JP2015202657A - 離型フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】 特に加熱処理した後における視認性が非常に優れており、異物の生成が極めて少ないという優れた効果を有することから、特にこれらの特性を有することが強く求められる各種の離型用途において好適に利用することのできる離型フィルムを提供する。【解決手段】 二軸延伸ポリエステルフィルムからなる基材に、第一下引き層、第二下引き層、および硬化型シリコーン樹脂を含有する離型層が順次積層されてなることを特徴とする離型フィルム。【選択図】 なし

Description

本発明は離型フィルムに関し、特に加熱処理後の視認性が優れていることや異物生成が少ないという効果を有する離型フィルムを提供するものである。
関するものである。
二軸延伸ポリエステルフィルムは、透明性、寸法安定性、機械的特性、耐熱性、電気的特性などに優れ、二軸延伸ポリエステルフィルムを基材とし、シリコーン樹脂などを主成分とする離型層を設けた離型フィルムは、多くの分野で使用されている。
しかし近年、離型フィルムの使用される用途として、高温にさらされることが多くある。例えば、タッチパネルなどで使用されるITOスパッタ層を設けた透明導電フィルムは、ITOの結晶化工程において150℃程度の熱が1時間以上かけられる。このような透明導電フィルムの貼り合わせを行うための粘着層と離型フィルムは、結晶化の前に透明導電フィルムに積層され、ともに結晶化工程を経る場合がある。しかしポリエステルフィルムの問題として、このような高温の処理にさらされると、フィルム中に含有されるオリゴマー(ポリエステルの低分子量成分、特に環状三量体)が、フィルム内部から析出してくる。このようにして析出してきたオリゴマーが、離型層を通り抜けて、粘着層の内部で結晶化して異物となることで、外観検査に支障を来たすといった問題が生じる。
そのため、二軸延伸ポリエステルフィルムを基材とした離型フィルムは、用途によっては十分に使用に耐える特性を有してはいなかった。
特開2007−200823号公報 特開2012−150779号公報
本発明は上記実情に鑑みなされたものであって、その解決課題は、特に加熱処理後の視認性が優れており、異物生成が少ないという効果を有する離型フィルムを提供することにある。
本発明者は、上記の課題に関して鋭意検討を重ねた結果、ポリエステルフィルム基材、特定の下引き層、離型層の構成とすることにより、上記課題が解決されることを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の要旨は、二軸延伸ポリエステルフィルムからなる基材に、第一下引き層、第二下引き層、および硬化型シリコーン樹脂を含有する離型層が順次積層されてなることを特徴とする離型フィルムに存する。
本発明の積層ポリエステルフィルムによれば、高温長時間の処理を行っても、フィルムからのオリゴマー析出が抑制されているために、離型層表面への異物の生成のない優れた外観の製品を得ることができ、その工業的な利用価値は高い。
本発明の離型フィルムの基材フィルムは、ポリエステルからなるものである。かかるポリエステルとは、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、1,4−シクロヘキシルジカルボン酸のようなジカルボン酸またはそのエステルとエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノールのようなグリコールとを溶融重縮合させて製造されるポリエステルである。これらの酸成分とグリコール成分とからなるポリエステルは、通常行われている方法を任意に使用して製造することができる。
例えば、芳香族ジカルボン酸の低級アルキルエステルとグリコールとの間でエステル交換反応をさせるか、あるいは芳香族ジカルボン酸とグリコールとを直接エステル化させるかして、実質的に芳香族ジカルボン酸のビスグリコールエステル、またはその低重合体を形成させ、次いでこれを減圧下、加熱して重縮合させる方法が採用される。その目的に応じ、脂肪族ジカルボン酸を共重合しても構わない。
本発明のポリエステルとしては、代表的には、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレン−2,6−ナフタレート、ポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート等が挙げられるが、その他に上記の酸成分やグリコール成分を共重合したポリエステルであってもよく、必要に応じて他の成分や添加剤を含有していてもよい。
本発明におけるポリエステルフィルムは、単層または多層構造である。多層構造の場合は、表層と内層、あるいは両表層や各層を目的に応じ異なるポリエステルとすることができる。
また添加剤をフィルム中に加える場合、単層フィルムに加えたり、多層フィルムの一部の層のみに加えたりすることもできる。例えば、フィルムを3層構成とし、内層には粒子を加えず、一方もしくは両方の外層に粒子を加えることで、易滑性と透明性を、より両立することができる。
また、本発明のポリエステルフィルムは、オリゴマーの含有量が少ないポリエステルを用いると好ましい。かかるオリゴマー含有量の少ないポリエステルの使用量としては、フィルムが単層構造である場合は、全ポリエステルの80重量%以上であると好適であり、フィルムが多層構造である場合は、下引き層に接する表層のうち80重量%であると好適である。オリゴマーの含有量の少ないポリエステルとは、環状三量体が0.7重量%以下であるようなポリエステルを指す。特に好ましくは、環状三量体が0.5重量%以下である。ポリエステルフィルムを高温で加熱した場合に、オリゴマーがフィルム表面に析出してくることを抑制するには、0.7重量%以下であると良好な効果が得られる。また、単にオリゴマー含有量を少なくすれば、それに応じて析出量が減るわけではなく、特にフィルム表面に粘着剤層などが設けられた状態で加熱する場合は、オリゴマー含有量が0.5重量%程度を境に、析出量が大幅に低減できることが分かった。
また、多層構造のフィルムの表層を、このようにオリゴマー含有量の少ないポリエステルとする場合は、表層の厚さは好ましくは4μm以上であり、より好ましくは5μm以上である。この厚みが厚いほど、オリゴマーの析出が抑制されるのであるが、離型フィルムが加熱工程を経る様々な用途で試験した結果、表層の厚みが上記範囲より薄い場合、十分なオリゴマーの析出抑制効果が得られない場合があることが分かった。
本発明におけるポリエステルフィルムには、フィルムの走行性を確保したり、キズが入ることを防いだりする等の目的で粒子を含有させることができる。このような粒子としては、例えば、シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、リン酸カルシウム、カオリン、タルク、酸化アルミニウム、酸化チタン、アルミナ、硫酸バリウム、フッ化カルシウム、フッ化リチウム、ゼオライト、硫化モリブデン等の無機粒子、架橋高分子粒子、シュウ酸カルシウム等の有機粒子、さらに、ポリエステル製造工程時の析出粒子等を用いることができる。
用いる粒子の粒径や含有量はフィルムの用途や目的に応じて選択されるが、平均粒径(d50)に関しては、通常0.01μm〜3μm、好ましくは0.02μm〜2.5μm、さらに好ましくは0.03μm〜2μmの範囲である。平均粒径が3.0μmを超えるとフィルムの表面粗度が粗くなりすぎたり、粒子がフィルム表面から脱落しやすくなったりする。平均粒径が0.01μm未満では、表面粗度が小さすぎて、十分な易滑性が得られない場合がある。
粒子含有量については、粒子を含有するポリエステル層に対し、通常0.0003〜1.0重量%、好ましくは0.0005〜0.5重量%の範囲である。粒子含有量が0.0003重量%未満の場合には、フィルムの易滑性が不十分な場合があり、一方、1.0重量%を超えて添加する場合には、フィルムの透明性が不十分な場合がある。なおフィルムの透明性、平滑性などを特に確保したい場合には、実質的に粒子を含有しない構成とすることもできる。また、適宜、各種安定剤、潤滑剤、帯電防止剤等をフィルム中に加えることもできる。
本発明の基材フィルムであるポリエステルフィルムのヘーズは10%以下であることが好ましい。より好ましくは5%以下、さらに好ましくは3%以下である。この範囲より大きいと、光学用途においては、外観上使用しがたくなる場合がある。
本発明のフィルムの製膜方法としては、通常知られている製膜法を採用でき、特に制限はない。例えば、まず溶融押出によって得られたシートを、ロール延伸法により、70〜145℃で2〜6倍に延伸して、一軸延伸ポリエステルフィルムを得、次いで、テンター内で先の延伸方向とは直角方向に80〜160℃で2〜6倍に延伸し、さらに、150〜250℃で1〜600秒間熱処理を行うことでフィルムが得られる。さらにこの際、熱処理のゾーンおよび/または熱処理出口のクーリングゾーンにおいて、縦方向および/または横方向に0.1〜20%弛緩する方法が好ましい。
本発明の第一下引き層は、製膜したフィルムに後から塗布層を設ける、いわゆるオフラインコーティングと、フィルムの製膜中に塗布層を設ける、いわゆるインラインコーティングのいずれでも設けることができる。ただしインラインコーティング、特に塗布後に延伸を行う塗布延伸法により設けられることが好ましい。
インラインコーティングは、ポリエステルフィルム製造の工程内でコーティングを行う方法であり、具体的には、ポリエステルを溶融押出ししてから二軸延伸後熱固定して巻き上げるまでの任意の段階でコーティングを行う方法である。通常は、溶融・急冷して得られる実質的に非晶状態の未延伸シート、その後に長手方向(縦方向)に延伸された一軸延伸フィルム、熱固定前の二軸延伸フィルムの何れかにコーティングする。特に塗布延伸法としては、一軸延伸フィルムにコーティングした後に横方向に延伸する方法が優れている。かかる方法によれば、製膜と塗布層塗設を同時に行うことができるため製造コスト上のメリットがあり、コーティング後に延伸を行うために、薄膜で均一なコーティングとなるために塗布層の特性が安定する。また、二軸延伸される前のポリエステルフィルム上を、まず塗布層を構成する樹脂層で被覆し、その後フィルムと塗布層を同時に延伸することで、基材フィルムと塗布層が強固に密着することになる。また、ポリエステルフィルムの二軸延伸は、テンタークリップによりフィルム端部を把持しつつ横方向に延伸することで、フィルムが長手/横手方向に拘束されており、熱固定において、しわ等が入らず平面性を維持したまま高温をかけることができる。それゆえ、コーティング後に施される熱処理が他の方法では達成されない高温とすることができるために、塗布層の造膜性が向上し、また塗布層とポリエステルフィルムが強固に密着する。塗布層を設けたポリエステルフィルムとして、塗布層の均一性、造膜性の向上および塗布層とフィルムの密着は好ましい特性を生む場合が多い。
塗布延伸法の場合、用いる塗布液は、取扱い上、作業環境上、安全上の理由から水溶液または水分散液であることが望ましいが、水を主たる媒体としており、本発明の要旨を越えない範囲であれば、有機溶剤を含有していてもよい。
本発明の第一下引き層は、全不揮発成分に対する架橋剤の比率が70重量%以上である塗布液を塗布し、乾燥して得られることが好ましい。なお塗布液中には、その他の成分を含有していても構わない。
ここで述べる架橋剤とは、特に熱で反応する架橋性樹脂のことであり、例えばアミノ樹脂系、イソシアネート系、オキサゾリン系、エポキシ系などが挙げられる。他のポリマー骨格に反応性基を持たせた、ポリマー型架橋反応性化合物も含まれる。
本発明においては、特にオキサゾリン系の架橋剤を使用することが、ポリエステルフィルムからのオリゴマー析出の抑制と、下引き層の外観が良好であることが両立し好ましい。
また、特に2種類以上の架橋剤を併用すると、加熱時にポリエステルフィルムから析出するオリゴマーが抑制される効果が高くなり好ましい。これはおそらく、下引き層が形成される時に、反応速度の異なる架橋剤が存在することで、より効果的に下引き層の空隙を埋め、オリゴマーの析出を抑制する層となるためと推測される。
種々の組み合わせを検討した結果、オキサゾリン系、エポキシ系を併用する、ないし、アミノ樹脂系、オキサゾリン系、エポキシ系を併用すると、特に得られる効果が高い。
オキサゾリン系の架橋剤としては、分子内にオキサゾリン基を含有する重合体が好ましく、付加重合性オキサゾリン基含有モノマー単独もしくは他のモノマーとの重合によって作成できる。付加重合性オキサゾリン基含有モノマーは、2−ビニル−2−オキサゾリン、2−ビニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−ビニル−5−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−5−エチル−2−オキサゾリン等を挙げることができ、これらの1種または2種以上の混合物を使用することができる。これらの中でも2−イソプロペニル−2−オキサゾリンが工業的にも入手しやすく好適であるが、他のモノマーは、付加重合性オキサゾリン基含有モノマーと共重合可能なモノマーであれば構わない。また本発明におけるオキサゾリン系架橋剤は、オキサゾリン基の含有量として、0.5〜10mmol/g、好ましくは3〜9mmol/g、より好ましくは5〜8mmol/gの範囲である。特に2種類以上の架橋剤を併用する場合に、上記範囲であるオキサゾリン系架橋剤を選定することで、得られる効果が高い。
エポキシ系の架橋剤は、分子内にエポキシ基を有する化合物のことであり、例えば、エピクロロヒドリンとエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、ポリグリセリン、ビスフェノールA等の水酸基やアミノ基との縮合物が挙げられ、ポリエポキシ化合物、ジエポキシ化合物、モノエポキシ化合物、グリシジルアミン化合物等がある。ポリエポキシ化合物としては、例えば、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、トリグリシジルトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアネート、グリセロールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、ジエポキシ化合物としては、例えば、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、レゾルシンジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリテトラメチレングリコールジグリシジルエーテル、モノエポキシ化合物としては、例えば、アリルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、グリシジルアミン化合物としてはN,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシリレンジアミン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノ)シクロヘキサン等が挙げられる。
アミノ樹脂系の架橋剤の中でも、メラミン樹脂のアミノ基をメチロール化し、さらにそのメチロール基の一部をメチル化したものが、水溶性で取扱いがよく、反応性も高く、また下引き層と基材フィルムとの密着性や下引き層の耐久性に優れた離型フィルムが得られる。
なお、かかる架橋成分を含有する場合、同時に架橋を促進するための成分、例えば架橋触媒などを併用することができる。
第一下引き層を設けるための塗布液中には、必要に応じて上記述べた成分以外を含むことができる。例えば、界面活性剤、その他のバインダー、粒子、消泡剤、塗布性改良剤、増粘剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、発泡剤、染料、顔料等である。これらの添加剤は単独で用いてもよいが、必要に応じて二種以上を併用してもよい。
また、第一下引き層の厚さは、最終的に、二軸延伸ポリエステルフィルム上の皮膜厚さとして、通常0.003〜1μmの範囲である。好ましくは0.005〜0.5μm、さらに好ましくは0.01〜0.2μmの範囲である。厚さがこれより薄い場合には、フィルムから析出するオリゴマー量が十分に少なくならないことがある。またこれより厚い場合には、第一下引き層の外観の悪化や、ブロッキングしやすくなるなどの問題が生じることがある。
第一下引き層の厚みは、塗布フィルムをルテニウム化合物やオスミウム化合物等の重金属を用いて染色を行い、超薄切片法により塗布フィルムの断面を調整した後、透過型電子顕微鏡にて塗布フィルム断面の塗布層を複数個所観測し、その実測値を平均することで確認することができる。
ポリエステルフィルムに塗布液を塗布する方法としては、例えば、原崎勇次著、槙書店、1979年発行、「コーティング方式」に示されるような塗布技術を用いることができる。具体的には、エアドクターコーター、ブレードコーター、ロッドコーター、ナイフコーター、スクイズコーター、含浸コーター、リバースロールコーター、トランスファロールコーター、グラビアコーター、キスロールコーター、キャストコーター、スプレイコーター、カーテンコーター、カレンダコーター、押出コーター等のような技術が挙げられる。
なお、塗布剤のフィルムへの塗布性、接着性を改良するため、塗布前にフィルムに化学処理やコロナ放電処理、プラズマ処理等を施してもよい。
本発明の第二下引き層を設けるための塗布液には、アルミニウム、チタン、ジルコニウムから選ばれる1種または2種以上の金属元素を含む有機化合物を塗布層中に含有することが好ましい。これら金属有機化合物は、1種類のみを用いてもよく、適宜、2種類以上を混合して用いてもよい。
アルミニウム元素を有する有機化合物の具体例としては、アルミニウムトリス(アセチルアセトネ−ト)、アルミニウムモノアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)、アルミニウム−ジ−n−ブトキシド−モノエチルアセトアセテート、アルミニウム−ジ−イソ−プロポキシド−モノメチルアセトアセテート等が例示される。
チタン元素を有する有機化合物の具体例としては、例えば、テトラノルマルブチルチタネート、テトライソプロピルチタネート、ブチルチタネートダイマー、テトラ(2−エチルヘキシル)チタネート、テトラメチルチタネート等のチタンオルソエステル類;チタンアセチルアセトナート、チタンテトラアセチルアセトナート、ポリチタンアセチルアセトナート、チタンオクチレングリコレート、チタンラクテート、チタントリエタノールアミネート、チタンエチルアセトアセテート等のチタンキレート類等が挙げられる。
ジルコニウム元素を有する有機化合物の具体例としては、例えば、ジルコニウムアセテート、ジルコニウムノルマルプロピレート、ジルコニウムノルマルブチレート、ジルコニウムテトラアセチルアセトナート、ジルコニウムモノアセチルアセトナート、ジルコニウムビスアセチルアセトナート等が挙げられる。
その中でも、特にオリゴマー析出防止性能が良好となる点でアルミニウム、チタン、ジルコニウムから選ばれる1種または2種以上の金属元素を含む有機化合物の中を用いるのが好ましく、さらに好ましくはキレート構造を有する有機化合物が好ましい。なお、「架橋剤ハンドブック」(山下晋三、金子東助 編者(株)大成社 平成2年版)にも具体的に記載されている。
本発明における第二下引き層は、オリゴマー析出防止性を良好とすると共に、離型層とポリエステルフィルムとの塗膜密着性を良好とするために、有機珪素化合物を併用することが好ましく、有機珪素化合物としては、下記一般式(1)で表されるものが好ましい。
Si(X)(Y)(R …(1)
(上記式中、Xはエポキシ基、メルカプト基、(メタ)アクリロイル基、アルケニル基、ハロアルキル基およびアミノ基から選ばれる少なくとも1種を有する有機基、Rは一価炭化水素基であり、かつ炭素数1〜10のものであり、Yは加水分解性基であり、dは1または2の整数、eは2または3の整数、fは0または1の整数であり、d+e+f=4である)
前記一般式(1)で表される有機珪素化合物は、加水分解・縮合反応によりシロキサン結合を形成しうる加水分解性基Yを2個有するもの(D単位源)あるいは3個有するもの(T単位源)を使用することができる。一般式(1)において、Rは、特にメチル基、エチル基、プロピル基が好ましい。加水分解性基Yとしては、従来公知のものが使用可能で、以下のものを例示できる。メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基、イソプロペノキシ基、アセトキシ基、ブタノキシム基およびアミノ基等。これらの加水分解性基は、単独あるいは複数種を使用してもよい。メトキシ基あるいはエトキシ基を適用すると、コーティング材に良好な保存安定性を付与でき、また適当な加水分解性があるため、特に好ましい。
本発明において、塗布層中に含有する有機珪素化合物としては、従来公知のものを使用
することができ、具体的にはビニルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリ
メトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−(3, 4−エ
ポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキ
シシラン、γ−メタアクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピ
ルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、5−ヘキセニルトリメ
トキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシ
ラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチル
ジイソプロペノキシシラン等を例示することができる。
本発明において、第二下引き層には、加水分解・縮合反応促進を目的として、触媒を併用すると好適である。触媒の具体例としては、酢酸、酪酸、マレイン酸、クエン酸などの有機酸類、塩酸、硝酸、リン酸、硫酸などの無機酸類、トリエチルアミンなどの塩基性化合物類、テトラブチルチタネート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジオクテート、ジブチル錫ジオレート、ジフェニル錫ジアセテート、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ジメトキサイド、ジブチルビス(トリエトキシシロキシ)錫、ジブチル錫ベンジルマレート等などの有機金属塩類、KF、NH4 Fなどのフッ素元素含有化合物などを挙げることができる。上記触媒は単独で使用しても良くあるいは2種類以上を併用してもよい。その中でも、特に塗膜耐久性が良好となる点で有機金属塩類が好ましく、さらに好ましくは触媒活性が長時間持続可能な点で錫触媒を用いるのが好ましい。
さらに下引き層の固着性、滑り性改良を目的として、無機系粒子を含有してもよく、具体例としてはシリカ、アルミナ、カオリン、炭酸カルシウム、酸化チタン、バリウム塩等が挙げられる。
また、必要に応じて消泡剤、塗布性改良剤、増粘剤、有機系潤滑剤、有機系高分子粒子、酸化防止剤、紫外線吸収剤発泡剤、染料等が含有されてもよい。
本発明の要旨を越えない範囲において、分散性改良、造膜性改良等を目的として、使用する有機溶剤は一種類のみでもよく、適宜、二種類以上を使用してもよい。
本発明における第二下引き層の塗布量は、乾燥後被膜の厚みとして、通常0.005〜1μm、好ましくは0.005〜0.5μmの範囲である。塗布量が0.005μm未満の場合には、塗布厚みの均一性が不十分な場合があり、熱処理後、塗布層表面から析出するオリゴマー量が多くなる場合がある。一方、1μmを超えて塗布する場合には、滑り性低下等の不具合を生じる場合がある。
第二下引き層の厚みは、塗布フィルムをルテニウム化合物やオスミウム化合物等の重金属を用いて染色を行い、超薄切片法により塗布フィルムの断面を調整した後、透過型電子顕微鏡にて塗布フィルム断面の塗布層を複数個所観測し、その実測値を平均することで確認することができる。
本発明において、第二下引き層を設ける方法は、例えば、原崎勇次著、槙書店、1979年発行、「コーティング方式」に示されるような塗布技術を用いることができる。具体的には、エアドクターコーター、ブレードコーター、ロッドコーター、ナイフコーター、スクイズコーター、含浸コーター、リバースロールコーター、トランスファロールコーター、グラビアコーター、キスロールコーター、キャストコーター、スプレイコーター、カーテンコーター、カレンダコーター、押出コーター等のような技術が挙げられる。
本発明において、ポリエステルフィルム上に第二下引き層を形成する際の硬化条件に関しては、通常120℃以上の熱処理を与え、好ましくは120〜200℃で3〜40秒間、さらに好ましくは120〜160℃で3〜40秒間を目安として熱処理を行う。また、必要に応じて熱処理と紫外線照射等の活性エネルギー線照射とを併用してもよい。120℃以上で加熱処理されない場合、オリゴマーの析出量が多くなったり、塗布層の硬化が不十分なために離型層の剥離力の変動が大きくなったりして好ましくない。
本発明では、上述のようにして得られた、二軸延伸ポリエステルフィルム上の第一下引き層、第二下引き層の上にさらに硬化型シリコーン樹脂を含有する離型層を設ける。硬化型シリコーン樹脂を主成分とするタイプでもよいし、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂等の有機樹脂とのグラフト重合等による変性シリコーンタイプ等を使用してもよい。
硬化型シリコーン樹脂の種類としては、付加型・縮合型・紫外線硬化型・電子線硬化型・無溶剤型等何れの硬化反応タイプでも用いることができる。
具体例を挙げると、信越化学工業(株)製KS−774、KS−775、KS−778、KS−779H、KS−847H、KS−856、X−62−2422、X−62−2461、ダウ・コーニング・アジア(株)製DKQ3−202、DKQ3−203、DKQ3−204、DKQ3−205、DKQ3−210、東芝シリコーン(株)製YSR−3022、TPR−6700、TPR−6720、TPR−6721、東レ・ダウ・コーニング(株)製SD7220、SD7226、SD7229等が挙げられる。さらに離型層の剥離性等を調整するために剥離コントロール剤を併用してもよい。
本発明において、ポリエステルフィルムに離型層を設ける方法としては、リバースロールコート、グラビアコート、バーコート、ドクターブレードコート等、従来公知の塗工方式を用いることができる。
本発明における離型層の塗布量は、離型層形成後の乾燥被膜として、通常0.01〜1g/mの範囲である。離型層の塗布量は、塗料の重量濃度と塗布面積、塗料の使用量から計算できる。塗布量がこれより少ない場合、均一な離型性を得ることが難しくなり、これより多い場合、ブロッキングなどの問題が生じてくる。
なお、離型層の厚みを前述のように透過型電子顕微鏡にて断面から確認し、比重で割ることで塗布量を求めることもできる。一般的に硬化性シリコーンの比重は0.9〜1.2程度が多い。厚み0.1μmの離型層の塗布量は、比重1の時0.1g/mである。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例および比較例における評価方法は下記のとおりである。
(1)ポリエステルの固有粘度の測定方法
ポリエステル1gを精秤し、フェノール/テトラクロロエタン=50/50(重量比)の混合溶媒100mlを加えて溶解させ、30℃で測定した。
(2)ポリエステル原料に含有される含有エステル環状三量体の測定方法:
ポリエステル原料を約200mg秤量し、クロロホルム/HFIP(ヘキサフルオロ−2−イソプロパノル)の比率3:2の混合溶媒2mlに溶解させる。溶解後、クロロホルム20mlを追加した後、メタノール10mlを少しずつ加える。沈殿物を濾過により除去し、さらに、沈殿物をクロロホルム/メタノールの比率2:1の混合溶媒で洗浄し、濾液・洗浄液を回収し、エバポレーターにより濃縮、その後、乾固させる。乾固物をDMF(ジメチルホルムアミド)25mlに溶解後、この溶液を液体クロマトグラフィー(島津製作所製「LC−7A」)に供給して、DMF中のオリゴマー量を求め、この値をクロロホルム/HFIP混合溶媒に溶解させたポリエステル原料量で割って、含有オリゴマー量(重量%)とする。DMF中のオリゴマー量は、標準試料ピーク面積と測定試料ピーク面積のピーク面積比より求めた(絶対検量線法)。
標準試料の作成は、予め分取したオリゴマー(環状三量体)を正確に秤量し、正確に秤量したDMFに溶解し作成した。標準試料の濃度は、0.001〜0.01mg/mlの範囲が好ましい。
なお、液体クロマトグラフの条件は下記のとおりとした。
移動相A:アセトニトリル
移動相B:2%酢酸水溶液
カラム:三菱化学(株)製「MCI GEL ODS 1HU」
カラム温度:40℃
流速:1ml/分
検出波長:254nm
(3)平均粒径(d50:μm)の測定方法
遠心沈降式粒度分布測定装置(株式会社島津製作所社製SA−CP3型)を使用して測定した等価球形分布における積算(重量基準)50%の値を平均粒径とした。
(4)塗布層厚さ
包埋樹脂でフィルムを固定し断面をミクロトームで切断し、2%オスミウム酸で60℃、2時間染色して試料を調整した。得られた試料を、透過型電子顕微鏡(日本電子製JEM2010)で観察し、塗布層の厚みを測定した。フィルムの計15箇所を測定し、数値の大きい方から3点と、小さい方から3点を除いた9点の平均を塗布層厚みとする。
(5)ラブオフテスト
ポリエステルフィルムの試料を23℃/50%RHの室内に30日間放置後、離型面を指先で数回摩擦し、離型面の具合を下記の評価基準にて判断し、密着性の目安とした。 ○:フィルム表面に変化が見られず良好
×:フィルム表面に指で擦った痕が見られ、剥離力も変化している
(6)粘着層光学欠陥検査1
離型フィルムの離型面に、アクリル系粘着剤 コーポニールN−2233(日本合成化学製)を乾燥後厚さ3μmになるように塗布し、粘着層を設けた。この粘着層を介し、離型フィルムをガラス板に貼り付けた後、160℃で2.5時間加熱した。その後、粘着層内に生じた異物を光学顕微鏡下で検査した。検査は、100mm×100mmの面積を、試料の任意の箇所から12箇所選択し、5μm以上の大きさの異物個数をカウントした。全12箇所の検査範囲のうち、異物個数が最も多かった2箇所を除き、10箇所の検査範囲内での異物個数の合計から、以下の基準で判定した。
○:異物が見つからない
△:異物が1個以上、3個未満(実用上やや問題になる)
×:異物が3個以上(実用上問題になる)
(7)粘着層光学欠陥検査2
上記粘着層光学欠陥検査1と同様の処理で160℃で2.5時間加熱した試験片から離型フィルムを剥離し、さらにガラス板に貼り付けて、2枚のガラス板で粘着層が挟まれた状態の試験片を作成した。次にこの試験片を60℃、95%RHの環境下で10日間エージング処理を行った。このエージング処理により、粘着層に溶解していたオリゴマーが結晶成長し、より異物として顕在化しやすくなる。この試験片の粘着層内に生じた異物を光学顕微鏡下で検査した。検査は、100mm×100mmの面積を、試料の任意の箇所から12箇所選択し、5μm以上の大きさの異物個数をカウントした。全12箇所の検査範囲のうち、異物個数が最も多かった2箇所を除き、10箇所の検査範囲内での異物個数の合計から、以下の基準で判定した。
○:異物が見つからない
△:異物が1個以上、3個未満(実用上やや問題になる)
×:異物が3個以上(実用上問題になる)
実施例および比較例で使用したポリエステルは、以下である。
(ポリエステル1):
テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール60重量部とを出発原料とし、触媒として酢酸マグネシウム・四水塩0.09重量部を反応器にとり、反応開始温度を150℃とし、メタノールの留去とともに徐々に反応温度を上昇させ、3時間後に230℃とした。4時間後、実質的にエステル交換反応を終了させた。この反応混合物にエチルアシッドフォスフェート0.04部を添加した後、三酸化アンチモン0.04部を加えて、4時間重縮合反応を行った。すなわち、温度を230℃から徐々に昇温し280℃とした。一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的には0.3mmHgとした。反応開始後、反応槽の攪拌動力の変化により、極限粘度0.63に相当する時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させた。得られたポリエステル1の極限粘度は0.63、オリゴマー(環状三量体)の含有量は0.97重量%であった。
(ポリエステル2):
ポリエステル1を、予め160℃で予備結晶化させた後、温度220℃の窒素雰囲気下で固相重合し、極限粘度0.75、オリゴマー(環状三量体)含有量0.46重量%のポリエステル2を得た。
(ポリエステル3):
ポリエステル1の製造方法において、エチルアシッドフォスフェート0.04部を添加後、エチレングリコールに分散させた平均粒子径(d50)が1.6μmのシリカ粒子を0.3部、三酸化アンチモン0.04部を加えて、極限粘度0.65に相当する時点で重縮合反応を停止した以外は、ポリエステル1の製造方法と同様の方法を用いてポリエステル3を得た。得られたポリエステル3は、極限粘度0.65、オリゴマー(環状三量体)含有量0.91重量%であった。
第一下引き層を設けるための塗布液に含有する組成物としては以下を用いた。
(C1):
オキサゾリン基がアクリル系樹脂にブランチされたポリマー型架橋剤(株式会社日本触媒製エポクロス)。オキサゾリン基量=7.7mmol/g
(C2):
オキサゾリン基がアクリル系樹脂にブランチされたポリマー型架橋剤(株式会社日本触媒製エポクロス)。オキサゾリン基量=4.5mmol/g
(C3):
エポキシ含量=5.5(eq/kg)のポリグリセロールポリグリシジルエーテル。
(C4):
イミノ基/メチロール基/メトキシ基が1.5/2/2.5のモル比である、ヘキサメトキシメチロール化メラミン。
(T1):
2−アミノ−2−メチルプロパノールハイドロクロライド
(B1):
下記の組成で重合した、ガラス展移転が44℃の水溶性アクリル樹脂
メチルメタクリレート/イソブチルアクリレート/2−ヒドロキシエチルメタクリレート=50/30/10
(B2):
反応性乳化剤としてアルコキシポリエチレングリコールメタクリレートを存在下に、アクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸、N−メチロールアクリルアミドを主成分として共重合した、ガラス転移点が50℃、酸価が14mgKOH、平均粒径が0.05μmであるアクリル樹脂水分散体。
(F1):
BET法による平均粒径が0.07μmのシリカ粒子
(S1):
界面活性剤サーフィノール465(エアープロダクツ製)
第二下引き層を設けるための塗布液に含有する組成物としては以下を用いた。
(A1):
アルミニウムトリス(アセチルアセトネ−ト)
(K1):
γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
(T2):
ジブチル錫ジアセテート
これらを以下のように混合し、第二下引き層塗布液を濃度4重量%に調整した。
(A1):19.5重量%
(K1):80重量%
(T2):0.5重量%
希釈溶剤:トルエン/MEK混合溶媒(混合比率は1:3)
離型層の組成物としては以下を用いた。
(R1):
硬化型シリコーン樹脂(LTC303E:東レ・ダウコーニング製)
(R2):
硬化剤(SRX212:東レ・ダウコーニング製)
<ポリエステルフィルムの製造例>
製造例1
ポリエステル1とポリエステル3とを重量比で90/10でブレンドしたものをA層、ポリエステル1のみのものをB層の原料として、二台のベント式二軸押出機にそれぞれを供給し、285℃に加熱溶融し、A層を二分配して再外層(表層)、B層を中間層とする二種三層(A層/B層/A層)の層構成で共押出し、静電密着法を用いて表面温度40〜50℃の鏡面冷却ドラムに密着させながら冷却固化させて、厚み構成比がA層/B層/A層=5/90/5となる未延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを作成した。このフィルムを85℃の加熱ロール群を通過させながら長手方向に3.7倍延伸し、一軸配向フィルムとした。次いでこのフィルムをテンター延伸機に導き、100℃で幅方向に4.0倍延伸し、さらに230℃で熱処理を施した後、幅方向に2%の弛緩処理を行い、フィルム厚みが100μmの二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルムを得た。
製造例2
ポリエステル2とポリエステル3とを重量比で93/7でブレンドしたものをA層、ポリエステル1のみのものをB層の原料として、二台のベント式二軸押出機にそれぞれを供給し、285℃に加熱溶融し、A層を二分配して再外層(表層)、B層を中間層とする二種三層(A層/B層/A層)の層構成で共押出し、静電密着法を用いて表面温度40〜50℃の鏡面冷却ドラムに密着させながら冷却固化させて、厚み構成比がA層/B層/A層=5/90/5となる未延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを作成した。このフィルムを85℃の加熱ロール群を通過させながら長手方向に3.7倍延伸し、一軸配向フィルムとした。次いでこのフィルムをテンター延伸機に導き、100℃で幅方向に4.0倍延伸し、さらに230℃で熱処理を施した後、幅方向に2%の弛緩処理を行い、フィルム厚みが100μmの二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルムを得た。
実施例1:
製造例1の工程において、得られた一軸配向フィルムの片面に、表1に示すとおりの塗布液を塗布した。次いでこのフィルムをテンター延伸機に導き、その熱を利用して塗布液の乾燥、熱処理を行いつつ、製造例1と同様の工程によって、フィルム厚みが100μmの二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルムの上に、表1に示す厚さの第一下引き層を設けた積層ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムにさらに、第二下引き層塗布液を、乾燥後の塗布厚みが0.01μmとなるように塗布し、130℃、30秒間乾燥、熱処理した。さらに、以下の離型層塗料を、乾燥後の塗布量が0.1g/mになるように、リバースグラビアコート方式により塗布した後、150℃、30秒間乾燥、熱処理し、ポリエステルフィルムの上に、順に、第一下引き層、第二下引き層、離型層が積層された離型フィルムを得た。
(R1) 100部
(R2) 1部
MEK/トルエン混合溶媒(混合比率は1:2) 1500部
実施例2〜8:
製造例2の工程において、得られた一軸配向フィルムの片面に、表1に示すとおりの塗布液を塗布した。次いでこのフィルムをテンター延伸機に導き、その熱を利用して塗布液の乾燥、熱処理を行いつつ、製造例2と同様の工程によって、フィルム厚みが100μmの二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルムの上に、下記表1に示す厚さの第一下引き層を設けた積層ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムにさらに、第二下引き層塗布液を、表2に示す乾燥後の塗布厚みとなるように塗布し、130℃、30秒間乾燥、熱処理した。さらに、以下の離型層塗料を、乾燥後の塗布量が0.1g/mになるように、リバースグラビアコート方式により塗布した後、150℃、30秒間乾燥、熱処理し、ポリエステルフィルムの上に、順に、第一下引き層、第二下引き層、離型層が積層された離型フィルムを得た。
(R1) 100部
(R2) 1部
MEK/トルエン混合溶媒(混合比率は1:1)1500部
比較例1〜2:
実施例2〜8と同様の工程で、第二下引き層を設けなかった以外は同様にして、ポリエステルフィルムの上に、順に、第一下引き層、離型層が積層された離型フィルムを得た。
比較例3:
比較例1〜2と同様の工程で、第一下引き層を設けなかった以外は同様にして、ポリエステルフィルムの上に離型層が積層された離型フィルムを得た。
Figure 2015202657
ただし、表1中の重量比は、塗布液中における各成分の不揮発分の重量比を表す。
Figure 2015202657
実施例、比較例において得られたフィルムの特性を下記表2に示す。
Figure 2015202657
本発明のフィルムは、高温にさらされた後も被着体に異物を発生させがたいという性能を必要とする用途における離型フィルムとして、好適に利用することができる。

Claims (4)

  1. 二軸延伸ポリエステルフィルムからなる基材に、第一下引き層、第二下引き層、および硬化型シリコーン樹脂を含有する離型層が順次積層されてなることを特徴とする離型フィルム。
  2. 第一下引き層が、全不揮発成分に対する架橋剤の比率が70重量%以上である塗布液を塗布した後、乾燥して得られたものである請求項1に記載の離型フィルム。
  3. 第二下引き層が、アルミニウム、チタン、およびジルコニウムから選ばれる少なくとも1種の金属元素を含む有機化合物、有機珪素化合物、および金属触媒を含む塗布液を塗布した後、乾燥して得られたものであるこ請求項1または2に記載の離型フィルム。
  4. 下引き層に接するポリエステル面を構成する層が、オリゴマー含有量0.7重量%以下のポリエステル80重量%以上から構成された、厚み4μm以上の層である請求項1〜3のいずれかに記載の離型フィルム。
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