JP2015203071A - 分岐構造を有する共重合体及び共重合体組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】樹脂の成形性向上のための新規な分岐構造を有する共重合体及び共重合体組成物を提供することを課題とする。【解決手段】(1)ジビニルベンゼン誘導体とアルキルリチウムのモル比が3/97〜80/20である開始剤を用いて、ビニル芳香族炭化水素単量体のアニオン重合体がGPC法により求めた重量平均分子量が20,000〜2,000,000であることを特徴とし、分岐化工程として、ジビニルベンゼン誘導体及び共役ジエン、又はジビニルベンゼン誘導体を同時に添加することによる共重合体(2)(1)記載の共重合体と、ビニル芳香族炭化水素系樹脂の質量比が0.1/99.9〜20/80であることを特徴とする、共重合体樹脂組成物およびその製造方法である。【選択図】なし
Description
本発明は、分岐構造を有する共重合体及び共重合体組成物に関する。
ジビニルベンゼン誘導体を用いることで、分岐構造を有する共重合体組成物を合成することが出来る。ジビニルベンゼン誘導体のアニオン重合で分岐構造を生成する場合、ジビニルベンゼン誘導体の重合順序により大きく二つに別けることが出来る。
一つは、分岐構造の核(Core)を先に合成する方法であって(Core First法)、ジビニルベンゼン誘導体をアニオン重合させた後にビニル芳香族炭化水素単量体等を重合させる方法(特許文献1、非特許文献1)や、ジビニルベンゼン誘導体と他の単量体をアニオン共重合させた後にビニル芳香族炭化水素単量体等を重合させる方法(特許文献2、3)が知られている。
もう一つは、枝となる高分子鎖(Arm)を先に重合させる方法であって(Arm First法)、ビニル芳香族炭化水素単量体等を重合させてからジビニルベンゼン誘導体をアニオン重合させる方法(特許文献4〜6)や、ビニル芳香族炭化水素単量体等を重合させてからジビニルベンゼン誘導体をアニオン重合し、更に別の単量体を重合させる方法(特許文献7、8)が知られている。
H.Eschwey et al.「Starpolymers from styreneand divinylbenzene」Polymer,1975,Vol.16,p.180
本発明は、樹脂の成形性向上のための新規な分岐構造を有する共重合体及び共重合体組成物を提供することを課題とする。
即ち、本発明は、(1) ジビニルベンゼン誘導体とアルキルリチウムのモル比が3/97〜80/20である開始剤を用いて、ビニル芳香族炭化水素単量体のアニオン重合を行い、得られた重合体がGPC法により求めた重量平均分子量が20,000〜2,000,000であり、分岐化工程として、ジビニルベンゼン誘導体及び共役ジエンを同時に添加することにより得られる共重合体、(2)ジビニルベンゼン誘導体とアルキルリチウムのモル比が3/97〜80/20である開始剤を用いて、ビニル芳香族炭化水素単量体のアニオン重合を行い、得られた重合体がGPC法により求めた重量平均分子量が20,000〜2,000,000であり、分岐化工程として、ジビニルベンゼン誘導体を添加することにより得られる共重合体、(3)(1)または(2)に記載の共重合体と、ビニル芳香族炭化水素系樹脂の質量比が0.1/99.9〜20/80であることを特徴とする共重合体樹脂組成物、(4)ジビニルベンゼン誘導体とアルキルリチウムのモル比が3/97〜80/20である開始剤を用いて、ビニル芳香族炭化水素単量体のアニオン重合体がGPC法により求めた重量平均分子量が20,000〜2,000,000であることを特徴とし、分岐化工程として、ジビニルベンゼン誘導体及び共役ジエン、又はジビニルベンゼン誘導体を同時に添加することにより得られる共重合体の製造方法である。
本発明の分岐構造を有する共重合体及び共重合体樹脂組成物は、溶融張力が高く、また歪み硬化性が高いために、発泡成形時にセル径が均一になりやすい等の効果を奏することができる。
本明細書では、ジビニルベンゼン誘導体とは、1,3−ジビニルベンゼンや1,4−ジビニルベンゼン、1,3−ジイソプロペニルベンゼン、1,4−ジイソプロペニルベンゼン、m−イソプロペニルスチレン、p−イソプロペニルスチレン等のことであり、好ましくは1,3−ジビニルベンゼンや1,4−ジビニルベンゼンである。これらジビニルベンゼン誘導体を、1種又は2種類以上の混合物として用いても良い。
本明細書では、アルキルリチウムとは、n−ブチルリチウムやsec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、エチルリチウム、1,1−ジフェニルヘキシルリチウム等が挙げられ、好ましくはn−ブチルリチウムである。
ジビニルベンゼン誘導体とアルキルリチウムのモル比は、3/97〜80/20である。溶融張力や歪み硬化性の向上効果を大きく高めたければ、15/85〜50/50である。この割合が3/97未満であると、溶融張力や歪み硬化性の向上効果が少ない。
本明細書では、ビニル芳香族炭化水素単量体とは、スチレンやα-メチルスチレン、α-エチルスチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、o−エチルスチレン、p−エチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、2,5−ジメチルスチレン、p−tert-ブトキシスチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、インデン等が挙げられ、好ましくはスチレンである。
ジビニルベンゼン誘導体とアルキルリチウムからなる開始剤を用いて、ビニル芳香族炭化水素単量体のアニオン重合を行うと、直鎖状、分子量が倍の直鎖状、星型等の混合物が得られる(分岐化行程前のアニオン重合体)。
ジビニルベンゼン誘導体とアルキルリチウムからのアニオン重合体を分岐化(分岐化工程)すると、直鎖状、星型、星型が2つ繋がったPom−Pom型(Star−Linear−Star型)や、星型が3つ以上繋がった形状(star−Linear−Star−Linear−Star)等の混合物が得られる。対して、分岐化行程前のアニオン重合体をジビニルベンゼン誘導体を用いずに合成し、分岐化すると、直鎖状、星型しか得られない。
共役ジエンとは、1,3−ブタジエンやイソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、1,3−シクロヘキサジエン等が挙げられるが、好ましくは1,3−ブタジエンやイソプレンである。
共役ジエンであるイソプレンのアニオンとジビニルベンゼン誘導体であるジビニルベンゼンの反応の速度定数は、ジビニルベンゼンのアニオンとジビニルベンゼンの反応の速度定数と比べ1/10以下である(ANIONIC POLYMERIZATION PRINCIPLES AND PRACTICAL APPLICATIONS,MARCEL DEKKER,INC.,1996,p337))。そのため、分岐化行程において、ジビニルベンゼンの連鎖が長くなりやすく、多分岐化しやすくなる傾向があり、高分子量化しやすくなる。
分岐構造を有する共重合体は、共重合体のみで利用することも出来るが、ビニル芳香族炭化水素樹脂と混練して用いることも出来る。それにより、混練前のビニル芳香族炭化水素樹脂と比較して、溶融張力や歪み硬化性が向上し、発泡成形時には均一なセルが得やすくなる。
本明細書では、ビニル芳香族炭化水素樹脂とは、ポリスチレンやポリ(α−メチルスチレン)、ポリ(α−エチルスチレン)、ポリ(o−メチルスチレン)、ポリ(p−メチルスチレン)、ポリ(o−エチルスチレン)、ポリ(p−エチルスチレン)、ポリ(p−tert−ブチルスチレン)、ポリ(2,4−ジメチルスチレン)、ポリ(2,5−ジメチルスチレン)、ポリ(p−tert-ブトキシスチレン)、ポリビニルナフタレン、ポリビニルアントラセン、ポリインデン等が挙げられ、好ましくはポリスチレンである。
本発明の共重合体と、ビニル芳香族炭化水素樹脂の質量比が0.1/99.9〜20/80であり、好ましくは0.5/99.5〜20/80である。共重合体の質量比が0.1未満では溶融張力や歪み硬化性の向上効果が少なく、20より大きい場合は溶融張力が大きくなりすぎて成形性が悪くなるため好ましくない。
本発明の分岐化工程前のアニオン重合体の重量平均分子量とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下、GPCと記す)により測定された分子量分布曲線のピーク部の重量平均分子量を示すものである。これは、分子量既知の標準ポリスチレンのGPCを測定し、そのピーク位置の保持容量を求めて重量平均分子量と保持容量との相関曲線を作図した検量線より求められる。
本発明の分岐化工程前のアニオン重合体の重量平均分子量は20,000〜2,000,000であり、好ましくは40,000〜1,500,000であり、更に好ましくは100,000〜1,500,000である。ビニル芳香族炭化水素単量体であるスチレンのアニオン重合体の絡み合い点間分子量は約20,000であり(非特許文献:Physical. Chem.,1968年,vol.349,p.433)、分岐を有する高分子の粘弾性的性質に大きな影響を及ぼすのは、枝の分子量が絡み合い点間分子量の2倍以上の時であり、顕著に現れるのは5倍以上の時である。そのため、重量平均分子量が20,000未満では絡み合いが不十分となり、40,000では絡み合い点間分子量の2倍となるため絡み合いやすくなり、5倍となる100,000以上であることが望ましい。また、2,000,000を超えると成形性が著しく悪くなることから、好ましくない。
溶融張力(メルトテンション)とは、加熱・溶融した樹脂を引張った際に発生する張力のことである。メルトフローレートが粘性の指標であるのに対し、弾性の指標として、紡糸性、ブロー成形性などの成形加工性の一次評価として用いられる。溶融張力が低いと、インフレーションフィルム成形では樹脂が垂れやすくなりドローダウン性が悪くなり、発泡成形においては破泡しやすくなる。逆に、溶融張力が高すぎると、高速成形の際に破断しやすくなる。
伸長粘度は、一定の歪速度、一定温度下での溶融樹脂の伸長変形下の粘度のことである。溶融紡糸、フィルム成形、ブロー成形、熱成形などのダイを出た以降の自由表面下での変形のしやすさを評価する方法として、伸長粘度が用いられている。
歪み硬化性とは伸長変形において歪の増加と共に変形抵抗が急激に増加する弾性現象のことである。歪み硬化性が顕著であると、偏肉が生じ難いため、変形が均質に生じることが知られている。その結果、厚みが均一のシートが得やすい事や、気泡成長における破泡が低減することから発泡成形性が向上する。
歪み硬化性において、延伸倍率e1倍(eはネピアの定数)での伸長粘度をη1、延伸倍率e2倍での伸長粘度をη2とし、その伸長粘度の比η2/η1を指標とする。
歪み硬化性比とは、用いるビニル芳香族炭化水素系樹脂の歪み硬化性からの上昇の程度が問題となるため、共重合体とビニル芳香族炭化水素系樹脂からなる共重合体樹脂組成物の伸長粘度の比η2/η1とビニル芳香族炭化水素系樹脂の伸長粘度の比η2/η1の比とした。
以下に実施例をもって本発明を更に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<混練方法>
混練は二種類の方法で行った。一つ目の方法は、ブラベンダー社製プラスチコーダPL2000(ニーダアタッチメント:内容積60mL、2枚のシグマブレード)を用いて、混合槽温度200℃、ブレード回転数70rpm、混練時間10分間で行った。二つ目の方法は、田端社製40mmφ押出機(単軸ダルメージスクリュー)を用いて、温度200℃で押出、ペレットを得た。
混練は二種類の方法で行った。一つ目の方法は、ブラベンダー社製プラスチコーダPL2000(ニーダアタッチメント:内容積60mL、2枚のシグマブレード)を用いて、混合槽温度200℃、ブレード回転数70rpm、混練時間10分間で行った。二つ目の方法は、田端社製40mmφ押出機(単軸ダルメージスクリュー)を用いて、温度200℃で押出、ペレットを得た。
混錬する樹脂は、合成した共重合体とビニル芳香族炭化水素系樹脂のポリスチレンである。ポリスチレンは、東洋スチレン社製HRM−10Nを用いた。例えば、10質量%の混練物では、合成した共重合体5gとHRM−10N45gを用いた。
<測定方法>
溶融張力は、東洋精機社製キャピログラフ1D(キャピラリー寸法:直径1mm、長さ40mm、バレル寸法:直径9.55mm、有効長さ250mm)を用いて測定を行った。ペレット状のサンプル約25gをバレルに詰め、バレル温度200℃で3分間予熱を行った。その後、200℃でピストンスピード5mm/minで溶融樹脂を押し出し、引取速度5mm/minで引取時の張力を溶融張力の値として記載した。
溶融張力は、東洋精機社製キャピログラフ1D(キャピラリー寸法:直径1mm、長さ40mm、バレル寸法:直径9.55mm、有効長さ250mm)を用いて測定を行った。ペレット状のサンプル約25gをバレルに詰め、バレル温度200℃で3分間予熱を行った。その後、200℃でピストンスピード5mm/minで溶融樹脂を押し出し、引取速度5mm/minで引取時の張力を溶融張力の値として記載した。
歪み硬化性の評価は伸長粘度を用いており、伸長粘度は東洋精機社製マイスナー型伸長粘度計メルテンレオメーターを用いて測定した。直径約1mm、長さ約30cmの棒状試料を用いて、シリコンオイル中で溶融させ、3分間放置した後、回転式クランプに両端を挟み、一軸方向に伸長させる方法で測定した。測定温度は140℃で、伸長速度0.05sec−1で測定した。
重量平均分子量の測定は、東ソー社製HLC−8220GPC(カラム:昭和電工社製KF−404HQ)を用いて、溶媒はテトラヒドロフラン、40℃で示差屈折計により検出を行った。米国標準技術局認証の標準物質としてSRM705Aを用いて、重量平均分子量を求めた。
<製造方法>
内容積3L又は10Lの重合缶で、攪拌翼はマックスブレンド翼を用いて、攪拌数は約200rpmで重合を行った。缶内は窒素置換されており、外気が入らないように缶内圧は大気圧以上とした。原料は脱水缶から窒素による圧送又は窒素雰囲気のグローブ ボックス内で計量し、重合缶内へ窒素による圧送で添加した。原料とは、シクロヘキサン、スチレン、ジビニルベンゼン、n−ブチルリチウム及びイソプレンである。
内容積3L又は10Lの重合缶で、攪拌翼はマックスブレンド翼を用いて、攪拌数は約200rpmで重合を行った。缶内は窒素置換されており、外気が入らないように缶内圧は大気圧以上とした。原料は脱水缶から窒素による圧送又は窒素雰囲気のグローブ ボックス内で計量し、重合缶内へ窒素による圧送で添加した。原料とは、シクロヘキサン、スチレン、ジビニルベンゼン、n−ブチルリチウム及びイソプレンである。
<脱水法>
シクロヘキサン、スチレン及びジビニルベンゼンは、脱水缶内で窒素バブリングすることにより脱水を行い(室温)、水分量が10ppm以下になるまで脱水した。イソプレンは、真空乾燥した3Aのモレキュラーシーブを用いて、水分量が10ppm以下になるまで脱水した。
シクロヘキサン、スチレン及びジビニルベンゼンは、脱水缶内で窒素バブリングすることにより脱水を行い(室温)、水分量が10ppm以下になるまで脱水した。イソプレンは、真空乾燥した3Aのモレキュラーシーブを用いて、水分量が10ppm以下になるまで脱水した。
[実施例1]
10L重合缶に300ppmのテトラヒドロフランを含むシクロヘキサン(表中の表記をCHx−1とする)5.67kg及びジビニルベンゼン(表中の表記をDVB−1とする)21.3mg加えた。その後、30℃に昇温し、濃度0.236mol/Lのn−ブチルリチウム(表中の表記をBuLiとする)を含むシクロヘキサン溶液を23.1mL添加し30分間反応させた。次いで、スチレン(表中の表記をSt−1とする)10gを添加し30℃で30分間反応させた後、600gのスチレン(表中の表記をSt−2とする)を更に添加し、内温が40℃になるようにして1時間重合させた(分岐化工程前のアニオン重合体)。この重合溶液をサンプリングし、GPCにより重量平均分子量を測定した。更に、ジビニルベンゼン(表中の表記をDVB−2とする)15.7gとイソプレン(表中の表記をIspとする)33.4gをシクロヘキサン(表中の表記をCHx−2とする)700gで溶解させ、70℃に昇温した反応容器に添加し5時間反応させた。少量の水により反応を停止させ、メタノール中に重合溶液を滴下することにより析出を行った。得られた共重合体5gとポリスチレン(HRM−10N)45gをブラベンダー社製プラスチコーダPL2000にて混練し、溶融張力や伸長粘度の測定を行った。測定結果は表2に記載した。
10L重合缶に300ppmのテトラヒドロフランを含むシクロヘキサン(表中の表記をCHx−1とする)5.67kg及びジビニルベンゼン(表中の表記をDVB−1とする)21.3mg加えた。その後、30℃に昇温し、濃度0.236mol/Lのn−ブチルリチウム(表中の表記をBuLiとする)を含むシクロヘキサン溶液を23.1mL添加し30分間反応させた。次いで、スチレン(表中の表記をSt−1とする)10gを添加し30℃で30分間反応させた後、600gのスチレン(表中の表記をSt−2とする)を更に添加し、内温が40℃になるようにして1時間重合させた(分岐化工程前のアニオン重合体)。この重合溶液をサンプリングし、GPCにより重量平均分子量を測定した。更に、ジビニルベンゼン(表中の表記をDVB−2とする)15.7gとイソプレン(表中の表記をIspとする)33.4gをシクロヘキサン(表中の表記をCHx−2とする)700gで溶解させ、70℃に昇温した反応容器に添加し5時間反応させた。少量の水により反応を停止させ、メタノール中に重合溶液を滴下することにより析出を行った。得られた共重合体5gとポリスチレン(HRM−10N)45gをブラベンダー社製プラスチコーダPL2000にて混練し、溶融張力や伸長粘度の測定を行った。測定結果は表2に記載した。
[実施例2〜9]
表1に示した原料配合以外は実施例1と同様な操作を行なった。測定結果は表2に記載した。
表1に示した原料配合以外は実施例1と同様な操作を行なった。測定結果は表2に記載した。
[実施例10]
イソプレンは使用せずに、それ以外は、実施例1と同様に、分岐化工程前のアニオン重合体を合成し、重量平均分子量を測定した。その後も実施例1と同様に、ジビニルベンゼンを用いて共重合体を合成し、停止、析出を行い、混練及び測定を行った。用いた原料量を表3に記載した。
イソプレンは使用せずに、それ以外は、実施例1と同様に、分岐化工程前のアニオン重合体を合成し、重量平均分子量を測定した。その後も実施例1と同様に、ジビニルベンゼンを用いて共重合体を合成し、停止、析出を行い、混練及び測定を行った。用いた原料量を表3に記載した。
[実施例11、12]
表1に示した原料量で実施例10と同様な操作を行なった。測定結果は表3に記載した。
表1に示した原料量で実施例10と同様な操作を行なった。測定結果は表3に記載した。
[実施例13、14]
実施例13では、実施例8で得られた共重合体を、実施例14では、実施例12で得られた共重合体を使用し、ポリスチレン(HRM−10N)との樹脂組成物を表4記載の量比で、田端社製40mmφ押出機にて押出を行い作製した。
実施例13では、実施例8で得られた共重合体を、実施例14では、実施例12で得られた共重合体を使用し、ポリスチレン(HRM−10N)との樹脂組成物を表4記載の量比で、田端社製40mmφ押出機にて押出を行い作製した。
[比較例1、2]
ジビニルベンゼンを用いずに、それ以外は、実施例1と同様に、分岐化工程前のアニオン重合体を合成し、重量平均分子量を測定した。その後も同様に、イソプレン及びジビニルベンゼンを用いて共重合体を合成し、停止、析出を行い、混練及び測定を行った。用いた原料量を表1に、測定結果は表2に記載した。
ジビニルベンゼンを用いずに、それ以外は、実施例1と同様に、分岐化工程前のアニオン重合体を合成し、重量平均分子量を測定した。その後も同様に、イソプレン及びジビニルベンゼンを用いて共重合体を合成し、停止、析出を行い、混練及び測定を行った。用いた原料量を表1に、測定結果は表2に記載した。
[比較例3、4]
ジビニルベンゼンを用いずに、それ以外は、実施例1と同様に、分岐化工程前のアニオン重合体を合成し、重量平均分子量を測定した。その後、イソプレンは用いずに、同様に共重合体を合成し、停止、析出を行い、混練及び測定を行った。用いた原料量を表1に、測定結果は表2に記載した。
ジビニルベンゼンを用いずに、それ以外は、実施例1と同様に、分岐化工程前のアニオン重合体を合成し、重量平均分子量を測定した。その後、イソプレンは用いずに、同様に共重合体を合成し、停止、析出を行い、混練及び測定を行った。用いた原料量を表1に、測定結果は表2に記載した。
表3では、開始剤比は、ジビニルベンゼン誘導体とアルキルリチウムのそれぞれのmol%を示している。ただし、アルキルリチウムは溶媒や単量体中の不純物で不活性化するため、用いた量ではなく、{用いた単量体M(g)}/{重合体の数平均分子量Mn(g/mol)}で算出した値を用いている。
分子量は、分岐化工程前のアニオン重合体の構造をGPC法により求めた重量平均分子量のことである。
実施例の樹脂は、発泡成形性に影響を与える、溶融張力、歪み硬化性が向上した。
本発明の分岐構造を有する共重合体及び共重合体組成物は、発泡成形用加工助剤として有効に働くことがわかった。また、他に、シートや発泡シートの加工助剤の用途にも適用できる。
Claims (4)
- ジビニルベンゼン誘導体とアルキルリチウムのモル比が3/97〜80/20である開始剤を用いて、ビニル芳香族炭化水素単量体のアニオン重合を行い、得られた重合体がGPC法により求めた重量平均分子量が20,000〜2,000,000であり、分岐化工程として、ジビニルベンゼン誘導体及び共役ジエンを同時に添加することにより得られる共重合体。
- ジビニルベンゼン誘導体とアルキルリチウムのモル比が3/97〜80/20である開始剤を用いて、ビニル芳香族炭化水素単量体のアニオン重合を行い、得られた重合体がGPC法により求めた重量平均分子量が20,000〜2,000,000であり、分岐化工程として、ジビニルベンゼン誘導体を添加することにより得られる共重合体。
- 請求項1または2記載の共重合体と、ビニル芳香族炭化水素系樹脂の質量比が0.1/99.9〜20/80である樹脂組成物。
- ジビニルベンゼン誘導体とアルキルリチウムのモル比が3/97〜80/20である開始剤を用いて、ビニル芳香族炭化水素単量体のアニオン重合体がGPC法により求めた重量平均分子量が20,000〜2,000,000であることを特徴とし、分岐化工程として、ジビニルベンゼン誘導体及び共役ジエン、又はジビニルベンゼン誘導体を同時に添加することによる共重合体の製造方法。
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