ポリシラザン(特開平7−196986号公報)等が挙げられる。
(ポリシロキサン)
本発明の実施形態において、ポリシロキサンとは、シロキサン結合(Si−O−Si結合)を有するポリマーであり、一般的構造単位として、下記式(2)で表わされる単位のいずれかを有している。
〔RSiO1/2〕、〔RSiO〕、〔RSiO3/2〕、〔SiO〕 ・・・(2)
式中、Rは、それぞれ独立に、水素原子、1〜20の炭素原子を含むアルキル基、アリール基、不飽和アルキル基である。例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、フェニル基、ビニル基などであり、これらからなる群より独立して選択される。
ポリシロキサンの構造単位の具体例としては、〔PhSiO3/2〕、〔MeSiO3/2〕、〔HSiO3/2〕、〔MePhSiO〕、〔PhSiO〕、〔PhViSiO〕、〔ViSiO3/2〕、〔MeHSiO〕、〔MeViSiO〕、〔MeSiO〕、〔MeSiO1/2〕などの構造単位が挙げられる。また、ポリシロキサンの混合物やコポリマーも使用可能である。
(ポリシルセスキオキサン)
本発明の実施形態において、ポリシルセスキオキサンとは、上記のポリシロキサンの中で、シルセスキオキサンを構造単位として有するものをいう。シルセスキオキサンとは、[RSiO3/2]で表わされる構造単位である。本発明の実施形態において、ポリシロキサンの中でもポリシルセスキオキサンを用いることが好ましい。
ポリシルセスキオキサンは、通常、RSiX型化合物(Rは、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アラアルキル基等であり、Xは、ハロゲン原子、アルコキシ基などである。)を加水分解−重縮合して合成される。ポリシルセスオキサンの分子配列の形状としては、代表的には無定形構造、ラダー状構造、籠型構造またはその部分開裂構造体(籠型構造からケイ素原子が一原子欠けた構造や籠型構造の一部ケイ素−酸素結合が切断された構造)等が知られている。
これらのポリシルセスキオキサンの中でも、いわゆる水素シルセスキオキサンポリマーを用いることが好ましい。水素シルセスキオキサンポリマーの具体例としては、下記式(3)で表わされる構造単位を有したヒドリドシロキサンポリマーが挙げられる。
〔HSi(OH)(OR)z/2〕 ・・・(3)
式中、Rは、それぞれ独立に、有機基または置換された有機基であり、酸素原子によってケイ素に結合した場合、加水分解性置換基を形成する。x=0〜2、y=0〜2、z=1〜3、x+y+z=3である。Rの例としては、アルキル基の例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基など、アリール基の例えばフェニル基など、アルケニル基の例えばアリル基、ビニル基などが挙げられる。
そのようなことから、ヒドリドシロキサンポリマーは、完全に縮合されたポリマー(HSiO3/2であったり、部分的に加水分解されて一部のSi−OHを含むものであったり、部分的に縮合されて一部のSi−ORを含むものであったりすることができる。
籠型シルセスキオキサンの例としては、[RSiO3/2の化学式で表される下記一般式(1)のシルセスキオキサン、[RSiO3/210の化学式で表される下記一般式(2)のシルセスキオキサン、[RSiO3/212の化学式で表される下記一般式(3)のシルセスキオキサン、[RSiO3/214の化学式で表される下記一般式(4)のシルセスキオキサン、[RSiO3/214の化学式で表される下記一般式(5)のシルセスキオキサンが挙げられる。
Figure 0005825216
[RSiO3/2で表される籠型シルセスキオキサンにおけるnの値としては、6から20の整数であり、好ましくは8、10または12であり、特に好ましくは8または8、10及び12の混合物である。また、籠型シルセスキオキサンの一部のケイ素−酸素結合が部分的に開裂した[RSiO3/2n−m(O1/2H)2+m(nは6〜20の整数であり、mは0または1である。)で表される籠型シルセスキオキサンの好ましい例としては、一般式(1)の一部が開裂したトリシラノール体、[RSiO3/2(O1/2H)で表わされる下記一般式(6)のシルセスキオキサン、[RSiO3/2(O1/2H)の化学式で表される下記一般式(7)のシルセスキオキサン、[RSiO3/2(O1/2H)の化学式で表される下記一般式(8)のシルセスキオキサンが挙げられる。
Figure 0005825216
上記一般式(1)〜(8)におけるRは、水素原子、炭素数1〜20の飽和炭化水素基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数7〜20のアラアルキル基、炭素数6〜20のアリール基が挙げられる。中でもRは重合反応が可能な重合性官能基であることが好ましい。
炭素数1〜20の飽和炭化水素基の例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、ブチル基(n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、sec−ブチル基等)、ペンチル基(n−ペンチル基、i−ペンチル基、ネオペンチル基、シクロペンチル基等)、ヘキシル基(n−ヘキシル基、i−ヘキシル基、シクロヘキシル基等)、ヘプチル基(n−ヘプチル基、i−ヘプチル基等)、オクチル基(n−オクチル基、i−オクチル基、t−オクチル基等)、ノニル基(n−ノニル基、i−ノニル基等)、デシル基(n−デシル基、i−デシル基等)、ウンデシル基(n−ウンデシル基、i−ウンデシル基等)、ドデシル基(n−ドデシル基、i−ドデシル基等)などが挙げられる。取扱性、性能バランス、入手の容易さ等を考慮すると、好ましくは炭素数1〜16の飽和炭化水素であり、特に好ましくは炭素数1〜12の飽和炭化水素である。
炭素数2〜20のアルケニル基としては、非環式アルケニル基及び環式アルケニル基が挙げられる。その例としては、ビニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、シクロヘキセニル基、シクロヘキセニルエチル基、ノルボルネニルエチル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基などが挙げられる。取扱性、性能バランス、入手の容易さ等を考慮すると、好ましくは炭素数2〜16のアルケニル基であり、特に好ましくは炭素数2〜12のアルケニル基である。
炭素数7〜20のアラアルキル基の例としては、ベンジル基、フェネチル基または炭素数1〜13、好ましくは炭素数1〜8のアルキル基によって1置換または複数置換されたベンジル基、フェネチル基等が挙げられる。
炭素数6〜20のアリール基の例としては、フェニル基、トリル基または炭素数1〜14、好ましくは炭素数1〜8のアルキル基で置換されたフェニル基、トリル基、キシリル基等が挙げられる。
上記の籠型シルセスキオキサン類は、Aldrich社、Hybrid Plastic社、チッソ株式会社、アヅマックス社等から市販されている化合物をそのまま用いてもよく、また、Journal of American Chemical Society誌、第111巻、1741頁(1989年)等に基づいて合成された化合物を用いてもよい。
(ポリシロキサザン)
本発明の実施形態において、ポリシロキサザンとは、一般的構造単位として、下記式(4)で表わされる単位をいずれも有しているポリマーである。
−[(SiH(NH)]−、−[(SiHO]− ・・・(4)
式中、n、mおよびrは1、2または3である。
(フィルム基材)
本発明の実施形態において、フィルム基材は、ガスバリア層を保持することができる有機材料で作製されたものであれば特に限定されない。
フィルム基材の材料としては、例えば、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)、ポリアリレート、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレン(PE)、エチレン−環状オレフィン等のポリエチレン共重合体、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ポリアミド(PA)、ポリエーテルエーテルケトン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリイミド、ポリエーテルイミド等のポリマー、有機無機ハイブリッド構造を有するシルセスキオキサンを基本骨格とした耐熱透明フィルム基材(製品名Sila−DEC、チッソ株式会社製)、更には前記ポリマーを2層以上積層して成る基材等を挙げることができる。
フィルム基材の材料としては、コストや入手の容易性の点で、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)などが好ましく用いられる。また、光学的透明性、耐熱性、無機層との密着性の点においては、有機無機ハイブリッド構造を有するシルセスキオキサンを基本骨格とした耐熱透明フィルムが好ましく用いられる。
フィルム基材の厚みは、取扱性や機械的強度の観点から、5〜500μmが好ましく、更に好ましくは25〜250μmである。また、本発明の実施形態のガスバリアフィルムは、発光素子として使用する場合も鑑みて、ガラス転移温度(Tg)が100℃以上であることが好ましい。また、熱収縮率も低いことが好ましい。
更に、フィルム基材は、透明であることが好ましい。フィルム基材が透明であり、フィルム基材上に作製するガスバリア層も透明であると、透明なガスバリアフィルムとなるため、太陽電池や有機EL素子等の透明基材とすることが可能となるからである。
また、上記のポリマー等を用いたフィルム基材は、未延伸フィルムでもよく、延伸フィルムでもよい。また、フィルム基材の表面には、コロナ処理を施してあってもよい。
フィルム基材は、従来公知の一般的な方法によって製造することが可能である。例えば、材料となるポリマーを押し出し機により溶融し、環状ダイやTダイにより押し出して急冷することにより、実質的に無定形で配向していない未延伸のフィルム基材を製造することができる。
また、未延伸のフィルムを一軸延伸、テンター式逐次二軸延伸、テンター式同時二軸延伸、チューブラー式同時二軸延伸などの公知の方法により、フィルムの流れ(縦軸)方向、またはフィルムの流れ方向と直角(横軸)方向に延伸することにより延伸フィルム基材を製造することができる。この場合の延伸倍率は、フィルム基材の材料となるポリマーに応じて適宜選択することできるが、縦軸方向および横軸方向にそれぞれ2〜10倍が好ましい。
(塗膜を作製する工程)
本発明の実施形態においては、フィルム基材上にケイ素酸化物前駆体もしくはケイ素酸窒化物前駆体を含む溶液を塗布して塗膜を作製する。塗膜を作製する方法としては、任意の適切な方法が採用され得る。具体例としては、スピンコート法、ロールコート法、フローコート法、インクジェット法、スプレーコート法、プリント法、ディップコート法、流延成膜法、バーコート法、ブレードコート法、グラビア印刷法等が挙げられる。
ケイ素酸化物前駆体もしくはケイ素酸窒化物前駆体を含む溶液を調製する有機溶媒としては、ケイ素酸化物前駆体もしくはケイ素酸窒化物前駆体と容易に反応してしまうようなアルコール類や水を含有するものを用いることは好ましくない。好ましい有機溶媒としては、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素等の炭化水素系溶媒、ハロゲン化炭化水素系溶媒、脂肪族エーテル、脂環式エーテル等のエーテル系溶媒等が挙げられる。具体的には、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、ソルベッソ(登録商標)、ターベン(登録商標)等の炭化水素、塩化メチレン、トリクロロエタン等のハロゲン化炭化水素、ジブチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類等がある。これらの溶剤は、ケイ素酸化物前駆体もしくはケイ素酸窒化物前駆体の溶解度や溶剤の蒸発速度等により、目的にあわせて選択することができ、複数の溶剤を混合して用いても良い。
ケイ素酸化物前駆体もしくはケイ素酸窒化物前駆体を含む塗布用溶液中のケイ素酸化物前駆体もしくはケイ素酸窒化物前駆体の濃度は、目的とするケイ素酸化物もしくはケイ素酸窒化物の膜厚や塗布用溶液の粘度やポットライフによっても異なるが、0.2〜35質量%程度である。
本発明の実施形態において、ガスバリア性能や取扱性等の観点から、ガスバリア層の厚みは、10nmから1000nmが好ましい。より好ましくは10nmから200nmである。ガスバリア層が複数の層で構成される場合は、それらの複数の層の厚みの合計が上記範囲内に入っていることが好ましい。ガスバリア層は2層以上の層を有していてもよく、その場合は各層が同じ組成を有していても違う組成を有していてもよい。塗膜の厚みは、改質処理後に上記のガスバリア層の厚みとなるように、適宜調整される。
ケイ素酸化物前駆体もしくはケイ素酸窒化物前駆体は、そのケイ素原子と結合する水素原子の一部が、アルキル基等で置換された誘導体であってもよい。アルキル基、特にもっとも分子量の少ないメチル基を有することにより下地のフィルム基材との接着性が改善され、かつ硬くてもろいケイ素酸化物もしくはケイ素酸窒化物の膜に靭性を持たせることができ、膜厚を厚くした場合でもクラックの発生が抑えられる。
ケイ素酸化物もしくはケイ素酸窒化物への転化を促進するために、ポリシラザン溶液中にアミンや金属の触媒を添加することもできる。具体的には、AZエレクトロニックマテリアルズ(株)製アクアミカ(登録商標)NAX120−20、NN110、NN310、NN320、NL110A、NL120A、NL150A、NP110、NP140、SP140などが挙げられる。
(乾燥工程)
塗布された塗膜は溶媒が除去された均一な乾燥膜を得る上で、乾燥する工程を行うことが好ましい。乾燥温度は、好ましくは60℃〜200℃、更に好ましくは70℃〜160℃である。乾燥時間は、好ましくは5秒〜24時間程度、更に好ましくは10秒〜2時間程度である。このように、改質処理前に、上記範囲で乾燥を行うことにより、均一な塗膜を安定して得ることができる。
尚、乾燥は、一定温度で行ってもよく、段階的に温度を変化させてもよく、連続的に温度を変化(昇温および/または降温)させてもよい。乾燥の際には、反応を安定化させるために湿度を調節することが好ましく、通常30%RHから90%RH、より好ましくは40%RHから80%RHに調整される。
(改質処理)
本発明の実施形態において、改質処理とは、塗膜中のケイ素酸化物前駆体もしくはケイ素酸窒化物前駆体の少なくとも一部をケイ素酸化物もしくはケイ素酸窒化物へ転化させる処理のことであり、本発明の実施形態においては、塗膜に真空紫外光を照射することによって行われる。
(真空紫外光)
本発明の実施形態において、真空紫外光(以下、「VUV」、「VUV光」とも記載する。)とは、波長100〜200nmの紫外光のことをいう。真空紫外光の光エネルギーは、ケイ素酸化物前駆体もしくはケイ素酸窒化物前駆体内に存在する各種原子間の原子間結合力より大きいものである。そのため、ケイ素酸化物前駆体もしくはケイ素酸窒化物前駆体に真空紫外光を照射すると、原子間結合が切断され、また、活性酸素やオゾンによる酸化反応が進行して、比較的低温で、ケイ素酸化物もしくはケイ素酸窒化物の膜の作製をおこなうことができる。
真空紫外光の光源としては、希ガスエキシマランプが好ましく用いられる。エキシマランプは一般に、希ガスまたは希ガスハロゲン化合物の放電用ガスを充填した二重石英管と内部電極と外部電極から構成されている。
エキシマランプの特徴としては、放射が一つの波長に集中し、必要な光以外がほとんど放射されないので効率が高いことが挙げられる。また、余分な光が放射されないので、被照射物の温度を比較的低く保つことができる。さらには始動・再始動に時間を要さないので、瞬時の点灯点滅が可能である。
希ガスとしては、キセノンが、波長172nmの高エネルギー紫外光を放射し、発光効率に優れており好ましい。この波長の紫外光は、酸素の吸収係数が大きいため、微量な酸素濃度であっても活性酸素やオゾンを高濃度で発生させることができる。この活性酸素やオゾンと紫外光が持つ高いエネルギーによって、短時間でケイ素酸化物前駆体もしくはケイ素酸窒化物前駆体の改質を実現することができる。
エキシマランプとしては、構造がシンプルな細管エキシマランプが好ましい。細管エキシマランプの管の外径は6mm〜12mm程度である。
(塗膜を改質処理する工程)
本発明の実施形態の塗膜を改質処理する工程においては、ケイ素酸化物前駆体もしくはケイ素酸窒化物前駆体を含む塗膜に真空紫外光を照射することによって塗膜を改質処理する。
ケイ素酸化物前駆体もしくはケイ素酸窒化物前駆体に真空紫外光を照射して、当該化合物を分解させると、塗膜の表面付近にケイ素酸化物もしくはケイ素酸窒化物が生成し、同時に、NHやHO、Hなどが副生ガスとして発生する。塗膜の表面付近にケイ素酸化物もしくはケイ素酸窒化物の被膜が緻密に形成されるに従い、次第に塗膜の表面から副生物である上記ガスが系外に抜けにくくなり、反応の進行が妨げられる。そのため、塗膜の表面から内部に行くに従い、反応が次第に抑制されて、塗膜内部では、塗膜中のケイ素酸化物もしくはケイ素酸窒化物の含有率が低下していくこととなる。
そこで、本発明の実施形態においては、塗膜を改質処理する工程において、フィルム基材の塗膜と反対側の面を大気圧に対して減圧にする。塗膜を改質処理する工程において、フィルム基材の塗膜と反対側の面を大気圧に対して減圧にすることによって、副生物である上記ガスが系外に排出されることとなり、塗膜の内部における改質反応を促進させることが可能となる。その結果、塗膜の内部まで改質処理が行われた優れたガスバリア性を有するガスバリアフィルムを得ることができる。
本発明の実施形態において、副生ガスを系外に排出させて、塗膜の内部における改質反応を促進させるためには、塗膜を改質処理する工程において、フィルム基材の塗膜と反対側の面を、大気圧を基準にして、−1000Pa以上で−10Pa以下に減圧することが望ましい。好ましくは−500Pa以上であり、−80Pa以下である。減圧がこの範囲にあると、優れたガスバリア性を有するガスバリアフィルムを得ることが可能であり、後述するように、フィルム基材が屈曲したり、窒素パージが不十分となったりすることもない。
上述したように、本発明の実施形態において、塗膜の内部において改質反応を促進させるためには、NHやHO、Hなどの副生ガスを塗膜内部から外部へ極力排出することが望まれる。こうした副生ガスは、フィルム基材内を透過させることにより、塗膜のフィルム基材側から排出させることが可能である。即ち、副生ガスを塗膜の表面側からのみならず、フィルム基材側からも排出させることによって、塗膜内部に発生している副生ガスを一層低減させることができ、塗膜内部におけるケイ素酸化物前駆体もしくはケイ素酸窒化物前駆体の改質処理を促進させることが可能となる。
副生ガスをフィルム基材内を透過させるためには、フィルム基材は、水蒸気透過度として40℃、90%RH条件下で1g/(m・24hr)以上、400g/(m・24hr)以下のガス透過性を有することが好ましい。より好ましくは3g/(m・24hr)以上、200g/(m・24hr)以下である。このとき、フィルム基材の塗膜と反対側の面を大気圧に対して減圧にすることによって、反応を過剰に進めすぎて密度の小さい膜を形成することなく、かつ副生ガスの塗膜内における残存量をより一層低下させることができ、改質反応を最適に促進させることができる。
水蒸気透過度の測定は、JIS Z0208の透湿カップ法に準じて行うことができる。水蒸気透過度は一般に、フィルム基材の厚みが厚くなるほど減少する。水蒸気透過度は、フィルム基材の材料、厚み、フィルム基材上に作製されたガスバリア層以外の層、等を制御することによって、適宜設定することができる。水蒸気透過度に優れたフィルム基材の材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)等を挙げることができる。
塗膜を改質処理する方法としては、ガスバリアフィルムの製造ライン上に、複数の真空紫外光源を有するユニットを連続的に配置して、ケイ素酸化物前駆体もしくはケイ素酸窒化物前駆体を含む溶液が塗布されたフィルム基材に連続的に真空紫外光を照射して、改質処理を施す方法がある。
塗膜を改質処理するために必要な真空紫外光源の本数は、真空紫外光源たとえばエキシマランプの放射波長、真空紫外光源1本あたりの照射エネルギー量、真空紫外光源から被照射物であるフィルム基材までの距離、フィルム基材への照射時間、塗膜の厚み、ケイ素酸化物前駆体もしくはケイ素酸窒化物前駆体の種類や含有量等に応じて、適宜決められる。
塗膜に真空紫外光を照射することによって塗膜を改質処理する工程において、真空紫外光の照射量は、ケイ素酸化物前駆体もしくはケイ素酸窒化物前駆体の種類や含有量、塗膜の厚み等によって、適宜調整するものである。一般的には、照射強度と照射時間の積で表される積算照射量で反応進行状況を検討する。
真空紫外光の照射強度が高ければ、改質反応を短時間化することができる。また、内部まで侵入する光子の数も増加するため、改質層の膜厚も増加する。本発明の実施形態では、反応時間の短縮およびより薄膜でガスバリア性能の高いガスバリア層形成のために、真空紫外光の照射強度を10〜200mW/cmとすることが好ましく、30〜100mW/cmとすることがより好ましい。
真空紫外光の照射時間を長くすることで、塗膜中の改質部分の膜厚を厚くすることが可能である。しかし、照射時間が長過ぎるとガスバリアフィルムの平面性の劣化やガスバリアフィルムの他の材料にダメージを与える場合がある。本発明の実施形態においては、連続生産を可能にするためにも照射時間は0.1秒〜10分間にすることが好ましく、より好ましくは0.5秒〜3分間である。
本発明の実施形態の塗膜を改質処理する工程において、真空紫外光照射時の酸素濃度は、10〜10000ppm(0.001〜1vol%)の範囲に調整することが好ましく、更に好ましくは、50〜5000ppmの範囲である。酸素濃度がこの範囲にあるときは、酸素過多のガスバリア層の生成を防止してガスバリア性の劣化を防止することができ、また、真空紫外光による処理効率の低下を防止することができる。
塗膜を改質処理する工程において、真空紫外光照射時の雰囲気としては、上記の酸素以外のガスとして、乾燥不活性ガスとすることが好ましい。乾燥不活性ガスの中では、コストの観点から乾燥窒素ガスにすることが好ましい。酸素濃度の調整は、真空紫外光照射部内へ導入する酸素ガス、不活性ガスの流量を計測し、流量比を変えることで調整することが可能である。
以上説明してきたように、フィルム基材に対して、ケイ素酸化物前駆体もしくはケイ素酸窒化物前駆体を含む溶液を塗布して塗膜を作製する工程、塗膜を改質処理する工程を経て、ガスバリアフィルムを得ることができる。当該ガスバリアフィルムは、巻き取られて、用途・目的に応じて所定の寸法に裁断されて、種々の用途に用いることができる。
(ガスバリアフィルム製造装置)
以下、本発明の実施形態のガスバリアフィルム製造装置について説明する。
図1(a)は、本発明の実施形態のガスバリアフィルムの製造装置の真空紫外光照射部を構成する真空紫外光照射ユニットの外観図である。図1(a)において、真空紫外光照射ユニット1は、エキシマランプホルダー2とエキシマランプ3と窒素ガス配管入口4とを備えている。
図1(b)は、図1(a)の真空紫外光照射ユニット1のA−Aの位置における断面図である。エキシマランプホルダー2内には、窒素ガス配管入口4から乾燥した窒素ガスが供給され、窒素ガス配管5を通って、エキシマランプ3の幅手の両サイドから下方のフィルム基材に向かって窒素ガス6を噴射させることができる。また、エキシマランプ3は、真空紫外光7を下方のフィルム基材に向かって照射することができる。
図4〜図8は、本発明の実施形態および比較例のガスバリアフィルム製造装置の構成を示す断面図である。図4〜7では、本発明の実施形態の真空紫外光照射部34における構成の違いを示している。図8は、比較例である。
ガスバリアフィルム製造装置30(30A〜30D)は、フィルム基材21をロール状に巻かれた状態から繰り出すための繰り出し部31と、フィルム基材21上にケイ素酸化物前駆体もしくはケイ素酸窒化物前駆体を含む溶液を塗布して塗膜を作製する塗布部32と、フィルム基材21上の塗膜を乾燥する乾燥部33と、フィルム基材21上の塗膜に真空紫外光を照射して塗膜を改質処理する真空紫外光照射部34(34A〜34D)と、得られたガスバリアフィルムをロール状に巻き取る巻き取り部35を備えている。
まず、繰り出し部31において、フィルム基材21がロール状に巻かれた状態にあるフィルム基材ロールからフィルム基材21が繰り出される。次に、塗布部32において、塗布機によって、フィルム基材21上にケイ素酸化物前駆体もしくはケイ素酸窒化物前駆体を含む溶液が塗布されて、フィルム基材21上に塗膜が作製される。続いて、乾燥部33において、乾燥機によって、フィルム基材21上の塗膜が乾燥される。
真空紫外光を照射して塗膜を改質処理する真空紫外光照射部34(34A〜34D)は、複数の図1に示した真空紫外光照射ユニット1とフィルム基材21を搬送するための搬送手段を備えている。さらに、個々の真空紫外光照射ユニット1に乾燥した窒素ガスを供給するための配管(不図示)と真空紫外光照射部34(34A〜34D)内の酸素濃度を調整し、窒素ガス雰囲気にするための乾燥した窒素ガスの窒素ガス注入口36と窒素ガス排出口37とを備えている。
図4のガスバリアフィルム製造装置30においては、真空紫外光照射部34は、30個の真空紫外光照射ユニット1(U1〜U30)と2個の搬送ロール20とを有している。2個の搬送ロール20に挟まれるフィルム基材21の下部には、フィルム基材21の塗膜と反対側の面を大気圧に対して減圧にするための部材として、吸引壁38が存在する。吸引壁38のフィルム基材21側を吸引口39から真空ポンプ(不図示)を用いて吸引することにより、大気圧に対して減圧にすることができる。40は、減圧の際の圧力を測定する位置を示している。
図5のガスバリアフィルム製造装置30Aにおいては、真空紫外光照射部34Aは、30個の真空紫外光照射ユニット1(U1〜U30)と1個の吸引ベルト41とを有している。吸引ベルト41は、フィルム基材21を搬送するとともに、フィルム基材21の塗膜と反対側の面を大気圧に対して減圧にするための部材として機能する。吸引ベルト41の内部は、真空ポンプ(不図示)を用いて減圧にすることができる。吸引ベルト41は、表面に多数の孔(不図示)を有している。吸引ベルト41の内部を減圧にすることにより、フィルム基材21の塗膜と反対側の面を大気圧に対して減圧にすることができる。40は、減圧の際の圧力を測定する位置を示している。
図6のガスバリアフィルム製造装置30Bにおいては、真空紫外光照射部34Bは、30個の真空紫外光照射ユニット1(U1〜U30)と32個の搬送ロール20を有している。個々の搬送ロール20の間には間隙が存在する。32個の搬送ロール20によって搬送されるフィルム基材21の下部には、フィルム基材21の塗膜と反対側の面を大気圧に対して減圧にするための部材として、吸引壁38が存在する。個々の搬送ロール20の間には間隙が存在するため、吸引壁38のフィルム基材21側を吸引口39から真空ポンプ(不図示)を用いて吸引することにより、フィルム基材21の塗膜と反対側の面を大気圧に対して減圧にすることができる。40は、減圧の際の圧力を測定する位置を示している。また、32個の搬送ロール20は、それぞれ32個の温度制御機42(T1〜T32)によってロールの表面温度を制御することができる。
図7のガスバリアフィルム製造装置30Cにおいては、真空紫外光照射部34Cは、30個の真空紫外光照射ユニット1(U1〜U30)と32個の吸引ロール43を有している。32個の吸引ロール43は、フィルム基材21を搬送するとともに、フィルム基材21の塗膜と反対側の面を大気圧に対して減圧にするための部材として機能する。吸引ロール43の内部は、真空ポンプ(不図示)を用いて減圧にすることができる。吸引ロール43は、表面に多数の孔(不図示)を有している。吸引ロール43の内部を減圧にすることにより、フィルム基材21の塗膜と反対側の面を大気圧に対して減圧にすることができる。40は、減圧の際の圧力を測定する位置を示している。また、32個の吸引ロール43は、それぞれ32個の温度制御機42(T1〜T32)によってロールの表面温度を制御することができる。
図8の比較例であるガスバリアフィルム製造装置30Dにおいては、真空紫外光照射部34Dは、20個の真空紫外光照射ユニット1(U1〜U20)と39個の搬送ロール20とを有している。フィルム基材21は、39個の搬送ロール20を交互に上下しながら搬送される。フィルム基材21が搬送ロール20の上側にあるときに塗膜に真空紫外光が照射されるように、真空紫外光照射ユニット1は搬送ロール20の1個おきに設置されている。また、39個の搬送ロール20は、それぞれ39個の温度制御機42(T1〜T39)によってロールの表面温度を制御することができる。フィルム基材21の塗膜と反対側の面を大気圧に対して減圧にすることはできない。
真空紫外光照射部34(34A〜34D)を経て、得られたガスバリアフィルムは、最後に、巻き取り部35において巻き取りロールにロール状に巻き取られる。
本発明の実施形態のガスバリアフィルムの製造方法においては、フィルム基材の塗膜と反対側の面を大気圧に対して減圧にする方法の変形例として、以下に記載するような3つの方法(1)〜(3)がある。
(1)フィルム基材の塗膜と反対側の面を、吸引ベルトによって減圧しながらフィルム基材を搬送する方法。
(2)フィルム基材の塗膜と反対側の面を、複数の搬送ロールの間隙から減圧しながらフィルム基材を搬送する方法。
(3)フィルム基材の塗膜と反対側の面を、吸引ロールによって減圧しながらフィルム基材を搬送する方法。
図5は、上記(1)の方法に相当し、図6は、上記(2)の方法に相当し、図7は、上記(3)の方法に相当する。
(窒素パージ)
図3は、本発明の実施形態の真空紫外光照射部34(34A〜34D)において、搬送ロール20間に存在するフィルム基材21の動きを示す拡大断面図である。真空紫外光照射部34(34A〜34D)において、真空紫外光の照射中、フィルム基材21は、複数の搬送ロール20の間を通過する間に、屈曲する。このとき、隣り合う屈曲点間の振幅を22で示した。また隣り合う屈曲点間の最大振幅を22aで示した。
フィルム基材21は、搬送ロール20間を大きな振幅22で搬送されると、真空紫外光照射部34(34A〜34D)内の窒素パージがしにくくなり、酸素濃度が上がってしまうことがある。そのため、真空紫外光を照射している間は、搬送ロール20間のフィルム基材21の隣り合う屈曲点間の最大振幅22aを5mm以下、好ましくは3mm以下に制御することによって、窒素パージを効率的に実施することができる。
(屈曲)
本発明の実施形態において、フィルム基材21上の塗膜が改質不十分のとき、フィルム基材21の搬送中に、フィルム基材21が曲率半径50mm以下(≦R50)に屈曲されると、改質処理前の塗膜にマイクロクラックが発生し、ガスバリアフィルムとしてのガスバリア性が低下することがある。そこで、真空紫外光の照射終了までは、フィルム基材21を曲率半径50mm以下(≦R50)に屈曲しないことが、ガスバリア層にクラック発生させないためには望ましい。上記のフィルム基材21の屈曲点間の最大振幅や曲率半径を制御するためには、個々の搬送ロール20の回転スピードを相互に変更することにより行うことができる。
(温度制御)
本発明の実施形態において、フィルム基材21の温度を100℃程度の高い温度で真空紫外光の照射を行った場合、低い温度で真空紫外光の照射を行った場合と比べて、ガスバリア性能の面内均一性が高いガスバリアフィルムを得ることができる。しかしながら、フィルム基材21の温度を高い温度に維持して真空紫外光の照射を行った場合、処理後のガスバリアフィルムに縦ジワが発生して、外観形状が低下することがある。これは、塗膜を塗布した後に、フィルム基材21にテンションを掛けながら真空紫外光の照射を行って改質処理をすると、処理時の熱によって縦方向の歪みが固定され、それが処理後に緩和されて、縦方向のシワとなって発現するものと考えられる。そのため、縦ジワの発生を抑制するために、改質処理の初期はフィルム基材21の温度を低めにしておき、塗膜に真空紫外光を照射している間に、フィルム基材21の温度を昇温させることが好ましい。フィルム基材21を昇温させる手段としては、搬送ロール20や吸引ロール43の温度を温度制御機42によって調整したり、赤外線ヒータを用いたり、温風を吹きつけたりすることができる。
(平滑層)
本発明の実施形態においては、フィルム基材21上に塗膜を作製する前に、フィルム基材21上に平滑層を形成することが望ましい。フィルム基材21上に存在する凹凸やピンホールを埋めて平坦化して、ガスバリア性の低下を防止することができる。
このような平滑層は、たとえば感光性樹脂を含有する組成物を塗布乾燥後、紫外線や電離放射線等を照射して、硬化させて作製することが好ましい態様である。
平滑層を構成する感光性樹脂としては、例えば、ラジカル反応性不飽和化合物を有するアクリレート化合物を含有する樹脂組成物、アクリレート化合物とチオール基を有するメルカプト化合物を含有する樹脂組成物、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、ポリエチレングリコールアクリレート、グリセロールメタクリレート等の多官能アクリレートモノマーを溶解させた樹脂組成物、エポキシ基や不飽和基を有した有機/無機のハイブリッド型樹脂組成物、等が挙げられる。
また、上記のような樹脂組成物の任意の混合物を使用することも可能であり、光重合性不飽和結合を分子内に1個以上有する反応性のモノマーを含有している感光性樹脂であれば特に制限はない。
平滑層の作製方法としては、特に制限はないが、スピンコート法、ロールコート法、フローコート法、スプレーコート法、ディップコート法、バーコート法、ブレードコート法等のウエットコーティング法により作製することが好ましい。
平滑層の作製では、上述の感光性樹脂に、必要に応じて、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤等の添加剤を加えることができる。また、平滑層を複数設けてもよく、いずれの平滑層においても、製膜性向上および膜のピンホール発生防止等のために適切な樹脂や添加剤を使用してもよい。
平滑層の平滑性は、JIS B0601で規定される表面粗さで表現される値で、最大断面高さRt(p)が、30nm以下であることが好ましい。この範囲よりも大きい場合には、ガスバリア層の塗膜を塗布した後の、凹凸を平滑化することが難しくなる場合がある。
本発明の実施形態における平滑層の厚みは、1〜10μmの範囲が好ましく、更に好ましくは2〜7μmの範囲である。1μm以上にすることにより、平滑層を有するフィルム基材21としての平滑性を十分なものにし易くなり、10μm以下にすることにより、フィルム基材21の光学特性のバランスを調整し易くなる。
(応力緩和層)
本発明の実施形態において、フィルム基材21とガスバリア層との間に、ガスバリアフィルムにかかる応力を緩和するための層として、応力緩和層を設けてもよい。特に、フィルム基材21上に、前述したガスバリア層を作製する場合、前駆体であるケイ素酸化物前駆体もしくはケイ素酸窒化物前駆体の塗膜が改質される際に、高密度化し、塗膜の収縮が起こるため、応力が集中することで、ガスバリア層にクラックが発生するなどの問題が生じる場合がある。
そこで、例えば、フィルム基材21とガスバリア層の中間に位置するような硬度、密度あるいは弾性率などの物性値を有する応力緩和層を設けると、クラック発生などを抑制する効果があると考えている。
具体的には、前述のガスバリア層を作製するためのケイ素化合物として挙げた材料を用いて応力緩和層を作製することが可能である。例えば、密度などを上層のガスバリア層より低くなるように応力緩和層を設計する場合、ガスバリア層と同じ材料を用いても、転化反応の進行度を転化方法や転化条件の選択、あるいは設けるガスバリア層の膜厚などを適宜選択することによって制御することが可能である。また、得られる膜密度自体を応力緩和層に用いる材料の選択によって制御することも可能である。
応力緩和層を構成する材料としては、例えば、オルガノポリシラザンやパーヒドロポリシラザン、アルコキシシラン、あるいは、それらの混合物などを用いることが好ましい。
特に、メチルヒドロポリシラザンなどのオルガノポリシラザンとパーヒドロポリシラザンの混合物を応力緩和層として用い、ガスバリア層にパーヒドロポリシラザンを用いた場合、硬度、密度あるいは弾性率などの物性値に勾配を持たせることでバリアフィルムの曲げに対する応力を緩和する機能を持たせることができ、また、応力緩和層とガスバリア層の密着性を向上させることができる点で大変好ましい。
オルガノポリシラザンとパーヒドロポリシラザンの混合比率は、望みの物性値に制御する目的で適宜選択すればよく、特に制限はない。例えば、オルガノポリシラザンの比率が高くなると、密度は低く設定でき、また、パーヒドロポリシラザンの比率が高くなると、密度は高く設定できる。
また、応力緩和層、ガスバリア層は交互に複数層積層してもよく、熱、湿度、経時で、クラックや層界面での局所的な密着不良等が発生しないような材料構成、あるいは層構成を選択することが好ましい。
(ブリードアウト防止層)
本発明の実施形態において、フィルム基材21上に塗膜を作製する前に、フィルム基材21上にブリードアウト防止層を形成することが望ましい。ブリードアウト防止層は、平滑層を有するフィルム基材21を加熱した際に、フィルム基材21中から未反応のオリゴマーなどが表面へ移行して、接触する面を汚染してしまう現象を抑制する目的で、平滑層を有するフィルム基材21の反対面に設けられる。ブリードアウト防止層は、この機能を有していれば、基本的には、先に述べた平滑層と同じ構成を取るものであっても構わない。
ブリードアウト防止層を構成する感光性樹脂としては、平滑層を構成する感光性樹脂を同様に使用することができる。さらに、分子中に2個以上の重合性不飽和基を有する多価不飽和有機化合物、あるいは分子中に1個の重合性不飽和基を有する単価不飽和有機化合物等を添加することができる。また、添加剤として、マット剤を含有しても良い。マット剤としては、平均粒子径が0.1〜5μm程度の無機粒子が好ましい。
ブリードアウト防止層には、必要に応じて他の成分を配合し、必要に応じて希釈溶剤を用いて塗布液として調製し、当該塗布液をフィルム基材21表面に従来公知の塗布方法によって塗布した後、紫外線や電離放射線等を照射して硬化させることにより作製することができる。
尚、紫外線や電離放射線を照射する方法としては、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、メタルハライドランプなどから発せられる100nm〜400nm、好ましくは200nm〜400nmの波長領域の紫外線を照射する、または走査型やカーテン型の電子線加速器から発せられる100nm以下の波長領域の電子線を照射することにより行うことができる。
ブリードアウト防止層の厚みとしては、ブリードアウト防止層をフィルム基材21の一方の面にのみ設けた場合におけるフィルム基材21のカールを防止する観点から、1〜10μmの範囲が好ましく、更に好ましくは2〜7μmの範囲である。
(包装形態)
本発明の実施形態のガスバリアフィルムは、いわゆるロール・トゥ・ロール方式によって連続生産して、ロール形態に巻き取ることができる。その際、ガスバリア層を作製した面に保護シートを貼合して巻き取ることが好ましい。特に、有機薄膜デバイスの封止材として用いる場合、表面に付着したゴミが原因で欠陥となる場合が多く、クリーン度の高い場所で保護シートを貼合してゴミの付着を防止することは非常に有効である。併せて、巻き取り時に入るガスバリア層表面への傷の防止に有効である。
保護シートとしては、特に限定されるものではないが、膜厚100μm以下程度のフィルム基材21に弱粘着性の接着層を付与した構成の一般的な「保護シート」、「剥離シート」を用いることが出来る。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるわけではない。
(支持体)
熱可塑性樹脂支持体として、両面に易接着加工された125μm厚みのポリエステルフィルム(帝人デュポンフィルム株式会社製、極低熱収PET Q83)をフィルム基材として用いた(以下、「PETフィルム」と記載する)。当該PETフィルムの40℃、90%RH条件下での水蒸気透過度は、4.8g/(m・24hr)であった。
〔ガスバリア性フィルムの作製〕
(ブリードアウト防止層の形成)
上記PETフィルムの片面に、JSR株式会社製UV硬化型有機/無機ハイブリッドハードコート材OPSTAR(登録商標)Z7535を塗布、乾燥後の膜厚が4μmになるようにダイコーターで塗布した後、乾燥条件;80℃、3分で乾燥後、空気下、高圧水銀ランプを使用して、硬化条件;1.0J/cmで硬化を行い、ブリードアウト防止層を形成した。
(平滑層の形成)
続けて上記PETフィルムのブリードアウト防止層とは反対側の面に、JSR株式会社製UV硬化型有機/無機ハイブリッドハードコート材OPSTAR(登録商標)Z7501を塗布、乾燥後の膜厚が4μmになるようにダイコーターで塗布した後、乾燥条件;80℃、3分で乾燥後、空気雰囲気下、高圧水銀ランプを使用して、硬化条件;1.0J/cmで硬化を行い、平滑層を形成した。このときの最大断面高さRt(p)は16nmであった。
表面粗さは、AFM(原子間力顕微鏡)を用いて、極小の先端半径の触針を持つ検出器で連続測定した凹凸の断面曲線から算出する。極小の先端半径の触針により測定距離が30μmの区間内を多数回測定し、微細な凹凸の振幅に関する平均の粗さとして求めた。
(ポリシラザン層の形成)
次に、上記平滑層、ブリードアウト防止層を設けたPETフィルムの平滑層面の上にポリシラザンを含有する塗布液を塗布・乾燥してフィルム試料を作製した。ポリシラザンを含有する塗布液は、無触媒のパーヒドロポリシラザン20質量%ジブチルエーテル溶液(AZエレクトロニックマテリアルズ(株)製アクアミカ(登録商標)NN120−20)とアミン触媒を固形分の5質量%含有するパーヒドロポリシラザン20質量%ジブチルエーテル溶液(AZエレクトロニックマテリアルズ(株)製アクアミカ(登録商標)NAX120−20)を混合して用い、アミン触媒を固形分の1質量%に調整した後、さらにジブチルエーテルで希釈することによりパーヒドロポリシラザン5質量%ジブチルエーテル溶液として調製した。この溶液をダイコーターを用いてラインスピード0.4m/minで塗布したのち、乾燥温度50℃、乾燥雰囲気の露点10℃で1分乾燥後、乾燥温度80℃、乾燥雰囲気の露点5℃で2分乾燥して、乾燥後膜厚150nmのポリシラザン層を形成した。
(VUV光の照射)
ポリシラザン層の形成に引き続いて、VUV光の照射を行った。
VUV光の照射は光源としてエキシマランプを使用し、エキシマランプは、MDエキシマ社製のキセノンエキシマランプ(波長172nm)を用いた。エキシマランプ管面と搬送されているフィルム試料との最短距離が3mmとなるようにエキシマランプを設置した。エキシマランプホルダーにはNガスが供給されており、エキシマランプ幅手の両サイドからフィルム基材面に向かってNが噴射されている(図1(b)参照)。その際、VUV光照射時の酸素濃度は、エキシマランプ全体を囲っている筺体にも窒素ガスを供給してエキシマランプ管面とフィルム基材間の酸素濃度が1.0%以下となるように調整を行った。
なお、エキシマランプのフィルム基材表面に対する照射範囲は、以下の手順で事前に確認した。図2は、エキシマランプのフィルム基材表面に対する照射範囲の測定方法を示す図である。図2(a)に示す様に、照度計(浜松ホトニクス製、C9536/H9535−172)12をエキシマランプ3のランプ管面から3mmの位置になるように可動ステージ10上に設置した。その際、測定時の酸素濃度を安定させるために、照度計12のセンサーの形にくり抜いたアルミニウム板11で測定面(照度計のセンサー上部)の高さを合わせ、測定時の酸素濃度が1.0%以下となるように調整を行った。この状態で、エキシマランプ3を点灯し、可動ステージ10を動かして変位(mm)と照度(mW/cm)を測定した。その結果を図2(b)に示す。照射範囲は、エキシマランプ3直下を原点として、±40mm(トータル80mm)であった。また、上記測定に際して、可動ステージ10の移動速度を0.8m/minに調整してエキシマランプ3の1本あたりの積算光量を測定したところ、200mJ/cmであった。
<ガスバリアフィルム1の作製>
上記で形成した試料を1.0m/minで搬送して、図4に示すガスバリアフィルム製造装置30を用いて、VUV光照射を行った。この際、フィルム基材の塗膜と反対側の面を大気圧を基準にして−50Paに減圧した。
<ガスバリアフィルム2の作製>
上記で形成した試料を1.0m/minで搬送して、図4に示すガスバリアフィルム製造装置30を用いて、VUV光照射を行った。この際、フィルム基材の塗膜と反対側の面を大気圧を基準にして−100Paに減圧した。
<ガスバリアフィルム3の作製>
上記で形成した試料を1.0m/minで搬送して、図5に示すガスバリアフィルム製造装置30Aを用いて、VUV光照射を行った。この際、フィルム基材の塗膜と反対側の面を大気圧を基準にして−50Paに減圧した。
<ガスバリアフィルム4の作製>
上記で形成した試料を1.0m/minで搬送して、図5に示すガスバリアフィルム製造装置30Aを用いて、VUV光照射を行った。この際、フィルム基材の塗膜と反対側の面を大気圧を基準にして−100Paに減圧した。
<ガスバリアフィルム5の作製>
上記で形成した試料を1.0m/minで搬送して、図6に示すガスバリアフィルム製造装置30Bを用いて、VUV光照射を行った。この際、フィルム基材の塗膜と反対側の面を大気圧を基準にして−50Paに減圧した。また、温度制御機T1〜T32を加熱制御して膜面温度を段階的に60から100℃になるように調整した。
<ガスバリアフィルム6の作製>
上記で形成した試料を1.0m/minで搬送して、図6に示すガスバリアフィルム製造装置30Bを用いて、VUV光照射を行った。この際、フィルム基材の塗膜と反対側の面を大気圧を基準にして−100Paに減圧した。また、温度制御機T1〜T32を加熱制御して膜面温度を段階的に60から100℃になるように調整した。
<ガスバリアフィルム7の作製>
上記で形成した試料を1.0m/minで搬送して、図7に示すガスバリアフィルム製造装置30Cを用いて、VUV光照射を行った。この際、フィルム基材の塗膜と反対側の面を大気圧を基準にして−50Paに減圧した。また、温度制御機T1〜T32を加熱制御して膜面温度を段階的に60から100℃になるように調整した。
<ガスバリアフィルム8の作製>
上記で形成した試料を1.0m/minで搬送して、図7に示すガスバリアフィルム製造装置30Cを用いて、VUV光照射を行った。この際、フィルム基材の塗膜と反対側の面を大気圧を基準にして−100Paに減圧した。また、温度制御機42のT1〜T32を加熱制御してフィルム基材の膜面温度を段階的に60から100℃に昇温させるように調整した。
<ガスバリアフィルム9の作製>
フィルム基材の塗膜と反対側の面を大気圧を基準にして0Paとした以外はガスバリアフィルム1と同じ方法で作製した。
<ガスバリアフィルム10の作製>
フィルム基材の塗膜と反対側の面を大気圧を基準にして0Paとした以外はガスバリアフィルム3と同じ方法で作製した。
<ガスバリアフィルム11の作製>
フィルム基材の塗膜と反対側の面を大気圧を基準にして0Paとした以外はガスバリアフィルム5と同じ方法で作製した。
<ガスバリアフィルム12の作製>
フィルム基材の塗膜と反対側の面を大気圧を基準にして0Paとした以外はガスバリアフィルム7と同じ方法で作製した。
<ガスバリアフィルム13の作製>
上記で形成した試料を1.0m/minで搬送して、図8に示すガスバリアフィルム製造装置30Dを用いて、VUV光照射を行った。この際、温度制御機42のT1〜T32を加熱制御してフィルム基材の膜面温度を段階的に60から100℃に昇温させるように調整した。
<ガスバリアフィルム14の作製>
フィルム基材の塗膜と反対側の面を大気圧を基準にして−1200Paに減圧した以外はガスバリアフィルム6と同じ方法で作製した。
<ガスバリアフィルム15の作製>
フィルム基材の塗膜と反対側の面を大気圧を基準にして−1200Paに減圧した以外はガスバリアフィルム8と同じ方法で作製した。
<ガスバリアフィルム16の作製>
真空紫外光の照射中のフィルム基材の温度制御を100℃で一定とした以外はガスバリアフィルム6と同じ方法で作製した。
<ガスバリアフィルム17の作製>
真空紫外光の照射中のフィルム基材の温度制御を100℃で一定とした以外はガスバリアフィルム8と同じ方法で作製した。
各水準で作製した試料について以下の測定を行った。
(水蒸気透過率)
水蒸気透過率は、以下の測定方法により評価した。
[装置]
蒸着装置:日本電子(株)製真空蒸着装置JEE−400
恒温恒湿度オーブン:Yamato Humidic ChamberIG47M
原材料:水分と反応して腐食する金属:カルシウム(粒状)
水蒸気不透過性の金属:アルミニウム(φ3〜5mm、粒状)
[水蒸気透過率評価用セルの作製]
真空蒸着装置(日本電子製真空蒸着装置 JEE−400)を用い、透明導電膜を付ける前のフィルム試料の蒸着させたい部分(12mm×12mmを9箇所)以外をマスクし、金属カルシウムを蒸着させた。その後、真空状態のままマスクを取り去り、フィルム試料片側全面にアルミニウムをもう一つの金属蒸着源から蒸着させた。アルミニウム封止後、真空状態を解除し、速やかに乾燥窒素ガス雰囲気下で、厚さ0.2mmの石英ガラスに封止用紫外線硬化樹脂(ナガセケムテックス製)を介してアルミニウム封止側と対面させ、紫外線を照射することで、評価用セルを作製した。
得られた両面を封止したフィルム試料を60℃、90%RHの高温高湿下で保存し、特開2005−283561号公報記載の方法に基づき、金属カルシウムの腐食量からセル内に透過した水分量を計算した。下記の評価ランクで水蒸気透過率を評価した。
5: 6×10−4g/m/day未満
4: 6×10−4g/m/day以上、8×10−4g/m/day未満
3: 8×10−4g/m/day以上、1×10−3g/m/day未満
2: 1×10−3g/m/day以上、3×10−3g/m/day未満
1: 3×10−3g/m/day以上
(ガスバリアフィルムの経時安定性)
得られたガスバリアフィルムを85℃に調整した恒温恒湿槽内に7日連続で保管し、その後前述と同様の方法、評価ランクで水蒸気透過率を評価した。
恒温恒湿度オーブン:Yamato Humidic ChamberIG47M
(クラック)
ニレコ社製オンライン膜面検査機およびNikon社製微分干渉顕微鏡を用いた膜面観察により、クラックの個数をカウントした。
○:発生無し
△:1mあたり1か所未満の発生あり
×:1mあたり1か所以上の発生あり
(縦ジワ)
室温に24時間放置後、ニレコ社製オンライン膜面検査機および目視判定により、縦ジワの発生個数をカウントした。
○:発生無し
△:1mあたり1か所未満の発生あり
×:1mあたり1か所以上の発生あり
各ガスバリアフィルムの評価結果を表1〜表3にまとめて示した。表1の真空紫外光照射条件において、ハイフン(−)で示された欄は、真空紫外光照射部の構成上、減圧ないしは温度制御ができないことを示している。
Figure 0005825216
ガスバリアフィルム1〜8については、本発明の実施例に該当する。いずれも水蒸気透過率において優れた性能を有している。また、真空紫外光照射条件として、フィルム基材の塗膜と反対側の面を、大気圧を基準にして−50Paよりも−100Paまで減圧した方がより優れた水蒸気透過率を示している。真空紫外光照射条件として、真空紫外光の照射中にフィルム基材の温度を60℃から100℃へ昇温させることによって、より優れた水蒸気透過率を示している。
一方、ガスバリアフィルム9〜12は、本発明の比較例に該当する。いずれも真空紫外光照射条件として、フィルム基材の塗膜と反対側の面を大気圧に対して減圧にすることを行わずに製造したものである。いずれのガスバリアフィルムも水蒸気透過率の性能が劣っている。
Figure 0005825216
ガスバリアフィルム14、15は、それぞれ図6、図7のガスバリアフィルム製造装置30B、30Cを用いて、真空紫外光照射条件として、フィルム基材の塗膜と反対側の面を、大気圧を基準にして−1200Paまで減圧して製造したものである。しかし、ガスバリアフィルム14、15は、それぞれガスバリアフィルム6、8に比べて、減圧の程度が高いため、フィルム基材が真空紫外光照射部内を搬送中に大きく屈曲してしまい、フィルム基材の最小曲率半径として50mm以下の部分が生じている。さらに、隣り合う屈曲点間の最大振幅が5mmを超えており、窒素パージが不十分となって、酸素濃度が0.1%を超えている。その結果、ガスバリアフィルムの評価結果としては、いずれもクラックがわずかに発生している。
Figure 0005825216
ガスバリアフィルム16、17は、それぞれ図6、図7のガスバリアフィルム製造装置30B、30Cを用いて、真空紫外光照射条件として、真空紫外光の照射中にフィルム基材の温度を100℃の一定温度のままで製造したものである。ガスバリアフィルム16、17はそれぞれ、真空紫外光の照射中にフィルム基材の温度を60℃から100℃へ昇温させて製造したガスバリアフィルム6、8に比べて、縦ジワがわずかに発生している。
1 真空紫外光照射ユニット
2 エキシマランプホルダー
3 エキシマランプ
4 窒素ガス配管入口
5 窒素ガス配管
6 窒素ガス
7 真空紫外光
10 可動ステージ
11 アルミニウム板
12 照度計
20 搬送ロール
21 フィルム基材
22 振幅
22a 最大振幅
30、30A、30B、30C、30D ガスバリアフィルム製造装置
31 繰り出し部
32 塗布部
33 乾燥部
34、34A、34B、34C、34D 真空紫外光照射部
35 巻き取り部
36 窒素ガス注入口
37 窒素ガス排出口
38 吸引壁
39 吸引口
40 圧力測定位置
41 吸引ベルト
42 温度制御機
43 吸引ロール

Claims (7)

  1. フィルム基材上に少なくとも1層のガスバリア層を有するガスバリアフィルムの製造方法であって、
    前記フィルム基材上に、ケイ素酸化物前駆体もしくはケイ素酸窒化物前駆体を含む溶液を塗布して塗膜を作製する工程と、
    前記塗膜に真空紫外光を照射することによって前記塗膜を改質処理する工程とを有し、
    前記塗膜を改質処理する工程において、前記フィルム基材の前記塗膜と反対側の面を大気圧に対して減圧にすることを特徴とするガスバリアフィルムの製造方法。
  2. 前記フィルム基材が、水蒸気透過度として40℃、90%RH条件下で1g/(m・24hr)以上のガス透過性を有することを特徴とする請求項1に記載のガスバリアフィルムの製造方法。
  3. 前記塗膜を改質処理する工程において、前記フィルム基材の前記塗膜と反対側の面を、吸引ベルトによって減圧しながら前記フィルム基材を搬送することを特徴とする請求項1または2に記載のガスバリアフィルムの製造方法。
  4. 前記塗膜を改質処理する工程において、前記フィルム基材の前記塗膜と反対側の面を、複数の搬送ロールの間隙から減圧しながら前記フィルム基材を搬送することを特徴とする請求項1または2に記載のガスバリアフィルムの製造方法。
  5. 前記塗膜を改質処理する工程において、前記フィルム基材の前記塗膜と反対側の面を、吸引ロールによって減圧しながら前記フィルム基材を搬送することを特徴とする請求項1または2に記載のガスバリアフィルムの製造方法。
  6. 前記真空紫外光の照射中に前記フィルム基材の温度を昇温させることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のガスバリアフィルムの製造方法。
  7. フィルム基材上に少なくとも1層のガスバリア層を有するガスバリアフィルム製造装置であって、
    前記フィルム基材をロール状に巻かれた状態から繰り出すための繰り出し部と、
    前記フィルム基材上にケイ素酸化物前駆体もしくはケイ素酸窒化物前駆体を含む溶液を塗布して塗膜を作製する塗布部と、
    前記フィルム基材上の前記塗膜を乾燥する乾燥部と、
    前記フィルム基材の前記塗膜と反対側の面を大気圧に対して減圧にしながら真空紫外光を照射して前記塗膜を改質処理する真空紫外光照射部と、
    得られたガスバリアフィルムをロール状に巻き取る巻き取り部と
    を備えることを特徴とするガスバリアフィルム製造装置。
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