JP2015199953A - ポリカーボネート樹脂組成物及びそれよりなる成形品 - Google Patents

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Abstract

【課題】軋み音の抑制に優れたポリカーボネート樹脂組成物及びそれよりなる成形品を提供する。【解決手段】下記式(1)で表されるジヒドロキシ化合物に由来する構造単位を含むポリカーボネート樹脂(A)を含む樹脂組成物であって、下記式(2)を満足することを特徴とするポリカーボネート樹脂組成物。更に下記式(3)を満足することが好ましい。μk≰0.18 (2)μk/μs≰0.7 (3)(上記式(2)及び(3)において、μkは、特定の樹脂成形板よりなる相手材に対する特定の摩擦係数測定試験で測定された動摩擦係数、μsは同静摩擦係数を示す。)【選択図】なし

Description

本発明は、植物由来原料であるイソソルビドを用いたポリカーボネート樹脂組成物であって、これを成形して得られた成形品を他の樹脂成形品と嵌合部を介して組み上げた際に、振動等によって、部品同士が擦れ合って発生する軋み音を抑制することのできるポリカーボネート樹脂組成物、及びそれよりなる成形品に関するものである。
近年、環境への配慮より植物由来の原料であるイソソルビドに代表されるエーテル基含有ジオールを用いたポリカーボネート樹脂が開発されている(例えば、特許文献1〜2)。
イソソルビドを用いたポリカーボネート樹脂は、耐熱性、耐候性や耐衝撃性に優れることが知られており、自動車内外装部品等への適用も知られている(特許文献3)。
しかし、イソソルビドを用いたポリカーボネート樹脂を用いた自動車内外装部品は、嵌合部を介して他の樹脂成形品と組み上げられた場合、エンジンの振動や路面からの振動によって、部品同士が擦れ合い、軋み音が発生するという課題があった。
軋み音の発生を抑制するため、場合によっては、篏合部にグリスやフッ素樹脂の塗布又は軋み音防止シールを張るということが行われている。しかし、これらの方法は、手作業に頼らざるを得ず、効果も十分ではない。
一方、イソソルビドに代表される構成単位を含有するポリカーボネート樹脂であって、その末端が二重結合を有するポリカーボネート樹脂と平均粒径0.01〜50μmの光拡散剤とを含む光拡散性ポリカーボネート樹脂組成物も知られている(特許文献4)。特許文献4には、その光拡散剤として、高分子微粒子に代表される有機系微粒子並びに無機系微粒子が挙げられ、実施例では、ビーズ状架橋シリコーン粒子、ビーズ状架橋アクリル樹脂や炭酸カルシウム粒子が用いられている。しかし、特許文献4には、このポリカーボネート樹脂組成物の光拡散性についての記載はあるものの、軋み音の抑制については何ら記載されていない。
国際公開WO2004/111106号パンフレット 国際公開WO2007/063823号パンフレット 特開2013−209585号公報 特開2009−191226号公報
本発明の目的は、上記の従来の課題を解決し、下記式(1)で表されるジヒドロキシ化合物に由来する構造単位を含むポリカーボネート樹脂(A)を含むポリカーボネート樹脂組成物からなる成形品と他の樹脂(以後、「相手材樹脂」と略す。)からなる成形品を組み上げた際、軋み音の抑制に優れたポリカーボネート樹脂組成物及びそれよりなる成形品を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、ポリカーボネート樹脂(A)を含むポリカーボネート樹脂組成物であって、芳香族ポリカーボネート樹脂成形板に対する動摩擦係数μkが特定の値以下であるものが、軋み音の抑制に優れることを見出した。さらに動摩擦係数μkと静摩擦係数μsとの比が特定の値以下であるポリカーボネート樹脂組成物は、軋み音の抑制効果により一層優れることを見出し、本発明に到達した。
即ち、本発明の要旨は、下記[1]〜[10]に存する。
[1] 下記式(1)で表されるジヒドロキシ化合物に由来する構造単位を含むポリカーボネート樹脂(A)を含むポリカーボネート樹脂組成物であって、下記式(2)を満足することを特徴とするポリカーボネート樹脂組成物。
Figure 2015199953
μk≦0.18 (2)
(上記式(2)において、μkは、下記摩擦係数測定試験により測定される動摩擦係数を示す。
<摩擦係数測定試験>
該ポリカーボネート樹脂組成物より成形された成形板上に、ポリプロピレン系樹脂、非晶性ポリオレフィン樹脂、スチレン系樹脂、芳香族ポリエステル系樹脂、芳香族ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリ乳酸樹脂およびアクリル系樹脂のいずれか1種以上よりなる樹脂成形板(以下、「相手材」という。)を重ね合わせ、面圧3.1kPa、移動速度100mm/分で該相手材を移動させ、移動開始時の最大荷重を静摩擦係数μsとし、移動開始後4秒から6秒の荷重の平均値を動摩擦係数μkとする。)
[2] 更に、下記式(3)を満足することを特徴とする[1]に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
μk/μs≦0.7 (3)
(上記式(3)において、μkは前記摩擦係数測定試験により測定される動摩擦係数であり、μsは同静摩擦係数を示す。)
[3] 前記ポリカーボネート樹脂(A)が、前記式(1)で表されるジヒドロキシ化合物に由来する構成単位(a)と、脂肪族ジヒドロキシ化合物、脂環式ジヒドロキシ化合物、及び前記式(1)で表されるジヒドロキシ化合物以外のエーテル基含有ジヒドロキシ化合物からなる群より選ばれる1種以上のジヒドロキシ化合物に由来する構成単位(b)とを含む共重合ポリカーボネート樹脂であることを特徴とする[1]又は[2]に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
[4] 更にシリコーン化合物(B)を含むことを特徴とする[1]乃至[3]のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
[5] 前記ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対して、前記シリコーン化合物(B)を0.01質量部以上5質量部以下含むことを特徴とする[4]に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
[6] 前記シリコーン化合物(B)が、ジアルキルシロキサンと(メタ)アクリル酸アルキルとの共重合体であることを特徴とする[4]又は[5]に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
[7] [1]乃至[6]のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物を成形してなる成形品。
[8] 少なくとも一つ以上の篏合部を有する成形品であることを特徴とする[7]に記載の成形品。
[9] 自動車内装部品又は外装部品であることを特徴とする[8]に記載の成形品。
[10] 車載用ディスプレイ、カーナビ、カーオーディオ、コンソールパネル、ダッシュボード又はドアトリム用部品であることを特徴とする[9]に記載の成形品。
本発明によれば、軋み音の抑制に優れたポリカーボネート樹脂組成物及びそれよりなる成形品を得ることができる。このため、本発明のポリカーボネート樹脂組成物を成形してなる成形品を、嵌合部を介して他の樹脂成形品と組み上げた場合に、部品同士の擦れ合いで発生する軋み音が効果的に抑制される。
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明するが、以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、本発明はその要旨を超えない限り、以下の内容に限定されない。
<ポリカーボネート樹脂(A)>
本発明に使用するポリカーボネート樹脂(A)は、下記式(1)で表されるジヒドロキシ化合物に由来する構造単位(a)を含むことを特徴とするポリカーボネート樹脂である。
Figure 2015199953
上記式(1)で表されるジヒドロキシ化合物としては、立体異性体の関係にある、イソソルビド、イソマンニド、イソイデットが挙げられ、これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。中でも植物由来の資源として豊富に存在し、容易に入手可能な種々のデンプンから製造されるソルビトールを脱水縮合して得られるイソソルビドが、入手及び製造のし易さ、成形性、耐熱性、耐衝撃性、表面硬度、カーボンニュートラルの面から最も好ましい。
上記式(1)で表されるジヒドロキシ化合物は、環状エーテル構造を有するため、酸素によって徐々に酸化されやすいので、保管や、製造時には、酸素による分解を防ぐため、水分が混入しないようにし、また、脱酸素剤等を用いたり、窒素雰囲気下で取り扱うことが肝要である。例えば、イソソルビドが酸化されると、蟻酸等の分解物が発生する場合がある。これら分解物を含むイソソルビドをポリカーボネート樹脂の製造原料として使用すると、得られるポリカーボネート樹脂及びポリカーボネート樹脂組成物の着色を招く可能性があり、又、物性を著しく劣化させる可能性があるだけではなく、重合反応に影響を与え、高分子量の重合体が得られない場合もある。
本発明に使用するポリカーボネート樹脂(A)は、式(1)で表されるジヒドロキシ化合物に由来する構造単位(a)以外に、脂肪族ジヒドロキシ化合物、脂環式ジヒドロキシ化合物、及び式(1)で表されるジヒドロキシ化合物以外のエーテル基含有ジヒドロキシ化合物からなる群より選ばれる一種以上のジヒドロキシ化合物(以下、「他のジヒドロキシ化合物」と称す場合がある。)に由来する構造単位(b)を含む共重合ポリカーボネート樹脂であることが、ポリカーボネート樹脂(A)の耐衝撃性の面で好ましい。
脂肪族ジヒドロキシ化合物としては、直鎖脂肪族ジヒドロキシ化合物であっても、分岐鎖脂肪族ジヒドロキシ化合物であってもよく、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,2−ブタンジオール、1,5−ヘプタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,10−デカンジオールなどが挙げられる。
脂環式ジヒドロキシ化合物としては、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノール、ペンタシクロペンタデカンジメタノール、2,6−デカリンジメタノール、1,5−デカリンジメタノール、2,3−デカリンジメタノール、2,3−ノルボルナンジメタノール、2,5−ノルボルナンジメタノール、1,3−アダマンタンジメタノールが挙げられる。
エーテル基含有ジヒドロキシ化合物としては、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール(分子量150〜2000)、ポリ−1,3−プロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどが挙げられる。
ポリカーボネート樹脂(A)の耐熱性を考えると、他のジヒドロキシ化合物としては、脂環式ジヒドロキシ化合物が好ましく、脂環式ジヒドロキシ化合物の中でも、耐熱性と耐衝撃性の面より、シクロヘキサンジメタノールが好ましい。
本発明に使用するポリカーボネート樹脂(A)における他のジヒドロキシ化合物に由来する構造単位(b)の含有割合は、ポリカーボネート樹脂(A)中の全ジヒドロキシ化合物に由来する構造単位において、10モル%以上が好ましく、20モル%以上がより好ましく、30モル%以上が特に好ましい。また50モル%以下が好ましく、45モル%以下がより好ましい。ポリカーボネート樹脂(A)中の他のジヒドロキシ化合物に由来する構造単位(b)が少なすぎると耐衝撃性が不足する可能性があり、多すぎると耐熱性が不足する場合がある。
本発明に使用するポリカーボネート樹脂(A)は、一般に用いられるポリカーボネート樹脂の製造方法で製造することができ、その製造方法は、ホスゲンを用いた溶液重合法、炭酸ジエステルとジヒドロキシ化合物とを反応させる溶融重合法のいずれの方法でもよいが、重合触媒の存在下に、式(1)で表されるジヒドロキシ化合物を含むジヒドロキシ化合物を、より環境への毒性の低い炭酸ジエステルと反応させる溶融重合法が好ましい。また、溶融重合における重合触媒(エステル交換触媒)としては、公知のアルカリ金属化合物及び/又はアルカリ土類金属化合物が使用される。アルカリ金属化合物及び/又はアルカリ土類金属化合物と共に補助的に、塩基性ホウ素化合物、塩基性リン化合物、塩基性アンモニウム化合物、アミン系化合物等の塩基性化合物を併用することも可能である。
本発明に使用するポリカーボネート樹脂(A)は、上述のように式(1)で表されるジヒドロキシ化合物を含むジヒドロキシ化合物とジフェニルカーボネートなどの炭酸ジエステルをエステル交換反応させて製造することができる。より詳細には、エステル交換反応させ、副生するモノヒドロキシ化合物等を系外に除去することによって得られる。この場合、通常、エステル交換反応触媒の存在下でエステル交換反応により溶融重合を行う。
本発明に使用するポリカーボネート樹脂(A)の製造時に使用し得るエステル交換反応触媒(以下、「触媒」と称する場合がある)としては、例えば長周期型周期表(Nomenclature of Inorganic Chemistry IUPAC Recommendations 2005)における1族又は2族(以下、単に「1族」、「2族」と表記する。)の金属化合物、塩基性ホウ素化合物、塩基性リン化合物、塩基性アンモニウム化合物、アミン系化合物等の塩基性化合物が挙げられる。これらの中でも、好ましくは1族金属化合物及び/又は2族金属化合物が使用され、耐候性の点から、特に好ましくは2族金属化合物が使用される。
1族金属化合物及び/又は2族金属化合物と共に、補助的に、塩基性ホウ素化合物、塩基性リン化合物、塩基性アンモニウム化合物、アミン系化合物等の塩基性化合物を併用することも可能であるが、1族金属化合物及び/又は2族金属化合物のみを使用することが特に好ましい。
また、1族金属化合物及び/又は2族金属化合物の形態としては通常、水酸化物、又は炭酸塩、カルボン酸塩、フェノール塩といった塩の形態で用いられるが、入手のし易さ、取扱いの容易さから、水酸化物、炭酸塩、酢酸塩が好ましく、色相と重合活性の観点からは酢酸塩が好ましい。
1族金属化合物としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化セシウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素リチウム、炭酸水素セシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、炭酸セシウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸リチウム、酢酸セシウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸セシウム、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素カリウム、水素化ホウ素リチウム、水素化ホウ素セシウム、フェニル化ホウ素ナトリウム、フェニル化ホウ素カリウム、フェニル化ホウ素リチウム、フェニル化ホウ素セシウム、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、安息香酸リチウム、安息香酸セシウム、リン酸水素2ナトリウム、リン酸水素2カリウム、リン酸水素2リチウム、リン酸水素2セシウム、フェニルリン酸2ナトリウム、フェニルリン酸2カリウム、フェニルリン酸2リチウム、フェニルリン酸2セシウム、ナトリウム,カリウム,リチウム,セシウムのアルコレート、フェノレート、ビスフェノールAの2ナトリウム塩,2カリウム塩,2リチウム塩,2セシウム塩等が挙げられ、中でもセシウム化合物、リチウム化合物が好ましい。
2族金属化合物としては、例えば、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化マグネシウム、水酸化ストロンチウム、炭酸水素カルシウム、炭酸水素バリウム、炭酸水素マグネシウム、炭酸水素ストロンチウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウム、炭酸ストロンチウム、酢酸カルシウム、酢酸バリウム、酢酸マグネシウム、酢酸ストロンチウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸ストロンチウム等が挙げられ、中でもマグネシウム化合物、カルシウム化合物、バリウム化合物が好ましく、マグネシウム化合物及び/又はカルシウム化合物が更に好ましい。
塩基性ホウ素化合物としては、例えば、テトラメチルホウ素、テトラエチルホウ素、テトラプロピルホウ素、テトラブチルホウ素、トリメチルエチルホウ素、トリメチルベンジルホウ素、トリメチルフェニルホウ素、トリエチルメチルホウ素、トリエチルベンジルホウ素、トリエチルフェニルホウ素、トリブチルベンジルホウ素、トリブチルフェニルホウ素、テトラフェニルホウ素、ベンジルトリフェニルホウ素、メチルトリフェニルホウ素、ブチルトリフェニルホウ素等のナトリウム塩,カリウム塩,リチウム塩,カルシウム塩,バリウム塩,マグネシウム塩,あるいはストロンチウム塩等が挙げられる。
塩基性リン化合物としては、例えば、トリエチルホスフィン、トリ−n−プロピルホスフィン、トリイソプロピルホスフィン、トリ−n−ブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン、あるいは四級ホスホニウム塩等が挙げられる。
塩基性アンモニウム化合物としては、例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルエチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルフェニルアンモニウムヒドロキシド、トリエチルメチルアンモニウムヒドロキシド、トリエチルベンジルアンモニウムヒドロキシド、トリエチルフェニルアンモニウムヒドロキシド、トリブチルベンジルアンモニウムヒドロキシド、トリブチルフェニルアンモニウムヒドロキシド、テトラフェニルアンモニウムヒドロキシド、ベンジルトリフェニルアンモニウムヒドロキシド、メチルトリフェニルアンモニウムヒドロキシド、ブチルトリフェニルアンモニウムヒドロキシド等が挙げられる。
アミン系化合物としては、例えば、4−アミノピリジン、2−アミノピリジン、N,N−ジメチル−4−アミノピリジン、4−ジエチルアミノピリジン、2−ヒドロキシピリジン、2−メトキシピリジン、4−メトキシピリジン、2−ジメチルアミノイミダゾール、2−メトキシイミダゾール、イミダゾール、2−メルカプトイミダゾール、2−メチルイミダゾール、アミノキノリン等が挙げられる。
上記の中でも、第2族金属化合物及びリチウム化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属化合物を触媒として用いるのが、得られるポリカーボネート樹脂(A)の透明性、色相、耐光性等の種々の物性を優れたものとするために好ましい。
また、上記ポリカーボネート樹脂(A)の透明性、色相、耐光性を特に優れたものとするために、触媒が、マグネシウム化合物、カルシウム化合物、及びバリウム化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属化合物であるのが好ましく、マグネシウム化合物及びカルシウム化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属化合物であるのが特に好ましい。
前記触媒の使用量は、1族金属化合物及び/又は2族金属化合物の場合、反応に供する全ジヒドロキシ化合物1モルに対して、金属換算量として、好ましくは0.1〜300μモル、より好ましくは0.1〜100μモル、さらに好ましくは0.5〜50μモル、特に好ましくは1〜25μモルの範囲内である。
上記の中でもリチウム及び2族金属からなる群より選ばれた少なくとも1種の金属を含む化合物を用いる場合、金属換算量として、反応に供する全ジヒドロキシ化合物1モル当たり、好ましくは0.1μモル以上、更に好ましくは0.5μモル以上、特に好ましくは0.7μモル以上とする。また、上限としては、好ましくは20μモル、更に好ましくは10μモル、特に好ましくは3μモル、最も好ましくは2.0μモルである。
触媒の使用量が少なすぎると、所望の分子量のポリカーボネート樹脂(A)を製造するのに必要な重合活性が得られず、充分な破壊エネルギーが得られない可能性がある。一方、触媒の使用量が多すぎると、得られるポリカーボネート樹脂(A)の色相が悪化するだけでなく、副生成物が発生したりして流動性の低下やゲルの発生が多くなり、脆性破壊の起因となる場合があり、目標とする品質のポリカーボネート樹脂(A)の製造が困難になる可能性がある。
重合反応の形式は、公知の形式を用いることができ、バッチ式、連続式、あるいはバッチ式と連続式の組み合わせのいずれの方法でもよい。
また、本発明に使用するポリカーボネート樹脂(A)を製造する際には、異物の混入を防止するため、フィルターを設置することが望ましい。フィルターの設置位置は押出機の下流側が好ましく、フィルターの異物除去の大きさ(目開き)は、99%除去の濾過精度として通常100μm以下が好ましい。特に、フィルム用途等で微少な異物の混入を嫌う場合は、40μm以下が好ましく、さらには10μm以下が好ましい。
本発明に用いるポリカーボネート樹脂(A)の押出は、押出後の異物混入を防止するために、好ましくはJIS B 9920(2002年)に定義されるクラス7、更に好ましくはクラス6より清浄度の高いクリーンルーム中で実施することが望ましい。
また、押出されたポリカーボネート樹脂(A)を冷却しチップ化する際は、空冷、水冷等の冷却方法を使用するのが好ましい。空冷の際に使用する空気は、ヘパフィルター等で空気中の異物を事前に取り除いた空気を使用し、空気中の異物の再付着を防ぐのが望ましい。水冷を使用する際は、イオン交換樹脂等で水中の金属分を取り除き、さらにフィルターにて、水中の異物を取り除いた水を使用することが望ましい。用いるフィルターの目開きは、99%除去の濾過精度として10μm〜0.45μmであることが好ましい。
本発明に使用するポリカーボネート樹脂(A)の分子量は、還元粘度で表すことができ、還元粘度は、通常0.30dL/g以上が好ましく、0.35dL/g以上がより好ましい。還元粘度の上限は、通常1.20dL/g以下が好ましく、1.00dL/g以下がより好ましく、0.80dL/g以下が更に好ましい。
ポリカーボネート樹脂(A)の還元粘度が低すぎると樹脂組成物としたときの靱性が小さい可能性があり、還元粘度が大きすぎると、電気・電子機器部品や自動車内外装部品を成形する際の流動性が低下し、生産性や成形性を低下させる傾向がある。また、成形温度を適正以上に高くしなければならず、色調が悪化する場合がある。
尚、ポリカーボネート樹脂の還元粘度は、溶媒として塩化メチレンを用い、ポリカーボネート樹脂濃度を0.6g/dLに精密に調製し、温度20.0℃±0.1℃でウベローデ粘度管を用いて測定する。
本発明で使用するポリカーボネート樹脂(A)のガラス転移温度は、90℃以上145℃以下が好ましく、100℃以上135℃以下がより好ましく、特に110℃以上125℃以下が好ましい。ガラス転移温度が90℃未満では耐熱性が不足し、145℃以上では成形時に流動性が不足し、樹脂組成物が製品の末端まで充填されなかったり、ウエルド部での強度が低下したりすることがある。
なお、本発明のポリカーボネート樹脂組成物には、ポリカーボネート樹脂(A)として、1種を単独で用いてもよく、他のジヒドロキシ化合物に由来する構造単位の種類や共重合割合、物性等の異なるものを2種以上混合して用いてもよい。
<シリコーン化合物(B)>
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、シリコーン化合物(B)を含有することが、動摩擦係数μkや静摩擦係数μsの調整の観点から好ましい。
本発明に用いられるシリコーン化合物(B)は、下記式(4)で表されるジオルガノシロキサン構造及び/又は下記式(5)で表されるオルガノシルセスキオキサン構造を含むことが好ましい。
Figure 2015199953
(上記式(4),(5)中、R、R及びRは、互いに独立して、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、又は炭素数1〜3のアルキル基で置換されていてもよい炭素数6〜13のアリール基を表す。)
上記式(4),(5)におけるR〜Rの炭素数1〜3のアルキル基で置換されていてもよい炭素数6〜13のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、トリル基等が挙げられる。R〜Rとしては、互いに独立して、メチル基又はフェニル基であることが工業上の入手のし易さから好ましい。
シリコーン化合物(B)としては、上記式(4)で表されるジオルガノシロキサン構造及び/又は式(5)で表されるオルガノシルセスキオキサン構造を含むオリゴマー又はポリマーが好ましい。前記オリゴマー又はポリマーは、式(4)で表されるジオルガノシロキサン構造単位又は(5)で表されるオルガノシルセスキオキサン構造単位からなるホモ重合体であってもよいし、他の重合性モノマーと共重合されたものであってもよい。他の重合性モノマーとは、例えば、アクリル酸エステル、メタアクリル酸エステル、エポキシ基や水酸基等の他の官能基を有する(メタ)アクリル酸エステル(ここで、「(メタ)アクリル酸」は、「アクリル酸」と「メタアクリル酸」の一方又は双方をさす。)等を挙げることができる。他の重合性ポリマーとしての(メタ)アクリル酸エステルとしては、(メタ)アクリル酸のアルキルエステルが好ましく、アルキルエステルのアルキル基の炭素数1〜4であることが好ましい。
シリコーン化合物(B)としては市販品を用いることができ、例えば、式(4)で表されるジオルガノシロキサン構造単位又は(5)で表されるオルガノシルセスキオキサン構造単位からなるホモ重合体として、信越シリコーン(株)製シリコーンパウダーKSP−100、KSP−300等、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製トスパール120、130、145等、旭化成ワッカーシリコーン社製GENIOPLAST ペレットS等、小西化学工業社製PSQ SR−13、SR−20、SR−21,SR−33等として入手することができる。
また、前記式(4)で表されるジオルガノシロキサン構造であるジアルキルシロキサンと(メタ)アクリル酸アルキルとの共重合体としては、三菱レイヨン(株)製メタブレンS2001、SRK200A、SX−005、日新化学工業(株)製シャリーヌR−170、R−170S等として入手することができる。
シリコーン化合物(B)の平均粒子径は、0.05μm以上500μm以下であることが好ましく、より好ましくは0.1μm以上300μm以下、特に好ましくは0.1μm以上200μm以下である。平均粒子径が0.05μm未満では、添加量にもよるがポリカーボネート樹脂組成物の溶融粘度が高くなりすぎ、成形が困難になるおそれがあり、500μmより大きくなると得られた成形品の光沢度が低下しやすく、原着鮮映性(例えば、漆黒性)が低下する傾向にある。
なお、ここで、シリコーン化合物(B)の平均粒子径とはレーザー回折粒度分布測定装置のD50の値であるが、市販品の場合はカタログ値を採用することができる。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物において、シリコーン化合物(B)の配合量は、ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対して、0.01質量部以上5質量部以下であることが好ましく、より好ましくは0.05質量部以上3質量部以下、特に好ましくは0.1質量部以上2質量部以下である。シリコーン化合物(B)の配合量が0.01質量部より少ないと、後述のポリカーボネート樹脂組成物の動摩擦係数μkが0.18以下にならず、5質量部より多いと得られる成形品の光沢度が低下しやすく、成形品の外観が劣る傾向にある。
なお、本発明のポリカーボネート樹脂組成物には、シリコーン化合物(B)として上記のものの1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
<添加剤>
本発明のポリカーボネート樹脂組成物には、軋み音発生の抑制効果を維持できる範囲において、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、離型剤、着色剤、中和剤、帯電防止剤、滑剤、潤滑剤、可塑剤、難燃剤、充填剤等を添加することも出来る。
(酸化防止剤)
酸化防止剤としては樹脂に使用される一般的な酸化防止剤が使用できるが、酸化安定性、熱安定性、漆黒性等の観点から、ホスファイト系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤、およびフェノール系酸化防止剤が好ましい。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物に、酸化防止剤を添加する場合、その添加量は、ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対し、通常0.001質量部以上が好ましく、より好ましくは0.002質量部以上、更に好ましくは0.005質量部以上であり、通常5質量部以下が好ましく、より好ましくは3質量部以下、更に好ましくは2質量部以下である。
酸化防止剤の添加量が5質量部より多いと、成形時、金型を汚染し、優れた表面外観の成形品が得られないことがある。一方、0.001質量部未満であると、耐候試験に対する十分な改良効果が得られない傾向がある。
<ホスファイト系酸化防止剤>
ホスファイト系酸化防止剤としては、トリフェニルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、トリデシルホスファイト、トリオクチルホスファイト、トリオクタデシルホスファイト、ジデシルモノフェニルホスファイト、ジオクチルモノフェニルホスファイト、ジイソプロピルモノフェニルホスファイト、モノブチルジフェニルホスファイト、モノデシルジフェニルホスファイト、モノオクチルジフェニルホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト等が挙げられる。
これらの中でも、トリスノニルフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイトが好ましく使用される。
これらの化合物は1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
<イオウ系酸化防止剤>
イオウ系酸化防止剤としては、例えば、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオン酸エステル、ジトリデシル−3,3’−チオジプロピオン酸エステル、ジミリスチル−3,3’−チオジプロピオン酸エステル、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオン酸エステル、ラウリルステアリル−3,3’−チオジプロピオン酸エステル、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)、グリセロール−3−ステアリルチオプロピオネート、ビス[2−メチル−4−(3−ラウリルチオプロピオニルオキシ)−5−tert−ブチルフェニル]スルフィド、オクタデシルジスルフィド、メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプト−6−メチルベンズイミダゾール、1,1’−チオビス(2−ナフトール)等が挙げられる。
これらの中でも、ペンタエリスリトールテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)が好ましい。
これらの化合物は1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
<フェノール系酸化防止剤>
フェノール系酸化防止剤としては、例えば、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−tert−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ペンタエリスリトール−テトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−ベンジルホスホネート−ジエチルエステル、トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、4,4’−ビフェニレンジホスフィン酸テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)、3,9−ビス{1,1−ジメチル−2−[β−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]エチル}−2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール等の化合物が挙げられる。
これらの化合物の中でも、炭素数5以上のアルキル基によって1つ以上置換された芳香族モノヒドロキシ化合物が好ましく、具体的には、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ペンタエリスリトール−テトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン等が好ましく、ペンタエリスリトール−テトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]が更に好ましい。
これらの化合物は1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(光安定剤)
光安定剤としては、ヒンダードアミン系光安定剤が挙げられ、その分子量は、1000以下が好ましく、900以下がより好ましい。分子量が1000を超えると、成形品としたときに耐候性が十分得られない可能性がある。また分子量は300以上が好ましく、400以上がより好ましい。分子量が300未満では、耐熱性に乏しく、成形時に金型を汚染し、優れた表面外観の成形品が得られないことがある。
さらに、ピペリジン構造を有する化合物が好ましい。ここで規定するピペリジン構造とは、飽和6員環のアミン構造となっていればよく、ピペリジン構造の一部が置換基により置換されているものも含む。置換基としては、炭素数4以下のアルキル基が挙げられ、特にメチル基が好ましい。
ヒンダードアミン系光安定剤としては、特に、ピペリジン構造を複数有する化合物が好ましく、それら複数のピペリジン構造がエステル構造により連結されている化合物が好ましい。
そのような光安定剤としては、4−ピペリジノール,2,2,6,6−テトラメチル−4−ベンゾエート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−カルボン酸)1,2,3,4−ブタンテトライル、2,2,6,6−テトラメチル−ピレリジノールとトリデシルアルコールと1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸の縮合物、2,2,6,6−テトラメチル−ピレリジノールとメタノールと1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸の縮合物、ビス(1,2,3,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ブチルマロネート、デカン二酸ビス(2,2,6,6−テトラメチル−1−(オクチルオキシ)−4−ピペリジニル)エステル、1,1−ジメチルエチルヒドロペルオキシドとオクタンの反応生成物、1−[2−[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]エチル]−4−[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4,4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]エチル]−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ポリ[{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}]、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,6−ヘキサンジアミンポリマーと2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジンとの縮合物、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノールとβ,β,β,β−テトラメチル−3,9−(2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン−ジエタノールとの縮合物、N,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミンと2,4−ビス[N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ]−6−クロロ−1,3,5−トリアジンとの縮合物、コハク酸ジメチルと1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンとの縮合物等が挙げられる。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物に光安定剤を添加する場合、その添加量は、ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対して、通常0.001質量部以上5質量部以下であり、好ましくは0.005質量部以上3質量部以下、より好ましくは0.01質量部以上1質量部以下である。
光安定剤の添加量が5質量部より多いと、着色する傾向にあり、着色剤を添加したとしても、例えば深みと清澄感のある漆黒を得難い。一方、0.001質量部未満であると、自動車内外装品としたときに耐候性が十分得られない可能性がある。
(着色剤)
着色剤としては、無機顔料、有機顔料及び有機染料等の有機染顔料が挙げられる。
無機顔料としては、例えば、カーボンブラック;酸化チタン、亜鉛華、弁柄、酸化クロム、鉄黒、チタンイエロー、亜鉛−鉄系ブラウン、銅−クロム系ブラック、銅−鉄系ブラック等の酸化物系顔料;等が挙げられる。
有機顔料及び有機染料等の有機染顔料としては、例えば、フタロシアニン系染顔料;アゾ系、チオインジゴ系、ペリノン系、ペリレン系、キナクリドン系、ジオキサジン系、イソインドリノン系、キノフタロン系等の縮合多環染顔料;アンスラキノン系、ペリノン系、ペリレン系、メチン系、キノリン系、複素環系、メチル系の染顔料;等が挙げられる。
これら着色剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
前記無機顔料、有機顔料及び有機染料等の有機染顔料の中でも、無機顔料が好ましい。無機顔料を着色剤として使用することにより、成形品を屋外等で使用した場合でも鮮映性等を長期間保持することができる。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物に着色剤を添加する場合、その添加量は、ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対して、通常0.05質量部以上5質量部以下であり、好ましくは0.05質量部以上3質量部以下、より好ましくは0.1質量部以上2質量部以下である。
着色剤の添加量が0.05質量部未満では鮮映性のある原着成形品を得難い。一方、5質量部より多いと、成形品の表面粗さが大きくなり、鮮映性のある原着成形品を得難い。
(充填剤)
本発明のポリカーボネート樹脂組成物には、軋み音の発生を抑制できる範囲において、ガラス繊維、ガラスミルドファイバー、ガラスフレーク、ガラスビーズ、シリカ、アルミナ、酸化チタン、硫酸カルシウム粉体、石膏、石膏ウィスカー、硫酸バリウム、タルク、マイカ、ワラストナイト等の珪酸カルシウム、カーボンブラック、グラファイト、鉄粉、銅粉、二硫化モリブデン、炭化ケイ素、炭化ケイ素繊維、窒化ケイ素、窒化ケイ素繊維、黄銅繊維、ステンレス繊維、チタン酸カリウム繊維、これらのウィスカー等の無機充填剤や、木粉、竹粉、ヤシ澱粉、コルク粉、パルプ粉などの粉末状有機充填剤;架橋ポリエステル、ポリスチレン、スチレン・アクリル共重合体、尿素樹脂などのバルン状・球状有機充填剤;炭素繊維、合成繊維、天然繊維などの繊維状有機充填剤を添加することもできる。
<ポリカーボネート樹脂組成物の製造方法>
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、上記成分を所定の割合で同時に、または任意の順序でタンブラー、V型ブレンダー、ナウターミキサー、バンバリーミキサー、混練ロール、押出機等の混合機により混合して製造することができる。
<ポリカーボネート樹脂組成物の摩擦係数>
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、下記式(2)を満足し、好ましくは更に下記式(3)を満足する。
μk≦0.18 (2)
μk/μs≦0.70 (3)
(上記式(2)及び(3)において、μkは、下記摩擦係数測定試験により測定される動摩擦係数を、μsは同静摩擦係数を示す。
<摩擦係数測定試験>
該ポリカーボネート樹脂組成物より成形された成形板上に、ポリプロピレン系樹脂、非晶性ポリオレフィン樹脂、スチレン系樹脂、芳香族ポリエステル系樹脂、芳香族ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリ乳酸樹脂およびアクリル系樹脂のいずれか1種以上よりなる樹脂成形板(以下、「相手材」という。)を重ね合わせ、面圧3.1kPa、移動速度100mm/分で該相手材を移動させ、移動開始時の最大荷重を静摩擦係数μsとし、移動開始後4秒から6秒の荷重の平均値を動摩擦係数μkとする。)
即ち、本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、これを成形してなる成形板の相手材樹脂成形板に対する上記の動摩擦係数μkが0.18以下であり、この動摩擦係数μkは0.16以下であることが好ましい。動摩擦係数μkが0.18より大きいと軋み音が発生しやすくなる。本発明のポリカーボネート樹脂組成物の上記動摩擦係数μkは軋み音の発生抑制の面からは小さいほど好ましいが、その下限は通常0.10以上である。
また、動摩擦係数μkと静摩擦係数μsとの比は0.70以下であり、この比は0.6以下であることが好ましい。動摩擦係数μkと静摩擦係数μsとの比が0.70より大きいと軋み音が発生し易くなる。本発明のポリカーボネート樹脂組成物の動摩擦係数μkと静摩擦係数μsとの比は軋み音の発生抑制の面からは小さいほど好ましいが、その下限は通常0.10以上である。
尚、本発明において、ポリカーボネート樹脂組成物の動摩擦係数μk及び静摩擦係数μsは、より具体的には、後述の実施例の評価方法に記載の方法で測定される。
上記式(2)、好ましくは更に式(3)を満足するポリカーボネート樹脂組成物とするためには、例えば前述のポリカーボネート樹脂(A)に、好ましくはシリコーン系化合物(B)のうちの適当なものを用いその配合量を調整する方法が挙げられる。
<摩擦係数を測定する際の相手材となる樹脂>
本発明の相手材樹脂は、前記式(1)で表されるジヒドロキシ化合物に由来する構造単位を含むポリカーボネート樹脂(A)を含むポリカーボネート樹脂組成物からなる成形品と組み上げられる部品を構成する他の樹脂であって、具体的には、ポリプロピレン系樹脂、非晶性ポリオレフィン樹脂、ABS樹脂等のスチレン系樹脂、芳香族ポリエステル系樹脂、芳香族ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリ乳酸樹脂、アクリル系樹脂が挙げられる。相手材は、これらの樹脂の1種以上で成形されるものであればよい。なお、相手材は、これらの樹脂の1種以上を主成分として成形されるものであればよい。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、上記の相手材樹脂よりなる樹脂成形板である相手材との間で、上記式(2)を満足し、好ましくは更に上記式(3)を満足すればよく、好ましくは、ポリプロピレン系樹脂成形板及び/または芳香族ポリカーボネート樹脂成形板である相手材との間で、特に好ましくは、ポリプロピレン系樹脂成形板である相手剤と芳香族ポリカーボネート樹脂成形板である相手材との間でそれぞれ、上記式(2)を満足し、好ましくは更に上記式(3)を満足すればよい。
<成形品>
本発明のポリカーボネート樹脂組成物を用いて成形品を成形する際、任意の成形法を用いることができるが、射出成形、射出圧縮、射出プレス成形が好適に用いられる。その際に用いるランナーも、通常のコールドランナー方式だけでなく、ホットランナー方式を用いることも可能である。また、インサート成形、インモールドコーティング成形、二色成形、サンドイッチ成形等も可能である。さらに意匠性を得るために、断熱金型成形、急速加熱冷却金型成形を用いることも可能である。
<用途>
本発明のポリカーボネート樹脂組成物を成形してなる本発明の成形品は、嵌合部を介して他の樹脂成形品と組み上げた場合に、外部からの振動によって、部品同士が擦れ合って発生する軋み音が十分に抑制されるものであり、その適用用途としては特に制限はないが、自動車内装部品又は外装部品に好適である。
本発明の成形品が適用される自動車用内外装部品としては、上記のような嵌合部を有するものであり、例えば、車載用ディスプレイ、カーナビ、カーオーディオ、コンソールパネル、ダッシュボード又はドアトリム用部品等が挙げられるが、何らこれらに限定されるものではない。
以下に実施例を示し、本発明を更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施例により限定されるものではない。
[評価方法]
以下において、ポリカーボネート樹脂及びポリカーボネート樹脂組成物の物性ないし特性の評価は次の方法により行った。
(1)還元粘度の測定
ポリカーボネート樹脂のサンプルを、溶媒として塩化メチレンを用いて溶解し、0.6g/dLの濃度のポリカーボネート溶液を調製した。森友理化工業社製ウベローデ型粘度管を用いて、温度20.0℃±0.1℃で測定を行い、溶媒の通過時間tと溶液の通過時間tから次式(i)より相対粘度ηrelを求め、相対粘度ηrelから次式(ii)より比粘度ηspを求めた。
ηrel=t/t (i)
ηsp=(η−η)/η=ηrel−1 (ii)
比粘度ηspを濃度c(g/dL)で割って、還元粘度ηsp/cを求めた。この値が高いほど分子量が大きい。
(2)摩擦係数
ポリカーボネート樹脂組成物から射出成形機(東芝機械株式会社製EC−75SX)により100mm×100mm×2mmtのシート状試験片1を作成した。別に、試験片2として、相手材樹脂成形板(サイズ:60mm×60mm×2mmt)を用意し、試験片1上に試験片2を重ね合わせ、試験片1上で試験片2を面圧3.1kPa、移動速度100mm/分で移動させた。このときの試験片2の移動開始時の最大荷重を静摩擦係数μsとし、移動開始後4秒から6秒の平均値を動摩擦係数μkとした。
尚、相手材樹脂としては、下記の2種類の樹脂を用いた。
相手材樹脂1:芳香族ポリカーボネート樹脂、三菱エンジニアリングプラスチック社製ユーピロンH−3000R
相手材樹脂2:ポリプロピレン樹脂、日本ポリプロ社製ノバテックBC10
(3)軋み音抑制効果
上記の摩擦係数の測定方法と同様にして、表面性測定機(新東科学製、形式:HEIDON−14DR)を用い試験片1上で試験片2を面圧2.7kPa、移動速度300mm/分で200回まで往復移動させ、軋み音(高音の音質(キーキー音))が発生するまでの往復回数を求めた。軋み音が発生するまでの回数の多い方が、軋み音発生に対して抑制効果が高い。
[シリコーン化合物(B)]
ポリカーボネート樹脂組成物に配合するシリコーン化合物(B)としては、以下のものを用いた。
(B)−1:メタブレン SX−005(三菱レイヨン社製、メタクリル酸アルキル・アクリル酸アルキル・ジメチルシロキサン共重合物、平均粒子径:150μm)
(B)−2:シャリーヌ R−170S(日信化学工業社製、ジメチルシロキサン・メタクリル酸アルキル・メタクリル酸ヒドロキシアルキル共重合物、平均粒子径:30μm)
(B)−3:GENIOPLAST ペレットS(旭化成ワッカーシリコーン社製、高分子量ポリジメチルシロキサン65〜75%、シリカ25〜35%)
(B)−4:トスパール 120(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ合同会社製、ポリメチルシルセスキオキサン、平均粒子径:2μm)
[その他の添加剤]
ポリカーボネート樹脂組成物のその他の添加剤としては以下のものを用いた。
other−1:ハイゼックスミリオン M240(三井化学社製、超高分子量ポリエチレン)
着色剤:三菱カーボンブラック#960(三菱化学社製)
光安定剤:ビス(2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジル)セバケート(BASF・ジャパン社製、チヌビン770、分子量481)
[製造例1:ポリカーボネート樹脂(A)−1の製造]
撹拌翼および100℃に制御された還流冷却器を具備した重合反応装置に、イソソルビド(ISB)と1,4−シクロヘキサンジメタノール(CHDM)、蒸留精製して塩化物イオン濃度を10ppb以下にしたジフェニルカーボネート(DPC)および酢酸カルシウム1水和物を、モル比率でISB/CHDM/DPC/酢酸カルシウム1水和物=0.5/0.5/1.00/1.3×10−6になるように仕込み、十分に窒素置換した(酸素濃度0.0005体積%〜0.001体積%)。続いて熱媒で内容物の加温を行った。内温が100℃になった時点で撹拌を開始し、内温が100℃になるように制御しながら内容物を融解させ均一にした。その後、昇温を開始し、40分で内温を210℃にした。内温が210℃に到達した時点でこの温度を保持するように制御すると同時に、減圧を開始し、210℃に到達してから90分で13.3kPa(絶対圧力、以下同様)にして、この圧力を保持するようにしながら、さらに60分間保持した。重合反応とともに副生するフェノール蒸気を、還流冷却器に導いた。還流冷却器で凝縮した成分を重合反応装置に戻し、凝縮しないフェノール蒸気は続いて45℃の温水を冷媒として用いた凝縮器に導いて回収した。
上記重合反応装置でオリゴマー化させた内容物を、一旦大気圧にまで復圧させた後、撹拌翼および上記同様に制御された還流冷却器を具備した別の重合反応装置に移し、昇温および減圧を開始して、60分で内温220℃、圧力200Paにした。その後、20分かけて内温228℃、圧力133Pa以下にして、所定撹拌動力になった時点で復圧し、重合反応装置出口より溶融状態のポリカーボネート共重合体を得た。
更に3つのベント口および注水設備を供えた二軸押出機に連続的に前記溶融状態のポリカーボネート共重合体を供給し、該ポリカーボネート共重合体100質量部に対して、酸化防止剤としてイルガノックス1010(BASF・ジャパン株式会社製、ペンタエリスリトール−テトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート])を0.1質量部、アデカスタブ2112(株式会社ADEKA製、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト)を0.05質量部および離型剤としてユニスターE−275(日油株式会社製)0.3質量部を連続的に添加するとともに、二軸押出機に具備された各ベント部にてフェノールなどの低分子量物を減圧脱揮した後、ペレタイザーによりペレット化を行い、ポリカーボネート樹脂(A)−1を得た。ポリカーボネート樹脂(A)−1の還元粘度ηsp/cは0.61dL/gであった。
[製造例2:ポリカーボネート樹脂(A)−2の製造]
製造例1において、ISB/CHDM/DPC/酢酸カルシウム1水和物のモル比率を0.7/0.3/1.00/1.3×10−6に変えた以外は、製造例1と同様に行って、ポリカーボネート樹脂(A)−2を得た。ポリカーボネート樹脂(A)−2の還元粘度ηsp/cは、0.44dL/gであった。
[実施例1]
製造例2で得られたポリカーボネート樹脂(A)−2を98質量部、シリコーン化合物として(B)−1を1質量部、光安定剤としてチヌビン770(BASF・ジャパン社製)を0.1質量部、着色剤としてカーボンブラックを0.1質量部を用い、これらを予めブレンドしておき、二軸混練機(日本製鋼所社製、TEX30SST42BW:スクリュー径30mm、L/D=42)を用いて、途中一カ所から真空ポンプで絶対真空圧10〜20kPaに減圧調整しながら、シリンダー温度240℃、スクリュー回転数200rpm、吐出量15kg/hrでストランド状に押し出し、ストランドカッターを用いてペレット状の樹脂組成物サンプルを得た。
得られたペレット状サンプルを、熱風乾燥機で100℃にて5時間乾燥した後、前述の評価法(2)〜(3)に従って、評価を行い、その結果を表1に表した。
[実施例2〜4]
表1に示す配合としたこと以外は実施例1と同様に押し出し、ペレット状サンプルを得、同様に評価を行って、結果を表1に表した。
[比較例1〜4]
表1に示す配合としたこと以外は実施例1と同様に押し出し、ペレット状サンプルを得、同様に評価を行って、結果を表1に表した。
Figure 2015199953
表1より、ポリカーボネート樹脂(A)を含み、前記式(2)を満足する本発明のポリカーボネート樹脂組成物によれば、軋み音の発生が抑制されることが分かる。

Claims (10)

  1. 下記式(1)で表されるジヒドロキシ化合物に由来する構造単位を含むポリカーボネート樹脂(A)を含むポリカーボネート樹脂組成物であって、下記式(2)を満足することを特徴とするポリカーボネート樹脂組成物。
    Figure 2015199953
    μk≦0.18 (2)
    (上記式(2)において、μkは、下記摩擦係数測定試験により測定される動摩擦係数を示す。
    <摩擦係数測定試験>
    該ポリカーボネート樹脂組成物より成形された成形板上に、ポリプロピレン系樹脂、非晶性ポリオレフィン樹脂、スチレン系樹脂、芳香族ポリエステル系樹脂、芳香族ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリ乳酸樹脂およびアクリル系樹脂のいずれか1種以上よりなる樹脂成形板(以下、「相手材」という。)を重ね合わせ、面圧3.1kPa、移動速度100mm/分で該相手材を移動させ、移動開始時の最大荷重を静摩擦係数μsとし、移動開始後4秒から6秒の荷重の平均値を動摩擦係数μkとする。)
  2. 更に、下記式(3)を満足することを特徴とする請求項1に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
    μk/μs≦0.7 (3)
    (上記式(3)において、μkは前記摩擦係数測定試験により測定される動摩擦係数であり、μsは同静摩擦係数を示す。)
  3. 前記ポリカーボネート樹脂(A)が、前記式(1)で表されるジヒドロキシ化合物に由来する構成単位(a)と、脂肪族ジヒドロキシ化合物、脂環式ジヒドロキシ化合物、及び前記式(1)で表されるジヒドロキシ化合物以外のエーテル基含有ジヒドロキシ化合物からなる群より選ばれる1種以上のジヒドロキシ化合物に由来する構成単位(b)とを含む共重合ポリカーボネート樹脂であることを特徴とする請求項1又は2に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
  4. 更にシリコーン化合物(B)を含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
  5. 前記ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対して、前記シリコーン化合物(B)を0.01質量部以上5質量部以下含むことを特徴とする請求項4に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
  6. 前記シリコーン化合物(B)が、ジアルキルシロキサンと(メタ)アクリル酸アルキルとの共重合体であることを特徴とする請求項4又は5に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1項に記載のポリカーボネート樹脂組成物を成形してなる成形品。
  8. 少なくとも一つ以上の篏合部を有する成形品であることを特徴とする請求項7に記載の成形品。
  9. 自動車内装部品又は外装部品であることを特徴とする請求項8に記載の成形品。
  10. 車載用ディスプレイ、カーナビ、カーオーディオ、コンソールパネル、ダッシュボード又はドアトリム用部品であることを特徴とする請求項9記載の成形品。
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