JP2015201717A - 過電圧保護回路 - Google Patents

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Abstract

【課題】回路面積を小さく抑えつつ、過電圧が生じた際に内部回路を保護するとともに通常時よりも少ない電力の供給を継続する。【解決手段】内部回路2の正常動作に必要な電流を流すことができる電流能力を有するメインSW素子4は、電源端子P1から内部回路2への電力供給経路に直列に介在する。メイン駆動回路8は、メインSW素子4をフルオン駆動する。内部回路2が過電圧発生時の処理に必要な動作を行い得るだけの電流を流すことができる電流能力を有するサブSW素子5は、メインSW素子4に対して並列に設けられる。サブ駆動回路9は、内部回路2への供給電圧が定常範囲の値となるようにサブSW素子5を電圧フォロア動作させる。切替制御回路6は、電源端子P1の電圧が過電圧判定値より高い過電圧状態であるか否かを検出し、過電圧状態でない場合にはメイン駆動回路8を動作させ、過電圧状態である場合にはサブ駆動回路9を動作させるとともにメイン駆動回路8の動作を停止する。【選択図】図1

Description

本発明は、電源端子に生じる過電圧から内部回路を保護する過電圧保護回路に関する。
内部回路の絶対最大定格を超えるような高い電圧(以下、過電圧と呼ぶ)を持つ電源線や端子などに電源端子がショートする可能性があるシステムでは、その電源端子に生じる過電圧から内部回路を保護するための保護回路が設けられる。ただし、その保護回路が、過電圧が生じたときに内部回路への電源供給を直ちに断つような構成では、内部回路の出力信号が不定のまま動作が停止するといった問題、過電圧が解消した際に直ちに復帰できないといった問題などが生じる懸念がある。
一方、特許文献1には、過電圧が生じていないとき(通常時)に電源供給を行う直流電源とは別の電源(基準電圧電源)を用意しておき、過電圧が生じると、直流電源から内部回路への電源供給を断つとともに基準電圧電源から内部回路に電源供給を行うように切り替えを行う構成が開示されている。このような構成によれば、過電圧が生じた場合、その過電圧から内部回路を保護するとともに、内部回路に対し、シャットダウン、復帰準備などの処理を実行可能な電力の供給を継続することが可能となる。
特開昭49−50443号公報
しかし、上記した従来技術の構成では、2系統の電源回路を設ける必要があるため、その回路面積が大きくなるという問題があった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、回路面積を小さく抑えつつ、過電圧が生じた際に内部回路を保護するとともに通常時よりも少ない電力の供給を継続することができる過電圧保護回路を提供することにある。
請求項1に記載の手段は、電源端子および電源端子から電力供給を受ける内部回路の間に介在して設けられ、電源端子に生じる過電圧から内部回路を保護する過電圧保護回路である。過電圧保護回路は、メインスイッチング素子、メイン駆動回路、サブスイッチング素子、サブ駆動回路および切替制御回路を備えている。切替制御回路は、電源端子の電圧である電源電圧が過電圧判定値より高い過電圧状態であるか否かを検出し、その過電圧状態の検出の有無に応じて、メイン駆動回路およびサブ駆動回路の動作/停止を次のように切り替える。
すなわち、切替制御回路は、過電圧状態が検出されていない場合、つまり通常時には、メイン駆動回路を動作させる。メイン駆動回路は、電源端子から内部回路への電力供給経路に直列に介在するメインスイッチング素子をフルオン駆動する。これにより、電源端子から内部回路に対し、フルオンした状態(オン抵抗が低い状態)のメインスイッチング素子を介して電力の供給が行われる。このとき、内部回路には、電源電圧にほぼ等しい電圧が印加されることになる。また、メインスイッチング素子は、内部回路の正常動作に必要な電流を流すことができる電流能力を有しているので、内部回路は正常に通常時の動作を行うことができる。
また、切替制御回路は、過電圧状態が検出されている場合、つまり過電圧時(異常時)には、サブ駆動回路を動作させるとともにメイン駆動回路の動作を停止する。サブ駆動回路は、メインスイッチング素子に対して並列に設けられるとともにメインスイッチング素子よりも少ない電流能力を有するサブスイッチング素子を電圧フォロア動作させる。これにより、電源端子から内部回路に対し、電圧フォロア動作するサブスイッチング素子を介して電力の供給が行われる。このとき、サブ駆動回路は、内部回路への供給電圧が定常範囲の電圧値となるように上記電圧フォロア動作を行うため、内部回路に過電圧が印加されることが防止される。そして、内部回路には、通常時よりも少ない電力の供給が継続される。
従って、上記構成によれば、内部回路の絶対最大定格を超える過電圧を持つ電源線や端子などに電源端子がショートした場合でも、その過電圧から内部回路を保護するとともに、内部回路に対し、必要最低限の処理(シャットダウン、復帰準備など)を行うことができる程度の電力の供給を継続することができる。しかも、上記構成によれば、従来技術のように2系統の電源回路を設ける必要がないため、その回路面積を小さく抑えることができる。
請求項2に記載の手段では、サブスイッチング素子は、内部回路が過電圧発生時の処理に必要な動作を行い得るだけの電流を流すことができる電流能力を有している。従って、過電圧が生じた場合、内部回路の動作が不安定なまま停止する問題、過電圧が解消した際に直ちに復帰できなくなる問題などの発生を確実に防止することができる。
請求項3に記載の手段では、切替制御回路は、過電圧状態が検出されていない状態(通常状態)から過電圧状態が検出されている状態(過電圧状態)に遷移した際、サブ駆動回路が動作している状態でメイン駆動回路の動作を停止する。このようにすれば、通常状態から過電圧状態へと遷移する際、内部回路への電力供給が瞬間的に途絶えるといった瞬停の発生を防止することができる。
請求項4に記載の手段では、切替制御回路は、過電圧状態が検出されている状態から過電圧状態が検出されていない状態に遷移した際、サブ駆動回路の動作を停止するのに先立って、メイン駆動回路の動作を開始する。このようにすれば、過電圧状態から通常状態へと遷移する際、内部回路への電力供給が瞬間的に途絶えるといった瞬停の発生を防止することができる。
請求項13に記載の手段では、内部回路は、車両に搭載される回路、つまり車載用途の回路である。車載用途の回路は、電源端子に過電圧が生じた場合であっても、その動作を直ちに停止してはならない場合が多く、最低限の電力供給を継続する必要がある。従って、このような車載用途の内部回路を保護するために上記各手段の過電圧保護回路を用いれば、前述した効果が一層有益なものとなる。
第1の実施形態を示すもので、過電圧保護回路を備えた直噴制御装置の概略的な構成図 内部回路の構成を表すブロック図 各部の動作波形を示すタイミングチャート 第2の実施形態を示す図1相当図 図3相当図 第3の実施形態を示す図3相当図 第4の実施形態を示す図1相当図 第5の実施形態を示す図1相当図 第6の実施形態を示す図1相当図 第7の実施形態を示す図1相当図
以下、本発明の複数の実施形態について図面を参照して説明する。なお、各実施形態において実質的に同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態について図1〜図3を参照して説明する。
図1に示す直噴制御装置1は、車載用の半導体集積回路装置(IC)として構成されている。直噴制御装置1は、車両に搭載された内燃機関の気筒に燃料を噴射供給するインジェクタの駆動を制御する。直噴制御装置1の電源端子P1には、外部から電源電圧VDD(例えば、定常値5V)が与えられる。なお、本実施形態では、電源端子P1は、例えば車載のバッテリから出力されるバッテリ電圧(例えば、定常値12V)が与えられた電源ラインや端子などとショートする(短絡する)可能性がある。
直噴制御装置1は、電源端子P1から電力供給を受ける内部回路2と、電源端子P1に生じる過電圧から内部回路2を保護する過電圧保護回路3とを備えている。過電圧保護回路3は、メインスイッチング素子4、抵抗R1、R2、制御スイッチSW1、SW2、ツェナーダイオードD1、サブスイッチング素子5および切替制御回路6を備えている。
メインスイッチング素子4(以下、メインSW素子4とも称す)は、Pチャネル型のLDMOS(Laterally Diffused Metal Oxide Semiconductor)トランジスタである。メインSW素子4は、電源端子P1から内部回路2への電力供給経路に直列に介在している。つまり、メインSW素子4のソースは電源端子P1に接続され、そのドレインは内部回路2の電源供給端子に接続される電源線7に接続されている。メインSW素子4は、少なくとも内部回路2の正常動作に必要な電流を流すことができる電流能力を有する。
メインSW素子4のゲートは、抵抗R1を介して電源端子P1に接続されるとともに、制御スイッチSW1を介してグランドに接続されている。制御スイッチSW1は、例えば半導体スイッチング素子などにより構成されたものであり、そのオン/オフは切替制御回路6から出力される制御信号S1により制御される。具体的には、制御スイッチSW1は、制御信号S1がLレベル(グランド電位=0V)のときにオフされるとともに、Hレベル(電源電圧VDD=5V)のときにオンされる。
このような構成によれば、メインSW素子4は、制御信号S1がLレベルのときにオフ駆動され、制御信号S1がHレベルのときにフルオン駆動される。メインSW素子4がフルオン駆動されると、そのドレインの電圧、つまり電源線7の電圧がほぼ電源電圧VDDとなる。なお、本実施形態では、抵抗R1および制御スイッチSW1により、メインSW素子4を駆動するメイン駆動回路8が構成される。
サブスイッチング素子5(以下、サブSW素子5とも称す)は、Nチャネル型のLDMOSトランジスタである。サブSW素子5は、メインSW素子4に対して並列に設けられている。つまり、サブSW素子5のドレインは電源端子P1に接続され、そのソースは電源線7に接続されている。サブSW素子5は、メインSW素子4よりも少ない電流能力であり、且つ、内部回路2が過電圧発生時の処理に必要な動作(後述する)を行い得るだけの電流を流すことができる電流能力を有する。
サブSW素子5のゲート(制御端子に相当)は、抵抗R2を介して電源端子P1に接続されるとともに、ツェナーダイオードD1のカソードに接続されている。ツェナーダイオードD1のアノードは、制御スイッチSW2を介してグランドに接続されている。ツェナーダイオードD1のツェナー電圧(降伏電圧)は、内部回路2の電源電圧の定常範囲内の値となっている。制御スイッチSW2は、制御スイッチSW1と同様の構成であり、そのオン/オフは切替制御回路6から出力される制御信号S2により制御される。具体的には、制御スイッチSW2は、制御信号S2がLレベルのときにオフされるとともに、Hレベルのときにオンされる。
このような構成によれば、サブSW素子5は、制御信号S2がLレベルのときにオフ駆動され、制御信号S2がHレベルのときにオン駆動される。サブSW素子5は、オン駆動されると、そのゲート電圧がツェナーダイオードD1のツェナー電圧に固定される(クランプされる)。そして、サブSW素子5がソースフォロアの形態となっているため、そのソースの電圧、つまり電源線7の電圧は、ツェナー電圧よりサブSW素子5のゲート・ソース間電圧(閾値電圧Vt)だけ低い電圧に固定される(電圧フォロア動作)。なお、本実施形態では、抵抗R2、ツェナーダイオードD1および制御スイッチSW2により、サブSW素子5を駆動するサブ駆動回路9が構成される。
切替制御回路6は、電源端子P1の電圧である電源電圧VDDが過電圧判定値より高い過電圧状態であるか否かを検出し、その過電圧状態の検出の有無に基づいて、制御スイッチSW1、SW2のオン/オフを制御する。なお、過電圧判定値は、内部回路2の絶対最大定格より所定のマージン分だけ低い値に設定されている。
切替制御回路6は、電圧検出部10、基準電圧生成部11、コンパレータ12およびインバータ13を備えている。電圧検出部10は、電源端子P1およびグランドの間に接続された抵抗R3、R4の直列回路により構成されており、その直列回路の相互接続ノードから電源端子P1の電圧(電源電圧VDD)に応じた検出電圧Vd1を出力する。基準電圧生成部11は、例えばバンドギャップリファレンス回路などから構成されており、過電圧判定値に対応する基準電圧Vr1を生成する。
コンパレータ12(第1コンパレータに相当)は、非反転入力端子に与えられる検出電圧Vd1および反転入力端子に与えられる基準電圧Vr1を比較する。従って、コンパレータ12の出力信号は、電源電圧VDDが過電圧判定値より高い過電圧状態であるとき(過電圧時)にはHレベルになり、過電圧状態でないとき(通常時)にはLレベルになる。
コンパレータ12の出力信号は、制御信号S2として制御スイッチSW2に与えられるとともに、インバータ13および内部回路2に与えられる。インバータ13は、コンパレータ12の出力信号を反転して出力する。インバータ13の出力信号は、制御信号S1として制御スイッチSW1に与えられる。内部回路2は、コンパレータ12の出力信号のレベルに基づいて、過電圧状態であるか否かを判断する。
図2に示すように、内部回路2は、インジェクタを駆動する駆動信号を出力するINJドライバ14、噴射量を制御するゲートアレイ(G/A)15、燃費を向上させるための各種制御(補正処理など)を行うゲートアレイ(G/A)16および追加制御部17などを備えている。内部回路2は、過電圧状態であると判断すると、INJドライバ14およびゲートアレイ15(負荷駆動系)を継続して動作させるとともに、ゲートアレイ16および追加制御部17の動作を直ちに停止させる。これは、次のような理由による。
すなわち、過電圧時、INJドライバ14およびゲートアレイ15の動作を直ちに止めると、インジェクタを駆動する駆動信号が不定になるなどして誤噴射が生じるおそれがある。そこで、内部回路2は、過電圧状態であると判断しても、INJドライバ14およびゲートアレイ15の動作を継続させ、噴射を確実に停止するような論理に駆動信号を固定するとともに(シャットダウン処理)、過電圧状態からの復帰に備える(復帰準備処理)。これに対し、ゲートアレイ16および追加制御部17の動作は、上記誤噴射の発生とは無関係である。また、過電圧状態から復帰する際にも時間的な余裕が大きい。そのため、内部回路2は、過電圧状態であると判断すると、ゲートアレイ16および追加制御部17の動作を直ちに停止する。
次に、上記構成による動作について図3のタイミングチャートを参照して説明する。
ここでは、電源端子P1の電圧が過電圧判定値以下である「通常時」と、電源端子P1の電圧が過電圧判定値を超える「過電圧時(異常時)」とに分けて動作の説明を行う。
「1」通常時の動作
図3の時刻t1以前の期間および時刻t2以降の期間は、通常時である。通常時、コンパレータ12の出力信号がLレベルとなるため、「制御信号S1=Hレベル、制御信号S2:Lレベル」となり、「制御スイッチSW1:オン、制御スイッチSW2:オフ」となる。そのため、メインSW素子4がフルオン駆動されるとともに、サブSW素子5がオフ駆動される。
これにより、電源端子P1から内部回路2に対し、フルオンした状態(オン抵抗が低い状態)のメインSW素子4を介して電力の供給が行われる。このとき、内部回路2には、電源電圧VDDにほぼ等しい電圧が印加されることになる。また、メインSW素子4は、内部回路2の正常動作に必要な電流を流すことができる電流能力を有しているので、内部回路2は、その全ての構成要素を正常に動作させることができる。
「2」過電圧時の動作
図3の時刻t1〜t2の期間は、過電圧時である。過電圧時、コンパレータ12の出力信号がHレベルとなるため、「制御信号S1=Lレベル、制御信号S2=Hレベル」となり、「制御スイッチSW1:オフ、制御スイッチSW2:オン」となる。そのため、メインSW素子4がオフ駆動されるとともに、サブSW素子5がオン駆動される。
これにより、電源端子P1から内部回路2に対し、電圧フォロア動作するサブSW素子5を介して電力の供給が行われる。このとき、サブSW素子5は、ソース側の電圧つまり電源線7の電圧が内部回路2の定常範囲の電圧値となるように駆動されるので、内部回路2に、その絶対最大定格を超えるような過電圧が印加されることはない。そして、内部回路2には、通常時より少ない電力ではあるものの、過電圧発生時の処理に必要な動作を行い得るだけの電力の供給が継続される。
以上説明したように、本実施形態の過電圧保護回路3によれば、内部回路2の絶対最大定格を超える過電圧を持つ電源線や端子などに電源端子P1がショートした場合でも、その過電圧から内部回路2を適切に保護するとともに、内部回路2に対し、必要最低限の処理(シャットダウン処理、復帰準備処理など)を行うことができる程度の電力の供給を継続することができる。しかも、過電圧保護回路3は、従来技術のように2系統の電源回路を設ける必要がないため、その回路面積を小さく抑えることができる。
また、この場合、サブSW素子5は、内部回路2が過電圧発生時の処理に必要な処理を行い得るだけの電流を流すことができる程度の電流能力を有していればよい。従って、過電圧が生じた場合、内部回路2の動作が不安定なまま停止する問題、過電圧が解消した際に直ちに復帰できなくなる問題などの発生を確実に防止しつつ、サブSW素子5のチップ面積を極力小さくすることができ、その結果、過電圧保護回路3の回路面積を一層削減することができる。
また、電源端子P1から内部回路2への電力供給経路に直列に介在するメインSW素子4として、Pチャネル型のLDMOSトランジスタを用いている。従って、メインSW素子4は、そのゲートをグランド電位に接続するだけでフルオンすることができる。そのため、メインSW素子4をフルオン駆動するためのメイン駆動回路8を抵抗R1および制御スイッチSW1だけで構成することが可能となる。このようにメイン駆動回路8の構成を簡素化することにより、過電圧保護回路3の回路面積を一層削減することができる。
(第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態について、図4および図5を参照して説明する。
図4に示すように、本実施形態の直噴制御装置21の過電圧保護回路22は、第1の実施形態の過電圧保護回路3に対し、切替制御回路6に代えて切替制御回路23を備えている点が異なる。切替制御回路23は、電圧検出部10、基準電圧生成部11、コンパレータ12および内部回路2により構成される。そして、制御スイッチSW1、SW2のオン/オフは、内部回路2から出力される制御信号S1、S2により制御される。
内部回路2は、コンパレータ12の出力信号のレベルに基づいて過電圧状態であるか否かを検出し、その過電圧状態の検出の有無に基づいて制御スイッチSW1、SW2を制御する。具体的には、内部回路2は、コンパレータ12の出力信号がLレベルであるとき、制御信号S1をHレベルにするとともに、制御信号S2をLレベルにする。これにより、通常時、メインSW素子4がフルオン駆動されるとともに、サブSW素子5がオフ駆動される。
また、内部回路2は、コンパレータ12の出力信号がHレベルであるとき、制御信号S1をLレベルにするとともに、制御信号S2をHレベルにする。これにより、過電圧時、メインSW素子4がオフ駆動されるとともに、サブSW素子5が電圧フォロア動作するようにオン駆動される。
ただし、この場合、内部回路2は、通常時から過電圧時に切り替わる際(遷移する際)、サブSW素子5をオン駆動している状態(サブ駆動回路9が動作している状態)で、メインSW素子4をオフ駆動する(メイン駆動回路8の動作が停止する)ように、制御スイッチSW1、SW2のオン/オフを制御する。すなわち、図5に示すように、通常時から過電圧時に切り替わる際、制御信号S1、S2がいずれもHレベルになる期間(制御スイッチSW1、SW2がいずれもオンする期間)が設けられている。
また、この場合、内部回路2は、過電圧時から通常時に切り替わる際(遷移する際)、サブSW素子5をオフ駆動する(サブ駆動回路9の動作を停止する)のに先立って、メインSW素子4をフルオン駆動する(メイン駆動回路8の動作を開始する)ように、制御スイッチSW1、SW2のオン/オフを制御する。すなわち、図5に示すように、過電圧時から通常時に切り替わる際、制御信号S1、S2がいずれもHレベルになる期間(制御スイッチSW1、SW2がいずれもオンする期間)が設けられている。
このように制御スイッチSW1、SW2を制御する本実施形態によれば、次のような効果が得られる。すなわち、第1の実施形態における制御スイッチSW1、SW2の制御方法(図3参照)では、通常時から過電圧時に切り替わる際、メインSW素子4がオフとなるタイミングが、サブSW素子5がオンとなるタイミングより少しでも早くなると、内部回路2への電力供給が瞬間的に途絶える(瞬停が発生する)おそれがある。また、過電圧時から通常時に切り替わる際、サブSW素子5がオフとなるタイミングが、メインSW素子4がオンとなるタイミングより少しでも早くなると、瞬停が発生するおそれがある。つまり、第1の実施形態の制御方法では、制御スイッチSW1、SW2のオン/オフの切替タイミングについて高い精度が必要であった。
これに対し、本実施形態の制御スイッチSW1、SW2の制御方法では、通常時および過電圧時の切り替わりにおいて、制御信号S1、S2がいずれもHレベルになる期間を設けている。このようにすれば、制御スイッチSW1、SW2のオン/オフの切替タイミングの精度が低くても、制御スイッチSW1、SW2の双方がオフする期間が発生することが無くなるため、内部回路2への電力供給が瞬間的に途絶えるといった瞬停の発生を確実に防止することができる。
(第3の実施形態)
以下、第2の実施形態に対し、制御スイッチSW1、SW2の制御方法に変更を加えた第3の実施形態について、図6を参照して説明する。
図6に示すように、本実施形態では、内部回路2は、コンパレータ12の出力信号がLレベルである期間(通常時)、制御信号S1、S2をいずれもHレベルにする。また、内部回路2は、コンパレータ12の出力信号がHレベルである期間(過電圧時)、制御信号S1をLレベルにするとともに、制御信号S2をHレベルにする。
つまり、本実施形態では、制御信号S2は、コンパレータ12の出力信号のレベルに関係なく、常にHレベルとなっている。そのため、サブSW素子5は、通常時および過電圧時のいずれにおいても、電圧フォロア動作するようにオン駆動される。このような本実施形態の制御方法によっても、第2の実施形態と同様、通常時および過電圧時の切り替わりにおいて、制御スイッチSW1、SW2の双方がオフする期間が発生しないため、瞬停の発生を確実に防止することができる。
また、本実施形態によれば、通常時、電源端子P1からメインSW素子4およびサブSW素子5を並列に経由して内部回路2への電力供給が行われる。従って、上記各実施形態に比べ、メインSW素子4の電流能力を、サブSW素子5の電流能力分だけ小さくすることができる。そのため、メインSW素子4のチップ面積を小さくすることができ、その結果、過電圧保護回路22の回路面積を一層削減することができる。
(第4の実施形態)
以下、本発明の第4の実施形態について、図7を参照して説明する。
図7に示すように、本実施形態の直噴制御装置31は、第1の実施形態の直噴制御装置1に対し、端子P2が追加されている点が異なる。端子P2は、外付けのコンデンサを接続するための端子であり、電源線7に接続されている。
このような構成において、比較的静電容量の大きいコンデンサC1を外付けすれば(端子P2およびグランドの間に接続)、制御スイッチSW1、SW2の双方がオフする期間が発生したとしても、電源線7の電圧が急激に低下することはない。従って、本実施形態によれば、通常時から過電圧時へと遷移する際および過電圧時から通常時へと遷移する際、内部回路2への電力供給が瞬間的に途絶える瞬停の発生を防止することができる。
(第5の実施形態)
以下、本発明の第5の実施形態について、図8を参照して説明する。
図8に示すように、本実施形態の直噴制御装置41の過電圧保護回路42は、第1の実施形態の過電圧保護回路3に対し、サブ駆動回路9に代えてサブ駆動回路43を備えている点が異なる。そして、この場合、サブSW素子5およびサブ駆動回路43により、高耐圧のシリーズ電源回路44が構成されている。
サブ駆動回路43は、サブSW素子5のゲート電圧をフィードバック制御することにより、サブSW素子5を電圧フォロア動作させる。この場合、ゲート電圧の目標値は、第1の実施形態におけるツェナーダイオードD1のツェナー電圧と同様に、内部回路2の電源電圧の定常範囲内の値に設定されている。サブ駆動回路43は、制御信号S2がHレベルである期間には上記動作を実行し、Lレベルである期間には上記動作の実行を停止してサブSW素子5をオフ駆動する。
このような構成によっても、過電圧時、電源端子P1から内部回路2に対し、電圧フォロア動作するサブSW素子5を介して電力の供給が行われる。そして、この場合も、サブSW素子5は、そのソース電圧(電源線7の電圧)が内部回路2の定常範囲の電圧値となるように駆動されるので、内部回路2に、その絶対最大定格を超えるような過電圧が印加されることはない。従って、本実施形態によっても、第1の実施形態と同様の作用および効果が得られる。
(第6の実施形態)
以下、本発明の第6の実施形態について、図9を参照して説明する。
図9に示すように、本実施形態の直噴制御装置51の過電圧保護回路52は、第1の実施形態の過電圧保護回路3に対し、メインSW素子4に代えてメインSW素子53を備えている点およびメイン駆動回路8に代えてメイン駆動回路54を備えている点が異なる。
メインSW素子53は、メインSW素子4と同等の電流能力を有するNチャネル型のLDMOSトランジスタであり、電源端子P1から内部回路2への電力供給経路に直列に介在している。つまり、メインSW素子53のドレインは電源端子P1に接続され、そのソースは電源線7に接続されている。メインSW素子53のゲートには、メイン駆動回路54から出力される駆動電圧が与えられる。
メイン駆動回路54は、電源電圧VDDを昇圧した昇圧電圧を生成する高耐圧の昇圧回路54aを備えている。昇圧回路54aは、例えばチャージポンプ回路により構成されている。メイン駆動回路54は、制御信号S1がLレベルのとき、例えば0Vのオフ駆動電圧を出力する。また、メイン駆動回路54は、制御信号S1がHレベルのとき、昇圧回路54aにより生成される昇圧電圧であるオン駆動電圧を出力する。
このような構成によれば、メインSW素子53は、制御信号S1がLレベルのときにオフ駆動され、制御信号S1がHレベルのときにフルオン駆動される。そのため、通常時、電源端子P1から内部回路2に対し、フルオンした状態のメインSW素子53を介して電力の供給が行われる。従って、本実施形態によっても、第1の実施形態と同様の作用および効果が得られる。
(第7の実施形態)
以下、本発明の第7の実施形態について、図10を参照して説明する。
図10に示すように、本実施形態の直噴制御装置61の過電圧保護回路62は、第2の実施形態の過電圧保護回路22に対し、切替制御回路23に代えて切替制御回路63を備えている点が異なる。
切替制御回路63は、切替制御回路23が備える構成に加え、電圧検出部64、基準電圧生成部65およびコンパレータ66を備えている。電圧検出部64は、電源線7およびグランドの間に接続された抵抗R61、R62の直列回路により構成されており、その直列回路の相互接続ノードから電源線7の電圧に応じた検出電圧Vd2を出力する。基準電圧生成部65は、例えばバンドギャップリファレンス回路などから構成されており、過電圧判定値に対応する基準電圧Vr2を生成する。なお、この場合、基準電圧Vr2は、基準電圧Vr1と同じ値となっている。
コンパレータ66(第2コンパレータに相当)は、非反転入力端子に与えられる検出電圧Vd2および反転入力端子に与えられる基準電圧Vr2を比較する。従って、コンパレータ66の出力信号は、電源線7の電圧(内部回路2への供給電圧)が過電圧判定値より高い状態であるときにはHレベルになり、電源線7の電圧が過電圧判定値より低い状態であるときにはLレベルになる。
上記構成では、通常時、電源線7の電圧は、電源電圧VDDとほぼ等しくなっている。そこで、内部回路2は、通常時、コンパレータ66の出力信号に基づいて、過電圧状態の検出を行う。具体的には、内部回路2は、コンパレータ66の出力信号がLレベルであるときには過電圧状態ではないと判断し、Hレベルであるときには過電圧状態であると判断する。
また、上記構成において、過電圧時、電源線7の電圧は、電源電圧VDDとは無関係の電圧値に制御されている。そこで、内部回路2は、過電圧時、コンパレータ12の出力信号に基づいて、過電圧状態の検出を行う。具体的には、内部回路2は、コンパレータ12の出力信号がLレベルであるときには過電圧状態ではない(通常時に復帰した)と判断し、Hレベルであるときには過電圧状態であると判断する。
そして、内部回路2は、過電圧状態でないと判断した場合には、制御信号S1をHレベルにするとともに、制御信号S2をLレベルにする。これにより、通常時、メインSW素子4がフルオン駆動されるとともに、サブSW素子5がオフ駆動される。また、内部回路2は、過電圧状態であると判断した場合には、制御信号S1をLレベルにするとともに、制御信号S2をHレベルにする。これにより、過電圧時、メインSW素子4がオフ駆動されるとともに、サブSW素子5が電圧フォロア動作するようにオン駆動される。従って、本実施形態によっても、第1の実施形態と同様の作用および効果が得られる。
なお、本実施形態の構成は、基準電圧Vr1、Vr2を互いに異なる値に設定するように変形してもよい。このような変形例によれば、通常時の動作(メインSW素子4をフルオン駆動)から過電圧時の動作(サブSW素子5を電圧フォロア動作)に切り替える判定を行うための判定値(過電圧判定値)と、過電圧時の動作から通常時の動作に切り替える判定を行うための判定値(復帰判定値)とを別々の値にすることができる。
例えば、復帰判定値が過電圧判定値よりも十分に低くなるように基準電圧Vr1、Vr2の値を設定すれば、次のような効果が得られる。すなわち、復帰判定値および過電圧判定値が同一である場合、電源端子P1に過電圧が生じた際において、その過電圧が過電圧判定値付近で変動すると、過電圧時の動作および通常時の動作の切り替えが頻繁に繰り返されるおそれがある。これに対し、復帰判定値および過電圧判定値を互いに異なる値に設定しておけば、電源端子P1に過電圧判定値付近で変動するような過電圧が生じた場合でも、各動作の切り替えが頻繁に繰り返されることがなくなり、過電圧時の動作を継続して実施することができる。
(その他の実施形態)
なお、本発明は上記し且つ図面に記載した各実施形態に限定されるものではなく、次のような変形または拡張が可能である。
メインSW素子4は、PNP形バイポーラトランジスタでもよい。メインSW素子53は、NPN形バイポーラトランジスタでもよい。サブSW素子5は、NPN形バイポーラトランジスタでもよい。
第1〜第6の実施形態において、コンパレータ12にヒステリシスを持たせてもよい。または、第1〜第6の実施形態において、基準電圧生成部11およびコンパレータ12を2組設け、2つの基準電圧生成部11が生成する基準電圧の値を互いに異ならせてもよい。このようにすれば、通常時の動作から過電圧時の動作に切り替える判定を行うための判定値と、過電圧時の動作から通常時の動作に切り替える判定を行うための判定値とを別々の値に設定できるため、第7の実施形態で説明した変形例と同様の効果が得られる。
本発明の過電圧保護回路の保護対象としては、車載用途の内部回路2に限らずともよく、様々な用途に用いられる回路を保護対象とすることができる。
図面中、2は内部回路、3、22、42、52、62は過電圧保護回路、4、53はメインスイッチング素子、5はサブスイッチング素子、6、23、63は切替制御回路、8、54はメイン駆動回路、9、43はサブ駆動回路、12はコンパレータ(第1コンパレータ)、54は昇圧回路、66はコンパレータ(第2コンパレータ)、D1はツェナーダイオード、P1は電源端子を示す。

Claims (13)

  1. 電源端子(P1)および前記電源端子から電力供給を受ける内部回路(2)の間に介在して設けられ、前記電源端子に生じる過電圧から前記内部回路を保護する過電圧保護回路(3、22、42、52、62)であって、
    前記電源端子から前記内部回路への電力供給経路に直列に介在するとともに、少なくとも前記内部回路の正常動作に必要な電流を流すことができる電流能力を有するメインスイッチング素子(4、53)と、
    前記メインスイッチング素子をフルオン駆動するメイン駆動回路(8、54)と、
    前記メインスイッチング素子に対して並列に設けられるとともに、前記メインスイッチング素子よりも少ない電流能力を有するサブスイッチング素子(5)と、
    前記内部回路への供給電圧が定常範囲の電圧値となるように、前記サブスイッチング素子を電圧フォロア動作させるサブ駆動回路(9、43)と、
    前記電源端子の電圧である電源電圧が判定値より高い過電圧状態であるか否かを検出し、前記過電圧状態が検出されていない場合には前記メイン駆動回路を動作させ、前記過電圧状態が検出されている場合には前記サブ駆動回路を動作させるとともに前記メイン駆動回路の動作を停止する切替制御回路(6、23、63)と、
    を備えていることを特徴とする過電圧保護回路。
  2. 前記サブスイッチング素子は、前記内部回路が過電圧発生時の処理に必要な動作を行い得るだけの電流を流すことができる電流能力を有することを特徴とする請求項1に記載の過電圧保護回路。
  3. 前記切替制御回路(23、63)は、前記過電圧状態が検出されていない状態から前記過電圧状態が検出されている状態に遷移した際、前記サブ駆動回路が動作している状態で前記メイン駆動回路の動作を停止することを特徴とする請求項1または2に記載の過電圧保護回路。
  4. 前記切替制御回路(23、63)は、前記過電圧状態が検出されている状態から前記過電圧状態が検出されていない状態に遷移した際、前記サブ駆動回路の動作を停止するのに先立って、前記メイン駆動回路の動作を開始することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の過電圧保護回路。
  5. 前記切替制御回路(23、63)は、前記過電圧状態が検出されていない場合には、前記サブ駆動回路の動作を停止することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の過電圧保護回路。
  6. 前記切替制御回路(23、63)は、前記過電圧状態が検出されていない場合には、前記メイン駆動回路および前記サブ駆動回路の双方を動作させることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の過電圧保護回路。
  7. 前記サブ駆動回路(9)は、
    ツェナーダイオード(D1)を備え、
    前記ツェナーダイオードのツェナー電圧により前記サブスイッチング素子の制御端子の電圧をクランプすることにより、前記サブスイッチング素子を電圧フォロア動作させることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の過電圧保護回路。
  8. 前記サブ駆動回路(43)は、
    前記サブスイッチング素子の制御端子の電圧をフィードバック制御することにより、前記サブスイッチング素子を電圧フォロア動作させることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の過電圧保護回路。
  9. 前記メインスイッチング素子(4)は、Pチャネル型またはPNP形のトランジスタであることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の過電圧保護回路。
  10. 前記メインスイッチング素子(53)は、Nチャネル型またはNPN形のトランジスタであり、
    前記メイン駆動回路(54)は、前記メインスイッチング素子をフルオン駆動するための昇圧電圧を生成する昇圧回路(54a)を備えていることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の過電圧保護回路。
  11. 前記切替制御回路(6、23)は、
    前記電源電圧および前記判定値を比較する第1コンパレータ(12)を備え、
    前記第1コンパレータの出力に基づいて前記過電圧状態の検出を行うことを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載の過電圧保護回路。
  12. 前記切替制御回路(63)は、
    前記内部回路への供給電圧および前記判定値を比較する第2コンパレータ(66)を備え、
    前記過電圧状態が検出されていない期間には前記第2コンパレータの出力に基づいて前記過電圧状態の検出を行い、前記過電圧状態が検出されている期間には前記第1コンパレータの出力に基づいて前記過電圧状態の検出を行うことを特徴とする請求項11に記載の過電圧保護回路。
  13. 前記内部回路は、車両に搭載される回路であることを特徴とする請求項1から12のいずれか一項に記載の過電圧保護回路。
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