JP2016074927A - 成膜装置及び成膜方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の課題は、フィルム端部を把持して搬送しながら成膜を行う際に、搬送機構に起因する膜剥がれや、異物故障の発生が改善された成膜装置及び製膜方法を提供することである。
【解決手段】本発明の成膜装置は、ロール体から巻き出した長尺のベースフィルムの幅方向の両端を把持して搬送する搬送機構によって当該ベースフィルムを搬送しながら、当該ベースフィルム上に機能性層を成膜する成膜装置であって、前記ベースフィルムの幅方向の両端を把持して搬送する搬送機構を有するA室と、前記ベースフィルム上に原料ガスによって成膜を行うB室とを、開口部を有する仕切り板によって分離し、前記B室から前記A室に向かって当該原料ガスが流れるようにしたことを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、成膜装置及び成膜方法に関する。より詳しくは、フィルム端部を把持して搬送しながら成膜を行う際に、搬送機構に起因する膜剥がれや、異物故障の発生が改善された成膜装置及び製膜方法に関する。
従来、ベースフィルム上に機能性層として無機膜が形成された機能性フィルムが広く利用されている。
例えば、食品、医薬品、電子デバイス等の包装材として用いられているガスバリアー性フィルムも、機能性フィルムの1つである。ガスバリアー性フィルムは、ベースフィルム上に形成されたガスバリアー層が、大気中の水、酸素等のガスを遮蔽して内容物の劣化を防ぐ。
無機膜を緻密な薄膜として形成できる方法の1つとして、蒸着法、スパッター法、原子層堆積(ALD:Atomic Layer Depositionともいう。)法等が知られている。
ALD法は、原料を交互に供給し、それぞれの原料を反応させる成膜処理を複数サイクル繰り返し、1サイクルごとに原子層を1層ずつ堆積させて薄膜を形成する方法である。
ALD法により成膜する場合、それぞれ異なる原料が供給される反応室内を行き来するようにベースフィルムを搬送し、複数サイクルの成膜処理を繰り返すことにより、ロール・トゥ・ロール(roll to roll)によって成膜することも可能である。ベースフィルムの搬送にローラーを用いることもできるが、ベースフィルム上の膜の損傷を避けるため、クリップ等の把持具によりベースフィルムの端部を把持する搬送機構を用いることもできる(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、このようなフィルム端部を把持して搬送しながら成膜を行う装置においては、把持部材で使用するグリース等の潤滑剤が揮発してフィルム表面へ拡散し、フィルムの表面に成膜する薄膜が剥がれやすくなるという問題があった。
また、クリップのような金属部品での把持を行った場合には、把持の衝撃で発生するベースフィルムからのパーティクルやクリップによるフィルムの削れ屑、またチェーン部分で発生する金属屑がフィルム上に残り、形成する薄膜の品質を劣化させるという問題があった。
したがって、フィルムの端部を把持する搬送機構に起因する様々な影響をベースフィルム表面に与えずに、成膜する成膜装置や成膜方法が求められていた。
特許第5206908号公報
本発明は、上記問題・状況に鑑みてなされたものであり、その解決課題は、フィルム端部を把持して搬送しながら成膜を行う際に、搬送機構に起因する膜剥がれや、異物故障の発生が改善された成膜装置及び製膜方法を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決すべく、上記問題の原因等について検討する過程において、長尺のベースフィルムの幅方向の両端を把持して搬送する搬送機構によって当該ベースフィルムを搬送しながら、当該ベースフィルム上に機能性層を成膜する際に、搬送機構を有する室と、成膜を行う室を仕切りによって分離し、原料ガスが特定の方向に流れるようにした成膜装置によって、本発明の課題が解決できることを見出した。
すなわち、本発明に係る上記課題は、以下の手段により解決される。
1.ロール体から巻き出した長尺のベースフィルムの幅方向の両端を把持して搬送する搬送機構によって当該ベースフィルムを搬送しながら、当該ベースフィルム上に機能性層を成膜する成膜装置であって、
前記ベースフィルムの幅方向の両端を把持して搬送する搬送機構を有するA室と、前記ベースフィルム上に原料ガスによって成膜を行うB室とを、開口部を有する仕切り板によって分離し、前記B室から前記A室に向かって当該原料ガスが流れるようにしたことを特徴とする成膜装置。
2.少なくとも前記B室には前記原料ガスの給気口があり、少なくとも前記A室には当該原料ガスの排気口があることを特徴とする第1項に記載の成膜装置。
3.前記仕切り板の開口率が、70%未満であることを特徴とする第1項又は第2項に記載の成膜装置。
4.前記B室の温度が、前記A室の温度より高くなるように調整されていることを特徴とする第1項から第3項までのいずれか一項に記載の成膜装置。
5.前記機能性層の成膜が、原子層堆積法によって行われることを特徴とする第1項から第4項までのいずれか一項に記載の成膜装置。
6.ロール体から巻き出した長尺のベースフィルムの幅方向の両端を把持して搬送する搬送機構によって当該ベースフィルムを搬送しながら、当該ベースフィルム上に機能性層を成膜する成膜方法であって、
前記ベースフィルムの幅方向の両端を把持して搬送する搬送機構を有するA室と、前記ベースフィルム上に原料ガスによって成膜を行うB室とを、開口部を有する仕切り板によって分離し、前記B室から前記A室に向かって当該原料ガスが流れるようにしながら行うことを特徴とする成膜方法。
7.少なくとも前記B室には前記原料ガスの給気口を設け、少なくとも前記A室には当該原料ガスの排気口を設けることを特徴とする第6項に記載の成膜方法。
8.前記仕切り板の開口率を、70%未満とすることを特徴とする第6項又は第7項に記載の成膜方法。
9.前記B室の温度が前記A室の温度より高くなるように調整することを特徴とする第6項から第8項までのいずれか一項に記載の成膜方法。
10.前記機能性層の成膜が、原子層堆積法によって行われることを特徴とする第6項から第9項までのいずれか一項に記載の成膜方法。
本発明の上記手段により、フィルム端部を把持して搬送しながら成膜を行う際に、搬送機構に起因する膜剥がれや、異物故障の発生が改善された成膜装置及び製膜方法を提供することができる。
本発明の効果の発現機構ないし作用機構については、明確にはなっていないが、以下のように推察している。
成膜装置において、その内部に回転機構やスライド機構のような駆動部を持つ装置は多く存在するが、基本的には駆動部は成膜対象からは隔離又は限定されるため、潤滑剤やパーティクルの成膜への影響は見られない。
本発明のフィルム端部を把持して搬送しながら成膜を行う成膜装置は、駆動部が成膜対象に直接接触する機構であるため、従来の装置よりも潤滑剤からの揮発物質やパーティクルの影響を受けやすいものであった。
本発明の成膜装置の構成によれば、フィルム端部を把持する搬送機構を有する部屋と、フィルム表面を成膜処理する部屋とに分離することで、潤滑剤からに揮発物質やパーティクル及び金属屑等の影響を抑制することができる。さらに、原料ガスの流れを「フィルム表面を成膜処理する部屋」から「フィルム端部を把持する搬送機構を有する部屋」となるようにすることで、原料ガスの流れが一方向になるため、その効果がより高められるものと推察される。
搬送機構30の概略構成を示す模式図 搬送機構30の別の一例を示す模式図 本発明の成膜装置の一例である成膜装置Aの側面図 本発明の成膜装置Aと従来例の成膜装置の断面図 本発明の成膜装置の別の一例である成膜装置Bの側面図 本発明の成膜装置Bと従来例の成膜装置の断面図 本発明の成膜装置の別の一例である成膜装置Cの概略図 本発明の成膜装置の別の一例である成膜装置Cの側面図 本発明の成膜装置Cと従来例の成膜装置の断面図 機能性フィルムの一例を示す断面図
本発明の成膜装置は、ロール体から巻き出した長尺のベースフィルムの幅方向の両端を把持して搬送する搬送機構によって当該ベースフィルムを搬送しながら、当該ベースフィルム上に機能性層を成膜する成膜装置であって、前記ベースフィルムの幅方向の両端を把持して搬送する搬送機構を有するA室と、前記ベースフィルム上に原料ガスによって成膜を行うB室とを、開口部を有する仕切り板によって分離し、前記B室から前記A室に向かって当該原料ガスが流れるようにしたことを特徴とする。この特徴は、請求項1から請求項10までの請求項に係る発明に共通する技術的特徴である。
本発明の実施態様としては、本発明の効果発現の観点から、少なくとも前記B室には前記原料ガスの給気口があり、少なくとも前記A室には当該原料ガスの排気口があることが、好ましい。これにより、原料ガスの流れを一定方向に制御しやすくなり、搬送機構に起因する膜剥がれや、異物故障の発生を抑制することができる。
また、前記仕切り板の開口率が、70%未満であることが、好ましい。これにより、原料ガスを効率的に成膜に供することができ、成膜と、搬送機構に起因する膜剥がれや、異物故障の発生の抑制とを、よりバランスさせることができ、生産性が向上する。
さらに、前記B室の温度が、前記A室の温度より高くなるように調整されていることが、好ましい。これにより、B室からA室への原料ガスの流れを円滑にして、搬送機構に起因する膜剥がれや、異物故障の発生をより改善することができる。
本発明の成膜装置で行われる前記機能性層の成膜が、原子層堆積法によって行われることが、好ましい。これによって、搬送機構に起因する膜剥がれや、異物故障の発生が改善された機能性層の成膜をより高生産性で行うことができる。
本発明の成膜方法の好ましい態様は、上述した成膜装置と同様であるので、説明を省略する。
以下、本発明とその構成要素、及び本発明を実施するための形態・態様について詳細な説明をする。なお、本願において、「〜」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用する。
≪本発明の成膜装置及び製膜方法の概要≫
本発明の成膜装置は、ロール体から巻き出した長尺のベースフィルムの幅方向の両端を把持して搬送する搬送機構によって当該ベースフィルムを搬送しながら、当該ベースフィルム上に機能性層を成膜する成膜装置であって、前記ベースフィルムの幅方向の両端を把持して搬送する搬送機構を有するA室と、前記ベースフィルム上に原料ガスによって成膜を行うB室とを、開口部を有する仕切り板によって分離し、前記B室から前記A室に向かって当該原料ガスが流れるようにしたことを特徴とする。
本発明の成膜装置の構成によれば、フィルム端部を把持する搬送機構を有する部屋と、フィルム表面を成膜処理する部屋とに分離することで、潤滑剤からの揮発物質やクリップ等でベースフィルムを把持したときに発生するパーティクルや金属屑等が、成膜時にベースフィルム上に拡散して故障になることを抑制し、成膜の均一性や歩留まりを向上することができる。さらに、原料ガスの流れを「フィルム表面を成膜処理する部屋」から「フィルム端部を把持する搬送機構を有する部屋」となるように原料ガスの流れを一方向とするように、適切な給気口や排気口を設けることや、それぞれの部屋の温度を変えることを採用することで、前記揮発物質や、パーティクル及び金属屑等を、「フィルム表面を成膜処理する部屋」に拡散することを抑制し、その効果がより高められるものと考えられる。
<本発明の成膜装置及び製膜方法の構成>
〔1〕搬送機構
本発明の成膜装置は、ロール体から巻き出した長尺のベースフィルムの幅方向の両端を把持して搬送する搬送機構によって当該ベースフィルムを搬送しながら、当該ベースフィルム上に機能性層を成膜することが特徴である。
ベースフィルムの幅方向の両端を把持して搬送する搬送機構としては、特に限定されるものではなく、搬送機構の一部がベースフィルムの両端部に接触するだけで、成膜面が他の部位に全く接触しない状態で搬送する機構を有するものである。
当該搬送機構としては、種々な実施形態が考案されているが、例えば、図1で示すような1対のチェーンと、複数のスプロケットと、複数のクリップによって、ベースフィルムの両端部を把持しながら搬送する機構が挙げられる。
図1は、本発明に係る搬送機構30の概略構成を示している。図1の搬送機構は、本発明の搬送機構の好ましい一例を示すものであり、適宜変形を加えることも可能であって、これに限定されるものではない。
搬送機構30は、図1に示すように、1対のチェーン31、複数のスプロケット32、複数のクリップ33等を備えて構成されている。
搬送機構30は、複数のクリップ33によりベースフィルム1を把持し、複数のスプロケット32の回転によってチェーン31を移動させることにより、ベースフィルム1を搬送することができる。
1対のチェーン31は、複数のスプロケット32に架け渡され、各スプロケット32の回転によって移動する無端状のチェーンである。1対のチェーン31が架け渡される位置は、ベースフィルム1の幅方向の両端の位置に対応するように調整されている。各チェーン1は、把持開始位置から把持終了位置までの間、ベースフィルム1の搬送経路に沿って移動し、把持終了位置以降は把持開始位置まで戻る周回経路に沿って移動する。
複数のスプロケット32は、ベースフィルム1の搬送経路と周回経路のそれぞれに沿って配置されている。
複数のクリップ33は、ベースフィルム1の把持具であり、1対のチェーン31のそれぞれに一定間隔で取り付けられている。クリップは凹溝を有する部材とともにベースフィルム端部を把持するための係止部材を有しており、把持開始位置においてクローザーと呼ばれる部材にてフィルムの把持を開始し、搬送後半部の把持終了位置にてオープナーと呼ばれる部材にてベースフィルムの把持を解放する。
なお、把持具をベースフィルム1の搬送経路と周回経路に沿って移動させることができるのであれば、搬送機構30は上述した構成に限られず、レールとレール上を走行する把持具等から構成されてもよい。
把持具33とチェーン31の高さ位置は、ほぼ均一であることが望ましい。高さにズレがあると、ベースフィルム1とチェーン31の走行距離に差が生じ、フィルムに引張りまたは圧縮の力が加わり、フィルムの機能を損なう恐れがある。
このような搬送装置は通常テンターと呼称される把持具付き搬送装置であり、特開昭62−46625号公報、特開平11-227998号公報、特許第5206908号公報等に記載されている装置を適宜好ましく用いることもできる。
また、ベースフィルムの両端部を把持しながら搬送する別の機構として、図2で示すような、ベースフィルム1の両端部にパーフォレーション状のパンチ穴2を開け、そのパンチ穴2にスプロケット32の凸部状突起を嵌合させながら、スプロケット32の回転により、フィルムベースを搬送する方法も用いることができる。このような搬送機構によって、ベースフィルムの搬送方向とそれに直交する方向ともに位置ズレの少ない搬送が可能である。
〔2〕成膜装置A:実施形態1
図3は、本発明の成膜装置の一例である成膜装置Aを示す側面図である。
図3(a−1)は、成膜装置Aの本発明に係る仕切り板を省略して、ベースフィルム1の搬送される状態を分かりやすく示した模式図である。
成膜装置Aを真空にした後、あらかじめ両端部にパーフォレーション状の穴を開けたベースフィルム1を、複数のスプロケット32の凸部状突起を当該パーフォレーション状の穴に嵌合させながら、当該スプロケットの回転によって搬送する。次いで、水平搬送部位において、蒸着源である抵抗加熱ボート3から、蒸着用原料を蒸発させながら蒸着マスク(不図示)で覆ったベースフィルム1上に蒸着膜を形成する。
蒸着は、抵抗加熱法、EB法(エレクトロンビーム法)、又はイオンプレーティング法などが好ましく、真空下で行う真空蒸着法であることが好ましい。
(真空蒸着法)
真空蒸着法は、固体である物質を減圧状態に置き、加熱をすることにより蒸気圧を上げ、その結果液体から気体に又は固体のまま気体にして蒸発をさせ、基板に固体の被膜を形成する方法である。ここでいう「気体」は本発明でいう「原料ガス」である。
真空蒸着装置には、抵抗加熱タイプ真空蒸着装置や電子ビームタイプ真空蒸着装置が挙げられるが、抵抗加熱タイプ真空蒸着装置を用いることが好ましい。
蒸着条件は、使用する化合物の種類等により異なるが、一般にボート加熱温度30〜450℃、真空度10−6〜10Pa、蒸着速度0.01〜50nm/秒の範囲内で行うことが好ましい。
前記蒸着速度は特に限定されないが、0.01〜1nm/secの範囲で製膜されることがより好ましく、0.02〜0.5nm/secの範囲で製膜されることが更に好ましい。
なお、2種以上の材料の混合膜を成膜する場合は、2つ以上のボート各々に異なる材料を載せ、同時に蒸着する共蒸着法を用いることが好ましい。
蒸着で好ましく用いられる材料は特に限定されるものではなく、無機化合物であっても、有機化合物であってもよい。
無機化合物としては、例えば、アルミニウム、銀、マグネシウム、リチウム、マグネシウム/同混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、インジウム、リチウム/アルミニウム混合物、希土類金属、酸化インジウム・スズ(SnO−In:Indium Tin Oxide:ITO)、ZnO、TiO、SnO等の酸化物半導体等が挙げられる。
有機化合物としては、例えば、テトラエトキシシラン(TEOS)に代表される有機ケイ素化合物や、アクリレート化合物を含有する組成物、アクリレート化合物とチオール基を含有するメルカプト化合物とを含有する組成物、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、ポリエチレングリコールアクリレート、グリセロールメタクリレート等の多官能アクリレートモノマーを含有する組成物等、ラジカル重合性化合物あるいはカチオン重合性化合物が挙げられる。具体的には、ポリメチルメタクリレートオリゴマーやポリメチルアクリレートオリゴマー等が好ましく用いられる。
図3(a−2)は、図3(a−1)の装置に、本発明に係る仕切り板34を設置したときの側面図である。
仕切り板34は、「フィルム表面を成膜処理する部屋であるB室」と、「フィルム端部を把持する搬送機構を有する部屋であるA室」とを区切る仕切り板であり、フィルム端部を担持する搬送機構の動作を阻害しないように、適当な幅の開口部35を設けてある。
成膜装置Aの開口部を含む仕切り板全体の面積に対する、開口部35の面積の比率を、本発明では開口率と定義する。開口率は、10%以上70%未満であることが好ましく、開口率がこの範囲であれば、原料ガスを効率的に成膜に供することができ、成膜効率と、搬送機構に起因する膜剥がれや、異物故障の発生の抑制とを、よりバランスさせることができ、生産性が向上する。より好ましくは10〜50%の範囲内であり、さらに好ましくは10〜30%の範囲内である。開口率が、10%以上であれば、原料ガスの流れによるベースフィルムのばたつきがあっても、仕切り板とベースフィルムが接触することを回避することができる。
図4は、本発明の成膜装置Aと従来例の成膜装置の断面図である。
図4(a)は、本発明の成膜装置Aであり、スプロケット32の回転によって、ベースフィルム1を非接触で搬送するところを、開口部を含めて上流側からみた断面図である。
開口部35を有する仕切り板34で、「フィルム表面を成膜処理するB室」と、その両側の「フィルム端部を把持する搬送機構を有するA室」を区分けする。
仕切り板34の材質は、特に限定されるものではなく、耐熱性を有し、塵埃などの発生が少ないものであれは特に制限はないが、鉄、銅、ニッケル、クロム、モリブデン、アルミニウム、マグネシウム、亜鉛、等の単独または合金からなる金属が好ましい。成膜に用いる原料が腐食性を有する場合には耐腐食性を有するものが好ましく用いられる。価格や加工性、耐久性の点においてアルミニウム、ステンレスなどが好ましく用いられる。
仕切り板の厚さは特に限定はなく、強度の観点から、1〜20mm程度であることが好ましく、5〜20mmの範囲内であることがより好ましい。また、内部が中空であってもよい。
B室の両側のA室には、好ましくはそれぞれ排気口が設けられており、成膜装置Aから系外に内部の処理済み及び余剰になった原料ガスを強制的に排気する。そのため、A室はB室に対して負圧になることから、成膜の終了した蒸着用原料の蒸発ガスは、B室からA室に流れ、排気口から排出される。
排気口を設けることで、ガスの流れを一定方向に制御しやすくなり、搬送機構から成膜部への揮発物質や異物の拡散を防ぐことができ、搬送機構に起因する膜剥がれや、異物故障の発生を抑制することができる。
さらに、前記A室及び前記B室の室内の温度としては、前記B室の温度が、前記A室の温度より高くなるように調整されていることが、好ましい。これにより、B室からA室への原料ガスの流れを円滑にして、搬送機構に起因する膜剥がれや、異物故障の発生をより改善することができる。
前記A室及び前記B室の室内の温度差は、0℃以上30℃未満であることが好ましい。5℃以上の温度差であると本発明の効果をより発現することができる。温度差の上限としては、効果と省エネルギーを両立する観点から30℃未満であることが好ましい。
温度差をつける手段としては、前記B室に加熱手段を設置する方法、前記A室に冷却手段を設置する方法、又は、前記B室に加熱手段を設置し、前記A室に冷却手段を設置する方法等が好ましい。また、A室にNなどの不活性ガスを供給すると室温が下がるため、特別な冷却装置を設けなくてもよい。A室にNを供給して温度を下げる場合は、Nの供給量にが増えすぎないように調整を行う必要がある。
加熱手段としては、温風を吹き付ける方法、セラミックヒーターを用いる方法、原料ガスを加熱しながら導入する方法、ハロゲンランプやニクロム線を具備したヒーターによって輻射熱を与える方法等、公知の方法を単独で、又は組み合わせて用いることができる。中でも、原料ガスをあらかじめ加熱してから導入することは、好ましい方法である。
冷却手段として、一般的なチラー等の冷却装置によって冷却した気体をA室に給気する方法であることが好ましい。
図4(b)は、従来の装置であり、「フィルム表面を成膜処理するB室」と、その両側の「フィルム端部を把持する搬送機構を有するA室」を区分けする仕切り板がなく、「フィルム表面を成膜処理するB室」の内部に搬送機構が設置され動作する。
この場合は、搬送機構から成膜部への揮発物室や異物の拡散を防ぐことができないため、把持部材で使用するグリース等の潤滑剤が揮発してフィルム表面へ拡散し、フィルムの表面に成膜する薄膜が剥がれやすくなるという密着性に係る問題がある。
〔3〕成膜装置B:実施形態2
成膜装置Bは、長尺のベースフィルム1のロール体を巻き出して搬送し、ベースフィルム1上に原子層堆積(ALD:Atomic Layer Deposition)法により成膜を行って巻き取る実施形態である。
ALD法は、ベースフィルム上に2種以上の原料を交互に供給し、各原料を反応させる成膜処理を複数サイクル繰り返し、1サイクルごとに原子層(実際には化合物の分子層であり得る。)を1層ずつ堆積させて薄膜を形成する方法である。ALD法であれば、ALD法の1種であるPEALD(Plasma Enhanced ALD)法、熱ALD法等を用いることもできる。
本発明の成膜装置Bは、複数の「フィルム表面を成膜処理するB室」を具備し、それぞれB1室、B2室、B3室、B4室、B5室、・・・と連続したB室に、それぞれ目的の機能性層を形成する原料ガスを導入して、連続的に機能性層を積層することのできる成膜装置である。B室は、必要によって成膜用原料ガス以外に、不活性ガス等のパージガスを加えることもできる。
図5は、本発明の成膜装置Bの側面図である。
図5(a−1)は、成膜装置Bの本発明に係る仕切り板を省略して、ベースフィルム1の搬送される状態を分かりやすく示した模式図である。
成膜装置Bを真空にした後、図1で示した複数のクリップ33によりベースフィルム1を把持し、複数のスプロケット32の回転によってチェーン31を移動させながら、ベースフィルムを水平に搬送し、順次、B1室、B2室、B3室、B4室、B5室、・・・とベースフィルムを搬送しながら、複数の原料ガスにより原料をベースフィルム上に吸着させて機能性層を積層する。例えば、図5(a−1)では、B1室にはトリメチルアルミニウムのガス、B2室には不活性ガスであるN、B3室には、HO蒸気、B4室には不活性ガスであるNを給気して1サイクルとし、さらにB5室には、成膜サイクルの繰り返しとしてトリメチルアルミニウムのガスを給気口より導入し、フィルム表面を成膜処理する。
図5(a−2)は、図5(a−1)の装置に、本発明に係る仕切り板34を設置したときの側面図である。
仕切り板34の材質、開口率は前記した範囲内にすることが好ましい。
図6は、本発明の成膜装置Bと従来例の成膜装置の断面図である。
図6(a)は、本発明の成膜装置Bであり、クリップ33により、ベースフィルム1の両端部を担持し非接触で搬送するところを、開口部を含めて上流側からみた断面図である。
開口部35を有する仕切り板34で、「フィルム表面を成膜処理するB室」と、その両側の「フィルム端部を把持する搬送機構を有するA室」を区分けする。
図では、B室に原料ガス又は不活性ガスの給気口を設け、両側のA室にそれぞれ排気口を設けている。当該排気口により内部の余剰になった原料ガスを強制的に排気する。そのため、A室はB室に対して負圧になることから、成膜の終了した余剰の原料ガスは、B室からA室に流れ、排気口から排出される。
図6(b)は、従来の装置であり、「フィルム表面を成膜処理するB室」と、その両側の「フィルム端部を把持する搬送機構を収納するA室」を区分けする仕切り板がなく、「フィルム表面を成膜処理するB室」の内部に搬送機構が設置され動作する。
この場合は、クリップのような金属部品での把持を行った場合には、把持の衝撃で発生するベースフィルムからのパーティクルやクリップによるフィルムの削れ屑、またチェーン部分で発生する金属屑がフィルム上に残り、薄膜の品質を劣化させるという問題がある。
〔4〕成膜装置C:実施形態3
成膜装置Cは、ALD法によって成膜を行う別の一例の実施形態である。
以下、成膜装置Cの構成を説明する。
成膜装置Cは、図7に示すように、2つの原料供給部21及び22と、パージ部23とを備えている。各原料供給部21及び22とパージ部23は、真空ポンプ等によって真空圧下に調整されている。
また、成膜装置Cは、搬送機構の周回経路(搬送機構周回部24ともいう。)としてチャンバーC4を設置し、ここを搬送機構が通過する。搬送機構周回部24を設けることは、チェーンに成膜原料等の汚れが付着しない観点から、好ましい。
原料供給部21及び22、パージ部23及び搬送機構周回部24のそれぞれの間には仕切り板が配置され、仕切り板によってそれぞれのチャンバーC1〜C4が形成されている。仕切り板は、各チャンバーC1〜C4内をベースフィルム1が通過できるように、ベースフィルム1の搬送経路上に開口が設けられている。ベースフィルムと開口部との間隔は、10mm以上であればベースフィルムの搬送のばたつきにより仕切り板と接触して損傷を受けることはなく、100mm以下であれば原料供給部及び改質処理部の原料濃度を安定化させることができる。
原料供給部21及び22は、形成する膜の原料をガス状にしてそれぞれのチャンバーC1及びC3内へ供給する。原料は、プレカーサー(前駆体)とも呼ばれる。
チャンバーC1においては、ベースフィルム1の表面に原料供給部21により供給された第1原料が吸着し、チャンバーC3においては、ベースフィルム1の表面に原料供給部22により供給された第2原料が吸着する。
パージ部23は、原料供給部21及び22に供給される原料ガスが混合しないように、不活性ガス等をチャンバーC2内に供給する。不活性ガスは、上記原料との反応性が低いガスをいう。使用できる不活性ガスとしては、例えば希ガス等が挙げられ、原料との反応性が低いのであれば、窒素(N)ガス等も使用することができる。
図7では、ALD法を用いた場合、原料供給部21及び22によりそれぞれ供給される原料ガスにベースフィルム1を交互に曝して、原料同士を化学反応させて金属酸化物等の無機膜を形成する。
これに対し、PEALD法では、ベースフィルム1上に原料を吸着させた後、酸素、オゾン等のプラズマを用いて原料を改質処理することにより、金属酸化物等の無機膜を形成することができる。この場合は、チャンバーC2内にプラズマ発生用の電極を設置し、上記酸素又はオゾンを供給しながら、プラズマによる改質処理を行う。PEALD法においては、原料供給部21及び22は同じ原料を供給することもできるし、異なる原料を供給することもできる。異なる原料とした場合、原料供給部21により供給された第1原料を改質処理して得られた無機膜と、原料供給部22により供給された第2原料を改質処理して得られた無機膜とを交互に積層することができる。
原料供給部21及び22に供給される原料は、所望の無機膜を形成するため適宜選択される。
例えば、原料としては、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、ケイ素(Si)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、ランタン(La)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、マグネシウム(Mg)、亜鉛(Zn)等の金属元素を含有する金属化合物を用いることができる。無機膜は、当該原料を改質処理して得られた金属酸化物、金属窒化物等の金属化合物を含有し得る。
例えば、改質処理により酸化アルミニウム(Al)、窒化アルミニウム等の金属化合物を含有する無機膜を形成する場合、第1原料としてはアルミニウムを含み、気化できるアルミニウム化合物であれば特に制限はない。そのようなアルミニウム化合物としては、例えば塩化アルミニウム(AlCl)、トリメチルアルミニウム(Al(CH)、トリエチルアルミニウム(TEA)、トリクロロアルミニウム等が挙げられる。
改質処理により酸化ケイ素(SiO)、窒化ケイ素(SiN)等の金属化合物を含有する無機膜を形成する場合、第1原料としてはトリシラン(Si)、ジシラン(Si)、モノシラン(SiH)の他、モノクロロシラン(SiHCl)、ジクロロシラン(SiHCl)、ヘキサクロロジシラン(SiCl)、テトラクロロシラン(SiCl)、トリクロロシラン(SiHCl)等のクロロシラン系、テトラキスジメチルアミノシラン(Si[N(CH)2])、トリスジメチルアミノシラン(Si[N(CHH)、ビスジエチルアミノシラン(Si[N(C)、ビスターシャリーブチルアミノシラン(SiH[NH(C)])等のアミノシラン系、Si(OC、SiHCl、Si(NO等が挙げられる。
改質処理により酸化チタン(TiO)、窒化チタン、炭窒化チタン等の金属化合物を含有する無機膜を形成する場合、第1原料としてはTiF、四塩化チタン(TiCl)、TiBr、TiI、テトラキスジメチルアミノチタン([(CHN]Ti)、テトラキスジエチルアミノチタンTi[N(C、Ti[N(CCH)]、チタン(IV)イソプロポキシド(Ti[(OCH)(CH)が挙げられる。
改質処理により酸化ジルコニウム(ZrO)等の金属化合物を得る場合、第1原料としてはZr(NO、ZrCl、テトラキスジメチルアミノジルコニウム(IV)(Zr[(CHN])、テトラキス(エチルメチルアミノ)ジルコニウム(IV)(Zr[N(CH)CHCH)等が挙げられる。
また、改質処理により酸化亜鉛(ZnO)等の金属化合物を得る場合、第1原料としては二塩化亜鉛(ZnCl)等が挙げられる。
他の原料としては、上記第1原料を酸化する場合は、第2原料として水(HO)、酸素、オゾン(O)、メタノール、エタノール等を用いることができる。原料を窒化する場合は窒素、アンモニア(NH)等を用いることができる。これらのガスに、水素(H)ガスを併用してもよい。
無機膜をガスバリアー層として形成する場合には、ガスバリアー性を高める観点から、無機膜が、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム(MgO)、酸化ハフニウム(HfO)、酸化ランタン(La)等の金属酸化物を含有することが好ましい。トリメチルアルミニウム、四塩化チタン等を第1原料及び第2原料とする酸化アルミニウム、酸化チタンは、分子量の大きさが膜の凹凸の補修に適しており、カバレッジ性が高まることから、特に好ましい。
また、各原料ガスの供給時間、成膜温度、成膜時の圧力等の成膜条件を調整することにより、AlO、TiO、SiO、ZrOのような中間酸化物、中間窒化物をガスバリアー層の材料として使用することもでき、必要に応じて使用すればよい。
第1原料の供給時間は、0.05〜10.00秒の範囲内であることが好ましく、0.1〜3.0秒の範囲内であることがより好ましく、0.5〜2.0秒の範囲内であることがさらに好ましい。
供給時間が上記範囲内であれば、ベースフィルム1の表面に第1原料を必要十分に吸着させることができる。
改質処理をする場合の改質処理の処理時間は、0.05〜10.00秒の範囲内であることが好ましく、0.1〜3.0秒の範囲内であることがより好ましく、0.5〜2.0秒の範囲内であることがさらに好ましい。
供給時間が上記範囲内であれば、第2原料をベースフィルム1上の第1原料と必要十分に改質反応させることができる。
原料供給部21及び22により同じ原料を供給する場合は、上記手順により2サイクルの成膜処理を行うことができる。異なる原料を供給する場合は、上記手順により1サイクルの成膜処理を行うことができる。
成膜装置Cは、ベースフィルム1の搬送手段として、図7に示すように、ベースフィルム1を巻き出すアンワインダー11と、巻き取るワインダー15と、ローラー12、14、16とを備えている。
成膜装置Cは、アンワインダー11によりベースフィルム1を巻き出し、前記搬送機構30によりパージ部23を経由して原料供給部21と原料供給部22に繰り返し搬送する。そして、膜が形成されたベースフィルム1をワインダー15により巻き取る。
搬送機構30は、巻き出されたベースフィルム1の幅方向の両端を開始位置Spにおいて把持して搬送し、ベースフィルム1が巻き取られる前の終了位置Epにおいてベースフィルム1を解放する。ベースフィルム1の幅方向とは、ベースフィルム1の長さ方向と直交する方向である。
搬送機構30は、ベースフィルム1が巻き出されてから巻き取られるまでの間、把持したベースフィルム1を解放することなく、連続してベースフィルム1を搬送することが好ましい。
図8は、本発明の成膜装置Cの側面図である。
図8(a−1)は、成膜装置Cの本発明に係る仕切り板を省略して、ベースフィルム1の搬送される状態を分かりやすく示した模式図である。図では、原料供給部21をB1室、パージ部23をB2室、原料供給部22をB3室と表記した。
図8(a−2)は、図8(a−1)の装置に、本発明に係る仕切り板34を設置したときの側面図である。
仕切り板34の材質、開口率は前記した範囲内にすることが好ましい。
図9は、本発明の成膜装置Cと従来例の成膜装置の断面図である。
図9(a)は、本発明の成膜装置Cであり、クリップ33により、ベースフィルム1の両端部を担持し非接触で搬送するところを、開口部を含めて上流側からみた断面図である。
開口部35を有する仕切り板34で、「フィルム表面を成膜処理するB室(B1〜B3室)」と、その両側の「フィルム端部を把持する搬送機構を有するA室」を区分けする。
図では、B室に給気口を設け、両側のA室にそれぞれ排気口を設けている。当該排気口により内部の余剰になった原料ガスを強制的に排気する。そのため、A室はB室に対して負圧になることから、成膜の終了した原料ガスは、B室からA室に流入し、排気口から排出される。
図9(b)は、従来の装置であり、「フィルム表面を成膜処理するB室」と、その両側の「フィルム端部を把持する搬送機構を有するA室」を区分けする仕切り板がない。
この場合も同様に、クリップのような金属部品での把持を行った場合には、把持の衝撃で発生するベースフィルムからのパーティクルやクリップによるフィルムの削れ屑、またチェーン部分で発生する金属屑がフィルム上に残り、薄膜の品質を劣化させるという問題がある。
<機能性フィルム>
本発明の成膜装置及び成膜方法によって製造された機能性フィルムについて説明する。
図10は、上記成膜装置B又は成膜装置Cによって、ベースフィルム1の両面に機能性層Gとして無機膜が形成された機能性フィルムFの断面構成を示している。
機能性フィルムFは、図10に示すように、各機能性層G上にそれぞれ保護層PLが形成されていてもよい。
(ベースフィルム)
ベースフィルム1は、機能性フィルムFの基材であり、可撓性を有する。
ベースフィルム1としては、フィルム状の樹脂、ガラス、金属等を用いることができる。なかでも、樹脂が好ましく、透明性が高い樹脂であることが好ましい。樹脂の透明性が高く、ベースフィルム1の透明性が高いと、透明性が高い機能性フィルムFを得ることができ、有機EL(Electro luminescence)素子等の電子デバイスに好ましく用いることができる。
ベースフィルム1として用いることができる樹脂としては、例えばメタクリル酸エステル、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)、ポリアリレート、ポリスチレン(PS)、芳香族ポリアミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリイミド(PI)、ポリエーテルイミド等が挙げられる。なかでも、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)等が、コスト及び入手の容易性から好ましい。
ベースフィルム1は、上記樹脂が2以上積層された積層フィルムであってもよい。
樹脂製のベースフィルム1は、従来公知の一般的な製造方法により製造することが可能である。例えば、材料となる樹脂を押出機により溶融し、環状ダイ又はTダイにより押し出して急冷することにより、実質的に無定形で配向していない未延伸の樹脂基材を製造することができる。また、材料となる樹脂を溶剤に溶解し、無端の金属樹脂支持体上に流延(キャスト)して乾燥、剥離することにより、実質的に無定形で配向していない未延伸フィルムを、ベースフィルム1として得ることができる。
上記未延伸フィルムを、フィルムの搬送(MD:Machine Direction)方向又は搬送方向と直交する幅(TD:Transverse Direction)方向に延伸し、得られた延伸フィルムをベースフィルム1とすることもできる。延伸方法としては、一軸延伸、テンター式逐次二軸延伸、テンター式同時二軸延伸、チューブラー式同時二軸延伸等の公知の方法が挙げられる。延伸倍率は、原料となる樹脂に合わせて適宜選択することできるが、搬送方向及び幅方向ともに、それぞれ2〜10倍の範囲内が好ましい。
ベースフィルム1は、上述した未延伸フィルムでもよく、延伸フィルムでもよい。強度向上及び熱膨張抑制の点からは延伸フィルムが好ましい。延伸によってベースフィルム1の位相差等の光学的な機能を調整できるので、調整が必要な場合は延伸フィルムを用いることが好ましい。
ベースフィルム1は、寸法安定性を得るため、弛緩処理、オフライン熱処理等が施されていてもよい。
弛緩処理は、延伸工程において熱固定した後、幅方向へ延伸するテンター内、又はテンターを出た後の巻取りまでの工程で行われることが好ましい。弛緩処理は、処理温度が80〜200℃の範囲内で行われることが好ましく、100〜180℃の範囲内で行われることがより好ましい。
オフライン熱処理の方法としては、特に限定されないが、例えば複数のローラー群によるローラー搬送方法、空気をフィルムに吹き付けて浮揚させるエアー搬送方法(具体的には、複数のスリットから加熱空気をフィルム面の片面又は両面に吹き付ける方法)、赤外線ヒーター等による輻射熱を利用する方法、フィルムを自重で垂れ下がらせ、下方で巻き取る等の搬送方法等を挙げることができる。熱処理時の搬送張力は、できるだけ低くして熱収縮を促進することで、良好な寸法安定性が得られる。処理温度としては(Tg+50)〜(Tg+150)℃の温度範囲が好ましい。ここでいうTgとは、ベースフィルム1のガラス転移温度をいう。
ベースフィルム1の厚さは特に限定されず、薄い機能性フィルムFを得る場合には200μm以下とすることができる。より薄い機能性フィルムFを得る観点からは厚さが100μm以下であることが好ましく、10〜100μmの範囲内であることがより好ましい。
ベースフィルム1の厚さは、10μm以上であると把持型の搬送機構を採用する場合に把持が容易となる。一方、膜の損傷を避けるためには、非接触型のローラーを使用したローラー搬送も可能であるが、厚さが1020μm以下のベースフィルムをローラー搬送すると、フィルムの剛性不足により搬送不良が生じやすい。そのため、厚さ100μm以下のベースフィルムに対しては、把持型の搬送機構が特に有効となる。
ベースフィルム1の幅手方向の長さは、0.1〜3.0mの範囲内であることが好ましく、0.5〜2.0の範囲内であることがより好ましい。この範囲内であれば、搬送機構の設計やメンテナンスが容易であり、真空圧下に調整する時間も短縮でき生産性が向上する。
ベースフィルム1上には、機能性フィルムFにおいてベースフィルム1と機能性層G間に位置する中間層が形成されていてもよい。中間層は、機能性層Gとの密着性を高める、ベースフィルム1の平滑性を高める、ベースフィルム1中の低分子成分が表面に析出するブリードアウト現象を抑える等の目的に応じて、形成され得る。
例えば、機能性層Gの密着性を高めるため、ポリシラザンの塗布液をベースフィルム1上に塗布した後、真空紫外光の照射によって改質することにより、中間層を形成してもよい。
中間層の材料としては、上記ポリシラザンに限らず、熱硬化型樹脂、活性エネルギー線硬化型樹脂硬化型樹脂等の硬化性樹脂を用いることができる。なかでも、成形が容易なことから、活性エネルギー線硬化型樹脂が好ましい。
熱硬化性樹脂としては、熱処理によって硬化するものであれば特に制限されないが、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ポリウレタン、熱硬化性ポリイミド等が挙げられる。
光硬化性樹脂としては、光によって硬化するものであれば特に制限されず、ラジカル反応性不飽和結合を有するアクリレート化合物を含有する樹脂、アクリレート化合物とチオール基を有するメルカプト化合物を含有する樹脂、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、ポリエチレングリコールアクリレート、グリセロールメタクリレート等の多官能アクリレートモノマーを含有する樹脂、米国特許第6503634号明細書に記載の「ORMOCER」等が挙げられる。また、分子内に光重合性不飽和基を1個以上有するモノマーを用いてもよい。
(機能性層)
図10で示す機能性層Gは、ベースフィルム1上に形成された無機膜である。機能性層Gとしては、例えばガスバリアー層、絶縁層、電子デバイスの基板に対して屈折率差を有する屈折層等が挙げられる。なかでも、ガスバリアー層は、膜欠陥が多いと当該膜欠陥を通して水、酸素等のガスが浸透し、ガスバリアー性能が著しく低下するため、膜欠陥が少ない本発明の成膜装置は、ガスバリアー層の形成に好適である。
機能性層Gがガスバリアー層である場合、当該ガスバリアー層は、JIS K7129−1992に準拠した方法で測定された水蒸気透過度(25±0.5℃、相対湿度90±2%RH)が0.01g/(m・24時間)以下のガスバリアー性を示すことが好ましい。また、JIS K7126−1987に準拠した方法で測定された酸素透過度が1×10−3ml/(m・24時間・atm)以下であり、水蒸気透過度が1×10−5g/(m・24時間)以下であるガスバリアー性を示すことが好ましい。なお、水蒸気透過度は、MOCON法、特開2005−283561号公報等に記載のカルシウム腐食法等によっても測定することができる。
機能性層Gの厚さは特に制限されず、任意の厚さを選択することができる。一般的には、機能性層Gの厚さが2nm以上であれば必要な機能性が得られ、50μm以下であれば成膜装置を巨大化させることなく、十分な機能性を得ることができる。好ましくは、5〜30nmの範囲内である。
(保護層)
図10で示す保護層PLは、ベースフィルム1の両面に形成された各機能性層Gの損傷を防ぐために設けられ得る。
保護層の材料としては、膜上に形成できる材料であれば特に制約はなく、金属酸化物、ポリマー材料等を適用できるが、炭素含有ポリマーが好ましく、なかでも硬化性樹脂が特に好ましい。硬化性樹脂としては特に制限されず、熱硬化性樹脂、活性エネルギー線硬化性樹脂等が挙げられるが、成形が容易なことから、活性エネルギー線硬化性樹脂が好ましい。
活性エネルギー線硬化性樹脂とは、紫外線又は電子線のような活性エネルギー線照射により架橋反応等を経て硬化する樹脂をいう。活性エネルギー線硬化樹脂としては、エチレン性不飽和二重結合を有するモノマーを含む成分が好ましく用いられ、紫外線や電子線のような活性エネルギー線を照射することによって硬化させて活性エネルギー線硬化樹脂層が形成される。活性エネルギー線硬化樹脂としては紫外線硬化性樹脂や電子線硬化性樹脂等が代表的なものとして挙げられるが、なかでも、電子線照射によって硬化する電子線硬化性樹脂が好ましい。
保護層PLの形成方法は、特に制限されず、スピン塗布法、スプレー法、ダイ塗布法等の湿式塗布法、蒸着法等により硬化性樹脂材料を用いて機能性層G上に成膜する方法が挙げられる。
保護層PLは、ワインダー15によって機能性フィルムFを一度巻取り、得られたロール体を大気圧下の塗布装置等にセットして巻き出した後、形成されてもよいし、機能性層Gの形成と連続して真空圧下で形成されてもよい。連続して保護層PLを形成する場合には、真空圧下で成膜が可能な蒸着法が好ましい。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」又は「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」又は「質量%」を表す。
実施例1
〔機能性フィルム101の作製〕
機能性フィルムのベースフィルムとして、幅50cm、厚さ125μmのポリエステルフィルムMELINEX ST504(DuPont Teijin Films U.S. Limited社製)を用意した。このポリエステルフィルムは、0.01Torrの減圧下において、80℃まで加熱して3時間の脱気処理が施されている。
次に図3(a−2)及び図4(a)で示す成膜装置Aを用いて、4×10−4Paまで減圧した後、下記条件にて、ポリメチルメタクリレートオリゴマーの入った加熱ボートに通電して40℃に加熱し、蒸着速度0.1nm/秒で基板上に膜厚25nmのポリメチルメタクリレート層を蒸着形成し、次いで紫外線硬化して機能性フィルム101を作製した。
なお、B室及びA室の加温、冷却等は行わなかった。
〔機能性フィルム102〜105の作製〕
機能性フィルム101の作製において、仕切り板の開口率、B室の加温(B室の壁(天井)から加温)有無、汚染防止のためにA室へのN供給有無を、表1に記載のように変化させた以外は、同様にして機能性フィルム102〜105を作製した。
〔機能性フィルム106の作製〕
機能性フィルム101の作製において、図4(b)で示す仕切り板のない成膜装置を用いた以外は同様にして、比較例の機能性フィルム106を作製した。
≪評価≫
(1)異物故障
上記作製した機能性フィルム101〜106の表面をルーペを用いて目視で観察し、異物故障がないかを確認し、下記の基準にて評価した
5:異物故障がまったく確認できない
4:異物故障がやや確認できるが軽微である
3:異物故障が確認できるが、大きさが小さく実用上問題はない
2:異物故障が確認され、大きさも目視で容易に確認できる大きさである
1:異物故障が大きく、明らかに実用上問題がある
(2)密着性
上記作製した機能性フィルム101〜106について、50℃、80%RHの環境下で1週間保存した後、下記の碁盤目密着性の評価方法に従って、密着性の評価を行った。
碁盤目密着性の評価は、JIS K 5600の5.6(2004年度版)の記載に準じ、各機能性フィルムの機能性層形成面側に、カッターナイフで、機能性層を貫通し、樹脂基板に達する1mm角の100個の碁盤目状の切り傷を1mm間隔のカッターガイドを用いて付け、セロハン粘着テープ(ニチバン社製「CT405AP−18」;18mm幅)を切り傷面に貼り付け、消しゴムで上からこすって完全にテープを付着させた後、垂直方向に引き剥がして、機能性層が基板表面にどのくらい残存しているかを目視で確認し、100個中の剥離数を調べ、下記の基準で、密着性を評価した。
5:碁盤目試験にて、剥離数が5個以下であった
4:碁盤目試験にて、剥離数が6個以上、10個以下であった
3:碁盤目試験にて、剥離数が11個以上、15個以下であった
2:碁盤目試験にて、剥離数が16個以上、20個以下であった
1:碁盤目試験にて、剥離数が21個以上であった
機能性フィルム101〜106の構成及び上記評価結果を、表1に示した。
Figure 2016074927
本発明の成膜装置を用いた機能性フィルム101〜105は、比較例に対して、異物故障耐性、密着性に優れることが分かる。
特に、仕切り板の開口率を30%以下にすること、B室の温度をA室より高くすることにより、その改善効果がより向上することが分かる。
実施例2
〔機能性フィルム201の作製〕
機能性フィルムのベースフィルムとして、幅50cm、厚さ125μmのポリエステルフィルムMELINEX ST504(DuPont Teijin Films U.S. Limited社製)を用意した。このポリエステルフィルムは、0.01Torrの減圧下において、80℃まで加熱して3時間の脱気処理が施されている。
次に、図5(a−2)及び図6(a)で示す成膜装置Bを用いて、上記ベースフィルム上に機能性層であるガスバリアー層として厚さ10nmの酸化アルミニウム膜を形成し、機能性フィルム201を得た。
具体的な成膜条件は、次のとおりである。
(成膜条件)
B1室:トリメチルアルミニウム
吸着時間:2.0秒
原料が供給されたチャンバー内の圧力:90Pa
B2室:Nチャンバー内の圧力:90Pa
B3室:原料 H
原料の吸着時間:2.0秒
原料が供給されたチャンバー内の圧力:90Pa
B4室:Nチャンバー内の圧力:90Pa
ベースフィルム搬送速度:8m/min
上記B1室〜B4室を1サイクルとして成膜した。
なお、B室及びA室の加温、冷却等は行わなかった。
〔機能性フィルム202〜204の作製〕
機能性フィルム201の作製において、仕切り板の開口率、B室の加温(B室に供給する原料ガスを加温)有無、汚染防止のためのA室へのN供給有無を表2に記載のように変化させた以外は、同様にして機能性フィルム202〜204を作製した。
〔機能性フィルム205の作製〕
機能性フィルム201の作製において、図6(b)で示す仕切り板のない成膜装置を用いた以外は同様にして、比較例の機能性フィルム205を作製した。
作製した機能性フィルム201〜205を用いて、実施例1と同様に異物故障及び密着性の評価を実施した。
機能性フィルム201〜205の構成及び上記評価結果を、表2に示した。
Figure 2016074927
本発明の成膜装置を用いた機能性フィルム201〜204は、比較例に対して、異物故障耐性、密着性に優れることが分かる。
また、実施例1と同様に、仕切り板の開口率を30%以下にすること、B室の温度をA室より高くすることにより、その改善効果がより向上することが分かる。
実施例3
〔ガスバリアー性フィルム301の作製〕
ガスバリアー性フィルムのベースフィルムとして、幅50cm、厚さ125μmのポリエステルフィルムMELINEX ST504(DuPont Teijin Films U.S. Limited社製)を用意した。
次に、図8(a−2)及び図9(a)に示す、ベースフィルムを幅方向の両端を把持し、成膜面をローラーに非接触の状態で搬送する搬送手段を具備する成膜装置Cにより上記ベースフィルム上にガスバリアー層として厚さ10nmの酸化アルミニウム膜及び酸化チタン膜を交互に形成し、機能性フィルム201を得た。
ベースフィルムの搬送手段として、具体的には特開平11-227998号公報に記載の把持装置を用いた。
具体的な成膜条件は、次のとおりである。
(成膜条件)
〈B1室〉
第1原料:トリメチルアルミニウム
第1原料の吸着時間:2.0秒
第1原料が供給されたチャンバー内の圧力:90Pa
〈B2室〉
改質用ガス:O
改質処理の処理時間:0.5秒
改質用ガスが供給されたチャンバー内の圧力:90Pa
〈B3室〉
第2原料:四塩化チタン
第2原料の吸着時間:2.0秒
第2原料が供給されたチャンバー内の圧力:90Pa
酸化アルミニウム膜及び酸化チタニウム膜の堆積速度:0.1nm/サイクル
ベースフィルム搬送速度:8m/min
なお、B室及びA室の加温、冷却等は行わなかった。
〔ガスバリアー性フィルム302〜306の作製〕
機能性フィルム301の作製において、仕切り板の開口率、B室の加温(B室に供給する原料ガスを加温)有無、汚染防止のためのA室へのN供給有無を表1に記載のように変化させた以外は、同様にして機能性フィルム102〜105を作製した。
〔機能性フィルム307の作製〕
機能性フィルム301の作製において、図9(b)で示す仕切り板のない成膜装置を用いた以外は同様にして、比較例の機能性フィルム307を作製した。
作製した機能性フィルム301〜307を用いて、実施例1と同様に異物故障及び密着性の評価を実施し
機能性フィルム301〜307の構成及び上記評価結果を、表3に示した。
Figure 2016074927
本発明の成膜装置を用いた機能性フィルム301〜306は、比較例に対して、異物故障耐性、密着性に優れることが分かる。
また、実施例1と同様に、仕切り板の開口率を30%以下にすること、B室の温度をA室より高くすることにより、その改善効果がより向上することが分かる。
1 ベースフィルム
2 パンチ穴
3 抵抗加熱ボート
11 アンワインダー
12、14、16 ローラー
15 ワインダー
21、22 原料供給部
23 パージ部又は改質処理部
24 搬送機構周回部
C1〜C4 チャンバー
30 搬送機構
31 チェーン
32 スプロケット
33 クリップ
F 機能性フィルム
G 機能性層
PL 保護層

Claims (10)

  1. ロール体から巻き出した長尺のベースフィルムの幅方向の両端を把持して搬送する搬送機構によって当該ベースフィルムを搬送しながら、当該ベースフィルム上に機能性層を成膜する成膜装置であって、
    前記ベースフィルムの幅方向の両端を把持して搬送する搬送機構を有するA室と、前記ベースフィルム上に原料ガスによって成膜を行うB室とを、開口部を有する仕切り板によって分離し、前記B室から前記A室に向かって当該原料ガスが流れるようにしたことを特徴とする成膜装置。
  2. 少なくとも前記B室には前記原料ガスの給気口があり、少なくとも前記A室には当該原料ガスの排気口があることを特徴とする請求項1に記載の成膜装置。
  3. 前記仕切り板の開口率が、70%未満であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の成膜装置。
  4. 前記B室の温度が、前記A室の温度より高くなるように調整されていることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の成膜装置。
  5. 前記機能性層の成膜が、原子層堆積法によって行われることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の成膜装置。
  6. ロール体から巻き出した長尺のベースフィルムの幅方向の両端を把持して搬送する搬送機構によって当該ベースフィルムを搬送しながら、当該ベースフィルム上に機能性層を成膜する成膜方法であって、
    前記ベースフィルムの幅方向の両端を把持して搬送する搬送機構を有するA室と、前記ベースフィルム上に原料ガスによって成膜を行うB室とを、開口部を有する仕切り板によって分離し、前記B室から前記A室に向かって当該原料ガスが流れるようにしながら行うことを特徴とする成膜方法。
  7. 少なくとも前記B室には前記原料ガスの給気口を設け、少なくとも前記A室には当該原料ガスの排気口を設けることを特徴とする請求項6に記載の成膜方法。
  8. 前記仕切り板の開口率を、70%未満とすることを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の成膜方法。
  9. 前記B室の温度が、前記A室の温度より高くなるように調整することを特徴とする請求項6から請求項8までのいずれか一項に記載の成膜方法。
  10. 前記機能性層の成膜が、原子層堆積法によって行われることを特徴とする請求項6から請求項9までのいずれか一項に記載の成膜方法。
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WO2017047044A1 (ja) * 2015-09-16 2017-03-23 凸版印刷株式会社 薄膜形成法及び薄膜形成装置

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