JP2015200303A - ウォータージャケットスペーサ - Google Patents
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Abstract
Description
上記課題を解決するためのウォータージャケットスペーサは、複数のシリンダボアを取り囲むウォータージャケットが設けられたシリンダブロックにおける、前記ウォータージャケット内へ挿入されるウォータージャケットスペーサである。このウォータージャケットスペーサは、各シリンダボアに対応して配設されて前記ウォータージャケット内で膨張する膨張部材と、前記膨張部材が固定された板状のホルダと、前記ホルダにおける前記膨張部材が固定されている面とは反対側の面から突出し、前記ウォータージャケットの内壁と当接する弾性部材と、を備えている。そして、このウォータージャケットスペーサは、前記ホルダが前記ウォータージャケットの形状に合わせて湾曲しており、前記弾性部材の付勢力によって前記ウォータージャケット内での位置が保持される。
上記ウォータージャケットスペーサの一例は、ウォータージャケットに、対にして挿入される。
以下、ウォータージャケットスペーサの第1の実施形態について、図1〜図5を参照して説明する。
図3を参照して、ウォータージャケットスペーサ10についてさらに詳述する。
図5(a)は、ウォータージャケットスペーサ10をウォータージャケット22に挿入する前の状態を示している。図5(b)は、ウォータージャケットスペーサ10の挿入を開始し、板ばね13における起点と当接部13aとの間の部分が第2壁面22bの開口端に当接している状態を示している。そして図5(c)は、ウォータージャケットスペーサ10の挿入が進行して挿入深度が深くなり、当接部13aが第2壁面22bと当接している状態を示している。いずれの状態においても、膨張部材12は膨張に至っていないため、第1壁面22aとはホルダ11が当接している。
図3に示すように、ホルダ11は、ウォータージャケット22の形状に沿って湾曲しており、4つの膨張部材12がホルダ11によって連結されて一体に構成されている。そのため、ウォータージャケット22内に挿入されたウォータージャケットスペーサ10は、ウォータージャケット22の周方向への移動を制限することができる。
(1)ウォータージャケットスペーサ10をウォータージャケット22へ挿入することに伴って、板ばね13が変形することになる。そして、板ばね13は膨張部材12の背面に位置するため、変形した板ばね13から生じる付勢力によって、ウォータージャケットスペーサ10をウォータージャケット22の内壁に押圧することができる。つまり、膨張部材12が膨張する前には、板ばね13の当接部13aとホルダ11とがウォータージャケット22の内壁である第1壁面22a及び第2壁面22bに当接するようになり、板ばね13の付勢力によってウォータージャケット22内でのウォータージャケットスペーサ10の位置を保持することができる。
(7)ウォータージャケット22におけるシリンダブロック20の長手方向における両端の部分には、ウォータージャケットスペーサ10が配設されない間隙が形成される。
次に、ウォータージャケットスペーサの第2の実施形態について、図6〜図8を参照して説明する。
まず、図7を参照して、ウォータージャケットスペーサ110をウォータージャケット22に挿入する際の板ばね113の作用について説明する。
上述したように、板ばね113の当接部113aはウォータージャケットスペーサ110の中央よりも後端側に位置するように設けられている。そのため、図7(b)に示すように、上記第1の実施形態にかかるウォータージャケットスペーサ10の板ばね13が第2壁面22bとの当接を開始する挿入深度と同一の挿入深度においては、本実施形態にかかるウォータージャケットスペーサ110の板ばね113は、第2壁面22bと当接しない。すなわち、より挿入深度が深くならないと板ばね113と第2壁面22bとが当接しない。つまり、図7(b)に示すように、挿入を開始しても挿入深度が浅いときには、板ばね113と第2壁面22bとが当接しないため、板ばね113は変形せず、板ばね113の変形量に応じた付勢力も生じない。
(8)板ばね113とウォータージャケット22の第2壁面22bとは、挿入方向におけるウォータージャケットスペーサ110の中央よりも後端側にて当接するため、板ばねの付勢力による荷重はウォータージャケットスペーサをウォータージャケットに半分よりも深く挿入したときに最大になる。そのため、ウォータージャケットスペーサ110の挿入深度が浅いときの挿入荷重を低減することができる。
・上記各実施形態にかかるウォータージャケットスペーサは、クローズドデッキ構造のシリンダブロックにも適用することができる。クローズドデッキ構造のシリンダブロックでは、ウォータージャケットの孔の開口が連続しておらず、またその大きさもオープンデッキ構造のシリンダブロックと比較して小さくなっている。こうしたクローズドデッキ構造のシリンダブロックにおけるウォータージャケットの孔に合わせて適宜ウォータージャケットスペーサの全長を調節することによって、ウォータージャケットスペーサを挿入することができる。
Claims (6)
- 複数のシリンダボアを取り囲むウォータージャケットが設けられたシリンダブロックにおける、前記ウォータージャケット内へ挿入されるウォータージャケットスペーサであって、
各シリンダボアに対応して配設されて前記ウォータージャケット内で膨張する膨張部材と、
前記膨張部材が固定された板状のホルダと、
前記ホルダにおける前記膨張部材が固定されている面とは反対側の面から突出し、前記ウォータージャケットの内壁と当接する弾性部材と、を備え、
前記ホルダが前記ウォータージャケットの形状に合わせて湾曲しており、前記弾性部材の付勢力によって前記ウォータージャケット内での位置が保持されるウォータージャケットスペーサ。 - 前記シリンダブロックは、オープンデッキ構造のシリンダブロックであり、
複数の前記膨張部材を備え、
前記ホルダは、複数の前記膨張部材を固定する
請求項1に記載のウォータージャケットスペーサ。 - 前記ホルダが、全てのシリンダボアの中心軸を通る仮想直線を境界に前記ウォータージャケットを周方向に二分してできる二つの領域のうち、一方の領域に配設される全ての前記膨張部材を連結している
請求項2に記載のウォータージャケットスペーサ。 - ウォータージャケットに、対にして挿入される
請求項3に記載のウォータージャケットスペーサ。 - 前記弾性部材は、ウォータージャケットへの挿入方向における先端側を起点として後端側に向かって次第に前記膨張部材から離間するように前記ホルダから斜めに突出し、ウォータージャケットの内壁と当接する板ばねである
請求項1〜4のいずれか一項に記載のウォータージャケットスペーサ。 - 前記板ばねは、途中で湾曲してその湾曲した部分の一部がウォータージャケットの内壁と当接する当接部にされており、
前記当接部は、前記挿入方向におけるウォータージャケットスペーサの中央よりも後端側に位置している
請求項5に記載のウォータージャケットスペーサ。
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