JP2015202849A - 船外機 - Google Patents

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    • F16H3/145Gearings for reversal only with a pair of coaxial bevel gears, rotatable in opposite directions

Abstract

【課題】小型化及び適正動作等を有効に実現するシフト機構を有する船外機を提供する。【解決手段】ドライブ軸17に対して直交する中間軸43に支持される中間歯車41とを有する前後進シフト機構を、第1入力軸171及び第2入力軸172間に介設し、クラッチ体は上下に係合爪451を備えたドグクラッチ45で構成され、第2入力軸172の軸方向に沿って移動して上側歯車41又は下側歯車44に係合することにより、第1入力軸171の回転を正転又は逆転可能に第2入力軸172に伝達する。【選択図】図7

Description

本発明は船外機、特にそのロアユニット内に配設されるシフト装置及びその付属装置に関するものである。
回転トルクを伝達する動力伝達機構を備える機械装置において、その動力伝達経路の途中にクラッチや変速機等を有し、その機械装置の特性等に応じて動力の断続あるいは回転速度や回転方向を適宜設定するようにしている。
従来、例えば特許文献1に記載されるように動力の入力軸(ドライブ側)の中間に前後進切換機構を配置し、この前後進切換機構のクラッチを摩擦式のコーンクラッチで構成した技術が開示されている。
特開平6−221382号公報
しかしながら、摩擦式のクラッチは動力を滑らかに繋ぐことはできるものの、特に動力源であるエンジンに比べて慣性質量が小さいプロペラを持つ船外機にあっては、プロペラにはスリップが生じるため、摩擦式による利点は小さい。また、特に摩擦式にあってはトルクを伝達するために大きな面積が必要になり、クラッチ自体が大型化せざるを得ない等の問題がある。一方、小型化を図ろうとすれば、そのままでは確実な動力伝達性能を得るのが難しくなる。特に水流抵抗を受ける船外機の場合、小型化等の要請とクラッチ機構の的確な動作を両立させるのは必ずしも容易でない。
本発明はかかる実情に鑑み、小型化及び適正動作等を有効に実現するシフト機構を有する船外機を提供することを目的とする。
本発明の船外機は、鉛直方向に延びてエンジン動力を伝達するドライブ軸と、このドライブ軸の下端部に回転一体に取り付けられたピニオンベベルギヤと、このピニオンベベルギヤに噛合するドリブンベベルギヤと、このドリブンベベルギヤにより回転駆動されるプロペラ軸と、このプロペラ軸の後端部に回転一体に取り付けられたプロペラとを有する船外機であって、前記ドライブ軸を、エンジンにより回転される第1入力軸とこの第1入力軸と同軸に配置されて該第1入力軸の回転が伝達される第2入力軸とで構成し、前記第2入力軸と一体に回転するように支持されたクラッチ体と、前記第1入力軸によって回転される上側歯車と、該上側歯車に対して逆回転する下側歯車と、前記上側歯車及び前記下側歯車間に介設され、前記ドライブ軸に対して直交する中間軸に支持される中間歯車とを有する前後進シフト機構を、前記第1入力軸及び前記第2入力軸間に介設し、前記クラッチ体は上下に係合爪を備えたドグクラッチで構成され、前記第2入力軸の軸方向に沿って移動して前記上側歯車又は前記下側歯車に係合することにより、前記第1入力軸の回転を正転又は逆転可能に前記第2入力軸に伝達することを特徴とする。
また、本発明の船外機において、前記前後進シフト機構は、当該船外機を左右に回動自在に支持するステアリング軸の上下端部を保持する上下のマウント部よりも下方で、少なくとも前記下側歯車がロアユニットの上部に設けたキャビテーションプレートよりも上方に配置されたことを特徴とする。
また、本発明の船外機において、前記前後進シフト機構は前記ドライブ軸よりも前側に、前記ドグクラッチを上下に作動させるシフト作動装置を配置する一方、前記ドライブ軸よりも後方に前記中間歯車及び前記中間軸を配置し、この中間軸により当該船外機の補器装置が駆動されることを特徴とする。
また、本発明の船外機において、前記補器装置として、エンジン冷却用の冷却水ポンプ及び前記前後進シフト機構の潤滑油ポンプのいずれか一方、又はそれら双方を有することを特徴とする。
また、本発明の船外機において、前記潤滑油ポンプが前記冷却水ポンプよりも前方に配置されることを特徴とする。
本発明によれば、前後進切換機構がドライブシャフトハウジング内に配置され、ロアユニットのギヤケース内はプロペラの駆動装置のみとなる。これによりロアユニットが小型化されて走行時の水流抵抗を低減することができる。また、前進及び後進の切換をドグクラッチで行うことにより、摩擦式クラッチのように嵩張り重量がある構造と異なり、簡素且つ軽量な機構とすることができる。
図1は、船外機の外観の構成例を模式的に示す左側面図である。 図2は、船外機の構成の例を模式的に示す部分断面図である。 図3は、船外機の下部の内部構成の例を拡大して示す断面図である。 図4は、ロアユニットケースの内部構造を示す断面図である。 図5は、船外機が前傾した状態を示す断面図である。 図6は、シフト装置モジュールの構成例を模式的に示す分解斜視図である。 図7は、シフト装置モジュールの構成例を模式的に示す断面図である。 図8は、シフト作動装置の要部の構成例を模式的に示す斜視図である。 図9は、ロアユニットケースを上側から見た図である。 図10は、本発明の変形例を示すシフト装置モジュールまわりの構成例を示す断面図である。
以下、本発明による船外機の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。本発明の実施形態では、典型的には二重反転プロペラを有する船外機を例とする。なお、各図においては適宜、船外機の前側を矢印Frで、後側を矢印Rrで、右側を矢印Rで、左側を矢印Lで、上側を矢印Upで、下側を矢印Dnで示す。
<船外機の全体構成>
船外機1の全体的な構成例について、図1〜図3を参照して説明する。図1は、船外機1の構成例を模式的に示す左側面図である。図2は、船外機1の構成例を模式的に示す部分断面図である。図3は、船外機1の下部の内部の構成例を拡大して示す断面図である。図1及び図2に示すように船外機1には上側から順に、エンジンカバー101とドライブシャフトハウジング102とロアユニットケース103とが設けられ、これらが船外機1の本体の筺体(外装)を構成する。ロアユニットケース103の後側には、前側プロペラ11と後側プロペラ12とが同軸に配置されている。そして、これらの前側プロペラ11及び後側プロペラ12が、互いに反対方向に回転する二重反転プロペラを構成する。本発明の実施形態では後方から見て、前側プロペラ11が右回り(時計回り)に回転し、後側プロペラ12が左回り(反時計回り)に回転すると、船外機1が前進するものとする。ドライブシャフトハウジング102の前側には、船外機1を船体に取り付けるためのブラケット装置14が設けられており、船外機1はこのブラケット装置14を介して船舶の船尾板等に取り付けられて使用される。
船外機1の動力伝達系の構成は、次の通りである。図2に示すように船外機1は、駆動力源としてのエンジン13(内燃機関)と、前側プロペラ11及び後側プロペラ12のそれぞれと一体に回転するプロペラ軸23と、エンジン13の回転動力をプロペラ軸23に伝達するドライブ軸17と、エンジン13からの回転動力の断続と回転方向の切替えを行うシフト装置4とを有する。ドライブ軸17は、互いに分離している第1入力軸171と第2入力軸172とで構成される。シフト装置4は、ドライブ軸17を構成する第1入力軸171及び第2入力軸172間で、回転動力の断続と回転方向の切替え(即ち、シフトポジションの切替え)を行う。エンジン13が出力する回転動力は、第1入力軸171とシフト装置4と第2入力軸172とプロペラ軸23とを介して、前側プロペラ11と後側プロペラ12とに伝達される。
図2に示すようにエンジンカバー101の内部には、エンジン13がエンジンホルダ15の上側に支持された状態で収容されている。エンジン13には、例えばバーチカル型(縦型)の水冷エンジンが適用される。この場合にはエンジン13はシリンダヘッド、シリンダブロック及びクランクケース等の組合せにより構成される。そして、エンジン13はクランクケースが最も前側に位置し、シリンダブロックがクランクケースの後側に位置し、シリンダヘッドが最も後側に位置する向きで配置される。また、エンジンホルダ15の下側には、オイルパン16が配置される。
ドライブシャフトハウジング102の内部には、ドライブ軸17を構成する第1入力軸171が、上下方向(鉛直方向)に延伸する向き(軸線が鉛直となる向き)で回転可能に収容されている。第1入力軸171の上端部はエンジン13のクランクシャフトに間接的あるいは直接的に接続されており、第1入力軸171の下端部はシフト装置4に接続されている。そして、第1入力軸171は、エンジン13が出力する回転動力をシフト装置4に伝達できる。
シフト装置4は側面視において、ドライブシャフトハウジング102とロアユニットケース103の内部に跨るように配置される。シフト装置4の後側には、補器装置の例であるオイルポンプ6とウォータポンプ7とが、前後方向に同軸に並べて配置される。オイルポンプ6は、シフト装置4から伝達される回転動力によって作動して、オイル吸入管67を通じてロアユニットケース103内の潤滑オイル(以下、単に「オイル」と記す)を吸入し、シフト装置4の内部にオイルを送給する。ウォータポンプ7は、シフト装置4から伝達される回転動力によって作動して、冷却水をエンジン13に送給する。本発明の実施形態ではシフト装置4は、第1入力軸171及び第2入力軸172間で回転動力の断続と回転方向の切替えを行う機能に加え、エンジン13から伝達される回転動力を補器装置に分岐させる機能も有する。また、シフト装置4とオイルポンプ6とウォータポンプ7とは、一体に組み付けられてモジュール化されている。ここでは、シフト装置4とオイルポンプ6とウォータポンプ7のモジュールを、『シフト装置モジュール』と称する。なお、シフト装置モジュール104の構成の詳細については後述する。
ロアユニットケース103の内部で、ドライブ軸17を構成する第2入力軸172が、軸受46を介して回転可能に支持されている。第2入力軸172は第1入力軸171と同軸であり、第1入力軸171及びシフト装置4の下側に位置している。なお、第2入力軸172を支持する軸受46には、ラジアル荷重と上下両方向のスラスト荷重に耐えられるように、互いに反対向きの円錐ころ軸受の組合せが適用される。第2入力軸172の上端部はシフト装置4に接続されており、シフト装置4から鉛直方向下側に向かって延伸するように配置される。第2入力軸172の下端部には、ピニオン歯車18が一体に回転するように設けられる。例えばピニオン歯車18は、第2入力軸172の下端部にスプライン結合している。ピニオン歯車18にはベベルギアが適用される。
ここで、ロアユニットケース103の内部構造を示す図4を適宜参照するものとし、ロアユニットケース103の内部において第2入力軸172の下側には、軸受ハウジング20と、一対のベベルギアである前側歯車21及び後側歯車22と、プロペラ軸23とが、前後方向に延伸する向きで同軸に配置される。プロペラ軸23は、外側軸232と内側軸231とを含む。軸受ハウジング20は、前後方向に貫通する筒状の部材であり、ロアユニットケース103の内部に後側から挿入された状態で、ボルト等によって着脱可能に固定されている。そして、軸受ハウジング20は、外側軸232と後側歯車22とを軸受238,221を介して回転可能に支持する。
前側歯車21はピニオン歯車18の前下側に配置され、ロアユニットケース103の内部に、軸受211(例えば、円錐ころ軸受等)を介して回転可能に支持されている。後側歯車22はピニオン歯車18の後下側に配置され、軸受ハウジング20の内部に、軸受221(例えばスラスト針状ころ軸受やスラスト円筒ころ軸受と円筒ころ軸受との組合せ)によって回転可能に支持されている。前側歯車21と後側歯車22は、回転中心が前後方向に延伸する向きで、前後方向に同軸に並べて設けられる。そして、前側歯車21と後側歯車22とは、第2入力軸172の下端部に設けられるピニオン歯車18と常時噛み合っている。このため前側歯車21と後側歯車22とは、第2入力軸172から伝達される回転動力によって互いに反対方向に回転する。
外側軸232は中空軸であり、前後方向に延伸する向きで配置されている。外側軸232の長手方向の中間部は、軸受ハウジング20に挿通されており、軸受238(例えば針状ころ軸受、円筒ころ軸受等)によって、軸受ハウジング20に回転可能に支持されている。外側軸232の前端部の外周には、ナット等によって後側歯車22が固定される。外側軸232の後端部は、軸受ハウジング20から後側に突出している。そして、外側軸232の後端部には前側プロペラ11が、シャーピン等を介して一体に回転するように設けられる。
内側軸231は、その長手方向の中間部が外側軸232に同軸に遊挿されており、軸受236(例えば針状ころ軸受等)によって、外側軸232の内周側に回転可能に支持されている。内側軸231の前端部は、外側軸232から前側に突出しており、前側歯車21と一体に回転するように係合している。内側軸231の後端部は外側軸232から後側に突出している。そして内側軸231の後端部には、後側プロペラ12が、シャーピン等を介して一体に回転するように設けられる。
かかる構成において第2入力軸172からピニオン歯車18に伝達された回転動力は、前側歯車21及び後側歯車22の双方に伝達される。そして、前側歯車21及び後側歯車22は互いに反対方向に回転する。前側歯車21に伝達された回転動力は、内側軸231を介して後側プロペラ12に伝達される。後側歯車22に伝達された回転動力は、外側軸232を介して前側プロペラ11に伝達される。従って、前側プロペラ11と後側プロペラ12とは、互いに反対方向に回転する。
なお、軸受ハウジング20と後側歯車22と外側軸232と内側軸231とは、モジュール化されている。このモジュール化された状態で、ボルト等によってロアユニットケース103に着脱可能に組み付けられている。
また、シフト装置モジュール104は側面視において、ロアユニットケース103に形成されるキャビテーションプレート105の上側、即ち船外機1の使用時において水没しない位置に配置される。また、シフト装置モジュール104は側面視において、パイロットシャフト143の下端部を支持するロアマウントブラケット146の下側に配置される。このためロアユニットケース103のうち水没する部分には、プロペラ軸23及びプロペラ軸23に回転動力を伝達する歯車(ピニオン歯車18、前側歯車21、後側歯車22)のみを設ければよい。このような構成によりロアユニットケース103の水没する部分の小型化して水の抵抗の低減を図ることができる。
ブラケット装置14は、船外機1の筺体の前側(特にドライブシャフトハウジング102の前側)に設けられる。ブラケット装置14は、スイベルブラケット141とトランサムブラケット142とを有する。スイベルブラケット141は、パイロットシャフト143を介して、船外機1本体の前側に水平方向に回転可能(左右方向に揺動可能)に連結される。パイロットシャフト143は、その軸線が上下方向に平行になる向きで、船外機1の前側に固定されている。例えばパイロットシャフト143の上端部と下端部のそれぞれが、アッパマウントブラケット145とロアマウントブラケット146とを介して船外機1本体に固定される。なお、パイロットシャフト143は、軸線方向に貫通する管状の構成が適用される。トランサムブラケット142はチルト軸144を介して、スイベルブラケット141にピッチング方向に回転可能(上下方向に揺動可能)に連結される。チルト軸144は、その軸線が左右方向に平行になる向きで、スイベルブラケット141に固定される。トランサムブラケット142にはこの他、船舶の船尾板等に取り付けるためのクランプ等が設けられる。そして、船外機1はブラケット装置14のトランサムブラケット142を介して、船舶の船尾板等に取り付けられる。このような構成としたブラケット装置14により船外機1は、船舶の船尾板等に取り付けられた状態で、パイロットシャフト143を中心として水平方向に回転可能となり、チルト軸144を中心として上下方向に回転可能となる。
なお、アッパマウントブラケット145には、ステアリングブラケット(図示せず)が設けられる。このステアリングブラケットにはケーブル等を介して、操舵ハンドルが連結される。操船者は、その操舵ハンドルを操作することによって、船外機1の操舵を行う。また、船外機1にはトリム制御装置が設けられる。このトリム装置は油圧等によって、船外機1をピッチング方向に回転させることができる。そして操船者はトリム制御装置を操作することによって、船外機1のチルトやトリム調整を行う。
船外機1には更に、エンジン13の排気ガスを船外機1の外部に導く排気経路25と、冷却水をエンジン13に導く冷却水経路26が設けられる。
排気経路25は、ドライブシャフトハウジング102の内部であって第1入力軸171の後側に形成される上部排気経路251と、ロアユニットケース103の内部であってシフト装置モジュール104の後側に形成される下部排気経路252とで構成される。上部排気経路251はエンジン13の排気ポート(図示せず)に連通している。下部排気経路252は、例えばキャビテーションプレート105の下面に形成される排気口と連通している。そして、ロアユニットケース103がドライブシャフトハウジング102に取り付けられると、上部排気経路251及び下部排気経路252が一体に連通する。このためエンジン13の排気ガスは、上部排気経路251と下部排気経路252と排気口を通じて、船外機1の外部に排出される。
また、冷却水経路26は、ロアユニットケース103の内部に形成される下部冷却水経路262と、ドライブシャフトハウジング102の内部に設けられる上部冷却水経路261とで構成される。下部冷却水経路262は、ロアユニットケース103に形成される取水口とウォータポンプ7の冷却水吸入ポート721とを接続する。上部冷却水経路261は、ウォータポンプ7の冷却水吐出ポート711とエンジン13(より詳しくは、エンジン13のウォータジャケット)とを接続する。図2及び図3に示すように上部冷却水経路261には、管路が適用できる。かかる構成によれば、ウォータポンプ7は、取水口及び下部冷却水経路262を通じて冷却水を取り入れ、その取り入れた冷却水をエンジン13に送給できる。
<内側軸を回転可能に支持する軸受の潤滑>
次に、内側軸231を回転可能に支持する軸受236を潤滑する構成について説明する。ロアユニットケース103内にはオイルが溜められている。そして、第2入力軸172の下端部、ピニオン歯車18、前側歯車21、後側歯車22、内側軸231及び外側軸232はそのオイルに浸漬している。このためこれらの部材や、これらの部材を回転可能に支持する軸受211,221,236,238は、ロアユニットケース103内に溜められたオイルによって潤滑される。但し、内側軸231を回転可能に支持する軸受236は、外側軸232及び内側軸231間の隙間に設けられているため、この軸受236の周囲ではオイルが滞留して劣化し易くなる。このためそのままでは軸受236の潤滑が不充分になり、焼付け等が生じるおそれがある。そこで、本発明の実施形態では次のような構成によってオイルを循環させ、軸受236を潤滑している。
内側軸231の外周面と外側軸232の内周面との間には隙間が形成される。この隙間は、オイルが循環するオイル循環経路として機能する。外側軸232の後端部であって、内側軸231を支持する軸受236の後側には、この隙間からオイルが後側に漏出することを防止するオイルシール237が装着される。内側軸231の内部には、オイル循環経路として機能するオイル循環孔233が形成される。このオイル循環孔233は内側軸231の軸心に沿って、内側軸231の軸線方向に延伸するように形成される。このオイル循環孔233の前端部は、内側軸231の前端面に露出して開口している。オイル循環孔233の後端部は側面視において、内側軸231を支持する軸受236とオイルシール237の間に位置する。そして、内側軸231を支持する軸受236とオイルシール237との間には、オイル循環孔233の後端部と内側軸231の外周とをオイルが流通可能に連通するオイル流出孔234が形成される。また、内側軸231の外周面には後側歯車22の後側直近から軸受236の前側直近にかけての範囲に、オイルを後側から前側に向かって送るための螺旋溝235が形成される。
エンジン13から伝達される回転動力によって内側軸231が回転すると、オイル流出孔234の内部のオイルは、内側軸231の回転による遠心力によって、外側軸232の内周面及び内側軸231の外周面間の空間に流出する。そして、流出したオイルは、更にオイル流出孔234から流出してくるオイルに押されて、前方に流れる。加えて内側軸231の外周面に螺旋溝235が形成されているから、オイルは螺旋溝235の回転の作用によっても前方へと送られる。オイルがオイル流出孔234から流出すると、オイル循環孔233の内部が負圧になるため、内側軸231の前端部からオイル循環孔233にオイルが流入する。このようにオイル循環孔233と螺旋溝235が協働することによって、オイルの循環効果を高めることができる。これにより内側軸231が回転している間は、内側軸231及び外側軸232間の隙間と、内側軸231のオイル循環孔233及びオイル流出孔234とにオイルを循環させることができる。このため内側軸231を支持する軸受236の周囲においてオイルが滞留して劣化することが防止できる。従って、内側軸231を支持する軸受236の焼付け等の防止を図ることができ、耐久性を向上させることができる。
なお、内側軸231の外周の螺旋溝235は、船外機1の前進時において、オイルを後側から前側に向かって送るように形成される。前述の通り後側プロペラ12及び内側軸231が左回転する場合に船外機1が前進する構成であれば、この螺旋溝235は右ネジ方向に形成される。
また、かかる構成により図5に示すように、船外機1が前傾姿勢になっても、内側軸231を支持する軸受236を潤滑できる。図5は、船外機1が前傾姿勢になった場合におけるオイルの状態を模式的に示す断面図である。図5に示すように船外機1が前傾姿勢になっても、内側軸231の前端部はオイルに浸漬している。なお、図5においてオイルの油面Sとする。このため内側軸231が回転すると、オイル流出孔234の内部のオイルが遠心力によって外側軸232と内側軸231の隙間に吐出される。その結果、オイル循環孔233の内部が負圧になり、オイルがオイル循環孔233を通じて吸い上げられる。このように船外機1が前傾姿勢となり、内側軸231を支持する軸受236が油面Sよりも上側に位置することになっても、オイルを循環させて内側軸231を支持する軸受236へオイルを送給できる。
<シフト装置モジュールの構成>
次に、シフト装置モジュール104の構成について、図6〜図8を参照して説明する。図6は、シフト装置モジュール104の構成例を模式的に示す分解斜視図である。図7は、シフト装置モジュール104の構成例を模式的に示す断面図である。図8は、シフト装置4におけるシフト作動装置5の構成例を示す斜視図である。
図6及び図7に示すようにシフト装置モジュール104は、シフト装置4とオイルポンプ6とウォータポンプ7とを有する。そして、シフト装置4の後側にオイルポンプ6が配置され、更にオイルポンプ6の後側にウォータポンプ7が配置される。また、シフト装置4において、第1入力軸171及び第2入力軸172の前側には、シフトポジションの切替え動作を行うシフト作動装置5が配置される。このように第1入力軸171及び第2入力軸172を挟んで、後側に補器装置の例であるオイルポンプ6及びウォータポンプ7が同軸に配置され、前側にシフト作動装置5が配置される。また、シフト装置モジュール104は、ロアユニットケース103に、ボルト等により固定される。このためロアユニットケース103がドライブシャフトハウジング102から取り外されると、シフト装置モジュール104は、ロアユニットケース103と共にドライブシャフトハウジング102から分離する。
そして、特に図6に示すようにシフト装置4とオイルポンプ6とウォータポンプ7とはそれぞれ、シフト装置モジュール104におけるサブモジュールを構成する。即ち、シフト装置4とオイルポンプ6とウォータポンプ7とがそれぞれ組み立てられ、更にシフト装置4にオイルポンプ6及びウォータポンプ7を組み付けることによって、シフト装置モジュール104が構成される。
(シフト装置)
図7に示すようにシフト装置4は、シフトハウジング40と上側歯車41と中間歯車42と下側歯車44とドグクラッチ45(クラッチ体)と、シフト作動装置5とを含んで構成される。
シフトハウジング40はシフト装置4の筺体であり、上半体401及び下半体402を含んで構成される。上半体401と下半体402とは、第1入力軸171及び第2入力軸172の軸線に直角な平面を割面として上下方向に分割可能である。上半体401及び下半体402の分割面は側面視において、ドライブシャフトハウジング102及びロアユニットケース103の分割面の近傍に形成される(図2及び図3参照)。また、上半体401及び下半体402分割面は、ドライブシャフトハウジング102及びロアユニットケース103の分割面と一致し、又は平行である。図2及び図3においては、例として上半体401及び下半体402の分割面が、ドライブシャフトハウジング102及びロアユニットケース103の分割面に一致する構成を示す。かかる構成によりシフト装置モジュール104が船外機1の筺体に組み付けられた状態において、シフト装置モジュール104の上部はドライブシャフトハウジング102の内部に収容され、下部はロアユニットケース103の内部に収容される。但し、上述の通りシフトハウジング40の上半体401及び下半体402の分割面と、ドライブシャフトハウジング102及びロアユニットケース103との分割面とは、一致していなくてもよい。この他にシフトハウジング40の後部には、オイルポンプ6の筺体であるオイルポンプハウジング60を構成するオイルポンプハウジング蓋体62が一体に形成される。
上側歯車41は、第1入力軸171の下端部に、第1入力軸171と一体に回転するように設けられている。例えば上側歯車41は、第1入力軸171の下端部にスプライン結合している。また、上側歯車41は、シフトハウジング40の上半体401の内部に、軸受412(ラジアル玉軸受やラジアルころ軸受等)を介して回転可能に支持されている。そして、上側歯車41は、エンジン13から第1入力軸171を介して伝達された回転動力を、中間歯車42に常時伝達する。
また、シフトハウジング40には、オイルポンプハウジング蓋体62から上側歯車41を回転可能に支持する軸受412の上部に至るオイル経路403が形成される。オイルポンプ6はオイル経路403を通じて、上側歯車41を回転可能に支持する軸受412の上側にオイルを送給する。
中間歯車42は、上側歯車41と下側歯車44との間に設けられ、これらの双方と常時噛合している。中間歯車42はシフトハウジング40の内側に、軸受421(例えば、円錐ころ軸受等)を介して回転可能に支持される。また、中間歯車42は側面視や上面視において上側歯車41及び下側歯車44の後寄りの位置に、その回転軸が上側歯車41及び下側歯車44の回転軸と直交する向きであって、前後方向に延伸する向きで配置されている。
中間歯車42には、一体に回転する中間軸43が結合する。中間軸43はシフトハウジング40から後側に向かって突出しており、オイルポンプ6とウォータポンプ7の双方に回転動力を伝達する。このように本発明の実施形態では中間軸43は、オイルポンプ6とウォータポンプ7のポンプドライブ軸としての機能を有する。
中間歯車42と上側歯車41の歯数は異ならせてあり、中間歯車42は上歯車と異なる速度で回転する。中間歯車42及び上側歯車41の歯車比は、中間軸43によって駆動される補器装置の仕様に応じて設定される。即ち、この歯車比は中間軸43によって駆動される補器装置の仕様に応じて、中間軸43の回転数が適切な回転数となるように設定される。このように補器装置を中間軸43によって駆動する構成によれば、中間歯車42及び上側歯車41の歯車比を適宜設定することにより、中間軸43の回転数を補器装置の駆動に適した回転数に設定することが容易となる。
特に、補器装置として本実施形態のようにオイルポンプ6とウォータポンプ7が適用される構成であれば、中間歯車42及び上側歯車41の歯車比は、中間歯車42の回転数(中間軸43の回転数)が上側歯車41の回転数(第1入力軸171の回転数)よりも高くなるように設定される。例えば中間歯車42の歯数は上側歯車41の歯数よりも少ない数に設定される。オイルポンプ6及びウォータポンプ7は、ポンプドライブ軸として機能する中間軸43の回転数が高くなると、オイルや冷却水の吐出量が大きくなる。このため中間軸43の回転数を高くすることにより、オイルや冷却水の吐出量を減少させることなく、オイルポンプ6とウォータポンプ7の小型化を図ることができる。従って、この歯車比として、中間歯車42の回転数が上側歯車41の回転数よりも高くなるように設定すると、シフト装置モジュール104の小型化及び軽量化を図ることができる。
下側歯車44は、上側歯車41から所定の間隔をおいて離れた下側の位置に、上側歯車41と同軸に配置される。下側歯車44は、シフトハウジング40の下半体402の内部に、軸受442(ラジアル玉軸受やラジアルころ軸受等)を介して回転可能に支持される。下側歯車44は、中間歯車42を介して上側歯車41から回転動力が伝達され、上側歯車41と反対方向に回転する。
第2入力軸172の上端部は、下側歯車44の軸孔を通過して上側歯車41と下側歯車44との間に突出している。なお、下側歯車44の軸孔と第2入力軸172との間には、軸受47(例えばラジアル針状ころ軸等)が設けられており、下側歯車44及び第2入力軸172は互いに独立して回転可能である。
上側歯車41及び下側歯車44の間には、ドグクラッチ45が設けられる。ドッグクラッチ45は、第2入力軸172の上端部の外周面に例えばスプライン結合しており、第2入力軸172と一体に回転し、且つ第2入力軸172上を軸線方向(上下方向)に往復動可能である。ドグクラッチ45の上下両端面には係合爪451が形成される。また、上側歯車41の下面と下側歯車44の上面にもそれぞれ係合爪411,441が形成される。そして、ドグクラッチ45が上側に移動すると、ドグクラッチ45の上端面の係合爪451と上側歯車41の下面の係合爪411とが係合し、ドグクラッチ45は上側歯車41と一体に回転する。また、ドグクラッチ45が下側に移動すると、ドグクラッチ45の下端面の係合爪451と下側歯車44の上面の係合爪441とが係合し、ドグクラッチ45は下側歯車44と一体に回転する。ドグクラッチ45が上下動の範囲の中間に位置すると、ドグクラッチ45の上下両端面の係合爪451は、上側歯車41及び下側歯車44の係合爪411,441のいずれにも係合しない。この場合には、第1入力軸171の回転動力は第2入力軸172に伝達されない。
中間歯車42及び上側歯車41は常時噛合しているため、ドグクラッチ45の位置に関わらず、エンジン13の回転動力は上側歯車41及び中間歯車42を介して中間軸43に常時伝達される。このようにエンジン13が作動して第1入力軸171が回転していれば、第2入力軸172に回転動力が伝達されているか否かに関わりなく、常時一定方向の回転動力を中間軸43に伝達できる。
ドグクラッチ45の前側(即ち、第1入力軸171及び第2入力軸172の前側)にはシフト作動装置5が設けられる。87に示すようにシフト作動装置5は、シフトカム51とシフトスライダ52とを含んで構成される。シフトカム51には円筒カムが適用され、その側面にはカム溝が形成される。シフトカム51はシフトシャフト55の下端部に連結されており、シフトシャフト55を介して伝達される回転動力によって左右方向に回転する。シフトスライダ52は、スライド軸53上に往復動可能に設けられる。そしてシフトスライダ52はその一部がシフトカム51のカム溝に係合すると共に、後側に向かって突出してドグクラッチ45と係合するアーム521を有する。なお、スライド軸53は、その軸線が第1入力軸171及び第2入力軸172と平行な向きで、シフトハウジング40に支持されている。
更に船外機1は、シフトカム51を駆動する駆動力源としてのアクチュエータ54と、このアクチュエータ54の駆動力を回転動力としてシフトカム51に伝達するシフトシャフト55を有する。アクチュエータ54は、例えばエンジンカバー101の内部又は下面に設けられる。シフトシャフト55は、上下方向に延伸する向きで、管状のパイロットシャフト143の内部に回転可能に挿通されている(図2参照)。そして、シフトシャフト55の上端部はアクチュエータ54に接続され、下端部はシフト作動装置5のシフトカム51に接続されている。そして、アクチュエータ54が作動することによって、シフトカム51を左右任意の方向に回転させることができる。
シフト装置4の動作は、次の通りである。操船者等は、アクチュエータ54を操作することによって、シフトシャフト55を左右いずれかの方向に回転させる。アクチュエータ54が操作されると、シフトシャフト55はアクチュエータ54が発生させる回転動力の方向に応じた方向に回転し、シフトカム51がシフトシャフト55と一体に回転する。シフトカム51が回転すると、シフトスライダ52はシフトカム51の回転方向に応じて、ドッグクラッチ45を上方向又は下方向に移動させる。
ドグクラッチ45が上方向に移動すると、ドグクラッチ45は上側歯車41と係合し、上側歯車41と一体に回転する。ドグクラッチ45は第2入力軸172と一体に回転するため、エンジン13の回転動力は、第1入力軸171と上側歯車41とドグクラッチ45とを介して、第2入力軸172に伝達される。なお、この場合には第2入力軸172は、第1入力軸171と同じ方向に回転する。一方、ドグクラッチ45は、下方向に移動すると下側歯車44に係合し、下側歯車44と一体に回転する。このためエンジン13の回転動力は、第1入力軸171と上側歯車41と中間歯車42と下側歯車44とドグクラッチ45とを介して、第2入力軸172に伝達される。この場合には第2入力軸172は、第1入力軸171と反対方向に回転する。第2入力軸172に伝達された回転動力は、更にピニオン歯車18と前側歯車21と内側軸231とを介して後側プロペラ12に伝達されると共に、ピニオン歯車18と後側歯車22と外側軸232とを介して前側プロペラ11に伝達される。また、ドグクラッチ45が上下方向の可動範囲の中間に位置すると、ドグクラッチ45の上端部と下端部の係合爪451はいずれも、上側歯車41と下側歯車44の係合爪411,441に係合しない。この場合にはエンジン13から出力された回転動力は、第2入力軸172に伝達されない。従って、シフトポジションは中立となる。このようにシフトカム51を回転させてドグクラッチ45を上下方向に移動させることより、シフトポジションを前進、後退及び中立のいずれかに切替えることができる。
なお、本発明の実施形態ではドグクラッチ45の上端部の係合爪451が上側歯車41の係合爪411と係合した場合にシフトポジションが前進となり、ドグクラッチ45の下端部の係合爪451が下側歯車44の係合爪441と係合した場合にシフトポジションが後退となるように構成される。このような構成によりシフトポジションが後退である場合に、エンジン13の回転動力は、上側歯車41と中間歯車42と下側歯車44とを介して第2入力軸172に伝達される。通常、シフトポジションが後退である場合には、前進である場合に比較して伝達する動力が小さい。このため上側歯車41と中間歯車42と下側歯車44の強度を低くできるから、これらの歯車の小型化を図ることができる。従って、シフト装置4の小型化及び軽量化を図ることができる。
更にシフト装置4には、シフトポジションを保持するポジション保持機構56が設けられる。ポジション保持機構56は、例えばシフトカム51の外周面に形成される3箇所の係合凹部561と、これらの係合凹部561に抜脱自在に嵌り込むことができる係合部材562と、この係合部材562を係合凹部561に嵌り込んだ状態に維持する付勢部材(図示せず)とを有する。係合部材562は、シフトハウジング40に対して往復動可能に設けられており、バネ等の付勢部材によってシフトカム51の外周面に付勢されている。3箇所の係合凹部561は、シフトポジションが前進と後退と中立のそれぞれの位置において、係合部材562が嵌り込むように設けられる。このような構成によりシフトカム51に外力がかからない状態では、係合部材562が3箇所の係合凹部561のいずれかに嵌り込んだ状態に保持される。このためシフトポジションが保持される。なお、シフトチェンジを行う際には、アクチュエータ54は、ある程度の力をかけてシフトカム51を回転させる。そうすると係合部材562は、シフトカム51の回転によって、付勢部材の付勢力に抗して係合凹部561から抜け出る。なお、このような機能を実現するために、係合部材562の先端部(係合凹部561に嵌り込む部分)が先細り形状に形成され、係合凹部561はシフトカム51の軸線に直角な断面がV形状や円弧形状に形成される構成が適用できる。
上記のように本発明の実施形態では、第1入力軸171及び第2入力軸172の間で回転動力の断続するための機構として、ドグクラッチ45が適用される。このような構成によれば、シフト装置4の小型化を図ることができる。即ち、例えばエンジン13の回転動力の伝達に円錐クラッチ等の摩擦式クラッチを用いる構成であると、大きな回転動力を伝達するためには、駆動側の摩擦面に従動側の摩擦面を押圧する押圧力を大きくすると共に、摩擦面の面積を大きくしなければならない。このためシフト装置4の重量化と大型化を招く。特に摩擦式クラッチとして円錐クラッチが適用される場合、摩擦面積を大きくするためにクラッチの軸線方向寸法が大きくなる。このためシフト装置4をロアマウントブラケット146の下側に設けると、シフト装置4及びロアマウントブラケット146の干渉を避けるために、ロアマウントブラケット146の位置を高くしてパイロットシャフト143を短くしなければならない。その場合、ブラケット装置14の剛性が低下し、操舵性能が低下する等の問題の発生原因となる。
これに対して本発明の実施形態においては、ドグクラッチ45の係合爪451が上側歯車41又は下側歯車44の係合爪411,441に係合することにより、即ち摩擦式によらずに回転動力を伝達する構成であるから、ドグクラッチ45の小型化を図ることができる。また、ドグクラッチ45に対して軸線方向に大きな押圧力を掛けなくてもよいから、シフト装置4を作動させるシフト作動装置5の小型化を図ることができる。更にシフトシャフト55の回転させるためのアクチュエータ54等についても、小型のものが適用できる。従って、シフト装置4の軽量化及び小型化を図ることができる。
(補器装置)
次に、補器装置の例であるオイルポンプ6とウォータポンプ7について、図6及び図7等を参照して説明する。オイルポンプ6とウォータポンプ7とは、中間軸43を共通のポンプドライブ軸とし、中間軸43から伝達される回転動力によって動作する。
(オイルポンプ)
本発明の実施形態において、オイルポンプ6としてトロコイドポンプが適用される例を示す。オイルポンプ6(トロコイドポンプ)は、オイルポンプハウジング60とインナロータ64とアウタロータ65と、ポンプボディ63と軸受66とを含んで構成される。
オイルポンプハウジング60はオイルポンプ6の筐体であり、一対のケース部材であるオイルポンプハウジング本体61とオイルポンプハウジング蓋体62とで構成される。オイルポンプハウジング本体61は、その前側が開放するカップ状又はトレイ状の構成を有する。オイルポンプハウジング本体61の内部には前側から順に、ポンプボディ63を収容するスペースと、軸受66(例えば、円錐ころ軸等)を収容するスペースとが形成される。また、オイルポンプハウジング本体61には、外部からオイルを吸入するオイル吸入ポート611と、外部にオイルを吐出するオイル吐出ポート612とが設けられる。更にオイルポンプハウジング本体61には中間軸43を挿通可能なように、前後方向に貫通する貫通孔が形成される。オイルポンプハウジング蓋体62は、シフト装置4のシフトハウジング40(上半体401及び下半体402)の後部に一体に設けられる。なお、オイルポンプハウジング蓋体62は、オイルポンプハウジング本体61の開口部を覆う。また、前述のようにオイルポンプハウジング蓋体62(シフトハウジング40の上半体401)には、シフトハウジング40の内部にオイルを送給するオイル経路403が形成される。このオイル経路403の一端はオイルポンプハウジング蓋体62の後面に露出しており、オイルポンプハウジング本体61がオイルポンプハウジング蓋体62に取り付けられると、オイルポンプハウジング本体61のオイル吐出ポート612に連通する。なお、オイルポンプハウジング蓋体62は、オイルポンプハウジング本体61の開口部を塞ぐことができる構成であればよく、具体的な構成は特に限定されるものではない。
ポンプボディ63の前面側には、前面視において円形の凹部が形成される。この凹部には、アウタロータ65とインナロータ64とを回転可能に収容できる。円形の凹部の底部にはその中心から偏心した位置に、前後方向に貫通し中間軸43を挿通可能な貫通孔が形成される。更に凹部の底部には、オイル吸入孔631とオイル吐出孔632とが形成される。
インナロータ64は所定の厚さを有し、半径方向外側に膨出する複数の山状の歯が形成される部材である。インナロータ64には、前後方向(厚さ方向)に貫通して中間軸43を挿通可能の軸孔が形成される。アウタロータ65は所定の厚さを有し、前面視において円形に形成される部材である。アウタロータ65には前後方向(厚さ方向)に貫通する開口部が形成され、更に開口部の内周面には、半径方向内側に膨出する複数の山状の歯が形成される。なお、アウタロータ65に形成される歯の数は、インナロータ64に形成される歯の数よりも多い。
オイルポンプ6の組付構造は、次の通りである。軸受66とポンプボディ63とは、オイルポンプハウジング本体61の内部に収容される。なお、ポンプボディ63は、オイルポンプハウジング本体61に対して相対的に回転しないように収容される。ポンプボディ63がオイルポンプハウジング本体61の凹部に収容されると、ポンプボディ63のオイル吸入孔631とオイル吐出孔632はそれぞれ、オイルポンプハウジング本体61のオイル吸入ポート611とオイル吐出ポート612に連通する。なお、オイル吸入ポート611には、オイル吸入管67の一端が接続される。オイル吸入管67の他端は、ロアユニットケース103の内部の第2入力軸172の前側に達している。アウタロータ65は、ポンプボディ63に形成される円形の凹部に回転可能に収容される。インナロータ64は、アウタロータ65に形成される開口部に収容される。そしてオイルポンプハウジング本体61は、シフトハウジング40の後部に形成されるオイルポンプハウジング蓋体62に、ボルト等によって固定される。そして、このオイルポンプハウジング蓋体62によってオイルポンプハウジング本体61が蓋をされる。これによりインナロータ64とアウタロータ65とは、オイルポンプハウジング本体61とシフトハウジング40とにより形成される空間の内部に回転可能に収容される。
更にオイルポンプハウジング本体61のオイル吐出ポート612と、オイルポンプハウジング蓋体62(シフトハウジング40の上半体401)に形成されるオイル経路403とが連通する。また、オイルポンプ6がシフト装置4に組み付けられた状態では中間軸43は、インナロータ64の軸孔とポンプボディ63の貫通孔と軸受66とオイルポンプハウジング本体61の開口部とを貫通し、それらの後側に突出する。なお、インナロータ64は、キー等によって中間軸43に結合されて一体に回転する。また、ポンプボディ63に形成される貫通孔は円形の凹部に対して偏心しているため、インナロータ64はアウタロータ65に対して偏心した位置に配置される。
このようにオイルポンプハウジング本体61とオイルポンプハウジング蓋体62とが、オイルポンプハウジング60を構成する。そして、オイルポンプハウジング蓋体62はシフトハウジング40に一体に形成される。このような構成によれば、別個独立したオイルポンプハウジング蓋体が不要となる。更にオイルポンプ6から上側歯車41を回転可能に支持する軸受412の上側に至るオイル経路403を、シフトハウジング40に一体に形成できる。従って、シフト装置モジュール104の小型化及び構成の簡素化を図ることができる。
オイルポンプ6の動作は、次の通りである。エンジン13の回転動力が伝達されて中間軸43が回転すると、インナロータ64は、中間軸43と一体に回転する。インナロータ64の一部の歯はアウタロータ65の歯どうしの間に入り込んでいるため、インナロータ64が回転するとアウタロータ65も回転する。インナロータ64はアウタロータ65に対して偏心しており、且つ歯数が異なるため、インナロータ64とアウタロータ65との間に形成される隙間空間の容積は、それらの回転に伴い、円周方向の位置に応じて変化する。そしてポンプボディ63のオイル吸入孔631は、この隙間空間の容積が大きくなり始める位置に形成され、オイル吐出孔632は、この隙間空間の容積が最大になった後に小さくなる位置に形成される。このため中間軸43の回転に伴ってインナロータ64とアウタロータ65とが回転することで、ロアユニットケース103内に溜められているオイルは、オイル吸入管67及びオイル吸入ポート611を通じて吸入され、オイル吐出ポート612から吐出される。そして、シフトハウジング40の上半体401に形成されるオイル経路403を通じて、上側歯車41を回転可能に支持する軸受412の上側に吐出される。吐出されたオイルは軸受412を潤滑し、その後シフトハウジング40の内部に設けられる各部材を潤滑しながら流下する。更にオイルは、第2入力軸172の外周を伝って、ロアユニットケース103の内部に至る。このようにオイルポンプ6は、船外機1のシフト装置4にオイルを送給して潤滑することができる。
(ウォータポンプ)
本発明の実施形態では、多翼ロータ73(インペラ)を有するウォータポンプ7を例に示す。ウォータポンプ7は、ウォータポンプハウジング本体71とウォータポンプハウジング蓋体72と多翼ロータ73とパネル部材74とを含んで構成される。
ウォータポンプハウジング本体71とウォータポンプハウジング蓋体72は、ウォータポンプ7の筺体を構成する。ウォータポンプハウジング本体71は前側が開口しており、前面視において円形の凹部が形成される。そしてこの円形の凹部が、多翼ロータ73を回転可能に収容するロータ収容室となる。更にウォータポンプハウジング本体71には、冷却水を内部のスペースから外部に吐出するための冷却水吐出ポート711が形成される。ウォータポンプハウジング蓋体72は、ウォータポンプハウジング本体71の前側を覆う部材である。ウォータポンプハウジング蓋体72には中間軸43を挿通可能な貫通孔と、外部から冷却水を吸入するための冷却水吸入ポート721とが形成される。多翼ロータ73は半径方向外側に延出し、弾性変形可能な複数の羽根部を有する。パネル部材74には中間軸43を挿通可能な貫通孔と、冷却水が通過する冷却水吸入孔741とが形成される。
ウォータポンプ7の組付構成は、次の通りである。多翼ロータ73は、ウォータポンプハウジング本体71のロータ収容室に回転可能に収容される。この状態では多翼ロータ73の羽根部の先端部がロータ収容室の内周面に接触する。また、多翼ロータ73は中間軸43の後端部に接合されており、中間軸43と共に回転する。なお、多翼ロータ73の回転中心は、円形のロータ収容室の中心から上側に偏心している。そして、ウォータポンプハウジング本体71の前側にはパネル部材74が配置され、更にその前側にはウォータポンプハウジング蓋体72が配置される。パネル部材74とウォータポンプハウジング本体71及びウォータポンプハウジング蓋体72との間には、ガスケット75が設けられる。そして、ウォータポンプハウジング本体71とウォータポンプハウジング蓋体72とが、ボルト等によって結合される。この際、パネル部材74やガスケット75も、ボルトによって共締めされる。
ウォータポンプ7の動作は、次の通りである。エンジン13からの回転動力により中間軸43が回転すると、多翼ロータ73は中間軸43と一体に回転する。多翼ロータ73は上側に偏心しているため、多翼ロータ73の羽根部とロータ収容室の内周面とにより形成される空間の容積は、多翼ロータ73が回転して上側に移動すると小さくなり、下側に移動すると大きくなる。そして、パネル部材74の吸入孔は、前面視において中間軸43の中心よりも下側の位置に形成される。一方、冷却水吐出ポート711は、ウォータポンプハウジング本体71の最上部に形成される。このためウォータポンプ7は、冷却水を冷却水吸入ポート721から吸入して冷却水吐出ポート711から吐出できる。
シフト装置モジュール104が船外機1に組み付けられると、ウォータポンプ7の冷却水吸入ポート721は、ロアユニットケース103に形成される下部冷却水経路262と連通し、冷却水吐出ポート711は上部冷却水経路261と接続する。このため中間軸43の回転に伴って多翼ロータ73が回転すると、ウォータポンプ7は、ロアユニットケース103に形成される取水口及び下部冷却水経路262と、冷却水吸入ポート721とを通じて外部から冷却水を取り込む。そして、ウォータポンプ7は、冷却水吐出ポート711と、ドライブシャフトハウジング102に設けられる上部冷却水経路261を介して、冷却水をエンジン13に送給する。
以上説明した通り本発明の実施形態では、オイルポンプ6はシフト装置4の後側に配置され、ウォータポンプ7はオイルポンプ6の後側に配置される。オイルポンプ6とウォータポンプ7とは、前後方向に同軸に配置されており、中間軸43が共通のポンプドライブ軸として機能する。前述の通り中間軸43は中間歯車42と一体に回転するように配置されている。このため中間軸43は、エンジン13が動作してクランクシャフトが回転している間は、シフト装置4のシフトポジションに係わらず、常時一定の方向に回転する。このためオイルポンプ6とウォータポンプ7とは、第1入力軸171が回転している間は動作を継続する。
なお、前述の構成はオイルポンプ6とウォータポンプ7の構成例であり、上述の構成に限定されるものではない。オイルポンプ6とウォータポンプ7は、共通の中間軸43を介して外部から伝達される回転動力によって動作する構成であればよい。
シフト装置4とオイルポンプ6とウォータポンプ7とは一体にモジュール化されているため、製造ラインにおいて船外機1への組付けが容易である。また、船外機1の製造ラインの短縮を図ることができるため、製造コストの削減を図ることができる。更にモジュールの状態で検査や交換が可能になるので、品質の向上を図ることができる。
上側歯車41及び中間歯車42は常時噛合しており、エンジン13の作動中は中間軸43に常時回転動力が伝達される。このためエンジン13の作動中は、シフト装置4のシフトポジションに関わりなく、中間軸43を常時一定の方向に回転させ、オイルポンプ6及びウォータポンプ7を作動させることができる。また、かかる構成によれば、ウォータポンプ7を第1入力軸171に直接設ける構成と比較して、小型化を図ることができる。即ちウォータポンプ7による冷却水の吐出量は、多翼ロータ73の回転数が高くなると多くなる。前述の通り中間歯車42及び上側歯車41の歯車比は、中間軸43の回転数が第1入力軸171の回転数よりも高くなるように設定される。このためウォータポンプ7が中間軸43をポンプドライブ軸として用いる場合、第1入力軸171をポンプドライブ軸として用いる場合に比較して、冷却水の吐出量を減少させることなく小型化を図ることができる。
また、シフト装置4とオイルポンプ6とウォータポンプ7とがモジュール化されているから、全体として小型化を図ることができる。特にシフト装置4のシフトハウジング40の後部にオイルポンプハウジング蓋体62を一体に形成することで、オイルポンプ6の小型化を図ることができる。
本発明の実施形態においては、補器装置であるウォータポンプ7を、シフト装置4の後側に設ける構成であるから、第1入力軸171周りの構成が簡素になる。このため第1入力軸171とパイロットシャフト143との距離を小さくできる。例えばウォータポンプ7が第1入力軸171に同軸に設けられる場合、ウォータポンプ7とパイロットシャフト143の干渉を避けるために第1入力軸171とパイロットシャフト143の距離を大きくするか、ウォータポンプ7をパイロットシャフト143の上側又は下側に配置しなければならない。しかしながら、前者の構成では船外機1のパイロットシャフト143回りの慣性モーメントが大きくなるため、操舵性能が低下する。更に船外機1の重心が船舶の船体から離れるため、滑走性能(加速性能)が低下する。一方、後者の構成ではパイロットシャフト143を短くしなければならないため、ブラケット装置14の剛性が低下して操舵性能が低下する。
これらに対して本発明の実施形態によれば、ウォータポンプ7が第1入力軸171よりも後側に設けられる構成であるから、ウォータポンプ7とパイロットシャフト143との干渉は生じない。このためパイロットシャフト143とドライブ軸17の距離を小さくできる。このような構成により船外機1のパイロットシャフト143回りの慣性モーメントを小さくできると共に、船外機1の重心を船舶の船体に接近させることができる。従って、操舵性能や滑走性能の向上を図ることができる。また、シフト装置4の上側にはウォータポンプ7等の補器が配置されないから、パイロットシャフト143の下端部を支持するロアマウントブラケット146をシフト装置4に接近させることができる。このためパイロットシャフト143を長くしてブラケット装置14の剛性を高めることができ、操舵性能の向上を図ることができる。更にシフト装置4がロアマウントブラケット146の下側に配置される構成であるから、シフト装置4とパイロットシャフト143との干渉を防止することができ、パイロットシャフト143とドライブ軸17とを接近させることができ、小型化に寄与する。
また、ウォータポンプ7がシフト装置4の後側に設けられる場合、第1入力軸171に設けられる構成と比較して、ウォータポンプ7の配置位置を低くして水面に近付けることができる。このためウォータポンプ7のポンプ効率を高めることができる。なお、ウォータポンプ7を含むシフト装置モジュール104が、側面視においてキャビテーションプレート105の上側であって使用時に水没しない位置に設けられる構成であるから、ロアユニットケース103の水没する部分の大型化による水の抵抗の増加を招かない。
ウォータポンプ7がオイルポンプ6の後側に設けられる場合、ウォータポンプ7のメンテナンスが容易となる。ウォータポンプ7は、冷却水とともに砂等の異物を吸引することがある。このため多翼ロータ73の摩耗等により、定期的なメンテナンスが必要になる。これに対してオイルポンプ6は、異物を吸引することがないから、ウォータポンプ7に比較して、メンテナンスの頻度が低い。そこで、ウォータポンプ7をオイルポンプ6の後側に設けることによって、オイルポンプ6の取り外しや分解をすることなく、ウォータポンプ7のメンテナンス(特に、多翼ロータ73の点検等)が可能になる。従って、ウォータポンプ7のメンテナンス性が向上する。
図9は、ロアユニットケース103をドライブシャフトハウジング102から取り外した状態を示す上面図である。シフト装置4とオイルポンプ6とウォータポンプ7とは、ボルト等によってロアユニットケース103に固定されている。このためロアユニットケース103をドライブシャフトハウジング102から取り外した場合には、シフト装置モジュール104は、ロアユニットケース103と共にドライブシャフトハウジング102から分離する。図9に示すようにウォータポンプ7の後部は排気経路25に臨んでおり、何も配置されない空間となっている。このようにウォータポンプ7は排気経路25に臨むように設けられ、その周囲に空間が形成されるため、ウォータポンプ7のメンテナンスが容易となる。例えばウォータポンプ7の取り付けや取り外しが容易となる。
次に、上述した実施形態に係る本発明の船外機における主要な作用効果等について説明する。
先ず、前後進切換機構が従来の船外機のようなギヤケースでなく、即ちドライブシャフトハウジング内に配置されたことで、ロアユニットのギヤケース内は二重反転プロペラの駆動装置のみとなる。これによりロアユニットが小型化されて走行時の水流抵抗を低減することができる。また、前進及び後進の切換をドグクラッチで行うことにより、摩擦式クラッチのように嵩張り重量がある構造と異なり、簡素且つ軽量な機構とすることができる。
摩擦式クラッチでは駆動側の摩擦面に従動側の摩擦面を押圧して伝達トルクを得るようにしているが、伝達トルクが大きくなる程、より大きな押圧力(スラスト方向荷重)及び摩擦面を必要とする。これら押圧力及び摩擦面を確保するために装置として大きく重い構造とならざるを得ない。本発明によれば、ドグクラッチであるためかかる押圧力を必要とせずに適正且つ円滑なクラッチ作動を行い、その作動装置(アクチュエータ)についても小型のものを使用可能となる。
また、前後進シフト機構が従来のように水中に水没するギヤケース内ではなく、水面上に露出するキャビテーションプレートよりも上方のドライブシャフトハウジング内に配置されることで、ギヤケース内は二重反転プロペラの駆動装置のみとなり、小型化により水流抵抗を大幅に低減することができる。
その場合、前後進シフト機構を上下のマウント部よりも下方に配置することでドライブ軸、即ち船外機本体をステアリング軸に接近して配置することができる。これによりステアリング軸まわりの慣性モーメントが減少して操舵性能が向上すると共に、船外機の重心位置を船体に近接配置できるため、滑走への移行(加速)性能が向上する。
更に、コーンクラッチでは所定の摩擦係数を確保するためにクラッチ体の軸方向長さが長くなってしまい、つまり上下長さがドグクラッチと比較して長くなり、前後進シフト機構よりもステアリング軸マウント部を上方に配置するためには上下マウント部のスパンを短くする必要がある。その結果、船外機の支持剛性の低下を招来し、そのままでは船舶の操縦性や安定性に著しく影響する。
また、中間軸は第1入力軸に対して回転速度を増速することが可能であり、常時一定方向に回転するため、流体ポンプを第1入力軸で直接駆動するよりも小型化に有効に寄与する。
また、冷却水ポンプを第1入力軸で駆動するために前後進シフト機構の上方に配置するよりも、水面に近い前後進シフト機構の側方に配置することが可能になり、ポンプ効率を向上することが可能になる。なお、船外機において一般的に使用されるポンプの吸上げ性能は低い。
更に、前後進シフト機構用の潤滑油ポンプを前後進シフト機構と一体に配置できるため全体としても小型化を図ることができる。
ここで、図10は本発明の変形例、特にウォータポンプ7の別の配置構成例を示している。この例ではウォータポンプ7を第1入力軸171上に設け、その回転力でウォータポンプ7を駆動するというものである。
図10に示されるようにウォータポンプ7の取水口、下部冷却水経路262及び上部冷却水経路261は第1入力軸171及び第1入力軸172の側近に沿って、上下方向に略直線上に配管される。オイルポンプ6の後側に回り込むように配管しないことで、その管路等を短縮化し、ポンプ効率向上に有効である。
以上、本発明の実施形態を、図面を参照して詳細に説明したが、前記実施形態は、本発明の実施にあたっての具体例を示したに過ぎない。本発明の技術的範囲は、前記実施形態に限定されるものではない。本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であり、それらも本発明の技術的範囲に含まれる。
例えば、上記の実施形態において二重反転プロペラを有する船外機の例を説明したが、単一のプロペラを持つ船外機の場合にも本発明は有効に適用可能であり、上記実施形態と同様な作用効果を得ることができる。
1:船外機、101:エンジンカバー、102:ドライブシャフトハウジング、103:ロアユニットケース、104:シフト装置モジュール、105:キャビテーションプレート、11:前側プロペラ、12:後側プロペラ、13:エンジン、14:ブラケット装置、141:スイベルブラケット、142:トランサムブラケット、143:パイロットシャフト、144:チルト軸、145:アッパマウントブラケット、146:ロアマウントブラケット、15:エンジンホルダ、16:オイルパン、17:ドライブ軸、171:第1入力軸、172:第2入力軸、18:ピニオン歯車、20:軸受ハウジング、21:前側歯車、211:前側歯車を支持する軸受、22:後側歯車、221:後側歯車を支持する軸受、23:プロペラ軸、231:内側軸、232:外側軸、233:オイル循環孔、234:オイル流出孔、235:螺旋溝、236:内側軸を支持する軸受、237:オイルシール、238:外側軸を支持する軸受、25:排気経路、251:上部排気経路、252:下部排気経路、26:冷却水経路、261:上部冷却水経路、262:下部冷却水経路、4:シフト装置、40:シフトハウジング、401:上半体、402:下半体、403:オイル経路、41:上側歯車、411:上側歯車の係合爪、412:上側歯車を支持する軸受、42:中間歯車、421:中間歯車を支持する軸受、43:中間軸、44:下側歯車、441:下側歯車の係合爪、442:下側歯車を支持する軸受、45:ドグクラッチ、451:ドグクラッチの係合爪、46:第2入力軸を支持する軸受、47:第2入力軸と下側歯車との間の軸受、5:シフト作動装置、51:シフトカム、52:シフトスライダ、521:アーム、53:スライド軸、54:アクチュエータ、55:シフトシャフト、56:ポジション保持機構、561:係合凹部、562:係合部材、6:オイルポンプ、60:オイルポンプハウジング、61:オイルポンプハウジング本体、611:オイル吸入ポート、612:オイル吐出ポート、62:オイルポンプハウジング蓋体、63:ポンプボディ、631:オイル吸入孔、632:オイル吐出孔、64:インナロータ、65:アウタロータ、66:軸受(オイルポンプ)、67:オイル吸入管、7:ウォータポンプ、70:ウォータポンプハウジング、71:ウォータポンプハウジング本体、711:冷却水吐出ポート、72:ウォータポンプハウジング蓋体、721:冷却水吸入ポート、73:多翼ロータ、74:パネル部材、741:冷却水吸入孔、75:ガスケット。

Claims (5)

  1. 鉛直方向に延びてエンジン動力を伝達するドライブ軸と、このドライブ軸の下端部に回転一体に取り付けられたピニオンベベルギヤと、このピニオンベベルギヤに噛合するドリブンベベルギヤと、このドリブンベベルギヤにより回転駆動されるプロペラ軸と、このプロペラ軸の後端部に回転一体に取り付けられたプロペラとを有する船外機であって、
    前記ドライブ軸を、エンジンにより回転される第1入力軸とこの第1入力軸と同軸に配置されて該第1入力軸の回転が伝達される第2入力軸とで構成し、
    前記第2入力軸と一体に回転するように支持されたクラッチ体と、前記第1入力軸によって回転される上側歯車と、該上側歯車に対して逆回転する下側歯車と、前記上側歯車及び前記下側歯車間に介設され、前記ドライブ軸に対して直交する中間軸に支持される中間歯車とを有する前後進シフト機構を、前記第1入力軸及び前記第2入力軸間に介設し、
    前記クラッチ体は上下に係合爪を備えたドグクラッチで構成され、前記第2入力軸の軸方向に沿って移動して前記上側歯車又は前記下側歯車に係合することにより、前記第1入力軸の回転を正転又は逆転可能に前記第2入力軸に伝達することを特徴とする船外機。
  2. 前記前後進シフト機構は、当該船外機を左右に回動自在に支持するステアリング軸の上下端部を保持する上下のマウント部よりも下方で、少なくとも前記下側歯車がロアユニットの上部に設けたキャビテーションプレートよりも上方に配置されたことを特徴とする請求項1に記載の船外機。
  3. 前記前後進シフト機構は前記ドライブ軸よりも前側に、前記ドグクラッチを上下に作動させるシフト作動装置を配置する一方、前記ドライブ軸よりも後方に前記中間歯車及び前記中間軸を配置し、この中間軸により当該船外機の補器装置が駆動されることを特徴とする請求項1又は2に記載の船外機。
  4. 前記補器装置として、エンジン冷却用の冷却水ポンプ及び前記前後進シフト機構の潤滑油ポンプのいずれか一方、又はそれら双方を有することを特徴とする請求項3に記載の船外機。
  5. 前記潤滑油ポンプが前記冷却水ポンプよりも前方に配置されることを特徴とする請求項4に記載の船外機。
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