JP2015199302A - 筆記具 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】インク供給部及び筆記先端を繋ぐ継手60が3部材からなる。継手60を構成する3部材は、略筒状の中心部材61と中心部材61の外周に形成された略筒状の周辺部材62と、中心部材61と周辺部材62の外周を覆うようにして成形された軟質部材で成形された介在部材63とからなり、中心部材61と周辺部材62の間には環状の空隙部64とが設けられており、この空隙部64にインク供給部の先端が嵌合する。継手60は二色成形によって成形され、一次成形で中心部材61と周辺部材62が成形され、二次成形で介在部材63が、中心部材61及び周辺部材62に対し一体成形される。
【選択図】図7
Description
そこで、本願発明は、筆記の際の力の入れ具合によって、ペン先の撓み量を変化させることができ、弾性体の劣化を抑え、がたつきを生じにくくさせ、安定した筆記感を得ることが可能な筆記具の提供を課題とする。
上記の課題を解決するために、本願における第1の発明は、
筆記先端40と、
前記筆記先端40にインクを供給するインク供給部30と、
前記筆記先端40及び前記インク供給部30を連結させる継手60と、
前記筆記先端40、前記インク供給部30及び前記継手60を内部に収納する軸筒10とを有する筆記具1において、
前記継手60は、
少なくとも筆記先端40を接続する中心部材61と、
前記中心部材61から離間した周辺部材62と、
前記中心部材61と前記周辺部材62とを接続して成形された介在部材63とからなり、
前記介在部材63は前記中心部材61と前記周辺部材63とは異なる材質からなることを特徴とする。
(第2の発明)
本願のうち第2の発明は、第1の発明における特徴に加え、前記継手60は二色成形によって成形され、一次成形で前記中心部材61と前記周辺部材62が成形され、二次成形で前記介在部材63が、前記中心部材61及び前記周辺部材62に対し一体成形されることを特徴とする。
本発明によれば、第1の発明と同様に、筆記の際の力の入れ具合によって、継手60が撓むため、万年筆のようなやわらかい筆記感を得ることができる。また、一体成形をするため、介在部材63によって、中心部材61と周辺部材62をしっかりと係合させることができる。
(第3の発明)
本願のうち第3の発明は、第1の発明または第2の発明に加え、前記介在部材63が、前記中心部材61と前記周辺部材62よりも軟質な物質によって成形されることを特徴とする。
本発明によれば、第1の発明と同様に、筆記の際の力の入れ具合によって、継手60が撓むが、介在部材63に軟質な物質を使用しているため、より弾むことで、よりやわらかな筆記感となる。
(第4の発明)
本願のうち第4の発明は、第1、第2又は第3の発明に加え、前記継手60は、略筒状に形成された中心部材61と、前記中心部材61の外周に形成された略筒状の周辺部材62と、前記中心部材61と前記周辺部材62との間に形成された環状の空間に前記インク供給部30の先端が挿入されることを特徴とする。
(全体構造)
ボールペン1は、図1(A)及び(B)に示すように、先端に筆記ボール50を抱持したボールペンチップ40と、ボールペンチップ40にインクを供給するインク供給部30と、ボールペンチップ40及びインク供給部30を繋ぐ継手60と、ボールペンチップ40、継手60及びインク供給部30を内部に収納する軸筒10と、軸筒10先端に装着され、ボールペンチップ40の外周を覆うアウター20とを備えている。
図1(B)に示すように、軸筒10は、後端が閉鎖している筒形状のインクタンク13と、筒形状で先端は先細り形状をしており、後端の内周にインクタンク13の先端が嵌入している先軸11と、後端が閉鎖している筒形状で、先端の内周に先軸11の後端が嵌入している後軸12とからなる。
図1(B)に示すように、インクタンク13の外径は、先軸11後端の内径と略同径である。図2に示すように、インクタンク13の外周には、インクタンク13の先端から約1/3ほどの位置に、外方へ突出したインクタンク外方突起13aが設けられている。また、インクタンク13には図示しないインクが充填されている。
前述のインクタンク外方突起13a及び先軸内方突起11aは係合している。また、先軸外方突起11b及び後軸内方突起12bも係合している。これらの係合によって、インクタンク外方突起13a、先軸内方突起11a、先軸外方突起11b及び後軸内方突起12bが抜け止めとして作用しているため、インクタンク13、先軸11及び後軸12はそれぞれ外れにくくなっている。また、インクタンク外方突起13a及び先軸内方突起11aはそれぞれリング状に形成された突条である。また、先軸外方突起11b及び後軸内方突起12bも同様に、それぞれリング状に形成された突条である。なお、インクタンク外方突起13a及び先軸内方突起11aは何れか一方のみが周に沿ってリング状に形成された突条であってもよい。また、先軸外方突起11b及び後軸内方突起12bも同様に、何れか一方のみが周に沿ってリング状に形成された突条であってもよい。
図4及び図5に示すように、インク供給部30は、略筒状で複数のフィン33が外周に櫛歯状に形成されたコレクター31と、棒状のポリエステルファイバーから成り、コレクター31を軸方向に貫通しており、かつ先端にボールペンチップ40の後端が嵌入しているコレクター芯32とからなる。図5に示すように、コレクター31の先端には、内径が拡径している先端保持部34が設けられている。
図4及び図5に示すように、先端保持部34の外周には、先軸前部16の内周に形成された先軸前部内方突起16aに係合し、先軸前部内方突起16aの直前に設けられたリング状のコレクター鍔部34aと、コレクター鍔部34aの前方に連設し、コレクター鍔部34aよりも径が小さいコレクター段部34bと、コレクター段部34bの前方に連設し、コレクター段部34bよりも径が小さいコレクター当接部34cとが設けられている。
(ボールペンチップ)
図6に示すように、ボールペンチップ40は、円筒形状のホルダー42と、ホルダー42に挿入され、ホルダー42の後端から突出する棒状の中芯41と、ホルダー42に保持される筆記ボール50とからなる。ホルダー42の先端には、小口を内方に押圧して縮径変形されたカシメ部42aが形成されている。そして、筆記ボール50の先端は、カシメ部42aの先端縁から露出するようになっている。中芯41はコレクター芯32と同様にポリエステルファイバーにより形成され、中芯41の後端はコレクター芯32の先端に嵌め込まれるとともに、中芯41の先端は筆記ボール50の直後に達しており、コレクター芯32に浸透したインクを吸収して筆記ボール50にインクを供給する。さらに、ボールペンチップ40は、後端から約2/3程度が継手60に保持される。
(継手)
図4及び図7に示すように、継手60は、略筒状の中心部材61と、中心部材61後方の外周にコレクター31の先端保持部34の厚さ分の空隙部64を有するように、中心部材61の後端から約1/4から約1/3あたりまでに成形された略筒状の周辺部材62と、周辺部材62の先端から中心部材61の先端から約1/3の位置までを覆うように形成された介在部材63とからなる。中心部材61の内部には、後方からコレクター芯32が挿入され、前方からボールペンチップ40が挿入される。また、中心部材61と周辺部材62との間に形成された空隙部64に先端保持部34が嵌合される。
継手60は二色成形により成形された部品であり、中心部材61及び周辺部材62を一次成形で成形し、これら中心部材61及び周辺部材62に対し介在部材63を二次成形により一体成形している。介在部材63は連結部63bにおいて、撓りをもたせるため、弾性樹脂材料によって形成される。前記弾性材料としては、成型工程において、金型を用いて、高温下で行うため熱可塑性のエラストマーが望ましい。一次成形体である中心部材61及び周辺部材62の材質はポリアセタール樹脂等の硬質樹脂が望ましい。
図6に示すように、アウター20は円筒状のアウター固定部21と、このアウター固定部21に連設する略円錐形状のアウターテーパー部22とからなる。アウターテーパー部22の先端には面取りされたアウター先端部23が設けられている。また、アウター20には、後端から先端に向けて孔が形成されており、アウター固定部21の内面には、後部挿入孔24が設けられ、アウターテーパー部22の先端付近の内面には、後部挿入孔24よりも小径の前部挿入孔25が設けられている。アウター固定部21はアウター挿入孔16dに装着されることで、先軸11に固定される。そして、アウター20はボールペンチップ40を被覆する。この際、後部挿入孔24に継手60の前方円柱部61hが挿入され、前部挿入孔25には、継手60から突出しているボールペンチップ40が挿入される。図6に示すように、アウター先端部23はから、筆記ボール50と、筆記ボール50を覆うカシメ部42aとが露出している。
このボールペン1は、継手60が3部材からなり、周辺部材62と中心部材61とが、同一の一次成形体でありながら、互いに一次成形体としては連続していないため、介在部材63の連結部63b付近が変形し、継手60が撓りやすい構造となっている。そのため、筆記の際の力の入れ具合によって、コレクター30とコレクター芯32とが撓り、アウター20及びインク供給部30を軸筒10の中心軸から傾けることができ、万年筆のようなやわらかい筆記感を得ることができる。
ボールペン1は次のように組み立てる。まず、コレクター31の先端保持部34を継手60の空隙部64に嵌入させ、コレクター31の後端からコレクター芯32を、継手60の先端から筆記ボール50を抱持させたボールペンチップ40をそれぞれ挿入し、コレクター芯32にボールペンチップ40の中芯41を嵌入させる。組み合わせたコレクター31、コレクター芯32、継手60及びボールペンチップ40を先軸11の後端から挿入する。その後ボールペンチップ40を覆うようにしてアウター20を先軸11の内周に装着する。若しくはアウター20を先軸11の内周に装着した後、組み合わせたコレクター31、コレクター芯32、継手60及びボールペンチップ40を先軸11の後端から挿入して組み立ててもよい。
最後に、インクタンク13を覆うようにして後軸12の先端の内周に先軸11の後端を挿入する。先軸11を後軸12に挿入する際は、後軸12の先端が先軸鍔部15に当接するまで挿入させる。
11 先軸 11a 先軸内方突起
11c 先軸外方突起 12 後軸
12a 後軸テーパー部 12b 後軸内方突起
13 インクタンク 13a インクタンク外方突起
14 先軸後部 15 先軸鍔部
16 先軸前部 16a 先軸前部内方突起
16b 肉厚部 16c先軸前部縮径孔
16d アウター挿入孔 20 アウター
21 アウター固定部 22 アウターテーパー部
23 アウター先端部 24 後部挿入孔
25 前部挿入孔 30 インク供給部
31 コレクター 32 コレクター芯
33 フィン 34 先端保持部
34a コレクター鍔 34b コレクター段部
34c コレクター当部 40 筆記先端又はボールペンチップ
41 中芯 42 ホルダー
42a カシメ部 50 筆記ボール
60 継手 61 中心部材
61a 後方挿入孔 61b 中央挿入孔
61c 前方挿入孔 61d 後方円柱部後部
61e 中心部材鍔部 61f 後方円柱部前部
61g 中央円柱部 61h 前方円柱部
62 周辺部材 62a 周辺部材拡径部
62b 周辺部材内方突起 62c 周辺部材後方外周部
62d 周辺部材中央外周部 62e 周辺部材前方外周部
62f 周辺部材外方突部 62g 欠部
63 介在部材 63a介在部材後方円柱部
63b 連結部 63c介在部前方円錐部
64 空隙部
図4及び図5に示すように、インク供給部30は、略筒状で複数のフィン33が外周に櫛歯状に形成されたコレクター31と、棒状のポリエステルファイバーから成り、コレクター31を軸方向に貫通しており、かつ先端が継手60の後端に嵌入しているコレクター芯32とからなる。図5に示すように、コレクター31の先端には、内径が拡径している先端保持部34が設けられている。
図4及び図5に示すように、先端保持部34の外周には、先軸前部16の内周に形成された先軸前部内方突起16aに係合し、先軸前部内方突起16aの直前に設けられたリング状のコレクター鍔部34aと、コレクター鍔部34aの前方に連設し、コレクター鍔部34aよりも径が小さいコレクター段部34bと、コレクター段部34bの前方に連設し、コレクター段部34bよりも径が小さいコレクター当接部34cとが設けられている。
図6に示すように、アウター20は円筒状のアウター固定部21と、このアウター固定部21に連設する略円錐形状のアウターテーパー部22とからなる。アウターテーパー部22の先端には面取りされたアウター先端部23が設けられている。また、アウター20には、後端から先端に向けて孔が形成されており、アウター固定部21の内面には、後部挿入孔24が設けられ、アウターテーパー部22の先端付近の内面には、後部挿入孔24よりも小径の前部挿入孔25が設けられている。アウター固定部21はアウター挿入孔16dに装着されることで、先軸11に固定される。そして、アウター20はボールペンチップ40を被覆する。この際、後部挿入孔24に継手60の前方円柱部61hが挿入され、前部挿入孔25には、継手60から突出しているボールペンチップ40が挿入される。図6に示すように、アウター先端部23から、筆記ボール50と、筆記ボール50を覆うカシメ部42aとが露出している。
このボールペン1は、継手60が3部材からなり、周辺部材62と中心部材61とが、同一の一次成形体でありながら、互いに一次成形体としては連続していないため、介在部材63の連結部63b付近が変形し、継手60が撓りやすい構造となっている。
11 先軸 11a 先軸内方突起
11b 先軸外方突起 12 後軸
12a 後軸テーパー部 12b 後軸内方突起
13 インクタンク 13a インクタンク外方突起
14 先軸後部 15 先軸鍔部
16 先軸前部 16a 先軸前部内方突起
16b 肉厚部 16c先軸前部縮径孔
16d アウター挿入孔 16e グリップ部材
20 アウター
21 アウター固定部 22 アウターテーパー部
23 アウター先端部 24 後部挿入孔
25 前部挿入孔 30 インク供給部
31 コレクター 32 コレクター芯
33 フィン 34 先端保持部
34a コレクター鍔部 34b コレクター段部
34c コレクター当接部 40 筆記先端又はボールペンチップ
41 中芯 42 ホルダー
42a カシメ部 50 筆記ボール
60 継手 61 中心部材
61a 後方挿入孔 61b 中央挿入孔
61c 前方挿入孔 61d 後方円柱部後部
61e 中心部材鍔部 61f 後方円柱部前部
61g 中央円柱部 61h 前方円柱部
62 周辺部材 62a 周辺部材拡径部
62b 周辺部材内方突起 62c 周辺部材後方外周部
62d 周辺部材中央外周部 62e 周辺部材前方外周部
62f 周辺部材外方突部 62g 欠部
63 介在部材 63a介在部材後方円柱部
63b 連結部 63c介在部前方円錐部
64 空隙部
Claims (4)
- 筆記先端と、
前記筆記先端にインクを供給するインク供給部と、
前記筆記先端及び前記インク供給部を連結させる継手と、
前記筆記先端、前記インク供給部及び前記継手を内部に収納する軸筒とを有する筆記具において、
前記継手は、
少なくとも筆記先端と接続する中心部材と、
前記中心部材から離間した周辺部材と、
前記中心部材と前記周辺部材とを接続して成形された介在部材とからなり、
前記介在部材は前記中心部材と前記周辺部材とは異なる材質からなることを特徴とする筆記具。 - 前記継手は二色成形によって成形され、一次成形で前記中心部材と前記周辺部材が成形され、二次成形で前記介在部材が前記中心部材及び前記周辺部材に対し、一体成形されることを特徴とする請求項1記載の筆記具。
- 前記介在部材が、前記中心部材と前記周辺部材よりも軟質な物質によって成形されることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の筆記具。
- 前記継手が、略筒状に形成された中心部材と、前記中心部材の外周に形成された略筒状の周辺部材と、前記中心部材と前記周辺部材との間に形成された環状の空間には前記インク供給部の先端が挿入されることを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3に記載の筆記具。
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